JP2007030784A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、センサの交換に的確に対処できるようにする。
【解決手段】 車両の工場出荷時に、回転角センサ21,22の補正値が計測され、同計測された補正値を表す補正情報が回転角センサ21,22の識別情報とともに記憶装置30aに記憶される。電子制御ユニット30による操舵アシスト制御時に、回転角センサ21,22に予め記憶されている識別情報と、記憶装置30aに記憶されている識別情報が比較されて、回転角センサ21,22の交換を判定する。回転角センサ21,22の交換が判定されないとき、回転角センサ21,22からの検出信号が記憶装置30aに記憶した補正情報を用いて補正され、同補正した検出信号を用いて操舵アシスト制御が実行される。回転角センサ21,22の交換が判定されたとき、操舵アシスト制御が禁止される。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両の工場出荷時に、回転角センサ21,22の補正値が計測され、同計測された補正値を表す補正情報が回転角センサ21,22の識別情報とともに記憶装置30aに記憶される。電子制御ユニット30による操舵アシスト制御時に、回転角センサ21,22に予め記憶されている識別情報と、記憶装置30aに記憶されている識別情報が比較されて、回転角センサ21,22の交換を判定する。回転角センサ21,22の交換が判定されないとき、回転角センサ21,22からの検出信号が記憶装置30aに記憶した補正情報を用いて補正され、同補正した検出信号を用いて操舵アシスト制御が実行される。回転角センサ21,22の交換が判定されたとき、操舵アシスト制御が禁止される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置に関する。
従来から、センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置はよく知られている。具体的には、例えば下記特許文献1に示されているように、電子制御ユニットがトルクセンサによって検出された操舵トルクに応じて操舵アシスト用の電動モータを制御して、操舵ハンドルの回動操作をアシストする車両の操舵アシスト装置は知られている。そして、この操舵アシスト装置においては、電子制御ユニット内にトルクセンサのばらつきを補正するための補正情報を予め記憶しておき、この記憶されている補正情報を用いてトルクセンサによって検出された操舵トルクを補正し、この補正した操舵トルクに従って電動モータを駆動制御するようにしている。
特開2000−283861号公報
前記のような補正情報は、車両の製造工場にて電動モータを制御するための電子制御ユニットにトルクセンサを組み付けた後に取得され、すなわちトルクセンサと電子制御ユニットとの組み合わせに従って取得され、記憶装置に書き込まれて保存される。しかしながら、車両が利用者に提供された後、トルクセンサがその異常または長年の使用により交換されても、このセンサの交換が的確に把握されず、また補正値は電子制御ユニットとの組み合わせにおいて個々のトルクセンサごとに異なるので、トルクセンサの交換に十分に対応しきれずに、トルクセンサを用いた操舵アシスト制御に不具合が生じることがある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、上記トルクセンサのようなセンサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、センサの交換に的確に対処できるようにした車両の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、電子制御ユニットに、電子制御ユニットに組み付けられたセンサを特定するための情報、および電子制御ユニットに組み付けられたセンサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、センサからの検出信号を記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号を用いて車両の作動を制御する作動制御手段と、記憶手段に記憶されているセンサを特定するための情報を用いて、電子制御ユニットに現在組み付けられているセンサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に応じて作動制御手段による車両の制御状態を変更する変更手段とを備えたことにある。
この場合、例えば、センサは同センサを表す識別情報を記憶しているものであり、記憶手段に記憶されるセンサを特定するための情報は識別情報であり、判定手段は、記憶手段に記憶されている識別情報とセンサに記憶されている識別情報との一致または不一致により、電子制御ユニットに現在組み付けられているセンサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する。また、記憶手段に記憶されるセンサを特定するための情報はセンサの特性を表す特性値情報であり、判定手段は、記憶手段に記憶されているセンサの特性を表す特性値情報と、センサから入手したセンサの特性を表す特性値情報との一致または不一致により、電子制御ユニットに現在組み付けられているセンサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する。
このように構成した本発明の特徴においては、一旦組み付けられたセンサが交換さえると、判定手段がこれを判定し、変更手段が作動制御手段による車両の制御状態を変更する。例えば、判定手段により現在組み付けられているセンサが一旦組み付けられた後に変更されたことが判定されたとき、変更手段は、作動制御手段による車両の作動制御を禁止する。また、この作動制御の禁止に代えて、変更手段は、センサからの検出信号を補正することなく作動制御に利用し、またはセンサからの検出信号を標準的な補正値を用いて補正して作動制御に利用するようにしてもよい。その結果、本発明によれば、センサの交換による極端な不具合を一時的に避けて、その後に補正情報を適正に変更するなど、センサの交換に対して的確に対処できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、電子制御ユニットに組み付けられたセンサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報をセンサに予め記憶させておき、電子制御ユニットに、センサに予め記憶させた特有の補正情報と同一の特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、記憶手段に記憶されている特有の補正情報と、センサに記憶されている特有の補正情報との一致または不一致を判定する判定手段と、判定手段によって一致が判定されたとき、センサからの検出信号を記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する第1作動制御手段と、判定手段によって不一致が判定されたとき、センサからの検出信号をセンサに記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する第2作動制御手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の他の特徴においては、センサが交換されなければ、判定手段が記憶手段に記憶されている特有の補正情報とセンサに記憶されている特有の補正情報との一致を判定し、第1作動制御手段が、センサからの検出信号を記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する。したがって、この場合には、センサからの検出信号は最良に補正され、車両は最良に制御される。一方、センサが上述のように交換されると、電子制御ユニットに記憶されている特有の補正情報がセンサに記憶されている特有の補正情報と一致しなくなる。そして、判定手段が記憶手段に記憶されている特有の補正情報とセンサに記憶されている特有の補正情報との不一致を判定し、第2作動制御手段が、センサからの検出信号をセンサに記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する。しかし、この場合には、センサに記憶されている特有の補正情報は記憶手段に記憶されている特有の補正情報とは一致しないので、センサからの検出信号は最良に補正されないが、一応の補正はなされ、センサの交換による極端な不具合を一時的に避けて、その後に補正情報を適正に変更するなど、センサの交換に対して的確に対処できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有し、センサを着脱可能なコネクタを介して電子制御ユニットに接続した車両の制御装置において、電子制御ユニットに組み付けられたセンサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、センサからの検出信号を記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号を用いて車両の作動を制御する作動制御手段と、コネクタ装置が接続されているとき所定の状態に維持され、前記コネクタ装置が切り離されると前記所定の状態が変更される状態維持手段と、状態維持手段の状態に基づいてコネクタ装置が過去に切り離されたことがあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に応じて作動制御手段による車両の制御状態を変更する変更手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の他の特徴においては、一旦組み付けられたセンサが交換さえると、判定手段が状態維持手段の状態変化に基づいてセンサの交換を判定し、変更手段が作動制御手段による車両の制御状態を変更する。この場合も、例えば、判定手段によりコネクタ装置が過去に切り離されたことが判定されたとき、変更手段は、作動制御手段による車両の作動制御を禁止する。また、この作動制御の禁止に代えて、変更手段は、センサからの検出信号を補正することなく作動制御に利用し、またはセンサからの検出信号を標準的な補正値を用いて補正して作動制御に利用するようにしてもよい。その結果、本発明によれば、センサの交換による極端な不具合を一時的に避けて、その後に補正情報を適正に変更するなど、センサの交換に対して的確に対処できるようになる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、本発明に係る操舵アシスト装置を適用した車両の操舵装置の全体概略図である。
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、本発明に係る操舵アシスト装置を適用した車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2はステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に転舵される。
ステアリングシャフト12の中間には、その一部を構成するトーションバー12aがステアリングシャフト12と一体的に軸線周りに回転するように介装されている。また、ラックバー14の外周上には、図示しないラックハウジングに組み付けられた電動アクチュエータとしての電動モータ15が配置されていている。この電動モータ15の回転は、ボールねじ機構(ねじ送り機構)16によって減速されるとともに直線運動に変換されてラックバー14に伝達される。
また、車両の操舵装置は、回転センサ21,22,23、車速センサ24、電子制御ユニット30、駆動回路31および警報装置32からなる電気制御回路装置も備えている。
回転角センサ21,22,23は、いずれもレゾルバで構成されている。回転角センサ21,22は、トーションバー12aの捩れ量を検出することによりステアリングシャフト12に付与される操舵トルクを検出するために設けられたものである。回転角センサ21は、トーションバー12aの上端側連結部に組み付けられて、トーションバー12aの上端部の軸線周りの回転に応じた回転検出信号S1を出力する。回転角センサ22は、トーションバー12aの下端側連結部に組み付けられて、トーションバー12aの下端部の軸線周りの回転に応じた回転検出信号S2を出力する。回転角センサ23は、電動モータ15の回転角を検出するために電動モータ15に組み付けられて、電動モータ15の回転に応じた回転検出信号S3を検出する。車速センサ24は、車速Vを検出して同検出車速Vを表す車速検出信号S4を出力する。
これらのセンサ21〜24は、いずれも図示しないコネクタにより着脱可能に電子制御ユニット30に接続されている。さらに、回転角センサ21〜23は不揮発性メモリを備え、各不揮発性メモリには個々に割り当てられて個々の回転角センサ21〜23を特定するためのセンサ識別情報(ID)がそれらの製造時には記憶されている。
電子制御ユニット30は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、図2に示すセンサチェックプログラムおよび図3に示す操舵アシストプログラムを実行する。また、電子制御ユニット30は、EEPROMなどの不揮発性かつ書き込み可能なメモリで構成した記憶装置30aを有する。記憶装置30aには、車両の工場出荷時には、詳しくは後述する回転角センサ21〜23に関するセンサ識別情報および補正情報が記憶されている。
駆動回路31は、電子制御ユニット30によって制御されて電動モータ15の回転を駆動制御する。警報装置32は、ランプ、ブザーなどからなり、電子制御ユニット30の制御のもとに、回転角センサ21〜23の交換に伴う電子制御ユニット30内のセンサ識別情報および補正情報の更新を運転者に促す。
このような構成の車両の操舵装置においては、その組み立て時、特に電子制御ユニット30に回転角センサ21〜23をコネクタを介して接続した状態で、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値であって、前記互いに組み付けられた回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の組み合わせにおいて特有の補正値を計測し、同計測した補正値を表す補正情報を記憶装置30aに書き込む。この補正情報の書き込みと同時に、電子制御ユニット30に接続された回転角センサ21〜23のセンサ識別情報も記憶装置30aに書き込んでおく。前記補正値としては、例えば、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3の振幅補正値、回転検出信号S1〜S3に基づいて計算される回転角θ1〜θ3の零点補正値などが上げられる。
次に、上記のように構成され、かつ記憶装置30aに回転角センサ21〜23に関するセンサ識別情報および補正情報を記憶した状態の車両の操舵装置の動作について説明する。電子制御ユニット30は、イグニッションスイッチの投入後、図2のセンサチェックプログラムを実行する。このセンサチェックプログラムの実行は、ステップS10にて開始され、ステップS11にて回転角センサ21〜23からセンサ識別情報をそれぞれ入力する。次に、ステップS12にて、前記入力したセンサ識別情報と、記憶装置30aに記憶されている回転角センサ21〜23に関するセンサ識別情報とをそれぞれ比較する。
まず、回転角センサ21〜23が前記補正値の計測時から交換されていない場合について説明する。この場合、回転角センサ21〜23に関する前記入力したセンサ識別情報と前記記憶装置30aに記憶されているセンサ識別情報とはそれぞれ一致している。したがって、電子制御ユニット30はステップS12にて「Yes」と判定して、ステップS13にて図3に示す操舵アシストプログラムの実行を許容して、ステップS16にてこのセンサチェックプログラムの実行を終了する。なお、このセンサチェックプログラムは、イグニッションスイッチの投入直後に1回のみ行われるだけである。
この操舵アシストプログラムの実行の許容により、電子制御ユニット30は、図2の操舵アシストプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。この操舵アシストプログラムは、ステップS20にて開始され、ステップS21にて回転角センサ21〜23から回転検出信号S1〜S3を入力する。そして、ステップS22にて、前記入力した回転検出信号S1〜S3を記憶装置30aに記憶されている補正情報を用いてそれぞれ補正し、同補正した回転検出信号S1〜S3を用いて回転角θ1〜θ3をそれぞれ計算する。次に、ステップS23にて、回転角θ1から回転角θ2を減算し、同減算結果に予め決められている比例定数Kを乗算して操舵トルクT(=K・(θ1−θ2))を計算する。なお、回転角θ3も操舵アシスト制御に利用されるが、本明細書ではその利用については詳述しない。前記ステップS23の処理後、電子制御ユニット30は、ステップS24にて車速センサ24から車速検出信号S4を入力し、ステップS25にて車速検出信号S4に基づいて車速Vを計算する。
そして、電子制御ユニット30は、ステップS26にて、目標アシストテーブルを参照して、前記計算した操舵トルクTおよび前記計算した車速Vに応じた目標アシスト電流I*を計算する。目標アシストテーブルは、電子制御ユニット30のROM内に設けられたもので、図4に示すように、操舵トルクTの増加に従って増加する目標アシスト電流I*を記憶している。また、この目標アシスト電流I*は、同一の操舵トルクTに対して、車速Vが低くなるに従って大きな値を示す。なお、この目標アシストテーブルを利用するのに代え、操舵トルクTおよび車速Vに応じて変化する目標アシスト電流I*を関数として予め記憶しておき、この関数を用いた演算の実行により操舵トルクTおよび車速Vに応じた目標アシスト電流I*を計算するようにしてもよい。
前記ステップS26の処理後、電子制御ユニット30は、ステップS27にて、駆動回路31を介して、電動モータ15に目標アシスト電流I*に対応した駆動電流を流すように制御する。そして、ステップS28にて、この操舵アシストプログラムの実行を終了する。
この目標アシスト電流I*に応じた電動モータ15の駆動制御により、電動モータ15はボールねじ機構16を介してラックバー14を軸線方向に駆動する。一方、運転者による操舵ハンドル11の回動操作は、ステアリングシャフト12およびピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達され、ラックバー14を軸線方向に駆動する。これにより、運転者が操舵ハンドル11を回動操作して左右前輪FW1,FW2を転舵しようとすると、電動モータ15により前記運転者による操舵ハンドル11の回動操作がアシストされる。
このように、回転角センサ21〜23に記憶されているセンサ識別情報と記憶装置30aに記憶されているセンサ識別情報がそれぞれ一致している場合には、図3の操舵アシストプログラムの実行により、操舵ハンドル11の回動操作がアシスト制御される。そして、この場合には、ステップS22における回転検出信号S1〜S3の補正処理においては、電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23を接続した状態で計測した補正値を表す補正情報、すなわち互いに接続された電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23の組み合わせにおける特有の補正値を表す補正情報が用いられる。その結果、回転検出信号S1〜S3が高精度で補正されるために、目標アシスト電流I*が良好に計算されるとともに、電動モータ15も良好に制御されるので、操舵ハンドル11の回動操作が的確にアシスト制御される。
次に、回転角センサ21〜23がそれらの異常または長年の使用により交換された場合について説明する。この場合、整備工場などで、回転角センサ21〜23の交換と同時に、前述した回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の組み合わせに応じた特有の補正値の計測を行って、記憶装置30a内の回転角センサ21〜23に関する補正情報およびセンサ識別情報の更新処理を行う必要がある。そして、この更新処理を行えば、次にイグニッションスイッチが投入されて図2のセンサチェックプログラムが実行された場合にも、回転角センサ21〜23に記憶されているセンサ識別情報と記憶装置30aに記憶されているセンサ識別情報はそれぞれ一致するので、上記操舵アシストプログラムが実行されて、上述のように操舵ハンドル11の回動操作がアシスト制御される。
一方、記憶装置30a内の補正情報とセンサ識別情報の更新処理がなされていない場合、回転角センサ21〜23に記憶されているセンサ識別情報と記憶装置30aに記憶されているセンサ識別情報は一致しない。したがって、電子制御ユニット30は、図2のステップS12にて「No」と判定して、ステップS14にて図3に示す操舵アシストプログラムの実行を禁止する。これにより、この場合には、操舵アシストプログラムが実行されないので、操舵ハンドル11の回動操作は、電動モータ15によってアシスト制御されない。その結果、電子制御ユニット30に新たに接続された回転角センサ21〜23に対応していない補正情報によって補正された回転検出信号S1〜S3を用いた目標アシスト電流I*の計算および同計算された目標アシスト電流I*に応じたアシスト制御が回避される。したがって、回転角センサ21〜23の交換による極端におかしなアシスト制御が回避される。
前記ステップS14の処理後、電子制御ユニット30は、ステップS15にて警報装置32を制御して、センサ識別情報が不一致であること、および前記補正情報およびセンサ識別情報の更新処理の催促を警報装置32を介して警報する。この警報により、車両を整備工場にもって行き、前記のような記憶装置30a内の回転角センサ21〜23に関する補正情報およびセンサ識別情報の更新処理を行えば、操舵アシストプログラムの実行により、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によってアシスト制御されるようになる。
なお、上記第1実施形態においては、回転角センサ21〜23および記憶装置30a内に記憶された両センサ識別情報の比較により、電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23の特有の組み合わせを特定するようにした。しかし、これに代えて、回転角センサ21〜23の特性値を用いて電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23の特有の組み合わせを特定するようにしてもよい。すなわち、前記回転角センサ21〜23に関する補正値の計測による補正情報の記憶時に、回転角センサ21〜23を構成する抵抗の抵抗値、コイルのインダクタンスなどの特性値を示す特性値情報を、前記センサ識別情報に代えまたは加えて、電子制御ユニット30の記憶装置30aに記憶しておく。この場合、回転角センサ21〜23は製造上の誤差を利用し、または敢えて異なる特性値を有するように回転角センサ21〜23を製造しておくことにより、回転角センサ21〜23の交換による電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23の組み合わせの不一致を検出できる。
具体的には、前記回転角センサ21〜23に関する補正値の計測による補正情報の記憶時に、回転角センサ21〜23の特性値も計測して同特性値を表す特性値情報も電子制御ユニット30の記憶装置30aに記憶しておく。そして、電子制御ユニット30は、図2のセンサチェックプログラムの実行時に、上記ステップS11の処理に代えて、回転角センサ21〜23の各特性値を計測する。そして、上記ステップS12の処理に代えて、前記計測された各特性値と、前記記憶装置30aに記憶しておいた特性値情報によって表された各特性値とを比較して、電子制御ユニット30と回転角センサ21〜23の特有の組み合わせの一致または不一致を判定するようにすればよい。これによっても、上記第1実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記第1実施形態においては、ステップS12にてセンサ識別情報が不一致である、または前記変形例で特性値が不一致であると判定された場合に、ステップS14の処理によって操舵アシストプログラムの実行を禁止するようにした。しかし、これに代えて、前記不一致が判定された場合に、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3の補正を行わずに、回転角θ1〜θ3を計算するとともに、操舵角トルクTの計算を行うようにしてもよい。この場合、図2のステップS14の処理により回転検出信号S1〜S3の補正を行わないことを表すフラグを設定し、図3のステップS22の処理時に前記フラグに基づいて回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3の補正を行わないようにすればよい。ただし、この場合でも、例えば零点補正値などに関しては、車両の走行中に補正値を測定して、同測定した補正値を用いるようにしてもよい。これによっても、回転角センサ21〜23の交換による極端におかしなアシスト制御が回避され、上記第1実施形態と同様な効果が期待されることもある。また、この場合には、必ずしも最適でないが、運転者は一応の操舵アシストを享受できる。
さらに、前記不一致が判定された場合に、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3を標準的な補正値を用いて補正するようにしてもよい。この場合、電子制御ユニット30の記憶装置30a内に、上記第1実施形態の補正情報に加えて標準的な補正値を表す補正情報を予め記憶しておく。そして、図2のステップS14の処理により回転検出信号S1〜S3を前記標準的な補正値を用いて補正することを表すフラグを設定し、図3のステップS22の処理時に前記フラグに基づいて回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3を前記標準的な補正値を表す補正情報を用いて補正するようにすればよい。これによっても、回転角センサ21〜23の交換による極端におかしなアシスト制御が回避され、上記第1実施形態と同様な効果が期待されることもある。また、この場合にも、必ずしも最適でないが、運転者は一応の操舵アシストを享受できる。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態に係る図1の回転角センサ21〜23には、それぞれEEPROMなどの不揮発性かつ書き込み可能なメモリで構成した記憶装置が内蔵されている。そして、この回転角センサの記憶装置には、その製造時に、電子制御ユニット30との組み合わせに関するものではないが、回転角センサ21〜23ごとに、回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値を表す補正情報を予め記憶しておく。すなわち、回転角センサ21〜23の製造時に、車両搭載の電子制御ユニット30とは無関係に、他の計測装置を用いて回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値を計測すると同時に、計測した補正値を表す補正情報を回転角センサ21〜23ごとに予め記憶しておく。また、電子制御ユニット30は、上記第1実施形態の図2のセンサチェックプログラムおよび図3の操舵アシストプログラムに代えて、図5のセンサチェックプログラムおよび図6の操舵アシストプログラムを実行する。他の構成に関しては、上記第1実施形態と同じである。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態に係る図1の回転角センサ21〜23には、それぞれEEPROMなどの不揮発性かつ書き込み可能なメモリで構成した記憶装置が内蔵されている。そして、この回転角センサの記憶装置には、その製造時に、電子制御ユニット30との組み合わせに関するものではないが、回転角センサ21〜23ごとに、回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値を表す補正情報を予め記憶しておく。すなわち、回転角センサ21〜23の製造時に、車両搭載の電子制御ユニット30とは無関係に、他の計測装置を用いて回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値を計測すると同時に、計測した補正値を表す補正情報を回転角センサ21〜23ごとに予め記憶しておく。また、電子制御ユニット30は、上記第1実施形態の図2のセンサチェックプログラムおよび図3の操舵アシストプログラムに代えて、図5のセンサチェックプログラムおよび図6の操舵アシストプログラムを実行する。他の構成に関しては、上記第1実施形態と同じである。
このような構成の車両の操舵装置においても、その組み立て時、特に電子制御ユニット30に回転角センサ21〜23をコネクタを介して接続した状態で、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値であって、前記互いに組み付けられた回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の組み合わせにおいて特有の補正値を計測し、計測した補正値を表す補正情報を記憶装置30aに書き込む。そして、この第2実施形態においては、回転角センサ21〜23内の記憶装置に既に記憶されている補正情報を、前記車両の組み立て時に計測した電子制御ユニット30に対応した補正情報で更新しておく。
そして、イグニッションスイッチの投入時には、上記第1実施形態の場合と同様に、電子制御ユニット30は、図5のセンサチェックプログラムを1回だけ実行する。このセンサチェックプログラムはステップS30にて開始され、電子制御ユニット30は、ステップS31にて回転角センサ21〜23に記憶されている補正情報をそれぞれ入力する。次に、ステップS32にて、前記入力した補正情報と、記憶装置30aに記憶されている回転角センサ21〜23に関する補正情報とをそれぞれ比較する。
この場合も、回転角センサ21〜23が前記補正値の計測時から交換されていない場合について説明する。この場合、回転角センサ21〜23に関する前記入力した補正情報と前記記憶装置30aに記憶されている補正情報とがそれぞれ一致している。したがって、電子制御ユニット30はステップS32にて「Yes」と判定して、ステップS33にてフラグFLGを回転角センサ21〜23の非交換状態を表す“1”に設定する。そして、ステップS37にてセンサチェックプログラムの実行を終了する。
このセンサチェックプログラムの実行後、電子制御ユニット30は図6の操舵アシストプログラムの実行を所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。この操舵アシストプログラムはステップS40にて開始され、電子制御ユニット30は、ステップS41にて、上記第1実施形態のステップS21と同様に、回転角センサ21〜23から回転検出信号S1〜S3を入力する。そして、ステップS42にて、フラグFLGが“1”であるか否かを判定する。この場合、フラグFLGは前述のように“1”に設定されているので、電子制御ユニット30は、ステップS42にて「Yes」と判定して、ステップS43,S45〜S49の処理を実行して、ステップS50にてこの操舵アシストプログラムの実行を一端終了する。
ステップS43,S45〜S49の処理は、上記第1実施形態の図3のステップS22〜S27の処理と同じである。したがって、この場合には、上記第1実施形態と同様に、操舵ハンドル11の回動操作がアシスト制御される。すなわち、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3が記憶装置30aに記憶されている補正情報を用いて補正される。そして、この補正された回転検出信号S1,S2に応じて操舵トルクTが計算され、この計算された操舵トルクTと、車速センサ24からの車速検出信号S4に基づいて計算された車速Vとを用いて目標アシスト電流I*が計算され、この目標アシスト電流I*に応じて操舵ハンドル11の回動操作がアシスト制御される。その結果、この第2実施形態においても、この場合には、回転検出信号S1〜S3が高精度で補正され、目標アシスト電流I*が良好に計算されるとともに、電動モータ15も良好に制御されるので、操舵ハンドル11の回動操作が的確にアシスト制御される。
次に、回転角センサ21〜23がそれらの異常または長年の使用により交換された場合について説明する。この場合も、整備工場などで、回転角センサ21〜23の交換と同時に、前述した回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の組み合わせに応じた特有の補正値の計測を行って、記憶装置30a内および回転角センサ21〜23内の記憶装置の回転角センサ21〜23に関する補正情報の更新処理を行う必要がある。そして、この更新を行えば、次にイグニッションスイッチが投入されて図5のセンサチェックプログラムが実行された場合にも、回転角センサ21〜23に記憶されている補正情報と記憶装置30a内に記憶されている補正情報はそれぞれ一致するので、上記操舵アシストプログラムのステップS41〜S43,S45〜S49の処理が実行されて、上述のように操舵ハンドル11の回動操作がアシスト制御される。
一方、記憶装置30aおよび回転角センサ21〜23内の補正情報が前記回転角センサ21〜23の交換時に更新されていない場合、記憶装置30aおよび回転角センサ21〜23内の両補正情報が一致しない。したがって、電子制御ユニット30は、図5のステップS32にて「No」と判定して、ステップS34にてフラグFLGを回転角センサ21〜23が交換されたことを表す“0”に設定する。そして、ステップS35にて、記憶装置30a内の補正情報を、前記ステップS31の処理により回転角センサ21〜23から入力した補正情報に更新する。
前記ステップS35の処理後、電子制御ユニット30は、ステップS36にて、上記第1実施形態のステップS15の処理と同様に、警報装置32を制御して、補正情報が不一致であること、および前記補正情報の更新の催促を警報装置32を介して警報する。この警報により、車両を整備工場にもって行き、前記のような記憶装置30aおよび回転角センサ21〜23内の補正情報の更新処理を行えば、前記ステップS32,S33の処理により、フラグFLGは“1”に設定されるようになる。したがって、この場合には、前述した図6の操舵アシストプログラムの実行により、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によって的確にアシスト制御されるようになる。
前述のようにフラグFLGが“0”に設定されている場合には、前述した図6のステップS42にて「No」と判定されて、ステップS44の処理が実行される。このステップS44の処理は、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3が前記図5のステップS35の処理によって更新されて記憶装置30a内に記憶されている補正情報を用いて補正される。そして、この補正された回転検出信号S1〜S3に応じて回転角θ1〜θ3が計算される点は、前述したステップS43の場合と同じである。そして、このステップS44の処理後、電子制御ユニット30は、前述したステップS45〜S49の処理を実行して、操舵ハンドル11の回動操作をアシスト制御する。
上述した第2実施形態においては、記憶装置30aおよび回転角センサ21〜23内の補正情報が前記回転角センサ21〜23の交換時に更新されていない場合、ステップS44の処理により、回転角センサ21〜23に記憶されている補正情報を用いて回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3が補正される。そして、この補正した回転検出信号S1,S2を用いてアシスト制御が実行される。したがって、この第2実施形態によれば、必ずしも電子制御ユニット30との組み合わせに応じて回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3が的確に補正されるわけではないが、回転検出信号S1〜S3は一応補正される。その結果、回転角センサ21〜23の交換による極端におかしなアシスト制御が回避される。そして、この場合には、必ずしも最適でないが、運転者は一応の操舵アシストを享受できる。
なお、上記第2実施形態においては、車両の組み立て時に補正値を計測して回転角センサ21〜23内に記憶されている補正情報を更新するようにした。しかし、回転角センサ21〜23の製造時に前記車両の組み立て時と同様な補正値の計測が可能であれば、回転角センサ21〜23の製造時に前記計測による補正情報を書き換え可能に記憶させておくようにしてもよい。この場合には、車両の組み立て時またはそれ以外のときに、前記回転角センサ21〜23に予め記憶されている補正情報を電子制御ユニット30の記憶装置30aに書き込んでおくようにすればよい。
c.第3実施形態
次に、上記第1実施形態を改良した本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30とをそれぞれ接続するコネクタ装置に、その接続が維持されているとき所定の状態に維持され、その切り離しがあったときに前記所定の状態が変更されることにより、コネクタ装置の切り離しを検出できるようにしたものである。また、この第3実施形態においては、電子制御ユニット30は、上記第1実施形態の図2のセンサチェックプログラムに代えて、図8のセンサチェックプログラムを実行する。他の構成については、上記第1実施形態と同じである。
次に、上記第1実施形態を改良した本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30とをそれぞれ接続するコネクタ装置に、その接続が維持されているとき所定の状態に維持され、その切り離しがあったときに前記所定の状態が変更されることにより、コネクタ装置の切り離しを検出できるようにしたものである。また、この第3実施形態においては、電子制御ユニット30は、上記第1実施形態の図2のセンサチェックプログラムに代えて、図8のセンサチェックプログラムを実行する。他の構成については、上記第1実施形態と同じである。
コネクタ装置40は、図7(A)にその接続状態を示すとともに図7(B)にその切り離し状態を示すように、センサ側コネクタ40Aおよびユニット側コネクタ40Bを有する。センサ側コネクタ40Aとユニット側コネクタ40Bは、図示省略した外周上に設けた各連結部によって着脱可能に連結されるようになっている。センサ側コネクタ40Aの端面には、各回転角センサ21〜23に電気的に常時接続された図示省略した複数の端子が設けられている。ユニット側コネクタ40Bの端面にも、電子制御ユニット30に電気的に常時接続された図示省略した複数の端子が設けられている。そして、センサ側コネクタ40Aとユニット側コネクタ40Bの連結時には、各コネクタ40A,40Bの各対向する端子が接続されるようになっている。
センサ側コネクタ40Aには、この第3実施形態の特徴である状態維持手段の一部を構成する維持装置が設けられている。維持装置は、絶縁部41、一対の導体部42,43、コンデンサ44および抵抗45からなる。絶縁部41は、絶縁材料で円筒または柱状に形成されている。一対の導体部42、43は、弾性変形する導電材料で構成され、絶縁部41の外周上に設けられるとともに、絶縁部41のユニット側コネクタ40B側の端面から突出している。これらの導体部42,43は、両コネクタ40A,40Bの連結状態にて電気的な接続が切り離され(図7(A)参照)、両コネクタ40A,40Bの切り離し状態にて電気的に接続される(図7(B)参照)。コンデンサ44および抵抗45は直列に接続され、それらの両端は導体部42,43にそれぞれ接続されている。
ユニット側コネクタ40Bには、センサ側コネクタ40Aの絶縁部41および一対の導体部42,43に対向した位置に、絶縁部46および一対の導体部47,48が設けられている。絶縁部46は、絶縁材料で円筒または柱状に形成されている。一対の導体部47、48は、導電材料で構成されて、絶縁部46の外周上に設けられている。これらの導体部47,48は、電子制御ユニット30に電気的に常時接続されているとともに、両コネクタ40A,40Bの連結状態にてセンサ側コネクタ40Aの導体部42,43にそれぞれ電気的に接続される(図7(A)参照)。
このような構成の車両の操舵装置においても、その組み立て時、特に電子制御ユニット30に回転角センサ21〜23をコネクタ装置40を介して接続した状態で、回転角センサ21〜23から入力した回転検出信号S1〜S3を補正するための補正値であって、前記互いに組み付けられた回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の組み合わせにおいて特有の補正値を計測し、計測した補正値を表す補正情報を記憶装置30aに書き込む。そして、この補正情報の書き込みと同時に、電子制御ユニット30を作動させて、または他の装置より導体部47,48,42,43を介してコンデンサ44および抵抗45の両端に電圧を印加してコンデンサ44を充電しておく。なお、この場合には、上記第1実施形態およびその変形例で説明したように、回転角センサ21〜23のセンサ識別情報および特性値情報を記憶装置30aに書き込んでおく必要はない。
次に、上記のように構成され、かつコンデンサ44を充電するとともに記憶装置30aに補正情報を記憶した状態の車両の操舵装置の動作について説明する。この場合、電子制御ユニット30は、イグニッションスイッチの投入後、図8のセンサチェックプログラムを実行する。このセンサチェックプログラムの実行はステップS60にて開始され、ステップS61にてコネクタ装置40が切り離されたかを判定する。具体的には、電子制御ユニット30は、コネクタ装置40を介して導体部47,48(すなわち導体部42,43)間の電圧を入力して、同入力電圧が所定の低電位未満であるかを判定する。
前述のように、補正値の計測(すなわち補正情報の記憶装置30aへの書き込み)時に、コンデンサ44は充電されている。したがって、前記補正値の計測からコネクタ装置40が接続状態に保たれていれば、導体部47,48間の電圧は高く、ステップS61にて「No」と判定されて、上記第1実施形態の図2のステップS13と同様なステップS62の処理により、操舵アシストプログラムの実行が許容される。その結果、この場合には、上記第1実施形態と同様な図3の操舵アシストプログラムが実行され、上記第1実施形態の場合と同様に操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によってアシストされる。
一方、前記補正値の計測からコネクタ装置40が切り離されたことがあると、この切り離しの時点で、センサ側コネクタ40Aの導体部42,43は図7(B)に示すように短絡され、コンデンサ44の前記充電電圧は放電している。したがって、この場合には、ステップS61に「Yes」すなわち導体部47,48間の電圧は低いと判定されて、上記第1実施形態の図2のステップS14,S15と同様なステップS63,S64の処理により、操舵アシストプログラムの実行が禁止されるとともに、警報が発生される。その結果、この場合には、上記第1実施形態の場合と同様に、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によってアシストされることはなく、また運転者に回転角センサ21〜23の再検査が促される。
その結果、この第3実施形態によれば、回転角センサ21〜23のセンサ識別情報および特性値情報を用いることなく、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30とが補正値の計測後に切り離されたことが検出される。そして、この切り離し後の対策も施されるので、この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様な効果が期待される。また、この第3実施形態においても、上記第1実施形態の変形例と同様に、回転角センサ21〜23の切り離しに伴い操舵アシストプログラムの実行を禁止する代わりに、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3の記憶補正情報による補正を省略してもよい。また、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3を、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30との特有の組み合わせに対応した計測による補正情報ではなく、標準的な補正情報によって補正するようにしてもよい。
さらに、このコネクタ装置40を用いた第3実施形態に係る装置を、上記第2実施形態にも適用できる。この第2実施形態への適用においては、電子制御ユニット30は、上記第2実施形態の図5のセンサチェックプログラムに代えて、図9のセンサチェックプログラムを実行する。他の構成については、上記第2実施形態と同じである。
この変形例においても、前述のように、車両の操舵装置の組み立て時に、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の特定の関係に対応した補正値を計測して、同補正値を表す補正情報を記憶装置30aに書き込み、コンデンサ44を充電しておく。ただし、この場合には、上記第2実施形態のように、回転角センサ21〜23に予め記憶されている補正情報を前記計測した補正値に基づく補正情報に更新しておいてもよいが、特に、この更新を行う必要はない。なお、回転角センサ21〜23に、それらの製造時に補正情報を書き込んでおくことに関しては上記第2実施形態と同じである。
このように構成した変形例においても、電子制御ユニット30は、図9のステップS70にてセンサチェックプログラムの実行を開始した後、前記図8のステップS61の処理の場合と同様に、ステップS71にてコネクタ装置40が切り離されたかを判定する。そして、前記補正値の計測時からコネクタ装置40が接続状態に保たれて続けていれば、ステップS71にて「No」と判定されて、上記第2実施形態の図5のステップS23と同様なステップS72の処理により、コネクタ装置40の切り離しの有無を表すフラグFLGが“1”に設定される。その結果、この場合には、上記第2実施形態と同様な図6の操舵アシストプログラムの実行により、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3が電子制御ユニット30の記憶装置30aに記憶されている補正情報を用いて補正される。そして、この補正された回転検出信号S1〜S3に応じて、上記第2実施形態の場合と同様に、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によってアシストされる。
一方、前記補正値の計測からコネクタ装置40が切り離されたことがあると、ステップS71に「Yes」と判定されて、上記第2実施形態の図5のステップS34,S35,S36と同種のステップS73,S74,S75の処理が実行される。すなわち、ステップS73においては、コネクタ装置40の切り離しの有無を表すフラグFLGが“0”に設定される。ステップS74においては、回転角センサ21〜23に予め記憶されている補正情報を取り込んで、記憶装置30a内の補正情報を前記取り込んだ補正情報に更新する。ステップS75においては、警報が発生される。その結果、この場合には、上記第2実施形態の場合と同様に、図6の操舵アシストプログラムの実行により、回転角センサ21〜23からの回転検出信号S1〜S3が前記ステップS74の処理によって回転角センサ21〜23から取り込んだ補正情報を用いて補正される。そして、この補正した回転検出信号S1〜S3に応じて、上記第2実施形態の場合と同様に、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によってアシストされる。
その結果、この第3実施形態の変形例によれば、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30の特定の関係において計測した補正情報を回転角センサ21〜23に書き込んでおくことなく、回転角センサ21〜23と電子制御ユニット30とが補正値の計測後に切り離されたことが検出される。そして、この切り離し後の対策も施されるので、この第3実施形態の変形例においても、上記第2実施形態と同様な効果が期待される。
さらに、本発明は上記第1ないし第3実施形態およびそれらの変形例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、本発明は、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストする車両の操舵装置に限られない。すなわち、本発明は、車両の種々の状態を検出するセンサと、同センサによって検出された検出信号を用いて車両の各種機能を制御するものであれば、車両の制御装置に広く利用可能なものである。
11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15…電動モータ、21,22,23…回転角センサ、24…車速センサ、30…電子制御ユニット、32…警報装置、40…コネクタ装置
Claims (5)
- センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、
前記電子制御ユニットに、
前記電子制御ユニットに組み付けられた前記センサを特定するための情報、および前記電子制御ユニットに組み付けられた前記センサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、
前記センサからの検出信号を前記記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号を用いて車両の作動を制御する作動制御手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記センサを特定するための情報を用いて、前記電子制御ユニットに現在組み付けられている前記センサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて前記作動制御手段による車両の制御状態を変更する変更手段とを備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1に記載した車両の電子制御装置において、
前記センサは同センサを表す識別情報を記憶しているものであり、
前記記憶手段に記憶される前記センサを特定するための情報は前記識別情報であり、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報と前記センサに記憶されている識別情報との一致または不一致により、前記電子制御ユニットに現在組み付けられている前記センサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する車両の制御装置。 - 請求項1に記載した車両の電子制御装置において、
前記記憶手段に記憶される前記センサを特定するための情報は前記センサの特性を表す特性値情報であり、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記センサの特性を表す特性値情報と、前記センサから入手した前記センサの特性を表す特性値情報との一致または不一致により、前記電子制御ユニットに現在組み付けられている前記センサが一旦組み付けられた後に変更されたか否かを判定する車両の制御装置。 - センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有する車両の制御装置において、
前記電子制御ユニットに組み付けられた前記センサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報を前記センサに予め記憶させておき、
前記電子制御ユニットに、
前記センサに予め記憶させた特有の補正情報と同一の特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている特有の補正情報と、前記センサに記憶されている特有の補正情報との一致または不一致を判定する判定手段と、
前記判定手段によって一致が判定されたとき、前記センサからの検出信号を前記記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する第1作動制御手段と、
前記判定手段によって不一致が判定されたとき、前記センサからの検出信号を前記センサに記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号に基づいて車両の作動を制御する第2作動制御手段とを備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - センサから検出信号を入力して車両の作動を制御する電子制御ユニットを有し、前記センサを着脱可能なコネクタを介して前記電子制御ユニットに接続した車両の制御装置において、
前記電子制御ユニットに組み付けられた前記センサから入力した検出信号を補正するための補正情報であって、前記互いに組み付けられたセンサと電子制御ユニットの組み合わせにおいて特有の補正情報を予め記憶した記憶手段と、
前記センサからの検出信号を前記記憶手段に記憶されている特有の補正情報を用いて補正して、同補正した検出信号を用いて車両の作動を制御する作動制御手段と、
前記コネクタ装置が接続されているとき所定の状態に維持され、前記コネクタ装置が切り離されると前記所定の状態が変更される状態維持手段と、
前記状態維持手段の状態に基づいて前記コネクタ装置が過去に切り離されたことがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて前記作動制御手段による車両の制御状態を変更する変更手段とを備えたことを特徴とする車両の制御装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100105 |
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A02 | Decision of refusal |
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