JP2009229550A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置本体のさらなる高速化、高寿命化に対応して、定着部材表面に付着する紙粉、ゴミ等の量をさらに軽減し、オフセットやトナー汚染が発生しない、像加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱ヒータ111を備える回転可能な定着フィルム110と、加圧ローラ120とによって形成される定着ニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材Pを通過させることで、シート材P上にトナー画像を定着させる加熱定着装置106と、定着ニップ部を通過する状態のシート材Pに対して接触可能に配置される導電性の排出ゴムローラ125と、定着フィルム110に定着バイアスを印加するバイアス印加手段116と、を備える画像形成装置において、シート材P上に形成された未定着トナー画像が定着ニップ部を通過しない間は、未定着トナーと逆極性のバイアスを印加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置において、シート材上に転写された未定着のトナー画像を加熱してシート材上に定着させる加熱定着装置を有するものに関する。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置では、未定着のトナー画像が転写されたシート材を加熱することで、シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着装置を備えるものが知られている。
図11、図12に、従来例における加熱定着装置の構成を示す。加熱定着装置としては、従来より、図11に示す定着ローラ方式の加熱定着装置、または、図12に示す定着フィルム方式の加熱定着装置が知られている。
図11に示す定着ローラ方式の加熱定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ6が圧接することで形成されるニップ部(以下、定着ニップ部と称する)に、未定着のトナー画像を有するシート材を通過させることでシート材上にトナー画像を定着させるものである。
定着ローラ1は、加熱部材としてのハロゲンランプ2、ハロゲンランプ2を内部に設けるアルミの中空芯金3、中空芯金3の外周を覆う離型層4、を備えている。一方、加圧ローラ6は、芯金7、芯金7の外周を覆うスポンジ弾性層8、スポンジ弾性層8の外周を覆う離型層9、を備えている。
かかる構成によれば、定着ローラ1と加圧ローラ6の定着ニップ部にシート材を通過させることで、シート材上の未定着トナー画像に対してハロゲンランプ2から熱が伝わり、未定着トナー画像が熱溶解してシート材上に定着することが可能になる。
また、定着ローラ1、加圧ローラ6共に、その外周が離型層によって覆われているが、これはシート材上に転写されたトナーのオフセットの防止、シート材と各々のローラの離型性の向上等、を目的として設けられたものである。離型層の材料としては、離型性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)等が用いられる。また、離型層はチューブ状に形成されていたり、静電スプレー、ディッピング塗工により形成される。
さらに、定着ローラの表面がチャージアップすることで発生するトナー画像のオフセットを防止するために、カーボンブラック等の導電部材が混入した離型層も知られている。
また、図12に示す定着フィルム方式の加熱定着装置は、定着フィルム10と加圧ローラ6が圧接することで形成された定着ニップ部に、未定着のトナー画像が転写されたシート材を挟持させることでシート材上にトナー画像を定着させるものである。
定着フィルム10は、可撓性を有するエンドレス状のフィルム部材であって、その内周と加熱部材としてのヒータ11が直接摺擦する。ヒータ11には、通電されることで発熱する通電発熱抵抗体が用いられる。なお、ヒータ11はステイホルダ(支持体)12に支持され、ヒータ11と定着フィルム10の摺擦面と反対側には、ヒータ11の温度を検知する温度検知手段14が設けられている。
図13に定着フィルム13の概略構成を示す。定着フィルム13は、内側から順にフィルム基層13a、導電性プライマー層13b、離型層13cが積層する3層構造であり、フィルム基層13aがヒータ11と直接摺擦する。
フィルム基層13aには、絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の樹脂フィルム、もしくは薄肉のSUS、Ni等の金属製フィルムによって形成され、可撓性を保つように厚さ15μm〜60μmで構成される。
導電性プライマー層13bは、厚さ2μm〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム全体のチャージアップを防止するために電気的にアースに接続されているか、もしくはダイオード接続、バイアス印加手段と接続されている。
離型層13cは、離型性の良好なPTFE、PFA等のフッ素樹脂を厚さ5μm〜10μm程度にして形成されており、シート材上のトナーが定着フィルムにオフセットすることを防止するものである。このように、定着フィルム13は、ヒータ11から効率よく熱が伝わるように厚さが20μm〜70μmとかなり薄く形成されている。
なお、定着フィルム方式の加熱定着装置によれば、定着フィルム13の加熱部材としてのヒータ11が直接摺擦するので、定着ニップ部における定着フィルム13の温度を加熱定着に必要な所望の温度までに昇温させるまでの立ち上がりの時間が比較的短い。すなわち、省エネ性、利便性の向上につながる。
また、上記で説明した定着フィルム方式の加熱定着装置の構成が、特許文献1〜4に開示されている。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開2004−157279号公報
しかしながら昨今では、画像が形成されるシート材として使用されるシート材の種類が多くなり、厚み、表面性、シート材の抵抗等、が多種多様になってきている。
これにより、画像形成プロセスにおける加熱定着工程においても様々な問題が発生している。例えば、上記従来の加熱定着装置では、定着ニップ部をシート材が通過する際に、シート材上の未定着トナー画像がシート材搬送方向と反対方向に飛び散る現象(以下、「定着尾引き」と称する)が発生する。ここで、図14を参照して、「定着尾引き」の発生メカニズムについて説明する。
「定着尾引き」は、シート材Pに含まれる水分が定着ニップ部で急激に加熱されることで生じた水蒸気の勢い80によって、定着ニップ部突入前のシート材P上の未定着トナーTがシート材搬送方向と反対の方向に吹き飛ばされることによって発生する。
特に「定着尾引き」は、高湿環境でシート材Pの含水率が高く、画像パターンが横ラインの画像でライン幅が太く、未定着トナーTの載り量が多い状態のときに発生しやすい画像不良である。また、「定着尾引き」は、画像形成装置のプリント速度が高速化されるほど、シート材Pから発生する水蒸気の勢い80が強くなるので顕著に現れやすいことがわかっている。
一方で、「定着尾引き」の発生を抑制する加熱定着装置の構成が特許文献5(特開2004−157279号公報)に開示されている。図15、図16に、従来例に係る「定着尾引き」の発生を抑制する加熱定着装置の概略構成を示す。なお、図15は定着ローラ方式を有する加熱定着装置の構成を示すものであり、図16は定着フィルム方式を有する加熱定着装置の構成を示すものである。
図15、図16に示す加熱定着装置は、定着ニップ部の下流側に排出ゴムローラ15、及び排出コロ16を対にして設け、定着ニップ部から排出したシート材Pを挟持搬送するように構成されている。
さらに、排出ゴムローラ15を導電性ゴム部材によって構成し、排出ゴムローラ15を電気的に接地状態とする。なお、図15、図16には、排出ゴムローラ15を接地状態とした場合を示しているが、接地状態のブラシ状の導電性部材等を定着ニップ下流側に、定着ニップ部を通過する状態のシート材Pに対して接触可能に配置する構成であってもよい。
また、図15に示す定着ローラ1000の中空芯金300、及び図16に示す定着フィルム1100の導電性プライマ層1300には、バイアス印加手段30、31によってバイアスが印加されている。なお、バイアス印加手段30は、未定着トナーと逆極性のバイアスを印加するものであり、バイアス印加手段31は、未定着トナーと同極性のバイアスを印加するものである。
そして、かかる構成において未定着トナー画像を有するシート材Pを定着ニップ部に突入させる際は、バイアス印加手段31によって未定着トナーと同極性のバイアスを中空芯金300、または導電性プライマ層1300に印加する。
さらに、シート材Pが定着ニップ部を通過しつつ排出ゴムローラ15に接触することで、シート材Pを介してバイアス印加手段31から接地方向への電流経路が形成され、定着ローラ1000または定着フィルム1100とシート材Pの間で電圧降下が生じる。
そして電圧降下によって電界が発生し、シート材上の未定着トナーが電界から力を受けることにより、シート材Pの未定着トナー画像に対する保持力を高めることが可能になる。よって、「定着尾引き」の程度を軽減させることができる。
また、上記で説明したように、例えば画像形成装置のプリント速度が高速化した場合は「定着尾引き」が顕著に現れやすい。この対策としては、バイアス印加手段31による印加バイアス値を大きくし、シート材Pを介して形成された電流経路により多くの電流を流すことでシート材Pの未定着トナー画像に対する保持力をさらに高め、「定着尾引き」を低減させることが考えられる。
しかし、シート材Pを介して形成された電流経路に過電流が流れると、転写バイアスの影響を受けてトナーと逆極性に帯電している、紙粉、ゴミ、ケバ、または感光体ドラムの削れ粉等、の物質が、定着ローラ、及び定着フィルムの表面に付着してしまう。その結果、定着ローラ、及び定着フィルムが本来有している離型性を損ない、オフセットの発生やトナー汚染の発生を助長してしまうといった問題を生じる。
この問題に対して従来では、定着ローラ1000、または定着フィルム1100に対し、定着ニップ部にシート材を通過させない状態では、バイアス印加手段30によって、未定着トナーと逆極性のバイアスを印加する構成が採用されている。
この構成によれば、定着ニップ部にシート材を通過する状態では、未定着トナーと同極性のバイアスが印加され、定着ニップ部にシート材を通過させない状態では、未定着トナーと逆極性のバイアスが印加されることになる。
よって、定着ニップ部にシート材を通過させない、前回転、紙間、後回転等の間に、(未定着トナーと逆極性に帯電する)紙粉等を定着ローラ1000、定着フィルム1100の表面から加圧ローラ600側に転移させることが出来る。
このように、定着ニップ部にシート材を通過させない間に、定着ローラ1000、及び定着フィルム1100の表面に付着した紙粉等を、シート材の被印字面側から吐き出すことができるので、オフセット等の発生を低減することが出来る。
しかしながら、昨今の画像形成装置本体のさらなる高速化、高寿命化により、定着ローラまたは定着フィルムと、シート材との摺擦で発生する紙粉の量がさらに増大している。そして、上記で説明した従来の構成では、これらの紙粉を十分に吐き出すことが困難であり、その結果、吐き出しきれずに定着ローラ、定着フィルムの表面上に残留した紙粉等によって、オフセット、トナー汚染が発生してしまう。
また、前回転や紙間、後回転時間の短縮が進んだことで、定着ローラ1000、及び定着フィルム1100に紙紛と同極性のバイアスを印加する時間までもが短縮され、紙粉を十分に吐き出しきれないという問題も生じている。
上記現状に鑑みて本発明の目的は、画像形成装置本体のさらなる高速化、高寿命化に対応して、定着部材表面に付着する紙粉、ゴミ等の量をさらに軽減し、オフセットやトナー汚染が発生しない、像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明にあっては、加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、前記定着部材にバイアスを印加するバイアス印加手段と、を備える画像形成装置において、シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、前記バイアス印加手段が未定着トナーと逆極性のバイアスを印加することを特徴とする。
また、加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、前記導電性部材及び前記加圧部材の少なくとも一方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、を備える画像形成装置であって、シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、前記バイアス印加手段が未定着トナーと同極性のバイアスを印加することを特徴とする。
また、加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、前記定着部材及び前記加圧部材の両方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、を備える画像形成装置であって、シ
ート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向に前記バイアス印加手段がバイアスを印加することを特徴とする。
また、加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、前記定着部材及び前記導電性部材の両方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、を備える画像形成装置であって、シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向に前記バイアス印加手段がバイアスを印加することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置本体のさらなる高速化、高寿命化に対応して、定着部材表面に付着する紙粉、ゴミ等の量をさらに軽減し、オフセットやトナー汚染が発生しない、像加熱装置を提供することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1の実施の形態]
図1〜図8を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明を行う。
(画像形成装置の概略構成)
図1に、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成について説明を行う。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置において、特に像担持体としての感光体ドラム101と加熱定着装置(加熱定着手段)106の概略構成を示すものである。
本実施の形態に係る画像形成装置は、像担持体として感光体ドラム101を備える。感光体ドラム101は、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基板上に形成されたものである。
感光体ドラム101は、不図示の駆動手段によって図1中矢印の方向に回転可能に構成され、帯電手段としての帯電ローラ102によって表面が一様に帯電される。
そして、表面が一様に帯電した感光体ドラム101の表面に対し、不図示の露光手段から画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム103が射出され、感光体ドラム101の表面に静電潜像が形成される。
形成された静電潜像は感光体ドラム101の回転に伴って移動し、現像装置104から供給されるトナーによってトナー像として可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
感光体ドラム101の表面において可視化されたトナー像はさらに移動し、感光体ドラム101と転写手段としての転写ローラ105の転写ニップ部に、所定のタイミングで搬送されるシート材P上に転写される。なお、感光ドラム101からシート材P上に転写される未定着のトナー像は帯電している。
なお、シート材Pへのトナー像の転写タイミングは、感光体ドラム101上のトナー像の画像形成位置とシート材Pの先端の書き出し位置が合致するように、トップセンサ108によってシート材Pの先端を検知することでタイミングが合わされている。
所定のタイミングで搬送されたシート材Pは、感光体ドラム101と転写ローラ105の転写ニップ部において一定の加圧力で挟持搬送される。そしてトナー像が転写されたシート材Pは加熱定着装置106へと搬送され、永久画像として定着される。
また、感光体ドラム101上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置107により感光体ドラム101表面より除去される。
(加熱定着装置の概略構成)
図2を参照して本実施の形態における加熱定着装置106の概略構成について説明を行う。図2は、本実施の形態における加熱定着装置106の概略構成を示すものである。本実施の形態における加熱定着装置106は、定着フィルム(定着部材)110を備える定着フィルム方式の加熱定着装置である。
本実施の形態における加熱定着装置106は、定着フィルム110と、定着フィルム110に圧接する加圧ローラ120によって形成される定着ニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させて、トナー画像をシート材上に定着させるものである。
図3に、本実施の形態において用いられる定着フィルム110の概略構成を示す。本実施の形態における定着フィルム110は、熱容量の小さなエンドレス状の耐熱性フィルム部材であり、クイックスタート性を向上させるために総厚100μm以下に設定される。
また、定着フィルム110は可撓性を有し、図3に示すように基層113a、導電性プライマ層113b、離型層113cが内側から順に積層する複層構造を有する。
基層113aは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Zn等の金属部材を単独ないし複合して形成されたものである。樹脂製の基層113aの場合には、熱伝導性を向上するために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。
また、定着フィルム110の長寿命化を図るために、基層113aには充分な強度、耐久性が要求され、本実施の形態に係る基層113aは、総厚20μm以上の厚みに設定されている。それに加え、クイックスタート性の向上を考慮し、本実施の形態の定着フィルム110の総厚みは20μm以上100μm以下に設定される。
基層113aの外側には、導電性プライマ層113bが形成されている。導電性プライマ層113bには、カーボンブラック等の導電性付与部材が分散されており、比抵抗が1×105Ω・cm以下で厚み2〜10μm程度に設定されている。
導電性プライマ層113bの外側には、表層として離型層113cが形成されている。離型層113cは、シート材上の未定着トナー画像に直接接触する層であり、トナーのオフセットの防止、シート材との分離性の向上を図るために、離型性に優れる材料が用いら
れている。なお、本実施の形態では、導電性プライマ層113bが導電性部材より形成されているが、基層113aもしくはプライマ層113bの少なくとも一方が導電性部材より形成されていればよい。
離型層113cとしては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等が適用可能である。
また、それ以外にもETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂が、混合ないし単独で用いられてもよい。さらには、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂が混合ないし単独で用いられてもよい。
また、離型層113cには、カーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材が混入されており、比抵抗が1×10〜1×1014Ω・cm程度で厚さが5〜20μm程度に設定されている。
また、離型層113cの被覆の方法としては、例えば基層113aの外面に、接着剤としての機能をも有する導電性プライマ層113bを塗布し、離型層113cを被覆する等の方法が挙げられる。
上記のように構成される定着フィルム110の内部には、加熱用ヒータ(加熱手段)111が設けられる(図2)。加熱用ヒータ111は、定着フィルム110が定着ニップ部を形成する部分において、基層113aと直接摺擦するように設けられる。
すなわちこの構成によれば、定着ニップ部を通過するシート材P上の未定着トナー画像に定着フィルム110の内側から効率よく熱を伝えることができ、シート材P上の未定着トナー画像を熱溶解、定着させることが可能である。
加熱用ヒータ111は、アルミナ、AlN等のセラミック材料より形成される高熱伝導性基板の長手方向に沿って通電発熱抵抗層が形成されたものであり、不図示の通電手段によって発熱可能に構成される。
具体的には、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ni/Cr、RuO、TaN、TaSiO等の導電剤と、ガラス、ポリイミド等のマトリックス成分からなる通電発熱抵抗層を、スクリーン印刷、蒸着、スパッタリング、メッキ、金属箔等を行うことで形成される。なお、通電発熱抵抗層は厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状で弓状に塗工して形成されている。
そして、加熱用ヒータ111による加熱温度は、サーミスタ等の温度検知手段114によって検知され、加熱温度が所定温度になるように制御される。また、通電発熱抵抗層の上には、耐熱性のポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ガラス等の絶縁性保護層が形成されている。
また、加熱用ヒータ111における定着フィルム110との摺擦部分には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が単独もしくは混合で被覆されている。
または、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)を被覆してもよい。さらには、C
TFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂層やポリイミド、ポリアミドイミド等の樹脂を被覆してもよい。
もしくは、グラファイト、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラス、DLC(ダイアモンドライクカーボン)等を薄く塗布あるいは蒸着することによって形成された摺動層を設けてもよい。
これにより、定着フィルム110と加熱用ヒータ111が低摩擦係数で滑らかに摺動することが可能になる。
また、高熱伝導基板における、定着フィルム110と摺動する面の表面粗さを所定以下に抑え、潤滑性グリース等により摺動性を確保し、熱抵抗を小さく抑えることで熱効率を向上させる構成であっても良い。
このように構成される加熱用ヒータ111は、断熱ステイホルダ112によって保持される。断熱ステイホルダ112は、加熱用ヒータ111からの発熱が、定着ニップ部とは反対方向へ放熱することを防ぐ機能を有する。
断熱ステイホルダ112は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成されており、定着フィルム110が余裕をもってルーズに外嵌されていて、図2中矢印の方向に回転自在に配置されている。
また、加圧部材としての加圧ローラ120には、SUS、SUM、Al等の金属製芯金121の外側に、好ましくは導電性部材を分散させたシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層122が設けられる。さらに、弾性層122の外側にPFA、PTFE、FEP等の離型性層123を形成してあってもよい。
加圧ローラ120は、定着フィルム110の方向に不図示の加圧バネ等の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップ部を形成するべく十分に加圧され、圧接している。また、加圧ローラ120の金属芯金121の長手方向端部が、不図示の駆動手段により回転駆動される。
この結果、断熱ステイホルダ112の外周面に余裕をもってルーズに外嵌されている定着フィルム110は、加圧ローラ120の外周面により摩擦力で従動回転させられる。
また、本実施の形態には、定着フィルム110の導電性プライマ層113bに定着バイアスを印加するための可変バイアス印加手段116が設けられている。
可変バイアス印加手段116は、導電性プライマ層113bに未定着トナーと同極性の定着バイアスを印加するバイアス印加手段116aと、未定着トナーと逆極性の定着バイアスを印加するバイアス印加手段116bとが、切り換え可能に設けられている。なお、バイアス印加手段116によるバイアス印加の切り換えタイミングについては後述する。
また、本実施の形態では、可変バイアス印加手段116の出力端と導電性プライマ層116bが、給電部材としての導電ブラシ117を介して接触状態にある(図3参照)。なお、本実施の形態では、給電部材として導電ブラシ117を用いたが、導電ゴムリング等の給電部材を導電性プライマ層113bに接触させる構成であってもよい。
定着ニップ部よりもシート材搬送方向下流側には、導電性の排出ゴムローラ(導電性部
材)125と排出コロ126が対になって設けられている。これらは、定着ニップ部から排出されたシート材Pを挟持搬送するローラ対である。
導電性の排出ゴムローラ125は、アルミ等の金属製芯金の外周に、シリコンゴム等の耐熱ゴムにカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されたゴム層が形成されており、導電性ゴムには、比抵抗が1×10Ω以下の導電性が付与されている。
また、定着ニップ部をシート材Pが通過している状態で、その先端が排出ゴムローラ125に接触可能であるように、排出ゴムローラ125が配置される。また、排出ゴムローラ125は接地されている。
よって、シート材Pが定着ニップ部を通過しつつ排出ゴムローラ125に接触する状態では、バイアス印加手段116に接続される導電性プライマ層113bと排出ゴムローラ125の間で電流経路が形成される。
ここで本実施の形態では、導電性の排出ゴムローラ125を用いているが、シート材Pと接触する導電性部材は導電性ブラシ、導電性ガイド等どのような形態であってもよい。すわなち、定着フィルム110の導電性プライマ層113bと電位差を生じることでシート材Pを介して電流経路を形成するものであれば良い。
また、加圧ローラ120の金属製芯金121は、ダイオード等の整流素子124によって未定着トナーと逆極性の電荷が金属性芯金121や導電性の弾性層122に誘起される構成である。この構成によると、定着フィルム110の導電性プライマ層113bと加圧ローラ120の導電性弾性層122との間に所定の電位差を生じさせることが可能になる。
なお、整流素子124を設けることによって加圧ローラ120の表面の電位を安定させることが可能になるので、装置間での電位差のばらつき等が起こりにくくなり、安定しオフセット画像を防止することが可能になる。
さらに、導電性プライマ層113bの印加バイアスを切り換えても、整流素子124の働きにより、加圧ローラ120の弾性層122に誘起された電荷は、徐々に弾性層122から逃げるので、所定時間は加圧ローラ120の弾性層122の帯電性は維持される。
また、定着ニップ部と排出ゴムローラ125との間には、シート材Pが定着ニップ部から排出されたことを検知する排出センサ127が設けられている。そして、本実施の形態に係る画像形成装置には、搬送されるシート材Pの先端を検知する検知手段として、トップセンサ108(図1参照)、排出センサ127が設けられている。なお、これらのセンサからの信号に基づいて、バイアス印加手段116が定着フィルム110の導電性プライマ層113bへのバイアスの印加の切り換えを行う。
以上が加熱定着装置の構成であるが、かかる構成によってシート材Pに未定着トナー画像を定着させる際は、まず不図示のシート材供給手段によって、耐熱性の定着入口ガイド115に沿ってシート材Pを搬送する。
そして、定着フィルム110と加圧ローラ120によって形成される定着ニップ部にシート材Pを送り込み、加熱定着を行う。定着が行われたシート材Pは、定着ニップ部から排出され、導電性の排出ゴムローラ125と排出コロ126によって挟持搬送され、耐熱性の不図示の定着排出ガイドに案内されて不図示の排出トレイ上に排出される。
(電流経路の説明)
図4を参照して、可変バイアス印加手段116から導電性の排出ゴムローラ125の間に形成される電流経路について説明する。図4は、定着ニップ部を通過しつつ排出ゴムローラ125に接触した状態におけるシート材Pの等価回路(電流経路)を示すものである。なお、図4中に示すTは未定着トナーを示し、Dは紙粉等の汚染物質を示すものである。
未定着トナー画像が定着ニップ部を通過する間は、バイアス印加手段116aが、定着フィルム110の導電性プライマ層113bへ未定着トナーTと同極性の定着バイアスを印加する。
可変バイアス印加手段116の出力端から導電性プライマ層113b間には、保護抵抗として抵抗Rdが接続されている。また、Rbは給電部材としての導電ブラシ117と導電性プライマ層113b間の接触抵抗、および導電性プライマ層113の定着ニップ部付近までの抵抗を示している。Rfは定着フィルム110の離型層113cの抵抗を示している。
また、定着ニップ部の近傍Pnの領域では、紙などのシート材Pが加熱されて水蒸気が発生しているため、Pn部の電気抵抗は低下して等価回路上、直列につながる他の抵抗に比べ無視できる程小さくなり、Pnの領域では等電位と見なすことができる。
また、定着ニップ部を通過した後のシート材Pは含水率が低下するので、シート材Pの抵抗値を無視することができない。そこでシート材Pの、接地電極である排出ゴムローラ125までの抵抗をRpで表している。また、接地電極である排出ゴムローラ125のシート材Pとの接触抵抗とアースまでの抵抗はRhで表している。
上記等価回路にバイアス印加手段116aでトナーと同極性のバイアスを印加すると、定着フィルム110の導電性プライマ層113bの電位Vnと離型層113c、シート材P、接地電極である排出ゴムローラ125を介して接地電位Vとの間に電流iが流れる。
その結果、導電性プライマ層113bとシート材Pの等電位部Pn間に電界Efが生じる。そしてこの電界の作用により、未定着トナーTに、電荷量qに比例したシート材Pに対する拘束力Ft=q・Efが働く。よって、拘束力Ftによって、上記で説明した定着尾引きが抑制される。
一方で、バイアス印加手段116bでトナーTと逆極性のバイアスを印加すると、導電性プライマ層113bの電位Vnと離型層113c、シート材P、接地電極である排出ゴムローラ125を介して接地電位Vとの間に、図示とは逆方向に電流iが流れる。
その結果、導電性プライマ層113bとシート材Pの等電位部Pn間に、図示とは逆方向に電界Efが生じ、トナーTとは逆極性に帯電した、紙粉、ゴミ、ケバなどの汚染物質Dに、電荷量qに比例したシート材Pに対する拘束力Ft=q・Efが働く。その結果、紙粉等は定着フィルム110から吐き出され、同時に、紙粉等が定着フィルム110へ付着することも防止できる。
(定着バイアスの制御構成)
図5を参照して、本実施の形態における可変バイアス印加手段116のバイアス印加の切り換え制御について説明する。図5は、本実施の形態における定着バイアス印加の切り換え制御を説明するブロック図である。
本実施の形態では、可変バイアス印加手段116によるバイアス印加の切り換えを、画像形成装置に内蔵されるCPU130(制御手段)によって制御する。本実施の形態におけるCPU130は、定着バイアス印加動作に関連する情報を検知、記憶、演算、実行するものである。
CPU130には、トップセンサ108と排紙センサ127のON、OFF情報を記憶するセンサ情報記憶手段131と、印字する印字パターンのデータ(画像データ)からレーザーが露光する印字情報を記憶する印字情報記憶手段132と、が設けられている。さらに、両情報記憶手段に記憶された情報に連動してプリント動作中のタイミングを調整するタイマ手段133が設けられている。
そして、両情報記憶手段に記憶された情報とタイマ手段133によるタイミング情報をもとに演算処理を実行し、その演算処理の結果に基づき可変バイアス印加手段116にバイアス印加タイミングを指令する制御部134が設けられている。
可変バイアス印加手段116は制御部134の命令に基づき、未定着トナーと同極性のバイアス(以下「同極性バイアス」と記す)の印加、未定着トナーと逆極性のバイアス(以下「逆極性バイアス」と記す)の印加の切り換えを行う。また、バイアス印加の定着動作のタイミングに応じてバイアス印加のON、OFFを交互に切り換える。
(定着バイアスの切り換えタイミング)
図6〜図8を参照して、本実施の形態における定着バイアスの切り換えタイミングについて説明する。図6は、バイアス印加手段116a、116bによって、同極性バイアスの印加、逆極性バイアスの印加を切り換えるタイミングを示すものである。図7は、本実施の形態におけるシート材搬送路上の各装置、部材の位置関係(特に距離関係)を示すものである。図8は、シート材P上における画像形成領域と非画像形成領域の位置関係を示すものである。
定着バイアスの切り換えタイミングは、シート材Pの先端X0(図8)がトップセンサ108(図7)をONするタイミングT0(図6)を起点とする。そして、図6に示すタイミングT1〜T4の各々に応じて、バイアス印加手段116aとバイアス印加手段116bのON、OFFを交互に切替えている。
タイミングT1は、画像先端X1が定着ニップ部に突入するタイミングである。タイミングT2は、画像後端X2が定着ニップ部を抜けるタイミングである。タイミングT3は、次プリントの画像先端X1が定着ニップ部に突入するタイミングである。タイミングT4は、最後のシート材の画像後端X3が定着ニップ部を抜けるタイミングである。タイミングT5は、最後のシート材の後端X3が排紙センサ127をOFFするタイミングである。
そして、各タイミングにおけるバイアス印加状態は、T0からT1まではバイアス印加手段116bが逆極性バイアスをONにし、T1からT2まではバイアス印加手段116aが同極性バイアスをONにする。
さらに、T2からT3まではバイアス印加手段116bが逆極性バイアスをONし、T3からT4まではバイアス印加手段116aが同極性バイアスをONにし、T4からT5まではバイアス印加手段116bが逆極性バイアスをONにする。
その他、画像形成装置のプリント動作中で、T0以前のシート材先端がトップセンサ1
08をONするまでの間は、バイアス印加手段116aによる同極性バイアス、バイアス印加手段116bによる逆極性バイアスをともにOFFとする。
また、T5以降のシート材後端が排紙センサ127をOFFするまでの間に関しても、バイアス印加手段116aによる同極性バイアス、バイアス印加手段116bによる逆極性バイアスをともにOFFとする。なお、連続プリント動作中のプリント間は、T2からT3を繰り返すことになる。
次に、シート材のサイズ、画像形成領域の長さ、搬送速度、及び各装置の配置関係等に基づいて、上記で説明したタイミングT1〜T5を算出する算出方法について説明する。
まず、シート材の搬送速度をPs、トップセンサ108から定着ニップ部先端までの距離をY1、定着ニップ部の先端から後端までの距離をY2、定着ニップ部の後端から排紙センサ127までの距離をY3、とする。さらに、シート材先端X0から画像先端X1までの長さをY4、シート材先端X0から画像後端X2までの長さをY5、シート材先端X0からシート材後端X3までの長さをY6、とする。
シート材先端X0がトップセンサ108を通過するタイミングT0を起点として、T1は(Y1+Y4)/Ps、T2は(Y1+Y2+Y5)/Ps、だけ遅れたタイミングで実行される。
また、2枚目以降となるタイミングT3、T4の動作は、再びシート材先端X0がトップセンサ108を通過するタイミングT0を起点として、その起点から、T3は(Y1+Y4)/Ps、T2は(Y1+Y2+Y5)/Ps、だけ遅れたタイミングで実行される。
最後のシート材となるT5の動作は、最後のシート材の後端X3が排紙センサ127をOFFしたタイミングで実行される。本実施の形態では、シート材の搬送速度Psは250mm/sec、トップセンサ108から定着ニップの先端までの距離Y1は200mmである。また、定着ニップ部の先端から後端までの距離N1は10mm、定着ニップ部の後端から排紙センサ127までの距離Y2は20mmである。
そして、これらの値によって、シート材先端X0から画像先端X1までの長さY4、画像後端X2までの長さY5が、上記で説明した印字情報記憶手段132とタイマ手段133から算出される。
以上より、本実施の形態では、シート材先後端の非印字領域が定着ニップ部に挟持されつつ、印字領域が定着ニップ部を通過しない間は、定着フィルム110にバイアス印加手段116bによる逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を印加する。
その結果、シート材先後端に付着している紙紛、ゴミ、ケバなどをシート材上に拘束する方向に静電気力を与えることができる。よって、紙粉等が定着フィルム110へ付着する事を防止するとともに、定着フィルム110上に付着している紙粉等の汚れをシート材上に吐き出すこともできる。
一方、印字領域が定着ニップ部を通過する間は、定着フィルム110にバイアス印加手段116aによる同極性バイアス(トナーと同極性)を印加する。その結果、印字領域の未定着トナーをシート材上に拘束する方向に静電気力を与えることができ、定着尾引きの発生を防ぐことが可能になる。
(実験結果)
次に、本実施の形態に係る画像形成装置と従来の画像形成装置を用いて所定枚数プリントを行った際の比較実験結果について説明する。
本比較実験において使用した画像形成装置は、シート材の搬送スピードが250mm/secのレーザービームプリンタであり、現像装置においてトナーをマイナス帯電させてジャンピング現像法により感光体ドラム上にトナー画像を形成するものである。そして、感光体ドラム上からシート材上にトナー像を転写させた後、加熱定着装置でトナー画像の定着を行うものである。
定着フィルムには、外径30mm、厚み40μmのSUS304材を筒状に形成した部材の外面に導電性プライマ層を4μm塗布し、さらに導電部材を分散したPFAを離型層として10μm形成し、離型性層の比抵抗を1×10Ω・cmとしたものを用いた。
また、加圧ローラには、外径22mmのアルミ芯金外面に厚み4mm、外径30mmの導電性シリコンゴムよりなる弾性層を形成し、更に外層には厚み40μmの絶縁PFAチューブを形成したものを用いた。
また、加圧ローラのアルミ芯金には、接地との間に整流素子としてダイオードを介在させ、加圧ローラの導電性弾性層にトナーと逆極性の電荷が誘起されるように接続した。トナーと同極性のバイアス印加手段の出力はマイナス1.0kV、トナーと逆極性のバイア
ス印加手段の出力は1.0kVとした。
なお、本実験で用いた従来の画像形成装置とは、定着バイアスの切り換えタイミングが本実施の形態に係る画像形成装置と異なるものであり、装置本体の構成等に関しては、両者に差異はない。
具体的には、従来の画像形成装置は、定着バイアス印加の切り換えを、装置本体の前回転や紙間、後回転等の間のみ行い、定着フィルムに逆極性バイアス(紙粉と同極性)を印加することで、定着フィルムへの紙粉汚れを防止する構成である。
一方で本実施の形態に係る画像形成装置は、前回転や紙間、後回転に加え、シート材先後端の非印字領域が定着ニップ部を通過するタイミングにおいても、定着フィルムに逆極性バイアス(紙粉と同極性)を印加する。これにより、定着フィルムへの紙粉汚れをさらに防止することが出来る。
実験条件は、従来例と本実施の形態の画像形成装置を用い、各々の画像形成装置でトータル10000枚の連続プリント耐久を行い、所定の枚数ごとに定着フィルムへの紙粉汚染レベルと定着尾引きレベルを比較した。なお、耐久画像は、シート材先後端に20mmの非印字領域を設けた4%印字画像とし、プリント枚数が500枚、1000枚、5000枚、10000枚時点において比較を行った。
表1に本実験結果を示す。表1において数値はランクを示し、5は全く問題の無いレベル、4は微小に発生しているレベル、3は許容レベル、2は汚れ悪いことが確認できるレベル、1は劣悪レベルを示す(以下の表図に示すレベルも同様の表記とする)。
Figure 2009229550
表1に示される結果を参照すると、本実施の形態は、従来例に比して、紙粉汚染が改善されていることがわかる。
すなわち本実施の形態によれば、逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を、紙間だけでなく、シート材先後端の非印字領域にも印加することで、定着フィルム上の紙粉を吐き出す時間を増やすことができる。
さらに、シート材先後端はシート材製造の裁断でエッジが立ち、そのエッジが定着フィルムと摺擦することで、とりわけ紙紛が発生しやすい領域でもある。しかし、本実施の形態では、このエッジ領域が定着ニップ部を通過する間、常に同極性バイアス(紙粉とは逆極性)が印加され続けているので、この間に紙粉が大量に定着フィルムへ付着するのを防止していることにもなる。
このように本実施の形態では、前回転や紙間、後回転だけでなく、定着ニップ部をシート材先後端の非印字領域が通過する間にも、定着フィルムに逆極性バイアス(紙粉と同極
性)を印加する。そうすることで、印字領域で生じる定着尾引きを悪化させることなく、
かつ、紙紛、ゴミ、ケバ等の汚染物質が定着フィルムに付着することを防止可能である。
なお、本実施の形態では、バイアス印加手段116aの出力をマイナス1.0kV、バ
イアス印加手段116bの出力を1.0kVとして、タイミングに応じて、極性の異なる
バイアスを交互に切り換えて印加する方式であった。
しかし、単独の可変バイアス印加手段で印加バイアスを変化させる方式でも、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、定着フィルム110の導電性プライマ層113bに定着バイアスを印加する方式で説明した。
しかし、定着ニップ部の下流側に配置したシート材Pと接触する排出ゴムローラ125、または加圧ローラ120の導電性弾性層122の少なくとも一方にバイアスを印加する方式であっても、同様の効果が得られる。
また、定着フィルム110と加圧ローラ120の導電性弾性層122の両方に定着バイアスを印加する構成であっても、定着フィルム110と排出ゴムローラ125の両方に定着バイアスを印加する構成であってもよい。
このような場合も、未定着トナー画像が定着ニップ部を通過する間は、可変バイアス印加手段116が、シート材上の未定着トナーをシート材上に押し付ける方向に定着バイアスを印加すればよい。また、シート材上に形成された未定着トナー画像が定着ニップ部を通過しない間は、可変バイアス印加手段116が、未定着トナーと逆極性の粒子が、定着
部材側から前記加圧部材側へ移動する方向にバイアスを印加すればよい。
また、可変バイアス印加手段を本実施の形態に付随する方式であっても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、定着フィルム110を備える定着フィルム方式の加熱定着装置を主に説明したが、定着部材として定着ローラ備える定着ローラ方式の加熱定着装置であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。定着ローラ方式の加熱定着装置であっても、定着ニップ部下流に設けられ、シート材と接触する導電性部材と、定着ローラとの間に電流経路を形成する構成であれば、同様の効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
図9、図10を参照して本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置は、定着バイアス印加の切り換えタイミングが上記第1の実施の形態と異なる。それ以外の構成に関しては、上記第1の実施の形態と異なるものではないので、同一の部材については同一の符号を付して、ここではその説明を省略する。
本実施の形態において、定着フィルム110に逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を印加するタイミングは、第1の実施の形態のように、定着ニップ部にシート材先後端の非印字領域が挟持されている間だけではない。
第1の実施の形態に加え、さらにシート材の先端から後端にかけて印字率0%の領域(未定着トナー画像が形成されない領域)が定着ニップ部を通過する間であれば、繰り返し、逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を印加することを特徴としている。
この構成によれば、逆極性バイアス(紙粉とは同極性)印加時間がさらに長くなり、定着フィルム110上の紙粉を吐き出す時間を長く保つだけでなく、シート材両端エッジで発生する紙粉をも抑制することが可能になる。
図9に、本実施の形態における画像形成領域と非画像形成領域の位置関係を示す。本実施の形態で指し示すところの「印字率0%の領域」とは、シート材中の画像後端X2を除く画像終了位置Xmと、シート材中の画像先端X1を除く画像書き出し位置Xmで囲まれる領域を示す。
図10に、本実施の形態における定着バイアスの印加切り換えタイミングを示す。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様のタイミングで、シート材先端がトップセンサ108をONするタイミングT0を起点とする。
そして、画像先端が定着ニップ部に突入するタイミングをT1、画像後端が定着ニップ部を抜けるタイミングをT2、次プリントの画像先端が定着ニップ部に突入するタイミングをT3とする。また、最後のシート材の画像後端が定着ニップ部を抜けるタイミングをT4、最後のシート材のシート材後端が排紙センサをOFFするタイミングをT5とする。
さらにこれらのタイミングに加え、シート材中の画像終了位置Xmが定着ニップ部を抜けるタイミングをTm、シート材中の画像書き出し位置Xnが定着ニップ部に突入するタイミングをTnとする。そして、タイミングTm、Tnでバイアス印加手段116aとバイアス印加手段116bのON、OFFを交互に切り換える。
タイミングTm、Tnは、以下のようにして求められる。
すなわち、トップセンサ108から定着ニップ部先端までの距離をY1、定着ニップ部の先端から後端までの距離をN、定着ニップ部後端から排紙センサ127までの距離をY2、とする。また、シート材先端X0から画像先端を除く画像書き出し位置Xmまでの長さをY6、画像後端を除く画像終了位置Xnまでの長さをY7とする。
そしてその場合に、シート材先端がトップセンサ108を通過するタイミングT0を起点として、Tmは(Y1+Y2+Y6)/Ps、Tnは(Y1+Y7)/Psだけ遅れたタイミングで切り換えが実行される。
また、あまりに印字率0%領域の幅が狭すぎると、短時間でバイアス印加手段116aとバイアス印加手段116bのON、OFFが繰り返され、定着フィルムの電位が安定しない。
また、定着ニップ部に未定着トナーが存在する間に、バイアス印加手段116aとバイアス印加手段116bのON、OFF切り換え動作が起こり、未定着トナーによる定着尾引きが発生するおそれもある。
この問題を防止するため、印字率0%領域の幅、すなわち、画像書き出し位置Xmと画像終了位置Xnの長さ┃Y7-Y6┃は、少なくとも定着ニップ幅Nの2倍の長さ┃2×
Y2┃以下であることが好ましい。
この構成により、定着ニップ部にシート材中の印字領域が挟持されない間であれば、常に定着フィルム110へ逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を印加可能であり、紙粉を吐き出す時間を長く保つと共に、シート材両端エッジで発生する紙粉を抑制可能である。
(実験結果)
表2に、本実施の形態に係る画像形成装置、第1の実施の形態に係る画像形成装置、及び従来の画像形成装置を用いて所定枚数プリントを行った際の比較実験結果を示す。
Figure 2009229550
表2に示すように、本実施の形態は第1の実施の形態と比較して、紙粉汚染がさらに改善されていることがわかる。
本実施の形態によれば、逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を、シート材先後端に限らず、印字率0%の領域ならば、繰り返し印加しつづけることで、定着フィルム110上の紙粉を吐き出す時間を増やすことができる。
さらに、シート材先後端と同じく、エッジが立って紙粉が発生しやすいシート材両端部への逆極性バイアス(紙粉とは同極性)印加時間も増すことになるので、この領域で発生
する紙粉が新たに定着フィルム110へ付着するのも防止できる。
このように本実施の形態によれば、シート材先後端に限らず、印字率0%の領域を判別し、繰り返し、逆極性バイアス(紙粉とは同極性)を印加しつづけることで、定着フィルム上の紙粉を吐き出す時間が増やすことができる。さらには、シート材両端部などで発生する紙紛、ゴミ、ケバ等の汚染物質が定着フィルムに付着するのをさらに防止することができる。
なお、本実施の形態では、バイアス印加手段116aの出力をマイナス1.0kV、バ
イアス印加手段116bの出力を1.0kVとして、タイミングに応じて、極性のことな
るバイアスを交互に切替えて印加する方式であった。
しかしながら、単独の可変バイアス印加手段で印加バイアスを変化させる方式でも、同様の効果が得られる。本実施の形態では、定着フィルム110の導電性プライマ層113bに定着バイアスを印加する方式で説明した。
しかしながら、定着ニップ部の下流側に配置した排出ゴムローラ125、または加圧ローラ120の導電性弾性層122の少なくとも一方にバイアスを印加する方式であってもよい。
また、定着フィルム110と加圧ローラ120の導電性弾性層122の両方に定着バイアスを印加する構成であっても、定着フィルム110と排出ゴムローラ125の両方に定着バイアスを印加する構成であってもよい。
このような場合も、未定着トナー画像が定着ニップ部を通過する間は、可変バイアス印加手段116が、シート材上の未定着トナーをシート材上に押し付ける方向に定着バイアスを印加すればよい。また、シート材上に形成された未定着トナー画像が定着ニップ部を通過しない間は、可変バイアス印加手段116が、未定着トナーと逆極性の粒子が、定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向にバイアスを印加すればよい。
また、可変バイアス印加手段を本実施の形態に付随する方式であっても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、定着フィルム110を備えた定着フィルム方式の加熱定着装置を主に説明したが、定着部材として定着ローラ備える定着ローラ方式の加熱定着装置であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
定着ローラ方式の加熱定着装置であっても、定着ニップ部下流に設けられ、シート材と接触する導電性部材と、定着ローラとの間に電流経路を形成する構成であれば、同様の効果を得ることができる。
第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成 第1の実施の形態における加熱定着装置の概略構成 第1の実施の形態における定着フィルムの概略構成 第1の実施の形態における電流経路の概略構成 第1の実施の形態における定着バイアス印加の制御を示すブロック図 第1の実施の形態における定着バイアスの印加切り換えタイミングを示す図 第1の実施の形態における各装置、部材の位置関係を示す図 第1の実施の形態における画像形成領域と非画像形成領域の位置関係を示す図 第2の実施の形態における画像形成領域と非画像形成領域の位置関係を示す図 第2の実施の形態における定着バイアスの印加切り換えタイミングを示す図 従来例における加熱定着装置(定着ローラ方式)の概略構成 従来例における加熱定着装置(定着フィルム方式)の概略構成 従来例における定着フィルムの概略構成 「定着尾引き」の発生のメカニズムを示す図 従来例における「定着尾引き」の発生を低減させる加熱定着装置の概略構成 従来例における「定着尾引き」の発生を低減させる加熱定着装置の概略構成
符号の説明
106 加熱定着装置
110 定着フィルム
111 ヒータ
116 可変バイアス印加手段
120 加圧ローラ
121 芯金
122 導電性弾性層
124 ダイオード
125 排出ゴムローラ(導電性部材)
127 排紙センサ
P シート材
N 定着ニップ部

Claims (9)

  1. 加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、
    前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、
    前記定着部材にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
    を備える画像形成装置において、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと逆極性のバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  2. シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過する間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと同極性のバイアスを印加し、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと逆極性のバイアスを印加するように、
    前記定着部材に印加されるバイアスの極性を切り換える制御手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記導電性部材は接地されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、
    前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、
    前記導電性部材及び前記加圧部材の少なくとも一方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと同極性のバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  5. シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過する間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと逆極性のバイアスを印加し、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が未定着トナーと同極性のバイアスを印加するように、
    前記バイアス印加手段が印加するバイアスの極性を切り換える制御手段が設けられることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、
    前記定着部材及び前記加圧部材の両方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向に前記バイアス印加手段がバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  7. シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過する間は、
    前記バイアス印加手段が、シート材上の帯電した未定着トナーをシート材上に押し付ける方向にバイアスを印加し、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が、未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向にバイアスを印加するように、
    前記バイアス印加手段が印加するバイアスの極性を切り換える制御手段が設けられることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 加熱手段を備える回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材とによって形成されるニップ部に、未定着トナー画像を有するシート材を通過させることで、前記シート材上にトナー画像を定着させる加熱定着手段と、
    前記ニップ部よりもシート材の搬送方向下流側に設けられ、前記ニップ部を通過する状態のシート材に対して接触可能に配置される導電性部材と、
    前記定着部材及び前記導電性部材の両方にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向に前記バイアス印加手段がバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  9. シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過する間は、
    前記バイアス印加手段が、シート材上の未定着トナーをシート材上に押し付ける方向にバイアスを印加し、
    シート材上に形成された未定着トナー画像が前記ニップ部を通過しない間は、
    前記バイアス印加手段が、未定着トナーと逆極性の粒子が、前記定着部材側から前記加圧部材側へ移動する方向にバイアスを印加するように、
    前記バイアス印加手段が印加するバイアスの極性を切り換える制御手段が設けられることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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