JP2009222547A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出コイル13及び14のそれぞれと抵抗体R1及びR2のそれぞれとを個別に直列接続したブリッジ回路に交流電圧を印加し、検出コイル13及び14の端子部に表れる交流電圧の差分に基づいて操舵トルクを検出するトルク検出回路と、少なくとも前記操舵トルクに基づいて電動モータを駆動制御するEPS制御回路とを備え、トルク検出回路の非作動時に、前記検出コイルに電流を通電又は電圧を印加したときに検出コイルの端子間に発生する電圧に基づいて、当該検出コイルの接続状態の良否診断を行う。
【選択図】図1
Description
また、上記特許文献1に記載のトルクセンサにあっては、異常を検出する際に非接触トルクセンサの作動を伴うため、予め接続不良に陥っている場合には未然に異常作動を回避することができない。
前記トルクセンサの非作動時に、前記検出コイルに対して電流を通電又は電圧を印加したときに前記検出コイルの端子間に発生する電圧に基づいて、前記検出コイルの接続状態を診断する異常検出手段を備えることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記異常検出手段は、前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルに対して所定電圧を印加し、他方の検出コイルの端子間に発生する励磁電圧に基づいて、両検出コイルの接続状態を診断することを特徴としている。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の主要部を示す断面図であり、図2は、トルク検出部の構成を示す斜視図である。
図中、符号5a及び5bはハウジングであり、入力軸側5aと出力軸側5bとの2分割構造となっている。ハウジング5a及び5bの内部には、入力軸1、その内部に配置されたトーションバー3、及びトーションバー3を介して入力軸1に連結された出力軸2が、軸受6a、6b及び6cによって回転自在に支持されている。
図2はトルク検出部の構成を示す斜視図である。入力軸1の、図1で右端に近い外側には磁性材料で構成されたセンサシャフト部11が形成されており、センサシャフト部11の表面には、軸方向に延びた複数(図示の例では9個)の凸条11aが円周方向に沿って等間隔に形成されており、凸条11aの間には凸条11aの幅t1よりも幅広の溝部11bが形成されている。
円筒部材12には、前記したセンサシャフト部11の表面の凸条11aに対向する位置に、円周方向に等間隔に配置された複数個(図2では9個)の長方形の窓12aからなる第1の窓列と、前記第1の窓列から軸方向にずれた位置に、前記窓12aと同一形状で、円周方向の位相が異なる複数個(図2では9個)の長方形の窓12bからなる第2の窓列とが設けられている。
窓12a、12bの角度aは窓12a、12bのない部分の角度bよりも小さく設定(a<b)され、凸条11aの角度cは溝部11bの角度dよりも小さく設定(c<d)される。これは、検出コイルのインピーダンスの変化を急峻にするためである。
一方、ステアリングホイールを操作して入力軸1に回転力が加わると、その回転力はトーションバー3を経て出力軸2に伝達される。このとき、出力軸2には舵輪と路面との間の摩擦力や出力軸2に結合されているステアリング機構のギヤの噛み合い等の摩擦力が作用するため、入力軸1と出力軸2との間を結合するトーションバーに捩れが発生し、入力軸1の側にあるセンサシャフト部11の表面の凸条11aと出力軸2の側にある円筒部材12との間に相対回転が生じる。
円筒部材12に窓が形成されている場合は、円筒部材12の外周面に発生した渦電流は、窓12a及び12bによって外周面を周回できないため、窓12a及び12bの端面に沿って円筒部材12の内周面側に回り込み、内周面をコイル電流と同方向に流れ、また隣の窓12a及び12bの端面に沿って外周面側に戻り、ループを形成する。つまり、検出コイル内側に渦電流のループを、円周方向に周期的に配置した状態が発生する。
円筒部材12の内側には、磁性材料からなるセンサシャフト部11が同軸に配置されており、その凸条11aは、窓12a及び12bと同じ周期で配置されている。
トルクが作用しない状態では、インダクタンスが最大となる位相(窓12a及び12bと凸条11aの中心とが一致している位相)に対して、センサシャフト部11の凸条11aの中心は凸条11aの中心角cの1/2だけずれた位置に設定されているから、トルクが作用してトーションバー3が捩れ、センサシャフト部11と円筒部材12との間に位相差が生じると、2つの検出コイル13及び14のインダクタンスは、一方が増加し他方が減少する。
トルク検出回路20の各回路要素には、電源電圧V及び基準電圧Vrefがコネクタ29及びノイズフィルタ28を介して供給され、トルク検出回路20で検出されたメイン検出トルク信号及びサブ検出トルク信号がEPS制御回路40に出力されるようになっている。
発振部21は電源電圧V及び基準電圧Vrefの供給を受けて所定周波数の交流電圧を出力する。出力された交流電圧は電流増幅部22で増幅され、増幅された交流電圧Voscが、検出コイル13と抵抗R1とで構成されたブリッジ回路の第1のアーム、及び検出コイル14と抵抗R2とで構成されたブリッジ回路の第2のアームに供給される。なお、トルクが作用しない状態では検出コイル13及び14の両端に表れる電圧が等しくなるように予め抵抗R1及びR2の値を調整しておくものとする。
さらに、検出コイル13及び検出コイル14の両端に表れる電圧信号は、サブ増幅・全波整流部24において両検出コイルの差分の信号に変換されて増幅されると共に整流され、更にサブ平滑・中立調整部27で出力波形が調整された後、ノイズフィルタ28を経てサブ検出トルク信号としてEPS制御回路40に出力される。
EPS制御回路40は、トルク検出回路20に近接して配置されており、トルク検出回路20から出力される操舵トルク信号が入力されるトルクセンサI/F41及び、トルクセンサI/F41から出力される操舵トルクTが入力されるCPU42を備え、CPU42では、少なくとも操舵トルクTに基づいて操舵補助指令値を演算し、その操舵補助指令値に基づいて図示しない電動モータを駆動制御することで、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する操舵補助制御を実行する。
図5において、トルク検出回路20及びトルクセンサI/F41がトルクセンサに対応し、CPU42が制御手段に対応し、診断用電流発生器43、接続状態診断器44及び作動判定器45が異常検出手段に対応している。
ステップS3では、作動判定器45は、接続状態診断器44で経路3にて計測した検出コイル14の端子間電圧を読み込み、ステップS4に移行する。
次にステップS5では、作動判定器45は、前記ステップS4の判定結果から検出コイル14に異常が発生しているか否かを判定し、検出コイル14に異常が発生しているときにはステップS6に移行して、トルク検出回路20による検出トルクの出力を禁止してから作動判定処理を終了する。一方、前記ステップS5で、検出コイル14が接続状態であると判定したときには、作動判定処理を継続するものと判断してステップS7に移行する。
ステップS8では、作動判定器45は、接続状態診断器44で経路4にて計測した検出コイル13の端子間電圧を読み込み、ステップS9に移行する。
次にステップS10では、作動判定器45は、前記ステップS9の判定結果から検出コイル13に異常が発生しているか否かを判定し、検出コイル13に異常が発生しているときには前記ステップS6に移行し、検出コイル13が接続状態であると判定したときにはそのまま作動判定処理を終了する。
今、電動パワーステアリング装置が初期診断状態であり、トルク検出回路20が非作動状態であるものとすると、EPS制御回路40の作動判定器45の作動判定処理では、ステップS1でYesと判定し、トルク検出回路20の作動判定を行うものと判断してステップS2に移行して、電流発生信号Siを診断用電流発生器43に対して出力することにより経路1にて検出コイル14に診断用電流を流し込む。
一方、初期診断状態で予め検出コイル14に接触不良が発生している場合には、EPS制御回路40の作動判定器45の作動判定処理において、ステップS1でYesと判定してステップS2に移行し、電流発生信号Siを診断用電流発生器43に対して出力することにより経路1にて検出コイル14に診断用電流を流し込むが、検出コイル14に接触不良などの異常が発生していることから、ステップS3で計測した検出コイル14の端子間電圧に基づいて、ステップS4で当該検出コイル14に異常が発生していると判断する。したがって、ステップS5でYesと判定してステップS6に移行し、トルク検出回路20からの検出トルクの出力が禁止される。
さらに、検出コイルとブリッジ回路との間をハンダ接合ではなくコネクタ接続とすることができ、いずれかのユニットに異常が発生した場合に部品交換が可能となると共に、組立工程におけるハンダ接合の工数を削減することができる。
この第2の実施形態は、検出コイル13又は14に診断用電圧を印加し、当該電圧を印加していない方の検出コイルの端子間に発生する励磁電圧に基づいて、検出コイル13及び14の接続状態の良否診断を行うようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態のトルク検出回路及びEPS制御回路は、図7に示すように、図5に示す前述した第1の実施形態のEPS制御回路40において、診断用電流発生器43を検出コイル13又は14に印加する診断用電圧を発生する診断用電圧発生器46に置換したことを除いては図5と同様の構成を有するため、構成の異なる部分を中心に説明する。
ステップS23では、作動判定器45は、接続状態診断器44で経路4にて計測した検出コイル13の端子間の励磁電圧を読み込み、ステップS24に移行する。
今、電動パワーステアリング装置が初期診断状態であり、トルク検出回路20が非作動状態であるものとすると、EPS制御回路40の作動判定器45の作動判定処理では、ステップS21でYesと判定し、トルク検出回路20の作動判定を行うものと判断してステップS22に移行して、電圧発生信号Svを診断用電圧発生器46に対して出力することにより経路1にて検出コイル14に診断用電圧を印加する。
一方、初期診断状態で予め検出コイル14に接触不良が発生している場合には、EPS制御回路40の作動判定器45の作動判定処理において、ステップS21でYesと判定してステップS22に移行し、電圧発生信号Svを診断用電圧発生器46に対して出力することにより経路1にて検出コイル14に診断用電圧を印加するが、検出コイル14に接触不良などの異常が発生していることから、検出コイル13の端子間に励磁電圧が発生せず、ステップS23で計測した検出コイル13の端子間の励磁電圧に基づいて、ステップS24で検出コイル13及び14に異常が発生していると判断する。したがって、ステップS25でYesと判定してステップS26に移行し、トルク検出回路20からの検出トルクの出力が禁止される。
また、上記各実施形態においては、EPS制御回路40にトルク検出回路20の作動判定を行う作動判定器45をCPU43とは個別に設ける場合について説明したが、作動判定器45を削除しCPU43で作動判定処理を行うこともできる。
Claims (4)
- 回転軸に生じたトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルのそれぞれと、一対の抵抗体のそれぞれとを個別に直列接続したブリッジ回路に交流電圧を印加し、前記一対の検出コイルの端子部に表れる交流電圧の差分に基づいて操舵トルクを検出するトルクセンサと、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動モータと、少なくとも前記トルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータを駆動制御する制御手段とを備える電動パワーステアリング装置であって、
前記トルクセンサの非作動時に、前記検出コイルに対して電流を通電又は電圧を印加したときに前記検出コイルの端子間に発生する電圧に基づいて、前記検出コイルの接続状態を診断する異常検出手段を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記異常検出手段は、前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルに対して所定電流を通電し、前記所定電流を通電した検出コイルに発生する端子間電圧に基づいて、当該検出コイルの接続状態を診断することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記異常検出手段は、前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルに対して所定電圧を印加し、他方の検出コイルの端子間に発生する励磁電圧に基づいて、両検出コイルの接続状態を診断することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記異常検出手段は、前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルに対して所定電圧を印加し、他方の検出コイルの端子間に発生する励磁電圧に基づいて、両検出コイルの接続状態を診断した後、前記他方の検出コイルに対して所定電圧を印加し、前記一方の検出コイルの端子間に発生する励磁電圧に基づいて、両検出コイルの接続状態を二重的に診断することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
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