JP2009242267A - Ppar活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、新規PPAR活性化剤を提供することを課題とする。
【解決手段】ブドウ果汁またはワイン製造残渣を発酵させて得られる発酵物を有効成分として含有することを特徴とするPPAR活性化剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブドウ果汁またはワイン製造残渣を原料として利用したPPAR(Peroxisome Proliferator Activated Receptor;ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)活性化剤に関する。
PPARは核内受容体ファミリーに属するサブファミリーであり、PPARα、β/δおよびγの3種類のサブタイプで構成されている。また、PPARγについてはスプライシングの相違によりγ1およびγ2という2種のアイソフォームが存在する。各サブタイプの生理的機能は近年詳細に検討され、未解明の部分はあるものの、その概要が明らかにされている(非特許文献1、2参照)。
各サブタイプの遺伝子発現の組織特異性については、PPARαは代謝の活発な組織、即ち肝臓、心臓、腎臓、筋肉で高発現をしており、PPARβ/δは組織普遍的に発現がみられる。これに対し、PPARγはアイソフォームにより発現が異なり、γ1は心臓、筋肉、結腸、腎臓、膵臓、脾臓を含む多くの組織、γ2はγ1よりも30アミノ残基だけ長く、主に脂肪組織、γ3はマクロファージ,大腸,白色脂肪組織で発現している。
各サブタイプの機能は重複する部分はあるが、各々固有の機能も有することが判明している。
PPARαは脂質代謝の調節に関与し、血中トリグリセリド・LDLコレステロールの低減、血中HDLコレステロールの向上作用を有する。また、動脈硬化巣の形成に関るNF−κB、AP1の活性発現抑制作用を有する。従って、PPARα活性化剤は高脂血症・動脈硬化に対する予防・治療効果を有する。PPARδの生理的機能については、未だ不明の部分が多いが、脂質代謝の活性化に基づく血中脂質低減作用、排卵誘発並びに肥満阻止作用が推測されている。
PPARγに関しては小型脂肪細胞の分化誘導を行い、脂肪細胞のインスリン感受性を維持し、脂肪分解を抑制し、血中への遊離脂肪酸の分泌を低減することで、遊離脂肪酸に基づく末梢組織でのインスリン抵抗性を抑制する。また、脂肪細胞並びに筋肉、肝臓などの末梢組織においてグルコースの取込み、代謝を促進する。また、エネルギー消費に関るUCP2の脂肪細胞における発現を亢進する。従い、PPARγ活性化剤は糖尿病並びに肥満に対する予防・治療効果を有する。
また、PPARγは脂質代謝に関与し、その活性化剤は血中トリクリセリドおよび遊離脂肪酸の低減作用を発現することで、高脂血症の予防・治療効果を有する。更に、PPARγは血圧維持に関与するエンドセリン、PAI−1などの因子の産生に関ることで、その活性化剤は高血圧症に対する予防・治療効果を有すること、炎症に関るTNFαの脂肪細胞におけるPPARγによる産生阻害、マクロファージにおけるPPARγのNF−κBを介したアポトーシス誘導への関与、MMP−9の活性阻止、NO産生抑制などに関与することで、その活性化剤は炎症性腸疾患などの炎症に対する予防・治療効果を有することが期待されている。
また最近、PPARγがアミロイドβの代謝に関与することが報告され、その活性化剤がアルツハイマー病の予防・治療効果を有する可能性も示唆されている(非特許文献1、2参照)。
PPAR活性化剤、特にPPARγ活性化剤は、糖尿病などの重要な各種疾患に対して予防・治療効果が期待されることを受けて、多くの合成医薬品が開発され、ピオグリタゾンなど既に製品として臨床応用されるようになっている。
また、顕著な活性を有さずとも、副作用の回避が期待され、長期の摂取が可能であることが期待されるPPAR活性作用を有する食品由来の天然物が探索され、次のような化合物が発見されている。
多価不飽和脂肪酸である、エイコサペンタエン酸、脂肪酸の代謝物である9−HODE、13−HODE(非特許文献3、4参照)、ブドウ由来成分であるレスベラトロール(非特許文献5参照)、ヨモギ由来成分であるカフェ酸、クロロゲン酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸およびクロロゲニン酸メチル(特許文献1参照)、ウコン由来成分であるクルクミン(特許文献2参照)などが報告されている。
一方、脂質代謝に関して効果が期待される食品のうち、ワインが特に注目されている。ワインに含有されるポリフェノール成分が健康に良いという情報はテレビ、新聞を中心とするメディアに取り上げられ、消費者にも着実に浸透し、「喫煙率や脂肪の摂取量も高いフランス人が、動脈硬化性疾患による死亡率が低く、長生きできるのは何故かという疑問に対して、ワインを良く飲むためだと報告された」ことが話題(『フレンチ・パラドックス』)となり、ワインブームの端緒となった。それ以降、ぶどうに含まれる様々な成分と、それらが体にもたらす効果が研究されてきた。
しかしながら、ブドウ自体や果汁の活用状況と比較して、ブドウ果汁またはワイン製造後のブドウ搾りかす、オリ液、オリ搾りかすなどの残渣を活用した取り組みの規模は小さく、一部が肥料や健康食品サプリメントの原料として利用されているものの、殆どが未利用であるのが現状である。
特開2003−34636号公報 特開2003−128539号公報 d.Abramo C et al.,Biochem J.,2005年,391巻,p693−698 Sastre M et al.,Proc Natl Acad Sci USA.,2005年,103巻,p443−448 Willson−TM et al.,J.Med.Chem.,2000年,43巻,p527−550 Lehrke−M & Lazar−MA,Cell,2005年,123巻,p993−999 井上裕康、ビタミン、2004年、78巻、p621−623
この様に、ブドウ果汁またはワイン製造残渣の多くが未活用であり、経済的な損失となっている。従って、ぶどう果樹生産振興とタイアップした植物性資源(ブドウ果汁またはワイン製造過程で排出されるぶどうの搾りかす、種、オリなど)の持続的な活用は農業の発展にも大きく貢献することになる。
また、上記より、PPAR活性化剤はPPARが関与する病態や疾患、例えば、インスリン抵抗性を改善し、糖尿病をはじめ、高インスリン血症、脂質代謝異常、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧病、動脈硬化病などを予防または改善できるので、メタボリックシンドロームを予防または改善し得る。さらにPPARが関与するアルツハイマー病または炎症性疾患を予防または改善する効果を有する。
本発明は、新規PPAR活性化剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々の食品からPPAR活性について鋭意探索した結果、ブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物に高いPPARアゴニスト活性があることを見出し、さらに研究をすすめ本発明を完成させた。
本発明は、ブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物を含有するPPAR活性化剤に関する。
また本発明は、上記のPPAR活性化能を有するブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物を含むインスリン抵抗性、高脂血症、糖尿病、肥満などのメタボリックシンドロームおよびアルツハイマー病や炎症性疾患などの予防および/または改善用組成物に関する。本発明は、より具体的には、
〔1〕ブドウ果汁またはワイン製造残渣を発酵させて得られる発酵物を有効成分として含有することを特徴とするPPAR活性化剤、
〔2〕発酵が酢酸発酵である上記〔1〕記載の活性化剤、
〔3〕発酵が乳酸発酵である上記〔1〕記載の活性化剤、
〔4〕メタボリックシンドロームの予防または改善用である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の活性化剤、
〔5〕インスリン抵抗性症候群、高脂血症もしくは糖尿病の予防または改善用である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の活性化剤、
〔6〕アルツハイマー症の予防または改善用である請求項1〜3のいずれかに記載の活性化剤、
〔7〕炎症性疾患の予防または改善用である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の活性化剤、
〔8〕飲食用であることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の活性化剤、および
〔9〕非ヒト動物用であることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の活性化剤、
を提供するものである。
さらに本発明は、以下に関する。
〔10〕PPAR活性化剤または、メタボリックシンドロームもしくはアルツハイマー病あるいは炎症性疾患の予防または改善用組成物を製造するためのブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物の使用、および
〔11〕ブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物を含むPPAR活性化剤を、個体(患者など)へ投与する工程を含むことを特徴とするメタボリックシンドローム、アルツハイマー病または炎症性疾患の予防または改善方法。
本発明に係るPPAR活性化剤は、PPAR活性化作用を有するので、メタボリックシンドロームやアルツハイマー症、あるいは炎症性疾患を予防または改善し得る。また、本発明に係るPPAR活性化剤は、メタボリックシンドロームに係わる例えば、糖尿病(特にインスリン非依存性糖尿病またはII型糖尿病)をはじめ、高インスリン血病、脂質代謝異常疾患、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧症、動脈硬化病などの症状、病態または疾患などを予防または改善し得る。
加えて、従来産業廃棄物として廃棄されていたブドウ果汁またはワイン製造残渣の有効な利用範囲が広がれば、農産業の振興に役立ち、地域経済の活性化に資する事ができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明によって、ブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物がPPARアゴニストであることが見出された。本発明は、ブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物を含有するPPAR活性化剤を提供する。
本発明に係るPPAR活性化剤は、PPARアゴニスト活性を有し、PPARを介して、肝臓・脂肪細胞・骨格筋などの組織において脂質および糖代謝を調節することで、肥満、インスリン抵抗性症候群、高脂血症および糖尿病などに係わるメタボリックシンドロームの予防および/または改善に用いることができる。さらに本発明に係るPPAR活性化剤は、アルツハイマー症や炎症性疾患の予防または改善に用いることもできる。
PPAR活性化作用は、例えば、PPARリガンド結合領域とGAL4との融合タンパクに対する結合をルシフェラーゼの発現で評価するレポーター・アッセイ(Cell,1995年,83巻,803〜812頁)や、PPARリガンド結合領域を含むタンパクを用いたコンペティション・バインディング・アッセイ(Cell,1995年,83巻,813〜819頁)などにより測定することができる。
本発明に係るPPAR活性化剤は、PPARα、γ、δの内、少なくとも1種以上のPPARに対し、活性化作用を有していればよいが、とりわけPPARγおよび/またはδに対して活性化作用を有する。
本発明の係るPPAR活性化剤は、肥満、インスリン抵抗性症候群、高脂血症および糖尿病などに係わるメタボリックシンドロームの予防または改善に有用であるが、インスリン抵抗性症候群、高脂血症および糖尿病などを予防または改善することも可能である。
インスリン抵抗性症候群としては、組織や細胞などでのインスリンの働きが低下したために生じる症状、疾患または病態などが挙げられる。インスリン抵抗性症候群には、例えば、糖尿病、肥満、高インスリン血病、脂質代謝異常疾患、高血圧症、動脈硬化病などが含まれる。糖尿病としては、例えば、インスリン抵抗性糖尿病またはII型糖尿病などが好ましく挙げられる。また、糖尿病には、耐糖能異常も含まれる。肥満としては、例えば内臓脂肪型肥満や皮下脂肪型肥満などが挙げられるが、好ましくは内臓脂肪型肥満である。脂質代謝異常疾患としては、例えば、高脂血病、高コレステロール血病、高LDLコレステロール血病、低LDLコレステロール血病、高トリグリセリド血病などが挙げられる。
本発明のPPAR活性化剤は、PPAR活性が抑制または低下などしたために生じる炎症性の症状、疾患または病態などの予防または改善に有用である。炎症性の疾患としては、具体的には、例えば炎症性腸疾患などが好ましく挙げられる。
ブドウ果汁またはワイン製造残渣は、ブドウ果汁またはワイン製造時に排出される残渣であれば特に限定されない。残渣としては、例えば、ブドウを圧搾して果汁を搾り出した(搾汁)後のブドウ搾りかす、ワイン醸造後の沈殿部分であるオリ液、オリ液を圧搾したオリ搾りかすなどが挙げられる。原料となるブドウ品種は、特に限定されないが、ワインに使用されるブドウ品種が好ましい。好ましいブドウ品種としては、例えば、キャンベル、ツヴァイゲルト・レーベ、ナイヤガラ、ケルナー、ミュラー・トゥルガウなどが挙げられる。本発明においては、それらの残渣は、単独で用いることもできるし、あるいは、2種以上を組み合わせて同時に用いることもできる。
発酵物は、残渣をそのまま、または残渣に加水し、それに菌(好ましくは、発酵菌)を添加して、約20〜45℃、好ましくは約25〜40℃の温度下で、約3〜72時間発酵させることにより得ることができる。発酵としては、例えば、酵母菌を添加するアルコール発酵、乳酸菌を添加する乳酸発酵、酢酸菌を添加する酢酸発酵、酪酸菌を添加する酪酸発酵などが挙げられる。好ましくは乳酸発酵、酢酸発酵が望ましい。発酵に先立ち、残渣は殺菌されるのが好ましい。殺菌方法としては、医薬または食品分野で使用される方法が好ましく、例えば加熱殺菌などが好ましく挙げられる。残渣は、ミルまたはマスコロイダーなどの粉砕機で粉砕または磨砕されるのが好ましい。加水は、残渣1質量部に対して、水(例えば、水道水、精製水、蒸留水、ミネラルウォーターなど)約1〜20質量部程度が好ましい。水は、粉砕または磨砕の前または後に加えてもよく、あるいは粉砕または磨砕の前および後に加えてもよい。また残渣は乾燥されたのち上記粉砕機で粉砕されてもよい。発酵溶液は、通常pH約3〜7、好ましくは約4.5〜7に調整されるのが望ましい。また、発酵溶液には、発酵を促進させるために、例えば、ブドウ糖などの発酵促進剤の添加を行っても良い。
乳酸発酵のための菌種としては、例えば、Lactobacillus plantarum(HOKKAIDO)、Lactobacillus curvatus、LactoBacillus brevis、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticusなどのラクトバシラス(Lactobacillus)属;Lactococcus gravieaeなどのラクトコッカス(Lactococcus)属;Pediococcus pentosaceusなどのペディオコッカス(Pediococcus)属;Leuconostoc mesenteroidesなどのリューコノストック(Leuconostoc)属;Oenoccoccus oeniなどのオエノコッカス(Oenoccoccus)属;または、Weissella kimchiiなどのワイセラ(Weissella)属などが挙げられる。また、酢酸発酵のための菌種としては、Acetobacter aceti、Acetobacter pasteuranumなどのアセトバクター(Acetobacter)属などが挙げられる。
菌の添加量は、菌の種類によっても異なるが、培養開始時の菌数が、約1.0×105〜1.0×107cfu/mL程度が好ましく、とりわけ約1.0×106〜1.0×107cfu/mL程度が好ましい。
また本発明係るPPAR活性化剤は、生理学的に許容される添加物とともにメタボリックシンドローム、アルツハイマー病、または炎症性疾患の予防もしくは改善用組成物とすることができる。かかる組成物は、例えば、飲食用もしくは動物用が含まれる。該組成物は、「予防剤」、「改善剤」、「飲食用組成物」、「飲料」、「食品」または「飼料」などと表記することもできる。
なお、本発明における「予防」または「改善」には、完全な予防効果または改善効果を有する場合に限定されず、部分的な効果を有する場合であってもよい。
本発明に係るPPAR活性化剤または上記組成物は、生理学的に許容される添加物、例えば、担体、賦形剤、あるいは希釈剤などと混合し、組成物として経口、あるいは非経口的に投与することができる。経口用組成物としては、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、溶剤、乳剤、あるいは懸濁剤などの剤型とすることができる。非経口用組成物としては、外用薬剤などの剤型を選択することができる。外用薬剤としては、経鼻投与剤、あるいは軟膏剤、液剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パップ剤などを挙げることができる。本発明に係るPPAR活性化剤または上記組成物は、主成分であるブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物を含むように、上記の剤型とすることができる。上記剤型は、公知の製剤技術を使用し、製造できる。
例えば、経口投与用の錠剤は、賦形剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤などを加えて混合し、圧縮整形することにより製造することができる。賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、あるいはマンニトールなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、炭酸カルシウムやカルボキシメチルセルロースカルシウムなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、あるいはポリビニルピロリドンが挙げられる。滑沢剤としては、タルクやステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
錠剤は、マスキングや、腸溶性製剤とするために、白糖などによる糖衣や公知のコーティングを施すことができる。コーティング剤には、例えば、エチルセルロースやポリオキシエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートなどを用いることができる。
本発明に係るPPAR活性化剤の投与量は、投与方法、病状、患者の年齢などによって変化し得るが、大人では、通常、固形分換算して1日当たり約0.1〜2000mg、好ましくは約1〜200mg程度である。
また、本発明に係るPPAR活性化剤は、種々の形態の飲料、スナック類、乳製品、調味料、でんぷん加工製品、加工肉製品などあらゆる飲食品に適宜配合することができる。
飲食品としては、例えば、飲料が好ましく挙げられる。飲料としては、茶系飲料、清涼飲料、果実飲料、野菜飲料、発泡性飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、またはアルコール性飲料などを挙げることができる。また、飲食品としては、液状、固形状、粉末状の嗜好飲料類、調味料および香辛料類、もしくは調理加工食品、および、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品などを挙げることができる。本発明に係るPPAR活性化剤を含む飲食品は、上述の各種疾患、症状または病態を予防または改善し得る。
飲食品には、その種類に応じて種々の添加物を配合することができる。添加物としては、食品衛生上許容される成分であれば特に制限されず、例えば、ブドウ糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、カロチン、カロチノイド、リコピン、カテキン、イソフラボン、フラボノイド類、ポリフェノール、コウジ酸、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、アルブミン、イコサペント酸(EPA)、イヌリン、オリゴ糖、オルニチン、果糖、L−カルニチン、還元麦芽糖、乳酸オリゴマー、γ−アミノ酪酸、絹タンパク、グルコマンナン、クレアチン、ゲルマニウム、コエンザイムQ10、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、植物繊維、食物繊維、ゼラチン、チオクト酸、デキストリン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、乳清、乳糖、ホスファチジルセリン、リノール酸、リノレン酸などの食品添加物、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウムなどが挙げられる。
本発明に係る活性化剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、飲食品に対して、固形分換算して約0.1〜100質量%であるのが好ましい。
また本発明は、本発明に係るPPAR活性化剤もしくは上記組成物を個体(例えば、患者など)へ投与する工程を含む、上述の各種疾患の予防または改善方法を提供する。
本発明の予防または改善方法の対象となる個体は、上述の各種疾患を発症し得る生物であれば特に制限されないが、好ましくはヒトである。
さらに本発明は、本発明に係るPPAR活性化剤もしくは上記組成物の製造のためのブドウ果汁またはワイン製造残渣の発酵物の使用を包含する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
キャンベル種由来のワイン製造残渣(ブドウ搾りかす)に2倍量の加水を行い、ミル(セレンディピターMKCA6−3;増幸産業株式会社製)で粉砕した。粉砕物に更に2倍量の加水および6%となるようにブドウ糖を添加し、次いでLactobacillus plantarum(HOKKAIDO)を1.0×107cfu/mLとなるよう添加し、35℃にて48時間乳酸発酵を行った。
〔実施例2〕
PPAR活性化試験:PPAR活性はPPAR依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)を指標に検討した。すなわち、サル由来CV−1細胞株を2×10/well となるよう6well plateに播種し、DMEM[Doulbecco’s modified Eagle’s Medium;10%FBS(Fetal Bovine Serum)]中で1日培養した。Gal4のDNA結合ドメイン(Gal4−DBD)およびPPARδのリガンド結合ドメイン(PPARδ−LBD)のキメラタンパク発現プラスミド(pGal4DBD/PPARδLBD)、Gal4応答配列(配列番号:CGGAGGACAGTACTCCG)およびホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミド(pGal4−Luc)、およびウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子の上流にCMV(cytomegarovirus)プロモーターを連結した内部標準プラスミド(pGL4.75hRluc−CMV;Promega社製)を同時に各々1μg、0.9μg、0.1μg/wellとなるようトランスフェクション試薬(FuGENE HD;Roche社製)と共に加え、前記培養した細胞にプラスミドを導入した。この操作をPPARγに対応するプラスミド(pGal4DBD/PPARγLBD)を用いて同様に行った。その後形質転換細胞をトリプシンによりはがし、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)にて洗浄後、96well plateに再度播種した。この際、培養液を被験物質を含むDMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。PBSにて細胞を洗浄後、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega社製)を用いてホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。すなわち細胞溶解液で細胞を溶解し、ルシフェリンを含む基質溶液を加え、プレートリーダー(ARVO MX,Perkin Elmer社製)にてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発光量を各々測定した。なお、PPAR依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)は以下のように定義した。
PPAR依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)=(Gal4−Lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(hRluc−CMVによるウミシイタケルシフェラーゼ活性)
上記に示すPPAR活性化試験を用い、実施例1の乳酸発酵液上澄のルシフェラーゼ活性を測定した。乳酸発酵液上澄は精製水にて溶解希釈したものを最終濃度20%(v/v)となるよう培地に添加した。コントロール(ネガティブコントロール)として精製水を添加した群を、またPPARδ、PPARγの陽性対照(ポジティブコントロール)として各々GW501516(1μM,Alexis Biochemicals社製)、Pioglitazone(10μM,Alexis Biochemicals社製)をDMSO終濃度0.5%(v/v)となるよう添加した群をそれぞれ作成した。
評価の結果、表1に示すように、ワイン製造残渣由来の乳酸発酵液はルシフェラーゼ活性を示した。なお、各ルシフェラーゼ活性値は、コントロール(精製水)におけるルシフェラーゼ活性を1.0とし、それに対する相対値で示す。


Figure 2009242267
以上説明したように、本発明に係るPPAR活性化剤は、PPAR活性作用を有するので、メタボリックシンドロームやアルツハイマー症あるいは炎症性疾患を予防または改善し得る。また、本発明に係るPPAR活性化剤は、メタボリックシンドロームに係わるインスリン抵抗性症候群をはじめ、例えば、糖尿病(特にインスリン非依存性糖尿病またはII型糖尿病)、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧症、動脈硬化症などの症状、病態または疾患、内臓脂肪型肥満に高血糖(糖尿病)、高血圧、高脂血病などを予防または改善し得る。

Claims (9)

  1. ブドウ果汁またはワイン製造残渣を発酵させて得られる発酵物を有効成分として含有することを特徴とするPPAR活性化剤。
  2. 発酵が酢酸発酵である請求項1記載の活性化剤。
  3. 発酵が乳酸発酵である請求項1記載の活性化剤。
  4. メタボリックシンドロームの予防または改善用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性化剤。
  5. インスリン抵抗性症候群、高脂血症もしくは糖尿病の予防または改善用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性化剤。
  6. アルツハイマー症の予防または改善用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性化剤。
  7. 炎症性疾患の予防または改善用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性化剤。
  8. 飲食用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性化剤。
  9. 非ヒト動物用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性化剤。
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