JP5798281B2 - PPARγ活性化剤 - Google Patents

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本発明は、PPAR(Peroxisome Proliferator Activated Receptor、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)γアゴニスト、及びPPARγアゴニストを有効成分として含有することを特徴とするインスリン抵抗性症候群(糖尿病、高インスリン血症、脂質代謝異常、肥満、高血圧、動脈硬化性疾患)の予防・改善用組成物に関する。
PPARは核内受容体ファミリーに属するサブファミリーであり、PPARα、β/δ及びγの3種類のサブタイプで構成されている。また、PPARγについてはスプライシングの相違によりγ1及びγ2という2種のアイソフォームが存在する。各サブタイプの生理的機能は近年詳細に検討され、未解明の部分はあるものの、その概要が明らかにされている(非特許文献1、2参照)。
各サブタイプの遺伝子発現の組織特異性については、PPARαは代謝の活発な組織、即ち肝臓、心臓、腎臓、筋肉で高発現をしており、PPARβ/δは組織普遍的に発現がみられるが、これに対し、PPARγはアイソフォームにより発現が異なり、γ1は脂肪細胞、マクロファージの他に、心臓、腎臓、結腸、筋肉等の組織で発現しているものの、γ2の発現は脂肪細胞に限定されている。
各サブタイプの機能は重複する部分はあるが、各々固有の機能も有することが判明している。
PPARαは脂質代謝の調節に関与し、血中トリグリセリド・LDLコレステロールの低減、血中HDLコレステロールの向上作用を有する。また、動脈硬化巣の形成に関るNF-κB、AP1の活性発現抑制作用を有する。従い、PPARα活性化剤は高脂血症・動脈硬化に対する予防・治療効果を有する。PPARδの生理的機能については、未だ不明の部分が多いが、脂質代謝の活性化に基づく血中脂質低減作用、排卵誘発並びに肥満阻止作用が推測されている。
一方、PPARγに関しては小型脂肪細胞の分化誘導を行い、脂肪細胞のインスリン感受性を維持し、脂肪分解を抑制し、血中への遊離脂肪酸の分泌を低減することで、遊離脂肪酸に基づく末梢組織でのインスリン抵抗性を抑制する。また、脂肪細胞並びに筋肉、肝臓等の末梢組織においてグルコースの取込み、代謝を促進する。また、エネルギー消費に関るUCP2の脂肪細胞における発現を亢進する。従い、PPARγ活性化剤は糖尿病並びに肥満に対する予防・治療効果を有する。
また、PPARγは脂質代謝に関与し、その活性化剤は血中トリグリセリド及び遊離脂肪酸の低減作用を発現することで、高脂血症の予防・治療効果を有する。更に、PPARγは血圧維持に関与するエンドセリン、PAI-1等の因子の産生に関ることで、その活性化剤は高血圧症に対する予防・治療効果を有すること、炎症に関るTNFαの脂肪細胞におけるPPARγによる産生阻害、マクロファージにおけるPPARγのNF-κBを介したアポトーシス誘導への関与、MMP-9の活性阻止、NO産生抑制等に関与することで、その活性化剤は炎症性腸疾患等の炎症に対する予防・治療効果を有することが期待されている。
また最近、PPARγがアミロイドβの代謝に関与することが報告され、その活性化剤がアルツハイマー病の予防・治療効果を有する可能性も示唆されている(非特許文献3、4参照)。
PPAR活性化剤、特にPPARγ活性化剤の糖尿病等の重要な各種疾患に対して予防・治療効果が期待されることを受けて、多くの合成医薬品が開発され、ピオグリタゾン等既に製品として臨床応用されるようになっている。
また、顕著な活性を有さずとも、副作用の回避が期待され、長期の摂取が可能であることが期待されるPPARγ活性作用を有する食品由来の天然物が探索され、次のような化合物が発見されている。
多価不飽和脂肪酸である、エイコサペンタエノン酸、脂肪酸の代謝物である9-HODE、13-HODE(非特許文献1、2参照)、ヨモギ由来成分であるカフェ酸、クロロゲン酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸及びクロロゲニン酸メチル(特許文献1)、ウコン由来成分であるクルクミン(特許文献2参照)。他に、モノアシルグリセロールが報告されているが(特許文献3参照)、その特許明細書には、PPARαに対する活性化作用を示すデータのみ提示されており、モノアシルグリセロールがPPARγ作用を有することの証明はされていない。
特開2003-34636号公報 特開2003-128539号公報 特開2001-354558号公報 Willson-TM et al. , J. Med. Chem. (2000) 43, 527-550 Lehrke-M & Lazar-MA , Cell (2005) 123, 993-999 d'Abramo C et al. , Biochem J (2005) 391, 693-698 Sastre M et al. , Proc Natl Acad Sci USA.(2005) 103, 443-448
上記より、PPARγアゴニストはインスリン抵抗性を改善し、糖尿病をはじめ、高インスリン血症、脂質代謝異常、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧、動脈硬化性疾患などのインスリン抵抗性症候群及びアルツハイマー病を予防・改善する効果を有する。
本発明は、PPARγに対してアゴニスト活性を有する物質を見出すことを目的とし、該物質を有効成分とするPPARγ活性化剤の提供を課題とする。さらに、本発明は、該物質を含有するインスリン抵抗性、高脂血症、糖尿病、肥満及びアルツハイマー病などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤の提供を課題とする。
本発明者らは、各種植物抽出物からPPARγアゴニストを鋭意探索した結果、モノアシルグリセロール(モノグリセリド)がPPARαアゴニスト活性のみならず、高いPPARγアゴニスト活性があることを見出し、さらに高脂血症、糖尿病、肥満及びアルツハイマー病の予防・改善する効果を有することを見出した。
PPARは、化学構造的に多様な化合物をアゴニストにすること、更に、PPAR各サブタイプ間で顕著なアゴニストの結合あるいは活性化特異性が認められることの2点において特徴的なアゴニスト感受性を示す。PPARのリガンド結合空間のサイズは、α及びγとβ/δ間で顕著な相異が存在し、α及びγの結合空間サイズはβ/δに比較してかなり大きい。またαとγ間においても、結合空間を構成するアミノ酸残基において、αのTyr-314がγではHis-323に置換されており、このTyr残基の嵩張った構造がアゴニストのPPARα選択性に影響すると考えられている。PPARα及びγの結合空間が他の核内受容体と比較して大きいことが、化学構造的に多様な化合物をアゴニストにすることを許容していると考えられ、また上述したPPAR各サブタイプ間でのリガンド結合空間の局所立体構造に関する相異が各サブタイプ間に存在する顕著なアゴニストの結合あるいは活性化特異性を決定していると考えられる(H. Eric Xu et al. , Proc Natl Acad Sci USA. (2001)98, 13919-13924)。
即ち、PPARの各サブタイプにはアゴニスト特異性があるため、PPARαに対してアゴニスト活性を有する物質であっても、PPARγに対して同様にアゴニスト活性を有するものと予め想到することは困難である。
例えば、モノアシルグリセロールがPPARαについてアゴニスト活性が見られた場合であっても、該モノアシルグリセロールがPPARγに対してもアゴニストとしての活性を示すことについては実際に実験を行って検証するまでは不明であり、当該活性を有するものと容易に想到することは困難である。
本発明者らは、モノアシルグリセロールがPPARγに対するアゴニストであることを見出し、本発明を完成させた。
さらに本発明者らは、モノアシルグリセロールが実際に脂肪細胞の分化を誘導することを示した。即ち、モノアシルグリセロールは、脂肪細胞の分化を誘導することにより、脂肪細胞のインスリン感受性を維持し、脂肪分解を抑制し、血中への遊離脂肪酸の分泌を低減することで、遊離脂肪酸に基づく末梢組織でのインスリン抵抗性を抑制する。その結果、糖尿病や肥満等に対して予防もしくは治療効果が発揮される。
本発明は、モノアシルグリセロールを有効成分とするPPARγアゴニストに関する。
また本発明は、上記のPPARγアゴニストであるモノアシルグリセロールを有効成分とするインスリン抵抗性、高脂血症、糖尿病、肥満及びアルツハイマー病などの生活習慣病の予防及び/又は改善する作用を有する組成物に関する。本発明は、より具体的には、
〔1〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体を含有するPPARγ活性化剤、
〔2〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体の構成脂肪酸の10重量%以上がリノール酸である〔1〕記載のPPARγ活性化剤、
〔3〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン抵抗性症候群の予防もしくは改善用組成物、
〔4〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、糖尿病の予防もしくは改善用組成物、
〔5〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、肥満または内臓脂肪型肥満の予防もしくは改善用組成物、
〔6〕 モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、アルツハイマー病の予防もしくは改善用組成物、
〔7〕 飲食用であることを特徴とする〔3〕〜〔6〕のいずれか1項記載の組成物、
〔8〕 医薬用であることを特徴とする〔3〕〜〔6〕のいずれか1項記載の組成物、
〔9〕 非ヒト動物用であることを特徴とする〔3〕〜〔6〕のいずれか1項記載の組成物、
〔10〕モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分とする、脂肪細胞分化誘導剤、
を提供するものである。
さらに本発明は、以下に関する。
〔11〕 モノアシルグリセロールの上記活性化剤もしくは上記組成物の製造における使用、
〔12〕 上記活性化剤または組成物を、個体(患者等)へ投与する工程を含む、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、肥満もしくは内臓脂肪型肥満、またはアルツハイマー病の治療方法。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明によって、モノアシルグリセロールがPPARγアゴニストであることが見出された。本発明は、モノアシルグリセロールまたはその誘導体を含有するPPARγ活性化剤を提供する。
本発明の好ましい態様において、本発明のモノアシルグリセロールまたはその誘導体により活性化されるPPARγのアイソフォームはγ1である。
上記PPARγのアミノ酸配列を配列番号:2に、該アミノ酸配列をコードする塩基配列を配列番号:1に示す。
本発明のモノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有する組成物は、血糖降下作用及び内臓脂肪低減作用を有しており、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、肥満または内臓脂肪型肥満、アルツハイマー症の予防・改善用組成物として有用である。
モノアシルグリセロールはグリセロールの水酸基に脂肪酸が結合したもので、通常油脂中に若干量存在している。
モノアシルグリセロールの構成脂肪酸としては、全構成脂肪酸中の10%以上、好ましくは30〜100%が炭素数12〜24、好ましくは18〜22の不飽和脂肪酸であることが好ましい。残余の構成脂肪酸は、炭素数12〜24、好ましくは14〜22の飽和脂肪酸で構成される。好ましい構成脂肪酸としては、例えば、オレイン酸またはリノール酸等を例示することができるが、これらに制限されない。本発明の好ましい態様としては、例えば、オレイン酸またはリノール酸を10%以上、特に30〜100%含有するものが挙げられる。また、本発明で使用するモノアシルグリセロールのアシル基の位置は、特に制限されないが、1位が好ましい。即ち、本発明のモノアシルグリセロールは、例えば、1−モノリノレオイルグリセロール、2−モノリノレオイルグリセロールが挙げられるが、好ましくは、1−モノリノレオイルグリセロールである。
本発明のモノアシルグリセロールは、不飽和アシル基を含有する各種油類(アマニ油、エゴマ油、シソ油、大豆油、ナタネ油等)の加水分解反応、これら各種油脂とグリセリンとのエステル交換反応、それぞれの油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応等任意の方法により得ることができる。反応方法は、アルカリ触媒等を用いた化学反応法、リパーゼ等の酵素を用いた生化学反応法のいずれでもよい。得られた反応生成物を分画して希望のモノアシルグリセロールを単離することができる。また、特開2003-049192 号公報、特開2002-363134号公報などに開示された方法も挙げられる。
本発明におけるモノアシルグリセロールは植物に広く含まれることから、従来から公知の方法で抽出してもよい。例えば、1又は2種以上の、油脂、ヘキサン、酢酸エチル、アセトンなどの疎水性溶媒、又は約80容量%以上のアルコールなどを用いて抽出しても良い。アルコールは、限定されないが、メタノール、エタノールおよびプロパノールを含みうる。抽出物の形態は、抽出液の形態でもよいし、溶媒を除去したものでもよい。さらに、適切な溶媒に溶解、懸濁した形態であってもよい。また、これらの抽出物には、PPARγアゴニスト活性があり、PPARγアゴニスト活性を失わない範囲内で脱臭、精製などの操作を加えることができる。
本発明の活性化剤または組成物は、モノアシルグリセロールの誘導体を有効成分とするものであってもよい。モノアシルグリセロールの誘導体としては、例えば、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質等を例示することができる。
モノアシルグリセロールの塩もまた、本発明の誘導体に含まれる。本発明において「塩」とは、本発明のモノアシルグリセロールと塩を形成し、かつ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、有機塩基塩、酸性または塩基性アミノ酸塩などがあげられる。通常、本発明において「塩」とは、通常、薬学的に許容される塩を言う。
また本発明は、モノアシルグリセロールまたはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、肥満、内臓脂肪型肥満、またはアルツハイマー病の予防もしくは改善用組成物を提供する。本発明の組成物は、例えば、飲食用もしくは医薬用である。該組成物は、「治療薬」、「予防薬」、「治療剤」、「予防剤」、「医薬品」、「医薬組成物」、「飲食用組成物」、「飲料」、「食品」等と表記することもできる。
本発明のインスリン抵抗性症候群、糖尿病、肥満または内臓脂肪型肥満の予防・改善用組成物は、PPARγアゴニストを含有する組成物であって、モノアシルグリセロールを有効成分として含有することを特徴としており、その形態は限定されず、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)や健康食品などの飲食品、医薬品、医薬部外品などとして用いることができる。その摂取量は本発明のPPARγ活性化剤として成人一人一日当たり0.1〜2000mg/kg体重、好ましくは1〜200mg/kg体重がよい。
また、本発明の活性化剤もしくは組成物の一つの態様としては、非ヒト動物用であり、例えば、家畜またはペット等の愛玩動物用である。家畜やペット用の飼料やペットフードとしても使用することができ、その摂取量は本発明のPPARγ活性化剤として一日当たり0.1〜2000mg/kg体重が好ましい。
本発明の活性化剤または組成物は、安全とされている投与量の範囲内において、ヒトを含む動物に対して、必要量(有効量)が投与される。本発明の薬剤の投与量は、剤型の種類、投与方法、患者の年齢や体重、患者の症状等を考慮して、最終的には医師または獣医師の判断により適宜決定することができる。
なお、本発明における「予防」または「改善」には、完全な予防効果または改善効果を有する場合に限定されず、部分的な効果を有する場合であってもよい。
本発明の活性化剤または組成物は、生理学的に許容される担体、賦形剤、あるいは希釈剤等と混合し、医薬用または飲食用組成物として経口、あるいは非経口的に投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、溶剤、乳剤、あるいは懸濁剤等の剤型とすることができる。非経口剤としては、注射剤、点滴剤、外用薬剤、あるいは座剤等の剤型を選択することができる。注射剤には、皮下注射剤、筋肉注射剤、あるいは腹腔内注射剤等を示すことができる。外用薬剤には、経鼻投与剤、あるいは軟膏剤等を示すことができる。主成分である本発明の薬剤を含むように、上記の剤型とする製剤技術は公知である。
例えば、経口投与用の錠剤は、本発明の活性化剤または組成物に賦形剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤等を加えて混合し、圧縮整形することにより製造することができる。賦形剤には、乳糖、デンプン、あるいはマンニトール等が一般に用いられる。崩壊剤としては、炭酸カルシウムやカルボキシメチルセルロースカルシウム等が一般に用いられる。結合剤には、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、あるいはポリビニルピロリドンが用いられる。滑沢剤としては、タルクやステアリン酸マグネシウム等が公知である。
本発明の活性化剤または組成物を含む錠剤は、マスキングや、腸溶性製剤とするために、公知のコーティングを施すことができる。コーティング剤には、エチルセルロースやポリオキシエチレングリコール等を用いることができる。
また注射剤は、主成分である本発明の活性化剤または組成物を適当な分散剤とともに溶解、分散媒に溶解、あるいは分散させることにより得ることができる。分散媒の選択により、水性溶剤と油性溶剤のいずれの剤型とすることもできる。水性溶剤とするには、蒸留水、生理食塩水、あるいはリンゲル液等を分散媒とする。油性溶剤では、各種植物油やプロピレングリコール等を分散媒に利用する。このとき、必要に応じてパラベン等の保存剤を添加することもできる。また注射剤中には、塩化ナトリウムやブドウ糖等の公知の等張化剤を加えることができる。更に、塩化ベンザルコニウムや塩酸プロカインのような無痛化剤を添加することができる。
また、本発明の活性化剤または組成物は、種々の形態の飲料、スナック類、乳製品、調味料、でんぷん加工製品、加工肉製品等あらゆる食品に適宜配合することができる。
本発明の飲食品としては、例えば、飲料が挙げられ、本発明のモノアシルグリセロールを含有する茶系飲料、清涼飲料、果実飲料、野菜飲料、発泡性飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、またはアルコール性飲料等を挙げることができる。また、本発明の飲食品として、本発明のモノアシルグリセロールを有効成分として含有する、液状、固形状、粉末状の嗜好飲料類、調味料及び香辛料類、もしくは調理加工食品、および、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品等を挙げることができる。本発明の飲食品は好ましくは、上述の各種疾患の予防もしくは改善効果を有する。
また本発明は、本発明の活性化剤もしくは組成物を個体(例えば、患者等)へ投与する工程を含む、上述の各種疾患の治療もしくは予防方法を提供する。
本発明の予防もしくは治療方法の対象となる個体は、上述の各種疾患を発症し得る生物であれば特に制限されないが、好ましくはヒトである。
個体への投与は、一般的には、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射など当業者に公知の方法により行うことができる。投与量は、患者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者(医師、獣医師、薬剤師等)であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
さらに本発明は、モノアシルグリセロールの、本発明の活性化剤もしくは組成物の製造における使用に関する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
PPARγ活性化試験:サル由来CV-1細胞株を6 well plateにまき、DMEM(10% FBS)中で1日培養した。PPARγ発現プラスミド、及びPPARγ応答配列(PPRE)(配列番号:3)、及びホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミド(PPRE-Luc)、及びウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子の上流にCMVプロモーターを連結したコントロールプラスミド(CMV-Luc; Promega)を同時に各々0.5μg, 0.45μg, 0.05μg/wellとなるようトランスフェクション試薬(Lipofectamine2000; Invitrogen)を用いて導入した。その後形質転換細胞をトリプシンによりはがし、96well plateに再度まきなおした。この際、培養液を被験物質を含むDMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。PBSにて細胞を洗浄後、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて細胞を溶解し、ルシフェリンを含む基質溶液を加え、ルミノメーターにてホタル及びウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。なお、PPARγ依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)は以下のように定義した。
PPARγ依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)=(PPRE-Lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(CMV-Lucによるウミシイタケルシフェラーゼ活性)
上記に示すルシフェラーゼアッセイ系を用い、1−モノリノレオイルグリセロールのPPARγアゴニスト活性を検討した。被検物質はDMSOに30 mg/mlの濃度で溶解したものを5μg/ml及び50μg/mlで培地に添加した。ネガティブコントロールとして0.2% DMSOを添加した群を、またポジティブコントロールとして10-5M Pioglitazone(武田薬品工業株式会社)を添加した群をそれぞれ作成した。
探索の結果、表1に示すように、1−モノリノレオイルグリセロールは50μg/mlの濃度にてPioglitazone とほぼ同等レベルのアゴニスト活性を示した。
〔実施例2〕脂肪細胞分化能試験
マウス3T3-L1細胞株を24 well plateにまき、DMEM (5% CS)中で3日培養した。培養液をDMEM (10% FBS)に交換し、さらに2日培養した。その後分化誘導培地(DMEM-10% FBS, 0.5 mM IBMX, 2μM insulin, 1μM dexamethazone)に交換し、2日培養した。さらに培養液を被験物質を含んだDMEM-10% FBSに交換し、2日培養した。この日を0日目とし、2、4、6日目に被験物質を新たに添加した。8日目にOil Red O(和光)にて細胞内の脂肪滴を染色し、画像を取り込んだ(図1)。また同様に分化誘導した細胞を回収し、AdipoRed (Cambrex) を用いて脂肪滴の量を蛍光強度として測定した(表2)。なお、コントロール(DMSO)における細胞内の脂肪滴量を100とし、それに対する相対値を示す。陽性対照として、Pioglitazoneを用いた。
その結果、1−モノリノレオイルグリセロールは、有意な脂肪細胞分化誘導活性を示した。特に、100μg/mlの濃度においては、十分な脂肪細胞分化誘導活性が見られた。
図1は、被験物質添加8日目における、細胞内の脂肪滴を染色した結果を示す写真である。

Claims (1)

  1. 1−モノリノレオイルグリセロールを含有するPPARγ1活性化剤。
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