JP2910402B2 - 蒸気乾燥方法及び蒸気乾燥槽 - Google Patents

蒸気乾燥方法及び蒸気乾燥槽

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JP2910402B2
JP2910402B2 JP10744492A JP10744492A JP2910402B2 JP 2910402 B2 JP2910402 B2 JP 2910402B2 JP 10744492 A JP10744492 A JP 10744492A JP 10744492 A JP10744492 A JP 10744492A JP 2910402 B2 JP2910402 B2 JP 2910402B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気乾燥方法及び蒸気乾
燥槽の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蒸気乾燥は水等を洗浄液に用いて超音波
洗浄したシリコンウェハ等の精密部品の乾燥のために多
く使用されている。
【0003】蒸気乾燥は、水等の高表面張力、低蒸気圧
の溶媒で表面を覆われた被洗浄物表面で、低表面張力、
高蒸気圧の溶媒となる気化したIPA等の気体を結露さ
せることにより水等の高表面張力、低蒸気圧溶媒とIP
A等の溶媒とを置換し、その後、速やかにIPA等の溶
媒を蒸発させ、シミの発生することなく被洗浄物表面を
乾燥させようとするものである。
【0004】従来の蒸気乾燥槽は図2の構成図に示すよ
うに構成されている。以下、図2に基づき従来のIPA
蒸気乾燥方法について説明する。槽本体1の下部にIP
A等の溶媒を溜め、これをヒータ2で加熱蒸発させIP
A等の蒸気6を発生する。このIPA等の蒸気6は速や
かに槽本体1の中で飽和蒸気圧に達するまで蒸発し続け
る。17はIPA等の蒸気6が飽和蒸気圧に達したかど
うかを判断するために設けた温度計である。なお、槽本
体1上部には冷媒を通した凝縮コイル3が設置されてい
るため、IPA等の蒸気6はこの凝縮コイル3で速やか
に冷却液化されるため、凝縮コイル3を越えて槽本体1
から外に流出することはない。矢印はIPA等の蒸気6
の流れを示す。
【0005】この様な槽本体1の飽和蒸気圧に達したI
PA等の蒸気6の中に、槽本体1の外からカセット9等
にセッティングしたシリコンウェハ等の被洗浄物5(な
お被洗浄物5の表面は水等で濡れている)を支持棒8を
介したアクチュエータ7で送り込むと、直ちにシリコン
ウェハ等の被洗浄物5表面にIPA等の蒸気6が結露す
る。このIPA等の結露は被洗浄物1の表面の温度がI
PA等の蒸気の液化温度に達するまで持続する。この蒸
気が結露したIPA等の溶媒は速やかに被洗浄物5表面
の水等と置換しながら被洗浄物5表面上を覆い下部に流
れ、その後受け皿10に流れ落ちる。なお、この受け皿
10に流れ落ちたIPA等の溶媒の中には置換した水等
が含まれるため、廃液口11を介して槽本体1から外に
排出される。この様な工程で表面をIPA等の溶媒で置
換した被洗浄物5をアクチュエータ7を用いてゆっくり
とIPA等の蒸気6の中から引き出すと、低表面張力、
高蒸気圧であるIPA等の溶媒は速やかに蒸発するため
被洗浄物5表面は直ちに乾燥される。なお、上述の従来
技術としては特公昭58−201号公報等に記載されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のIPA
蒸気乾燥においては、槽本体1の中の飽和蒸気圧に達し
たIPA等の蒸気6の中に、槽本体1の外からカセット
9等にセッティングしたシリコンウェハ等の被洗浄物5
(表面は水等で濡れている)を支持棒を介したアクチュ
エータ7で送り込む際に、被洗浄物5表面にIPA等の
蒸気がまず接触するのは被洗浄物5の最下部であり、そ
の後順次被洗浄物5の上部へと接触がおこる。そのた
め、被洗浄物5表面で結露は被洗浄物5の最下部から始
まり最後に最上部になる。そのため、最後に結露で発生
するIPA等の溶媒は被洗浄物5表面の最上部であり、
この最後に結露で発生したIPA等の溶媒は被洗浄物5
表面の水と置換し、この置換した水等を含む溶液(IP
A等の溶媒と混合した状態である)は上部にあった微細
なゴミとともに清浄な状態であった被洗浄物5表面の下
部へと流れる。そのため、被洗浄物5表面の上部にあっ
た微細なゴミの一部は清浄な状態であった被洗浄物5表
面の下部上に残り、最終的にシミとして残るという問題
点があった。
【0007】また、従来のIPA蒸気乾燥槽は、槽本体
1の下部に設けたIPA等の溶媒4を蒸発させ、槽本体
1の上部に設けた凝縮コイルで蒸気6を結露させるた
め、蒸気6の流れは槽本体1の下部から上部に向けて流
れる。そのため、被洗浄物5表面にIPA等の蒸気6が
供給されるのは被洗浄物5の最下部であり、その後順次
被洗浄物5の上部へと供給が起こる。よって、被洗浄物
5表面での結露は被洗浄物5の最下部から始まり最後に
最上部になる。そのため、最後に結露で発生するIPA
等の溶媒は被洗浄物5表面の最上部であり、この最後の
結露で発生したIPA等の溶媒と置換した水等を含む溶
液は被洗浄物5の上部にあった微細なゴミとともに清浄
な状態であった被洗浄物5表面の下部へと流れる。その
ため、被洗浄物5表面の上部にあった微細なゴミの一部
は清浄な状態であった被洗浄物5表面の下部上に残り、
最終的にシミとして残るという問題点があった。
【0008】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、シミを発生させることなく被洗
浄物表面を乾燥することができる乾燥特性及び洗浄効果
に優れた蒸気乾燥方法及び蒸気乾燥槽を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気乾燥方法
は、溶媒蒸気が充満するダクト内に被洗浄物を入れ、上
記被洗浄物を上記溶媒蒸気と接触させるとともに、上記
ダクト内で、上記溶媒蒸気が上記被洗浄物上部から順に
下部にあたるようにして、上記被洗浄物表面で上記溶媒
蒸気を凝縮結露させる工程、上記溶媒蒸気の凝縮結露に
より昇温した被洗浄物を、上記ダクトの下部に設けられ
た冷却室に移動して冷却する工程、上記被洗浄物の冷却
後、再び上記被洗浄物を上記ダクト内に戻し、上記被洗
浄物表面で上記溶媒蒸気を凝縮結露させる工程、及び上
記被洗浄物を上記ダクト内から出し、上記被洗浄物表面
の結露した溶媒を蒸発させ、上記被洗浄物を乾燥させる
工程を施すものである。
【0010】
【0011】また、本発明の蒸気乾燥槽は、蒸気乾燥槽
本体、この槽本体下部に溜められる溶媒液、この溶媒液
を加熱蒸発させるヒータ、蒸発した溶媒蒸気が流入する
開口部を上部に有するダクト、及び上記ダクトの下部に
設けられ、上記ダクト内に入れられた被洗浄物表面で上
記溶媒蒸気を凝縮結露させる際に、上記溶媒蒸気が上記
被洗浄物上部から順に下部にあたるように上記溶媒蒸気
の流れをガイドするとともに、上記ダクト内より上記被
洗浄物を移動して上記被洗浄物を冷却する冷却室を備え
たものである。
【0012】
【0013】
【作用】本発明の蒸気乾燥方法においては、ダクト内
で、溶媒蒸気が被洗浄物上部から順に下部にあたる(供
給する)ようにしたので、溶媒蒸気の凝縮結露が被洗浄
物表面の上部から順に下部へと起こる。従って、最後に
結露で発生するIPA等の溶媒は被洗浄物表面の下部と
なり、被洗浄物表面の上部にあった微細なゴミが最後に
被洗浄物表面の下部へと流れることがなくなり、結果的
にシミの発生を抑制できる。
【0014】また、一度昇温した被洗浄物を再び冷却す
ることにより、例えば1回では十分なIPA等の溶媒蒸
気の結露が行われず水との置換が不十分となる熱容量の
少ない被洗浄物に対しても、複数回の溶媒蒸気の結露、
置換が可能となり、結果的に十分な溶媒蒸気の結露、水
との置換が行われ、より良好にシミの発生を抑制でき
る。さらに、被洗浄物の冷却室がダクトの下部に設けら
れているため、被洗浄物を冷却室からダクトへ引き上げ
る場合、被洗浄物の表面に溶媒蒸気が供給されるのは必
ず被洗浄物の最上部からであり、その後順次被洗浄物の
下部へと供給が起こる。よって、被洗浄物表面での結露
は被洗浄物表面の最上部から始まり最後に最下部にな
る。そのため最後に結露で発生する溶媒は被洗浄物表面
の最下部となり、被洗浄物表面の上部にあった微細なゴ
ミが被洗浄物表面の下部へと流れることがなくなり、結
果的にシミとして残るという問題が起こらなくなる。
【0015】そして、本発明の蒸気乾燥槽においては、
ダクトの形状あるいは拡散ポンプの設置等により、IP
A等の溶媒蒸気が被洗浄物上部から順に下部にあたるよ
にしているので、溶媒蒸気の凝縮結露が被洗浄物表面
の上部から順に下部へと起こり、シミの発生を防止でき
る。また拡散ポンプを用いると溶媒蒸気の供給量を多く
できる。
【0016】また、ダクトの下部に冷却室を設けている
ので、一度昇温した被洗浄物を再び冷却することによ
り、再び被洗浄物表面でIPA等の溶媒蒸気を凝縮、結
露させることができ、シミの発生を防止できる。さら
に、被洗浄物を冷却室からダクトへ引き上げる場合、溶
媒蒸気が被洗浄物上部から順に下部にあたるので、溶媒
蒸気の凝縮結露が被洗浄物表面の上部から順に下部へと
起こり、シミの発生を防止できる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例の蒸気乾燥槽を示す
構成図である。図中、図2と同一符号は同一または相当
のものを示している。この実施例においては、蒸気乾燥
槽本体1内部にIPA等の蒸気が被洗浄物5の上部から
当たるように、上部に開口部を有するダクト12を設け
るとともに、強制的にIPA等の蒸気6を供給するため
のポンプとして冷却コイル13で構成される拡散ポンプ
を設けている。また、蒸気乾燥槽本体1内部、ダクト1
2の下部に一度昇温した被洗浄物5を冷却するために被
洗浄物冷却室16を設けている。この被洗浄物冷却室1
6の外壁は熱効率を良くするために断熱構造材で構成さ
れている。14は被洗浄物冷却室16の室温を測定する
ために設けた温度計である。
【0018】次にこの蒸気乾燥槽を用いた蒸気乾燥方法
について説明する。ダクト12を設けたためIPA等の
蒸気が被洗浄物5の上部から当たるようになる。そのた
め矢印で示すように蒸気6の流れは槽本体1の上部から
下部に向けて流れる。そのため、最初に被洗浄物5表面
にIPA等の蒸気6が供給されるのは被洗浄物5の最上
部であり、その後順次被洗浄物1の下部へと供給が起こ
る。よって、被洗浄物5表面での結露は被洗浄物5表面
の最上部から始まり最後に最下部になる。最後に結露で
発生するIPA等の溶媒は被洗浄物5表面の最下部とな
るので、被洗浄物5表面の上部にあった微細なゴミが被
洗浄物5表面の下部へと流れることがなくなり、結果的
にシミとして残るという問題が起こりにくくなった。
【0019】なお、従来のIPA蒸気乾燥は、槽本体1
の中の飽和蒸気圧に達したIPA等の蒸気6の中に、槽
本体1の外からカセット9等にセッティングしたシリコ
ンウェハ等の被洗浄物5を支持棒を介したアクチュエー
タ7で送り込むと、槽本体1の中の飽和蒸気圧に達した
IPA等の蒸気6は被洗浄物5の表面で結露するため、
飽和蒸気圧以下になり、結果的に十分なIPA等の蒸気
6を被洗浄物の表面に供給することができなくなり水等
で濡れた被洗浄物5表面を十分にIPA等の溶媒で置換
することができない場合があった。そのため、被洗浄物
5表面の乾燥が速やかに起こらず最終的にシミとして残
る場合があった。
【0020】ところが、この実施例ではダクト12に加
えて槽本体1内部に冷却コイル13からなる拡散ポンプ
を設けたため、強制的にIPA等の蒸気6を供給できる
ようになる。そのため、十分なIPA等の蒸気6を被洗
浄物5の表面に供給することができ、上記のような問題
も解消でき、水等で濡れた被洗浄物5表面を十分にIP
A等の溶媒で置換することができ、よりシミの発生が起
こりにくくなった。
【0021】また、従来のIPA蒸気乾燥は被洗浄物5
表面がIPA等の溶媒蒸気から気化熱を奪い被洗浄物5
表面にIPA等の結露を行うものであるため、IPA等
の結露が持続するのは被洗浄物5表面の温度がIPA等
の蒸気の液化温度に達するまでである。そのため、被洗
浄物5自体の持つ熱容量が小さい場合には十分なIPA
等の溶媒の結露が行われず、その結果、水との置換が行
われず、結果的にシミを発生させること無く被洗浄物表
面を乾燥することができないという問題点があった。
【0022】ところが、この実施例では被洗浄物冷却室
16を設けたので、一度昇温した被洗浄物5を再び冷却
する事ができるようになる。そのため、一回でIPA等
の蒸気6による置換がしにくい熱容量の少ない被洗浄物
5に対しても、被洗浄物5を被洗浄物冷却室16の中に
保持することにより再び冷却することができ、そのため
複数回の置換が可能となり、結果的に十分なIPA等の
蒸気6を被洗浄物5の表面に供給することができシミの
発生が起こりにくくなる。
【0023】さらに、被洗浄物冷却室16はダクト12
の下部に設けられているため、被洗浄物5を被洗浄物冷
却室16からダクト12へ引き上げる場合、被洗浄物5
の表面にIPA等の蒸気6が供給されるのは必ず被洗浄
物5の最上部からであり、その後順次被洗浄物5の下部
へと供給が起こる。よって、被洗浄物5表面での結露は
被洗浄物5表面の最上部から始まり最後に最下部にな
る。そのため最後に結露で発生するIPA等の溶媒は被
洗浄物5表面の最下部となり、被洗浄物5表面の上部に
あった微細なゴミが被洗浄物5表面の下部へと流れるこ
とがなくなり、結果的にシミとして残るという問題が起
こらなくなる。
【0024】さらにまた、被洗浄物冷却室16の外壁を
断熱構造材で構成しているので、被洗浄物冷却室16の
外壁で結露が起こらないようにすることができ、結果的
にヒータ2の熱効率を良くすることができるようにな
る。ひいては加熱費の削減が可能となる。
【0025】そして、冷却コイルからなる拡散ポンプの
持つ温度を凝縮コイル3の持つ温度以下にすることによ
り、蒸気6の結露量が凝縮コイル3より冷却コイルの方
が多くなるため、ダクト内部に流れるIPA等の蒸気6
の供給効率を良くすることができるようになる。このた
め、結果的にヒータ2の熱効率を良くすることができる
ようになり、加熱費の削減が可能となる。
【0026】次に、この図1に示す蒸気乾燥槽を用いた
本発明の実施例の蒸気乾燥方法について具体的に説明す
る。被洗浄物として被洗浄信越シリコン社製6インチシ
リコンウェハを蒸気乾燥し、蒸気乾燥前後でのゴミ(微
粒子)の増減について実験した。
【0027】ゴミ(異物)の増減評価については、日立
電子エンジニアリング製表面検査装置IS−2000に
よるウェハ全面での0.3μm以上の微粒子を測定する
ことにより行った。
【0028】なお、信越シリコン社から搬入された封切
り6インチシリコンウェハについて、そのウェハ端から
8mmより外の部分を除いた範囲を表面検査装置IS−
2000により0.3μm以上の微粒子測定を行ったと
ころ、すべてのウェハでその観測された微粒子数は6個
〜10個で、その平均値は8個であった。一方、ウェハ
全面について微粒子測定を行ったところ、すべてのウェ
ハでその観測された微粒子数は100個〜300個で、
その平均値は200個であった。このことから信越シリ
コン社から搬入された封切り6インチシリコンウェハは
ウェハ端から8mmより外の部分に集中して微粒子が存
在することがわかる。恐らく、この微粒子はウェハ搬入
までに使用するウェハケースの内壁とウェハ端との接触
により生成したゴミと推定される。
【0029】実施例1.図1に示す蒸気乾燥槽にIPA
4を投入した後、凝縮コイル3に24℃の冷水を流すと
ともにヒータ2に通電を行いIPA4を沸騰させ、蒸気
乾燥槽本体1の内部をIPAの蒸気6で満たした。次
に、ダクト12の中に設けた温度計17の温度が83℃
になるのを確認した後、カセット9等に封切り6インチ
シリコンウェハ5を25枚セッティングし、これを支持
棒8を介したアクチュエータ7を用いて秒速3m/se
cの速度でIPAの蒸気6が充満した蒸気乾燥槽本体1
の内部に設けたダクト12の中に投入し、そのままの状
態で5分間放置した。この時の温度計17の指示温度は
83℃から65℃まで急激に下がった後、徐々に83℃
になるまでに復帰した。次に、指示棒8を介したアクチ
ュエータ7を用いて秒速0.05m/secの速度でカ
セット9を蒸気乾燥槽本体1の内部から外に引き出し
た。この様な工程で蒸気乾燥した6インチシリコンウェ
ハ5を実施例1の試料とする。
【0030】実施例2. 図1に示す蒸気乾燥槽にIPA4を投入した後、凝縮コ
イル3及び冷却コイル13に24℃の冷水を流すととも
にヒータ2に通電を行いIPA4を沸騰させ、蒸気乾燥
槽本体1の内部をIPAの蒸気6で満たした。次に、ダ
クト12の中に設けた温度計17の温度が83℃になる
のを確認した後、カセット9等に封切り6インチシリコ
ンウェハ5を25枚セッティングし、これを支持棒8を
介したアクチュエータ7を用いて秒速3m/secの速
度でIPAの蒸気6が充満した蒸気乾燥槽本体1の内部
に設けたダクト12の中に投入し、そのままの状態で5
分間放置した。この時の温度計17の指示温度は83℃
から一瞬79℃まで下がった後、すぐに83℃になるま
でに復帰した。次に、指示棒8を介したアクチュエータ
7を用いて秒速0.05m/secの速度でカセット9
を蒸気乾燥槽本体1の内部から外に引き出した。この様
な工程で蒸気乾燥した6インチシリコンウェハ5を実施
の試料とした。
【0031】実施例3. 図1に示す蒸気乾燥槽にIPA4を投入した後、凝縮コ
イル3及び冷却コイル13に24℃の冷水を流すととも
にヒータ2に通電を行いIPA4を沸騰させ、蒸気乾燥
槽本体1の内部をIPAの蒸気6で満たした。次に、ダ
クト12の中に設けた温度計17の温度が83℃になる
のを確認した後、カセット9等に封切り6インチシリコ
ンウェハ5を25枚セッティングし、これを支持棒8を
介したアクチュエータ7を用いて秒速3m/secの速
度でIPAの蒸気6が充満した蒸気乾燥槽本体1の内部
に設けたダクト12の中に投入し、そのままの状態で5
分間放置した。この時の温度計17の指示温度は83℃
から一瞬79℃まで下がった後、すぐに83℃になるま
でに復帰した。次に、指示棒8を介したアクチュエータ
7を用いて秒速2m/secの速度でカセット9を被洗
浄物冷却室16の中に投入し、そのままの状態で5分間
放置してウェハ5を冷却した。次に、指示棒8を介した
アクチュエータ7を用いて秒速0.05m/secの速
度でカセット9を蒸気乾燥槽本体1の内部から外に引き
出した。この様な工程で蒸気乾燥した6インチシリコン
ウェハ5を実施例の試料とした。
【0032】実施例4. 図1に示す蒸気乾燥槽にIPA4を投入した後、凝縮コ
イル3に50℃の冷水を流し、冷却コイル13に24℃
の冷水を流すとともにヒータ2に通電を行いIPA4を
沸騰させ、蒸気乾燥槽本体1の内部をIPAの蒸気6で
満たした。次に、ダクト12の中に設けた温度計17の
温度が83℃になるのを確認した後、カセット9等に封
切り6インチシリコンウェハ5を25枚セッティング
し、これを支持棒8を介したアクチュエータ7を用いて
秒速3m/secの速度でIPAの蒸気6が充満した蒸
気乾燥槽本体1の内部に設けたダクト12の中に投入
し、そのままの状態で5分間放置した。この時の温度計
17の指示温度は83℃から一瞬79℃まで下がった
後、すぐに83℃になるまでに復帰した。次に、指示棒
8を介したアクチュエータ7を用いて秒速2m/sec
の速度でカセット9を被洗浄物冷却室16の中に投入
し、そのままの状態で5分間放置してウェハ5を冷却し
た。次に、指示棒8を介したアクチュエータ7を用いて
秒速0.05m/secの速度でカセット9を蒸気乾燥
槽本体1の内部から外に引き出した。この様な工程で蒸
気乾燥した6インチシリコンウェハ5を実施例の試料
とした。
【0033】比較例1. 図2に示す蒸気乾燥槽にIPA4を投入した後、凝縮コ
イル3に24℃の冷水を流すとともにヒータ2に通電を
行いIPA4を沸騰させ、蒸気乾燥槽本体1の内部をI
PAの蒸気6で満たした。次に、蒸気乾燥槽本体1の中
に設けた温度計17の温度が83℃になるのを確認した
後、カセット9等に封切り6インチシリコンウェハ5を
25枚セッティングし、これを支持棒8を介したアクチ
ュエータ7を用いて秒速3m/secの速度でIPAの
蒸気6が充満した蒸気乾燥槽本体1の中に投入し、その
ままの状態で5分間放置した。この時の温度計17の指
示温度は83℃から68℃まで急激に下がった後、徐々
に83℃になるまでに復帰した。次に、指示棒8を介し
たアクチュエータ7を用いて秒速0.05m/secの
速度でカセット9を蒸気乾燥槽本体1の内部から外に引
き出した。この様な工程で蒸気乾燥した6インチシリコ
ンウェハ5を比較例1の試料とした。
【0034】表1に各実施例1〜4及び比較例1のウェ
ハ5について表面検査装置IS−2000により0.3
μm以上の微粒子測定を行った結果の平均値を示す。
【0035】
【表1】
【0036】ウェハ全面測定において(ウェハ端から8
mmより外の部分も含む)、若干微粒子が多く存在する
ように観測されたのは、恐らくウェハケースとの接触で
生じた傷があたかも微粒子が存在するように観測された
結果と推察される。
【0037】表1から明らかに本発明の蒸気乾燥槽,蒸
気乾燥方法を用いて乾燥した6インチシリコンウェハ5
の方が従来の蒸気乾燥槽,蒸気乾燥方法を用いて乾燥し
た6インチシリコンウェハ5より微粒子数が少ないこと
がわかる。このことから本発明の蒸気乾燥槽,蒸気乾燥
方法の優秀性が確認された。また、IPA等の蒸気が被
洗浄物5の上部から当たるようにした実施例1より、冷
却コイルからなる拡散ポンプを設け、強制的にIPA等
の蒸気6を供給するようにした実施例2の方が優れてい
ることがわかる。さらに結露により一度昇温した被洗浄
物を冷却する実施例3,4の方がより優れていることが
わかる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の蒸気乾燥方法
おいては、溶媒蒸気が充満するダクト内に被洗浄物を入
れ、上記被洗浄物を上記溶媒蒸気と接触させるととも
に、上記ダクト内で、上記溶媒蒸気が上記被洗浄物上部
から順に下部にあたるようにして、上記被洗浄物表面で
上記溶媒蒸気を凝縮結露させる工程、上記溶媒蒸気の凝
縮結露により昇温した被洗浄物を、上記ダクトの下部に
設けられた冷却室に移動して冷却する工程、上記被洗浄
物の冷却後、再び上記被洗浄物を上記ダクト内に戻し、
上記被洗浄物表面で上記溶媒蒸気を凝縮結露させる工
程、及び上記被洗浄物を上記ダクト内から出し、上記被
洗浄物表面の結露した溶媒を蒸発させ、上記被洗浄物を
乾燥させる工程を施すので、被洗浄物表面の上部にあっ
た微細なゴミが最後に被洗浄物表面の下部へと流れるこ
とがなくなり、結果的にシミの発生を抑制できる乾燥特
性,洗浄特性に優れた蒸気乾燥方法が得られる効果があ
る。
【0039】
【0040】また、本発明の蒸気乾燥槽は、蒸気乾燥槽
本体、この槽本体下部に溜められる溶媒液、この溶媒液
を加熱蒸発させるヒータ、蒸発した溶媒蒸気が流入する
開口部を上部に有するダクト、及び上記ダクトの下部に
設けられ、上記ダクト内に入れられた被洗浄物表面で上
記溶媒蒸気を凝縮結露させる際に、上記溶媒蒸気が上記
被洗浄物上部から順に下部にあたるように上記溶媒蒸気
の流れをガイドするとともに、上記ダクト内より上記被
洗浄物を移動して上記被洗浄物を冷却する冷却室を備え
たので、被洗浄物表面の上部にあった微細なゴミが最後
に被洗浄物表面の下部へと流れることがなくなり、結果
的にシミの発生を抑制できる乾燥特性,洗浄特性に優れ
た蒸気乾燥方法が得られる効果がある。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の蒸気乾燥槽を示す構成図で
ある。
【図2】従来例の蒸気乾燥槽を示す構成図である。
【符号の説明】
1 蒸気乾燥槽本体 2 ヒータ 3 凝縮コイル 4 溶媒液 5 被洗浄物 6 溶媒蒸気 12 ダクト 13 冷却コイル 16 被洗浄物冷却室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/304

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒蒸気が充満するダクト内に被洗浄物
    を入れ、上記被洗浄物を上記溶媒蒸気と接触させるとと
    もに、上記ダクト内で、上記溶媒蒸気が上記被洗浄物上
    部から順に下部にあたるようにして、上記被洗浄物表面
    で上記溶媒蒸気を凝縮結露させる工程、上記溶媒蒸気の
    凝縮結露により昇温した被洗浄物を、上記ダクトの下部
    に設けられた冷却室に移動して冷却する工程、上記被洗
    浄物の冷却後、再び上記被洗浄物を上記ダクト内に戻
    し、上記被洗浄物表面で上記溶媒蒸気を凝縮結露させる
    工程、及び上記被洗浄物を上記ダクト内から出し、上記
    被洗浄物表面の結露した溶媒を蒸発させ、上記被洗浄物
    を乾燥させる工程を施したことを特徴とする蒸気乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 蒸気乾燥槽本体、この槽本体下部に溜め
    られる溶媒液、この溶媒液を加熱蒸発させるヒータ、蒸
    発した溶媒蒸気が流入する開口部を上部に有するダク
    ト、及び上記ダクトの下部に設けられ、上記ダクト内に
    入れられた被洗浄物表面で上記溶媒蒸気を凝縮結露させ
    る際に、上記溶媒蒸気が上記被洗浄物上部から順に下部
    にあたるように上記溶媒蒸気の流れをガイドするととも
    に、上記ダクト内より上記被洗浄物を移動して上記被洗
    浄物を冷却する冷却室を備えたことを特徴とする蒸気乾
    燥槽。
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