JPH1092787A - 蒸気乾燥装置 - Google Patents

蒸気乾燥装置

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JPH1092787A
JPH1092787A JP24517796A JP24517796A JPH1092787A JP H1092787 A JPH1092787 A JP H1092787A JP 24517796 A JP24517796 A JP 24517796A JP 24517796 A JP24517796 A JP 24517796A JP H1092787 A JPH1092787 A JP H1092787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気せしめる液の突沸による被乾燥物である
半導体素子の汚染を防止することができる半導体素子の
蒸気乾燥装置を提供する。 【解決手段】 蒸気槽1低部にIPA液層2と接触する
面に凸状の突起物15を設ける。凸状の突起物15の材
質は、蒸気槽1と同一とし、蒸気槽1に溶接や融着等の
他の材質を用いない方法により接着されたものまたは、
蒸気槽1を凸状の突起物15になるように削り出して形
成されたものであり、凸状の突起物15上端は、針状に
形成し、しかも凸状の突起物15上端は、液面より下部
に形成されたものである。これにより、沸騰の種となる
部分ができたので、加熱状態にならず突沸が防止でき
る。また、IPA液層と蒸気槽との接触面積が従来より
広くなったため、加熱ヒータの熱を効率良く、IPA液
層に伝えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被乾燥物の乾燥を
行う蒸気乾燥装置に係り、特に洗浄およびウエットエッ
チング工程に用いる半導体素子の蒸気乾燥装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、特公平6−2263号公報、特公平5−867
6号公報、特公平3−44834号公報、特公平3−4
4835号公報、特公平6−82647号公報、特公昭
62−33314号公報、特公平5−66726号公
報、「最適精密洗浄技術」 p191〜p201,6.
3IPAによる蒸気乾燥装置、(株)テクノシステム発
行、1990年2月12日に記載されるものがあった。
【0003】一般に、従来のイソプロピルアルコール
(以下、IPAという)蒸気洗浄装置は、上記文献「最
適精密洗浄技術,p191〜p201,6.3項 IP
Aによる蒸気乾燥装置」に開示されるものがある。図1
1はかかる従来の蒸気乾燥装置の構成図である。この図
に示すように、このウエハ蒸気乾燥装置は、蒸気槽10
1、底面加熱ヒーター102、側壁加熱ヒーター10
3、冷却管104、凝縮液受け皿105を含むIPA加
熱冷却系、被乾燥物(シリコンウエハ)121の搬送
系、IPAキャニスター缶106、IPA供給管10
7、フィルタ108、IPA液109を含むIPA供給
系、IPA廃液管110、排気口111を含むクリーン
ユニット、ファン112、フィルター113、比抵抗計
114等から構成されている。
【0004】蒸気槽101中のIPA液109は底面加
熱ヒーター102、側壁加熱ヒーター103により昇温
され蒸発するが、蒸気槽101上部の冷却管104によ
って冷却され、凝縮し、再びIPA液109へ戻され
る。したがって、定常状態では、IPA液109の上部
にベーパゾーンが形成される。洗浄/水洗工程の終了し
た被乾燥物(シリコンウエハ)は、搬送ロボットにより
蒸気槽101内の凝縮液受け皿105の真上近傍まで移
送される。IPA液109の蒸気は直ちに被乾燥物12
1表面で凝縮し、被乾燥物121表面に付着している水
分に溶け込み、凝縮液の溶け込んだ水分は自重により凝
縮液受け皿105に落下するとともに、IPAの溶け込
みにより沸点の低くなった水分は蒸発を始める。
【0005】蒸気槽101内で蒸気の温度まで被乾燥物
121が十分昇温された後、被乾燥物121を冷却管1
04より上方に搬送ロボットによって移送する。蒸気槽
101内に昇温された被乾燥物121にはIPAが吸着
しており、冷却管104より上方に移送された被乾燥物
121から被乾燥物121の熱により吸着したIPAが
蒸発を始める。IPAの蒸発した後、乾燥が終了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置では、蒸気槽内のIPAは、加熱ヒータに
より昇温され沸騰状態となり、IPA液上部にベーパゾ
ーンが形成されるが、半導体製造に用いるIPAは半導
体集積回路を形成するシリコンウエハ(以下:ウエハと
略す)への汚染を極力低減する目的で、IPA中の不純
物が極力低減されている。
【0007】このように液体を昇温し沸騰状態にする場
合、容器側壁や液中のごみなどの沸騰の種がなく、種を
中心にした液体の気化およびそれによる圧力上昇で外圧
を上回ることにより始まる沸騰が起こらなくなり、液体
は加熱の状態になる。加熱の状態にある液体は突発的に
沸騰を起こし、液体が飛散する突沸状態になる。突沸時
に種となった少ない不純物は液体の飛散と同時に被乾燥
物に付着し、被乾燥物を汚染させるという問題点があ
る。
【0008】また、IPA液面より上方に位置するよう
に前記凝縮液受け皿には、受け皿の下に足をつけ蒸気槽
に置かれている。突沸状態では前記凝縮液受け皿の足底
部と蒸気槽との接触部で摩擦が起こり発塵が起きる。こ
の塵埃が沸騰時の種となり、沸騰と同時にIPA液槽上
部に拡散され、被乾燥物を汚染させるという問題点もあ
る。
【0009】本発明は、上記問題点を除去し、蒸気せし
める液の突沸による被乾燥物である半導体素子の汚染を
防止することができる半導体素子の蒸気乾燥装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置において、前
記蒸気槽の底面に上端が針状の凸状物を形成し、この凸
状物を浸すように蒸気せしめる液中に設けるようにした
ものである。
【0011】このように、凸状の突起物を設けたことに
より、沸騰の種となる部分が形成されるので、加熱状態
にならず突沸を防止することができる。また、凸状の突
起物を設けたことにより、IPA液と蒸気槽との接触面
積を従来より広くすることができ、加熱ヒータの熱を効
率良く、IPA液に伝えることができる。
【0012】(2)被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置
において、蒸気槽内で、蒸気せしめる液中に不純物が少
ない不活性気体を均一に導入するため微細な穴が複数個
形成された管を複数本配置するようにしたものである。
このように、N2 ガスを均一にIPA液に導入できるよ
うにしたので、沸騰時にN2 ガスが種となり、加熱状態
にならず突沸を防止することができる。
【0013】また、N2 によりIPA液界面で発生した
IPA蒸気を上方に押し上げることが可能となり、被乾
燥物へ多量の蒸気を供給することができる。 (3)被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置において、蒸
気槽内で、蒸気せしめる液より上部であって、かつ被乾
燥物がセットされる位置より下方に被乾燥物の中心線方
向に傾斜を持つ板状物を最低2枚以上設け、それぞれの
前記板状物は前記蒸気槽中央線を中心にして対称に設置
するようにしたものである。
【0014】したがって、突沸により飛散した液が、邪
魔板により邪魔され、邪魔板より上方に飛散しないた
め、突沸が発生しても、ウエハに突沸により発生した飛
散液の付着が起こらないため、ウエハが清浄な状態で乾
燥できる。なおかつ、邪魔板は蒸気槽の中心方向に傾斜
を持っているため、ウエハの方向に蒸気の流れが形成さ
れ、より早い乾燥が可能となる。
【0015】(4)被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置
において、蒸気槽内で、蒸気せしめる液より上部であっ
て、かつ被乾燥物がセットされる位置より下方に前記蒸
気せしめる液面と平行に前記蒸気せしめる液より沸点の
高い液体を前記蒸気槽外部より内部を通過し、外部へ流
し得る管を蛇行状に往復させるように配置するようにし
たものである。
【0016】このように、落下する液滴が上方に飛散す
る液滴の妨害をし、なおかつ落下する液摘は飛散する液
滴を取り込みながら落下しているため、突沸により飛散
する液滴はウエハに到達することができない。そのた
め、ウエハの清浄な乾燥が可能となる。更に、冷却管内
を流れる冷却液の流量を、流量コントロールバルブによ
って、コントロールすることにより、ウエハへの蒸気量
をコントロールできるので、ウエハを移動させることな
くIPAの蒸気の供給停止を含む制御を行うことが可能
となる。したがって、蒸気槽外部に出してIPAを蒸発
させる従来方法より安全である。
【0017】(5)被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置
において、蒸気槽内で、被乾燥物の蒸気の凝縮により発
生する前記被乾燥物より落下する液滴を前記蒸気槽外に
排出するために設けた凝縮液受け皿を支えるための支持
足と、前記蒸気槽と接触することがないように、前記蒸
気槽及び前記受け皿を構成する材質より、曲げ弾性が低
く、なおかつ蒸気せしめる液に十分な化学的、熱的耐性
を持ち、なおかつ発塵の少ない材質からなる摩擦防止部
材を前記受け皿の支持足と前記蒸気槽との間に挿入する
ようにしたものである。
【0018】したがって、蒸気槽と凝縮液受け皿の足と
の直接の摩擦が生じないため、発塵が抑えられ、IPA
液中の塵埃が増加しない。なおかつ、蒸気槽と凝縮液受
け皿の足との間に板もしくはキャップを設置するのみで
あるため、現状装置の形状を変化させずに形成すること
が可能であり、容易に実施可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1
実施例を示す蒸気乾燥装置の概略構成図、図2はその蒸
気乾燥装置のIPA液と蒸気槽との接触面を示す断面図
である。なお、ここでの乾燥は、溶媒蒸気の試料面〔こ
こでは、主な、乾燥対象は、半導体素子(ウエハ)であ
るが、半導体素子の容器であるカセットなどをも含み、
その意味で被乾燥物をさすものである。〕への凝縮によ
り水分除去を行う置換脱水乾燥方式である。
【0020】図において、蒸気槽1は蒸気槽内にIPA
液を供給するためのIPA供給ライン9、IPAの廃液
時に用いるIPA廃液ライン13、凝縮液を蒸気槽1外
に排出するための凝縮液受け皿5、IPAを昇温するた
めの底部加熱ヒータ(以下、単にヒータという)3、蒸
気化されたIPAの蒸気を蒸気槽外内に留めるための冷
却管4で構成される。
【0021】なお、蒸気槽1の材質としては、例えば、
石英や電解複合研磨処理したステンレスなどを用いる。
また、凝縮液受け皿5の材質としても、同様に、石英や
電解複合研磨処理したステンレスなどを用いる。IPA
供給ライン9はIPA中の塵埃を除去するためのフィル
タ7、IPA供給を制御するための供給バルブ12で構
成され、IPA供給ライン9にはIPAが入っているI
PAキャニスタ缶6が接続され、IPAキャニスタ缶6
にはIPAを圧送するための加圧ライン8が接続されて
いる。加圧ライン8は加圧ガスを制御するための加圧ガ
スバルブ11が取り付けられている。凝縮液受け皿5に
は凝縮されたIPAを蒸気槽1外に排出するための凝縮
液廃液ライン10が接続される。
【0022】IPA廃液ライン13には、IPAの廃液
を制御するための廃液バルブ14が設けられており、廃
液バルブ14より廃液ライン側で凝縮液廃液ライン10
と接続される。第1実施例では、図1に示すように、蒸
気槽1底部にIPA液2と接触する面に凸状の突起物1
5を設ける。図2は前記接触面の拡大図であって、前記
凸状の突起物15の材質は、蒸気槽1と同一とし、蒸気
槽1に溶接や融着等の他の材質を用いない方法により接
着されたものまたは、蒸気槽1を凸状の突起物15にな
るように削り出して形成されたものであり、凸状の突起
物15上端は、針状に形成し、しかも凸状の突起物15
上端は、液面より下部に形成している。
【0023】以下、この蒸気乾燥装置の動作について説
明する。まず、加圧ライン8の加圧ガスバルブ11が開
き、IPAキャニスタ缶6が加圧される。その後、供給
バルブ12を開き、IPA供給ライン9によりフィルタ
7を通り蒸気槽1内にIPAを供給する。蒸気槽1に供
給されたIPAが所定の量になると、供給バルブ12が
閉じIPAの供給が停止される。停止された後、加熱ヒ
ータ3により蒸気槽1に供給されたIPA液2を昇温し
始める。沸点近傍まで昇温されたIPA液2は、凸状の
突起物15の針状上端部を沸騰の種として沸騰し始め
る。
【0024】このにように、第1実施例によれば、凸状
の突起物15を設けたことにより、沸騰の種となる部分
が形成されるので、加熱状態にならず突沸を防止するこ
とができる。なおかつ凸状の突起物15を設けたことに
より、IPA液2と蒸気槽1との接触面積を従来より広
くすることができ、加熱ヒータ3の熱を効率良く、IP
A液2に伝えることができる。
【0025】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図3は本発明の第2実施例を示す蒸気乾燥装置の概
略構成図、図4はその蒸気乾燥装置のバブラの構成図で
あり、図4(a)はその裏面図,図4(b)はその側面
図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については
同じ番号を付してそれらについての説明は省略する。
【0026】この第2実施例では、図3及び図4に示す
ように、上記蒸気槽1内部でIPA液2内に気体を導入
するために、微細な穴17を持つ管状のバブラ16を蒸
気槽1内に設けたものである。IPA液2内に導入され
る気体は、不純物が少なく不活性のガス、例えば、N2
ガス等の不純物を少なくすることが可能な気体である。
バブラ16には、ガスバルブ18が取り付けられており
導入するガスの制御が可能となっている。バブラ16は
IPA液2内に均一に気体を導入するために、1本以上
で構成され、バブラ16に開けられる微細な穴17は、
IPA液が加熱状態にならないガスの量を、バブラ16
のバブラ先端よりバブラ16がIPA液に導入されてい
る部分までの間を均一になるように加工したものであ
る。
【0027】以下、この蒸気乾燥装置の動作について説
明する。まず、第1実施例と同様に、加圧ライン8の加
圧ガスバルブ11が開き、IPAキャニスタ缶6が加圧
される。その後、供給バルブ12を開き、IPA供給ラ
イン9によりフィルタ7を通り蒸気槽1内にIPAを供
給する。蒸気槽1に供給されたIPAが所定の量になる
と、供給バルブ12が閉じIPAの供給が停止される。
停止された後、加熱ヒータ3により蒸気槽1に供給され
たIPA液2を昇温し始める。
【0028】この第2実施例では、沸点近傍まで昇温さ
れた後、ガスバルブ18を開きIPA液2内部にバブラ
16よりN2 ガスを導入する。IPA液2中には導入さ
れたN2 ガスが拡散し、この拡散したN2 ガスが種とな
りIPA液2が沸騰を始める。このように、第2実施例
によれば、N2 ガスを均一にIPA液に導入できるよう
にしたために、沸騰時にN2 ガスが種となり、加熱状態
にならず突沸が防止できる。
【0029】なおかつ、N2 によりIPA液2界面で発
生したIPA蒸気を上方に押し上げることが可能となり
被乾燥物へ多量の蒸気を供給することが可能となる。次
に、本発明の第3実施例について説明する。図5は本発
明の第3実施例を示す蒸気乾燥装置の概略構成図、図6
はその蒸気乾燥装置の邪魔板部の斜視図である。なお、
第1実施例と同じ構成部分については、同じ符号を付し
てそれらの説明は省略する。
【0030】蒸気槽1内に被乾燥物であるシリコンウエ
ハ20及びそれを収納し搬送を容易にするためのキャリ
ア21は、洗浄/水洗工程が終了した後、蒸気槽1内の
凝縮液受け皿5の直上の位置まで移送される。この第3
実施例では蒸気槽1内部のIPA液2より上方で、シリ
コンウエハ20より下方に、傾斜を持つ板状の邪魔板1
9を蒸気槽1の中心部を中心にして線対称な傾斜を持つ
ように平行に並べる。また、邪魔板19は図6に示すよ
うに設置されている。
【0031】邪魔板19の傾斜および大きさは、IPA
液2を上方から見た場合、蒸気槽1の中央部の線対称中
心部を除き、その垂直上で完全に隠れるように形成され
たものである。例えば、厚さ5mm、幅40mm、長さ
蒸気槽1と同じ邪魔板を45度傾斜させて、IPA液2
と平行面の大きさが500mm角の蒸気槽1に蒸気槽内
中央部10mmのクリアランスを設け形成すると、邪魔
板19の下辺の間隔を17.5mmとし28枚設置す
る。
【0032】以下、この蒸気乾燥装置の動作について説
明する。第1、第2実施例と同様に、IPA液2は加熱
ヒータ3により昇温される。IPA液2は種が少ない液
であるため、昇温され加熱状態になる。加熱状態になっ
たIPA液2は突沸が発生する。突沸した液は、蒸気槽
1の上方へ飛散しようとする。IPA液2上で飛散した
液はその上方の邪魔板19に衝突する。
【0033】このように、第3実施例によれば、突沸に
より飛散した液が、邪魔板19により邪魔され、邪魔板
19より上方に飛散しないため、突沸が発生しても、シ
リコンウエハ20に突沸により発生した飛散液の付着が
起こらないため、シリコンウエハ20が清浄な状態で乾
燥できる。なおかつ、邪魔板は蒸気槽1の中心方向に傾
斜を持っているため、シリコンウエハ20の方向に蒸気
の流れが形成され、より早い乾燥が可能となる。
【0034】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。図7は本発明の第4実施例を示す蒸気乾燥装置の概
略構成図、図8は本発明の第4実施例を示す蒸気乾燥装
置の下部冷却板部の平面図である。なお、第1実施例及
び第3実施例と同じ構成部分については、同じ符号を付
してそれらの説明は省略する。
【0035】この第4実施例では、蒸気槽1内部のIP
A液2面より上方で、シリコンウエハ20より下方に、
IPA液2面と平行に、蒸気槽1入口部から出口部へ蛇
行状に数往復させた下部冷却管22を設けた。下部冷却
管22は往復するときは往路および復路は各々が平行に
設置されており、下部冷却管22の材質は蒸気槽1と同
一であって、管の内径は冷却液(例えば、水)を0.0
05〜5L/minを流すことのできる径であり、下部
冷却管22の入口側すなわち供給側に、冷却液の流量を
コントロールできる流量コントロールバルブ23を蒸気
槽1外部に取り付ける。
【0036】以下、この蒸気乾燥装置の動作について説
明する。第3実施例と同様に、IPA液2は、加熱ヒー
タ3により昇温される。IPA液2は種が少ない液であ
るため昇温され加熱状態になる。加熱状態になったIP
A液2は突沸が発生する。突沸した液は、蒸気槽1の上
方へ飛散しようとする。この第4実施例では蒸気槽1内
で発生した蒸気は、IPA液2面上方に設置された下部
冷却管22に流れる冷却液により一部冷却され凝縮を起
こし液滴になる。液滴になったIPAは、IPA液2上
に落下する。
【0037】また、凝縮する蒸気の量は、下部冷却管2
2の内部を流れる冷却液の流量でコントロールすること
ができ、従来例ではウエハ20が蒸気槽1内で蒸気の温
度まで十分昇温された後、ウエハ20を冷却管より上方
に搬送ロボットによって移送するが、この第4実施例で
は下部冷却管22の冷却液の流量を増加させることによ
り、ウエハ20への蒸気の供給を停止させることが可能
となる。
【0038】このように、第4実施例では、IPA液2
から蒸発した蒸気は、一部冷却されIPA液2上に落下
する。一方、加熱状態になっているIPA液2では突沸
が起こっており、液が上方に飛散している。しかし、第
4実施例では、落下する液滴が上方に飛散する液滴の妨
害をし、なおかつ落下する液摘は飛散する液滴を取り込
みながら落下しているため、突沸により飛散する液滴は
ウエハ20に到達することができない。そのため、ウエ
ハ20の清浄な乾燥が可能となる。
【0039】なおかつ、冷却管内を流れる冷却液の流量
を流量コントロールバルブ23によって、コントロール
することにより、ウエハ20への蒸気量をコントロール
できるので、ウエハを移動させることなくIPAの蒸気
の供給停止を含む制御を行うことが可能となる。したが
って、蒸気槽1外部に出してIPAを蒸発させる従来方
法より安全である。
【0040】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。図9は本発明の第5実施例を示す蒸気乾燥装置の概
略構成図、図10はその蒸気乾燥装置の変形例を示す概
略構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分につ
いては、同じ符号を付してそれらの説明は省略する。図
9に示すように、凝縮液受け皿5がIPA液2面より上
方に位置するように設けられている。この凝縮液受け皿
5に支持足25を設けるが、蒸気槽1との接触部に曲げ
弾性率が低く、IPA液に対する化学的耐性(たとえ
ば、化学的変化、腐蝕性など)及び熱的耐性(例えば、
熱変形、熱的破損)を示し、なおかつ発塵量の少ないP
FAやPTFE等によって直接、凝縮液受け皿の支持足
25と蒸気槽1とが接触することのないよう、板状の摩
擦防止板(摩擦防止部材)24を挿入するようにしてい
る。
【0041】また、図10に示すように、凝縮液受け皿
の支持足25の基部を覆う形で摩擦防止キャップ(摩擦
防止部材)26を設けるようにしてもよい。以下、この
蒸気乾燥装置の動作について説明する。第1〜第4実施
例と同様に、IPA液2は加熱ヒータ3により昇温され
る。IPA液2は種が少ない液であるため昇温され加熱
状態になる。加熱状態になったIPA液2は突沸が発生
する。突沸は、凝縮受け皿の支持足25と摩擦防止板2
4との摩擦を起こすか、もしくは凝縮液受け皿の支持足
25に設置した摩擦防止キャップ26と蒸気槽1との摩
擦を起こす。
【0042】このように、第5実施例によれば、蒸気槽
1と凝縮液受け皿の足25との直接の摩擦が生じないた
め、発塵が抑えられ、IPA液中の塵埃が増加しない。
なおかつ、蒸気槽1と凝縮液受け皿の足25との間に板
もしくはキャップを設置するのみであるため、現状装置
の形状を変化させずに形成することが可能であり、容易
に実施可能である。
【0043】なお、上記各実施例においては、化学的乾
燥法に用いる溶媒としては、IPAを例示したが、広く
は蒸気化できる液であればよい。具体的には表面張力が
20dyn/cm程度の小さいものが使われる。例え
ば、IPA等のアルコール類やフロン113等の塩素系
溶媒を用いることができる。また、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種
々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除
するものではない。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、凸状の突起物を設
けたことにより、沸騰の種となる部分が形成されるの
で、加熱状態にならず突沸を防止することができる。
【0045】また、凸状の突起物を設けたことにより、
IPA液と蒸気槽との接触面積を従来より広くすること
ができ、加熱ヒータの熱を効率良く、IPA液に伝える
ことができる。 (2)請求項2記載の発明によれば、N2 ガスを均一に
IPA液に導入できるようにしたので、沸騰時にN2
スが種となり、加熱状態にならず突沸を防止することが
できる。
【0046】また、N2 によりIPA液界面で発生した
IPA蒸気を上方に押し上げることが可能となり、被乾
燥物へ多量の蒸気を供給することができる。 (3)請求項3記載の発明によれば、突沸により飛散し
た液が、邪魔板により邪魔され、邪魔板より上方に飛散
しないため、突沸が発生しても、ウエハに突沸により発
生した飛散液の付着が起こらないため、ウエハが清浄な
状態で乾燥できる。なおかつ、邪魔板は蒸気槽の中心方
向に傾斜を持っているため、ウエハの方向に蒸気の流れ
が形成され、より早い乾燥が可能となる。
【0047】(4)請求項4記載の発明によれば、落下
する液滴が上方に飛散する液滴の妨害をし、なおかつ落
下する液摘は飛散する液滴を取り込みながら落下してい
るため、突沸により飛散する液滴はウエハに到達するこ
とができない。そのため、ウエハの清浄な乾燥が可能と
なる。更に、冷却管内を流れる冷却液の流量を、流量コ
ントロールバルブによって、コントロールすることによ
り、ウエハへの蒸気量をコントロールできるので、ウエ
ハを移動させることなくIPAの蒸気の供給停止を含む
制御を行うことが可能となる。したがって、蒸気槽外部
に出してIPAを蒸発させる従来方法より安全である。
【0048】(5)請求項5記載の発明によれば、蒸気
槽と凝縮液受け皿の足との直接の摩擦が生じないため、
発塵が抑えられ、IPA液中の塵埃が増加しない。なお
かつ、蒸気槽と凝縮液受け皿の足との間に板もしくはキ
ャップを設置するのみであるため、現状装置の形状を変
化させずに形成することが可能であり、容易に実施可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す蒸気乾燥装置の概略
構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す蒸気乾燥装置のIP
A液と蒸気槽との接触面を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す蒸気乾燥装置の概略
構成図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す蒸気乾燥装置のバブ
ラの構成図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す蒸気乾燥装置の概略
構成図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す蒸気乾燥装置の邪魔
板部の斜視図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す蒸気乾燥装置の概略
構成図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す蒸気乾燥装置の下部
冷却板部の平面図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す蒸気乾燥装置の概略
構成図である。
【図10】本発明の第5実施例の蒸気乾燥装置の変形例
を示す概略構成図である。
【図11】従来の蒸気乾燥装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 蒸気槽 2 IPA液 3 加熱ヒータ 4 冷却管 5 凝縮液受け皿 6 IPAキャニスタ缶 7 フィルタ 8 加圧ライン 9 IPA供給ライン 10 凝縮液廃液ライン 11 加圧ガスバルブ 12 供給バルブ 13 IPA廃液ライン 14 廃液バルブ 15 凸状の突起物 16 バブラ 17 穴 18 ガスバルブ 19 邪魔板 20 シリコンウエハ 21 キャリア 22 下部冷却管 23 流量コントロールバルブ 24 板状の摩擦防止板(摩擦防止部材) 25 支持足 26 摩擦防止キャップ(摩擦防止部材)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置にお
    いて、 前記蒸気槽の底面に上端が針状の凸状物を形成し、該凸
    状物を浸すように蒸気せしめる液中に設けるようにした
    ことを特徴とする蒸気乾燥装置。
  2. 【請求項2】 被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置にお
    いて、 蒸気槽内で、蒸気せしめる液中に不純物が少ない不活性
    気体を均一に導入するため微細な穴が複数個形成された
    管を複数本配置するようにしたことを特徴とする蒸気乾
    燥装置。
  3. 【請求項3】 被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置にお
    いて、 蒸気槽内で、蒸気せしめる液より上部であって、かつ被
    乾燥物がセットされる位置より下方に被乾燥物の中心線
    方向に傾斜を持つ板状物を最低2枚以上設け、それぞれ
    の前記板状物は前記蒸気槽中央線を中心にして対称に設
    置するようにしたことを特徴とする蒸気乾燥装置。
  4. 【請求項4】 被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置にお
    いて、 蒸気槽内で、蒸気せしめる液より上部であって、かつ被
    乾燥物がセットされる位置より下方に前記蒸気せしめる
    液面と平行に前記蒸気せしめる液より沸点の高い液体を
    前記蒸気槽外部より内部を通過し、外部へ流し得る管を
    蛇行状に往復させるように配置することを特徴とする蒸
    気乾燥装置。
  5. 【請求項5】 被乾燥物の乾燥を行う蒸気乾燥装置にお
    いて、 蒸気槽内で、被乾燥物の蒸気の凝縮により発生する前記
    被乾燥物より落下する液滴を前記蒸気槽外に排出するた
    めに設けた凝縮液受け皿を支えるための支持足と、前記
    蒸気槽と接触することがないように、前記蒸気槽及び前
    記受け皿を構成する材質より、曲げ弾性が低く、なおか
    つ蒸気せしめる液に十分な化学的、熱的耐性を持ち、な
    おかつ発塵の少ない材質からなる摩擦防止部材を前記受
    け皿の支持足と前記蒸気槽との間に挿入することを特徴
    とする蒸気乾燥装置。
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JP2009245481A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Hoya Glass Disk Thailand Ltd 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法

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