JP2001038085A - ミシンの制御装置 - Google Patents

ミシンの制御装置

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JP2001038085A
JP2001038085A JP11215517A JP21551799A JP2001038085A JP 2001038085 A JP2001038085 A JP 2001038085A JP 11215517 A JP11215517 A JP 11215517A JP 21551799 A JP21551799 A JP 21551799A JP 2001038085 A JP2001038085 A JP 2001038085A
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sewing machine
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response time
presser foot
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Tsukasa Tauchi
司 田内
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Juki Corp
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B19/00Programme-controlled sewing machines
    • D05B19/02Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit
    • D05B19/12Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by control of operation of machine

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)
  • Control Of Multiple Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、ミシンの作業環境が変化す
る度にオペレータによって設定の変更をする必要がな
く、また、最短のサイクルタイムでミシンを稼動させる
ことができるミシンの制御装置を提供する。 【解決手段】 アクチュエータ電流検出部53によっ
て、ミシンに装着されたアクチュエータに流れる電流を
検出し、CPU40によって、検出されたアクチュエー
タ電流波形から、非駆動状態から通電開始されたときの
アクチュエータの駆動動作完了時期、または、駆動状態
から通電遮断されたときのアクチュエータの開放動作完
了時期を検出し、この動作完了時期に基づいて、アクチ
ュエータまたはこのアクチュエータの動作に続く他の電
気的駆動手段の動作タイミングを設定し、各種縫製動作
させるミシンの制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用ミシンの制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工業用ミシンにおいて、ミシン本
体にアクチュエータを装備し、糸切りや返し縫い等の縫
製動作を自動化している。
【0003】図1において、工業用ミシン100は、ミ
シン本体1、ミシンモータ2、制御ボックス3、電源ス
イッチ4、ペダル5、および操作パネル6によって概略
構成されている。
【0004】ミシン本体1は、糸切りアクチュエータ1
1、返し縫いアクチュエータ12、押え上げアクチュエ
ータ13、およびワイパーアクチュエータ14のよう
な、複数のアクチュエータ(図2参照)、針棒位置セン
サ15、およびミシン上軸角度検出手段を装備してい
る。ミシン本体1は、複数のアクチュエータによって糸
切りや返し縫い等の各種縫製動作を自動で実行する。こ
こで、上記各アクチュエータは、電磁ソレノイド、エア
ーシリンダ等(図示略)によって構成されている。
【0005】ミシンモータ2は、モータ軸の回転位置を
検出してモータ回転位置信号をCPU40に出力するモ
ータ回転位置検出部20を備えており、ミシンの針棒位
置制御および回転速度制御を実行する、例えば、インバ
ータモータやACサーボモータである。これらのモータ
は、故障が少なくメンテナンスフリーな点、寿命が長い
点、工業用ミシン100にとって快適な作業環境を提供
する点等によって、一般的に使用されている。
【0006】制御ボックス3は、マイクロコンピュータ
(図示略)を内蔵し、外部に設けられた電源からミシン
モータ2に電力を供給する。また、縫製者(以下オペレ
ータとする。)によりペダル5から入力される信号によ
って、ミシン本体1に装備された各アクチュエータを駆
動して、各種縫製動作を実行させる。
【0007】電源スイッチ4は、外部に設けられた電源
(図示略)に接続され、そのON/OFF切換動作によ
って、制御ボックス3への電源の接続または切断を実行
する。
【0008】ペダル5は、オペレータが、工業用ミシン
100を制御するために用いられる。また、ペダル5は
センサ(図示略)を備えており、このセンサによってペ
ダル5の動きが電気信号に変換され、制御ボックス3に
送られる。
【0009】操作パネル6は、オペレータによって各種
縫製パターン等の設定が行われる。また、オペレータに
よって設定された各種設定情報は、制御ボックス3に送
られる。
【0010】図2において、制御ボックス3は、フィル
タ部31、整流部32、突入電流制限部33、平滑部3
4、モータドライバ35、DC−DCコンバータ36、
モータ制御部37、電源トランス38、CPU40、R
OM41、RAM42、アクチュエータドライバ60、
およびアクチュエータ電源回路80によって構成されて
いる。
【0011】フィルタ部31は、電源スイッチ4を介し
て外部の電源から供給された電力からノイズ成分を除去
し、ノイズ成分が除去された電力を整流部32および電
源トランス38に供給する。
【0012】整流部32は、整流素子を用いたブリッジ
式全波整流回路であり、フィルタ部31から供給された
交流電流を直流電流に変換し、突入電流制限部33に供
給する。
【0013】突入電流制限部33は、例えば、抵抗によ
って構成され、電源スイッチ4をONする電源投入時
に、平滑部34に流れ込む過大電流を制限する保護回路
である。
【0014】平滑部34は、整流部32によって整流さ
れた直流電圧を、リップル電圧の小さい直流電圧に平滑
し、この平滑した直流電圧をモータドライバ35および
DC−DCコンバータ36に供給する。
【0015】モータドライバ35は、モータ制御部37
から入力されるモータの励起タイミングに従って、平滑
部34から供給される電力をミシンモータ2に供給す
る。
【0016】DC−DCコンバータ36は、平滑部34
から供給される電圧を、例えば、+5V,+12V等
の、制御電圧に変換して、CPU40および周辺機器
(図示略)に供給する。
【0017】モータ制御部37は、CPU40から入力
された制御信号を基にして「モータ励起タイミング信
号」を生成し、生成した「モータ励起タイミング信号」
をモータドライバ35に出力して、ミシンモータ2を回
転させる。
【0018】電源トランス38は、フィルタ部31から
供給される電圧を、例えば、AC20〜30V程度の、
アクチュエータ駆動用の電圧に変換して、アクチュエー
タ電源回路50に供給する。
【0019】CPU(Central Processing Unit)40
は、マイクロコンピュータであり、オペレータによる電
源スイッチ4のON動作に伴って、ROM41から縫製
動作制御プログラムを読み出してRAM42に展開す
る。また、CPU40は、操作パネル6から入力される
パターン設定等に対応した縫製動作に必要な各種データ
(縫製パターンデータ、アクチュエータの応答時間等)
をROM41から読み出してRAM42に展開する。
【0020】そして、CPU40は、ペダル5のセンサ
から入力されるペダル5の踏み量を示す電気信号や、ミ
シン本体1内の針棒位置センサ15及びミシン上軸角度
検出手段16から入力される信号等によって各種制御信
号を生成する。
【0021】さらに、CPU40は、生成した制御信号
をモータ制御部37、アクチュエータ電源回路50およ
びアクチュエータドライバ60に出力して、ミシンモー
タ2の速度や停止位置を最適なタイミングで制御し、ま
たミシン本体1に装備されたアクチュエータの駆動タイ
ミング制御を最適に行うことで、オペレータによって指
示される縫製動作を実行する。
【0022】また、CPU40は、アクチュエータ電源
回路80内の電流値比較部86(図10)から「アクチ
ュエータ故障(ショート)信号」が入力されると、アク
チュエータがショート等により故障してアクチュエータ
に流れる電流値が高くなったと判断して、アクチュエー
タの駆動を中止し、さらに、アクチュエータ電源回路5
0の出力停止等の処理を実行することによって、アクチ
ュエータ電源回路50を保護する一方、オペレータに工
業用ミシン100の異常を報知する。
【0023】ROM(Read Only Memory)41は、工業
用ミシン100の縫製動作を制御する縫製動作制御プロ
グラム、及びアクチュエータの駆動タイミング等の設定
データ、縫製パターンデータ等の縫製動作に必要な各種
データを格納している。
【0024】RAM(Random Access Memory)42は、
CPU40が上記プログラムを実行する際に、ROM4
1から読み出したプログラム及び各種データを展開する
メモリ領域を形成する。
【0025】アクチュエータドライバ60は、アクチュ
エータ電源回路80から供給された直流電圧を、CPU
40から入力される制御信号によって、ミシン本体1に
装備された糸切りアクチュエータ11、返し縫いアクチ
ュエータ12、押え上げアクチュエータ13、およびワ
イパーアクチュエータ14に電力供給する。
【0026】アクチュエータ電源回路80は、電源トラ
ンス38から供給された交流電圧を、整流平滑して直流
電源電圧に変換し、CPU40から入力される制御信号
によって、アクチュエータドライバ60に電力供給す
る。
【0027】図10において、アクチュエータ電源回路
80は、アクチュエータ電源整流部81、アクチュエー
タ電源平滑部82、アクチュエータ電源制御部83、過
電流検出部85、および電流値比較部86によって概略
構成されている。
【0028】アクチュエータ電源整流部81は、整流素
子を用いたブリッジ式全波整流回路であり、電源トラン
ス38から供給された交流電流を直流電流に変換し、変
換した直流電流をアクチュエータ電源平滑部82に供給
する。
【0029】アクチュエータ電源平滑部82は、アクチ
ュエータ電源整流部81によって整流された直流電圧
を、リップル電圧の小さい直流電圧に平滑して、アクチ
ュエータ電源制御部83に供給する。
【0030】アクチュエータ電源制御部83は、内部に
トランジスタ84を有しており、トランジスタ84のエ
ミッタは、アクチュエータ電源平滑部82に接続され、
コレクタは、各アクチュエータを介してアクチュエータ
ドライバ60内の複数のトランジスタ61,62,…,
64の各コレクタに接続されている。また、ベースに
は、CPU40から制御信号が入力される。
【0031】そして、工業用ミシン100において異常
が発生していない場合、トランジスタ84のベースに、
CPU40から入力されている「アクチュエータ電源供
給信号」が“ON”であり、アクチュエータ電源制御部
83は、電力を供給している。
【0032】過電流検出部85は、一端部が、アクチュ
エータドライバ60内の複数のトランジスタ61,6
2,…,64の各エミッタに接続され、他端部が、接地
された抵抗である。過電流検出部85は、アクチュエー
タに流れている電流を検出して、電流値比較部86に出
力する。
【0033】電流値比較部86は、過電流検出部85か
ら入力された電流値と、予め定められた所定値(図中R
ef)とを比較する。そして、過電流検出部85から入
力された電流値が所定値以上の場合は、CPU40に、
「アクチュエータ故障(ショート)信号」を出力する。
【0034】また、図10において、アクチュエータド
ライバ60は、内部に複数のトランジスタ61,62,
…,64を有しており、このトランジスタ61,62,
…,64は、ミシン本体1に装備された複数のアクチュ
エータにそれぞれ対応している。例えば、トランジスタ
61は、糸切りアクチュエータ11に対応しており、ト
ランジスタ62は、返し縫いアクチュエータ12に対応
している。
【0035】そして、各トランジスタのコレクタは各ア
クチュエータ及び逆起電力吸収部70に接続され、エミ
ッタは過電流検出部85に接続されている。また、各ト
ランジスタのベースには、CPU40から制御信号が入
力される。
【0036】そして、オペレータによって各種縫製動作
を実行する際に、CPU40からの制御信号が該当する
トランジスタのベースに入力されることによって、該当
するアクチュエータに電力が供給される。
【0037】次に、返し縫いアクチュエータ12内にあ
る返し縫いソレノイド12aの駆動について、説明す
る。
【0038】アクチュエータドライバ60内にあるトラ
ンジスタ62のベースにCPU40から入力されている
「返し縫いソレノイド動作信号」が“ON”されると、
トランジスタ62が“ON”となり、返し縫いソレノイ
ド12aに電流が供給され、返し縫いを実行する。
【0039】また、「返し縫いソレノイド動作信号」が
“OFF”されると、トランジスタ62が“OFF”と
なり、返し縫いソレノイド12aへの電流の供給が遮断
され、返し縫いを実行しない。
【0040】このように、CPU40からアクチュエー
タドライバ60内のトランジスタ62のベースに入力さ
れる「返し縫いソレノイド動作信号」のON/OFFに
よって、返し縫いアクチュエータ12の返し縫いソレノ
イド12aへの電流の供給または遮断が制御され、返し
縫いが自動で実行される。
【0041】また、返し縫いソレノイド12aに供給さ
れていた電流が遮断されると、返し縫いソレノイド12
aのインダクタンス成分によって逆起電力が発生し、こ
れがトランジスタ62の耐電圧を超える場合には、トラ
ンジスタ62の破損が考えられるため、逆起電力吸収部
70によって逆起電力を吸収して、トランジスタ62を
保護している。
【0042】図11において、(a)は返し縫いソレノ
イド12aの動作タイミングを示したタイミングチャー
トであり、(b)は返し縫いによる実際の縫い目を示す
図である。同図を参照して、従来の返し縫い機構の動作
について説明する。ここで、返し縫い機構の動作例とし
て、操作パネル6等によって設定される始め返し縫いが
一般的であるので、ここでは、始め返し縫いについて説
明する。
【0043】図11の時刻t0において、工業用ミシン
100は、縫製を開始する。それと同時に、CPU40
は、針棒位置センサ15から入力される「針棒上位置信
号」および「針棒下位置信号」、ミシン上軸角度検出手
段16から入力される「ミシン上軸角度検出信号」を監
視する。この時、トランジスタ62のベースに入力され
る「返し縫いソレノイド動作信号」は“OFF”であ
り、返し縫いソレノイド12aには電流が供給されてい
ない。
【0044】次に、時刻t1において、1針目の縫製を
開始して、時刻t2において、1針分の縫製が終了す
る。続いて、時刻t3において、3針分の縫製が終了す
る。そして、時刻t3から「ミシン上軸角度検出信号」
の“aパルス分”だけ時間が経過した時刻t4におい
て、CPU40は、「返し縫いソレノイド動作信号」を
“ON”にして、返し縫いソレノイド12aが“ON”
となる。
【0045】次に、時刻t5において、「返し縫いソレ
ノイド動作信号」が“OFF”状態での縫製が設定針分
(例では、4針分)に達すると、返し縫いでの縫製が開
始する。そして、時刻t6において、「返し縫いソレノ
イド動作信号」が“ON”状態で3針分が縫製され、こ
の時刻t6から「ミシン上軸角度検出信号」の“bパル
ス分”だけ時間が経過した時刻t7において、CPU4
0は、「返し縫いソレノイド動作信号」を“OFF”に
し、返し縫いソレノイド12aが“OFF”となる。次
に、時刻t8において、返し縫いでの縫製が設定針分
(ここでは、4針分)に達すると、通常の縫製を開始す
る。
【0046】図11に示すように、始め返し縫いは、縫
い始めから針数をカウントしながら、返し縫いソレノイ
ド12aのON/OFF切り換えを「返し縫いソレノイ
ド動作信号」により自動制御することによって、オペレ
ータの技能とは関係なく美しい縫い目にて止め縫いを実
行することができる。
【0047】ただし、上述したように「返し縫いソレノ
イド動作信号」のON/OFF切り換えのタイミング
は、返し縫いアクチュエータ12自体の機械的応答時間
や、返し縫いソレノイド12aの電気的応答時間等を考
慮したものである。縫製動作を実行すると同時に「針棒
上位置信号」「針棒下位置信号」「ミシン上軸角度検出
信号」を監視して、この応答時間を考慮した、例えば、
3針分の縫製完了(時刻t3)から“aパルス分”経過
したタイミング(時刻t4)のような、タイミングにて
返し縫いアクチュエータ12を制御して、縫い目にずれ
が生じない様にしている。
【0048】ここで、返し縫いアクチュエータ12を制
御するタイミングを補正する補正パルス数a,bは、ミ
シンの特性に合わせて出荷時に設定されていて、ROM
41に保存されており、不具合が生じた場合はオペレー
タによって設定が変更される。
【0049】次に、押え上げアクチュエータ13内にあ
る押え上げソレノイド13aの駆動について、説明す
る。
【0050】押え上げソレノイド13aの駆動回路は、
上述した返し縫いソレノイド12aと同様で、CPU4
0から「押え上げソレノイド動作信号」がアクチュエー
タドライバ60内にあるトランジスタ63のベースに入
力されると、押え上げソレノイド13aが駆動され、押
え上げアクチュエータ13が動作し、布押え(図示略)
を上昇下降させる。
【0051】通常この押え上げアクチュエータ13は次
のように制御駆動される。まず、オペレータが一連の縫
製を終了してペダル5を踏み返すとCPU40より糸切
り信号がトランジスタ61に出力され糸切りアクチュエ
ータ11が駆動され糸切りが行われる。次に、糸きりが
終了して針棒位置センサ15が針上位置を検出した時点
でミシンが停止する。この時ミシンの停止とともにCP
U40より押え上げ信号が押え上げアクチュエータ13
に出力され、オペレータが縫製終了後の布の取り出しが
容易なように布押えが自動的に上昇される。
【0052】さらにオペレータが次の縫製の為、ペダル
5を踏み込み操作すると上昇していた布押えを下降させ
るためにCPU40から押え上げ信号が押え上げアクチ
ュエータ13に出力され、布押えを下降させ、その後ミ
シンが回転し縫製が開始される。
【0053】このように、押え上げアクチュエータ13
は、ミシン糸切りによって糸切り動作を行い縫製工程が
終了すると、布押えを上昇させ縫製物を取り出しやすく
し、縫製物を取り出した後で次の縫製物をミシンにセッ
トすると、布押えを下降させ縫製を開始する。
【0054】次に、図12を参照して、従来の押え上げ
の機構の動作について説明する。先ず、時刻t1におい
て、「ミシン起動信号」が“ON”されると、「押え上
げソレノイド動作信号」がLOWレベルとなり、布押え
下降指令として出力され、押え上げソレノイド13aに
よって、布押えが下降する。
【0055】次に、時刻t1から時間cが経過した時刻
t2において、ミシンの回転が開始し縫製を開始する。
そして、時刻t3において、「ミシン起動信号」が“O
FF”となり、糸切りを実行する。
【0056】次に、時刻t4において、糸切りが完了
し、「押え上げソレノイド動作信号」がHIGHレベル
となり布押え上昇指令として出力されると、押え上げソ
レノイド13aによって、布押えが上昇する。そして、
時刻t4から時間dが経過した時刻t5において、次の
ミシン起動が可能となる。
【0057】このように、押え上げ機構にも、前述の返
し縫い機構と同様に、機械的および電気的応答時間が存
在するため、押え上げソレノイド13aに対し下降指令
が出力される時刻t1から応答時間cの間は、布押えが
完全に下降していないと判断して、CPU40は、ミシ
ンの起動を遅延させる処理を実行する。
【0058】また、押え上げソレノイド13aに対し上
昇指令が出力される時刻t4から応答時間dの間は、布
押えが完全に上昇していないと判断して、CPU40
は、次回のミシンの起動禁止、および各種縫製の設定禁
止等の処理を実行する。
【0059】これらの処理によって、布が完全に押さえ
られずにミシンが回転して、縫い不良等が発生しないよ
うにしている。
【0060】また、応答時間c,dは、ミシンの特性に
合わせて出荷時に設定されていて、ROM41に保存さ
れており、不具合が生じた場合はオペレータによって設
定が変更される。
【0061】なお、ミシンには、ミシンの種類によっ
て、布押え用アクチュエータへの通電によって布押えが
上昇し通電遮断によって布押えが下降する押え上げ機構
を備えたミシンと、布押え用アクチュエータへの通電に
よって布押えが下降し通電遮断によって布押えが上昇す
る押え上げ機構を備えたミシンがあるが、何れの場合も
上記応答時間c,dが設定されている。
【0062】また、ワイパーアクチュエータ14も同様
に、ワイパーソレノイド14aが“ON”の時には、様
々な要因が発生してもワイパーアクチュエータ14が確
実に動作するように、十分に余裕のある駆動時間にて駆
動している。
【0063】また、ワイパーソレノイド14aが“OF
F”の時には、ワイパーアクチュエータ14が動作した
後に引き続く布押えの上昇時に、ワイパーアクチュエー
タ14と押え上げアクチュエータ13が機械的に干渉し
ないように、ワイパーソレノイド14aを“OFF”し
た後、ROM41内に格納された規定の応答時間経過後
に、押え上げソレノイド13aを“ON”させる制御を
実行している。
【0064】また、糸切りアクチュエータ11内の糸切
りソレノイド11aも、同様に機械的および電気的応答
時間を考慮したタイミング制御を行っているが、説明は
省略する。
【0065】以上説明したとおり、各アクチュエータに
は、応答時間があり、この時間またはそれに相当するミ
シン上軸角度信号のパルス数等を、CPU40は、RO
M41からRAM42に展開して、各アクチュエータの
ON/OFF切り換えのタイミング制御や、ミシンの起
動遅延等を行うことで、ミシンを自動化して確実な縫製
動作やオペレータの脱技能化を図っていた。
【0066】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のミシンの制御装置は、各アクチュエータの電
気特性のばらつき、各機構の組付け具合、ミシンの縫製
環境、ミシンの付帯装置の追加に伴う機構の負荷変動等
によって応答時間が変化するため、RAM42内に記憶
された設定データで動作させても目的とする機能が果た
せないという問題があった。
【0067】上記各アクチュエータの電気特性のばらつ
きは、各アクチュエータ自体がもつ特性であり、±10
%程度のばらつきは必ず存在する。
【0068】各機構の組付け具合は、ミシン製造時の組
付け具合によって機構自体の負荷が変化することによる
もので、また、ミシンの使用状況にしたがって機構の負
荷は変化するのが一般的である。
【0069】ミシンの縫製環境は、使用温度(室温)お
よび電源電圧の変動が大きく影響する。使用温度の変動
によって、ソレノイドの抵抗成分が変化し、ソレノイド
に流れる電流値が変化するため応答時間が変化する。ま
た、電源電圧の変動によって、アクチュエータの電源電
圧が変化して、同様に応答時間が変化する。
【0070】一般に、使用温度が低い(抵抗成分が小さ
くなる)、または電圧が高い場合は、電流値が増加する
ため応答が速くなり、また、使用温度が高い(抵抗成分
が大きくなる)、または電圧が低い場合は、電流値が減
少するため応答は遅くなる。
【0071】さらに、使用温度(室温)や電源電圧の変
動による応答時間の変化は、ソレノイドに流れる電流の
立ち上がりに直接影響するため、ソレノイドを駆動(O
N)した時の方が、ソレノイドをOFFした時よりも、
大きく現れる。また、ソレノイドのOFF時には、縫製
環境の変化よりも、アクチュエータ駆動方向の反対方向
に接続されたばね等(図示略)の負荷定数による応答時
間の変化が大きい。
【0072】ミシンの付帯装置追加に伴う機構の負荷
は、ミシン出荷後各ユーザが生産性を向上させるために
各ユーザの縫製工場にて取り付けられた各付帯設備の影
響で、付帯設備を取り付けられた機構の負荷が変動する
場合がある。工業用ミシンの出荷時には取り付ける付帯
設備の仕様が未決定であることが多く、実際には付帯設
備を取り付けた後で、各種縫製作業に関する設定値の調
整を行っていた。
【0073】以上のように応答時間が変化することによ
って、各機構において次のような問題があった。
【0074】押え上げ機構において、出荷時に押え上げ
ソレノイドの応答時間cを150(msec)として出
荷しても、上記理由によって実際の使用時には200
(msec)に変動している場合は、前記説明したとお
り、布を完全に押える前にミシンが回転してしまうた
め、縫い不良が発生する。このため、応答時間の余裕分
を大きくする必要があった。また、応答時間dについて
も設定時間よりも応答時間が長くなると、布押えが上昇
しきっていないうちにミシンが起動されてしまい布を取
り出すことができないという問題があった。
【0075】これらの現象は、前述のようにソレノイド
を駆動(ON)した時が大きく現れる。即ち、応答時間
dの変動については、布押えが押え上げアクチュエータ
の通電によって下降するタイプの押え上げ機構を備える
ミシンにおいて多く発生し、応答時間Cが長くなる問題
については、逆に布押えが押え上げアクチュエータの通
電によって上昇するタイプの押え上げ機構を備えるミシ
ンにおいて多く発生する。
【0076】返し縫い機構において、補正パルス数a,
bはミシン標準状態(平均的な負荷、平均的な温度等)
にて、縫い目が合う様に調整されているため、応答時間
が変化すると縫い目が合わない等の不具合が発生する。
この不具合は、押え上げ機構のように、余裕分を大きく
して対応することができないため、オペレータがその設
定値を修正しなければならず、この修正作業に煩わしさ
があった。
【0077】以上のように、各アクチュエータや各機構
の応答時間の変化をミシンの出荷時に完全に予測するの
は難しく、実際には応答時間は多くの余裕分を加えて長
く設定して対応しているが、応答時間を長く設定すると
サイクルタイムが長くなるため、ミシンの生産性が低下
するという問題があった。また、余裕分を少なくして応
答時間を短く設定すると、様々なトラブル要因となる問
題があった。
【0078】本発明の課題は、ミシンの作業環境が変化
する度にオペレータによって設定の変更をする必要がな
く、また、最短のサイクルタイムでミシンを稼動させる
ことができるミシンの制御装置を提供することである。
【0079】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、ミシンに装着されたアクチ
ュエータを含む電気的駆動手段の動作タイミング等を制
御するミシンの制御プログラムが記憶されたプログラム
記憶手段を備えたミシンの制御装置において、前記アク
チュエータに流れる電流を検出する電流検出手段(例え
ば、図3に示すアクチュエータ電流検出部53に対応す
る。)と、非駆動状態から通電開始されたときの前記ア
クチュエータの駆動動作完了時期、または、駆動状態か
ら通電遮断されたときの前記アクチュエータの開放動作
完了時期を、前記電流検出手段から検出される電流波形
によって検出する動作完了時期検出手段(例えば、図3
に示すCPU40;図6に示すフローチャートのステッ
プS8;図8に示すフローチャートのステップS28に
対応する。)と、動作完了時期検出手段によって検出さ
れた駆動動作完了時期または、開放動作完了時期に基づ
いて、前記プログラム記憶手段に記憶されたこのアクチ
ュエータまたはこのアクチュエータの動作に続く他の電
気的駆動手段の動作タイミングを設定する設定手段(例
えば、図3に示すCPU40に対応する。)と、を備え
たことを特徴としている。
【0080】この請求項1記載の発明によれば、ミシン
に装着されたアクチュエータを含む電気的駆動手段の動
作タイミング等を制御するミシンの制御プログラムが記
憶されたプログラム記憶手段を備えたミシンの制御装置
において、電流検出手段は、アクチュエータに流れる電
流を検出し、動作完了時期検出手段は、この電流検出手
段から検出される電流波形によって、非駆動状態から通
電開始されたときのアクチュエータの駆動動作完了時
期、または、駆動状態から通電遮断されたときのアクチ
ュエータの開放動作完了時期を検出し、これに基づい
て、プログラム記憶手段に記憶手段に記憶されたアクチ
ュエータまたはこのアクチュエータの動作に続く他の電
気的駆動手段の動作タイミングを設定する。
【0081】したがって、アクチュエータの駆動または
開放動作時に検出されたアクチュエータの実際の動作完
了時期を、このアクチュエータの動作、またはこのアク
チュエータの動作に続く他の電気的駆動手段の動作の制
御に活用させることによって、最短のサイクルタイムで
ミシンを稼動させることができ、ミシンの稼働率を向上
させることができる。
【0082】請求項2記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの制御装置は、前記アクチュエータの通電開始また
は通電遮断から前記動作完了時期検出手段によって検出
された動作完了時期までの時間により前記アクチュエー
タの応答時間を計測するアクチュエータ応答時間計測手
段(例えば、図8に示すフローチャートのステップS2
9に対応する。)と、該アクチュエータ応答時間計測手
段によって計測された前記アクチュエータ応答時間を記
憶するアクチュエータ応答時間記憶手段と、該アクチュ
エータ応答時間記憶手段に記憶されている応答時間と、
前記アクチュエータ応答時間検出手段によって新たに検
出された応答時間とを比較し、その差が所定値を越える
場合には前記アクチュエータ応答時間記憶手段に記憶さ
れている値を新たに検出された値に変更する変更手段
(例えば、図3に示すCPU40;図8に示すフローチ
ャートのステップS30、ステップS31に対応す
る。)を更に備えたことを特徴としている。
【0083】この請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載のミシンの制御装置において、変更手段は、アク
チュエータ応答時間記憶手段に記憶されている応答時間
と、アクチュエータ応答時間計測手段によって新たに計
測された応答時間とを比較し、その差が所定値を越える
場合にはアクチュエータ応答時間記憶手段に記憶されて
いる値を新たに検出された値に変更する。
【0084】したがって、アクチュエータの駆動または
開放動作時に検出されたアクチュエータの応答時間を、
次回のアクチュエータの動作、またはこのアクチュエー
タの動作に続く他の電気的駆動手段の動作の制御に活用
させることによって、機構負荷変動、室温変化、および
電圧変化等のように作業環境が変化する度にオペレータ
によって設定の変更をする必要がなく、また、最短のサ
イクルタイムでミシンを稼動させることができるため、
ミシンの稼働率を向上させることができる。
【0085】請求項3記載の発明は、請求項2記載のミ
シンの制御装置において、所定の針位置を検出し、針位
置信号を出力する針位置検出手段(例えば、図2に示す
針棒位置センサ15に対応する。)と、ミシンの布送り
方向を逆転させる返し縫い機構を駆動する返し縫い用ア
クチュエータ(例えば、図3に示す返し縫いアクチュエ
ータ12に対応する。)と、止め縫いの針数を設定する
止め縫い設定部(例えば、図1に示す操作パネル6に対
応する。)と、止め縫い設定部で設定された針数となる
ように、前記針位置検出手段より出力された針位置信号
と、前記アクチュエータ応答時間記憶手段に記憶された
前記返し縫い用アクチュエータの応答時間とに基づい
て、前記返し縫い用アクチュエータの駆動、または開放
の少なくとも何れか一方のタイミングを設定し、止め縫
いを実行する自動止め縫い手段(例えば、図3に示すC
PU40に対応する。)と、を更に備えたことを特徴と
している。
【0086】この請求項3記載の発明によれば、請求項
2記載のミシンの制御装置において、針位置検出手段
は、所定の針位置を検出して、針位置信号を出力し、返
し縫い用アクチュエータは、ミシンの布送り方向を逆転
させる返し縫い機構を駆動し、止め縫い設定部は、止め
縫いの針数を設定し、自動止め縫い手段は、止め縫い設
定部で設定された針数となるように、前記針位置検出手
段より出力された針位置信号と、前記アクチュエータ応
答時間記憶手段に記憶された前記返し縫い用アクチュエ
ータの応答時間とに基づいて、前記返し縫い用アクチュ
エータの駆動、または開放の少なくとも何れか一方のタ
イミングを設定し、止め縫いを実行する。
【0087】したがって、返し縫いアクチュエータの応
答時間を、次回の返し縫いアクチュエータの動作の制御
に活用させることによって、機構負荷変動、温度変化、
および電圧変化等の環境変化に追従したタイミング補正
等の制御が可能となり、オペレータによる面倒な設定変
更を伴わずに、美しい縫い目を常に提供することができ
る。
【0088】請求項4記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの制御装置において、通電にて布押えを下降動作さ
せ、通電遮断にて布押えを上昇動作させ布押え上げ機構
を駆動する布押え用アクチュエータ(例えば、図3に示
す押え上げアクチュエータ13に対応する。)と、前記
動作完了時期検出手段によって検出された前記布押えア
クチュエータの動作完了時期に基づいて、前記布押えが
下降動作を完了した後の前記電気的駆動手段であるミシ
ン主軸モータの起動タイミングを設定するミシン主軸モ
ータ起動手段(例えば、図3に示すCPU40に対応す
る。)と、を更に備えたことを特徴とする。
【0089】この請求項4記載の発明によれば、請求項
1記載のミシンの制御装置において、布押え用アクチュ
エータは、布押えを上昇または下降動作させる布押え上
げ機構を駆動し、ミシン主軸モータ起動手段は、前記動
作完了時期検出手段によって検出された前記布押え用ア
クチュエータぼ動作完了時期に基づいて、布押えが下降
動作を完了した後の電気的駆動手段であるミシン主軸モ
ータの起動タイミングを設定する。
【0090】したがって、布押え用アクチュエータの応
答時間を、ミシン主軸モータの起動制御に活用させるこ
とによって、オペレータによる面倒な設定変更を伴わず
に、機構負荷変動、温度変化、および電圧変化等の環境
変化に追従した起動タイミングの補正等の制御が可能と
なる。また、布押えが下降動作を完了した後にミシン主
軸モータが起動するので、布を完全に押さえる前にミシ
ンが回転し縫い不良等を起こさないため、より確実な縫
製動作を実行することができる。
【0091】請求項5記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの制御装置において、通電にて布押えを上昇動作さ
せ、通電遮断にて布押えを下降動作させる布押え上げ機
構を駆動する布押え用アクチュエータと、前記布押え用
アクチュエータの通電開始から前記動作完了時期検出手
段により前記布押え用アクチュエータの駆動完了時期が
検出されるまでの間は、次のミシン起動を禁止する起動
禁止手段と(例えば、図3に示すCPU40に対応す
る。)、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の
ミシンの制御装置。
【0092】この請求項5記載の発明によれば、請求項
1記載のミシンの制御装置において、布押え用アクチュ
エータは、布押えを上昇または下降動作させる布押え上
げ機構を駆動し、起動禁止手段は、布押え用アクチュエ
ータの駆動完了時期検出までの時間内は、次のミシン起
動を禁止する。
【0093】したがって、縫製終了後において、布押え
上昇動作中に誤ってミシンペダルを踏み込んでもミシン
が起動されないため、針が布に貫通して縫製が終了した
布を取り出せなくなるという問題の発生を防ぐことがで
き、より確実な縫製が可能となる。
【0094】
【発明の実施の形態】以下、図3〜図9を参照して本発
明の実施の形態を詳細に説明する。図3〜図9は、本発
明を適用したミシンの制御装置の一実施の形態を示す図
である。
【0095】まず、構成を説明するが、本実施の形態の
工業用ミシンの要部構成は、図1および図2に示した従
来の工業用ミシン100の要部構成とほぼ同一であるた
め、その図示と説明を省略するとともに、従来の工業用
ミシンの要部と同一の符番を用いて説明する。また、従
来の工業用ミシン100との相違点は、制御ボックス3
内の、アクチュエータ電源回路50(従来の工業用ミシ
ンのアクチュエータ電源回路80に対応する。)であ
る。
【0096】図3は、アクチュエータ電源回路50の構
成を示す回路図である。同図において、アクチュエータ
電源回路50は、アクチュエータ電源整流部51、アク
チュエータ電源平滑部52、アクチュエータ電流検出部
53、アクチュエータ電源制御部54、増幅部55、お
よびA/D変換部56によって構成されている。
【0097】アクチュエータ電源整流部51は、整流素
子を用いたブリッジ式全波整流回路であり、電源トラン
ス38から供給された交流電流を直流電流に変換する。
【0098】アクチュエータ電源平滑部52は、アクチ
ュエータ電源整流部51によって整流された直流電圧
を、リップル電圧の小さい直流電圧に平滑する。
【0099】アクチュエータ電流検出部53は、アクチ
ュエータに流れる電流(以下、アクチュエータ電流とす
る。)を検出して、その電流値に比例した電圧値を示す
アナログ信号である「アクチュエータ電流検出信号」
を、増幅部55に出力する。
【0100】アクチュエータ電源制御部54は、内部に
トランジスタ54aを有しており、トランジスタ54a
のエミッタは、アクチュエータ電流検出部53に接続さ
れ、コレクタは、各アクチュエータのソレノイドを介し
てアクチュエータドライバ60内の複数のトランジスタ
61,62,…,64の各コレクタに接続されている。
また、ベースには、CPU40から制御信号が入力され
る。
【0101】そして、工業用ミシン100において異常
が発生していない場合、トランジスタ54aのベース
に、CPU40から入力されている「アクチュエータ電
源供給信号」が“ON”であり、アクチュエータ電源制
御部54は、各アクチュエータに電力を供給している。
【0102】増幅部55は、アクチュエータ電流検出部
53から入力された「アクチュエータ電流検出信号」
を、A/D変換可能なレベルまで差動増幅して、A/D
変換部56に出力する。
【0103】A/D(アナログ/デジタル)変換部56
は、増幅部55から入力された「アクチュエータ電流検
出信号」の増幅信号を、デジタル信号である「アクチュ
エータ電流検出信号(デジタル)」に変換し、この信号
をCPU40に出力する。
【0104】また、アクチュエータドライバ60につい
ては、図10において示した従来の技術と同様であるた
め、説明を省略する
【0105】図4は、アクチュエータのソレノイドを駆
動(ON)した時の、アクチュエータ電流の波形を示し
た図である。同図を参照して、アクチュエータ駆動時の
アクチュエータ電流の電流値の変化について説明する。
【0106】先ず、時刻t1において、CPU40によ
って、例えば、「押え上げソレノイド動作信号」のよう
な、アクチュエータ駆動信号が“ON”されると、ソレ
ノイドに電流が流れ始める。それと同時に、CPU40
は、A/D変換部56から入力される「アクチュエータ
電流検出信号(デジタル)」を監視する。ここで、アク
チュエータは、インダクタンス成分を含んでいるため、
電流値は徐々に増加する。
【0107】次に、時刻t2において、アクチュエータ
が動作を開始すると、ソレノイドのプランジャ鉄心(図
示略)の移動に伴って逆起電力が発生し、電流値は一時
的に減少する。ここで、CPU40は、電流値が増加か
ら減少に変化した時刻t2をポイントAとして検出す
る。
【0108】そして、時刻t3において、アクチュエー
タの動作が完了すると、電流値は再び上昇する。ここ
で、CPU40は、電流値が減少から増加に変化した時
刻t3をポイントB(駆動動作完了時期)として検出す
る。
【0109】さらに、時刻t5において、電流値がアク
チュエータの抵抗値によって制限される電流値まで増加
すると、電流値は飽和する。ここで、CPU40は、電
流値が飽和した時刻t5をポイントCとして検出する。
【0110】ここで、各ポイントの検出は、CPU40
内にある動作完了時期検出手段によって実行されてい
る。そして、この動作完了時期検出手段は、実際のアク
チュエータが非駆動状態から通電開始されたときの駆動
動作完了時期であるポイントBを検出し、この後、RA
M42に保存されている余裕分の時間α(sec)経過
後に、この動作完了タイミングに基づいてROM41に
記憶されたこのアクチュエータ、または、このアクチュ
エータの動作に続く他の電気的駆動手段の動作タイミン
グを設定する。
【0111】上述したように、ソレノイドのプランジャ
ー鉄心が移動することで発生する逆起電力によるアクチ
ュエータ電流の電流値の変化を利用することによって、
各ポイントの検出を行っている。
【0112】図5を参照して、ソレノイドのOFF時の
アクチュエータ電流の電流値の変化について説明する。
【0113】先ず、時刻t1において、CPU40によ
ってアクチュエータ駆動信号が“OFF”されると、ア
クチュエータへの電力供給が遮断される。それと同時
に、CPU40は、「アクチュエータ電流検出信号(デ
ジタル)」を監視する。また、電力供給の遮断後、アク
チュエータのインダクタンス成分によってしばらく電流
が流れ続け、逆起電力吸収部70からアクチュエータ電
流検出部53を通り還流する。
【0114】そして、電流値は徐々に減少してゆき、時
刻t2において、アクチュエータが復帰(戻り)動作を
開始すると、ソレノイドの鉄心の移動に伴い逆起電力が
発生し、電流値は一時的に増加する。ここで、CPU4
0は、電流値が減少から増加に変化した時刻t2をポイ
ントDとして検出する。
【0115】次に、時刻t3において、アクチュエータ
の復帰動作が完了すると、電流値は再び減少する。ここ
で、CPU40は、電流値が増加から減少に変化した時
刻t3をポイントE(開放動作完了時期)として検出す
る。そして、電流値はさらに減少して0となる。
【0116】ここで、各ポイントの検出は、CPU40
内にある動作完了時期検出手段によって実行されてい
る。そして、この動作完了時期検出手段は、実際のアク
チュエータが駆動状態から通電遮断されたときの開放動
作完了時期であるポイントEを検出し、この後、RAM
42に保存されている余裕分の時間β(sec)経過後
にROM41に記憶されたこのアクチュエータ、また
は、このアクチュエータの動作に続く他の電気的駆動手
段の動作タイミングを設定する。
【0117】この場合も、上記で説明したソレノイドを
ONした時と同様に、ソレノイドのプランジャー鉄心が
移動することで発生する逆起電力による電流値の変化を
利用して動作完了時期の検出を行って、その後余裕分の
時間を経過した後、アクチュエータの動作完了判定を行
っている。
【0118】また、上記のような動作完了判定は、ミシ
ンに装着されたアクチュエータの中でもストロークが大
きく、動作時間も大きい布押え用アクチュエータや、返
し縫いアクチュエータに対して行うと、これらのアクチ
ュエータは環境による応答時間の変動も大きいので、サ
イクルタイムの短縮や縫い品質の向上の上で特に効果的
である。
【0119】次に、縫製環境の変化による応答時間の変
化が大きい、ソレノイドを“ON”した時の具体例につ
いて説明する。
【0120】図6は、を参照して、押え上げソレノイド
13aを“ON”した時の、応答時間の計測処理につい
て説明する。
【0121】先ず、押え上げソレノイド13aが“O
N”される(ステップS1)。次に、CPU40は、ア
クチュエータ電流の電流値が増加しているか否かを判別
し(ステップS2)、電流値が増加している場合(ステ
ップS2;Yes)、CPU40は、電流値が予め設定
された所定値以上か否かを判別する(ステップS3)。
【0122】ここで、電流値が所定値以上の場合(ステ
ップS3;Yes)、CPU40は、押え上げアクチュ
エータ13が故障していると判断し、アクチュエータ電
源回路50に出力を停止させ(ステップS4)、処理を
終了する。また、電流値が所定値に達しない場合(ステ
ップS3;No)、ステップS2に戻る。
【0123】また、ステップS2において、アクチュエ
ータ電流の電流値が増加していない場合(ステップS
2;No)、CPU40は、ポイントAを検出し(ステ
ップS5)、アクチュエータ電流の電流値が減少してい
るか否かを判別する(ステップS6)。
【0124】ここで、アクチュエータ電流の電流値が減
少している場合(ステップS6;Yes)、ステップS
6を繰り返し実行し、また、アクチュエータ電流の電流
値が減少していない場合(ステップS6;No)、CP
U40は、ポイントBを検出する(ステップS7)。
【0125】次に、CPU40は、余裕分α(sec)
だけタイマカウントする(ステップS8)。そして、C
PU40は、アクチュエータ動作の完了判定をして(ス
テップS9)、処理を終了する。
【0126】図7(a)は、アクチュエータON時に布
押えが上昇するミシンにおいて、動作完了時期検出処理
を示すタイミングチャートである。図7(a)の時刻t
1において、オペレータのペダル踏み返し操作による糸
切り指令により「ミシン起動信号」が“OFF”となる
と、糸切りが実行開始される。そして、時刻t2におい
て、糸切りの完了によって縫製工程が終了する。次に、
時刻t3において、「押え上げソレノイド動作信号」を
“ON”して、押え上げ機構が布押えを上昇させる。
【0127】そして、時刻t4において、CPU40の
動作完了時期検出手段によって駆動動作完了時期である
ポイントBが検出される。次に、ポイントBから余裕分
の時間α(sec)が経過した時刻t5において、工程
完了となり、次回のミシンの起動が可能となる。
【0128】なお、ここでは、押え上げソレノイド13
aの駆動時においての、動作完了時期検出処理について
説明したが、他のソレノイドの駆動時においても、同様
の駆動完了時期検出処理が実施できる。
【0129】また、CPU40の動作完了時期検出手段
は、各アクチュエータ(ソレノイド)を“ON”した
時、各アクチュエータの動作完了時期をそれぞれ検出可
能であり、アクチュエータを“ON”する度に実際のア
クチュエータの動作完了時期を検出することができるた
め、各機構の負荷変動や環境変化に追従した制御が可能
となる。
【0130】また、図7(b)は、アクチュエータへの
通電時に布押えが下降するミシンにおいて、動作完了時
期検出処理を示すタイミングチャートである。
【0131】図7(b)の時刻t1において、オペレー
タが縫製物をミシンにセットし、オペレータによるペダ
ル前踏みにより「ミシン起動信号」が“ON”される
と、「押え上げソレノイド動作信号」が“ON”とな
り、押え上げ機構が布押えを下降させる。
【0132】そして、時刻t2において、CPU40の
動作完了時期検出手段によって駆動動作完了時期である
ポイントBが検出される。次に、ポイントBから余裕分
の時間α(sec)が経過した時刻t3において、ミシ
ン回転が開始となる。
【0133】図8は、返し縫いソレノイド12aを“O
N”した時の、CPU40のアクチュエータ応答時間計
測処理を示すフローチャートである。同図を参照して、
返し縫いソレノイド12aを“ON”した時の、アクチ
ュエータの応答時間の計測処理について説明する。
【0134】先ず、返し縫いソレノイド12aが“O
N”されると(ステップS21)、CPU40は、タイ
マカウントを開始する(ステップS22)。
【0135】次に、CPU40は、アクチュエータ電流
の電流値が増加しているか否かを判別し(ステップS2
3)、電流値が増加している場合(ステップS23;Y
es)、CPU40は、電流値が所定値以上か否かを判
別する(ステップS24)。
【0136】ここで、電流値が所定値以上の場合(ステ
ップS24;Yes)、CPU40は、返し縫いアクチ
ュエータ12が故障していると判断し、アクチュエータ
電源回路50に出力を停止させ(ステップS25)、処
理を終了する。また、電流値が所定値に達しない場合
(ステップS24;No)、ステップS23に戻る。
【0137】また、ステップS23において、アクチュ
エータ電流の電流値が増加していない場合(ステップS
23;No)、CPU40は、ポイントAを検出し(ス
テップS26)、アクチュエータ電流の電流値が減少し
ているか否かを判別し(ステップS27)する。
【0138】ここで、アクチュエータ電流の電流値が減
少している場合(ステップS27;Yes)、ステップ
S27を繰り返し実行し、また、アクチュエータ電流の
電流値が減少していない場合(ステップS27;N
o)、CPU40は、ポイントBを検出し(ステップS
28)、応答時間であるタイマカウントB(sec)を
確定する(ステップS29)。
【0139】次に、CPU40は、時間Bと時間Ton
との差の絶対値X(msec)が予め定められた所定値
Y(msec)より大きいか否かを判別する(ステップ
S30)。ここで、時間Tonは、前回ソレノイドをO
Nした際の応答時間、または平均的な負荷及び温度環境
である標準状態での応答時間であり、所定値Y(mse
c)と同様にRAM42内に記憶されている。
【0140】そして、時間Bと時間Tonとの差の絶対
値X(msec)が所定値Y(msec)より大きい場
合(ステップS30;Yes)は、その機構において負
荷変動や温度変動等の環境変化があったと判断して、C
PU40は、時間Tonを時間Bに書き換え、また前記
補正パルス数aをa’に書き換えて(ステップS3
1)、処理を終了する。また、時間Bと時間Tonとの
差の絶対値Xが所定値Y以下の場合(ステップS30;
No)、処理を終了する。
【0141】ここで、a’は、時間Bと時間Tonとの
差X(msec)に相当するパルス数を補正した値であ
り、B<Tonの時は、例えば、以下の式(1)によっ
てa’が求められる。 「a’=X(msec)/(ミシン速度*1回転あたりのミシン上軸角度検出 信号のパルス数)+a」…式(1)
【0142】また、B>Tonの時は、例えば、以下の
式(2)によってa’が求められる。 「a’=−X(msec)/(ミシン速度*1回転あたりのミシン上軸角度検 出信号のパルス数)+a」…式(2)
【0143】以上の制御によって、RAM42内に記憶
されている時間Tonには、実際の応答時間が記録さ
れ、また、補正パルス数aも実際の応答時間に合わせた
値が記録されて次回の制御に活用される。この様にアク
チュエータの応答時間が遅くなった場合は、パルス数が
小さくなり早めにソレノイドをONし、応答時間が早く
なった場合は、パルス数が大きくなり遅めにソレノイド
をONすることで常に止め縫いの縫い目が合うように返
し縫い機構を制御できる。
【0144】以上、環境変化に対する応答時間の変化が
大きいソレノイドをONする場合について説明した。同
様に、ソレノイドをOFFする際においても、上述した
ような処理は可能であるが、説明は省略する。
【0145】図9を参照して、返し縫いアクチュエータ
12の返し縫いソレノイド12aの動作について説明す
る。
【0146】時刻t1において、縫い始めから設定した
針数(例では、4針)の1針手前の針棒下位置信号から
ミシン上軸角度検出信号のパルス数をカウントし始め
る。そして、時刻t1からRAM42に保存された補正
パルス数aをカウントした時刻t2において、CPU4
0は、「返し縫いソレノイド動作信号」を“ON”にし
て、返し縫い機構を動作させる。
【0147】次に、時刻t3において、CPU40のア
クチュエータ応答時間計測手段によって時刻t2からポ
イントBまでの時間(応答時間B)が計測される。ここ
で、応答時間Bと時間Tonとの差の絶対値と、RAM
42内に保存されている所定値とが比較され、その差が
所定値よりも大きければ、RAM42内のTonと補正
パルス数aを書き換える。そして、時刻t4において、
返し縫い機構を動作後、設定した針数(例では、4針)
の1針手前の針棒下位置信号からミシン上軸角度検出信
号のパルス数をカウントし始める。
【0148】さらに、時刻t4からRAM42に保存さ
れた補正パルス数b分だけ時間が経過した時刻t5にお
いて、CPU40は、「返し縫いソレノイド動作信号」
を“OFF”にして、返し縫い機構を復帰(戻し)動作
させる。
【0149】以上のように、CPU40は、「アクチュ
エータ駆動信号」の“ON”からのアクチュエータ応答
時間と、RAM42内に記憶された時間Tonとの差
が、所定値よりも大きければ、機構負荷変動、室温変
化、および電圧変化等のように作業環境が変化したとし
て、RAM42内の所定値を書き換えるため、次回のア
クチュエータの動作、またはこのアクチュエータの動作
に続く他の電気的駆動手段の動作の制御に活用させるこ
とができる。さらに、作業環境が変化する度にオペレー
タによって設定の変更をする必要がなく、また、最短の
サイクルタイムでミシンを稼動させることができるた
め、ミシンの稼働率を向上させることができる。
【0150】なお、本実施の形態においては、一般的な
工業用ミシンの、押え上げ機構および返し縫い機構につ
いて説明したが、家庭用ミシンを含む種々のミシンにお
けるアクチュエータ(ソレノイド)を使用した機構に対
して適用することが可能である。
【0151】また、工業用ミシンにおいて、具体的な細
部構造においても適宜変更可能である。例えば、図3で
はアクチュエータ電流検出部53をアクチュエータ電源
平滑部52とアクチュエータ電源制御部54の間に配置
しているが、アクチュエータ電流を検出可能な場所なら
ばどこに配置しても良い。
【0152】また、前記説明では一般的なミシンを例と
したため、各アクチュエータが同時に駆動されることが
無いために、1個のアクチュエータ電流検出部53によ
って全てのアクチュエータの電流を検出しているが、各
アクチュエータ毎に電流検出部を設けることも可能であ
る。
【0153】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、アクチュ
エータの駆動または開放動作時に検出されたアクチュエ
ータの動作完了時期を、アクチュエータの動作、または
このアクチュエータの動作に続く他の電気的駆動手段の
動作の制御に活用させることによって、最短のサイクル
タイムでミシンを稼動させることができ、ミシンの稼働
率を向上させることができる。
【0154】請求項2記載の発明によれば、アクチュエ
ータの駆動または開放動作時に計測されたアクチュエー
タの応答時間を、次回のアクチュエータの動作、または
このアクチュエータの動作に続く他の電気的駆動手段の
動作の制御に活用させることによって、機構負荷変動、
室温変化、および電圧変化等のように作業環境が変化す
る度にオペレータによって設定の変更をする必要がな
く、また、最短のサイクルタイムでミシンを稼動させる
ことができるため、ミシンの稼働率を向上させることが
できる。
【0155】請求項3記載の発明によれば、返し縫いア
クチュエータの応答時間を、次回の返し縫いアクチュエ
ータの動作の制御に活用させることによって、機構負荷
変動、温度変化、および電圧変化等の環境変化に追従し
たタイミング補正等の制御が可能となり、オペレータに
よる面倒な設定変更を伴わずに、美しい縫い目を常に提
供することができる。
【0156】請求項4記載の発明によれば、布押え用ア
クチュエータの動作完了時期を、ミシン主軸モータの起
動制御に活用させることによって、オペレータによる面
倒な設定変更を伴わずに、機構負荷変動、温度変化、お
よび電圧変化等の環境変化に追従した起動タイミングの
補正等の制御が可能となる。
【0157】また、布押えが下降動作を完了した後にミ
シン主軸モータが起動するので、布を完全に押さえる前
にミシンが回転し縫い不良等を起こさないため、より確
実な縫製動作を実行することができる。
【0158】請求項5記載の発明によれば、布押えの上
昇が終了するまでは次のミシンの起動が禁止されるの
で、布押え上昇動作中に誤ってミシンペダルを踏み込ん
でもミシンが起動されないため、針が布に貫通して縫製
が終了した布を取り出せなくなるという問題の発生を防
ぐことができ、より確実な縫製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来における工業用ミシン100の要
部構成を示す外観図である。
【図2】図2は、図1に示した制御ボックス3の構成を
示した回路図である。
【図3】図3は、本実施例におけるアクチュエータ電源
回路50の構成を示す回路図である。
【図4】図4は、本実施例におけるアクチュエータのソ
レノイドを駆動(ON)した時の、アクチュエータ電流
の波形を示した図である。
【図5】図5は、本実施例におけるアクチュエータのソ
レノイドをOFFした時の、アクチュエータ電流の波形
を示した図である。
【図6】図6は、本実施例における押え上げソレノイド
13aをONした時の、CPU40の動作完了時期検出
処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本実施例における押え上げソレノイド
13aの駆動時において、動作完了時期検出処理を示す
タイミングチャートである。
【図8】図8は、返し縫いソレノイドをONした時の、
CPU40の応答遅れ時間計測処理を示すフローチャー
トである。
【図9】図9は、始め返し縫い動作において、返し縫い
ソレノイド12aの駆動の一例を示したタイミングチャ
ートである。
【図10】図10は、図2に示した従来のアクチュエー
タ電源回路80及びアクチュエータドライバ60を詳細
に示す回路図である。
【図11】図11は、従来の返し縫いソレノイド12a
の動作を示す図であり、(a)は返し縫いソレノイド1
2aの動作タイミングを示したタイミングチャートであ
り、(b)は返し縫いによる実際の縫い目を示す図であ
る。
【図12】図12は、従来の押え上げソレノイド13a
の動作タイミングを示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 工業用ミシン 1 ミシン本体 11 糸切りアクチュエータ 11a 糸切りソレノイド 12 返し縫いアクチュエータ 12a 返し縫いソレノイド 13 押え上げアクチュエータ 13a 押え上げソレノイド 14 ワイパーアクチュエータ 14a ワイパーソレノイド 15 針棒位置センサ 16 ミシン上軸角度検出手段 2 ミシンモータ 20 モータ回転位置検出部 3 制御ボックス 31 フィルター部 32 整流部 33 突入電流制限部 34 平滑部 35 モータドライバ 36 DC−DCコンバータ 37 モータ制御部 38 電源トランス 40 CPU 41 ROM 42 RAM 50 アクチュエータ電源回路 51 アクチュエータ電源整流部 52 アクチュエータ電源平滑部 53 アクチュエータ電流検出部 54 アクチュエータ電源制御部 54a トランジスタ 55 増幅部 56 A/D変換部 60 アクチュエータドライバ 61,62,63,64 トランジスタ 4 電源スイッチ 5 ペダル 6 操作パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA01 CB14 CB15 CE01 CE17 CE23 CE24 CE27 KA04 LA02 LA10 LA85 LA88 LA89 LB01 LB02 MA17 NA67 NA76 NB03 NB07 NB16 NC11 QA02 QA04 QA05 QA07 5H572 AA20 BB10 CC05 DD02 EE04 EE08 FF01 FF06 GG01 HA01 HA05 HA08 HB07 HC07 JJ03 JJ16 JJ17 JJ18 JJ26 KK05 LL22 LL33 LL50 MM02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンに装着されたアクチュエータを含む
    電気的駆動手段の動作タイミング等を制御するミシンの
    制御プログラムが記憶されたプログラム記憶手段を備え
    たミシンの制御装置において、 前記アクチュエータに流れる電流を検出する電流検出手
    段と、 非駆動状態から通電開始されたときの前記アクチュエー
    タの駆動動作完了時期、または、駆動状態から通電遮断
    されたときの前記アクチュエータの開放動作完了時期
    を、前記電流検出手段から検出される電流波形によって
    検出する動作完了時期検出手段と、 該動作完了時期検出手段によって検出された駆動動作完
    了時期、または、開放動作完了時期に基づいて、前記プ
    ログラム記憶手段に記憶されたこのアクチュエータまた
    はこのアクチュエータの動作に続く他の電気的駆動手段
    の動作タイミングを設定する設定手段と、 を備えることを特徴とするミシンの制御装置。
  2. 【請求項2】前記アクチュエータの通電開始または通電
    遮断から前記動作完了時期検出手段によって検出された
    動作完了時期までの時間により前記アクチュエータの応
    答時間を計測するアクチュエータ応答時間計測手段と、 該アクチュエータ応答時間計測手段によって計測された
    前記アクチュエータ応答時間を記憶するアクチュエータ
    応答時間記憶手段と、 該アクチュエータ応答時間記憶手段に記憶されている応
    答時間と、前記アクチュエータ応答時間検出手段によっ
    て新たに検出された応答時間とを比較し、その差が所定
    値を越える場合には前記アクチュエータ応答時間記憶手
    段に記憶されている値を新たに検出された値に変更する
    変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の
    ミシンの制御装置。
  3. 【請求項3】前記ミシンの制御装置は、 所定の針位置を検出し、針位置信号を出力する針位置検
    出手段と、 ミシンの布送り方向を逆転させる返し縫い機構を駆動す
    る返し縫い用アクチュエータと、 止め縫いの針数を設定する止め縫い設定部と、 止め縫い設定部で設定された針数となるように、前記針
    位置検出手段より出力された針位置信号と、前記アクチ
    ュエータ応答時間記憶手段に記憶された前記返し縫い用
    アクチュエータの応答時間とに基づいて、前記返し縫い
    用アクチュエータの駆動、または開放の少なくとも何れ
    か一方のタイミングを設定し、止め縫いを実行する自動
    止め縫い手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項2記載のミシンの
    制御装置。
  4. 【請求項4】前記ミシンの制御装置は、 通電にて布押えを下降動作させ、通電遮断にて布押えを
    上昇動作させる布押え上げ機構を駆動する布押え用アク
    チュエータと、 前記動作完了時期検出手段によって検出された前記布押
    え用アクチュエータの動作完了時期に基づいて、前記布
    押えが下降動作を完了した後の前記電気的駆動手段であ
    るミシン主軸モータの起動タイミングを設定するミシン
    主軸モータ起動手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの
    制御装置。
  5. 【請求項5】通電にて布押えを上昇動作させ、通電遮断
    にて布押えを下降動作させる布押え上げ機構を駆動する
    布押え用アクチュエータと、 前記布押え用アクチュエータの通電開始から前記動作完
    了時期検出手段により前記布押え用アクチュエータの駆
    動完了時期が検出されるまでの間は、次のミシン起動を
    禁止する起動禁止手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの
    制御装置。
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