JP2001088728A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001088728A
JP2001088728A JP27217099A JP27217099A JP2001088728A JP 2001088728 A JP2001088728 A JP 2001088728A JP 27217099 A JP27217099 A JP 27217099A JP 27217099 A JP27217099 A JP 27217099A JP 2001088728 A JP2001088728 A JP 2001088728A
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circuit
torque
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electric power
steering
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JP27217099A
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Koichi Sato
浩一 佐藤
Takashi Ishikawa
剛史 石川
Toshiyuki Onizuka
利行 鬼塚
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境温度や装置個々のばらつきに基づく基準
電圧の変動によつても検出トルクに影響を与えず、電子
制御回路とトルク検出回路との間の接続ピン本数やワイ
ヤハーネスの本数を減らせる電動パワーステアリング装
置を提供する。 【解決手段】 電子制御回路20のMPU21はトルク
検出回路30から出力されるトルク信号をA/D変換
し、所定の演算式に基いてモータ制御情報を演算し、モ
ータ27を駆動制御する。基準電圧発生回路23からの
基準電圧Vref はMPU21とセンサ電源回路24に供
給され、センサ電源回路24は基準電圧Vref に基づい
てトルク検出回路30を駆動する電力を供給する。MP
U21とトルク検出回路30が共通の基準電圧を使用す
るから、基準電圧の変動が検出トルクに影響を与えず、
また、電子制御回路20とトルク検出回路30との間の
コネクタ接続ピンの本数やワイヤハーネスのワイヤ本数
を減らすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動パワーステ
アリング装置に関し、特に、ステアリングシャフトに発
生するトルクを検出するトルク検出回路の電源回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は操舵補助
を行うモータを備え、トルクセンサで検出された操舵ト
ルクその他のパラメータに基いてモータを制御して操舵
力を補助するものである。このために電子制御回路が設
けられており、電子制御回路を構成するマイクロプロセ
ッサ(MPU)には検出トルクが入力される。MPUで
は入力トルク信号をA/D変換し、所定の演算式に基い
て制御情報を演算し、この制御情報に基いてモータ駆動
部を作動させて検出されたトルクに応じてモータの回転
数や回転方向を制御するように構成されている。
【0003】操舵トルクの検出にはトーションバーの捩
れを検出するものが一般的で、トーションバーの捩れを
検出するためには、接触型のトルクセンサと非接触型の
トルクセンサとがある。従来の接触型のトルクセンサは
トーションバーの捩れに応じてポテンショメータを回転
させるもので、ポテンショメータには電源から基準電圧
(例えば5V)を供給し、抵抗により分圧してセンサ電
圧としている。
【0004】また、非接触型のトルクセンサはトーショ
ンバーの捩れを検出コイルのインダクタンスの変化に変
換し、このインダクタンスの変化を電子回路により検出
するように構成されたものがある。
【0005】上記したインダクタンスの変化を電子回路
で検出するものでは、電子制御回路側の電源から電子回
路に対し基準電圧(例えば5V)よりも高い所定の電圧
が供給される他に、別の電源からトルクセンサ用の基準
電圧(例えば5V)が供給される。
【0006】このように、2つの電源を必要とするの
は、電子回路の出力として所定の電圧の出力が得られる
ように高い所定の電圧が必要とされることの他、環境温
度の変動や電子回路内の3端子レギュレータ等の許容誤
差のため、電子制御回路側のA/D変換器の基準電圧が
個々にばらつくのを認知して相殺するためである。
【0007】即ち、電動パワーステアリング装置を制御
する電子制御回路側のA/D変換器の基準電圧が個々に
ばらついていると、トルクセンサの中立出力電圧を規定
の電圧(例えば2.5V)に正確に設定しても、A/D
変換器によつてはトルクセンサの出力電圧が規定の中立
出力電圧(例えば2.5V)からずれていると認識して
しまう場合がある。
【0008】このため、電子制御回路側の個々のA/D
変換器の基準電圧に応じてトルクセンサ用の基準電圧を
別に供給しているのである。
【0009】図8は、上記した従来の検出コイルのイン
ダクタンスの変化を電子回路で検出する非接触型のトル
クセンサを備えた電動パワーステアリング装置の電子制
御回路の一例を示すブロツク図である。
【0010】電子制御回路100はMPU101を中心
に構成される。バッテリBAからイグニッションスイッ
チ102を経て供給された電力は、基準電圧発生回路1
03、MPU101に定電圧を供給する定電圧回路10
4、モータ駆動回路106に供給される。
【0011】基準電圧発生回路103では基準電圧Vre
f (例えば5V)が生成され、MPU101とトルク検
出回路105に供給される。トルク検出回路105には
基準電圧Vref の他、回路要素の駆動のための電力も供
給される。
【0012】トルク検出回路105からはメイン検出ト
ルク信号及びサブ検出トルク信号が出力され、MPU1
01のA/Dポートに入力される。MPU101では入
力トルク信号をA/D変換し、所定の演算式に基いて制
御情報を演算する。演算された制御情報に基づいてモー
タ駆動回路106を駆動し、モータ107を駆動制御す
る。
【0013】上記説明及び図8からも明らかなように、
電子制御回路100とトルク検出回路105との間には
通常の電力線、基準電圧供給線、メイン及びサブ検出ト
ルク信号線、地線の合計5本の配線が設けられている。
【0014】なお、トルク検出回路105には、2組の
独立したトルク検出回路が設けられており、それぞれメ
イン検出トルク信号及びサブ検出トルク信号が出力され
るように構成されているが、これは、電子制御回路10
0においてメイン検出トルク信号及びサブ検出トルク信
号を比較することでトルク検出回路において発生する可
能性がある回路故障の有無を検出するためで、トルクセ
ンサの信頼性を高めるための構成である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、2つ
の電源を必要とするのは、電子回路の出力として所定の
電圧の出力が得られるように高い所定の電圧が必要とさ
れることの他、環境温度の変動や電子回路内の3端子レ
ギュレータ等の許容誤差のため、電子制御回路側のA/
D変換器の基準電圧が個々にばらつくのを認知して相殺
するためであるが、このため、コネクタの接続ピンの本
数やワイヤハーネスのワイヤ本数が多くなるばかりでな
く、電動パワーステアリング装置側の電子制御回路の構
成も複雑となり、製造コストを上昇させる結果となつて
いた。この発明は、上記した課題を解決することを目的
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、請求項1の発明は、ステアリングホイー
ルに加えられた操舵トルクに基づいて制御される操舵補
助モータの回転力を操舵機構に伝達し、操舵力を補助す
る電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを
検出するトルク検出回路と、前記トルク検出回路の出力
に基づいて操舵補助モータを駆動するための制御情報を
演算する演算回路と、基準電圧を出力する基準電圧発生
回路と、前記トルク検出回路へ電力を供給するセンサ電
源回路とを備え、前記基準電圧は前記演算回路で実行さ
れる前記制御情報の演算処理における基準電圧であると
共に前記センサ電源回路から出力されるセンサ電源電圧
決定のための基準電圧であることを特徴とする。
【0017】そして、前記トルク検出回路は、操舵トル
クに基づいて互いに逆方向にインピーダンスが変化する
一対の検出コイルと、検出コイルのインピーダンスの変
化を示す信号にオフセットを付与するオフセット電圧を
前記基準電圧に基いて設定するオフセット電圧発生回路
とを備えている。
【0018】さらに、前記演算回路は前記一対の検出コ
イルのインピーダンスの変化を示す信号をA/D変換し
て操舵補助モータを駆動するための制御情報を演算する
演算回路であり、前記基準電圧はA/D変換の際の基準
電圧として使用される。
【0019】また、前記演算回路、基準電圧発生回路及
びセンサ電源回路は電動パワーステアリング装置の電子
制御回路を構成し、前記トルク検出回路は舵輪軸の回り
に装着され、前記電子制御回路にコネクタ及びワイヤハ
ーネスで接続される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の電
動パワーステアリング装置を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、トルク検出部を含む電動パワース
テアリング装置の主要部の構成を示す断面図、図2はそ
のトルク検出部の構成を示す斜視図である。
【0022】図1及び図2において、5a及び5bはハ
ウジングであり、入力軸側5aと出力軸側5bとの2分
割構造となつている。ハウジング5a及び5bの内部に
は、入力軸1、その内部に配置されたトーシヨンバー
3、及びトーシヨンバー3を介して入力軸1に連結され
た出力軸2が、軸受6a、6b及び6cによつて回転自
在に支持されている。
【0023】入力軸1、トーシヨンバー3、及び出力軸
2は同軸に配置されており、入力軸1とトーシヨンバー
3とはスプライン結合し、また、トーシヨンバー3と出
力軸2もスプライン結合している。図1において、入力
軸1の左端側には、図示されていないステアリングホイ
ールが一体的に取り付けられている。また、出力軸2に
はピニオン軸2aが一体的に形成されており、ピニオン
軸2aはラック4と噛合して公知のラックアンドピニオ
ン式ステアリング機構を構成している。
【0024】また、出力軸2には、これと同軸で且つ一
体に回転するウオームホイール7が固着されており、図
示されていない電動モータで駆動されるウオーム8と噛
合している。ウオームホイール7は金属製のハブ7aに
合成樹脂製の歯部7bが一体的に固定されている。電動
モータの回転力は、ウオーム8及びウオームホイール7
を介して出力軸2に伝達され、電動モータの回転方向を
適宜切り換えることにより、出力軸2に任意の方向の操
舵補助トルクが付与される。
【0025】次に、図1及び図2を参照してトルクセン
サのトルク検出部の構成を説明する。トルク検出部は入
力軸1の、図1で右端側に形成されたセンサシャフト部
11と、ハウジング5aの内側に配置された検出コイル
13と14、及び両者の間に配置された円筒部材12か
ら構成される。
【0026】図2はトルク検出部の構成を示す斜視図で
ある。入力軸1の、図1で右端に近い外側には磁性材料
で構成されたセンサシャフト部11が形成されており、
センサシャフト部11の表面には、軸方向に延びた複数
(図示の例では9個)の凸条11aが円周方向に沿つて
等間隔に形成されており、凸条11aの間には凸条11
aの幅t1 よりも幅広の溝部11bが形成されている。
【0027】また、センサシャフト部11の外側には、
センサシャフト部11に接近して導電性で且つ非磁性の
材料、例えばアルミニウムで構成された円筒部材12が
センサシャフト部11と同軸に配置されており、円筒部
材12の延長部12eは出力軸2の端部2eの外側に固
定されている。
【0028】円筒部材12には、前記したセンサシャフ
ト部11の表面の凸条11aに対向する位置に、円周方
向に等間隔に配置された複数個(図2では9個)の長方
形の窓12aからなる第1の窓列と、前記第1の窓列か
ら軸方向にずれた位置に、前記窓12aと同一形状で、
円周方向の位相が異なる複数個(図2では9個)の長方
形の窓12bからなる第2の窓列とが設けられている。
【0029】円筒部材12の外周は、同一規格の検出コ
イル13及び14が捲回されたヨーク15で包囲されて
いる。即ち、検出コイル13及び14は円筒部材12と
同軸に配置され、検出コイル13は窓12aからなる第
1の窓列部分を包囲し、検出コイル14は窓12bから
なる第2の窓列部分を包囲する。ヨーク15はハウジン
グ5aの内部に固定され、検出コイル13及び14の出
力線はハウジング5aの内部に配置された回路基板16
に接続される。
【0030】図3の(a)及び(b)はセンサシャフト
部の表面の凸条と円筒部材の窓配置を説明する図で、図
3の(a)は、基準位置(トーシヨンバー3が捩れてい
ない状態)におけるセンサシャフト部11の表面の凸条
11aと円筒部材12の第1の窓列の窓12aとの位置
関係を示し、図3の(b)は基準位置(トーシヨンバー
3が捩れていない状態)におけるセンサシャフト部11
の表面の凸条11aと円筒部材12の第2の窓列の窓1
2bとの位置関係を示す図である。
【0031】この実施例では、窓12a及び12bがそ
れぞれ9個設けられているから、第1の窓列の窓12a
及び第2の窓列の12bは、それぞれ円周方向に角度θ
=360/N度(図2、図3の例では角度θ=360/
9=40度)づつずれていることになる。
【0032】窓12a、12bの角度aは窓12a、1
2bのない部分の角度bよりも小さく設定(a<b)さ
れ、凸条11aの角度cは溝部11bの角度dよりも小
さく設定(c<d)される。これは、検出コイルのイン
ピーダンスの変化を急峻にするためである。
【0033】図3の(a)及び(b)から明らかなよう
に、トーシヨンバー3が捩れていない状態、即ち操舵ト
ルクが零(0)の状態では、窓12aの円周方向の幅の
中央部にセンサシャフト部11の凸条11aの円周方向
の一方の端部が位置し、窓12bの円周方向の幅の中央
部に凸条11aの円周方向の他方の端部が位置するよう
に、窓12a及び12bの円周方向の幅と凸条11aの
幅、及び窓12aと12bとの円周方向の相対位置関係
が設定される。即ち、凸条11aに対する窓12aと窓
12bとの円周方向の位置関係は互いに逆になつてい
る。
【0034】操舵系が直進状態にあつて操舵トルクが零
である場合はトーションバー3には捩れが発生せず、入
力軸1と出力軸2とは相対回転しない。従つて入力軸1
の側にあるセンサシャフト部11の表面の凸条11a
と、出力軸2の側にある円筒部材12との間にも相対回
転が生じない。
【0035】一方、ステアリングホイールを操作して入
力軸1に回転力が加わると、その回転力はトーションバ
ー3を経て出力軸2に伝達される。このとき、出力軸2
には舵輪と路面との間の摩擦力や出力軸2に結合されて
いるステアリング機構のギヤの噛み合い等の摩擦力が作
用するから、入力軸1と出力軸2との間を結合するトー
ションバーに捩れが発生し、入力軸1の側にあるセンサ
シャフト部11の表面の凸条11aと出力軸2の側にあ
る円筒部材12との間に相対回転が生ずる。
【0036】円筒部材12に窓がない場合は、円筒部材
12は導電性で且つ非磁性材で構成されているから、検
出コイル13及び14に交流電流を流して交番磁界を発
生させると、円筒部材12の外周面にコイル電流と反対
方向の渦電流が発生する。この渦電流による磁界とコイ
ル電流による磁界とを重畳すると、円筒部材12の内側
の磁界は相殺される。
【0037】円筒部材12に窓が形成されている場合
は、円筒部材12の外周面に発生した渦電流は、窓12
a及び12bによつて外周面を周回できないため、窓1
2a及び12bの端面に沿つて円筒部材12の内周面側
に回り込み、内周面をコイル電流と同方向に流れ、また
隣の窓12a及び12bの端面に沿つて外周面側に戻
り、ループを形成する。つまり、検出コイル内側に渦電
流のループを、円周方向に周期的に配置した状態が発生
する。
【0038】コイル電流による磁界と渦電流による磁界
とは重畳され、円筒部材12の内外には、円周方向に周
期的に強弱変化する磁界と、中心に向かうほど小さくな
る半径方向に勾配を持つた磁界が形成される。円周方向
の周期的な磁界の強弱は、隣り合う渦電流の影響を受け
る窓12a及び12bの中心で強く、そこからずれるに
従い弱くなる。
【0039】円筒部材12の内側には、磁性材料からな
るセンサシャフト部11が同軸に配置されており、その
凸条11aは、窓12a及び12bと同じ周期で配置さ
れている。
【0040】磁界中に置かれた磁性体は磁化して磁束を
生ずるが、磁束の量は飽和するまでは磁界の強さに応じ
て大きくなる。このため、円筒部材12により円周方向
の周期的な磁界の強弱と中心に向かうほど小さくなる半
径方向に勾配を持つた磁界とにより、センサシャフト部
11に発生する磁束は、円筒部材12とセンサシャフト
部11との相対的な位相により増減する。
【0041】磁束が最大となる位相は、円筒部材12の
窓12a及び12bの中心とセンサシャフト部11の凸
条11aの中心とが一致した状態で、磁束の増減に応じ
て検出コイル13及び14のインダクタンスも増減し、
略正弦波状に変化する。
【0042】トルクが作用しない状態では、インダクタ
ンスが最大となる位相(窓12a及び12bと凸条11
aの中心とが一致している位相)に対して、センサシャ
フト部11の凸条11aの中心は凸条11aの中心角c
の1/2だけずれた位置に設定されているから、トルク
が作用してトーションバー3が捩れ、センサシャフト部
11と円筒部材12との間に位相差が生じると、2つの
検出コイル13及び14のインダクタンスは、一方が増
加し他方が減少する。
【0043】図4はトルクの大きさと検出コイル13及
び14のインダクタンスの変化を説明する図で、横軸は
トルクT、縦軸はインダクタンスLを示す。右操舵トル
クが発生するときには図3の(a)及び(b)において
円筒部材12が時計方向に回転するものとすれば、図4
に示すように、トルクが増大するにつれて検出コイル1
3のインダクタンスL13は増加し、検出コイル14のイ
ンダクタンスL14は減少する。
【0044】また、左操舵トルクが発生するときには図
3の(a)及び(b)において円筒部材12が反時計方
向に回転するものとすれば、図4に示すようにトルクが
増大するにつれて検出コイル13のインダクタンスL13
は減少し、検出コイル14のインダクタンスL14は増加
する。
【0045】図5は、上記した磁気抵抗の変化を電子回
路で検出する非接触型のトルクセンサを備えた電動パワ
ーステアリング装置の電子制御回路20の一例を示すブ
ロツク図である。
【0046】電子制御回路20はマイクロプロセッサ
(MPU)21を中心に構成され、電子制御回路20に
はトルク検出回路30がコネクタ40を介して接続され
る。
【0047】バッテリBAからイグニッションスイッチ
22を経て供給された電力(例えば電圧12Vの電力)
は、基準電圧発生回路23、センサ電源回路24、MP
U21へ定電圧Vccを供給する定電圧回路25、及びモ
ータ27を駆動制御するモータ駆動回路26に供給され
る。
【0048】基準電圧発生回路23では基準電圧Vref
(例えば5V)を発生し、基準電圧Vref はMPU2
1、センサ電源回路24に供給される。
【0049】センサ電源回路24はトルク検出回路30
を駆動する電力を供給するもので、基準電圧発生回路2
3で生成された基準電圧Vref に基づいて設定された所
定電圧Vの電力を出力する。
【0050】トルク検出回路30からはメイン検出トル
ク信号及びサブ検出トルク信号が出力され、MPU21
のA/Dポートに入力される。MPU21では入力され
たメイン検出トルク信号及びサブ検出トルク信号をA/
D変換し、所定の演算式に基いてモータ制御情報を演算
し、演算されたモータ制御情報をモータ駆動回路26に
出力してモータ27を駆動制御する。
【0051】図6は、トルク検出回路30のブロック図
である。前記したとおり、トルク検出回路30はコネク
タ40を介して電動パワーステアリング装置の電子制御
回路20に接続される。電子制御回路20からはセンサ
電源回路24の出力がノイズフイルタ39を経て供給さ
れ、検出されたメイン検出トルク信号及びサブ検出トル
ク信号が電子制御回路20に出力される。
【0052】発振部31はセンサ電源回路24から供給
される所定電圧Vの電力を受けて所定周波数の交流電流
を出力する。出力された交流電流は電流増幅部32で増
幅され、抵抗R1 を経て検出コイル13に供給され、ま
た、抵抗R2 を経て検出コイル14に供給される。な
お、トルクが作用しない状態では検出コイル13及び1
4の両端に表れる電圧が等しくなるように抵抗R1 及び
R2 を調整しておく。
【0053】メイン増幅・全波整流部33及びサブ増幅
・全波整流部34は、センサ電源回路24から供給され
る電力を受けて作動する。検出コイル13及び検出コイ
ル14の両端に表れるトルク信号は、メイン増幅・全波
整流部33において両検出コイルの差分の信号に変換さ
れて増幅されると共に整流され、メイン平滑・中立調整
部37に出力される。また、検出コイル13及び検出コ
イル14の両端に表れるトルク信号は、サブ増幅・全波
整流部34において両検出コイルの差分の信号に変換さ
れて増幅されると共に整流され、サブ平滑・中立調整部
38に出力される。
【0054】オフセット電圧発生部35及び36は、セ
ンサ電源回路24から供給される電力を受けてオフセッ
ト電圧を出力する。オフセット電圧は、検出されたトル
ク信号が電動パワーステアリング装置の電子制御回路2
0のMPU21でA/D変換されるとき、検出されたト
ルク信号の中立出力電圧をA/D変換器の基準電圧に対
応して設定するためのものである。
【0055】オフセット電圧は、センサ電源回路24か
らの出力に基いて設定されるが、センサ電源回路24も
MPU21も、共に基準電圧発生回路23から出力され
る基準電圧Vref に基づいて動作が設定される。
【0056】これにより、環境温度の変動や装置個々の
間のばらつき等の原因により、基準電圧発生回路23か
ら出力される基準電圧Vref に変動が生じてオフセット
電圧が変動しても、その変動は電動パワーステアリング
装置側のMPU21のA/D変換器の基準電圧Vref の
変動として現われて変動誤差が打ち消し合うように作用
するから、オフセット電圧が変動して検出されたトルク
信号の中立出力電圧の変動(ばらつき)が生じてもMP
U21のA/D変換器から出力される検出トルク信号に
変動誤差が生ずることがない。
【0057】メイン平滑・中立調整部37及びサブ平滑
・中立調整部38は、オフセット電圧発生部35及び3
6から出力されたオフセット電圧に基いてトルク信号の
中立電圧を設定する。メイン増幅・全波整流部33から
出力されたトルク信号、及びサブ増幅・全波整流部34
から出力されたトルク信号は、それぞれメイン平滑・中
立調整部37及びサブ平滑・中立調整部38において出
力波形が調整された後、ノイズフイルタ39を経てメイ
ン検出トルク信号、及びサブ検出トルク信号として電子
制御回路20に出力される。
【0058】トルク検出回路30をメイン増幅・全波整
流部33とメイン平滑・中立調整部37、及びサブ増幅
・全波整流部34とサブ平滑・中立調整部38との2組
設け、2組の検出トルク信号を出力するように構成され
ているのは、電子制御回路20においてこれ等の2組の
信号を比較することで、検出コイルの断線や短絡、回路
要素の故障等を検出するためである。
【0059】図7は、センサ電源回路24の回路構成の
詳細を示す図である。センサ電源回路24は、オペアン
プOP1 とトランジスタTR1 、TR2 で構成される。
オペアンプOP1 の(+)端子には基準電圧Vref (例
えば5V)が入力され、オペアンプOP1 の(−)端子
にはセンサ電源回路24の出力が抵抗R2 を経て帰還入
力される。オペアンプOP1 の出力端子はトランジスタ
TR2 のベースに接続され、コレクタは抵抗R5 、R6
を介して電源であるバッテリBAの正極に接続される。
エミッタは接地される。抵抗R5 、R6 の中間点はトラ
ンジスタTR1のベースに接続され、エミッタは電源で
あるバッテリBAの正極に接続され、コレクタは出力端
子に接続される。
【0060】以上の構成において、バッテリBAの電力
はトランジスタTR1 を経て出力端子に出力されるが、
出力端子の電圧は抵抗R2 を経てオペアンプOP1 に帰
還入力され、基準電圧Vref との差分電圧がトランジス
タTR2 に供給される。トランジスタTR2 のベースに
供給された差分電圧はコレクタ・エミッタ電流を調整す
るから、トランジスタTR1 のベース電圧が制御され
る。これによりトランジスタTR1 のコレクタ・エミッ
タ電流が制御され、バッテリBAから出力端子へ流れる
電流が制御されて出力される。
【0061】以上の構成から明らかなように、センサ電
源回路24の出力電圧は、基準電圧発生回路23から出
力される基準電圧Vref に基いて決定される。
【0062】以上、この発明の実施の形態の電動パワー
ステアリング装置、特にその電子制御回路について説明
したが、ここに開示された電子制御回路は、車両用の電
動パワーステアリング装置以外の各種の機械装置のトル
ク検出装置を備えた電子制御回路にも適用できることは
言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれ
ば、電動パワーステアリング装置の電子制御回路で使用
される基準電圧をトルクセンサの検出回路にも供給し、
共通の基準電圧を使用するように構成されているから、
環境温度の変動や装置個々の間のばらつき等の原因によ
り基準電圧が変動しても、基準電圧の変動が検出トルク
に影響を与えることがない。
【0064】そして、電動パワーステアリング装置の電
子制御回路とトルクセンサの検出回路との接続に、基準
電圧に連動する電圧のみの1系統の電力供給線で間に合
い、従来の装置のように電力線と基準電圧線との2系統
の配線を設ける必要がないから、コネクタの接続ピンの
本数やワイヤハーネスのワイヤ本数を減らすことがで
き、また、電動パワーステアリング装置側の電子制御回
路の構成も簡単に纏められ、製造コストを引き下げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の主要部の構成を
示す断面図。
【図2】電動パワーステアリング装置のトルクセンサの
構成を示す斜視図。
【図3】センサシャフト部の表面の凸条と円筒部材の窓
配置を説明する図。
【図4】トルクの大きさと2つの検出コイルのインダク
タンスの変化を説明する図。
【図5】非接触型のトルクセンサを備えた電動パワース
テアリング装置の電子制御回路のブロツク図。
【図6】トルク検出回路のブロック図。
【図7】センサ電源回路の詳細を示す回路図。
【図8】従来の非接触型のトルクセンサを備えた電動パ
ワーステアリング装置の電子制御回路のブロツク図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 トーシヨンバー 4 ラック 5a、5b ハウジング 6a、6b、6c 軸受 7 ウオームホイール 8 ウオーム 11 センサシャフト部 11a 凸条 11b 溝部 12 円筒部材 12a 窓(第1の窓列の) 12b 窓(第2の窓列の) 13、14 検出コイル 15 ヨーク 16 回路基板 20 電子制御回路 21 マイクロプロセッサ(MPU) 22 イグニッションスイッチ 23 基準電圧発生回路 24 センサ電源回路 25 定電圧回路 26 モータ駆動回路 27 モータ 30 トルク検出回路 31 発振部 32 電流増幅部 33 メイン増幅・全波整流部 34 サブ増幅・全波整流部 35、36 オフセット電圧発生部 37 メイン平滑・中立調整部 38 サブ平滑・中立調整部 39 ノイズフイルタ 40 コネクタ R1 、R2 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼塚 利行 群馬県前橋市鳥羽町78番地 日本精工株式 会社内 Fターム(参考) 3D032 CC30 CC33 CC48 DA15 DA65 DA73 DC11 EB11 EC22 GG01 3D033 CA03 CA16 CA28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールに加えられた操舵
    トルクに基づいて制御される操舵補助モータの回転力を
    操舵機構に伝達し、操舵力を補助する電動パワーステア
    リング装置において、 操舵トルクを検出するトルク検出回路と、 前記トルク検出回路の出力に基づいて操舵補助モータを
    駆動するための制御情報を演算する演算回路と、 基準電圧を出力する基準電圧発生回路と、 前記トルク検出回路へ電力を供給するセンサ電源回路と
    を備え、 前記基準電圧は前記演算回路で実行される前記制御情報
    の演算処理における基準電圧であると共に前記センサ電
    源回路から出力されるセンサ電源電圧決定のための基準
    電圧であることを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記トルク検出回路は、操舵トルクに基
    づいて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の
    検出コイルと、検出コイルのインピーダンスの変化を示
    す信号にオフセットを付与するオフセット電圧を前記基
    準電圧に基いて設定するオフセット電圧発生回路とを備
    えていることを特徴とする請求項1記載の電動パワース
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記演算回路は前記一対の検出コイルの
    インピーダンスの変化を示す信号をA/D変換して操舵
    補助モータを駆動するための制御情報を演算する演算回
    路であり、前記基準電圧はA/D変換の際の基準電圧と
    して使用されることを特徴とする請求項2記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記演算回路、基準電圧発生回路及びセ
    ンサ電源回路は電動パワーステアリング装置の電子制御
    回路を構成し、前記トルク検出回路は舵輪軸の回りに装
    着され、前記電子制御回路にコネクタ及びワイヤハーネ
    スで接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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