JP2009231736A - バックグラインドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程において、該半導体ウェハに反りが生じにくい優れた寸法安定性を有するバッググラインド用基体フィルム及びバッググラインドフィルムを提供する。
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物30〜60重量%及びポリプロピレン系樹脂40〜70重量%を含むバックグラインド用基体フィルム、並びにその製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウェハの裏面研削(以下、「バックグラインド」という)する際に、該半導体ウェハに貼着して使用されるフィルムに関する。
半導体を製造する場合には、半導体ウェハの表面にイオン注入、エッチング等で回路を形成した後、ウェハを所定の厚さにするためにウェハの回路形成面とは反対の面をグラインダー等で研削するバックグラインド工程を経るのが一般的である。
この半導体ウェハのバックグラインド時に、半導体ウェハの破損を防止し、研削加工を容易にするため、半導体ウェハの回路形成面(表面)に裏面研削用表面保護フィルム(バッググラインドフィルム)を貼着して保護する方法がとられている。
バッググラインドフィルムはバックグラインド時の摩擦熱により加熱され、バックグラインド終了後は常温まで冷却される。従来用いられているバッググラインドフィルムは、バックグラインド終了後の冷却過程で収縮するため半導体ウェハ側に反りが発生することが知られている。
近年、半導体ウェハの超薄型化(50μm以下)の進行により、バッググラインドフィルムの反りに追随して貼着された半導体ウェハにも反りが発生しやすくなり、ひいては半導体ウェハチップに欠けが発生するという問題が生じている(例えば、図1)。
そのため、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程で反りが生じにくい寸法安定性に優れるバッググラインドフィルムが望まれてきている。
かかるウェハの反りの問題を解決するべく、特許文献1には、粘着剤層上にEVAフィルムをラミネートし、さらに粘着剤及びPETフィルムをラミネートして得られる半導体ウェハ加工用保護シートが提案されている(実施例1等)。
また、特許文献2には、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系共重合体からなる基材フィルムの方表面に粘着剤を塗布した半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムが提案されている(請求の範囲、実施例1等)。
また、特許文献3には、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種を含むエラストマーからなるバックグラインドテープが記載されている。
特開2006−128292号公報 特開2006−261482号公報 特開2005−191296号公報
本発明は、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程において、該半導体ウェハに反りが生じにくい優れた寸法安定性を有するバッググラインド用基体フィルム及びバックグラインドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂(PP)を含むバックグラインド用基体フィルムが、バックグラインド工程において寸法安定性に優れることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のバックグラインド用基体フィルム及びその製造方法を提供する。
項1. ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含むバックグラインド用基体フィルム。
項2. ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物30〜60重量%及びポリプロピレン系樹脂40〜70重量%を含む項1に記載のバックグラインド用基体フィルム。
項3. 厚みが50〜300μmである項1又は2に記載のバックグラインド用基体フィルム。
項4. 項1〜3のいずれかに記載のバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
項5. 項4に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウェハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウェハの裏面を研削し、半導体ウェハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウェハのバックグラインド方法。
項6. バックグラインド用基体フィルムの製造方法であって、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含む樹脂を押出成形することを特徴とする製造方法。
本発明のバッググラインド用基体フィルムは、薄型半導体ウェハのバックグラインド工程において、該半導体ウェハに反りが生じにくく寸法安定性に優れている。また、基体フィルム巻き取り時におけるブロッキングを効果的に抑制することができる。
I.バックグラインドフィルム
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする。かかる特徴を有していれば単層であっても2層以上の多層構造を有していてもよい。
このバックグラインド用基体フィルムは、バックグラインド工程において発生する熱に対し高い寸法安定性を有し、半導体ウェハの反りを抑制することができる。しかも、該基体フィルムをロール状に巻き取った場合でもブロッキングの発生を抑えることができる。
ここで、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物とは、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン炭化水素との共重合体を水素添加した化合物である。該化合物は市販されているか、或いは公知の方法により容易に製造ですることができる。ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体は、ランダム、ブロックのいずれでもよいが、好ましくはブロックである。
ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。特にスチレンが好適である。
共役ジエン炭化水素とは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。特にブタジエンが好適である。
ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族炭化水素単位の含有量は、通常5〜40重量%、好ましくは5〜15重量%であり、また、共役ジエン炭化水素単位の含有量は、通常60〜95重量%、好ましくは85〜95重量%である。スチレン系単量体単位の含有量は、紫外分光光度計又は核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、ジエン系単量体単位の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。水素を添加するのは、水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体がプロピレンとの相溶性が良く且つブタジエン中の二重結合の存在により起こる酸化劣化等に起因してもろくなるのを防止するためである。
ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物の硬度(JIS K6253 デュロメータータイプA)は40〜90程度、好ましくは、55〜85程度である。その比重(ASTM D297)は0.85〜1.0程度であり、MFR(ASTM D1238:230℃、21.2N)は2〜6g/10min程度である。
ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物の重量平均分子量(Mw)は、例えば、10万〜50万程度、好ましくは15万〜30万程度であればよい。重量平均分子量は、市販の標準ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定できる。
使用するビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物は、共役ジエン炭化水素に由来の二重結合を、公知の方法により水素添加(例えば、ニッケル触媒等)して飽和にしておくのがよい。これにより、耐熱性、耐薬品性、耐久性等に優れたより安定な樹脂になるからである。そのビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物の水添率は、共重合体中の共役ジエン炭化水素に基づく二重結合の85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。この水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定できる。
用いられるポリプロピレン系樹脂は結晶性のものが好ましい。結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量のα−オレフィン及び/又はエチレンとのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。前記ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合には、ランダム共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に合計で10重量%以下、好ましくは0.5〜7重量%であり、ブロック共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に1〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。これらのポリプロピレン系重合体は、2種以上の重合体を混合したものであってもよい。ポリプロピレンの結晶性の指標としては例えば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、融点は120℃〜176℃、結晶融解熱量は60J/g〜120J/gの範囲にあることが好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合法、バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み合わせて多段重合を採用することができ、また、重合体の数平均分子量についても特に制限はないが、好ましくは10,000〜1,000,000に調整される。
この結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)が、0.5〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分の範囲のものがよい。
本発明のバックグラインド用基体フィルムの典型例として、次の単層バックグラインド用基体フィルムが例示されるが、これに限定されない。
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする。用いられるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂は、いずれも上記したものから選択することができる。
ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物の割合は、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物とポリプロピレン系樹脂をあわせた樹脂組成物の重量に対し、一般に30〜60重量%、好ましくは35〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%である。また、ポリプロピレン系樹脂の割合は、該樹脂組成物の重量に対し、一般に40〜70重量%、好ましくは45〜65重量%、より好ましくは50〜60重量%である。かかる範囲であると、バックグラインド時に発生する反りを抑制することができ、フィルム巻き取り時のブロッキングが効果的に抑制されるため好適である。つまり、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物が60重量%を越えるとブロッキングしやすくなり、30重量%未満ではポリプロピレン系樹脂の含有量が多くなるため反りが発生しやすくなる。
本発明における単層バックグラインド用基体フィルムの厚みは、容易にロ−ル状に巻くことができる程度であれば良い。たとえば50〜300μm程度であり、好ましくは60〜250μm程度、より好ましくは70〜200μmである。
II.バックグラインド用基体フィルムの製造方法
本発明のバックグラインド用基体フィルムは、Tダイスまたは環状ダイスを使用した押出法やカレンダー法等、従来から用いられている方法で成形することが可能である。基材フィルムの厚み精度の点から考えると、Tダイスを使用した押出法が好ましいため、以下Tダイスを使用した押出法について説明する。
押出機上に設置された投入ホッパへ原料となるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物(例えば、30〜60重量%)及びポリプロピレン系樹脂(例えば、40〜70重量%)を含む原料樹脂を投入し、160〜240℃に設定された押出機中で溶融・混練された後、Tダイスから板状に押出され、表面温度が30℃の冷却ロールにて冷却固化され、次いで巻き取り機にて巻き取り、ロール状の単層フィルムを得る。原料樹脂が混合物の場合には投入ホッパへ原料を投入する前に混合するのが好ましい。 上記の原料樹脂は、ドライブレンド又は溶融混練し調製することができる。原料樹脂をスクリュー式押出機に供給し、180〜225℃でTダイからフィルム状に押出し、これを50〜70℃の冷却ロ−ルに通しながら冷却して実質的に無延伸で引き取る。或いは、原料樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記の様に押出成形してもよい。
なお、引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、バックグラインド工程において、延伸したことによるフィルムの収縮を抑制するためである。この実質的に無延伸とは、無延伸、或いは、バックグラインド時のウェハの反りに影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フィルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
上記で得られるバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを設ける方法は、公知の方法を採用することができる。バックグラインドフィルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
III.バックグラインドフィルム
得られるバックグラインド用基体フィルムの片方の表面上に公知の粘着剤をコートして粘着剤層が形成され、さらに該粘着剤層上に離型フィルムが設けられて、バックグラインドフィルムが製造される。粘着剤層の厚さは、例えば、10〜200μm程度、離型フィルムの厚さは、例えば、10〜100μm程度であればよい。
粘着剤層で用いられる粘着剤成分としては、公知の粘着剤を特に制限なく使用できる。例えば、特開2006−128292号公報等に記載された粘着剤成分を用いることができる。なお、離型フィルムも公知のものが用いられる。
粘着剤としては、たとえば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着剤を用いることができる。なかでも、半導体ウエハヘの接着性、剥離後の半導体ウエハの超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性などの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが好ましく使用できる。
バックグラインドフィルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
IV.半導体ウエハのバックグラインド方法
本発明のバックグラインド方法は、バックグラインドフィルムを半導体ウエハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウエハの裏面を研削し、半導体ウエハからバックグラインドフィルムを除去する。
具体的には、該バックグラインドフィルムの粘着剤層から離型フィルムを剥離して、粘着剤層の表面を露出させて、その粘着剤層を介して集積回路が組み込まれた側の半導体ウエハの表面に貼着する。半導体ウエハの研削前の厚みは、通常、300μm〜1000μm程度である。次いで、半導体ウエハを固定して、その裏面を常法により研削する。研削後の半導体ウエハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類、用途等に応じて選択されるが、例えば、50μm〜200μm程度となる。裏面研削が終了した後、必要に応じケミカルエッチング工程やCMP(メカノケミカルポリッシング)工程を追加してもよい。その後、バックグラインドフィルムを剥離(除去)する。また、必要に応じて、バックグラインドフィルム剥離後に、半導体ウエハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処理が施される。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、「%」は重量%を意味する。
<原料>
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。
・スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物(SEBS):クレイトンポリマージャパン株式会社 MD6945
・スチレン−イソプロピレンブロック共重合体水素添加物(SIPS):クラレ株式会社製 ハイブラー 7311
・ポリプロピレン系樹脂(PP):サンアロマー株式会社製 PC412A
・ポリエステル系樹脂(PETG):イーストマンケミカル社製 PETG6763(テレフタル酸、エチレングリコールとCHDMを共重合体)
<反りの評価>
ウェハの代替として、常温(25℃)から50℃の温度域で、半導体ウェハと同程度に寸法安定性の良いポリイミド(PI)テープ(住友スリーエム株式会社製 スコッチポリイミドテープ No.5434、厚さ53μm)を使用した。
作成したバックグラインド用基体フィルムに上記PIテープ(幅2 cm×長さ14 cm)を貼付け、サンプルとして切り出し、2枚のステンレス板(厚み2mm)に挟み、50℃に設定したオーブン内で10分間加熱した。その後、サンプルを取り出して常温(25℃)で10分間放冷し、フィルムの収縮によって発生する反りを測定した。
反り量は、バックグラインド用基体フィルムにPIテープを貼り付けた状態で、バックグラインド用基体フィルムが上側になるように水平面上に置き、該水平面から最も浮いているPIテープの端部の高さ(mm)を測定した(図2)。
反りが3mm以下を「○」とし、3mmを越えるものを「×」とした。
<ブロッキングの評価>
得られた基体フィルムの任意の場所から、たて100 mm×よこ30 mm(フィルムの流れ方向をたて方向、幅方向をよこ方向としてサンプルを切り出した)の大きさに測定用サンプルを2枚切り出した。2枚の測定用サンプルを、同一面(冷却ロールと接する面)同士がたて40 mm×よこ30 mm の面積で重なり合うようにし、この重なり合った測定用サンプルを2枚のガラス板で挟み、その上から、サンプルが重なり合っている部分に600 gの重りをのせた。これを40℃の恒温槽の中に入れ、7日間放置した。7日後、恒温槽より取り出したサンプルを、新東科学株式会社製剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON−17)にセットし、引張り速度200 mm/minで、180度せん断剥離強度を測定し、4.9 N/10 mm以下であれば、ブロッキングなしとした。
実施例1
SEBS 30重量%及びPP 70重量%をドライブレンドし、これを原料樹脂とした。原料樹脂をバレル温度180〜220℃の多層押出機に供給した。230℃のTダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。得られた基体フィルムの厚みは150μmであった。
実施例2〜8、比較例1〜5
表1に記載の樹脂組成及び配合割合にすること以外は実施例1と同様に処理して、実施例2〜8、比較例1〜5の単層基体フィルムを得た。
Figure 2009231736
バッググラインド用基体フィルムの反りに追随して半導体ウェハにも反りが発生し欠けが発生することを模式的に示した図である。 バッググラインド用基体フィルムの反りの測定方法を模式的に示した図である。

Claims (6)

  1. ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含むバックグラインド用基体フィルム。
  2. ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物30〜60重量%及びポリプロピレン系樹脂40〜70重量%を含む請求項1に記載のバックグラインド用基体フィルム。
  3. 厚みが50〜300μmである請求項1又は2に記載のバックグラインド用基体フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のバックグラインド用基体フィルムの表面に粘着剤層及び離型フィルムを有するバックグラインドフィルム。
  5. 請求項4に記載のバックグラインドフィルムを半導体ウェハの表面(回路面)に貼着し、該半導体ウェハの裏面を研削し、半導体ウェハからバックグラインドフィルムを除去することを特徴とする半導体ウェハのバックグラインド方法。
  6. バックグラインド用基体フィルムの製造方法であって、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物及びポリプロピレン系樹脂を含む樹脂を押出成形することを特徴とする製造方法。
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