JP2009228158A - 隠蔽情報用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 隠蔽性と内部結合強さとが両立した親展葉書となる隠蔽情報用紙の提供。
【解決手段】 この課題は、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能な感圧接着層を片面に有する隠蔽情報用紙において、感圧接着層が黒色着色剤を含有し、JIS P 8149:2000に規定する不透明度が感圧接着層面からの測定で98%以上、JIS Z 8722:1994に規定する測定方法で感圧接着層面の明度L*値が92以下であることを特徴とする隠蔽情報用紙によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明の隠蔽情報用紙は、静電印刷方式のノンインパクトプリンターよる記録、及びインクジェットプリンター並びに水性インクを用いる他のペンプロッター等の記録、印刷、筆記に用いることができ、プロセスインキ、UVインキなどによるオフセット印刷も可能であり、更にこれら各種の方式を印刷、印字等の用途において兼用可能な隠蔽情報用紙に関するものである。ここで隠蔽情報用紙とは、通常状態では粘着性、接着性とも示さず加圧時に接着性を示し、加圧接着後に剥離可能な感圧接着層を有する隠蔽情報用紙のことである。さらに詳しくは、優れた隠蔽性と内部結合強さを両立させた隠蔽情報用紙を提供することに関するものでる。
従来、官庁、自治体等の公的機関や銀行、生命保険会社、証券会社等の金融機関、更には学校などからの成績通知や受験合格通知、受検合格通知等の個人的プライバシーに係る親展情報の郵送には、発送者の判断によって葉書又は封書が使われていた。一方、個人情報の隠蔽化の点から葉書に比べ、郵送費用が高価な封書の使用が多く、発送者に多額の郵送費用がかかる問題があった。
近年、封書よりも郵送料金が安く、封書と同様に情報の隠蔽に優れる親展葉書として隠蔽情報用紙を二つ折りに重ね合わせ、葉書状に圧着する「圧着葉書」が普及している。
通常、隠蔽情報用紙は、葉書として定形事項をオフセット印刷した後、個人情報などの秘密情報を感圧接着剤層面に、また非感圧接着剤層面には宛名等を静電印刷方式のノンインパクトプリンター又はインクジェットプリンター等で印字し、ドライシーラー等で秘密情報が外部に見えないように加圧接着して親展葉書となる。親展葉書は、受取人が該圧着層から剥離することによって、情報を得ることができ、一旦剥離すると該圧着面は通常の状態では接着性がないため、剥離前の状態には戻らなくなってしまう葉書である。
前記の機能を有する親展葉書となる隠蔽情報用紙は、隠蔽性と内部結合強さとが必要である。そして、静電印刷方式のノンインパクトプリンター用の親展葉書には静電印刷方式のノンインパクトプリンターで容易に印字でき、かつ、インクジェットプリンター用の親展葉書にはインクジェットプリンターで容易に印字できる基本性能が要求される。
例えば、隠蔽性は印字された個人情報などの秘密情報が表面から判読できないようにするために必要で、JIS P 8149:2000「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に規定する測定方法で不透明度が90%以上あることが好ましい。また、内部結合強さは、二つ折り重ね合わせ、葉書状に圧着した親展葉書を、受取人が情報を得るために剥離するときに、紙層内部で破壊され秘密情報が読取りできなくならないようにするために必要であり、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.18−2:2000「紙及び板紙の内部結合強さ試験方法」に規定する内部結合強さが190gf/25mm以上あることが好ましい。
このような要求を満たすために、隠蔽情報用紙の紙成分が、広葉樹パルプ85±5質量%、残部が針葉樹パルプとすることが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしこの方法では、針葉樹パルプを用いることで内部結合強さが好ましい方向に行くが、隠蔽性には効果が期待できない。
また、隠蔽情報用紙の紙成分が、オフィス古紙、白物古紙を原料とした古紙を20%〜100%を含有した再生紙であり、これはLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)以外にチラシや雑誌などに由来する機械パルプが混入するために嵩が増し、また古紙が含有していた填料によって填料配合量がすくなくとも、隠蔽性が高く情報の隠蔽性に優れた隠蔽情報用紙が得られると提案されている(例えば、特許文献2)。しかしこの方法は、古紙繊維が微細で再使用されることで繊維自体の強度も弱くなっており、内部結合強さが悪化するという問題がある。
また、原紙に着色剤として黒色染料、黒色顔料、又は混合して黒色となる有色染料及び/又は有色顔料の組みあわせのいずれかを含有させ、隠蔽性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献3)。しかしこの方法は、隠蔽情報用紙を二つ折りにしたときに表面となる非感圧接着剤面の明度L値が下がり、商品価値が下がるという問題がある。
親展葉書となる隠蔽情報用紙の基本性能である隠蔽性、内部結合強さの両立は、未だ至っていない。
特開2003−105694号公報 特開平11−161180号公報 特開平1−85396号公報
したがって、本発明の課題は、隠蔽性と内部結合強さとが両立した親展葉書となる隠蔽情報用紙を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、前記課題を解決した隠蔽情報用紙を発明するに至った。
すなわち、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能な感圧接着層を片面に有する隠蔽情報用紙において、感圧接着層が黒色着色剤を含有し、JIS P 8149:2000に規定する不透明度が感圧接着層面からの測定で98%以上、JIS Z 8722:1994に規定する測定方法で感圧接着層面の明度L*値が92以下であることを特徴とする隠蔽情報用紙であることを要旨とする。
黒色着色剤としては黒色染料、黒色顔料又は混合して黒色となる有色染料及び/又は有色顔料の組み合わせのいずれかを使用する。
本発明を実施することによって、優れた隠蔽性と内部結合強さとが両立した親展葉書となる隠蔽情報用紙を提供することが可能となった。
本発明では、片面に通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能な感圧接着層を有する隠蔽情報用紙おいて、感圧接着層が黒色着色剤、すなわち黒色染料、黒色顔料、又は混合して黒色となる有色染料及び/又は有色顔料の組み合わせのいずれかを含有し、JIS P 8149に規定する不透明度を98%以上、好ましくは98.0%〜99.2%、JIS Z 8722に規定する測定方法で明度L*値を92以下、好ましくは81〜92とするものである。これによって、隠蔽性と内部結合強さが両立することができる。不透明度が98.0%未満では不透明度が不足する。99.2%以上では黒色着色剤が多くなりすぎ、黒くなり過ぎる虞がある。L*値が92より多いと不透明度が不足し隠蔽性が不良となり、81未満だと静電方式のノンインパクトプリンターやインクジェットプリンターでの印字部の鮮明性が不良となる虞がある。
本発明の隠蔽情報用紙の感圧接着層を構成する材料について説明する。感圧接着剤としては、通常封筒用口糊などで用いられているもので良く、天然ゴム、天然加硫ゴム、メタクリル酸メチル(MMA)若しくはスチレンモノマーなどがグラフトしたグラフト共重合天然ゴムエマルジョンなど若しくはこれらの混合物又はスチレン・ブタジエン系(SBR)若しくはブタジエン(BR)などの合成ゴムエマルジョン若しくはアクリル酸エステル、スチレン・アクリルなどのアクリル共重合系エマルジョンなどを適宜併用してもよい。この中で、MMAがグラフとしたグラフト共重合天然ゴムエマルジョンにスチレン・ブタジエン共重合エマルジョンを併用したものが、印刷インキ受理性、印刷強度、耐ブロッキング性、耐熱性、顔料の固着性などを向上させるので、より好ましい。
微粒子充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウムなどの無機物又はでんぷん粒子、プラスチックビーズなどの有機物をあげることができる。これらの中でも、インクジェットプリンター用には水性インクの吸収性が良く、また静電印刷方式のノンインパクトプリンター用には、加圧接着時に接着を阻害する、該プリンター内で用いているシリコーンオイルの吸収性が良好で、耐ブロッキング性も良好となる各種シリカを単独又は併用して使用することが好ましい。各種シリカとは、ホワイトカーボン、合成シリカ、コロイダルシリカなどを言う。
印刷強度を付与する目的で用いるバインダーとしては、澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然樹脂系バインダー、ポリビニールアルコール(PVA)、合成蛋白などの合成樹脂系バインダー、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)などのセルロース系バインダー及び酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、メチルメタクリレート・ブタジエン系エマルジョン、スチレン・ブタジエン系エマルジョン、アクリル・ブタジエン系エマルジョンなどの共重合体系バインダーを必要に応じ含有させることができる。
特に、インクジェットプリンター用には、カチオン性樹脂を使用する。カチオン性樹脂は、インクジェットプリンターの水性インク中の直接染料、酸性染料又は反応性染料を定着させる染料定着剤として用いられる。すなわち、そのカチオン性によって、アニオン性を有するインクジェットプリンターの水性インク中の染料をイオン結合によって定着させるという効果があり、水性インクでの印字部の耐水性を付与させるために含有させる。本発明でいうカチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩誘導体、ポリアミド・エポキシ樹脂、ポリアミド・尿素樹脂、ジシアンジアミド・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、アルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、アルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合樹脂などが使用できるが、特にアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合樹脂を使用することが望ましい。感圧接着層に含まれるカチオン性樹脂は、0.1〜4.0g/mとすることが好ましい。カチオン性樹脂が0.1g/mを下回る場合は、水性インク中の染料の耐水性の効果が不充分であり、4.0g/mを上回る場合は、加圧圧着後剥離したときの対向面への水性インク中の染料の写りが顕著になる。
その他の成分として感圧接着剤がカチオン性樹脂によって凝集することを防止する目的で、非イオン系界面活性剤を使用することもできる。また、感圧接着剤の酸化劣化、熱劣化、UV劣化を防止する目的で、各種劣化防止剤、各種酸化防止剤、各種UV吸収剤も使用できる。さらに、感圧接着層塗工時の作業性向上を目的に、各種レベリング剤、各種消泡剤、各種ワックス類、各種導電剤、各種帯電防止剤などが使用できる。
その他、必要に応じて、分散剤、印刷適性向上剤、潤滑剤、撥水剤、浸透剤、増粘剤、保水剤、消臭剤、防腐剤などの添加剤なども目的に応じて使用できる。
本発明に係わる隠蔽情報用紙を作成する方法としては、支持体として、従来公知のフォーム用紙(非塗工紙)の他に、上質紙、中質紙、各種バインダーで含浸された含浸紙、各種顔料と各種バインダーで塗工されたコート紙、アート紙などを原紙として使用できる。先ず、オフセット印刷とインクジェットプリンター印字が可能な顔料塗工液を基材となる原紙に塗工し、オフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な顔料層を形成し、次に顔料層とは反対となる面にオフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な感圧接着層を形成する。この逆の順序で作成してもよく、又は2ステージのコーターヘッドで一度に表裏両面を塗工してもよい。
なお、使用する原紙がオフセット印刷とインクジェットプリンター印字が可能であれば、前記の顔料塗工液を塗工する必要はないが、この場合はインクジェットプリンターの水性インク中の直接染料、酸性染料又は反応性染料を定着させる目的で、カチオン性樹脂の塗工が必要である。
その結果、水性インクを用いる他のペンプロッター等の記録、印刷、筆記に用いることができ、鉛筆やボールペン等を用いた筆記が可能で、インクジェット記録用紙として発色性、耐水性が良く、滲みが少なく、かつ、プロセスインキ、UVインキなどによるオフセット印刷での画像が鮮明で印刷作業性の良好であるという特徴をもつ隠蔽情報用紙が得られた。
前記オフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な顔料塗工液の塗工は、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ダイコーター等の一般的なコーターによって塗工されるが、塗工量は乾燥重量で3〜15g/mの範囲で調整されるのが望ましい。塗工量を前記範囲に限定した理由は、3g/m未満ではインクジェットプリンターのインク受理層かつオフセットインキ受理層として、インクの受容量が低下し、印字品位や印刷あがりなどの視感的な面で劣り、更にインクジェットプリンター用インクの耐水性が低下し、好ましくないためである。また、塗工量が15g/mを超えると、印字品位や印刷あがりなどの視感的な見栄えは向上するが、紙粉が発生しやすく、筆記性が乏しく、経済的な面からも実用性が劣り好ましくない。
前記オフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な感圧接着層塗工液の塗工は、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ダイコーター等の一般的なコーターによって塗工されるが、塗工量は乾燥重量で3〜15g/mの範囲で調整されるのが望ましい。塗工量を前記範囲に限定した理由は、3g/m未満ではインクジェットプリンターのインク受理層かつオフセットインキ受理層として、インクの受容量が低下し、印字品位や印刷あがりなどの視感的な面で劣り、更にインクジェットプリンター用インクの耐水性が低下し、また、感圧接着層としての接着力が低下し、好ましくないためである。また、塗工量が15g/mを超えると、印字品位や印刷あがりなどの視感的な見栄えは向上するが、紙粉が発生しやすく、筆記性が乏しく、経済的な面からも実用性が劣り、また、感圧接着層としての接着力が強すぎて剥離時、紙表面破壊を起こし、好ましくない。
[実施例]
本発明を次に示す実施例、比較例によって更に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部数は、原紙の作成における部は全て質量部であり、それ以外はすべて顔料100部に対する割合を部数で示すものとする。また、%は、特に指定のない限り、質量%を示す。
原紙の作製
LBKP(CSFカナダ標準ろ水度 300ml) 100部
酸化チタン 4.0部
50%ロジンサイズエマルジョン 3.4部
50%硫酸バンド 5部
4%両性ポリアクリルアミド水溶液 4部
前記配合の1%スラリーを長網抄紙機で抄紙し、6%の酸化澱粉(日本食品化工製:MS−3800)水溶液で吸液量40g/mとなるようサイズプレスを実施し、乾燥及びキャレンダー処理し、坪量132g/m、厚さ0.16mm、内部結合強さ220gf/25mmの原紙を得た。
この原紙に、次に示す組成の顔料塗工液を乾燥塗工量が7g/mとなるよう塗工、乾燥させて後、前記顔料塗工層の反対面に次に示す感圧接着塗工液を乾燥塗工量が6g/mとなるように塗工、乾燥させて隠蔽情報用紙を作成し、これを実施例1とした。
〈顔料塗工液〉
合成シリカ(X−37B トクヤマ社製) 100部
ポリビニールアルコール(PVA117 クラレ社製) 15部
カチオン性樹脂(ジェットフィックス37 里田化工社製) 15部
水 520部
〈感圧接着塗工液〉
合成シリカ(X−37B トクヤマ社製) 100部
ポリビニールアルコール(PVA117 クラレ社製) 15部
カチオン性樹脂(ジェットフィックス37 里田化工社製) 15部
MMAグラフト重合天然ゴム(MG−25 レヂテックス社製) 70部
黒染料(KFブラックSリキッド:日本化薬株式会社製) 1.5部
水 806部
実施例1の感圧接着塗工液の黒染料(KFブラックSリキッド)1.5部を2.5部に変更した以外は、同様にして隠蔽情報用紙を作成し、これを実施例2とした。
実施例1の感圧接着塗工液の黒染料(KFブラックSリキッド)1.5部を4部に変更した以外は、同様にして隠蔽情報用紙を作成し、これを実施例3とした。
実施例1の感圧接着塗工液の黒染料(KFブラックSリキッド)1.5部を6部に変更した以外は、同様にして隠蔽情報用紙を作成し、これを実施例4とした。
実施例1の感圧接着塗工液の黒染料(KFブラックSリキッド)1.5部を10部に変更した以外は、同様にして隠蔽情報用紙を作成し、これを実施例5とした。
比較例1
実施例1の感圧接着塗工液の黒染料(KFブラックSリキッド)1.5部を0部に変更した以外は、同様にして隠蔽情報用紙を作成し、これを比較例1とした。
前記実施例及び比較例に従って作成した隠蔽情報用紙の顔料塗工面側となるオフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な顔料塗工層(以下、「宛名面」と称する。)及び感圧接着面側となるオフセット印刷が可能でインクジェットプリンター印字も可能な感圧接着層(以下、「圧着面」と称する。)について、インクジェットプリンターの印字品位、印字部の耐水性、印字部の隠蔽性、圧着面からの不透明度、圧着面の明度L*値、圧着後の剥離強度、内部結合強さ及びオフセット印刷適性の各性能試験を行った。
表1に実施例及び比較例の各性能試験結果を示す。次の各性能試験方法とその評価の仕方を示す。
(1) インクジェットプリンターの印字品位
インクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製HP Deskjet560J)のインクカートリッジにサイテックス1040黒インクを注射器で注入し、テスト印字パターンを(文字、線、ベタ)を印字し、視感で評価した。鮮明な画像、印字が得られたものから、◎:特に、良好であり、実用上の問題がない、○:良好であり、実用上の問題がない、△:実用上の問題がない、×:実用上の問題があるとした。
(2) 印字部の耐水性(流水法)
インクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製HP Deskjet560J)のインクカートリッジにサイテックス1040黒インクを注射器で注入し、ベタ印字を行う。次に水をはった容器に水を注ぎながら、ベタ印字した印字面を水に接するように浮かべ、5分間後の印字濃度及び滲みを視感で評価した。印字滲み、インクの溶出の全くないものから、◎:特に、良好であり、実用上の問題がない、○:良好であり、実用上の問題がない、△:実用上の問題がない、×:実用上の問題があるとした。
(3) 印字部の耐水性(泣き出し法)
インクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製HP Deskjet560J)のインクカートリッジにサイテックス1040黒インクを注射器で注入し、ベタ印字を行う。次に濾紙を水に漬けた後、余分な水分を別紙に取らせ、この濾紙を印字部に当てて丸型プレスで2kg/cmの圧力を5秒間かけた後、濾紙に転写されたインク濃度及び滲みを視感で評価した。印字滲み、インクの溶出の全くないものから、◎:特に、良好であり、実用上の問題がない、○:良好であり、実用上の問題がない、△:実用上の問題がない、×:実用上の問題があるとした。
(4) 印字部の隠蔽性
感圧接着面にインクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製HP Deskjet560J)のインクカートリッジにサイテックス1040黒インクを注射器で注入し、キャラクター文字を印字する。その後その面を内側になるように折り、ドライシーラーPRESSLE ECONO(トッパン・フォームズ社製)を用いて圧着処理を行う。ロール加圧は、幅10cmの試料をロールシラーのギャップ約130μmの条件で圧着処理を行った。圧着処理済みの隠蔽情報用紙の内側のインクジェットプリンターの印字文字の隠蔽性を視感で評価した。透けて見えないものから、◎:特に、良好であり、実用上の問題がない、○:良好であり、実用上の問題がない、△:実用上の問題がない、×:実用上の問題があるとした。
(5) 圧着面からの不透明度の測定
JIS P 8149に準拠した、日本電色工業社製 スペクトロ カラー メーター
モデル PF−10で測定した。
(6) 圧着面の明度L*値の測定
JIS Z 8722に準拠したコニカミノルタ社製 色差計CR−300で測定した。
(7) 圧着後の剥離強度
23℃50%の環境下で平衡水分となるまで調湿した質隠蔽情報用紙を葉書の大きさにカットし、圧着面を内側に折り込み、ロール加圧によって圧着し、その剥離強度を測定する。また、圧着面にUV照射(オゾン発生水銀ランプ 株式会社ジーエス・ユアサライティング、GSHI−20N 2000W、UVランプと用紙との距離27cm、照射時間0.57秒)後、葉書の大きさにカットし、圧着面を内側に折り込み、ロール加圧によって圧着し、その剥離強度を測定する。ロール加圧には、ドライシーラーPRESSLE ECONO(トッパン・フォームズ社製)を使用した。ロール加圧は、幅10cmの試料をロールシラーのギャップ約130μmの条件で圧着処理を行った。
次に23℃50%の環境下でストログラフM−1型(東洋精機製作所社製)にて速度300mm/分、剥離角90度(T型剥離)で剥離し、その剥離抵抗値を測定する。試料は、幅10cmの中央部を25mm巾に断裁して測定し、数値を平均して剥離強度gf/25mmを求める。剥離強度はm、UV照射後、120〜30gf/25mmが望ましい。これより高いと剥離時に紙破れが発生しやすくなり、これより低いと配達中に剥離してしまいトラブルが発生しやすくなる。
(8) 内部結合強さの測定
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.18−2:2000に準拠した熊谷理機工業社製 インターナル ボンド テスターで測定した。
(9) オフセット印刷適性
RI−3型印刷適性試験機(明製作所社製)を使用して、印刷適性として耐刷力を評価した。インキは、プロセスインキ(東洋インキ製造社製 PRINTING INK 墨 SMX TV−15)を0.4ml、印刷速度:60rpm、印圧:8.5mm、4回刷り。視感で評価し、インキによる塗工層剥け、紙剥けなどが全くないものから、◎:特に、良好であり、実用上の問題がない、○:良好であり、実用上の問題がない、△:実用上の問題がない、×:実用上の問題があるとした。
前記の方法によって試験を行い、その評価結果を次の表1に示した。
Figure 2009228158
比較例1の場合と比較して、圧着面からの不透明度が98%以上で、かつ、圧着面の明度L*値が92以下である実施例1〜5の場合には、優れた隠蔽度及び十分な内部結合強さを有する隠蔽情報用紙が提供されることが実証されている。

Claims (2)

  1. 通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能な感圧接着層を片面に有する隠蔽情報用紙において、感圧接着層が黒色着色剤を含有し、JIS P 8149:2000に規定する不透明度が感圧接着層面からの測定で98%以上、JIS Z 8722:1994に規定する測定方法で感圧接着層面の明度L*値が92以下であることを特徴とする隠蔽情報用紙。
  2. 感圧接着層に該層の重量を基準として0.1〜4.0g/mのカチオン性樹脂を含有するインクジェットプリンター用の請求項1に記載の隠蔽情報用紙。
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