JP2009242262A - 美白剤、並びに、皮膚外用剤及び飲食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする美白剤、並びに、前記美白剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤及び飲食品である。
【選択図】なし
Description
このようなチロシナーゼ阻害作用を有する生薬としては、例えば、藤茶抽出物(特許文献1参照)、ヤナギタデ抽出物(特許文献2参照)などが報告されている。
<1> 発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする美白剤である。
<2> チロシナーゼ活性阻害作用、及びメラニン産生抑制作用の少なくともいずれかを有する前記<1>に記載の美白剤である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
<4> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする飲食品である。
本発明の美白剤は、発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物から選択される少なくとも1種を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物とはそれぞれ、ギンネム、グアバ、及びウコンの各植物をそれぞれ発酵させて得られる発酵物(本明細書中において、「植物発酵物」と称することがある)を、更に抽出することにより得られる抽出物(本明細書中において、「植物発酵抽出物」と称することがある)をいう。
前記発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物における、美白作用を発揮する物質の詳細については不明であるが、前記各植物発酵抽出物がこのような優れた作用を有し、美白剤として有用であることは、従来には全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
発酵原料として使用する前記ギンネムの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、花、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根、根茎、根皮、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも、葉、茎が好ましい。
前記グアバは、フトモモ科の植物であり、学名はPsidium guajava Linnである。前記グアバは、常緑樹であり、東南アジア、中国南部、ハワイなどの熱帯、亜熱帯地域に広く分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
発酵原料として使用する前記グアバの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、花、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根、根茎、根皮、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも、葉が好ましい。
前記ウコンは、ショウガ科の植物であり、学名はCurcuma longa L.である。前記ウコンは、多年草であり、インド、東南アジア、中国南部などの熱帯地方や、日本では沖縄地方でも栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
発酵原料として使用する前記ウコンの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、花、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根、根茎、根皮、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも、根茎が好ましい。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽内に、前記各抽出原料を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物を得ることができる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃にて1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜95℃にて30分間〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであれば、そのまま本発明の美白剤の有効成分として用いることができる。
前記美白剤中の前記各植物発酵抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、また、前記美白剤は、前記各植物発酵抽出物そのものであってもよい。
また、前記美白剤中、前記各植物発酵抽出物は、いずれか1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。前記美白剤中に2種以上の植物発酵抽出物が含まれる場合の、各々の含有量比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記美白剤は、必要に応じて製剤化することにより、粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とすることができる。
本発明の皮膚外用剤は、前記した本発明の美白剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記皮膚外用剤とは、皮膚に適用される各種の薬剤を意味し、その区分としては特に制限されるものではなく、例えば、皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものである。
前記皮膚外用剤は、前記各植物発酵抽出物を、その活性を妨げないように任意の皮膚外用剤に配合したものであってもよいし、前記各植物発酵抽出物を主成分とした皮膚外用剤であってもよい。また、前記皮膚外用剤は、前記各植物発酵抽出物そのものであってもよい。
本発明の飲食品は、前記した本発明の美白剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記飲食品は、前記各植物発酵抽出物を、その活性を妨げないように任意の飲食物に配合したものであってもよいし、前記各植物発酵抽出物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。また、前記飲食品は、前記各植物発酵抽出物そのものであってもよい。
前記補助的原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤などが挙げられる。
本発明の美白剤、並びに、皮膚外用剤及び飲食品は、日常的に使用することが可能であり、有効成分である前記各植物発酵抽出物の働きによって、チロシナーゼ活性阻害作用、及びメラニン産生抑制作用の少なくともいずれかに基づく美白作用を、極めて効果的に発揮させることができるものである。そのため、本発明の美白剤、並びに、皮膚外用剤及び飲食品によれば、例えば、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)の予防・改善を、効果的に行えるようになることが期待される。
−各植物発酵物の水抽出物の製造−
抽出原料となる植物発酵物として、発酵ギンネム、発酵グアバ、及び発酵ウコン(いずれも株式会社琉球バイオリソース開発製)をそれぞれ使用した。前記各植物発酵物100gを、水1000mlに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、90℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、粉末状の抽出物を得た。得られた抽出物(植物発酵抽出物)の収率を表1に示す。
−各植物発酵物の50質量%エタノール抽出物の製造−
抽出原料となる植物発酵物として、発酵ギンネム、発酵グアバ、及び発酵ウコン(いずれも株式会社琉球バイオリソース開発製)をそれぞれ使用した。前記各植物発酵物100gを、50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)1000mlに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、90℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、粉末状の抽出物を得た。得られた抽出物(植物発酵抽出物)の収率を表1に示す。
−各植物発酵物の80質量%エタノール抽出物の製造−
抽出原料となる植物発酵物として、発酵ギンネム、発酵グアバ、及び発酵ウコン(いずれも株式会社琉球バイオリソース開発製)をそれぞれ使用した。前記各植物発酵物100gを、80質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:4)1000mlに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、90℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、粉末状の抽出物を得た。得られた抽出物(植物発酵抽出物)の収率を表1に示す。
前記植物発酵抽出物を被験試料として用い、下記の試験方法によりチロシナーゼ活性阻害作用を試験した。
チロシナーゼ活性阻害作用の計算方法は以下のとおりである。結果を表2〜4に示す。
チロシナーゼ活性阻害率(%)={1−(St−Sb)/(Ct−Cb)}×100
St:被験試料溶液の波長475nmにおける吸光度
Sb:被験試料溶液ブランクの波長475nmにおける吸光度
Ct:コントロール溶液の波長475nmにおける吸光度
Cb:コントロール溶液ブランクの波長475nmにおける吸光度
前記植物発酵抽出物を被験試料として用い、下記の試験方法によりメラニン産生抑制作用を試験した。
また細胞生存率の測定のため、同様に培養後、400μLのPBS(−)で洗浄し、終濃度0.05mg/mLで1%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したニュートラルレッドを各wellに200μL添加した。2.5時間培養した後、ニュートラルレッド溶液を捨て、エタノール・酢酸溶液(エタノール:酢酸:水=50:1:49)を各wellに300μL添加し、色素を抽出した。抽出後、波長540nmにおける吸光度を測定した。
空試験として、1mmol/L テオフィリン含有ダルベッコMEMのみで培養した細胞を同様の方法で試験した。
メラニン産生抑制作用及び細胞生存率の計算方法は以下のとおりである。結果を表5に示す。
メラニン産生抑制率(%)={1−(B/D)/(A/C)}×100
細胞生存率(%)=(D/C)×100
A:被験試料無添加での475nmにおける吸光度
B:被験試料添加での475nmにおける吸光度
C:被験試料無添加での540nmにおける吸光度
D:被験試料添加での540nmにおける吸光度
−乳液−
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
・発酵ギンネムの50質量%エタノール抽出物・・・0.10g
・ホホバオイル・・・4.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・2.50g
・オリーブオイル・・・2.00g
・スクワラン・・・2.00g
・セタノール・・・2.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・黄杞エキス・・・0.10g
・グリチルリチン酸ジカリウム・・・0.10g
・イチョウ葉エキス・・・0.10g
・コンキオリン・・・0.10g
・オウバクエキス・・・0.10g
・カツミレエキス・・・0.10g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計100.00g)
−化粧水−
下記組成に従い、化粧水を常法により製造した。
・発酵グアバの50質量%エタノール抽出物・・・0.10g
・グリセリン・・・3.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・クエン酸・・・0.10g
・クエン酸ソーダ・・・0.10g
・油溶性甘草エキス・・・0.10g
・海藻エキス・・・0.10g
・クジンエキス・・・0.10g
・キシロビオースミクスチャー・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−クリーム−
下記組成に従い、クリームを常法により製造した。
・発酵ウコンの50質量%エタノール抽出物・・・0.10g
・スクワラン・・・10.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・6.00g
・流動パラフィン・・・5.00g
・サラシミツロウ・・・4.00g
・セタノール・・・3.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・3.00g
・ラノリン・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・1.50g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・1.50g
・ステアリン酸・・・1.00g
・酵母抽出液・・・0.10g
・シソ抽出液・・・0.10g
・シナノキ抽出液・・・0.10g
・ジユ抽出液・・・0.10g
・香料・・・0.10g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−パック−
下記組成に従い、パックを常法により製造した。
・発酵ギンネムの80質量%エタノール抽出物・・・0.20g
・ポリビニルアルコール・・・15.00g
・エタノール・・・10.00g
・プロピレングリコール・・・7.00g
・ポリエチレングリコール・・・3.00g
・セージ抽出液・・・0.10g
・トウキ抽出液・・・0.10g
・ニンジン抽出液・・・0.10g
・パラオキシ安息香酸エチル・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−錠剤状栄養補助食品−
下記の混合物を打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
・発酵グアバの80質量%エタノール抽出物・・・30g
・粉糖(ショ糖)・・・178g
・ソルビット・・・10g
・グリセリン脂肪酸エステル・・・12g
−顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して、顆粒状栄養補助食品を製造した。
・発酵ウコンの80質量%エタノール抽出物・・・20g
・ビートオリゴ糖・・・1000g
・ビタミンC・・・167g
・ステビア抽出物・・・10g
Claims (4)
- 発酵ギンネムの抽出物、発酵グアバの抽出物、及び発酵ウコンの抽出物から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする美白剤。
- チロシナーゼ活性阻害作用、及びメラニン産生抑制作用の少なくともいずれかを有する請求項1に記載の美白剤。
- 請求項1から2のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 請求項1から2のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする飲食品。
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