JP3213654B2 - 蒸気乾燥方法及び蒸気乾燥装置 - Google Patents

蒸気乾燥方法及び蒸気乾燥装置

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JP3213654B2
JP3213654B2 JP21293993A JP21293993A JP3213654B2 JP 3213654 B2 JP3213654 B2 JP 3213654B2 JP 21293993 A JP21293993 A JP 21293993A JP 21293993 A JP21293993 A JP 21293993A JP 3213654 B2 JP3213654 B2 JP 3213654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蒸気乾燥方法、蒸気
乾燥装置及び蒸気乾燥に用いる製品搬送用容器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】蒸気乾燥方法は、水等を洗浄液に用いて
超音波洗浄したシリコンウェハ等の精密部品を乾燥する
ために多く使用されている。この蒸気乾燥方法は、水等
の高表面張力、低蒸気圧の第1の溶媒により洗浄されて
この第1の溶媒で覆われた被洗浄物の表面を、低表面張
力、高蒸気圧の気化したIPA(イソプロピルアルコー
ル)等の第2の溶媒で結露させることにより第1の溶媒
を第2の溶媒で置換し、その後速やかにIPA等の第2
の溶媒を蒸発させてシミを発生しないように被洗浄物表
面を乾燥させようとする方法である。
【0003】従来の蒸気乾燥方法を図30及び図31を
参照しながら説明する。乾燥槽本体1の下部にIPA等
の第2の溶媒2を溜め、これをヒーター3で加熱蒸発さ
せてIPA等の溶媒蒸気4を発生する。このIPA等の
溶媒蒸気4は速やかに槽本体1の中で飽和蒸気圧に達す
るまで蒸発し続ける。このとき発生した溶媒蒸気4はガ
イド容器6の外壁に沿ってガイド容器6の内部へと供給
される。13はIPA等の溶媒蒸気4がガイド容器6の
内部で飽和蒸気圧に達したかどうかを判断するために設
けられた温度計である。なお、槽本体1上部にはその内
部に冷媒を通した凝縮コイル5が設置されており、IP
A等の溶媒蒸気4はこの凝縮コイル5で速やかに冷却液
化されるため、凝縮コイル5を越えて槽本体1から外に
流出することはない。
【0004】このような槽本体1の上方から槽本体1の
中の飽和蒸気圧に達したIPA等の溶媒蒸気4の中に、
図31に示されるような製品搬送用容器となるウエハカ
セット10等に収納されたシリコンウエハ等の被洗浄物
7を搬送操作装置9により送り込む。なお、被洗浄物7
の表面は水等の第1の溶媒で濡れている。また、搬送操
作装置9は、ウエハカセット10を支持する支持棒9A
と、この支持棒9Aの上端に連結されたアクチュエータ
9Bとを備えている。これにより、直ちにシリコンウエ
ハ等の被洗浄物7の表面にIPA等の溶媒蒸気4が結露
する。このIPA等の結露は被洗浄物7の表面の温度が
IPA等の溶媒蒸気4の液化温度に達するまで持続す
る。結露したIPA等の第2の溶媒は被洗浄物7表面に
付着している水等の第1の溶媒と速やかに置換しながら
被洗浄物7の表面上を覆って下方に流れ、その後受け皿
11に流れ落ちる。なお、この受け皿11に流れ落ちた
IPA等の第2の溶媒の中には置換した水等が含まれる
ため、排液口12を介して槽本体1から外に排出され
る。このようにして表面をIPA等の第2の溶媒で置換
した被洗浄物7をアクチュエータ9Bを用いてゆっくり
とIPA等の溶媒蒸気4の中から引き出すと、低表面張
力、高蒸気圧であるIPA等の第2の溶媒は速やかに蒸
発するため被洗浄物7表面は直ちに乾燥される。
【0005】なお、図30に示した従来の蒸気乾燥装置
としては、例えば特公昭第58−201号公報に記載さ
れており、図31に示したウエハカセット10としては
例えば大日本商事株式会社発行のカタログCAT.N
o.205R「フロロウエア90−91(205R)」
に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
IPA蒸気乾燥装置においては、ウエハカセット10及
びこれに収納された被洗浄物7の有する熱容量がガイド
容器6の内部に供給されたIPA等の蒸気4の持つ潜熱
より小さい場合、ガイド容器6内に送り込まれた被洗浄
物7の下部表面上に微細なゴミが残り、最終的にシミが
発生するという問題があった。例えば、ウエハカセット
10に収納された被洗浄物7の枚数が少ない場合(例え
ば1枚)では被洗浄物7の下部表面上にシミが残るが、
収納された被洗浄物7の枚数が多い場合(例えば25
枚)ではシミが残りにくいという違いが出ていた。この
現象について詳細に研究した結果、以下のメカニズムで
シミが発生していたことがわかった。
【0007】被洗浄物7上へ溶媒蒸気4が供給され結露
する現象は、被洗浄物7が溶媒蒸気4から潜熱を奪うた
めに生じる現象である。そのため、被洗浄物7の温度が
溶媒蒸気4の沸点近傍まで上昇すると、もはや被洗浄物
7上における溶媒蒸気4の結露は起こらない。また、溶
媒蒸気4の結露により被洗浄物7上の水及び異物を効率
良く流し落とすためには、最終的に溶媒蒸気4が結露す
る部分を被洗浄物7の最下部にする必要がある。これ
は、最終的な結露が被洗浄物7の上部で起こると、被洗
浄物7の上部に付着していた異物は被洗浄物7の途中ま
で流れ落ちるものの、完全に被洗浄物7の最下部にまで
流れるという保証がないからである。
【0008】ウエハカセット10及び被洗浄物7の持つ
熱容量がガイド容器6内部に存在する溶媒蒸気4が保有
する潜熱より小さい場合、アクチュエータ9Bでウエハ
カセット10及び被洗浄物7を槽本体1の上方からガイ
ド容器6の内部へ送り込む際には、まず被洗浄物7の最
下部がIPA等の溶媒蒸気4に接触する。その後、結露
はガイド容器6の内部で充満する溶媒蒸気4が消失しな
い限り、被洗浄物7の上部に向かって順次進む。このよ
うにして蒸気4は被洗浄物7の最上部において最後に結
露し、この結露により被洗浄物7の最上部に発生したI
PA等の第2の溶媒は被洗浄物7表面の水と置換し、こ
の置換した水はIPA等と混合した状態で被洗浄物7の
最上部に付着していた微細なゴミと共に被洗浄物7の表
面を下部へと流れる。このため、被洗浄物7の上部表面
に付着していた微細なゴミの一部は、清浄な状態であっ
た被洗浄物7の下部表面上に残り最終的にシミとして残
る。
【0009】一方、ウエハカセット10及び被洗浄物7
の持つ熱容量がガイド容器6内部の溶媒蒸気4の持つ潜
熱より充分に大きい場合、アクチュエータ7でウエハカ
セット10及び被洗浄物7をガイド容器6の内部へ送り
込む際には、まず被洗浄物7の最下部がIPA等の溶媒
蒸気4に接触するものの、ウエハカセット10及び被洗
浄物7が溶媒蒸気4から奪う潜熱が大きいため、ガイド
容器6の内部に充満する溶媒蒸気4は間もなく消失す
る。そのため、被洗浄物7の下部以外の温度はそれほど
上昇しない。その後、ガイド容器6の外壁に沿って被洗
浄物7の上方からガイド容器6内に溶媒蒸気4が供給さ
れるため、被洗浄物7表面への溶媒蒸気4の供給は被洗
浄物7の上部から下部に向かって順次行われる。また、
最初温度上昇があった被洗浄物7の下部は上方から冷却
されながら流れてくる第2の溶媒(溶媒蒸気4が結露し
たもの)により冷却される。そのため、最終的に溶媒蒸
気4が結露する部分は被洗浄物7の最下部になる。従っ
て、ウエハカセット10及び被洗浄物7の持つ熱容量が
大きい場合の方が、小さい場合より効率良く異物除去が
行えるのである。
【0010】また、従来のIPA蒸気乾燥装置において
は、時として被洗浄物7の表面上に多量の異物が生成し
て残るという問題があった。この現象について詳細に研
究した結果、IPA蒸気乾燥装置の槽本体1の下部に溜
められたIPA等の第2の溶媒2の中に水が1%以上混
入すると被洗浄物7上に多量の異物が生成することがわ
かった。
【0011】さらに、従来のIPA蒸気乾燥装置におけ
るIPA等の第2の溶媒2への水の混入経路について詳
細に調査した結果、水とIPAとの置換工程で水が混入
しやすいことが判明した。これは、凝縮コイル5で冷却
液化されたIPA等の第2の溶媒中の水分濃度の変化に
ついて連続的に計測した結果から得られる。IPA等の
第2の溶媒2中の水分濃度の増加は、槽本体1内の飽和
蒸気圧に達したIPA等の溶媒蒸気4の中に、槽本体1
の外からウエハカセット10等に収納され且つ水等で濡
れているシリコンウエハ等の被洗浄物7を支持棒9Aを
介してアクチュエータ9Bで送り込んだ直後から観測さ
れ、槽本体1からシリコンウエハ等の被洗浄物7を取り
出すまで続いた。なお、そのIPA等の溶媒2中の濃度
は0.5%以下から最大約30%にも増加することもあ
った。このように従来のIPA蒸気乾燥装置において
は、水とIPAとの置換工程で水の混入があることがわ
かる。また、その量はIPA等の溶媒2の中に水を1%
以上混入させるには十分な量である。
【0012】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、少ない枚数の被洗浄物を処理する
場合においても被洗浄物にシミを発生させること無く被
洗浄物表面を乾燥することができる蒸気乾燥方法及び蒸
気乾燥装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る蒸気乾燥方法は、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させるた
めの接触空間内に存在する溶媒蒸気が保有する潜熱の量
が被洗浄物を溶媒蒸気の沸点温度にまで加熱できない量
となるように予め接触空間内に存在する溶媒蒸気の絶対
量を制限し、被洗浄物を接触空間内に送り込み、溶媒蒸
気を被洗浄物の上方から接触空間内に供給することによ
り被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させて被洗浄物を加
熱し、被洗浄物を接触空間から引き出して被洗浄物の表
面に結露した溶媒を蒸発させる方法である。
【0014】
【0015】請求項に係る蒸気乾燥方法は、被洗浄物
及びこれを収納した製品搬送用容器の熱容量を被洗浄物
を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存在する溶
媒蒸気が保有する潜熱の量より大きくし、製品搬送用容
器に収納された被洗浄物を接触空間内に送り込むことに
より被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させて被洗浄物を
加熱し、被洗浄物を製品搬送用容器と共に接触空間から
引き出して被洗浄物の表面に結露した溶媒を蒸発させる
方法である。
【0016】請求項に係る蒸気乾燥方法は、上記請求
の方法において、製品搬送用容器に被洗浄物の他に
ダミー製品を収納することにより熱容量を大きくする方
法である。請求項に係る蒸気乾燥方法は、上記請求項
の方法において、製品搬送用容器に被洗浄物の他に被
洗浄物より熱容量の大きな吸熱性物品を収納することに
より熱容量を大きくする方法である。
【0017】請求項に係る蒸気乾燥装置は、被洗浄物
を溶媒蒸気に接触させる接触空間内に存在する溶媒蒸気
が保有する潜熱の量が被洗浄物を溶媒蒸気の沸点温度に
まで加熱できない量となるように接触空間内の溶媒蒸気
の絶対量を制限する制限手段を設けたものである。
【0018】請求項に係る蒸気乾燥装置は、上記請求
の装置において、制限手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に仕切を設けたものである。請求項に係る蒸
気乾燥装置は、上記請求項の装置において、制限手段
として、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間と溶
媒蒸気を供給する供給空間との間に溶媒蒸気を冷却する
第1冷却手段を設けたものである。請求項に係る蒸気
乾燥装置は、上記請求項の装置において、制限手段と
して、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間内に、
接触空間内の溶媒蒸気を接触空間外に排気する第1排気
手段を設けたものである。請求項に係る蒸気乾燥装置
は、上記請求項の装置において、制限手段として、被
洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間の外部に、供給
空間から接触空間内へ供給される溶媒蒸気の一部を排気
する第2排気手段を設けたものである。
【0019】請求項10に係る蒸気乾燥装置は、被洗浄
物を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存在する
溶媒蒸気を除去するための除去手段を設けたものであ
る。
【0020】請求項11に係る蒸気乾燥装置は、上記請
求項10の装置において、除去手段として、被洗浄物を
溶媒蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供
給空間との間に設けられた仕切と、接触空間内に設けら
れた溶媒蒸気を冷却する第2冷却手段とを備えたもので
ある。請求項12に係る蒸気乾燥装置は、上記請求項
の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒蒸
気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間
との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間内に設け
られた第2冷却手段とを備えたものである。請求項13
に係る蒸気乾燥装置は、上記請求項10の装置におい
て、除去手段として、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる
接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間との間に設けら
れた仕切と、接触空間内に設けられた第1排気手段とを
備えたものである。請求項14に係る蒸気乾燥装置は、
上記請求項10の装置において、除去手段として、被洗
浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給
する供給空間との間に設けられた第1冷却手段と、接触
空間内に設けられた第1排気手段とを備えたものであ
る。請求項15に係る蒸気乾燥装置は、上記請求項10
の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒蒸気
に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間と
の間に設けられた仕切と、接触空間の外部に設けられた
第2排気手段とを備えたものである。請求項16に係る
蒸気乾燥装置は、上記請求項10の装置において、除去
手段として、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間
と溶媒蒸気を供給する供給空間との間に設けられた第1
冷却手段と、接触空間の外部に設けられた第2排気手段
とを備えたものである。
【0021】請求項17に係る蒸気乾燥装置は、上記請
求項の装置において、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させ
る接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間とを区画する
と共に被洗浄物及び溶媒蒸気を接触空間内に導入するた
めの開口部を有するガイド容器を備えたものである。請
求項18に係る蒸気乾燥装置は、上記請求項17の装置
において、制限手段として、一端部がガイド容器の開口
部を囲むようにガイド容器に接触すると共に他端部が溶
媒蒸気の充満する領域の外に位置する筒形状の仕切と、
この仕切を移動させてガイド容器の開口部からガイド容
器内に溶媒蒸気を導入させる第1移動手段とを備えたも
のである。請求項19に係る蒸気乾燥装置は、上記請求
18の装置において、ガイド容器に仕切の一端部を支
持するストッパを設けたものである。請求項20に係る
蒸気乾燥装置は、上記請求項17の装置において、制限
手段として、ガイド容器の開口部が溶媒蒸気が充満する
領域内に位置する第1の位置と溶媒蒸気が充満する領域
外に位置する第2の位置との間でガイド容器を移動させ
る第2移動手段を備えたものである。請求項21に係る
蒸気乾燥装置は、上記請求項20の装置において、ガイ
ド容器内に被洗浄物を保持するための保持台を設けたも
のである。
【0022】請求項22に係る蒸気乾燥装置は、上記請
求項17の装置において、溶媒蒸気がガイド容器内に挿
入された被洗浄物の表面で結露することにより得られる
結露液を蒸気乾燥装置の外部に排出するために上記ガイ
ド容器に接続された排液管と、ガイド容器内の溶媒蒸気
を排出するために上記排液管に接続された負圧ポンプと
を備えたものである。請求項23に係る蒸気乾燥装置
は、上記請求項17の装置において、ガイド容器外部の
溶媒蒸気を供給する供給空間に配置された蒸気検出用温
度計を備えたものである。
【0023】請求項24に係る蒸気乾燥装置は、溶媒を
加熱して溶媒蒸気を形成するヒーターと、被洗浄物を溶
媒蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給
空間とを区画するガイド容器と、ガイド容器内の接触空
間に被洗浄物を挿入させるための搬送手段と、ガイド容
器外部の供給空間に配置された蒸気検出用温度計とを備
え、蒸気検出用温度計の指示温度に基づいてヒーターへ
の通電を制御することにより接触空間内の溶媒蒸気の絶
対量を制限するものである。
【0024】請求項25に係る蒸気乾燥装置は、水分濃
度検出手段として溶媒蒸気を供給する供給空間における
溶媒蒸気の温度を測定することにより溶媒中の水分濃度
を検出する蒸気温度測定用温度計を備えたものである。
【0025】請求項26に係る蒸気乾燥装置は、溶媒蒸
気を供給する供給空間の互いに異なる箇所に複数の蒸気
温度測定用温度計を備え、これら温度計の指示温度の平
均値から溶媒中の水分濃度を検出するものである。請求
27に係る蒸気乾燥装置は、溶媒蒸気を供給するため
に用いられる溶媒に含まれる水分濃度を検出するための
水分濃度検出手段と、水分濃度検出手段で検出された溶
媒中の水分濃度が0.8%を越えると蒸気供給に供与さ
れる溶媒を新しい溶媒と交換する交換手段を備えたもの
である。
【0026】請求項28に係る蒸気乾燥装置は、被洗浄
物を保持するための容器本体と、この容器本体に設けら
れると共にこの容器の熱容量を大きくするための吸熱体
とを備えた製品搬送用容器を有するものである。
【0027】
【作用】請求項1に係る蒸気乾燥方法においては、被洗
浄物を溶媒蒸気中に挿入する前に接触空間内に存在する
溶媒蒸気が保有する潜熱の量が被洗浄物を溶媒蒸気の沸
点温度にまで加熱できない量となるように、接触空間内
に存在する溶媒蒸気の絶対量を制限するので、接触空間
内の溶媒蒸気を全て被洗浄物の一部で結露させることが
できる。このため、その後接触空間内に供給される溶媒
蒸気は被洗浄物の最上部から徐々に下部に向かって結露
し、その結露した溶媒とそれに含まれる異物は順次下方
に流れる。
【0028】
【0029】請求項に係る蒸気乾燥方法においては、
被洗浄物及びこれを収納した製品搬送用容器の熱容量を
接触空間内に存在する溶媒蒸気が保有する潜熱の量より
大きくしたので、接触空間内に供給される溶媒蒸気は被
洗浄物の最上部から徐々に下部に向かって結露し、その
結露した溶媒とそれに含まれる異物は順次下方に流れ
る。
【0030】請求項に係る蒸気乾燥方法においては、
ダミー製品の表面上においても溶媒蒸気が結露するた
め、接触空間内の全ての溶媒蒸気を容易に一旦結露させ
ることができる。請求項に係る蒸気乾燥方法において
は、吸熱性物品の表面上においても溶媒蒸気が結露する
ため、接触空間内の全ての溶媒蒸気を容易に一旦結露さ
せることができる。
【0031】請求項に係る蒸気乾燥装置においては、
制限手段が接触空間内の溶媒蒸気の絶対量を制限するこ
とにより、接触空間内の溶媒蒸気の持つ潜熱の量が、被
洗浄物を溶媒蒸気の沸点温度にまで加熱できない量に制
限される。
【0032】請求項に係る蒸気乾燥装置においては、
仕切を閉じることにより供給空間から接触空間への溶媒
蒸気の供給量を制限する。請求項に係る蒸気乾燥装置
においては、第1冷却手段が供給空間から供給される溶
媒蒸気を冷却することにより、接触空間への溶媒蒸気の
供給量が制限される。請求項に係る蒸気乾燥装置にお
いては、第1排気手段が接触空間内の溶媒蒸気を接触空
間外に排気することにより、接触空間への溶媒蒸気の供
給量を制限する。請求項に係る蒸気乾燥装置において
は、第2排気手段が供給空間から接触空間内へ供給され
る溶媒蒸気の一部を排気することにより、接触空間への
溶媒蒸気の供給量を制限する。
【0033】請求項10に係る蒸気乾燥装置において
は、除去手段が接触空間内の溶媒蒸気を除去する。請求
11に係る蒸気乾燥装置においては、仕切と第2冷却
手段とにより接触空間内の溶媒蒸気が除去される。請求
12に係る蒸気乾燥装置においては、第1冷却手段と
第2冷却手段とにより接触空間内の溶媒蒸気が除去され
る。請求項13に係る蒸気乾燥装置においては、仕切と
第1排気手段とにより接触空間内の溶媒蒸気が除去され
る。請求項14に係る蒸気乾燥装置においては、第1冷
却手段と第1排気手段とにより接触空間内の溶媒蒸気が
除去される。請求項15に係る蒸気乾燥装置において
は、仕切と第2排気手段とにより接触空間内の溶媒蒸気
が除去される。請求項16に係る蒸気乾燥装置において
は、第1冷却手段と第2排気手段とにより接触空間内の
溶媒蒸気が除去される。
【0034】請求項17に係る蒸気乾燥装置において
は、ガイド容器が接触空間と供給空間とを区画し、被洗
浄物及び溶媒蒸気はガイド容器に設けられた開口部を介
して接触空間内に導入される。請求項18に係る蒸気乾
燥装置においては、第1移動手段が仕切を移動させるこ
とによりガイド容器の開口部からガイド容器内への溶媒
蒸気の導入が制御される。請求項19に係る蒸気乾燥装
置においては、ガイド容器に設けられたストッパが仕切
の一端部を支持する。請求項20に係る蒸気乾燥装置に
おいては、第2移動手段がガイド容器を移動させること
によりガイド容器の開口部からガイド容器内への溶媒蒸
気の導入が制御される。請求項21に係る蒸気乾燥装置
においては、ガイド容器内に設けられた保持台に被洗浄
物が保持される。
【0035】請求項22に係る蒸気乾燥装置において
は、負圧ポンプが排液管を介してガイド容器内の溶媒蒸
気を排出することによりガイド容器内の溶媒蒸気の量が
制限される。請求項23に係る蒸気乾燥装置において
は、ガイド容器外部の供給空間に配置された蒸気検出用
温度計の指示温度により溶媒蒸気がガイド容器内に供給
されているか否かを確認できる。
【0036】請求項24に係る蒸気乾燥装置において
は、ヒーターへの通電を制御することにより接触空間内
の溶媒蒸気の絶対量が制限される。請求項25に係る蒸
気乾燥装置においては、蒸気温度測定用温度計により供
給空間における溶媒蒸気の温度を測定することにより溶
媒中の水分濃度が検出される。請求項26に係る蒸気乾
燥装置においては、複数の蒸気温度測定用温度計の指示
温度の平均値から溶媒中の水分濃度を検出する。
【0037】請求項27に係る蒸気乾燥装置において
は、水分濃度検出手段で検出された溶媒中の水分濃度が
0.8%を越えると交換手段が蒸気供給に供与される溶
媒を新しい溶媒と交換する。
【0038】請求項28に係る蒸気乾燥装置において
は、製品搬送用容器の容器本体に設けられた吸熱体によ
りこの容器の熱容量を大きくすることができる。
【0039】
【実施例】以下、図1〜図29を参照してこの発明の実
施例を説明する。 実施例1.実施例1に係る蒸気乾燥装置は、図1に示さ
れるように、図30の従来装置と同様に、蒸気乾燥槽
1、低表面張力及び高蒸気圧を有するIPA等の第2の
溶媒2、ヒータ3、IPA等の溶媒蒸気4、凝縮コイル
5、ガイド容器6、接触空間8、搬送操作装置9、ウエ
ハカセット10、受け皿11、排液管12及び温度計1
3を備えている。シリコンウエハ等の被洗浄物7を溶媒
蒸気4と接触させて被洗浄物7の表面に溶媒蒸気4を結
露させると共に溶媒蒸気4の潜熱で被洗浄物7の温度を
上昇させた後、被洗浄物7を溶媒蒸気4中から引き出す
ことにより被洗浄物7に結露した第2の溶媒2を蒸発さ
せて被洗浄物7をその温度で乾燥するように構成されて
いる。
【0040】そして、実施例1では、図1に示されるよ
うに、被洗浄物7を溶媒蒸気4に接触させるための接触
空間8と第2の溶媒2の液面上で且つIPA等の溶媒蒸
気4が充満する供給空間15との間に開閉可能な仕切1
4を設け、この仕切14によって接触空間8への溶媒蒸
気4の供給量を制限し得るように構成されている。接触
空間8は、本質的にはガイド容器6内に形成されている
が、本実施例では、上述のように仕切14によって区画
される第2の溶媒2側の溶媒蒸気4が充満する空間を供
給空間15とし、仕切14と凝縮コイル5との間に形成
される溶媒蒸気4が供給される空間を接触空間8として
いる。従って、本実施例の蒸気乾燥装置は、溶媒蒸気4
の充満した供給空間15から溶媒蒸気4を接触空間8へ
供給する際に、仕切14を開閉制御することによって接
触空間8への溶媒蒸気4の供給量を制御できるように構
成されている。そして、ガイド容器6内の接触空間8に
存在する溶媒蒸気4の量を制限することにより、被洗浄
物7及びウエハカセット10の熱容量を接触空間8にお
ける溶媒蒸気4の潜熱よりも十分に大きくすることがで
きる。
【0041】次に、このような蒸気乾燥装置により、第
2の溶媒2としてIPAを用いて被洗浄物7としてのシ
リコンウエハを蒸気乾燥する方法について説明する。こ
の蒸気乾燥方法は、シリコンウエハ7を乾燥させる際
に、予めガイド容器6内の接触空間8に供給するIPA
蒸気4の量を仕切14によって制限する点に特徴を有し
ている。即ち、本実施例では、ガイド容器6内の接触空
間8に例えば水で洗浄したシリコンウエハ7をセットす
るに際し、シリコンウエハ7を乾燥させるに必要なIP
A蒸気4の絶対量(シリコンウエハ7の温度をIPA蒸
気4の液化温度にまで上げるに要するIPA蒸気4の
量)の一部を仕切14を開放して供給空間15から接触
空間8へ予め供給した後、仕切14を閉じてIPA蒸気
4の接触空間8への供給を停止する。その後、搬送操作
装置9でシリコンウエハ7を保持したウエハカセット1
0をガイド容器6内へ挿入する際、まずシリコンウエハ
7の最下部がIPA蒸気4に接触するものの、シリコン
ウエハ7及びウエハカセット10の熱容量がIPA蒸気
4の潜熱より大きいため、接触空間8内のIPA蒸気4
は間も無く消失する。そのためシリコンウエハ7の最下
部以外の温度はそれほど上昇しない。そしてその後、仕
切14を開放すると供給空間15から接触空間8へのI
PA蒸気4の供給はガイド容器6の外壁を介してシリコ
ンウエハ7の上部から行なわれる。このため、シリコン
ウエハ7の温度は上部から下部に向けて徐々に上昇する
ことになり、また最初に温度上昇があったシリコンウエ
ハ7の下部は、上部で結露して流れて来るIPA2によ
って冷却され、最終的にIPA蒸気4が結露する部分は
シリコンウエハ7の最下部になり、従来のように蒸気乾
燥の最終段階でシリコンウエハ7の上部にあった微細な
ゴミがシリコンウエハ7の下部へ流れることがなく、そ
の結果、シリコンウエハ7の微細なゴミは効率良く除去
され、シミの発生が防止されるという作用効果を奏す
る。
【0042】図1の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を沸
騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾燥
槽1内に満たした。このとき、仕切14は開放したまま
である。次に、ガイド容器6内の温度計13が83℃を
示していることを確認した後、仕切14を閉じる。する
と、ガイド容器6内の温度計13の指示温度が徐々に下
がり、3分後には42℃まで下がった。そして、ウエハ
カセット10に封切り後の6インチシリコンウエハ7を
1枚セットし、これを搬送操作装置9によって3m/秒
の速度でガイド容器6内の接触空間8へ挿入し、そのま
まの状態で1分放置した。このとき温度計13の指示温
度が42℃から27℃まで下がった。次に、仕切14を
再び開放した。これによってIPA蒸気4が接触空間8
へ供給され、温度計13の指示温度が27℃から急速に
上昇し始め、約2分後には83℃を示した。その後、搬
送操作装置9を用いて0.05m/秒の速度でウエハカ
セット10を蒸気乾燥槽1から引き出し、シリコンウエ
ハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0043】実施例2.実施例2に係る蒸気乾燥装置
は、図2に示されるように、実施例1の仕切14に代え
て例えば外部冷却コイル16からなる冷却手段を用いた
以外は実施例1と同様に構成されている。この外部冷却
コイル16は、ガイド容器6の上部より低い位置でガイ
ド容器6を外側から囲み、蒸気乾燥槽1とガイド容器6
間の溶媒蒸気4の上面を覆うように配設されている。そ
して、この外部冷却コイル16内の冷却水は、通水/止
水することができ、流量を適宜制御できるように構成さ
れている。従って、本実施例の蒸気乾燥装置は、IPA
蒸気4の充満した供給空間15からIPA蒸気4を接触
空間8へ供給する際に、外部冷却コイル16内の冷却水
の流量を制御することによって接触空間8へのIPA蒸
気4の供給量を制御できるように構成されている。その
結果、実施例1と同様にシリコンウエハ7及びウエハカ
セット10の熱容量を接触空間8におけるIPA蒸気4
の潜熱よりも十分に大きくすることができる。従って、
実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】図2の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を
沸騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾
燥槽1内に満たした。このとき、外部冷却コイル16は
止水状態にしてある。次に、ガイド容器6内の温度計1
3が83℃を示していることを確認した後、外部冷却コ
イル16に冷却水を流した。すると、ガイド容器6内の
温度計13の指示温度が徐々に下がり、3分後には27
℃まで下がった。そして、ウエハカセット10に封切り
後のシリコンウエハ7を1枚セットし、これを搬送操作
装置9によって3m/秒の速度でガイド容器6内の接触
空間8へ挿入し、そのままの状態で1分放置した。この
とき温度計13の指示温度が27℃から25℃まで下が
った。次に、外部冷却コイル16に流していた冷却水を
止めた。これによってIPA蒸気4の外部冷却コイル1
6での結露量が急速に減少してIPA蒸気4が接触空間
8へ供給され、温度計13の指示温度が27℃から急速
に上昇し始め、約3分後には83℃を示した。その後、
搬送操作装置9を用いて0.05m/秒の速度でウエハ
カセット10を蒸気乾燥槽1から引き出し、シリコンウ
エハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0045】実施例3.実施例3に係る蒸気乾燥装置
は、図3に示されるように、ガイド容器6内のIPA蒸
気4の量を制限する手段としてガイド容器6内の接触空
間8の底部に例えば内部排気ファン17からなる排気手
段を設け、この内部排気ファン17によってガイド容器
6内の接触空間8から外部へIPA蒸気4を排気するこ
とによってガイド容器6内の接触空間8へのIPA蒸気
4の流入量を制御できるように構成されている。その他
は上記各実施例と同様に構成されている。内部排気ファ
ン17によってガイド容器6内のIPA蒸気4をその外
部へ排気してIPA蒸気4を減少するようにしたため、
上記各実施例と同様、シリコンウエハ7及びウエハカセ
ット10の熱容量を接触空間8におけるIPA蒸気4の
潜熱よりも十分に大きくすることができ、上記各実施例
と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】図3の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を
沸騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾
燥槽1内に満たした。このとき、内部排気ファン17は
停止している。次に、ガイド容器6内の温度計13が8
3℃を示していることを確認した後、内部排気ファン1
7に通電して内部排気ファン17を回転させた。する
と、ガイド容器6内の温度計13の指示温度が急激に下
がり、3分後には29℃まで下がった。そして、内部排
気ファン17を停止させると共に、ウエハカセット10
に封切り後の6インチシリコンウエハ7を1枚セット
し、これを搬送操作装置9によって3m/秒の速度でガ
イド容器6内の接触空間8へ挿入し、そのままの状態で
約3分間保持した。このとき温度計13の指示温度が8
3℃まで上がった。その後、搬送操作装置9を用いて
0.05m/秒の速度でウエハカセット10を蒸気乾燥
槽1から引き出し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了
する。
【0047】実施例4.実施例4に係る蒸気乾燥装置
は、図4に示されるように、ガイド容器6内のIPA蒸
気4の量を制限する手段としてガイド容器6の接触空間
8の外部、即ちガイド容器6のやや上方に例えば外部排
気ファン18からなる排気手段を設け、この外部排気フ
ァン18によって供給空間15からのIPA蒸気4を一
部排気してガイド容器6内の接触空間8へのIPA蒸気
4の流入量を制御できるように構成されている。その他
は上記各実施例と同様に構成されている。外部排気ファ
ン18によってガイド容器6内へのIPA蒸気4の供給
量を制限してIPA蒸気4を減少するようにしたため、
上記各実施例と同様、シリコンウエハ7及びウエハカセ
ット10の熱容量を接触空間8におけるIPA蒸気4の
潜熱よりも十分に大きくすることができ、上記各実施例
と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】図4の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を
沸騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾
燥槽1内に満たした。このとき、外部排気ファン18は
停止している。次に、ガイド容器6内の温度計13が8
3℃を示していることを確認した後、外部排気ファン1
8に通電して外部排気ファン18を回転させた。する
と、ガイド容器6内の温度計13の指示温度が急激に下
がり、3分後には35℃まで下がった。そして、外部排
気ファン18を停止させると共に、ウエハカセット10
に封切り後のシリコンウエハ7を1枚セットし、これを
搬送操作装置9によって3m/秒の速度でガイド容器6
内の接触空間8へ挿入し、そのままの状態で約3分間保
持した。このとき温度計13の指示温度が83℃まで上
がった。その後、搬送操作装置9を用いて0.05m/
秒の速度でウエハカセット10を蒸気乾燥槽1から引き
出し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0049】実施例5.実施例5に係る蒸気乾燥装置
は、図5に示されるように、仕切14を有する実施例1
の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6内の接触
空間8の下方に例えば内部冷却コイル19からなる冷却
手段を設けたものである。仕切14によってガイド容器
6外側の接触空間8へのIPA蒸気4の供給量を制限し
た後、さらに内部冷却コイル19によってガイド容器6
内の接触空間8に流入したIPA蒸気4を冷却して接触
空間8のIPA蒸気4を完全に除去し得るように構成さ
れている。ガイド容器6内のIPA蒸気4を完全に除去
した後、搬送操作装置9によってシリコンウエハ7を蒸
気乾燥槽1の上部からガイド容器6内の接触空間8へ挿
入する。その結果、シリコンウエハ7の上部から順次I
PA蒸気4の結露が起こるため、シリコンウエハ7の上
部にあった微細なゴミがシリコンウエハ7の下部へ流れ
ることがなく、シリコンウエハ7の微細なゴミを効率良
く除去してシミを残すことがなくなるという作用効果を
奏する。
【0050】図5の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を
沸騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾
燥槽1内に満たした。このとき、仕切14は開放したま
まである。次に、ガイド容器6内の温度計13が83℃
を示していることを確認した後、仕切14を閉じると共
に内部冷却コイル19に冷却水を流した。すると、ガイ
ド容器6内の温度計13の指示温度が徐々に下がり、2
分後には23℃まで下がった。そして、ウエハカセット
10に封切り後のシリコンウエハ7を1枚セットし、こ
れを搬送操作装置9によって3m/秒の速度でガイド容
器6内の接触空間8へ挿入し、そのままの状態で1分放
置した。次に、内部冷却コイル19に流していた冷却水
を止めると共に仕切14を再び開放した。このとき温度
計13の指示温度が23℃から急速に上昇し始め、約3
分後には83℃を示した。その後、搬送操作装置9を用
いて0.05m/秒の速度でウエハカセット10を蒸気
乾燥槽1から引き出し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を
終了する。
【0051】実施例6.実施例6に係る蒸気乾燥装置
は、図6に示されるように、外部冷却コイル16を有す
る実施例2の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器
6内の接触空間8の下方に内部冷却コイル19を設けた
ものである。外部冷却コイル16及び内部冷却コイル1
9がそれぞれ第1冷却手段及び第2冷却手段を形成して
いる。外部冷却コイル16によってガイド容器6外側の
接触空間8へのIPA蒸気4の供給量を制限した後、さ
らに内部冷却コイル19によってガイド容器6内の接触
空間8に流入したIPA蒸気4を冷却して接触空間8の
IPA蒸気4を完全に除去するように構成されている。
内部冷却コイル19によってガイド容器6内のIPA蒸
気4を除去できるため、実施例5と同様の作用効果を奏
することができる。
【0052】図6の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイル3に24
℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電してIPA2を
沸騰させ、これによって発生したIPA蒸気4を蒸気乾
燥槽1内に満たした。このとき、外部冷却コイル16及
び内部コイル19はいずれも止水状態にしてある。次
に、ガイド容器6内の温度計13が83℃を示している
ことを確認した後、外部冷却コイル16及び内部コイル
19の双方に冷却水を流した。すると、ガイド容器6内
の温度計13の指示温度が徐々に下がり、2分後には2
3℃まで下がった。そして、ウエハカセット10に封切
り後のシリコンウエハ7を1枚セットし、これを搬送操
作装置9によって3m/秒の速度でガイド容器6内の接
触空間8へ挿入し、そのままの状態で1分放置した。次
に、外部冷却コイル16及び内部コイル19に流してい
た冷却水を止めた。このとき温度計13の指示温度が2
3℃から急速に上昇し始め、約3分後には83℃を示し
た。その後、搬送操作装置9を用いて0.05m/秒の
速度でウエハカセット10を蒸気乾燥槽1から引き出
し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0053】実施例7.実施例7に係る蒸気乾燥装置
は、図7に示されるように、仕切14を有する実施例1
の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6内の接触
空間8の下方に例えば内部排気ファン17からなる排気
手段を設けたものである。仕切14によってガイド容器
6外側の接触空間8へのIPA蒸気4の供給量を制限し
た後、さらに内部排気ファン17によってガイド容器6
内の接触空間8から外部へIPA蒸気4を排気してガイ
ド容器6内の接触空間8のIPA蒸気4を完全に除去す
るように構成されている。内部排気ファン17によって
ガイド容器6内のIPA蒸気4を除去できるため、実施
例5及び6と同様の作用効果を奏することができる。
【0054】図7の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。図7に示す蒸
気乾燥装置は実施例3の蒸気乾燥装置に実施例1におけ
る仕切14を付加したものである。従って、この蒸気乾
燥装置における蒸気乾燥の場合には、実施例3で説明し
た蒸気乾燥において、内部排気ファン17に通電して内
部排気ファン17を回転させるときに仕切14を閉じ、
内部排気ファン17を停止したときに仕切14を開放す
る以外は、実施例3と同様に試験を行なってシリコンウ
エハ7を乾燥させた。
【0055】実施例8.実施例8に係る蒸気乾燥装置
は、図8に示されるように、外部冷却コイル16を有す
る実施例2の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器
6内の接触空間8の下方に例えば内部排気ファン17か
らなる排気手段を設け、外部冷却コイル16での冷却水
の流量を制御して接触空間8へのIPA蒸気4の供給量
を制限した後、さらに内部排気ファン17によってガイ
ド容器6内の接触空間8から外部へIPA蒸気4を排気
してガイド容器6内の接触空間8のIPA蒸気4を完全
に除去するように構成されている。内部排気ファン17
によってガイド容器6内のIPA蒸気4を除去できるた
め、実施例5ないし7と同様の作用効果を奏することが
できる。
【0056】図8の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。図8に示す蒸
気乾燥装置は実施例3の蒸気乾燥装置に実施例2におけ
る外部冷却コイル16を付加したものである。従って、
この蒸気乾燥装置における蒸気乾燥の場合には、実施例
3で説明した蒸気乾燥において、内部排気ファン17に
通電して内部排気ファン17を回転させるときに外部冷
却コイル16に冷却水を流してIPA蒸気4を冷却し、
内部排気ファン17を停止したときに外部冷却コイル1
6を止水状態にする以外は、実施例3と同様に試験を行
なってシリコンウエハ7を乾燥させた。
【0057】実施例9.実施例9に係る蒸気乾燥装置
は、図9に示されるように、仕切14を有する実施例1
の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6のやや上
方に例えば外部排気ファン18からなる排気手段を設け
たものである。仕切14によってガイド容器6外側の接
触空間8へのIPA蒸気4の供給量を制限した後、外部
排気ファン18によって供給空間15からのIPA蒸気
4を一部排気することによりガイド容器6内の接触空間
8へのIPA蒸気4の流入量を制限するように構成され
ている。外部排気ファン18によってガイド容器6内へ
のIPA蒸気4の流入量を制限し、ガイド容器6内の少
量のIPA蒸気4を完全にシリコンウエハ7で結露させ
て除去するようにしたため、実施例5ないし8と同様の
作用効果を奏することができる。
【0058】図9の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6イ
ンチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。図8に示す蒸
気乾燥装置は実施例4の蒸気乾燥装置に実施例1におけ
る仕切14を付加したものである。従って、この蒸気乾
燥装置における蒸気乾燥の場合には、実施例4で説明し
た蒸気乾燥で、外部排気ファン18に通電して外部排気
ファン18を回転させるときに仕切14を閉じ、外部排
気ファン18を停止したときに仕切14を開放する以外
は、実施例4と同様に試験を行なってシリコンウエハ7
を乾燥させた。
【0059】実施例10.実施例10に係る蒸気乾燥装
置は、図10に示されるように、外部冷却コイル16を
有する実施例2の蒸気乾燥装置において、さらにガイド
容器6のやや上方に例えば外部排気ファン18からなる
排気手段を設け、外部冷却コイル16での冷却水の流量
を制御して接触空間8へのIPA蒸気4の供給量を制限
した後、さらに外部排気ファン18によって供給空間1
5からのIPA蒸気4を一部排気してガイド容器6内の
接触空間8へのIPA蒸気4の流入量を制限するように
構成されている。従って、実施例5ないし9と同様の作
用効果を奏することができる。
【0060】図10の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。図10に示
す蒸気乾燥装置は実施例4の蒸気乾燥装置に実施例2に
おける外部冷却コイル16を付加したものである。従っ
て、この蒸気乾燥装置における蒸気乾燥の場合には、実
施例4で説明した蒸気乾燥において、外部排気ファン1
8に通電して外部排気ファン18を回転させるときに外
部冷却コイル16に冷却水を流してIPA蒸気4を冷却
し、外部排気ファン18を停止したときに外部冷却コイ
ル16を止水状態にする以外は、実施例4と同様に試験
を行なってシリコンウエハ7を乾燥させた。
【0061】実施例11.実施例11に係る蒸気乾燥装
置は、図11に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、ガイド容器6の外壁側と内壁側
とを区切る円筒型の仕切39及び支持棒38を介して仕
切39を上下移動させるための上下移動アクチュエータ
37を設けた装置である。この仕切39の上端は、凝縮
コイル5の中央部に位置し、凝縮コイル5の冷却により
溶媒蒸気4の存在しない位置に位置する。そのため、蒸
気4は仕切39の上端を越えて、ガイド容器6の内部へ
供給されることはない。一方、ガイド容器6の内壁と接
触する仕切39の下端は、支持棒38を介してアクチュ
エータ37で仕切39を上下移動することによりガイド
容器6の上端より下方にもまた上方にも位置し得る。仕
切39の下端をガイド容器6の上端より下方に位置させ
ることにより外壁側と内壁側との区切りは閉じられ、ガ
イド容器6の上端より上方に位置させることにより外壁
側と内壁側との区切りは開かれる。そのため、ガイド容
器6の内部への溶媒蒸気4の供給量を容易に制御するこ
とができる。ガイド容器6内の接触空間8に存在する溶
媒蒸気4の量を減らすことで、ガイド容器6内の接触空
間8に存在する溶媒蒸気4の持つ潜熱を小さくすること
ができる。
【0062】例えば、ガイド容器6の内部にウエハカセ
ット10等に収納されたシリコンウエハ7を支持棒9A
を介してアクチュエータ9Bで挿入する前に仕切39を
閉じることで、ガイド容器6内部への溶媒蒸気4の流入
を阻止できる。このため、ガイド容器6の内部に存在す
る溶媒蒸気4の持つ潜熱は小さくなる。このような状態
になったガイド容器6の内部に外からウエハカセット1
0に収納されたシリコンウエハ7を送り込む際、まずシ
リコンウエハ7表面が溶媒蒸気4に接触するのはシリコ
ンウエハ7の最下部であるものの、ウエハカセット10
及びシリコンウエハ7が溶媒蒸気4から奪う潜熱の方が
大きくなるため、ガイド容器6内の接触空間8の溶媒蒸
気4は間もなく消失する。そのためシリコンウエハ7の
下部以外の温度はそれほど上昇しない。
【0063】その後、アクチュエータ37により仕切3
9を移動させてガイド容器6の外壁側と内壁側との区切
りを開き、ガイド容器6の外壁を介して接触空間8内に
シリコンウエハ7の上部から溶媒蒸気4を供給する。そ
の結果、シリコンウエハ7の温度は上部から下部に向か
って徐々に上昇することになる。また、最初に温度上昇
があったシリコンウエハ7の下部は、上部で結露して流
れて来るIPA2によって冷却され、最終的に溶媒蒸気
4が結露する部分はシリコンウエハ7の最下部になる。
そのため、シリコンウエハ7表面の上部にあった微細な
ゴミがシリコンウエハ7表面の下部へと流れることはな
くなり、結果的にシミの発生が防止される。
【0064】図11の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチシリコンウエハを蒸気乾燥した。まず、蒸気乾燥
槽1にIPA2を投入した後、凝縮コイル5に24℃の
冷水を流すとともにヒータ3に通電を行いIPA2を沸
騰させ、蒸気乾燥槽1の内部をIPAの蒸気4で満たし
た。なお、このとき仕切39は開放されている。次に、
ガイド容器6の中に設けた温度計13の温度が82.4
℃になるのを確認した後、仕切39を支持棒38を介し
てアクチュエータ37により閉じる。すると、ガイド容
器6の中に設けた温度計13の温度は徐々に下がり、3
分後には42℃まで下がった。そして、ウエハカセット
10等に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚
セッティングしこれを搬送操作装置9を用いて秒速3m
/secの速度で蒸気乾燥槽1の内部に設けたガイド容
器6の中に投入し、そのままの状態で1分放置した。こ
のときの温度計13の指示温度は42℃から27℃まで
下がった。次に、仕切39を再び支持棒38を介してア
クチュエータ37により開放した。温度計13の指示温
度計は27℃から急速に上昇し始め約2分後に82.4
℃にまで上昇した。次に、搬送操作装置9を用いて秒速
0.05m/secの速度でウエハカセット10を蒸気
乾燥槽1の内部から外に引き出し、シリコンウエハ7の
蒸気乾燥を終了する。
【0065】実施例12.実施例12に係る蒸気乾燥装
置は、図12に示されるように、第11図に示した実施
例11の蒸気乾燥装置において、円筒型の仕切39の径
を大きくして仕切39の下端の位置をガイド容器6の外
壁と接触するようにしたものである。その他は、実施例
11の蒸気乾燥装置と全く同じ構造を有している。
【0066】この実施例12では、仕切39の下端とガ
イド容器6の外壁とを接触するようにしたことで、仕切
39の上下移動による仕切39とガイド容器6の内壁と
のこすれによる発塵物をシリコンウエハ7が存在するガ
イド容器6の接触空間8内に送り込むことが無くなり、
発塵物によるシリコンウエハ7の汚染を避けることがで
きるようになった。
【0067】図12の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。実施例11
と全く同様の条件でシリコンウエハ7の蒸気乾燥を行う
ことができた。
【0068】実施例13.実施例13に係る蒸気乾燥装
置は、図13に示されるように、図12に示した実施例
12の蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6の外
壁上に仕切ストッパ56を設けたものである。ガイド容
器6の外壁上に仕切ストッパ56を設けたことで、仕切
39とガイド容器6の外壁との間に多少の隙間があって
も、このストッパ56を介して、ガイド容器6の外壁側
と内壁側との区切りをより確実に行うことができると共
に、ガイド容器6の外壁への仕切39の食い込みによる
故障を避けることができるようになった。
【0069】図13の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。実施例11
と全く同様の条件でシリコンウエハ7の蒸気乾燥を行う
ことができた。
【0070】実施例14.実施例14に係る蒸気乾燥装
置は、図14に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、ガイド容器6に支持棒38を介
して上下移動アクチュエータ37を取り付け、ガイド容
器6を上下移動できるような構造にしたものである。ガ
イド容器6の上端を凝縮コイル5の中央部から凝縮コイ
ル5の下部より下方の位置に自在に移動できるようにす
ることで、ガイド容器6の上端を溶媒蒸気4の存在しな
い位置から溶媒蒸気4の充満する位置まで自在に移動で
きるようにした蒸気乾燥装置であり、この他は、従来例
の蒸気乾燥装置と全く同じ構造を有している。
【0071】ガイド容器6の上端を凝縮コイル5の中央
部に位置させた時には、溶媒蒸気4はガイド容器6の上
端を越えてガイド容器6内の接触空間8に供給されるこ
とはない。一方、ガイド容器6の上端を凝縮コイル5の
下部より下方に位置させた時には、溶媒蒸気4は速やか
にガイド容器6内の接触空間8に供給される。そのた
め、この実施例14の蒸気乾燥装置は、実施例11の蒸
気乾燥装置とほぼ同様の乾燥特性の実現に供することが
できる。
【0072】図14の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。実施例11
と全く同様の条件でシリコンウエハ7の蒸気乾燥を行う
ことができた。
【0073】実施例15.実施例15に係る蒸気乾燥装
置は、図15に示されるように、図14に示した実施例
14の蒸気乾燥装置において、ガイド容器6内の受け皿
11の上にウエハカセット10を保持するためのカセッ
ト保持台42を取り付けると共に支持棒9A及びアクチ
ュエータ9Bを取り除いたものである。受け皿11上に
カセット保持台42を設けたことにより、支持棒9A及
びアクチュエータ9Bを取り除くことができ、装置の簡
略化が行われている。
【0074】図15の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。実施例11
と全く同様の条件でシリコンウエハ7の蒸気乾燥を行う
ことができた。
【0075】実施例16.実施例16に係る蒸気乾燥装
置は、図16に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、排液管12に負圧ポンプ41を
接続したものである。排液管12に負圧ポンプ41を設
けたことにより、シリコンウエハ7をガイド容器6の内
部に投入する前に、負圧ポンプ41を駆動してガイド容
器6内の接触空間8に残されるIPA等の溶媒蒸気4を
排出することができる。そのため、ガイド容器6の内部
に存在する溶媒蒸気4の量を減らすことが可能となり、
ガイド容器6内の接触空間8に存在する溶媒蒸気4の持
つ潜熱を小さくすることができる。
【0076】例えば、ガイド容器6の内部にウエハカセ
ット10にセッティングしたシリコンウエハ7を支持棒
9Aを介してアクチュエータ9Bで挿入する前に負圧ポ
ンプ41を駆動することで、接触空間8内の溶媒蒸気4
の量を減らすことができ、その結果、接触空間8に存在
する溶媒蒸気4の持つ潜熱は小さくなる。このような状
態になったガイド容器6の内部に外からウエハカセット
10に収納されたシリコンウエハ7を送り込むと、まず
シリコンウエハ7表面が溶媒蒸気4に接触するのはシリ
コンウエハ7の最下部であるものの、ガイド容器6内部
の溶媒蒸気4が少なくなっているためにウエハカセット
10及びシリコンウエハ7が溶媒蒸気4から奪う潜熱の
方が大きくなり、ガイド容器6内の接触空間8の溶媒蒸
気4は間もなく消失する。そのためシリコンウエハ7の
下部以外の温度はそれほど上昇しない。
【0077】一方、その後の接触空間8への溶媒蒸気4
の供給はガイド容器6の外壁を介してシリコンウエハ7
の上部から行われるため、シリコンウエハ7の温度は上
部から下部に向かって徐々に上昇することになる。ま
た、最初に温度上昇があったシリコンウエハ7の下部
は、上部で結露して流れて来るIPA2によって冷却さ
れ、最終的に溶媒蒸気4が結露する部分はシリコンウエ
ハ7の最下部になる。そのため、シリコンウエハ7表面
の上部にあった微細なゴミがシリコンウエハ7表面の下
部へと流れることはなくなり、結果的にシミの発生が防
止される。
【0078】図16の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチシリコンウエハを蒸気乾燥した。まず、蒸気乾燥
槽1にIPA2を投入した後、凝縮コイル5に24℃の
冷水を流すとともにヒータ3に通電を行いIPA2を沸
騰させ、蒸気乾燥槽1の内部をIPAの溶媒蒸気4で満
たした。なお、このとき負圧ポンプ41は停止してい
る。次に、ガイド容器6の中に設けた温度計13の温度
が82.4℃になるのを確認した後、負圧ポンプ41を
駆動する。すると、ガイド容器6の中に設けた温度計1
3の温度は徐々に下がり、1分後には52℃まで下が
り、その後52℃を維持した。そして、ウエハカセット
10に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚セ
ッティングしこれを搬送操作装置9を用いて秒速3m/
secの速度でガイド容器6の中に投入し、そのままの
状態で1分放置した。このときの温度計13の指示温度
は52℃から47℃まで下がった。次に負圧ポンプ41
を停止した。温度計13の指示温度計は57℃から急速
に上昇し始め約2分後に82.4℃にまで上昇した。次
に、搬送操作装置9を用いて秒速0.05m/secの
速度でウエハカセット10を蒸気乾燥槽1の内部から外
に引き出し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0079】実施例17.実施例17に係る蒸気乾燥装
置は、図17に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6の外部に蒸
気検出用温度計47を設けたものである。この蒸気検出
用温度計47は、ガイド容器6の内部に蒸気4が供給さ
れているか否かを確認するためのものである。さらに、
ヒーター3を間欠的に通電することで、IPA2の加熱
を制御できるようにしてある。なお、これ以外は、従来
例の蒸気乾燥装置と全く同じ構造を有している。
【0080】以下、ヒーター3を間欠的に通電すること
で、乾燥不良を軽減できる例を説明する。例えば、ガイ
ド容器6の内部にウエハカセット10に収納されたシリ
コンウエハ7を搬送操作装置9で挿入する前にヒーター
3への通電を停止することで、ガイド容器6内部への溶
媒蒸気4の供給を抑制・停止し、ガイド容器6内部の溶
媒蒸気4の量を減らすことができる。その結果、ガイド
容器6内の接触空間8に存在する溶媒蒸気4の持つ潜熱
は小さくなる。なお、ガイド容器6内部への溶媒蒸気4
の供給の有無は蒸気検出用温度計47の指示温度から判
断できる。例えば、溶媒蒸気4が供給されている場合、
蒸気検出用温度計47はIPA2の沸点とほぼ同じ温度
を示す。しかし、溶媒蒸気4が供給されていない場合、
蒸気検出用温度計47はIPA2の沸点よりはるかに低
い温度を示す。
【0081】このような状態になったガイド容器6の内
部に外からウエハカセット10に収納されたシリコンウ
エハ7を搬送操作装置9で送り込むと、まずシリコンウ
エハ7表面が溶媒蒸気4に接触するのはシリコンウエハ
7の最下部であるものの、ガイド容器6内部の溶媒蒸気
4が少なくなっているためにウエハカセット10及びシ
リコンウエハ7が溶媒蒸気4から奪う潜熱の方が大きく
なり、ガイド容器6内の接触空間8の溶媒蒸気4は間も
なく消失する。そのためシリコンウエハ7の下部以外の
温度はそれほど上昇しない。
【0082】次に、ヒーター3への通電を再開すること
でガイド容器6の内部へ溶媒蒸気4を再供給する。この
とき接触空間8への溶媒蒸気4の供給はガイド容器6の
外壁を介してシリコンウエハ7の上部から行われるた
め、シリコンウエハ7の温度は上部から下部に向かって
徐々に上昇することになる。また、最初に温度上昇があ
ったシリコンウエハ7の下部は、上部で結露して流れて
来るIPA2によって冷却され、最終的に溶媒蒸気4が
結露する部分はシリコンウエハ7の最下部になる。その
ため、シリコンウエハ7表面の上部にあった微細なゴミ
がシリコンウエハ7表面の下部へと流れることはなくな
り、結果的にシミの発生が防止される。
【0083】図17の蒸気乾燥装置を用いて水洗後の6
インチのシリコンウエハを蒸気乾燥した。まず、蒸気乾
燥槽1にIPA2を投入した後、凝縮コイル5に24℃
の冷水を流すとともにヒーター3に通電を行いIPA2
を沸騰させ、蒸気乾燥槽1の内部をIPAの蒸気4で満
たした。このとき蒸気検出用温度計47の指示温度は8
2.4℃であった。次に、ガイド容器6の中に設けた温
度計13の温度が82.4℃になるのを確認した後、ヒ
ーター3への通電を止めた、すると、蒸気検出用温度計
47の指示温度は徐々に下がり、2分後には47℃まで
下がり、この事から、ガイド容器6内部への溶媒蒸気4
の供給が停止したことを確認した。また、ガイド容器6
の中に設けた温度計13の温度は徐々に下がり、10分
後には72℃まで下がった。そして、ウエハカセット1
0に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚セッ
ティングし、これを搬送操作装置9を用いて秒速3m/
secの速度でガイド容器6の中に投入し、そのままの
状態で1分放置した。この時の温度計13の指示温度は
72℃から35℃まで下がった。次にヒーター3への通
電を再開した。すると蒸気検出用温度計47の指示温度
は、少しの遅延時間を置き、急速に上昇と始め約1分後
には82.4℃にまで上昇した。また、温度計13の指
示温度計も少しの遅延時間を置き、35℃から急速に上
昇し始め約3分後には82.4℃に達した。次に、搬送
操作装置9を用いて秒速0.05m/secの速度でウ
エハカセット10を蒸気乾燥槽1の内部から外に引き出
し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0084】比較例1.上記の各実施例の効果を調べる
ために、図30に示した従来の蒸気乾燥装置を用いて水
洗後の6インチのシリコンウエハ7を蒸気乾燥した。ま
ず、蒸気乾燥槽1内にIPA2を投入した後、凝縮コイ
ル5に24℃の冷却水を流すと共にヒータ3に通電して
IPA2を沸騰させ、これによって発生した溶媒蒸気4
を蒸気乾燥槽1内に満たした。次に、ガイド容器6内の
温度計13が82.4℃を示していることを確認した
後、ウエハカセット10に封切り後の6インチシリコン
ウエハ7を1枚セットし、これを搬送操作装置9によっ
て3m/秒の速度で溶媒蒸気4が充満したガイド容器6
内の接触空間8へ挿入し、そのままの状態で5分間保持
した。この時温度計13の指示温度が82.4℃から6
8℃まで急激に下がった後、徐々に82.4℃まで復帰
した。その後、搬送操作装置9を用いて0.05m/秒
の速度でウエハカセット10を蒸気乾燥槽1から引き出
し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了する。
【0085】次に、上記実施例1〜17及び比較例1に
基づいて洗浄していない6インチのシリコンウエハ(信
越シリコン社製)をそれぞれ蒸気乾燥した場合の蒸気乾
燥前後のゴミ(微粒子)の増減について具体的に試験を
行った。この際、表面検査装置IS−2000(日立電
子エンジニアリング株式会社製)によりシリコンウエハ
7のウエハ端から内側8mmの部分を除いた範囲につい
て0.3μm以上の微粒子数を測定し、その測定個数で
ゴミの増減評価を行なった。
【0086】なお、信越シリコン社から搬入された封切
り後の6インチのシリコンウエハ7のウエハ端から内側
8mmの部分を除いた範囲について表面検査装置IS−
2000で0.3μm以上の微粒子数の測定を行なった
ところ、全てのシリコンウエハ7で6〜10個の微粒子
が認められ、微粒子の個数の平均値は8個であった。ま
た、ウエハ端から内側8mmの部分を含むシリコンウエ
ハ7全面について同様の測定を行なったところ、全ての
シリコンウエハ7で100〜300個の微粒子が認めら
れ、微粒子数の平均値は200個であった。この結果か
ら、信越シリコン社から搬入された封切り後の6インチ
のシリコンウエハ7では、ウエハ端から内側8mmの範
囲に微粒子が集中していることが判った。ウエハ端から
内側8mmの範囲に集中する微粒子は、シリコンウエハ
7の搬入までに用いられるウエハケース10の内壁とウ
エハ端との接触により生成したものと推定される。
【0087】そこで、実施例1〜17及び比較例1に基
づいて蒸気乾燥されたシリコンウエハ7について表面検
査装置IS−2000を用いてウエハ端から内側8mm
の部分を除く範囲で測定された微粒子数の平均値A、及
び除外範囲のないウエハ全面で測定された微粒子数の平
均値Bを表1に示す。
【0088】 表1 微粒子数A 微粒子数B 実施例1 1 10 実施例2 0 7 実施例3 10 39 実施例4 12 45 実施例5 0 4 実施例6 0 3 実施例7 2 25 実施例8 3 21 実施例9 7 30 実施例10 6 27 実施例11 4 23 実施例12 1 7 実施例13 1 8 実施例14 1 11 実施例15 1 8 実施例16 6 57 実施例17 4 34 比較例1 188 356
【0089】表1から明らかなように、実施例1〜17
の蒸気乾燥装置を用いて蒸気乾燥したシリコンウエハ7
の方が、従来の蒸気乾燥装置を用いて蒸気乾燥したシリ
コンウエハ7よりも格段に微粒子が少ないことがわか
る。すなわち、上記の各実施例によれば、少ない枚数の
シリコンウエハ7を乾燥処理する場合であってもシミを
残すことなくシリコンウエハ7を乾燥することができ
る。
【0090】実施例18.実施例18に係る蒸気乾燥装
置は、図18に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、さらに蒸気乾燥槽1の下部に溜
められた第2の溶媒としてのIPA2中の水分濃度を測
定するための水分濃度計45を設けたものである。
【0091】図18に示す蒸気乾燥装置を用いて非洗浄
の信越シリコン社製6インチのシリコンウエハ7を蒸気
乾燥した場合の蒸気乾燥前後での微粒子数の増減につい
て実験を行った。実験は、ウエハカセット10に封切り
後のシリコンウエハ7を25枚セッティングし、蒸気乾
燥槽1下部に溜められたIPA2中に適当量の水を加え
ながら、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を行った。なお、
その他の条件は、実施例11と全く同様の条件で行っ
た。
【0092】図19に水分濃度計45から得られたIP
A2中の水分濃度とこの条件下で蒸気乾燥したときのシ
リコンウエハ7上の微粒子数の関係を示す。なお、微粒
子数は、表面検査装置IS−2000を用いてウエハ端
から内側8mmの部分を除く範囲で測定されたものであ
る。図19の実験結果からIPA2中の水分濃度が1%
を越えると、微粒子数が急激に増加していることがわか
る。
【0093】従って、この実施例18の蒸気乾燥装置に
設けられた水分濃度計45を監視することにより、最適
なシリコンウエハの蒸気乾燥が行われているか否かを判
断することができるようになった。
【0094】実施例19.実施例19に係る蒸気乾燥装
置は、図20に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、さらに蒸気乾燥槽1の下部に溜
められた第2の溶媒としてのIPA2の温度を測定する
ための溶媒温度測定用温度計46を設けたものである。
【0095】図20に示す蒸気乾燥装置を用いて実施例
18と全く同一の条件で蒸気乾燥槽1下部に溜められた
IPA2中に適当量の水を加えながら、その条件下での
水を含むIPA2の沸点を測定した。図21に、IPA
2中の水分濃度と各水分濃度の下でIPA2を沸騰させ
たときの温度計46が示した指示温度との関係を示す。
IPA2中の水分濃度と温度計46が示した指示温度と
の間に良い相関性が認められる。
【0096】従って、この実施例19の蒸気乾燥装置に
設けられた溶媒温度測定用温度計46の指示温度を監視
することにより、IPA2中の水分濃度を監視すること
ができ、その結果、最適なシリコンウエハの蒸気乾燥が
行われているか否かを判断することができるようになっ
た。
【0097】実施例20.実施例20に係る蒸気乾燥装
置は、図22に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6の外部に蒸
気4の温度を測定するための蒸気温度測定用温度計48
を設けたものである。
【0098】図22に示す蒸気乾燥装置を用いて実施例
18と全く同一の条件で蒸気乾燥槽1下部に溜められた
IPA2中に適当量の水を加えながら、その条件下で水
を含むIPA2を沸騰させたときの蒸気4の温度を測定
した。図23に、IPA2中の水分濃度と各水分濃度の
下でIPA2を沸騰させたときの蒸気温度測定用温度計
48が示した指示温度との関係を示す。IPA2中の水
分濃度と蒸気温度測定用温度計48が示した指示温度と
の間に良い相関性が認められる。
【0099】従って、この実施例20の蒸気乾燥装置に
設けられた蒸気温度測定用温度計48の指示温度を監視
することにより、溶媒2中の水分濃度を監視することが
でき、その結果、最適な蒸気乾燥が行われているか否か
を判断することができるようになった。
【0100】実施例21.実施例21に係る蒸気乾燥装
置は、図24に示されるように、図30に示した従来の
蒸気乾燥装置において、さらにガイド容器6の外部にそ
れぞれ溶媒蒸気4の温度を測定するための複数の蒸気温
度測定用温度計48を設けたものである。
【0101】図24に示す蒸気乾燥装置を用いて実施例
18と全く同一の条件で蒸気乾燥槽1下部に溜められた
IPA2中に適当量の水を加えながら、その条件下で水
を含むIPA2を沸騰させたときの溶媒蒸気4の温度を
複数の蒸気温度測定用温度計48により測定し、測定値
の平均をとった。図25に、IPA2中の水分濃度と各
水分濃度の下でIPA2を沸騰させたときの複数の蒸気
温度測定用温度計48が示した指示温度の平均値との関
係を示す。IPA2中の水分濃度と蒸気温度測定用温度
計48が示した指示温度の平均値との間に良い相関性が
認められる。また、単独の蒸気温度測定用温度計48が
示した指示温度より、複数の蒸気温度測定用温度計48
が示した指示温度の平均値の方が、その温度のバラツキ
が小さくなっていることがわかる。
【0102】このことから、複数個の蒸気温度測定用温
度計48を用い、これらの温度計48が示した指示温度
の平均値をとることにより、より高精度のIPA2中の
水分濃度管理ができることがわかる。また、この実施例
21の蒸気乾燥装置に取り付けた複数個の蒸気温度測定
用温度計48の指示温度の平均値を監視することで、I
PA2中の水分濃度をより良く監視することができ、そ
の結果、最適なシリコンウエハの蒸気乾燥が行われてい
るか否かをより精度良く判断することができるようにな
った。
【0103】実施例22.実施例22に係る蒸気乾燥装
置は、図26に示されるように、図18に示した実施例
18の蒸気乾燥装置において、さらに蒸気乾燥槽1内に
新しいIPA2等の溶媒を供給するための溶媒供給配管
52と、この溶媒供給配管52の開閉を行うバルブ51
と、水が混入した蒸気乾燥槽1下部のIPA2の排出を
行うための溶媒排出配管62と、この溶媒排出配管62
の開閉を行うバルブ61とを設けたものである。
【0104】また、以下のようなシーケンスが組まれて
いる。まず、水分濃度計45の検出水分濃度が0.8%
を越えると自動的にヒーター3の通電が止まるととも
に、バルブ61が開かれ溶媒排出配管62を介して蒸気
乾燥槽1下部に溜められたIPA2を排出する。次に、
IPA2の排出が完了すると、バルブ61は閉じられ、
これと同時にバルブ51が開かれて溶媒供給配管52を
介して所定量の新しいIPA2が蒸気乾燥槽1下部に供
給される。その後自動的にヒーター3に通電され、IP
A2が沸騰してガイド容器6の中へ溶媒蒸気4が供給さ
れる。
【0105】以上のように、図26に示す蒸気乾燥装置
を用いると共に上記シーケンスを用いることで、IPA
2に混入した水分濃度が低い条件下でシリコンウエハ7
表面の水とIPAとの置換を行うことができ、最適なシ
リコンウエハの蒸気乾燥ができるようになった。なお、
図26に示す蒸気乾燥装置では水分濃度計45を用いた
が、これに限るものではなく、水分濃度計45の代わり
に溶媒温度測定用温度計46あるいは蒸気温度測定用温
度計48を設けてIPA2中の水分濃度を監視してもよ
い。
【0106】実施例23.実施例23に係る蒸気乾燥装
置は、図27に示されるように、図26に示した実施例
22の蒸気乾燥装置において、水分濃度計45の代わり
に、凝縮コイル5で結露したIPA溶液を受け止める結
露溶液用受皿73と、受皿73の中に受け止められた結
露したIPA溶液を蒸気乾燥槽1下部に戻すための溶媒
帰還配管72と、溶媒帰還配管72の開閉を行うバルブ
71と、結露溶液用受皿73の中に受け止められた結露
したIPA溶液を排液管12を介して蒸気乾燥槽1の外
に排出するための廃棄配管82と、廃棄配管82の開閉
を行うバルブ81とを設けたものである。
【0107】また、以下のようなシーケンスが組まれて
いる。まず、ガイド容器6の中にウエハカセット10に
装着されたシリコンウエハ7が投入されている間は、バ
ルブ71を閉じて凝縮コイル5で結露したIPA溶液を
溶媒帰還配管72を介して蒸気乾燥槽1下部に溜められ
たIPA2に戻さないようにすると共に、バルブ81を
解放して凝縮コイル5で結露したIPA溶液を廃棄配管
82を介して蒸気乾燥槽1の外に排出する。一方、ガイ
ド容器6の中にウエハカセット10に装着されたシリコ
ンウエハ7が投入されていない間は、バルブ71を解放
して凝縮コイル5で結露したIPA溶液を溶媒帰還配管
72を介して蒸気乾燥槽1下部に溜められたIPA2に
戻すようにすると共にバルブ81を閉じて凝縮コイル5
で結露したIPA溶液を廃棄配管82を介して蒸気乾燥
槽1の外に排出しないようにする。
【0108】以上のように、図27に示す蒸気乾燥装置
を用いると共に上記シーケンスを用いることで、IPA
2に混入した水分濃度が低い条件下でシリコンウエハ7
表面の水とIPAとの置換を行うことができ、最適なシ
リコンウエハの蒸気乾燥ができるようになった。
【0109】実施例24.実施例24に係る蒸気乾燥装
置は、図28に示されるように、図26に示した実施例
22の蒸気乾燥装置において、水分濃度計45の代わり
に、凝縮コイル5で結露したIPA溶液を受け止める結
露溶液用受皿73と、結露したIPA溶液から水分を除
去する水分除去装置91と、結露溶液用受皿73で受け
止められたIPA溶液を水分除去装置91に送る結露溶
液送り配管75と、水分除去装置91で水分が除去され
たIPAを蒸気乾燥槽1下部に溜められたIPA2に戻
す溶媒帰還配管93と、水分除去装置91で除去した水
分を排出する水分排出管92とを設けたものである。
【0110】水分除去装置91を用いることにより、凝
縮コイル5で結露した水分を含むIPA溶液から水分が
除去されるため、結果的に常に水分が除去されたIPA
を蒸気乾燥槽1下部に溜められたIPA2に戻すことが
できる。このため、IPA2に混入した水分濃度が低い
条件下でシリコンウエハ7表面の水とIPAとの置換を
行うことができ、最適なシリコンウエハの蒸気乾燥がで
きるようになった。
【0111】実施例25.実施例25に係る蒸気乾燥方
法は、図30に示した従来の蒸気乾燥装置を用い、被洗
浄物としてのシリコンウエハ7及びこれを収納したウエ
ハカセット10の熱容量を蒸気乾燥装置のガイド容器6
内に形成される接触空間8内の溶媒蒸気4の潜熱より大
きくして蒸気乾燥する方法である。この実施例25の蒸
気乾燥方法では、シリコンウエハ7及びウエハカセット
10の熱容量を接触空間8内の溶媒蒸気4の潜熱より大
きくする方法として、ウエハカセット10にシリコンウ
エハ7の他にダミー製品を収納する方法を採用し、その
ダミー製品としてダミーウエハを用いた。なお、ウエハ
カセット10として、25枚のシリコンウエハ7を収納
可能なものを用いた。
【0112】図30に示した蒸気乾燥装置を用いてこの
実施例25の方法により水洗後の6インチのシリコンウ
エハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾燥槽1内にIPA
2を投入した後、凝縮コイル5に24℃の冷水を流すと
共にヒーター3に通電してIPA2を沸騰させ、これに
よって発生した溶媒蒸気4を蒸気乾燥槽1内に満たし
た。次に、ガイド容器6内の温度計13が83℃を示し
ていることを確認した後、図31に示したウエハカセッ
ト10に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚
セットすると共にダミーウエハを24枚セットし、これ
を搬送操作装置9によって3m/秒の速度で溶媒蒸気4
が充満したガイド容器6内の接触空間8へ挿入し、その
ままの状態で5分放置した。このとき、温度計13の指
示温度が83℃から53℃まで急激に下がった後、徐々
に83℃まで復帰した。次に、搬送操作装置9を用いて
0.05m/秒の速度でウエハカセット10を蒸気乾燥
槽1から引き出し、シリコンウエハ7の蒸気乾燥を終了
した。
【0113】実施例26.実施例26に係る蒸気乾燥方
法は、実施例25と同様に、シリコンウエハ7及びこれ
を収納するウエハカセット10の熱容量をガイド容器6
内に形成される接触空間8内の溶媒蒸気4の潜熱より大
きくして蒸気乾燥する方法である。そして、この実施例
26の蒸気乾燥方法では、シリコンウエハ7及びウエハ
カセット10での熱容量を接触空間8内の溶媒蒸気4の
潜熱より大きくする方法として、ウエハカセット10に
シリコンウエハ7の他にシリコンウエハ7より熱容量の
大きな吸熱性物品を収納する方法を採用し、その吸熱性
物品としてシリコンウエハ7と同形状に成形したステン
レス製の吸熱板を用いた。
【0114】図30に示した蒸気乾燥装置を用いてこの
実施例26の方法により水洗後の6インチのシリコンウ
エハ7を蒸気乾燥した。まず、蒸気乾燥槽1内にIPA
2を投入した後、凝縮コイル5に24℃の冷水を流すと
共にヒーター3に通電してIPA2を沸騰させ、これに
よって発生した溶媒蒸気4を蒸気乾燥槽1内に満たし
た。次に、ガイド容器6内の温度計13が83℃を示し
ていることを確認した後、図31に示したウエハカセッ
ト10に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚
セットすると共にステンレス製の吸熱板を24枚セット
し、これを搬送操作装置9によって3m/秒の速度で溶
媒蒸気4が充満したガイド容器6内の接触空間8へ挿入
し、そのままの状態で5分放置した。このとき、温度計
13の指示温度が83℃から35℃まで急激に下がった
後、徐々に83℃まで復帰した。次に、搬送操作装置9
を用いて0.05m/秒の速度でウエハカセット10を
蒸気乾燥槽1から引き出し、シリコンウエハ7の蒸気乾
燥を終了した。
【0115】実施例27.実施例27に係る蒸気乾燥方
法は、実施例25及び26と同様に、シリコンウエハ7
を収納するウエハカセットの熱容量をガイド容器6内に
形成される接触空間8内の溶媒蒸気4の潜熱より大きく
して蒸気乾燥する方法である。そして、この実施例27
の蒸気乾燥方法では、図29に示されるような熱容量の
大きなウエハカセット20を用いて蒸気乾燥を行なっ
た。
【0116】このウエハカセット20は、カセット本体
と、カセット本体の外側部に設けられた吸熱体24とを
備えている。カセット本体は、図31に示した従来のウ
エハカセット10と同様の構造を有している。すなわ
ち、カセット本体は、それぞれシリコンウエハ7をその
周縁部で支持する溝21Aを内側に有し且つ互いに対向
した一対の側面21と、これら両側面21を連結する連
結部22及び23とからなっている。このカセット本体
の両側面21の脚部外側部にそれぞれ吸熱体24が設け
られており、ウエハカセット20自体の熱容量が吸熱体
24によって大きくなるように構成されている。吸熱体
24は、溶媒蒸気4の潜熱を奪って溶媒蒸気4を結露さ
せ易い物質によって形成されたものであればよく、この
ような物質としては例えば石英ガラス、セラミックス等
が好ましく用いられる。この実施例では、吸熱体24と
して、重さが700gの石英ガラス製の吸熱体を用い
た。なお、ウエハカセット20のカセット本体は、図2
9に示す形態以外のものであってもよい。
【0117】図30に示した蒸気乾燥装置を用いてこの
実施例27の方法により水洗後の6インチシリコンウエ
ハを蒸気乾燥した。まず、蒸気乾燥槽1内にIPA2を
投入した後、凝縮コイル5に24℃の冷水を流すと共に
ヒーター3に通電してIPA2を沸騰させ、これによっ
て発生した溶媒蒸気4を蒸気乾燥槽1内に満たした。次
に、ガイド容器6内の温度計13が83℃を示している
ことを確認した後、図29に示したウエハカセット20
に封切り後の6インチのシリコンウエハ7を1枚セット
し、これを搬送操作装置9によって3m/秒の速度でI
PA蒸気4が充満したガイド容器6内の接触空間8へ挿
入し、そのままの状態で5分放置した。このとき、温度
計13の指示温度が83℃から53℃まで急激に下がっ
た後、徐々に83℃まで復帰した。次に、搬送操作装置
9を用いて0.05m/秒の速度でウエハカセット20
を蒸気乾燥槽1から引き出し、シリコンウエハ7の蒸気
乾燥を終了した。
【0118】次に、上記実施例25〜27に基づいて洗
浄していない6インチのシリコンウエハ7(信越シリコ
ン社製)をそれぞれ蒸気乾燥した場合の蒸気乾燥前後の
ゴミ(微粒子)の増減について具体的に試験を行った。
この際、表面検査装置IS−2000(日立電子エンジ
ニアリング株式会社製)によりシリコンウエハ7のウエ
ハ端から内側8mmの部分を除いた範囲について0.3
μm以上の微粒子数を測定し、その測定個数でゴミの増
減評価を行なった。
【0119】そこで、実施例25〜27に基づいて蒸気
乾燥されたシリコンウエハ7について表面検査装置IS
−2000を用いてウエハ端から内側8mmの部分を除
く範囲で測定された微粒子数の平均値A、及び除外範囲
のないシリコンウエハ7全面で測定された微粒子数の平
均値Bを表2に示す。比較のため、上記比較例1で蒸気
乾燥されたシリコンウエハ7について測定した測定結果
を併せて記載する。
【0120】 表2 微粒子数A 微粒子数B 実施例25 10 43 実施例26 1 19 実施例27 5 37 比較例1 188 356
【0121】表2から明らかなように、実施例25〜2
7の蒸気乾燥方法により蒸気乾燥したシリコンウエハ7
の方が、従来の蒸気乾燥方法により蒸気乾燥したシリコ
ンウエハ7よりも格段に微粒子が少ないことがわかる。
すなわち、上記の各実施例によれば、少ない枚数のシリ
コンウエハ7を乾燥処理する場合であってもシミを残す
ことなくシリコンウエハ7を乾燥することができる。
【0122】なお、本発明の蒸気乾燥方法は、被洗浄物
及びこれを収納した製品搬送用容器の熱容量を蒸気乾燥
槽の接触空間内の溶媒蒸気の潜熱より大きくして被洗浄
物を乾燥する方法であれば、上記各実施例に何等制限さ
れるものではない。また、本発明の蒸気乾燥装置の製品
搬送用容器は吸熱体を付加して熱容量を大きくしたもの
であれば、上記各実施例に何等制限されるものではな
い。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る蒸
気乾燥方法は、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させるための
接触空間内に存在する溶媒蒸気が保有する潜熱の量が被
洗浄物を溶媒蒸気の沸点温度にまで加熱できない量とな
るように、予め接触空間内に存在する溶媒蒸気の絶対量
を制限し、被洗浄物を接触空間内に送り込み、溶媒蒸気
を被洗浄物の上方から接触空間内に供給することにより
被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させて被洗浄物を加熱
し、被洗浄物を接触空間から引き出して被洗浄物の表面
に結露した溶媒を蒸発させるので、少ない枚数の被洗浄
物を処理する場合においても被洗浄物にシミを発生させ
ること無く被洗浄物表面を乾燥することができる。
【0124】
【0125】請求項に係る蒸気乾燥方法は、被洗浄物
及びこれを収納した製品搬送用容器の熱容量を被洗浄物
を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存在する溶
媒蒸気が保有する潜熱の量より大きくし、製品搬送用容
器に収納された被洗浄物を接触空間内に送り込むことに
より被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させて被洗浄物を
加熱し、被洗浄物を製品搬送用容器と共に接触空間から
引き出して被洗浄物の表面に結露した溶媒を蒸発させる
ので、少ない枚数の被洗浄物を処理する場合においても
被洗浄物にシミを発生させること無く被洗浄物表面を乾
燥することができる。
【0126】請求項に係る蒸気乾燥方法は、請求項
の方法において、製品搬送用容器に被洗浄物の他にダミ
ー製品を収納するので、容易に製品搬送用容器の熱容量
を大きくすることができ、被洗浄物にシミを発生させる
こと無く被洗浄物表面を乾燥することができる。
【0127】請求項に係る蒸気乾燥方法は、請求項
の方法において、製品搬送用容器に被洗浄物の他に被洗
浄物より熱容量の大きな吸熱性物品を収納するので、容
易に製品搬送用容器の熱容量を大きくすることができ、
被洗浄物にシミを発生させること無く被洗浄物表面を乾
燥することができる。
【0128】請求項に係る蒸気乾燥装置は、被洗浄物
を溶媒蒸気に接触させる接触空間内に存在する溶媒蒸気
が保有する潜熱の量が被洗浄物を溶媒蒸気の沸点温度に
まで加熱できない量となるように接触空間内の溶媒蒸気
の絶対量を制限する制限手段を設けたので、少ない枚数
の被洗浄物を処理する場合においても被洗浄物にシミを
発生させること無く被洗浄物表面を乾燥することができ
る。
【0129】請求項に係る蒸気乾燥装置は、請求項
の装置において、制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸気
に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間と
の間に設けられた仕切を設けたので、接触空間へ被洗浄
物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気の絶対量を制限
して、シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うことが
できる。
【0130】請求項に係る蒸気乾燥装置は、請求項
の装置において、制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸気
に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間と
の間に溶媒蒸気を冷却する第1冷却手段を設けたので、
接触空間へ被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸
気の絶対量を制限して、シミを発生させること無く蒸気
乾燥を行うことができる。
【0131】請求項に係る蒸気乾燥装置は、請求項
の装置において、制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸気
に接触させる接触空間内に、接触空間内の溶媒蒸気を接
触空間外に排気する第1排気手段を設けたので、接触空
間へ被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気の絶
対量を制限して、シミを発生させること無く蒸気乾燥を
行うことができる。
【0132】請求項に係る蒸気乾燥装置は、請求項
の装置において、制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸気
に接触させる接触空間の外部に、供給空間から接触空間
内へ供給される溶媒蒸気の一部を排気する第2排気手段
を設けたので、接触空間へ被洗浄物を挿入する前に接触
空間内の溶媒蒸気の絶対量を制限して、シミを発生させ
ること無く蒸気乾燥を行うことができる。
【0133】請求項10に係る蒸気乾燥装置は、被洗浄
物を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存在する
溶媒蒸気を除去するための除去手段を設けたので、少な
い枚数の被洗浄物を処理する場合においても被洗浄物に
シミを発生させること無く被洗浄物表面を乾燥すること
ができる。
【0134】請求項11に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた仕切と、接触空間内に設けられた
溶媒蒸気を冷却する第2冷却手段とを備えたので、接触
空間へ被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気を
除去して、シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うこ
とができる。
【0135】請求項12に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間内に設
けられた第2冷却手段とを備えたので、接触空間へ被洗
浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気を除去して、
シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うことができ
る。
【0136】請求項13に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた仕切と、接触空間内に設けられた
第1排気手段とを備えたので、接触空間へ被洗浄物を挿
入する前に接触空間内の溶媒蒸気を除去して、シミを発
生させること無く蒸気乾燥を行うことができる。
【0137】請求項14に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間内に設
けられた第1排気手段とを備えたので、接触空間へ被洗
浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気を除去して、
シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うことができ
る。
【0138】請求項15に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた手段と、接触空間の外部に設けら
れた第2排気手段とを備えたので、接触空間へ被洗浄物
を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気を除去して、シミ
を発生させること無く蒸気乾燥を行うことができる。
【0139】請求項16に係る蒸気乾燥装置は、請求項
10の装置において、除去手段として、被洗浄物を溶媒
蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間の外部
に設けられた第2排気手段とを備えたので、接触空間へ
被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気を除去し
て、シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うことがで
きる。
【0140】請求項17に係る蒸気乾燥装置は、請求項
の装置において、被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接
触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間とを区画すると共
に被洗浄物及び溶媒蒸気を接触空間内に導入するための
開口部を有するガイド容器を備えたので、少ない枚数の
被洗浄物を処理する場合においても被洗浄物にシミを発
生させること無く被洗浄物表面を乾燥することができ
る。
【0141】請求項18に係る蒸気乾燥装置は、請求項
17の装置において、一端部がガイド容器の開口部を囲
むようにガイド容器に接触すると共に他端部が溶媒蒸気
の充満する領域の外に位置する筒形状の仕切と、この仕
切を移動させてガイド容器の開口部からガイド容器内に
溶媒蒸気を導入させる第1移動手段とを備えたので、接
触空間へ被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気
の絶対量を制限して、シミを発生させること無く蒸気乾
燥を行うことができる。
【0142】請求項19に係る蒸気乾燥装置は、請求項
18の装置において、ガイド容器に仕切の一端部を支持
するストッパが設けられているので、ストッパにより仕
切を確実に支持することができる。
【0143】請求項20に係る蒸気乾燥装置は、請求項
17の装置において、ガイド容器の開口部が溶媒蒸気が
充満する領域内に位置する第1の位置と溶媒蒸気が充満
する領域外に位置する第2の位置との間でガイド容器を
移動させる第2移動手段を備えたので、接触空間へ被洗
浄物を挿入する前に接触空間内の溶媒蒸気の絶対量を制
限して、シミを発生させること無く蒸気乾燥を行うこと
ができる。
【0144】請求項21に係る蒸気乾燥装置は、請求項
20の装置において、ガイド容器内に被洗浄物を保持す
るための保持台を有するので、第2移動手段を用いてガ
イド容器を移動させることにより被洗浄物も同時に移動
し、被洗浄物を移動させる専用の移動手段が不要とな
る。
【0145】請求項22に係る蒸気乾燥装置は、請求項
17の装置において、溶媒蒸気がガイド容器内に挿入さ
れた被洗浄物の表面で結露することにより得られる結露
液を蒸気乾燥装置の外部に排出するためにガイド容器に
接続された排液管と、ガイド容器内の溶媒蒸気を排出す
るために排液管に接続された負圧ポンプとを備えたの
で、接触空間へ被洗浄物を挿入する前に接触空間内の溶
媒蒸気の絶対量を制限して、シミを発生させること無く
蒸気乾燥を行うことができる。
【0146】請求項23に係る蒸気乾燥装置は、請求項
17の装置において、ガイド容器外部の溶媒蒸気を供給
する供給空間に配置された蒸気検出用温度計を備えたの
で、接触空間への溶媒蒸気の供給が行われているか否か
を確認することができる。
【0147】請求項24に係る蒸気乾燥装置は、溶媒を
加熱して溶媒蒸気を形成するヒーターと、被洗浄物を溶
媒蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給
空間とを区画するガイド容器と、ガイド容器内の接触空
間に被洗浄物を挿入させるための搬送手段と、ガイド容
器外部の供給空間に配置された蒸気検出用温度計とを備
え、蒸気検出用温度計の指示温度に基づいてヒーターへ
の通電を制御することにより接触空間内の溶媒蒸気の絶
対量を制限するので、少ない枚数の被洗浄物を処理する
場合においても被洗浄物にシミを発生させること無く被
洗浄物表面を乾燥することができる。
【0148】請求項26に係る蒸気乾燥装置は、溶媒温
度測定用温度計を備えたので、溶媒の沸点を測定するこ
とにより溶媒中の水分濃度を検出することができる。
【0149】
【0150】
【0151】請求項25に係る蒸気乾燥装置は、蒸気温
度測定用温度計を備えたので、溶媒蒸気を供給する供給
空間における溶媒蒸気の温度を測定することにより溶媒
中の水分濃度を検出することができる。
【0152】請求項26に係る蒸気乾燥装置は、溶媒蒸
気を供給する供給空間の互いに異なる箇所に複数の蒸気
温度測定用温度計を配置したので、これら温度計の指示
温度の平均値から溶媒中の水分濃度を検出することがで
きる。
【0153】請求項27に係る蒸気乾燥装置は、水分濃
度検出手段で検出された溶媒中の水分濃度が0.8%を
越えると蒸気供給に供与される溶媒を新しい溶媒と交換
する交換手段を備えたので、少ない枚数の被洗浄物を処
理する場合においても被洗浄物にシミを発生させること
無く被洗浄物表面を乾燥することができる。
【0154】
【0155】
【0156】請求項28に係る蒸気乾燥装置は、製品搬
送用容器が被洗浄物を保持するための容器本体と、容器
本体に設けられると共にこの容器の熱容量を大きくする
ための吸熱体とを有するので、少ない枚数の被洗浄物を
処理する場合においても被洗浄物にシミを発生させるこ
と無く被洗浄物表面を乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図2】本発明の実施例2に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図3】本発明の実施例3に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図4】本発明の実施例4に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図5】本発明の実施例5に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図6】本発明の実施例6に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図7】本発明の実施例7に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図8】本発明の実施例8に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図9】本発明の実施例9に係る蒸気乾燥装置を示す概
略図である。
【図10】本発明の実施例10に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図11】本発明の実施例11に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図12】本発明の実施例12に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図13】本発明の実施例13に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図14】本発明の実施例14に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図15】本発明の実施例15に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図16】本発明の実施例16に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図17】本発明の実施例17に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図18】本発明の実施例18に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図19】実施例18における水分濃度計から得られた
水分濃度とこの条件下で蒸気乾燥されたシリコンウエハ
上の微粒子数との関係を示す図である。
【図20】本発明の実施例19に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図21】水分濃度と実施例19における溶媒温度測定
用温度計の指示温度との関係を示す図である。
【図22】本発明の実施例20に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図23】水分濃度と実施例20における蒸気温度測定
用温度計の指示温度との関係を示す図である。
【図24】本発明の実施例21に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図25】水分濃度と実施例21における複数の蒸気温
度測定用温度計の指示温度の平均値との関係を示す図で
ある。
【図26】本発明の実施例22に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図27】本発明の実施例23に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図28】本発明の実施例24に係る蒸気乾燥装置を示
す概略図である。
【図29】本発明の実施例27に係る蒸気乾燥方法で用
いられるウエハカセットを示す斜視図である。
【図30】従来の蒸気乾燥方法に用いられる従来の蒸気
乾燥装置の一例を示す概略図である。
【図31】従来の蒸気乾燥方法で用いられるウエハカセ
ットを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 蒸気乾燥槽 2 IPA(溶媒) 3 ヒータ 4 IPA蒸気(溶媒蒸気) 5 凝縮コイル 6 ガイド容器 7 シリコンウエハ(被洗浄物) 8 接触空間 14、39 仕切(仕切手段) 15 供給空間 16 外部冷却コイル(第1冷却手段) 17 内部排気ファン(第1排気手段) 18 外部排気ファン(第2排気手段) 19 内部冷却コイル(第2冷却手段) 20 ウエハカセット 24 吸熱体 37 アクチュエータ 38 支持棒 41 負圧ポンプ 42 カセット保持台 45 水分濃度計 46 溶媒温度測定用温度計 47 蒸気検出用温度計 48 蒸気温度測定用温度計 51、61、71、81 バルブ 52 溶媒供給配管 56 ストッパ 62 溶媒排出配管 72、93 溶媒帰還配管 73 結露溶液用受皿 75 結露溶液送り配管 82 廃棄配管 91 水分除去装置 92 水分排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 博司 伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機株式 会社 北伊丹製作所内 (72)発明者 古藤 悟 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−195128(JP,A) 特開 昭62−45127(JP,A) 特開 昭58−201(JP,A) 特開 平6−53203(JP,A) 特開 平2−62042(JP,A) 特開 昭63−142637(JP,A) 特開 平3−60124(JP,A) 特開 昭63−160232(JP,A) 実開 昭63−41759(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 651 F26B 3/00 F26B 21/14

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗浄
    物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の潜
    熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中から
    引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発させ
    て被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥方法において、 被洗浄物を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存
    在する溶媒蒸気が保有する潜熱の量が被洗浄物を溶媒蒸
    気の沸点温度にまで加熱できない量となるように、予め
    接触空間内に存在する溶媒蒸気の絶対量を制限し、 被洗浄物を接触空間内に送り込み、 溶媒蒸気を被洗浄物の上方から接触空間内に供給するこ
    とにより被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させて被洗浄
    物を加熱し、 被洗浄物を接触空間から引き出して被洗浄物の表面に結
    露した溶媒を蒸発させることを特徴とする蒸気乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗浄
    物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の潜
    熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中から
    引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発させ
    て被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥方法において、 被洗浄物及びこれを収納した製品搬送用容器の熱容量を
    被洗浄物を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存
    在する溶媒蒸気が保有する潜熱の量より大きくし、 製品搬送用容器に収納された被洗浄物を接触空間内に送
    り込むことにより被洗浄物の表面で溶媒蒸気を結露させ
    て被洗浄物を加熱し、 被洗浄物を製品搬送用容器と共に接触空間から引き出し
    て被洗浄物の表面に結露した溶媒を蒸発させることを特
    徴とする蒸気乾燥方法。
  3. 【請求項3】 製品搬送用容器に被洗浄物の他にダミー
    製品を収納することにより熱容量を大きくする請求項
    に記載の蒸気乾燥方法。
  4. 【請求項4】 製品搬送用容器に被洗浄物の他に被洗浄
    物より熱容量の大きな吸熱性物品を収納することにより
    熱容量を大きくする請求項に記載の蒸気乾燥方法。
  5. 【請求項5】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗浄
    物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の潜
    熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中から
    引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発させ
    て被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間内に存在する
    溶媒蒸気が保有する潜熱の量が被洗浄物を溶媒蒸気の沸
    点温度にまで加熱できない量となるように、接触空間内
    に存在する溶媒蒸気の絶対量を制限する制限手段を設け
    たことを特徴とする蒸気乾燥装置。
  6. 【請求項6】 上記制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸
    気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間
    との間に仕切を設けたことを特徴とする請求項に記載
    の蒸気乾燥装置。
  7. 【請求項7】 上記制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸
    気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空間
    との間に、溶媒蒸気を冷却する第1冷却手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項に記載の蒸気乾燥装置。
  8. 【請求項8】 上記制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸
    気に接触させる接触空間内に、接触空間内の溶媒蒸気を
    接触空間外に排気する第1排気手段を設けたことを特徴
    とする請求項に記載の蒸気乾燥装置。
  9. 【請求項9】 上記制限手段として、被洗浄物を溶媒蒸
    気に接触させる接触空間の外部に、供給空間から接触空
    間内へ供給される溶媒蒸気の一部を排気する第2排気手
    段を設けたことを特徴とする請求項に記載の蒸気乾燥
    装置。
  10. 【請求項10】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗
    浄物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の
    潜熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中か
    ら引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発さ
    せて被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 被洗浄物を溶媒蒸気に接触させるための接触空間内に存
    在する溶媒蒸気を除去するための除去手段を設けたこと
    を特徴とする蒸気乾燥装置。
  11. 【請求項11】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた仕切と、接触空間内に設けられた
    溶媒蒸気を冷却する第2冷却手段とを備えたことを特徴
    とする請求項10に記載の蒸気乾燥装置。
  12. 【請求項12】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間内に設
    けられた第2冷却手段とを備えたことを特徴とする請求
    10に記載の蒸気乾燥装置。
  13. 【請求項13】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた仕切と、接触空間内に設けられた
    第1排気手段とを備えたことを特徴とする請求項10
    記載の蒸気乾燥装置。
  14. 【請求項14】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間内に設
    けられた第1排気手段とを備えたことを特徴とする請求
    10に記載の蒸気乾燥装置。
  15. 【請求項15】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた仕切と、接触空間の外部に設けら
    れた第2排気手段とを備えたことを特徴とする請求項
    に記載の蒸気乾燥装置。
  16. 【請求項16】 上記除去手段として、被洗浄物を溶媒
    蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を供給する供給空
    間との間に設けられた第1冷却手段と、接触空間の外部
    に設けられた第2排気手段とを備えたことを特徴とする
    請求項10に記載の蒸気乾燥装置。
  17. 【請求項17】 被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触
    空間と溶媒蒸気を供給する供給空間とを区画すると共に
    被洗浄物及び溶媒蒸気を接触空間内に導入するための開
    口部を有するガイド容器を備えたことを特徴とする請求
    に記載の蒸気乾燥装置。
  18. 【請求項18】 一端部が上記ガイド容器の開口部を囲
    むように上記ガイド容器に接触すると共に他端部が溶媒
    蒸気の充満する領域の外に位置する筒形状の仕切と、こ
    の仕切を移動させて上記ガイド容器の開口部から上記ガ
    イド容器内に溶媒蒸気を導入させる第1移動手段とを備
    えたことを特徴とする請求項17に記載の蒸気乾燥装
    置。
  19. 【請求項19】 上記ガイド容器に、上記仕切の一端部
    を支持するストッパが設けられたことを特徴とする請求
    18に記載の蒸気乾燥装置。
  20. 【請求項20】 上記ガイド容器の開口部が溶媒蒸気が
    充満する領域内に位置する第1の位置と溶媒蒸気が充満
    する領域外に位置する第2の位置との間で上記ガイド容
    器を移動させる第2移動手段を備えたことを特徴とする
    請求項17に記載の蒸気乾燥装置。
  21. 【請求項21】 上記ガイド容器内に被洗浄物を保持す
    るための保持台を有することを特徴とする請求項20
    記載の蒸気乾燥装置。
  22. 【請求項22】 溶媒蒸気が上記ガイド容器内に挿入さ
    れた被洗浄物の表面で結露することにより得られる結露
    液を上記蒸気乾燥装置の外部に排出するために上記ガイ
    ド容器に接続された排液管と、上記ガイド容器内の溶媒
    蒸気を排出するために上記排液管に接続された負圧ポン
    プとを備えたことを特徴とする請求項17に記載の蒸気
    乾燥装置。
  23. 【請求項23】 上記ガイド容器外部の溶媒蒸気を供給
    する供給空間に配置された蒸気検出用温度計を備えたこ
    とを特徴とする請求項17に記載の蒸気乾燥装置。
  24. 【請求項24】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗
    浄物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の
    潜熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中か
    ら引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発さ
    せて被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 溶媒を加熱して溶媒蒸気を形成するヒーターと、 被洗浄物を溶媒蒸気に接触させる接触空間と溶媒蒸気を
    供給する供給空間とを区画するガイド容器と、 上記ガイド容器内の接触空間に被洗浄物を挿入させるた
    めの搬送手段と、 上記ガイド容器外部の上記供給空間に配置された蒸気検
    出用温度計とを備え、上記蒸気検出用温度計の指示温度
    に基づいて上記ヒーターへの通電を制御することにより
    接触空間内の溶媒蒸気の絶対量を制限することを特徴と
    する蒸気乾燥装置。
  25. 【請求項25】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗
    浄物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の
    潜熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中か
    ら引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発さ
    せて被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 溶媒蒸気を供給する供給空間における溶媒蒸気の温度を
    測定することにより溶媒中の水分濃度を検出する蒸気温
    度測定用温度計を備えたことを特徴とする蒸気乾燥装
    置。
  26. 【請求項26】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗
    浄物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の
    潜熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中か
    ら引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発さ
    せて被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 溶媒蒸気を供給する供給空間の互いに異なる箇所に複数
    の蒸気温度測定用温度計を配置し、これら温度計の指示
    温度の平均値から溶媒中の水分濃度を検出することを特
    徴とする蒸気乾燥装置。
  27. 【請求項27】 被洗浄物を溶媒蒸気と接触させて被洗
    浄物の表面に溶媒蒸気を結露させ、結露時の溶媒蒸気の
    潜熱で被洗浄物を加熱した後、被洗浄物を溶媒蒸気中か
    ら引き出すことにより被洗浄物に結露した溶媒を蒸発さ
    せて被洗浄物を乾燥させる蒸気乾燥装置において、 溶媒蒸気を供給するために用いられる溶媒に含まれる水
    分濃度を検出するための水分濃度検出手段と、 上記水分濃度検出手段で検出された溶媒中の水分濃度が
    0.8%を越えると蒸気供給に供与される溶媒を新しい
    溶媒と交換する交換手段とを備えたことを特徴とする蒸
    気乾燥装置。
  28. 【請求項28】 被洗浄物を蒸気乾燥する蒸気乾燥装置
    内に被洗浄物を挿入する際に用いられる製品搬送用容器
    を有する蒸気乾燥装置において、 上記製品搬送用容器が、被洗浄物を保持するための容器
    本体と、この容器本体に設けられると共にこの容器の熱
    容量を大きくするための吸熱体とを備えたことを特徴と
    する蒸気乾燥装置。
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