JP3910182B2 - 蒸気乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば洗浄後の半導体ウェーハ、液晶表示装置用の基板及び記録ディスク用の基板などの被乾燥物を乾燥させる蒸気乾燥装置に関する。
洗浄工程及び水洗い工程(以下リンス工程と呼ぶ)などの処理後の半導体ウェーハ(以下、単にウェーハと呼ぶ)などの被乾燥物を乾燥するための装置として、前記ウェーハの表面に付着した処理液としての純水を有機溶剤などと置換させ、その後、表面に付着した有機溶剤を蒸発させる蒸気乾燥装置が知られている。
蒸気乾燥装置は、装置の外郭を構成する装置本体と、ウェーハを把持するロボットアームと、液回収部などを備えている。前記装置本体は、有機溶剤を収容する乾燥槽などを備えている。有機溶剤の一例として、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol :以下IPAと呼ぶ)が用いられる。乾燥槽の底部に加熱装置が設けられている。加熱装置は、IPAを加熱して、このIPAを含んだ蒸気を発生させるようになっている。
すなわち、従来の乾燥装置は、図6に示すように、乾燥装置1の外郭を構成するステンレス製の装置本体2を有し、この装置本体2の内部には上部開口の乾燥槽3が設けられている。この乾燥槽3は、例えばIPA等の有機溶剤によって腐食されにくい材料(例えば石英など)によって形成されている。この乾燥槽3にはIPA等の有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段としてのIPA供給管4が接続されている。
乾燥槽3の底部にはヒータブロック5が設けられ、上部内周部には同じくIPAによって腐食されにくい材料(例えば石英ガラスなど)によって形成された冷却コイル6が設けられている。さらに、乾燥槽3の内部には被乾燥物としての半導体ウェーハ(以下ウェーハWと呼ぶ)が収容されるようになっており、そのウェーハWの下方には例えばIPA等の有機溶剤によって腐食されにくい材料(例えば石英など)によって形成された受け皿7が設けられている。
受け皿7は、逆テーパ形状をなし、加熱IPAを含むドレンを受けるようになっており、その下端排出口8にはIPAを含むドレンを装置本体2の外部に排出するドレン配管9の一端が接続されている。さらに、乾燥槽3の底部にはIPA等の有機溶剤を廃液する廃液管10が装置本体2の側壁を横方向に貫通して設けられている。
なお、乾燥槽3内は、約82℃の十分なIPA蒸気が生成されている状態で、図6において、11は蒸気、12は空気、13は蒸気境界面(気相界面)である。
ウェーハWは、乾燥槽3内に挿入される前に、洗浄工程において、処理液としてのフッ化水素や純水などの洗浄液によって洗浄されているとともに、この洗浄工程後のリンス工程において、処理液としての純水などのリンス液によって、水洗いされている。このため、乾燥槽3内に挿入される前のウェーハWは、その表面Waに純水などの処理液Wbが付着している。
純水などの処理液Wbが付着したウェーハWは、例えば50枚がウェーハボートに一定間隔を存して立位状態に保持されている。そして、ウェーハボートを、例えばロボットアームによって把持され、乾燥槽3内に挿入されることによって蒸気に晒される。この状態になるとウェーハWの表面において蒸気が凝縮し、ウェーハWの表面WaにIPAが付着する。
このため、ウェーハWの表面Waに付着していた純水などの処理液WbがIPAと置換する。置換した処理液WbはウェーハWの表面から流れ落ち、液回収部によって回収される。そしてウェーハWの表面WaのIPAが蒸発することにより、ウェーハWが短時間に乾燥する。また、ウェーハWの表面Waに付着していた異物であるパーティクルは、ウェーハWの表面Waから処理液Wbが流れ落ちる際に、この処理液Wbとともに流れ落ちるようになっている。
さらに、説明を加えると、乾燥槽3内は、約82℃の十分なIPA蒸気が生成されている状態で、洗浄の最終工程の温度の低い(20〜25℃)ウェーハWが乾燥槽3内に投入されると、ウェーハWの表面Waで瞬時に多量の蒸気の凝縮(液化)が起こり、蒸気の発生量が凝縮量に追いつかないため蒸気ゾーンが一時的に下降する(図7参照。)。
蒸気ゾーンが下降した状態から次々と発生するIPA蒸気により、ウェーハWが加熱され凝縮が少なくなって蒸気ゾーンが上昇し、ウェーハW全体が蒸気で覆われ、ウェーハWの全面に凝縮IPAが生じる。この時点では、ウェーハWの両面でIPAの凝縮が起こっている。この凝縮IPAは、ウェーハW自体の温度が蒸気温度に達するまで継続する。
以下、この凝縮工程を初期凝縮と呼ぶ。ウェーハWの面上の処理液Wbは、この凝縮IPAに溶解し、ウェーハWの面上を流下するドレンとして受け皿7を経てIPA廃液管10から除去される(図8参照。)。ウェーハW自体の温度が蒸気雰囲気温度に達した後も、ウェーハWの表面Waでは更に凝縮が継続するが、この場合の凝縮は前述のウェーハW自体の温度が低いことによって蒸気の熱を吸収し、ウェーハW自体の温度が蒸気温度にまで上がっていく状況とは異なる。
以下、この凝縮工程を熱平衡時の凝縮と呼ぶ。蒸気ゾーンにおいて、熱的に飽和したウェーハWの表面Waでの凝縮は次のように行われる。すなわち、ウェーハWは例えば50枚ずつウェーハボートに一定間隔を存して保持されている。そして、図9(a)(b)に示すように、ウェーハボートに保持されたウェーハWの内側(他のウェーハWに隣り合う面)をA側とし、外側をB側とすると、ウェーハWのB側表面で凝縮が起きると、その熱(蒸気の潜熱)はウェーハWに吸収されるが、この蒸気雰囲気内での熱的平衡を維持するため、その裏面であるA側表面からは同量の熱の放出が行われる。これはA側表面に凝縮しようとする(又は凝縮した)IPAに気化熱を与えることになり、結果としてA側表面では蒸気が凝縮出来ずに乾き状態になる。
このウェーハWの表面凝縮に関与している蒸気は、ウェーハWのA側もB側も同一状態で存在するため、どちらかの面が凝縮状態になると、その裏面が乾き状態となるという現象がどちら側へも移行しやすい非常に不安定な状態となっている。結果としてウェーハWの両面が交互に凝縮と乾燥を繰り返すことになる。
浸漬時間終了で、図10に示すように、ウェーハWを上昇させ、蒸気雰囲気外にウェーハWを移動して置換したIPAを自然蒸発(5分程度)させ乾燥工程は終了する。
しかしながら、ウェーハWを浸漬した瞬間、蒸気レベルの低下が生じ、ウェーハWの下部から次第に上方に凝縮が進み、蒸気レベルが復帰して、ウェーハWが再度蒸気雰囲気に包まれるまでに、相当の時間(例えば、8インチで50枚のウェーハWで8.4kWのヒータブロック5で加熱する場合、30秒位)が費やされる。また、IPA蒸気は温度の低い箇所で瞬時に凝縮するため、ウェーハWの周辺部から凝縮が始まり、ウェーハWの温度の上昇とともにウェーハWの面全体に凝縮が生じていく傾向にある。よって、ウェーハWの面内で不均一な凝縮が生じている。
また、IPA蒸気乾燥方式は、水洗後のウェーハW上の残留水滴、付着水を凝縮IPAによりほぼ完璧に置換を行うため、ウォータマークと呼ばれるしみや自然酸化膜の発生がしにくいのが特徴である。しかしながら、IPA蒸気乾燥方式でもフッ酸での洗浄処理後のようにウェーハWの表面が疎水性になっている時には、ウェーハWの表面が活性化する洗浄工程での乾燥ではウォータマークが発生する場合が多く、最も注意が必要である。また、前述の通り、洗浄装置の最終工程終了後のウェーハWを乾燥槽3内に投入すると、蒸気ゾーンが一時的に下降し、その結果、ウェーハWの全体に凝縮IPAが生じて水が除去されるまでの間、ウェーハWは空気中(酸素雰囲気)に露出されるため、自然酸化膜生成反応が進行していくからである。
また、IPA蒸気乾燥装置は、ウェーハボートに多数のウェーハWを実装した場合、両端のウェーハWにおいて、パターン面が乾燥槽3の壁面に向いているとウォータマークが発生し易い。例えば、8インチのウェーハW、50枚の処理の場合、ウェーハWが浸漬されると、ウェーハWの1枚目から50枚目間の蒸気濃度は薄くなるが、蒸気レベルは低下せず、ウェーハWの面上では瞬時にIPAの凝縮が生じる。これはウェーハWの相互間が6.35mmピッチと狭く、そして、早いスピードで乾燥槽3内に浸漬されるため、ウェーハW相互間の蒸気の逃げ(拡散)場所がなく、ウェーハW間に蒸気が滞留するからである。
しかしながら、乾燥槽3の壁面と1枚目のウェーハW及び50枚目のウェーハWの間隔は、一般的に60mm程度以上の隙間があるため、ウェーハWが乾燥槽3内に浸漬された瞬間、乾燥槽3の壁面とウェーハW間の蒸気レベルが低下するとともに蒸気が拡散され、1枚目のウェーハW〜50枚目間のウェーハWの面上のようには瞬時にIPAの凝縮が生じない。よって、1枚目のウェーハW及び50枚目のウェーハWのパターン面が乾燥槽3の壁面に向いていると、ウォータマークが発生する場合がある。
また、ウェーハWが乾燥槽3内に浸漬されると、ウェーハW(20〜25℃)とIPA蒸気(82℃)の温度差により、ウェーハWの面上にIPAが凝縮(初期凝縮)される。そして、ウェーハWが蒸気温度に達した時点で、ウェーハWと蒸気が熱平衡状態となり、ウェーハWの温度が蒸気温度より低い時の凝縮状況(初期凝縮)とは異なり、ウェーハWの両面(パターン面と裏面)が同時に凝縮することはなく交互に凝縮する。この凝縮がウェーハW面上にパーティクルが残留したまま、乾燥槽3内に浸漬された時、残留パーティクルの除去に多大に寄与する。
例えば、8インチのウェーハW、50枚の処理の場合、熱平衡状態の2枚目のウェーハW〜49枚目のウェーハWにおいては、パターン面と裏面が交互に凝縮し、残留パーティクルの問題はほとんど発生しないが、1枚目のウェーハWと50枚目のウェーハWの場合、乾燥槽3の壁面に向いている面上で凝縮が生じ、逆面では凝縮が生じない傾向にある。よって、パターン面が乾燥槽3の壁面と逆の場合、パターン面上で残留パーティクルの除去に寄与するIPAの凝縮が得られず、パターン面上にパーティクルが残留していた場合、パーティクルが残留したまま乾燥される時がある。
これは、一般的に乾燥槽3は冷却されたステンレス槽で覆われており、乾燥槽3内で乾燥槽3の壁面は、放熱板の役割を持っていることから、乾燥槽3の内部の熱は乾燥槽3の壁面を通じて装置本体2に放出される。また、乾燥槽3の内部ではその放出された熱を補うため、乾燥槽3の壁側へのIPA蒸気の流れが発生し、乾燥槽3の壁面と1枚目のウェーハW(50枚目のウェーハW)間のIPA蒸気温度と1枚目のウェーハW(50枚目のウェーハW)と2枚目のウェーハW(49枚目のウェーハW)間のIPA蒸気温度を比較した場合、乾燥槽3の壁面と1枚目のウェーハW(50枚目のウェーハW)間の温度の方が低く、乾燥槽3の壁面に向いている面上で凝縮が生じ、逆面では凝縮が生じない。
さらに、従来の受け皿7では、受け皿7の深さが低く、ヒータブロック5に近いため、IPA蒸気とIPAのミストや水滴などが混入した状態となっているため、IPA蒸気だけでなく、IPAのミストや水滴なども受け皿7に入り込んでしまう。これらがウェーハWの待機状態にドレン配管9から廃液として処理されるため待機状態においてのIPAの消費が多いという問題がある。
本発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ウェーハの表面にウォータマークの発生を抑制することができ、またウェーハのパターン面上にパーティクルが残留したまま、処理槽内に浸漬された時でも残留パーティクルが除去でき、さらに処理時間の短縮とIPA消費量の低減を図る蒸気乾燥装置を提供することにある。
この発明は、前記目的を達成するために、有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段及び有機溶剤を含んだ蒸気を発生する蒸気発生手段を備えた上部開口の蒸気発生槽13と、前記蒸気発生槽13の内部に設けられ洗浄された被乾燥物を収容する上部開口の処理槽17と、前記蒸気発生槽13と処理槽17との間に設けられ前記蒸気発生手段によって発生した有機溶剤を含んだ蒸気を前記処理槽17の上部からその内部に導く蒸気上昇通路21と、前記蒸気上昇通路21の上部に設けられ、該蒸気上昇通路21を上昇する有機溶剤を含んだ蒸気を液化する冷却手段22と、前記冷却手段22の内側に設けられ、前記処理槽17の上部の蒸気レベルの変動を抑制する抑制手段とを備え、前記処理槽17に収容される被乾燥物の設置位置を基準として前記処理槽17に被乾燥物を収容する前の該処理槽17の内部の温度勾配を上方域が高く、下方域を低くし、その温度勾配の高低差を1℃未満とし、前記処理槽17に被乾燥物を収容したとき、前記処理槽17の内部で、前記有機溶剤が、蒸気−過飽和蒸気−蒸気のサイクルを繰り返し、有機溶剤蒸気から過飽和蒸気を生成して前記被乾燥物の残留水分を除去することを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果が得られる。
a.ウェーハの表面にウォータマークの発生を抑制し、ウェーハボート等に多数枚のウェーハを保持し、その両端側のウェーハのパターン面が処理槽の壁面に向いている場合でもウォータマークの発生を抑制することができる。
b.ウェーハのパターン面上にパーティクルが残留したまま、処理槽内に浸漬された時でも残留パーティクルが除去できる。
c.ウェーハの温度上昇とともにウェーハの面全体で凝縮され、均一な凝縮が得られる。
d.ウェーハの全面で同時に凝縮が起こるため処理時間が短くなる。
e.待機時のIPA消費量が極めて少なくなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は蒸気乾燥装置の縦断正面図、図2は同じく縦断側面図、図3は処理槽の斜視図、図4は蒸気乾燥装置の縦断正面図である。
図1及び図2に示すように、蒸気乾燥装置11の外郭を構成するステンレス製の装置本体12の内部には上部開口の蒸気発生槽13が設けられている。この蒸気発生槽13は、例えばIPA等の有機溶剤によって腐食されにくい材料(例えば石英ガラスなど)によって形成されている。この蒸気発生槽13にはIPA等の有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段としてのIPA供給管14が接続されている。さらに、蒸気発生槽13の底部にはIPA等の有機溶剤を廃液する廃液管15が装置本体2の側壁を横方向に貫通して設けられている。
蒸気発生槽13の底部にはヒータブロック16が設けられている。蒸気発生槽13の内部には洗浄された被乾燥物としてのウェーハWが収容される上部開口の処理槽17が設けられている。
処理槽17は、図3にも示すように、IPA等の有機溶剤によって腐食されにくい材料(例えば石英ガラスなど)によって形成され、逆テーパ状の底部17aを有する胴部17bは例えば50枚のウェーハWを一定間隔を存して立位状態に保持するウェーハボート(図示しない)とともに収容できる大きさに形成されている。
処理槽17の底部17aは加熱IPAを含むドレンを受けるようになっており、その下端排出口18にはIPAを含むドレンを装置本体2の外部に排出するドレン配管19の一端が接続されている。さらに、胴部17bの左右両側面で、胴部17bの上縁部近傍には横長矩形状の開口部20が設けられている。
また、蒸気発生槽13の内周面と処理槽17の外周面との間にはIPAを含んだ蒸気を処理槽17の上部へ導く蒸気上昇通路21が設けられている。この蒸気上昇通路21の上方は処理槽17の開口部20を介して処理槽17の内部に連通しており、IPAを含んだ蒸気が処理槽17の内部に供給されるようになっている。
蒸気上昇通路21の上方で、かつ処理槽17の開口部20より上部には蒸気発生槽13の内周面に沿ってIPAを含んだ蒸気を液化する冷却手段としての石英製の冷却コイル22が設けられている。この冷却コイル22の下部には樋23が設けられ、この樋23によって冷却コイル22は蒸気上昇通路21と区画されている。従って、蒸気上昇通路21を上昇するIPAを含んだ蒸気の大部分は、温度の低い冷却コイル22の方向に導かれ、残りのIPAを含んだ蒸気が開口部20から処理槽17の内部に導かれるようになっている。
さらに、冷却コイル22の内側には処理槽17の上部の蒸気レベルLの変動を抑制する抑制手段として囲い壁部25が設けられ、この囲い壁部25は処理槽17の上縁部によって一体に構成されている。
前述のように構成された蒸気乾燥装置11によれば、IPA供給管14からIPAが蒸気発生槽13に供給されると、IPAはヒータブロック16によって加熱されて蒸気発生槽13内でIPA蒸気Vが発生する。
IPA蒸気Vは、蒸気上昇通路21を上昇し、そのIPA蒸気Vの大部分は、温度の低い冷却コイル22の方向に導かれ、残りのIPAを含んだ蒸気が開口部20から処理槽17の内部に導かれる。処理槽17内に供給されたIPA蒸気Vは、過飽和状態となって処理槽17の内部に貯蓄され、処理槽17内全体において上部から下部へと均一な流れとなる。
処理槽17の底部17aにたどりついたIPA過飽和蒸気Vaは、底部17aの温度で再加熱され、再びIPA蒸気Vとなって処理槽17内を上昇し、再度温度の低い箇所でIPA過飽和蒸気Vaとなって再び下部に流れ落ちる。すなわち、処理槽17内では、IPA過飽和蒸気Va→IPA蒸気V→IPA過飽和蒸気Vaのサイクルが発生する。
また、処理槽17の上部開口付近での大気放射によって冷却されたIPA蒸気Vが囲い壁部25の部分で乱れがない環境の中で全面的に凝縮核を多量に生成する。この凝縮核はIPA過飽和蒸気Vaを吸収して大きな粒となって液滴としてIPA蒸気V中を降下する。
この液滴は、蒸気中を通過することで加熱され、凝縮熱を出して表面の一部が蒸発して過飽和状態を作り出す。液滴は処理槽17の底面に接触すると加熱され再蒸発し周囲のエネルギーを取るため、その部分は温度が下がる。この液滴が蒸気レベルLの下部から常に供給されるので、処理槽17内は全面均一にIPA液滴が雨のように降下する。
この状態で、水洗終了後のウェーハW(ウェーハボートに所定間隔を存して立位状態に保持された50枚のウェーハW)を処理槽17の上部開口から処理槽17内に浸漬する。このとき、ウェーハWの面上には水滴27が付着した状態にあり、ウェーハWの温度は20〜25℃である。すると、処理槽17内のIPA過飽和蒸気Vaが瞬時に、50枚のウェーハW相互間の隙間に均一に供給され、ウェーハWの面上で初期凝縮(液化)が生じる。同時に、ウェーハWの面上に多量の凝縮IPA26が生じることにより、処理槽17内は減圧され、処理槽17の開口部20からIPA蒸気Vが連続で途絶えることなく、処理槽17内に流れ込む現象が起こる。
前述したように、処理槽17内でIPA蒸気Vは、IPA過飽和蒸気Vaとなり、ウェーハWの面がIPA過飽和蒸気雰囲気から露出されることなく、処理槽17の上部から下部に、つまりウェーハWの上部から下部に向かって50枚のウェーハW間の隙間に均一に供給される。ウェーハWの面上でIPAの凝縮が連続的に続き、凝縮IPA26と水滴27が混和し、IPA+水滴28となってウェーハWの下部から滴下する。そして、IPA+水滴28は処理槽17の底部17aに集溜してドレン配管19から装置本体12の外部へ排出される。
ここで、蒸気発生槽13内と処理槽17内の温度について述べると、蒸気発生槽13より処理槽17の方が低い。よって、ウェーハWが処理槽17内に浸漬している間、開口部20からIPA蒸気Vが連続で処理槽17に供給される。そして、処理槽17内でIPA過飽和蒸気Vaが連続で生成される。
従って、ウェーハWの面上の水滴27が完全にIPA蒸気Vで置換され、ウェーハWの温度がIPA過飽和蒸気Vaの温度と同じになった時点で、ウェーハWの面上でのIPAの凝縮は終了する。ただし、IPA過飽和蒸気Vaは、途絶えることなくウェーハWの上部から下部に向かって50枚のウェーハWの相互間の隙間に均一に供給される。
前述したように、処理槽17内で、IPA過飽和蒸気Va→IPA蒸気V→IPA過飽和蒸気Vaのサイクルが発生しているときの処理槽17内の温度は、図5のグラフに曲線(イ)で示すように、81〜82℃である。この状態で、水洗終了後のウェーハWを処理槽17の上部開口から処理槽17内に浸漬したときのウェーハWの上部、中心部及び下部の温度を測定したところ、ウェーハWの上部は曲線(ロ)、ウェーハWの中心部は曲線(ハ)、ウェーハWの下部は曲線(ニ)に示すようになる。すなわち、ウェーハWを処理槽17に浸漬した瞬間(約4秒後)には処理槽17内の温度が60℃前後まで降下するが、約30秒を浸漬した瞬間からウェーハWの下部の温度が上昇するとともに、ウェーハWの上部の温度も6秒後には上昇し、初期凝縮がウェーハWでも始まっている。そして、30秒後に、処理槽17内の温度が81〜82℃に回復し、これに伴ってウェーハWの温度が処理槽17内の温度に接近し、熱平衡凝縮が始まる。
また、処理槽17内に温度センサを配置し、処理槽17にウェーハWを投入する前の大気状態における縦方向の温度分布を見ると、表1及び図4に示す通りとなる。すなわち、処理槽17に収容されるウェーハWの中心位置Woを基準とすると、中心位置Woより上方域に4個の温度センサを配置(1,2,3,4)し、中心位置Woより下方域に3個の温度センサを配置(5,6,7)した温度分布は、中心位置Woより上方域が(1,2,3,4)が高く、中心位置Woより下方域(5,6,7)が低く、その温度差は1℃未満である。処理槽17の上方域より下方域の温度が僅かながら低いのは、ウェーハWの面上における水滴27が処理槽17の下方域で気化するため、気化熱によって熱が奪われ、処理槽17の下方域の温度が下がると考えられる。
Figure 0003910182
前述したように、蒸気発生槽13の内部に設置した処理槽17内の温度勾配を上方域が高く、下方域が低くなることによって、IPA過飽和蒸気VaがウェーハWの上部から下部に向かって連続的に流下する。従って、ウェーハWを浸漬した際、開口部20からIPA蒸気Vが連続で供給されるのと同時に、IPA過飽和蒸気Vaが生成し、IPA過飽和蒸気VaはIPA蒸気Vと違って温度の低い箇所での局部的な凝縮とはならず、ウェーハWの面の全体で凝縮が生じる。IPA過飽和蒸気VaがウェーハWの上部から下部に向かって連続的に流下するため、50枚のウェーハWの相互間の隙間に均一なIPA過飽和蒸気Vaの供給がなされ、ウェーハWを浸漬した瞬間から均一な凝縮が得られる。従って、平衡状態になるまでの時間を要しない。
さらに、蒸気発生槽13の内部に処理槽17を設けたことにより、IPA蒸気Vと水滴27の混合した廃液は、蒸気発生槽13に戻ることができず、全てドレン配管19から外部に排出され、ウェーハWの面には絶えず、新鮮なIPAだけが供給される。
蒸気発生槽13の内部に処理槽17を設けたことにより、ウェーハWが浸漬から搬出まで常にIPA過飽和蒸気Vaの雰囲気に浸っているため、ウォータマーク発生の抑制効果がある。また、IPA過飽和蒸気Vaの流下は処理槽17の壁面とウェーハWの間もウェーハWとウェーハW間の流下と同様になるため、両端のウェーハW(1枚目と50枚目)のパターン面が処理槽17の壁面に向いている場合でも(パターン面が壁面との向きに関わらず)、ウォータマーク発生の抑制効果がある。
1枚目と50枚目のウェーハWのパターン面が処理槽17の壁面と逆の場合、パターン面上で残留パーティクルの除去に寄与するIPAの凝縮が得られず、パターン面上にパーティクルが残留していた場合、これを除去しきれない傾向にある。しかし、処理槽17内では、IPA過飽和蒸気Vaが連続でウェーハWの上部から下部に向かって処理槽17の壁面と1枚目のウェーハWとの間及び50枚目のウェーハWとの間の隙間に均一に供給されている。よって、1枚目と50枚目のウェーハWのパターン面上にパーティクルが残留したまま、処理槽17内に浸漬された時でも、パターン面が壁面との向きに関わらず、残留パーティクルが除去される。
さらに、処理槽17は、底部17aとこの底部17aの開口縁から連続する胴部17bを有し、この胴部17bにIPA蒸気Vを連続で供給する開口部20を設けた構造である。従って、開口部20から供給されたIPA蒸気Vは、IPA過飽和蒸気Vaとなり、処理槽17の上部から下部へと流れ落ち、処理槽17内の下部の壁面で再度IPA蒸気Vとなって上昇する。このIPA蒸気V→IPA過飽和蒸気Va→IPA蒸気Vのサイクルが発生しているため、ドレン配管19からIPAの排出が抑制される。表2は、従来の受け皿とこの発明の処理槽17を使用し、1時間の待機時に、ドレン配管19から排出されたIPA量の比較データーである。
Figure 0003910182
なお、この発明の蒸気乾燥装置は、前述した実施形態に制約されるものではない。この発明は半導体ウェーハ以外の被乾燥物、例えば、液晶表示装置用のガラス基板や、光記録ディスクおよび磁気記録ディスク等の記録ディスク用基板などの各種基板を乾燥する用途にも適用できる。
この発明の第1の実施形態の蒸気乾燥装置の縦断正面図。 同実施形態の蒸気乾燥装置の縦断側面図。 同実施形態の処理槽の斜視図。 同実施形態の処理槽の温度分布を測定する温度センサの配置状態を示す説明図。 処理室及びウェーハの温度と時間との関係を示すグラフ。 従来の蒸気乾燥装置の縦断正面図。 従来の蒸気乾燥装置の縦断正面図。 従来の蒸気乾燥装置の縦断正面図。 (a)は従来の蒸気乾燥装置の縦断正面図、(b)はウェーハの側面図。 従来の蒸気乾燥装置の縦断正面図。
符号の説明
12…装置本体、13…蒸気発生槽、14…IPA供給管、16…ヒータブロック、17…処理槽、19…ドレン配管、20…開口部、21…蒸気上昇通路、22…冷却コイル、W…ウェーハ(被乾燥物)

Claims (1)

  1. 有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段及び有機溶剤を含んだ蒸気を発生する蒸気発生手段を備えた上部開口の蒸気発生槽と、
    前記蒸気発生槽の内部に設けられ洗浄された被乾燥物を収容する上部開口の処理槽と、
    前記蒸気発生槽と処理槽との間に設けられ前記蒸気発生手段によって発生した有機溶剤を含んだ蒸気を前記処理槽の上部からその内部に導く蒸気上昇通路と、
    前記蒸気上昇通路の上部に設けられ、該蒸気上昇通路を上昇する有機溶剤を含んだ蒸気を液化する冷却手段と、
    前記冷却手段の内側に設けられ、前記処理槽の上部の蒸気レベルの変動を抑制する抑制手段とを備え、
    前記処理槽に収容される被乾燥物の設置位置を基準として前記処理槽に被乾燥物を収容する前の該処理槽の内部の温度勾配を上方域が高く、下方域を低くし、その温度勾配の高低差を1℃未満とし、前記処理槽に被乾燥物を収容したとき、前記処理槽の内部で、前記有機溶剤が、蒸気−過飽和蒸気−蒸気のサイクルを繰り返し、有機溶剤蒸気から過飽和蒸気を生成して前記被乾燥物の残留水分を除去することを特徴とする蒸気乾燥装置。
JP2004075144A 2004-03-16 2004-03-16 蒸気乾燥装置 Expired - Lifetime JP3910182B2 (ja)

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