JP2009240600A - ミシンの返し縫い制御装置 - Google Patents

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【課題】 縫製開始前に、始め自動返し縫い制御およびソフトスタート制御がともに有効として設定されている場合に、最適な縫い目を形成するべく縫い目補正値α、βを設定する最適化制御への支障を自動的に判別して、二重設定や設定解除忘れ等によって前記最適化制御が崩れることによる縫い目ズレやピッチの不揃い(詰まり)の発生を防止して、縫い品質を良好なものとすることができるミシンの返し縫い制御装置を提供する。
【解決手段】 ソフトスタート制御と始め自動返し縫い制御がともに有効設定されている場合に、ソフトスタート制御を実行した場合の始め自動返し縫い制御への支障の有無を判断し、支障があると判断した場合には、前記ソフトスタート制御の非実行を決定し、始め自動返し縫い制御のみを実行する制御を行なう。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動糸切りミシンにおいて縫い初めの解れ止めの目的で動作させる、始め自動返し縫いを実行するミシンの返し縫い制御装置に関する。
始め自動返し縫いを実行するミシンの返し縫い制御装置は、設定入力手段等により所定の針数A(図8、9、10では4針の例を示す)を設定することにより、制御手段において縫い始めに針数をカウントし、自動で返し縫い用のアクチュエータをON/OFFしてその針数分だけ布を逆送りすることにより、縫い初めの美しい解れ止めを実現することができる機能である(特許文献1参照)。
そして、自動糸切りミシンにおいて、この解れ止めの目的で動作させる始め自動返し縫いの制御は、その縫製作業開始前に図8中Aで示す、返し縫いのための正方向の針数4と、図8中Bで示す、その逆方向の針数4の他、返し縫い運針速度Xrpm、及び縫い目補正値α、βをα範囲、β範囲から任意に設定した上で、縫製にあわせて、例えば図9に示すような始め自動返し縫い設定入力手段の有効/無効設定スイッチYを押し分けて、縫製を行なっていた。
図10は前記図8に示す4針による始め自動返し縫い制御のタイミングチャートである。なお、前記縫い目補正値αとは、正方向の運針を逆方向の運針へ切換えるべく、周知の送り量調節機構に設けられている返し縫いソレノイドなどのアクチュエータの動作遅れ(具体的には、ソレノイドの吸引遅れ)を考慮し、正逆の縫い目を合わせるために動作タイミングを最適化させるための補正量を示している。縫い針数のカウントや、アクチュエータの動作の駆動開始制御は、針を上下に移動するミシン主軸に設けたエンコーダからミシン主軸の回転角度に応じて約40°の幅で出力されるエンコーダパルスである針上位置信号と針下位置信号のうち、特に布送りが終わって縫い目が形成されるタイミングとして針下位置信号(1〜4の符号は1針目〜4針目を表す)に基づいてなされる。前記縫い目補正値αも、ミシン主軸の回転角度の補正値で表され、設定針数4の1針前の3針目の針下位置信号を基準として加減算される前後1針分(±360°)の補正値が設定可能とされ、図10の例ではαは返し縫い針数4針目よりも1針目手前の3針目の針下位置信号を基準にして、それよりも手前(減算)されたタイミングEに設定されている。このタイミングEを内部クロックのカウンタで検出して、ミシン送り歯の送り量調節機構(図示せず)に設けた返し縫いソレノイドの駆動信号(ソレノイド信号)をONすると、タイミングFで前記送り量調節機構が作動開始して、送り方向が正縫いから逆縫いに変化を始め、タイミングG、即ち第4針目の針が布に刺さって縫い目が形成されたことを表す第4の針下信号が出力されたときと同時に送り方向の逆転が完了する。従って、次に形成される第5針の縫い目は第4針の縫い目と送り方向が逆で同じ縫い目ピッチで形成されるから、往復の縫い目が揃った美しい返し縫いを形成することができる。また、縫い目補正値βとは、逆方向の運針第5〜8針の縫い目を形成した後、正方向の運針へ切換えるべく、返し縫い機構に用いられ、前記アクチュエータによる吸引を解除するように作用するばね等の動作遅れなどに対して動作タイミングを最適化させるための補正量である。その補正量は、縫い目補正値αと同様に定められる。
また、従来縫い初めの「目飛び」といわれる現象の発生を防止したり、針棒からの糸抜けを防止するために、縫製開始直後の駆動軸を駆動するモータの回転スピードを極めて短期間だけ低速に設定して、針棒と天秤の移動速度を低速にして駆動を開始するソフトスタートの制御(以下、ソフトスタート(SS)制御という)を行なうことがあった(特許文献2参照)。このソフトスタート制御においても、その縫製作業開始前に、ソフトスタートさせる針数Nと、ソフトスタート速度Zrpmを設定していた。
特開2001−321590号公報 特開平9−299668号公報
そして、このソフトスタート制御が設定されている場合において、前述の始め自動返し縫い制御が有効設定された場合に、始め自動返し縫いにおける前記アクチュエータの駆動開始タイミングEよりも前に、ソフトスタート制御において設定された針数Nのソフトスタート速度Zrpmによる運針を終えて通常の縫製速度で駆動されていないと、前述の縫い目補正値αが適切なものではなくなり、第4の針下位置信号が出力される前の布送り途中に送り方向の逆転が行われることになり、第4針目の送りピッチが短くなるため、第5針目の送りピッチと揃わなかったり、正方向の縫い目と逆方向の縫い目がずれてしまうといった不具合が発生する。
具体的には、図7の3針で返し縫いするソレノイドの動作と、ソフトスタートを2針行ってから返し縫い速度(通常の縫製速度)に縫い速度を増速した場合の縫製動作のタイミングチャートに示すように、動作タイミングの最適化においては、ミシン針を上下動させる駆動力となるミシンモータが返し縫い速度(通常縫製速度)により駆動されるときのミシン主軸の角度によって縫い目補正値α、βが決定されるので、返し縫いソレノイドがオンされるタイミングEのときにミシンモータの回転速度が遅い場合、すなわち、ソフトスタート時のソフトスタート縫製速度のように運針速度が遅い場合、ソレノイドの吸引完了の角度が速まり、針が下位置に移動する時刻Hよりも手前の布送り期間の途中Gであって、送り歯が針板よりも上方にあるときに送り方向が逆転されて、返し縫いに切り替わってしまうと、その3針目の縫い目ピッチは詰まったものとなり、返し縫い目と不揃いになる。
この問題を解決するために、始め自動返し縫い制御を実行する場合には、ソフトスタート制御の設定を解除する必要が生じるが、その度ごとの手動操作では、解除のし忘れや解除の戻し忘れを引き起こし、縫い始め自動返し縫いの目飛びや返し縫いの縫い目ズレなどの不具合が生じた後で設定ミスに気付くことが多かった。
本発明は、そのような問題点に鑑み、縫製開始前に、始め自動返し縫い制御およびソフトスタート制御がともに有効として設定されている場合であっても、最適な縫い目を形成するべく縫い目補正値α、βを設定する最適化制御への支障を自動的に判別して、二重設定や設定解除忘れ等によって前記最適化制御が崩れることによる縫い目ズレやピッチの不揃い(詰まり)の発生を防止して、縫い品質を良好なものとすることができるミシンの返し縫い制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るミシンの返し縫い制御装置は、予め設定された返し縫い針数で返し縫いソレノイドを駆動して送り歯の送り方向を正方向の送りから逆方向の送りに逆転する返し縫いを通常の縫製前に行なう始め自動返し縫い手段と、ミシン縫製開始時において予め設定されたソフトスタート針数の縫製を通常の縫製速度よりも遅いソフトスタート縫製速度で行なうソフトスタート手段とを有効設定可能とされ、前記始め自動返し縫い手段においては、正方向の運針から逆方向の運針に切換えるべく駆動が制御される前記返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングを縫い目補正値を加減して最適化させた縫製を実行するミシンの返し縫い制御装置において、前記ソフトスタート手段と始め自動返し縫い手段がともに有効設定されている場合に、ソフトスタート手段を実行した場合の始め自動返し縫い手段への支障の有無を判断し、ミシンの前記ソフトスタート縫製速度中に返し縫いソレノイドを駆動するときは支障があると判断して、前記ソフトスタート手段を非実行とし、始め自動返し縫い手段のみを実行する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るミシンの返し縫い制御装置は、前記ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数が始め自動返し縫い手段において設定された返し縫い針数以上の針数である場合、あるいは、ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数が始め自動返し縫い手段において設定された返し縫い針数よりも少ない針数である場合であっても、ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数縫製終了タイミングが、始め自動返し縫い手段における前記縫い目補正値を加減した返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングよりも遅く到来する場合には、ソフトスタート手段制御を実行した場合の始め自動返し縫い手段への支障があると判断することを特徴とする。
本発明のミシンの返し縫い制御装置によれば、始め自動返し縫い手段およびソフトスタート手段が共に有効に設定されていたとしても、縫い目合わせへの支障を自動的に判別することで、二重設定や設定の戻し忘れによって予め設定された最適制御が崩れ、縫い目ズレやピッチの不揃いを発生させて縫い品質を劣化させることを確実に防止して、仕上がりの縫製状態を良好なものとすることができる。
以下、本発明のミシンの返し縫い制御装置の実施形態を図1乃至図4に基づいて具体的に説明する。
本発明のミシン1は、図1の外観図に示すように、作業台2の上にミシン本体3を搭載している。この作業台2の下部には、ミシンモータ4及びミシン制御装置であるコントローラ5が配置されており、ミシンモータ4とミシン本体3とは、ミシンモータ4の回転軸に設けたプーリ6とミシン本体3の主軸に取り付けられたミシンプーリ7との間に掛け渡たされたベルト8によって連結されている。
さらに、作業台2の下方には作業者が足で操作するミシンペダル10が回動可能に設けられ、その踏み込み量がリンクロッド12を介してペダルセンサ11に伝達される。ペダルセンサ11は、CCDセンサあるいはインクリメンタルエンコーダ等によってその踏み込み量を検出し、そのデータを図示しないコネクタを介して制御装置としてのコントローラ5へ送出する。なお、ミシンペダル10は、前踏みで通常の縫製(前進)、後踏みで自動糸切り制御を行うようになっているものとする。
また、ミシン本体3内には、布押え上げ、ワイパー、返し縫い、皿浮かし等を駆動する各アクチュエータとして、糸切りソレノイド14、押え上げソレノイド15、ワイパーソレノイド16、返し縫いソレノイド(バックタックソレノイド)17等が設けられており、それぞれコントローラ5によって所定のタイミングで駆動制御される。
そして、ミシン本体3には液晶表示装置などからなる表示器18と、各種の設定項目の入力を行なう設定入力手段としての設定操作パネル19(図1中には不図示)が設けられている。
また、ミシン本体3の不図示のミシン主軸に取付けられたミシンプーリ7には、針位置検出手段としての針位置検出器20が設けられている。針位置検出器20としては、例えば、ミシンプーリ7の内側に固定されてミシンプーリ7と一体に回転する磁石と、この磁石と対向するようにミシン本体3に固定された磁気検出素子とで構成される磁石式の針位置検出器を例示することができ、前記ミシン主軸の回転により上下動されるミシン針が上方位置及び下方位置に位置している状態を約40°の幅で検出し、その検出結果に応じて図7に示す針位置検出信号を出力する。特に針下位置信号が布送りが終了して縫い目形成される状態を検出するため、この針下位置信号をカウントして針数を求めている。
また、ミシンモータ4の回転軸には回転信号出力手段としてのモータエンコーダ21が設けられている。モータエンコーダ21は、ミシンモータ4により駆動されるミシン主軸の回転角度に応じた回転信号としてのエンコーダパルスを出力する。そして、コントローラ5は、これらのペダルセンサ11、モータエンコーダ21、ミシンの針位置検出器22等からのデータあるいは検出信号をもとにミシンモータ4の回転及び前記各ソレノイドの駆動を制御している。
図2は、このミシン1の制御系を前記コントローラ5の内部構成と共に示すブロック図である。
ミシン1の各部材やミシンモータ4の駆動を制御するコントローラ5は、リードオンリーメモリ(ROM)22、ランダムアクセスメモリ(RAM)23、イーイーピーロム(EEPROM)24等の外部の記憶手段を接続させ、制御手段としてのCPU25を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
前記CPU25は、ミシンモータ4の回転駆動により上下動するミシン針による実縫製針数を計数する計数手段を備えている。
また、前記CPU25のEEPROM24は、記憶手段として作用し、後述する設定入力手段としての設定操作パネル19から入力された、始め自動返し縫い制御の設定針数、始め自動返し縫い制御の実行・非実行の別の設定、ソフトスタート制御の設定針数、ソフトスタート制御時における縫製速度、ソフトスタート制御の実行・非実行の別の設定、通常の縫製時の縫製速度、および、縫い目補正値を記憶する。
そして、コントローラ5の出力側には、CPU25から送出される駆動制御信号によってミシンモータ4を回転駆動させるミシンモータ駆動回路31、ミシン本体3の正面に配設された表示器18を駆動させる表示器駆動回路32、糸切りソレノイド14を駆動させる糸切り駆動回路33、押え上げソレノイド15を駆動させる押え上げ駆動回路34、ワイパーソレノイド16を駆動させるワイパー駆動回路35、返し縫いソレノイド17を駆動させる返し縫い駆動回路36等の各アクチュエータ駆動回路が接続されている。
一方、入力側には、前述したモータエンコーダ21、ペダルセンサ11、針位置検出器20、様々な設定をするための設定入力手段としての設定操作パネル19等が接続されている。
モータエンコーダ21は、ミシンモータ4の回転軸が一定角度(例えば1°)回転する毎にエンコーダパルスを発生するものであり、そのエンコーダパルスはミシンモータ4の回転速度検知や位相検知、及びミシン主軸角度の検知する主軸回転角度検知手段を構成する。
ペダルセンサ11からのミシンペダル10の踏み込み量のデータは、コントローラ5からミシンモータ駆動回路31を介して、ベルト8を介在させてミシン主軸を回転させるミシンモータ4の回転・停止及び回転速度を制御するのに用いられる。
そして、同じく主軸角度検知手段を構成する針位置検出器20から出力される針上位置の検出信号は、針数のカウントの他、前述のように計数手段26がエンコーダパルスを計数する際の基準として用いられる。
そして、コントローラ5のCPU25は制御手段として作用し、前述のモータエンコーダ21、ペダルセンサ11、針位置検出器20等の入力信号をもとに、表示器18の表示やアクチュエータとしての各ソレノイド及びミシンモータ4の駆動を制御する。
すなわち、ミシン針位置検出器によって検出された針位置の検出信号を基準としてカウントした、ミシン主軸が直結されたミシンモータの回転角度に応じてモータエンコーダが発生させるエンコーダパルスに基づいて、後述する縫い目補正値α、βによる前記ミシン主軸の回転角度を検知すると、本実施形態においては、アクチュエータの駆動を制御する制御手段においては、そのミシン主軸の回転角度に基づいて自動返し縫いソレノイドのON/OFFタイミングを切換える制御を行なう。
本実施形態のミシンの返し縫い制御装置においては、該ミシン1の基本設定事項を前記設定操作パネル19から予め入力することにより設定する。
前記基本設定事項には、始め自動返し縫い手段により設定された針数の返し縫いを通常の縫製前に返し縫い用縫製速度で行なうことを内容とする始め自動返し縫い制御のための設定針数A、ソフトスタート手段により縫製開始時において設定された針数の縫製を通常の縫製速度よりも遅い縫製速度で行なうソフトスタート制御のための設定針数N、そして、前記始め自動返し縫い制御において、正方向の運針から逆方向への運針に切換えるべく駆動が制御される返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングを最適化するための縫い目補正値α、前記アクチュエータによる吸引を解除するように作用するばね等の動作遅れなどに対して動作タイミングを最適化させるための縫い目補正値β等を含む。
そして、本実施形態のミシンの返し縫い制御装置は、前記ソフトスタート制御と始め自動返し縫い制御がともに有効設定されている場合に、設定入力手段としての設定操作パネル19から入力され、ソフトスタート制御において設定された縫製針数Nと、始め自動返し縫い制御において上記設定された針数Aを縫い目補正値αで加減した前記返し縫いソレノイド17の駆動開始タイミングとなる針数とを比較し、ソフトスタート制御において設定された縫製針数Nの縫製終了タイミングが、始め自動返し縫い制御における前記返し縫いソレノイド17の駆動開始タイミングよりも遅く到来する場合にはソフトスタート制御の非実行を決定し、始め自動返し縫い制御のみを実行する制御を行なう。
このミシンの返し縫い制御装置における駆動制御について、図3のフローチャートを用いてさらに具体的に説明すると、先ず、制御手段としてのCPU25は、電源投入時においては先ず作業者がミシン1の基本設定事項を設定するためのモード設定を選択しているか否かを判断する(ST1)。本実施形態において、モード設定を選択する場合には、ミシン本体3に配設された不図示の設定スイッチを押し下げつつ電源を投入することで切換え可能とする。
前記CPU25は、この操作がなされた場合(ST1のYES)は、作業者がモード設定を選択していると判断し、設定モードに移行する。
そして、前記設定モードにおいては、図4に示すように、始め自動返し縫い速度設定X(rpm)、ソフトスタート速度設定Z(rpm)、ソフトスタート設定針数N(2針)、前記縫い目補正値α(−60°)、縫い目補正値β等の数値を設定操作パネル19から入力し、図5、図6に示す始め自動返し縫いの正方向縫い針数A(3針)と、返し縫いソレノイドの駆動により送り方向を逆転された後の逆方向縫い針数B(3針)をそれぞれ入力して(ST101)、一旦、電源を落として設定を終了させる。
電源投入時に設定スイッチが押し下げ操作されていない場合には、ユーザがモード設定を選択していないと判断し(ST1のNO)、現設定状態でスルーさせる。続いて、始め自動返し縫い手段による始め自動返し縫い(SBT)制御およびソフトスタート手段によるソフトスタート(SS))制御の設定操作を行なう(ST2)。この設定操作においては、それぞれの制御を有効とするか、無効とするかの別、縫製パターン、縫製パターンの縫製工程数、その縫製工程毎の縫製針数等を設定する。なお、この設定操作は、特に変更が加えられない場合には、現設定状態でスルーさせる。
続いて、ミシンの回転指令が出されているか否かをペダルセンサ11からのデータの入力の有無により判断し(ST3)、回転指令が出されていないOFF状態であれば(ST4のNO)、そのままミシン針を針下位置としてミシン1の駆動を停止した状態で(ST4)、ST3の回転指令があるまで待機する。
また、回転指令が出されているON状態であれば(ST3のYES)、まず、始め自動返し縫い制御が有効設定されているか否かを判断する(ST5)。
始め自動返し縫い制御が有効設定されている場合には(ST5のON)、続いてソフトスタート制御が有効設定されているか否かを判断する(ST6)。
その結果、ソフトスタート制御については無効設定がされている場合には(ST6のOFF)、設定された情報に基づき、始め自動返し縫い制御のみを実行し(ST9)、その後、通常の縫製を行なう(ST10)。
また、ソフトスタート制御についても有効設定がされている場合には(ST6のON)、ソフトスタートを現設定で実行した場合の始め自動返し縫い制御への支障の有無を判断する(ST7)。
本実施形態においては、この支障の判断を以下のようにして行なう。すなわち、ソフトスタート制御における設定針数Nと始め自動返し縫い制御における設定針数Aとを比較する。この場合において、ソフトスタート制御において設定された設定針数Nが始め自動返し縫い制御において設定された針数Aよりも大きい場合、即ち、次の(1)式が成立する場合には、ソフトスタート縫製速度中に返し縫いソレノイドを駆動するため、始め自動返し縫い制御への支障があると判断する。
N(針数)≧A(針数) (1)式
また、始め自動返し縫い制御において、縫い目補正値αにより正確にソフトスタート縫製速度中に返し縫いソレノイドを駆動することを判別する、次の(2)式が成立する場合には、始め自動返し縫い制御への支障が有ると判断する。
N>=A−1+(α/360) (2)式
そして、(2)式が成立しない場合、すなわち、次の(3)式が成立する場合には、始め自動返し縫い制御への支障は無いと判断する。
N<A−1+(α/360) (3)式
なお、(1)式、(2)式中の各記号の定義は前述したように、以下の通りである。
N:ソフトスタート制御の設定針数(SS針数)
A:始め自動返し縫い制御の設定針数(SBT針数)
α:返し縫いソレノイドの駆動のための縫い目補正値
また、本実施形態において、縫い目補正値αは、図7に示すように始め自動返し縫い制御の設定針数Aの1針前を基準として前後1針分の補正が可能とされているものとし、式中の「360」の数値は1針分のモータの回転軸の回転角度を示す。
上記(1)式 の場合は、図4、図7の説明において、N=2、A=3であるから、ソフトスタート制御は始め自動返し縫いへの支障がないと判断する。(1)式の判別は大まかなものであり、ここで支障がないと判断されたときは、詳細な判別を(2)、(3)式で行なう。ここで、(2)、(3)式において、α=−60°であるから、右辺は、
3−1+(−60/360)=1.83
となり、(2)式が成立するので、ソフトスタート制御は始め自動返し縫いへの支障があると最終的に判断する(図7、ST7の有)。
このような判断基準に基づき、ソフトスタート制御を実行しても始め自動返し縫い制御への支障がないと判断された場合には(ST7の無)、そのまま設定された内容に基づき、先ずはソフトスタート制御の設定内容に基づいてミシンモータ4を回転駆動させてソフトスタートを実行し(ST8)、続いて、設定された情報に基づき、始め自動返し縫い制御を実行し(ST9)、その後、通常の縫製を行なう(ST10)。
逆に、ソフトスタート制御を実行すると始め自動返し縫い制御に支障をきたすと判断された場合には(ST7の有)、前記ソフトスタート制御の非実行を決定し、設定された情報に基づき、始め自動返し縫い制御のみを実行し(ST9)、その後、通常の縫製を行なう(ST10)。
なお、ミシンモータ駆動回路31を介してミシンモータ4を回転駆動させ、縫製を行なう際、モータエンコーダ21のエンコーダパルスのカウンタをカウント更新し、針数の管理を行なう。
また、ST5において、始め自動返し縫い制御が無効設定されている場合には(ST5のOFF)、続いてソフトスタート制御が有効設定されているか否かを判断する(ST11)。
ソフトスタート制御が無効設定されている場合には(ST11のOFF)、そのまま、通常の縫製を行なう(ST10)。
また、ソフトスタート制御が有効設定されている場合には(ST11のON)、ソフトスタート制御の設定内容に基づいてミシンモータ4を回転駆動させてソフトスタートを実行し(ST12)、続いて、通常の縫製を行なう(ST10)。
そして、通常の縫製が終了したら、糸切り制御指令の信号を確認し(ST13)、糸切り制御指令が出されていない場合(ST13のOFF)には、ST3へ戻り、回転指令に待機する(ST3、ST4)。
また、糸切り制御指令が出されている場合(ST13のON)には、糸切りソレノイド14を駆動させて糸切り操作を行ない(ST14)、ミシン針を針上位置としてミシン1を停止させた状態でST2へ戻る。始め自動返し縫い制御およびソフトスタート制御の各種設定内容を変更する必要があれば、このST2において、設定内容を変更し、変更の必要がなければ、前述のように、このST2をスルーさせ、回転指令に待機する(ST3、ST4)。
このように、本実施形態のミシンの返し縫い制御装置においては、始め自動返し縫い制御における縫い目形成に支障を与えると判断される場合に、ソフトスタート制御を自動的に非実行とするため、始め自動返し縫い制御における返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングは、常に、縫い目補正値を加減して最適化された状態となるため、縫い目ズレやピッチの不揃いを発生させて縫い品質を劣化させることを確実に防止して、仕上がりの縫製状態を良好なものとすることができる。
また、ソフトスタート制御から始め自動返し縫い制御へ、その縫製に支障を与えない状況において自動的に切換えるため、設定忘れや戻し忘れ等により、いきなり高速にミシンモータが立上ってしまい、糸が針先から抜けてしまう等のトラブルも回避できる。
なお、前述の実施形態においては、前記ソフトスタート制御と始め自動返し縫い制御がともに有効設定されている場合に、遅い速度で縫製を行なう針数と、始め自動返し縫い制御において縫い目補正値を勘案した前記返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングとなる針数とを比較して、ソフトスタート制御の実行/非実行を判断する制御としたが、返し縫いの縫い目を揃えるという効果にのみ着目すれば、始め自動返し縫い制御の有効設定時には、ソフトスタート制御を非実行とする制御としてもよい。その場合には、前述の図に示すフローチャートにおいては、ST6乃至ST8の工程を省略した制御フローで縫製作業が制御されることとなる。
本実施形態の返し縫い制御装置が配設されるミシンの要部外観図 本実施形態の自動糸切りミシンの制御系をコントローラの内部構成と共に示すブロック図 本実施形態のミシンの返し縫い制御装置における始め自動返し縫いの制御を示すメインフローチャート 前記メインフローチャートのサブルーチンであるモード設定の制御及び設定内容を示すフローチャート 始め自動返し縫いにより形成される縫い目のイメージを示す説明図 返し縫い針数の設定入力手段の一例を示す要部説明図 ソフトスタート制御と始め自動返し縫い制御を行った場合のミシンの返し縫い制御装置における縫製動作のタイミングチャート 従来の始め自動返し縫いにより形成される縫い目のイメージを示す説明図 従来の返し縫い針数の設定入力手段の一例を示す要部説明図 従来のソフトスタート制御を行わずに始め自動返し縫い制御を行った場合のミシンの返し縫い制御装置における縫製動作のタイミングチャート
符号の説明
1 ミシン
2 作業台
3 ミシン本体
4 ミシンモータ
5 コントローラ
6 プーリ
7 ミシンプーリ
8 ベルト
10 ミシンペダル
11 ペダルセンサ
12 リンクロッド
14 糸切りソレノイド
15 押え上げソレノイド
16 ワイパーソレノイド
17 返し縫いソレノイド
18 表示器
19 設定操作パネル
20 針位置検出器
21 モータエンコーダ
22 ROM
23 RAM
24 EEPROM
25 CPU
31 ミシンモータ駆動回路
32 表示器駆動回路
33 糸切り駆動回路
34 押え上げ駆動回路
35 ワイパー駆動回路
36 返し縫い駆動回路

Claims (2)

  1. 予め設定された返し縫い針数で返し縫いソレノイドを駆動して送り歯の送り方向を正方向の送りから逆方向の送りに逆転する返し縫いを通常の縫製前に行なう始め自動返し縫い手段と、
    ミシン縫製開始時において予め設定されたソフトスタート針数の縫製を通常の縫製速度よりも遅いソフトスタート縫製速度で行なうソフトスタート手段とを有効設定可能とされ、
    前記始め自動返し縫い手段においては、正方向の運針から逆方向の運針に切換えるべく駆動が制御される前記返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングを、縫い目補正値を加減して最適化させた縫製を実行するミシンの返し縫い制御装置において、
    前記ソフトスタート手段と始め自動返し縫い手段がともに有効設定されている場合に、ソフトスタート手段を実行した場合の始め自動返し縫い手段への支障の有無を判断し、ミシンの前記ソフトスタート縫製速度中に返し縫いソレノイドを駆動するときは支障があると判断して、前記ソフトスタート手段を非実行とし、始め自動返し縫い手段のみを実行する制御手段を備えたことを特徴とするミシンの返し縫い制御装置。
  2. 前記ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数が始め自動返し縫い手段において設定された返し縫い針数以上の針数である場合、あるいは、ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数が始め自動返し縫い手段において設定された返し縫い針数よりも少ない針数である場合であっても、ソフトスタート手段において設定されたソフトスタート針数縫製終了タイミングが、始め自動返し縫い手段における前記縫い目補正値を加減した返し縫いソレノイドの駆動開始タイミングよりも遅く到来する場合には、ソフトスタート手段制御を実行した場合の始め自動返し縫い手段への支障があると判断することを特徴とする請求項1に記載のミシンの返し縫い制御装置。
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