JP2009234796A - セメント系成形体用補強短繊維 - Google Patents

セメント系成形体用補強短繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維の投入作業性、分散性、及びコンクリート施工のワーカビリティー等において問題が発生せず、かつ、硬化セメント系成形体の曲げ靭性を向上できるセメント系成形体用補強短繊維を提供すること。
【解決手段】ポリプロピレン樹脂を主成分とする延伸繊維であって、該繊維の断面形状が4個の突起部を有する略四角形であり、かつ該略四角形の対向する2面に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部と、該略四角形の突起部に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部とを備えていることを特徴とするセメント系成形体用補強短繊維である。
【選択図】なし

Description

本発明はセメント系成形体用の合成樹脂製補強短繊維に関するものであり、さらに詳しくは土木、建築工事用などのセメント系成形体、特にコンクリートのひび割れ発生防止、及びこれにともなうコンクリート塊片の剥落を防止するために好適なセメント系成形体用補強短繊維に関するものである。
従来、モルタル、コンクリートなどのセメント系成形体用の補強繊維として鋼繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維などが知られており、セメント系硬化体の曲げ強度の向上、曲げタフネスの付与を目的に使用されている。最近は、より高い安全性がセメント硬化体に求められ、各産地の骨材(砕石・砕砂、山砂利・山砂、陸砂利・陸砂、川砂利・川砂、海砂等)、セメントの種類(普通ポルトランドセメント、高炉セメント等)設計、各施工工事の強度設計、及びスランプ設計の仕様等が、セメント系硬化体の特に曲げタフネスへの低下影響が懸念されている。この点からも、より高い曲げタフネスが達成できる補強繊維が求められている。
補強繊維としては、錆びないこと、耐セメントアルカリ性に優れることや、また繊維素材の中で最も比重が小さく、セメント成形体への質量比混入率が最も小さくできるというコストメリット等からポリプロピレン繊維が注目され、トンネルの覆工コンクリート用として使用が増えている。
しかし、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂製の補強繊維は、セメントとの接着性が弱く、従来の繊維形態のままでは充分な補強効果が得られ難いという問題点があった。
この問題を克服する為、延伸による必要強度付与に引き続き、繊維表面に機械的な凹凸を付与することによって、セメント硬化体への定着力を向上し、引抜き時の抵抗を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、この特許文献1に記載の技術は、ギヤ或いはプレス成形ロールを使用して、連続的に機械加工が可能であり、繊維の製造工程上も簡便で、コスト的に安価に製造でき、有利ではあるが、セメントへの定着性は未だ充分なものではない。
一方、本出願人らは、セメント硬化体への定着性を向上できる補強用繊維として、セメントとの接触面積を上げる目的で、断面形状が3〜6個の突起を有する略多角形であり、かつ該突起部の先端に、該繊維の長手方向に沿って凹部或いは凸部を一対の平行な凹凸刻印ローラー等で付形したポリオレフィン短繊維を提案している(特許文献2参照)。
しかし、この繊維を用いることによって、セメントとの定着性を高めることは出来るが、この様な、突起部の先端に凹部又は凸部を有する繊維では、セメント成形体としての荷重時においては、先ず、引張応力が、最大径側である繊維の突起部先端に掛かり、その後、順次中心部に向かって掛かる。このため、引張応力が集中しやすい繊維断面の突起部分に、凹部又は凸部等、特に凸部の付形を施すことは、好ましくない。
また、フッレシュコンクリートを代表とする各種セメント系成形体への補強繊維の投入は、セメント硬化時間への配慮から短時間に開繊し、かつ均一に投入しなければならない。
しかし、この様な突起部先端を有する繊維では、前述のように繊維の破断が発生しやすいばかりでなく、セメント系フレッシュへの投入、練り混ぜ時において表面の凸凹により繊維同士が引っかかり、かつ、開繊が不充分となり、ひいてはセメント系成形体への均一分散において問題が発生する恐れがあった。
このように、従来のポリプロピレン系繊維においては、耐アルカリ性、軽量性等においての利点は有するものの、実用上満足できるセメント系成形体用補強短繊維は未だ得られていない。
特開平11-116297号公報 特開2005−220498号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、繊維の投入作業性、分散性、及びコンクリート施工のワーカビリティー等において問題が発生せず、かつ、硬化セメント系成形体の曲げ靭性を向上できるセメント系成形体用補強繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、補強繊維とセメントとの接触面積に着目し、断面形状が略四角形の対向する2面に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形した凹部と、該略四角形の突起部に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形した凹部を備えた繊維とすることにより、セメントフレッシュへの投入開繊性、分散性、セメントとの強い定着性、及び補強する上で必要な繊維の引張強度が両立できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)ポリプロピレン樹脂を主成分とする延伸繊維であって、該繊維の断面形状が4個の突起部を有する略四角形であり、かつ該略四角形の対向する2面に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部と、該略四角形の突起部に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部とを備えていることを特徴とするセメント系成形体用補強短繊維、
(2)繊度が3,000〜3,500dtexであり、辺部の凹部の深さが0.1〜0.2mm、長さが0.8〜1.2mm、かつ繊維長手方向の凹部の配置間隔が2.5〜3.5mmであって、突起部の凹部の深さが0.1〜0.2mm、長さが0.5〜0.7mm、かつ繊維長手方向の凹部の配置間隔が2.0〜3.0mmである請求項1に記載のセメント系成型体用補強短繊維、及び
(3)前記略四角形の断面が、X形である請求項1又は2記載のセメント系成形体用補強短繊維、
を提供するものである。
本発明のセメント系成形体用補強短繊維は、セメントとの接触面積を増加させつつ、繊維同士が接触して絡み合わない様に繊維表面の形態を工夫したので、セメント系フレッシュへの投入時に繊維の開繊を容易にでき、セメント系フレッシュへ繊維を均一分散ができる。
また、本発明の補強用短繊維は、4つの突起を有する略四角形の特有の断面形状の辺部と、突起部先端に、それぞれ所定の深さと所定の間隔で凹部が付形されているので、付形による繊維の引張り物性の低下を抑制しつつ、凹部によってセメントとの高い引き抜き抵抗性を有している。その結果、セメント硬化後のコンクリート成形物において、高い曲げ靭性係数が得られ、極めて優れた補強効果を発現できる。
また、ポリプロピレン樹脂製の繊維で、比重が小さいため、運搬、コンクリートに配合する場合の投入作業、及びコンクリート打設における施工性(ワーカビィリティ)に優れた補強用短繊維を提供できる。
本発明のセメント系成形体用補強単繊維(以下、単に「補強短繊維」又は「繊維」ということがある。)において、繊維樹脂としては、耐セメントアルカリ性、繊維物性、低価格性、及び補強効率等から、ポリプロピレン樹脂を主成分とするものが好適に使用される。ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレンなどのα−オレフィンとプロピレンとのブロックまたはランダム共重合体、またはこれらの混合物を使用することができる。また、ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は0.1〜20g/10分、より好ましくは0.3〜10/10分が、紡糸性と繊維物性の観点から好適である。
さらに、繊維用樹脂としてのポリプロピレン樹脂には、本願発明の効果を妨げない範囲で、他の合成樹脂や変性樹脂、酸化防止剤、耐光安定剤、造核剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、可塑剤、その他、無機・有機充填剤を適宜添加することができる。
本発明の補強短繊維において、略四角形の断面形状とは、繊維断面の各辺の頂点を結ぶ線で構成される形状が略四角形であることを意味し、X形、十字形、四角形、台形等が挙げられる。
なお、略四角形断面は、より正方形に近い方が、従来の丸形断面や扁平丸形断面を有する繊維に比べて、見掛けの繊維厚みが増すため、繊維の断面二次モーメントが向上する。このため、比較的小さな引張ヤング率の短繊維であっても、セメント配合時の粗骨材、細骨材などとの衝突による短繊維の屈曲が抑制され、補強に有効な形態で分散して繊維補強効果を発現でき、高いコンクリート物性向上効果を発揮できる。
セメントとの接触面積と前述の断面二次モーメントの観点から、特に、断面X形が好ましい。また、繊維断面がX形であると、辺部の溝数が4であり、一対のローラーにより、相対向する2つの溝に凹部を付形することができ、安定的に生産し易い。
本発明の繊維は、断面略四角形の対向する2面に繊維の長手方向に沿って付形した凹部と、該略四角形の突起部の先端側に繊維の長手方向に沿って付形した凹部とを備えている。
繊維の断面は、凹部を付形する繊維の表面加工の観点から、4個の突起を有する略四角形であることが最も好ましく、当該突起に連なり形成される辺部溝底と、突起先端に繊維の長手方向に沿ってそれぞれが、所定の間隔で付形された凹部が連続的に形成されている必要がある。好ましくは2面の溝底とこれに連なる4つの突起部先端側に形成されていることが望ましい。また辺部の凹付形と突起部の凹付形との繊維の長手方向対する位置関係は、一部で重なっていてもよいし、ずれていてもよい。セメントとの定着効果の点から、すべての凹付形の位置がずれていることがより好ましい。
本発明において2面とは、繊維断面の対向するそれぞれの辺が含まれる面であり、辺ないし辺部とは、繊維断面において隣り合う突起部(角部、頂点)間を結ぶ稜線(実在線)を意味し、溝部とは、隣り合う突起部(頂点)間を結ぶ稜線(実在線)が、隣り合う突起部間を結ぶ直線(仮想線)より、繊維断面の中心側に湾曲することによって形成される凹部分を意味し、例えば、X形の断面では、V字状または円弧状の溝状部分であって、繊維の長手方向に連続して形成される窪みを意味する。なお、辺部は、辺が含まれる面(表面)を含めた意味も有する。
本発明の補強短繊維を、より具体的に説明すると、図2(C1)及び(C2)は、断面略四角形としてX形の補強短繊維1を模式的に示すZ−Z及びZ'−Z'矢視断面図であり、4つの突起部(角部)2と、4つの辺部Sを有し、上下2つの辺部Sに菱形の凹部4、4'を、また当該凹部を付形する辺部側の対向する突起部に繊維軸長手方向に直交する楔形(略三角柱状)の凹部5、5'をそれぞれ所定ピッチで連続して形成した場合を示している。
辺部及び突起部先端に付形する凹部の形態は、硬化コンクリートでの補強性能面においては深く、大きく、シャープな凹形状で、かつ、その数は多いほど良いが、一方で、凹部の形態が、繊維の引張物性の低下と、セメント系フレッシュでの投入開繊性、分散性低下、及び流動性の低下、混練時の巻き込み空気量の増大等による施工ワーカビリティーの悪化を生じせしめるので、これらを勘案して決定しなければならない。
先ず、繊維の物性面への悪影響を最小限とし、及び開繊時の繊維同士の引っ掛かりを防ぐ為に、先ず、繊維の外径側ではない、辺部の溝底部に凹部が付形されている。繊維表面に凹部を付形することは、繊維強度を低下せしめることにはなるが、引張時に応力が集中する先端表面部側ではなく、溝底部への付形はこれを最小限に抑制することができる。また溝底という位置は空間的にへこんだ箇所であり、繊維同士の接触頻度が少なく、また凸(部)ではなく凹(部)の付形であるが故に、繊維の開繊性にほとんど悪影響を及ぼさない。
本発明では、更にセメントとの物理的定着性を向上するために、繊維の突起部先端側にも付形された凹部を有する。突起部先端は引張時の応力が集中し、また、繊維間においては直接相互に接触する部分であるため、付形(成形)形態を適切にしなければならない。
即ち、前述の溝底部と同様に凸ではなく、凹の付形であって、繊維の太さのディメンジョンに対して比較的小さな付形とし、凹部の数を増やすことが必要である。
総合的には上記辺部の溝底と、突起部先端への付形の配分バランスを考慮することによって、開繊性、セメント系フレッシュへの分散性、及び繊維物性を良好に維持した上で、セメント系硬化体との定着性を向上することができる。
そのためには、辺部の凹部の深さが0.1〜0.2mmであり、長さが0.8〜1.2mmであり、かつ長手方向の凹部の配置間隔が、2.5〜3.5mmであって、突起部先端の凹部の深さが0.1〜0.2mmであり、長さが0.5〜0.7mmであり、かつ、長手方向の凹部の配置間隔が2.0〜3.0mmであることが望ましい。
凹部の深さは、シャープな形状で深い形態が望ましいが、深さが0.2mmを超えて深いと開繊性の悪化が生じ、また、繊維強度面での損失(低下)が大きい。深さが0.1mm未満では、充分な定着性が期待できない。凹部の長手方向(繊維軸方向)の長さは、硬化体での凝集セメント粒子の大きさより大きい必要がある。しかし、特に突起部先端の付形においては上記範囲を超えて大きくなると開繊性の悪化及びセメント系フレシュ中で回転練り混ぜ時の動的刺激により、繊維の2次凝集による分散性の悪化が懸念される。付形箇所の数、即ち付形間隔xは、2.5〜3.5mmの範囲であることが好ましく、2.5mm以上であれば、付形により繊維強度が必要物性未満に低下することがなく、また、付形間隔が3.5mm以下であれば、セメント系硬化体中で必要な引き抜き抵抗が低下することがなく、高い定着力が得られる。
しかしながら、突起部先端の付形間隔yについては、良好な開繊性の維持のため繊維の太さ(幅w及び厚みt)のディメンジョンに対して付形長さl2を短く設定することが必要であり、これを受けて、溝底部への付形間隔xより短くすること(即ち数を増やすこと)によってセメント系硬化体での定着力を高く維持できる。
突起部先端への付形間隔yについては、2.0〜3.0mmの範囲であることが好ましく、2.0mm以上でであれば、付形により繊維強度が必要物性未満に低下することがなく、また、付形間隔が3.0mm以下であれば、セメント系硬化体中で必要な引き抜き抵抗が低下することがなく、高い定着力が得られる。
なお、溝底部及び突起部先端の前記付形範囲は、トンネル覆工用繊維配合コンクリートの繊維太さに適した3,300dtex前後(略四角形の1辺長が概ね0.74mm前後)に対する好適な範囲であり、これより細くなれば凹部深さを浅く、太くなれば深くするなど適宜調整すればよい。
なお、溝部に付形する凹部の形については特に限定するものではないが、繊維巾wより長さl1が幾分長い寸法を有する形状が定着力の点から望ましい。
また、図1(A)は、断面が略正方形の補強短繊維を模式的に示す斜視図であり、4つの突起部(角部)2と、4つの辺部Sを有し、上下2つの辺部Sに菱形の凹部4を、当該菱形の凹部4が付形される辺側の角部を含めて、所定ピッチで矩形状の凹部5、5′を連続して形成した場合を示している。
また、本発明の補強短繊維は、対になっているギヤローラーやエンボスローラーでの付形が、装置的に容易で、得られる補強繊維も対称に付形されるため繊維軸に対する偏より等が少ないので、好ましい。
エンボスローラーやギヤローラーによる凹部が深すぎる場合、及びその数が多すぎる場合は、セメントペーストとの定着性は向上するが、反面、繊維の引張強度が低下し、充分な補強が困難になる。また逆に浅すぎる場合及び数が少ない場合は、繊維の引張強度の低下は少ないが、セメントペーストとの定着性が低下し補強は困難となる。繊維引張強度としては、日本道路公団のトンネル施工管理要領(繊維補強覆工コンクリート編、平成15年9月)によれば、トンネル用のセメントコンクリート補強に必要な繊維強度は450N/mm2以上と規定されており、これを満足する必要があり、凹部の深さ及び配置間隔はこれらを考慮して決定される。
辺部の溝底の凹部の付形には、上下一対のヤスリ(菱)目状エンボスローラーを用いることができる。また、突起部先端側の凹部の付形には、上下一対のギヤ目状平歯車ローラーを用いることができる。各々のローラーは、繊維の太さ(繊度)に応じた適切なクリアランス(間隙)と圧力とし、これらのローラー間に繊維を挿通することによって付形が行われる。これらの凹部付形は、延伸に引き続き連続して行うことが、延伸時に付与された熱で繊維が昇温している状態で凹部の付形ができるので、効率的で経済的である。
突起部先端側の凹部の付形には、上下一対のギヤ目状平歯車ローラーを用いることができるが、上下のギヤ目状平歯車ローラーの相対的な位置を調整することによって、繊維断面の上下(表裏)における繊維長手方向における凹部の位置をずらして付形することができ、このようにすることが、繊維上下(表裏)の同一箇所に凹部を付形することにより繊維強度の低下率が増進されるという不都合を回避できるので好ましい。
本発明の突起部先端側の凹部の付形に用いられるギヤ目状平歯車ローラーは、平歯車であって、歯形が並歯、モジュールが0.75、圧力角が20°、歯数が132、歯先長さが0.5mm、ローラー直径が100.5mm、ローラー巾が160mm、円周方向のギヤピッチが2.4mm程度のものを利用できる。
一方、溝部への凹部付形において、前述のような深さ及び間隔の凹部を付形しても、繊維の強度低下が抑制される方法として、対向する溝のエンボス加工において、溝ごとにエンボス位置を繊維長さ方向において同じ位置とせず、ずらして付形することが望ましい。
これは一対のエンボスローラーのそれぞれの付形位置をずらすことによって可能である。
辺部の溝部にこの様な凹部付形をするエンボスローラーの表面形状は、公称太さ3,300dtexの繊維の場合には、円周方向に沿って直線配置した多列の凸部を彫刻したエンボスローラーであって、円周方向への凸部の間隔が1mmから5mm、ローラー巾方向の多列凸部間隔が0.7mmから0.8mm、彫刻した凸部の高さが0.5mmから1mm程度のエンボスで、凸部の先端が円形状或いは多角形状に平坦に加工され、多列の凸部先端が相互に千鳥目に配置されたエンボスローラーを使用することによって、多数本の延伸ストランド(繊維)を連続的に、当該溝部だけに凹部加工することが出来る。
すなわち、1本1本のストランドは、エンボスローラーの凸部が円周方向に直線配置されているため、繊維断面の当該溝部とエンボスローラーの凸部とが互いにカップリングして、嵌まり込み、断面溝底部のみに凹部付形が可能となる。
さらに、本発明の補強短繊維としての繊維物性に悪影響を与えない範囲で、エンボスローラーを複数、多段に配置し、同一溝あるいはその他の溝に凹部付形することも出来る。この場合、各対のエンボスローラーの凸部形状が前段のものと異なるものを使用して、1つの溝内、あるいは溝間に異なる凹部を付形して、セメントペーストとの定着性を調整することもできる。
また、補強繊維の太さを変えた場合には、エンボスローラーの横方向の多列凸部間隔及び凸部の高さを適宜調整し、例えば太い繊維の場合には横方向の多列凸部間隔を大きく、凸部高さも大きくすることによって繊維物性低下の抑制とセメントペーストとの定着性のバランスを鑑みつつ、調整することが必要であるが、辺部の溝部に凹部のエンボス付形を繊維の長手方向に所定の間隔で連続的に付形することが重要である。
なお、本発明の補強短繊維は、単層繊維だけでなく、高融点成分を芯層とし、低融点成分を鞘層とする複合繊維を使用することもできる。このような複合繊維の製造方法は、公知である。
本発明の補強短繊維の繊維自体の製造方法は、特に限定されず、種々の方法を採用することができる。通常、まず、ポリプロピレンを主成分とする樹脂を用いて、所望の断面略四角形に対応した形状のノズルから熔融紡糸し、冷却、延伸を経て、繊維の長手方向に連続した角状又はフィン状の突起部を有する断面略四角形の単層繊維又は複合繊維を製造する。次いで、前記の如く、突起部先端側にギヤ目形状の平歯車ローラーに当接して、突起部先端側に当該歯車の先端幅に対応した凹部を付形する一方、突起部間に存在する溝部に、凹部形状に対応した凸部を有するエンボスローラーを当接して、所定の辺部の溝に凹部を付形し、さらに界面活性剤の付着処理などを施し、最後に所望の長さに切断することにより製造することができる。
なお、突起部先端側の凹部付形と、辺部の溝の凹部付形との順序は、特に問わず、何れが先であってもよい。
4個の突起部を有する略四角形の単繊維を紡糸する方法としては、特に制限はなく、突起部が付設された横断面が、たとえば、X形、十字形、略四角形のノズルを用いて、ポリプロピレン樹脂をダイスから熔融押出しし、冷却固化して、先ず、連続状の未延伸繊維を得ることができる。
上記により得られた未延伸繊維は、次に、熱延伸、及び必要に応じて熱弛緩処理を施す。この熱処理によって繊維の剛性を高めて、伸びの小さいセメント補強用として好適な繊維とすることができる。熱延伸はポリプロピレン樹脂の融点以下、軟化点以上の温度下に行われる。
熱延伸法としては、熱ロール式、熱板式、赤外線照射式、熱風オーブン式、熱水式、水蒸気式などの加熱方式を採用できる。延伸操作は、1段延伸、2段延伸、多段延伸のいずれでもよい。
また、本発明の補強短繊維において、単糸繊度は、補強効果と混入作業性、分散性、溝部への凹部の付形性等の観点から、3,000〜3,500dtexが好ましい。
3,000dtex以上であれば、エンボスローラーによる溝底部への凹部の付形が可能であり、3,500未満であれば繊維のセメント混和物中での本数が減少して、セメント硬化体での補強効果が低下することがなく有効に補強効果を発現できる。
上記補強短繊維は、短繊維とするための切断前または切断後に種々の処理を施すことができる。たとえば、繊維表面を界面活性剤、分散剤、カップリング剤等で処理してもよいし、ポリオレフィン系樹脂繊維の場合またはコロナ放電処理、紫外線照射、電子線照射等により表面活性化または架橋化等の処理を行ってもよい。特に、セメント系成形体に配合する際の分散性を高める点から、界面活性剤などで表面親水化処理を行うことがコスト面でも有利であり、好ましい。
界面活性剤としては、疎水性であるポリプロピレン繊維とセメントペーストとの親和性を向上させるため、親水性の界面活性剤を使用するのが好ましい。ポリプロピレン繊維に親水性を付与することにより分散性が向上し、繊維とセメントペーストが均質に混合されることによって繊維補強効果が向上する。
親水性の界面活性剤としては、セメント水和反応に悪影響しないものであれば、特に限定なく使用することができるが、なかでもポリエチレングリコールアルキルエステル系ノニオン界面活性剤、アルキルフォスフェート系アニオン界面活性剤、多価アルコール型アマイドノニオン系界面活性剤などを好ましく使用できる。
ポリエチレングリコールアルキルエステルとしては、水分散液の安定性、繊維付着性の点から、それを構成する長鎖脂肪族アルキル基の炭素数が6〜18、好ましくは8〜16であるものが好ましい。好ましいポリエチレングリコールアルキルエステルの具体例としては、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールステアレートなどが挙げられる。
アルキルホスフェートは、平均炭素数18以下、好ましくは6〜16、より好ましくは8〜14のアルキル基を1分子中に1〜2個、好ましくは1個有するホスフェートであり、塩としてはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が挙げられる。好ましいアルキルフォスフェートの具体例としては、オクチルホスフェート、ラウリルホスフェート、ステアリルホスフェートのような高級アルコールの燐酸エステルのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの塩及びアミン塩が挙げられる。その中和は遊離水酸基の50%以上、特に完全中和物が好ましい。
多価アルコール型アマイドノニオンは、炭素数4〜18のアルキルアミンと、3〜13個の水酸基を持つポリグリセリンとの付加反応物が用いられ、好ましくは炭素数11〜17のアルキルアミンと、3〜6個の水酸基を持つポリグリセリンとの付加反応物が用いられる。
その他の好ましい界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルリン酸エステルなどが挙げられ、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、一種単独又は二種以上を混合して使用することができる。
上記界面活性剤の繊維に対する付着量は特に限定されないが、セメント配合時の泡の発生抑制の観点から、総繊維に対して、通常0.05〜2質量%の範囲で用いられる。繊維に対する付着量が、総繊維に対して0.05質量%未満ではポリオレフィン繊維に親水性が十分付与されないおそれがあり、また、2質量%を超えても親水性は頭打ちになり、かえって繊維混練時のフッレシュコンクリートを代表とする各種セメント系成形体中に気泡が発生し、セメント系成形体の圧縮強度、曲げ強度などの物性値を低下させるおそれがあるので好ましくない。0.5%以上の付着においてはセメント系のフレッシュ性状(空気量)に影響するため、繊維配合時に公知の空気調整剤で調整することが必要である。
ポリオレフィン繊維に表面処理剤を付着させる方法としては、特に限定はなく、浸漬法、スプレー法、コーティング法のいずれの方法も採用することができる。繊維に表面処理剤を付与した後、必要に応じて、絞りロールなどを用いて繊維集合体の内部にまで浸透させることができる。
こうして得られた補強用合成繊維は、所定長さにカットされ、セメント補強用の短繊維として使用される。セメント系成形体のひび割れにくさ(靭性)を向上する観点からは、短繊維の太さ(繊維径D)はより細く、長さ(繊維長L)はより長いもの、すなわち、短繊維のアスペクト比(L/D)がより大きいものほど好ましいが、本発明の補強用短繊維は、従来品に比べて、アスペクト比が小さくても、すなわち短繊維径が同じであれば繊維長が短くても補強効果が大きいという特徴がある。
本発明の補強用短繊維は、短繊維の繊維長(見かけ長さ)が10〜80mm、好ましくは15〜70mm、さらに好ましくは20〜60mmである。繊維長が10mm以上であれば、セメントからの抜けが生じ難く、80mm以内であれば、分散性が不良となることがない。
次に、本発明の補強用短繊維は、強化繊維材として、セメント、細骨材、粗骨材、水及び適量のコンクリート混和剤、又はセメント、細骨材、水及び適量のモルタル混和剤に配合して用いられ、コンクリート、モルタル等のセメント系成形体とすることができる。ここで、セメントとしては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント等の水硬性セメント又は石膏、石灰等の気硬性セメント等のセメント類を使用することができる。細骨材としては、川砂、海砂、山砂、珪砂、ガラス砂、鉄砂、灰砂、その他人工砂などが挙げられ、粗骨材としては、礫(レキ)、砂利、砕石、スラグ、各種人工軽量骨材などが挙げられる。混和剤としては、空気連行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤、撥水剤、膨張剤などを混合使用することができる。
セメントに対する補強用短繊維の配合量は、セメント系成形体の体積に対して、通常、0.05〜2容積%である。セメント配合時の繊維の均一分散性、配合セメントの流動性、施工性、セメント系成形体の物性向上効果の点から、補強用短繊維の配合量は、好ましくは0.1〜1.5容積%、さらに好ましくは0.3〜1容積%の範囲である。
本発明の補強用短繊維は、セメント系成形体の製造に用いる場合、補強短繊維をセメント系粉体、セメント系フラッシュ又はスラリー中に分散してセメント系混合物とし、これを湿式抄造成形法、押出成形または注型成形法によって所定形状に成形した後、自然養生、蒸気養生、オートクレーブ養生などによって、各種のセメント系成形体を製造することができる。
より具体的には、セメント、細骨材、粗骨材、水等よりなるコンクリート混合物をベースコンクリートとし、このベースコンクリートを混練後に、続けて補強用短繊維を投入し混練を行なうことが好ましい。混練時間は1回当たりの混合量により異なるが、一般的には、ベースコンクリートの混練は45〜90秒、補強用短繊維を投入後の混練についても45〜90秒の範囲が適当である。
このようにして得られたセメント系成形体は、特に、土木、建築工事用のコンクリート成形体として好適である。たとえば、コンクリート道路舗装分野では、繊維補強による曲げ強度向上のため鉄筋量の減少が可能となり、かつコンクリート板の厚さの減少させることができ、工期の短縮、原材料の節減などに有効である。さらにトンネルの内壁の吹き付け工法に採用すると、繊維が柔軟で弾性があること、親水性が高く軽いことから、吹き付け時の骨材や繊維のハネ返りも少なく、コンクリートの落下も少なく、収率安全面で有効である。
コンクリート製品としては、型枠成型による矢板、中空円筒形製品のコンクリートパルプ、パイル、ポール等にも用いることができる。道路用コンクリートとしては、歩道用コンクリート平板、鉄筋コンクリートU形、コンクリートガードレール等に用いることができる。その他、左官用モルタル、建築関係部材として外装材料や屋根材、内装材として壁材、レリーフ、床材、天井材等に利用することもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1及び実施例2
孔数が22個、孔形がX型のノズルを備えた1軸溶融押出し機を使用し、MFR=2g/10分のアイソタクチックポリプロピレン樹脂(WF464N;住友化学株式会社製)を、240℃で溶融押出しし、押出された樹脂を冷却水槽中に導いて、冷却固化させながら5本の平行ローラーを備えた第一延伸機で、定速で引き取り、この繊維ストランドをそのまま連続して、92℃の温水加熱延伸槽に導き、第二延伸ローラーで7.2倍延伸した。更にこれに連続して129℃の蒸気加熱延伸槽に導いて、第三延伸ローラーで1.71倍延伸し、合計12.3倍の2段延伸を行った。
続けて、この延伸ストランドを下記の上下一対のギヤ目形状の付形ローラー(第1付形ローラー)と、上下一対のヤスリ目形状の付形ローラー(第2付形ローラー)の順に導いて、突起部先端とX形断面の辺部中央溝底に、ストランド方向に沿って、それぞれ連続的に、凹部を付形した。
なお、突起部への凹部付形のための付形ローラーの形状と付形条件は、下記の通りである。
・第1付形ローラー:平歯車、歯形:並歯、モジュール0.75、圧力角20°、歯数132、歯先長さ0.5mm、ローラー直径100.5mm、ローラー巾160mm、円周方向のギヤピッチ2.4mm。
上記の第1付形ローラーを用い、上下歯車の最短先端クリアランスを0.46mmに調整し、先端速度をストランドの速度と同速度で順回転させ、X断面の上下左右4つ突起先端部に凹形状を付形した。
また、辺部への凹部付形のための第2付形ローラーの形状と付形条件は、下記の通りである。
・第2付形ローラー:エンボスローラー、先端形状:短対角線長0.35mm×長対角線長0.625mmの菱形状で、円周方向の凸部間隔が2.93mm、ローラー巾方向の凸部間隔が1.33mm、凸部の高さが0.9mm、ローラー直径101mm、ローラー巾160mm。
上記の第2付形ローラーを用い、上下ローラーのエンボスの凸部の最短先端クリアランスを0.16mmに調整し、表面速度をストランドの速度と同速度で順回転させ、X断面の上下2辺の中央溝底に凹部を付形した。
付形の後、連続して、水で希釈したアルキルフォスフェートアミン塩系界面活性剤(竹本油脂製)をスプレーにて約0.07〜0.13質量%になるようにストランドに付着させ、ファン型カッターで40mmにカットしたもの(実施例1)、及び48mm定長にカットしたもの(実施例2)をポリプロピレン製短繊維として製造した。
この実施例1及び実施例2のポリプロピレン製短繊維の形状はX形断面で、模式的に図1(B)の斜視図に示す様な形態であり、対向する2辺の中央溝底部に凹部4、4'が、当該中央溝底部に連なる4つの突起先端部に凹部5、5'が付形されており、凹部の寸法等は図2(A)において、辺部の凹部深さは0.14mm、長さl1は1.0mm、繊維長さ方向の間隔xは2.6mmであった。一方、突起先端側の凹部深さは0.14mm、長さl2は0.6mm、繊維長さ方向の間隔yは2.1mmであった。
また、物性は、繊度3,260dtex、引張強度521N/mm2であった。(繊維物性:表1参照)
比較例1
延伸ストランドの付形ローラーを、実施例とは異なる下記の上下一対のギヤ目形状の付形ローラー(第1付形ローラー)のみとし、下記の付形条件として、ファン型カッターの定長カット長を40mmのみとした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン短繊維を製造した。
・第1付形ローラー:平歯車、歯形:並歯、モジュール1.0、圧力角20°、歯数100、歯先長さ0.9mm、ローラー直径102mm、ローラー巾160mm、円周方向のギヤピッチ3.1mm。
上記第1付形ローラーを用いて、上下歯の最短先端クリアランスを0.42mmに調整し、先端速度をストランドの速度と同速度で順回転させ、X断面の対向する上下辺に連なる左右に存在する合計4つ突起先端部に凹形状を付形した。
このポリプロピレン製短繊維の形状はX形断面で、4つの突起先端部のみに凹部が付形されており、各凹部は、略三角柱状で、凹部の最大深さは0.16mm、長さは1.1mm、繊維長さ方向の間隔は2.9mmであった。また物性は、繊度3,300dtex、引張強度482N/mm2であった。これらの結果をまとめて表1に示す。(繊維物性:表1参照)
比較例2及び比較例3
延伸ストランドの付形ローラーを、上下一対のヤスリ目形状の付形ローラー(第2付形ローラー)のみとした他は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン短繊維を製造した。
実施例1及び実施例2と同様にファン型カッターで40mmにカットしたもの(比較例2)、及び48mmにカットしたもの(比較例3)をポリプロピレン製短繊維として製造した。
このポリプロピレン製短繊維の形状はX形断面で、凹部は対向する2辺の中央溝底部のみに付形されており、辺部の凹部深さは0.15mm、長さは1.0mm、繊維長さ方向の間隔は2.9mmであった。
また、物性は、繊度3,340dtex、引張強度531N/mm2であった。これらの結果をまとめて表1に示す。(繊維物性:表1参照)
前記の繊維物性を含めた繊維物性試験方法を以下に記す。
〔繊維物性試験方法〕
(1)繊度、引張強度:JIS L 1013に準じる。
(2)付形凹部の深さ測定
i)突起先端部の凹部深さ測定:突起先端部の凹部深さとは、短繊維の上下それぞれの付形面の突起先端部において、隣接する未付形部間に接線を引いた時、この接線からこの間に存在する凹成形部の最も深い位置への垂線長さを言う。
即ち、測定方法は繊維上下付形面の横方向から写真撮影し、市販のパソコン画像距離測定ソフトを使い、或いは撮影写真を拡大プリントし、標準尺を測定基準として、ペーパー上で垂線長さを測定した。
ii)辺部溝底部の凹部深さ測定:辺部溝底部の凹部深さとは、溝底未付形部の上端から付形部の下端までの距離のことであり、上記と同様に短繊維の上下それぞれ付形面の隣接する隣接する未付形部間に接線を引いた時、この接線からこの間に存在する凹付形部の最も深い位置への垂線長さを言う。
測定方法は、表面粗さ測定器(東京精密(株)製:Surfcom E−MD−S138A型)を
使用し、検知針を繊維方向範囲6mm〜8mmを走査することによって凹部深さを測定した。
(1)、(2)ともに無作為に採取したカット繊維50本の100箇所以上の凹部深さを測定し、その平均値を凹部深さとした。
(3)凹部の長さ測定
凹部の長さとは、付形ローラーによって押印された凹部の繊維長さ方向の長さを言う。
測定方法は、繊維上下付形面を写真撮影し、市販のパソコン画像距離測定ソフトを使い、或いは撮影写真を拡大プリントし、標準尺を測定基準とし、ペーパー上で凹部長さを測定した。
(4)凹部の間隔測定
カット繊維長あたりの凹部数をカウントし、繊維長/凹部数で算出した。これをカット繊維100本で同様に測定し、その平均値を凹部間隔とした。
(5)繊維長
カット繊維100本の繊維長をノギスで測定し、その平均値を繊維長とした。
次に、実施例1、2及び比較例1〜3の繊維を用いて、セメントとの定着性を表す尺度として埋設繊維の引抜き試験(引抜き抵抗値測定)、及び繊維配合コンクリートの圧縮試験、曲げ試験(曲げ強度、曲げ靭性係数測定)を行った。
〔繊維の引抜き抵抗〕
セメントモルタルに繊維1本を約15mm埋設し、7日間常温で気中養生後、テンシロンにて2mm/分の速度で繊維をセメントから引抜き、その際の応力(引抜き抵抗値)の最大値を測定した。
セメントモルタルは、早強セメントモルタル(トーヨーマテラン(株)製:早強ポルトランドセメント及びシリカサンドプレ配合品)を使用し、水配合量=水214(cc)/早強セメントモルタル1(kg)の比率で練り混ぜしたものを使用した。
繊維の凹部付形の違いによる引抜き抵抗値を比較する上で、各繊維測定サンプルの実測埋設長を測定し、これを15mmあたりの埋設長さに比例換算し、引抜き抵抗値とした。結果を表1に示す。
〔繊維配合コンクルートの圧縮、曲げ物性試験〕
(1)コンクリート物性試験供試体の製造
50L強制2軸型ミキサーを使用し、全量35Lになるように、セメント350kg/m3、細骨材873kg/m3、粗骨材900kg/m3、水175kg/m3、高性能AE減水剤2.8kg/m3の配合比率で予め90秒間練り混ぜた。次いで実施例1、2及び比較例1〜3の繊維をそれぞれ2.73kg/m3の配合比率で添加し、45秒間更に練り混ぜた。
得られたフレッシュコンクリートを使用し、JSCE−F552−1983(鋼繊維補強コンクリートの強度及びタフネス試験用供試体の作り方)に従い、圧縮及び曲げ試験用の供試体を作製した。
なお供試体は常温型枠養生を24時間行った後、脱型し、その後材齢28日まで水中養生したものを供試体とした。
使用した材料:
・セメント:普通ポルトラントセメント(比重:3.16、太平洋セメント製)
・細骨材:
S1:陸砂(表乾密度:2.60g/cm3、粗粒率:2.40)、神栖産
S2:砕砂(表乾密度:2.70g/cm3,粗粒率:3.10)、佐野(唐沢鉱山)産
S1とS2を7対3の重量比率で混ぜて使用した。
・粗骨材:砕石(表乾密度:2.67g/cm3、最大粒度25mm)、石岡(石岡市染谷)産
・水:市水
・高性能AE減水剤:レオビルドSP8SV X2.5(BASFポゾリス社製)
〔コンクリート破壊面の繊維状態観察〕
曲げ物性試験を実施した後、供試体を割れ面で完全に分離し、破壊面の繊維の引き抜け状態、切断状態を目視観察した。両破壊面に目視確認できる繊維本数を、引き抜きによる本数と切断による本数とに区別し、全本数をカウントし、それぞれの占有率(引き抜け率、切断率)を100分率(%)で算出した。結果を表1に示す。
〔コンクリート物性試験方法〕
・曲げ強度、曲げ靭性試験:JHS 730−2002(繊維補強覆工コンクリートの曲げ靭性試験方法)に従う。
・圧縮強度:JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に従う。
・スランプ試験:JIS A 1118(コンクリートのスランプ、空気量試験)に従う。
・空気量試験:JIS A 1118(コンクリートのスランプ、空気量試験)に従う。
投入作業性・分散性
(1)繊維の開繊性試験
アジテータ車への繊維投入機の投入ホッパーに設置した繊維開繊用格子(外寸法:490mm×700mm;格子角目間隔:75mm一定、格子素材:φ2.5SUS棒)を使用し、人が手動で、繊維3kgを通過させる時間を測定した。
・実施例1の繊維(繊維長40mm):40、37、42、44、35秒(平均:40秒)
・実施例2の繊維(繊維長48mm):55、65、62、54、60秒(平均:59秒)
・比較例1の繊維(繊維長40mm):57、46、51、48、51秒(平均:51秒)
・比較例2の繊維(繊維長40mm):43、37、40、38、41秒(平均:40秒)
・比較例3の繊維(繊維長48mm):65、64、59、58、60秒(平均:61秒)
通常、繊維の表面に付形すると繊維間の拘束性が増大し、開繊性は低下するが、本件発明の実施例の繊維は、同一繊維長での比較において、比較例の繊維に対して開繊性が悪化することはなく、良好な開繊性を維持している。従って実施例の繊維は、繊維塊を容易に開繊(バラバラに)することができ、実施工時における繊維投入の所要時間によるセメントフレッシュ硬化を最小限に抑制することが出来、かつ、セメントフレッシュ中での繊維分散を良好に維持することができる。従って、コンクリート打設におけるワーカビリティーの向上に寄与できる。
(2)繊維のコンクリート分散性試験
フレッシュコンクリート4.5m3を積載したアジテータ車に、ミキサードラム高速回転の状態で実施例の繊維、及び比較例の繊維をそれぞれ12.3kg(0.3vol%相当)を、上記φ75mm開繊格子を備えた投入機を使用して、約3分(繊維長40mmの実施例1、及び比較例2繊維)、約3.5分(繊維長40mmの比較例1繊維)、4.4分(繊維長48mmの実施例2、比較例3の繊維)で投入し、そのまま2分間混練を継続した。この繊維混入フレッシュコンクリートをアジテータ車から排出させ、コンクリートの出し始め、中間、最後のそれぞれについて繊維の練り混ぜ分散状態を、シャベルを使って目視で観察した。
実施例の繊維、比較例の繊維に遜色はなく、いずれの分散性も良好であった。
以上の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2009234796
表1から明らかな通り、本発明の実施例1の補強用短繊維は比較例1、及び2の繊維より、引抜き抵抗値が約1.2〜1.7倍大きく、その結果、コンクリート供試体の曲げ靭性係数も増大した。
特に、実施例2の繊維長48mmを使用した供試体破壊面の繊維は、切断率55%で、半数以上が切断しており、セメントとの定着性に極めて優れていた。
また曲げ靭性試験における靭性カーブにおいても、実施例2の繊維を使用したコンクリート供試体の応力挙動は、図5に示すように、曲げたわみ量の増大にともなって小幅の応力低下と回復を繰り返すものであり、緊張状態にある載荷下面方向の位置に存在する繊維の一部が破断したものと解釈できる。なお、比較例2及び3の繊維によるものも、設計基準の曲げ耐力(4.1kN)、管理曲げ靭性係数(1.40N/mm2)を上回っているが、応力挙動の図6及び図7から分かるように、実施例と比較して、繊維長が同じものの比較で、それぞれ実施例が比較例の荷重を上回っていた。
この結果は、実施例2の繊維に施された付形によるセメント定着性が破壊面に存在する繊維の引張強力を上回っていたことを示すものであり、セメントとの定着性に極めて優れていることを表している。
また、本発明の実施例の補強短繊維は、アジテータ車への繊維投入作業性及びコンクリート中での分散性においても問題なく、優れていた。
表1から明らかな通り、本発明の実施例1の補強用短繊維は比較例1の繊維より、引張強度が高く、引抜き抵抗値が約1.7倍も大きく、セメントペーストとの定着性に極めて優れていた。
また、本発明の実施例1の補強短繊維は、アジテータ車への繊維投入作業性及びコンクリート中での分散性にも比較例の補強短繊維よりも優れていた。
そして、実施例の繊維を使用したコンクリート成形物は、比較例の繊維を使用したコンクリートより曲げ靭性係数が大きく、補強効果において優れていた。
本発明のセメント系成形体用補強短繊維は、コンクリートに配合する場合の投入作業、施工性に優れ、高い繊維補強効果を有しているので、トンネル覆工、道路床盤、高架橋等の各種土木用途、建築用途のセメント成形体用補強短繊維として有効に利用できる。
(A)略正方形断面、(B)略X形断面の本発明のセメント系成形体用補強短繊維の斜視模式図である。 本発明のセメント系成形体用補強短繊維の一実施形態(X形断面)の模式図である。(A)平面模式図、(B1)、(B2)、(B3)Y−Y矢視断面図(形態例)、(C1)Z−Z矢視側面図(付形部)、(C2)Z'−Z’矢視側面図(未付形部) 実施例1で得られた本発明のセメント系成形体用補強短繊維の平面写真及び側面写真である。 本発明の実施例1(繊維長40mm)のセメント系成形体用補強短繊維を用いたコンクリートの曲げ靭性試験の荷重−たわみ曲線である。 本発明の実施例2(繊維長48mm)のセメント系成形体用補強短繊維を用いたコンクリートの曲げ靭性試験の荷重−たわみ曲線である。 本発明の比較例2(繊維長40mm)のセメント系成形体用補強短繊維を用いたコンクリートの曲げ靭性試験の荷重−たわみ曲線である。 本発明の比較例3(繊維長48mm)のセメント系成形体用補強短繊維を用いたコンクリートの曲げ靭性試験の荷重−たわみ曲線である。
符号の説明
1 補強用短繊維
2 突起部
S 辺部
3 溝部
4、4' 辺部に付形された凹部
5,5' 突起部の先端に付形された凹部

Claims (3)

  1. ポリプロピレン樹脂を主成分とする延伸繊維であって、該繊維の断面形状が4個の突起部を有する略四角形であり、かつ該略四角形の対向する2面に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部と、該略四角形の突起部に繊維の長手方向に沿って所定の間隔で付形された凹部とを備えていることを特徴とするセメント系成形体用補強短繊維。
  2. 繊度が3,000〜3,500dtexであり、辺部の凹部の深さが0.1〜0.2mm、長さが0.8〜1.2mm、かつ繊維長手方向の凹部の配置間隔が2.5〜3.5mmであって、突起部の凹部の深さが0.1〜0.2mm、長さが0.5〜0.7mm、かつ繊維長手方向の凹部の配置間隔が2.0〜3.0mmである請求項1に記載のセメント系成形体用補強短繊維。
  3. 前記略四角形の断面が、X形である請求項1又は2記載のセメント系成形体用補強短繊維。
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