JPH09329509A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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Publication number
JPH09329509A
JPH09329509A JP16664596A JP16664596A JPH09329509A JP H09329509 A JPH09329509 A JP H09329509A JP 16664596 A JP16664596 A JP 16664596A JP 16664596 A JP16664596 A JP 16664596A JP H09329509 A JPH09329509 A JP H09329509A
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JP
Japan
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signal processing
coils
circuit
torque
housing
Prior art date
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Pending
Application number
JP16664596A
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English (en)
Inventor
Koichi Sato
浩一 佐藤
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
Toshiyuki Onizuka
利行 鬼塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】確実にコストを低減することができるトルクセ
ンサを提供する。 【解決手段】コイル10及び11のそれぞれの一端部を
可変抵抗16の各端部に接続し、コイル10及び11の
それぞれの他端部と可変抵抗16の可変端子とがハーネ
スを介してハウジング外部に引き出されていて、ハーネ
スの他端部を、エンジンルームの高温雰囲気等に晒され
ない所定部位に配設されたコントローラ基板20に接続
する。コントローラ基板20上には、操舵系に発生する
トルクを求めるための信号処理を実行する信号処理回路
21と、信号処理回路21の信号処理結果に応じた操舵
補助トルクが発生するように電動モータに駆動電流Iを
供給するモータ駆動回路22とを構成する。信号処理回
路21は、端子同士が接続された抵抗値の等しい二つの
電気抵抗Rを有し、電気抵抗Rとコイル10及び11と
によって、コイル10及び11を並列状態に含むブリッ
ジ回路を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転軸に発生す
るトルクを検出するトルクセンサに関し、特に、発生す
るトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化
する二つのコイルを有するとともに、それら二つのコイ
ルを並列に含むブリッジ回路の出力に基づいて所定の信
号処理を行ってトルクを検出するようになっているトル
クセンサのコスト低減を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来のトルクセンサとしては、例えば、
特開平5−185938号公報等に開示されたものがあ
る。即ち、かかる公報記載のトルクセンサは、特に車両
用の電動パワーステアリング装置に適用されるトルクセ
ンサであって、回転軸に発生するトルクに応じて磁気結
合が変わる磁気結合部がハウジング内部に設けられてい
て、その磁気結合部の磁気結合状態の変化を検出し、そ
の検出結果に対して所定の信号処理を行うことにより、
回転軸のトルクを検出するようにしていた。そして、上
記公報記載の装置にあっては、磁気結合部の磁気結合状
態の検出結果に対して信号処理を実行する信号処理回路
と、この信号処理回路の処理結果であるトルク検出信号
に応じた制御を実行する制御回路とを、同一の回路基板
上に構成するとともに、その回路基板をハウジング内部
に配設するようになっていた。これにより、装置の部品
点数及び組立工数が削減できて製造コストを低減でき
る、というものであった。
【0003】つまり、かかる公報記載の電動パワーステ
アリング装置よりもさらに従来の電動パワーステアリン
グ装置では、信号処理回路はハウジング内部に配設して
いるが、制御回路はハウジング外部に配設していたた
め、それら回路同士を接続するためのハーネスが必要で
あり、基板も回路毎に必要であるのに対し、上記公報記
載のトルクセンサであれば、ハーネスや基板が省略でき
て部品点数が削減され、組立のための工数も削減でき
て、製造コストが低減できる、というのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報記載
のトルクセンサであれば、ある程度の部品点数及び組立
工数の削減を図ることができるから、コストを削減する
ことが可能であるようにも思える。しかし、例えば実際
の電動パワーステアリング装置にあっては、トルクセン
サの配設位置等によっては上記公報記載の構造では却っ
てコスト増大を招くことがあった。
【0005】即ち、電動パワーステアリング装置に適用
されるトルクセンサは、ステアリングから転舵輪に至る
操舵系の何れかの部位に配設されることになるが、その
トルクセンサの配設位置が例えばラックアンドピニオン
式ステアリング装置のピニオン軸近傍等に配設される
と、トルクセンサのハウジングがエンジンルーム等の高
温雰囲気中に晒されることとなり、そのハウジング内部
に信号処理回路や制御回路を配設する構成では、高温雰
囲気中でも正常に動作可能な従って高価な電子部品を信
号処理回路や制御回路に用いなければならないから、却
ってコストアップを招いてしまうのである。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、高温雰
囲気中の使用であっても高価な電子部品を使用する必要
がなく、実際問題としてコストを低減することができる
トルクセンサを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ハウジングに回転自在に支持され且つト
ーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸と、
これら入力軸及び出力軸間の相対回転に応じてインピー
ダンスが互いに逆方向に変化するように配設された二つ
のコイルと、これら二つのコイルを並列に含んで形成さ
れたブリッジ回路と、このブリッジ回路の出力に基づい
て前記入力軸及び出力軸に発生するトルクを求めるため
の信号処理を実行する信号処理回路と、を備えたトルク
センサにおいて、前記ブリッジ回路の出力と前記トルク
との関係を調整可能な調整手段を、前記ブリッジ回路に
含ませて前記ハウジング内部に配設するとともに、前記
信号処理回路を、前記ハウジング外部に配設した。
【0008】ここで、例えば電動パワーステアリング装
置に使用されるトルクセンサが高温雰囲気中に晒される
場合、電動パワーステアリング装置の制御回路を安価な
電子部品で構成するためには、上記公報記載の電動パワ
ーステアリング装置よりもさらに従来の電動パワーステ
アリング装置と同様に、制御回路をトルクセンサのハウ
ジング外部に配設することが望ましい。
【0009】さらに、本発明者等は、トルクを求めるた
めの信号処理回路をもハウジング外部の高温雰囲気に晒
されない任意の位置に配設することが、高価な電子部品
をより削減するためには望ましいという結論を得たが、
単に信号処理回路をハウジング外部に配設するだけで
は、結果として大幅なコスト低減が達成できないことが
判った。
【0010】即ち、本発明のように、トルクに応じてイ
ンピーダンスが変化する二つのコイルを含むブリッジ回
路を利用したトルクセンサにあっては、トルクが零であ
るときにブリッジ回路の出力が正確に零を表すことが重
要であるから、組立誤差や二つのコイル間のバラツキ等
の影響が相殺されるように、零点調整を行う必要があ
り、従来は、信号処理回路内で補正処理を行うのが一般
的であった。
【0011】そこで、信号処理回路をハウジング外部に
配設する構成を採用した場合にも、その信号処理回路内
で補正処理を行うようにして上記零点調整を行うことが
考えられるが、零点調整の方向や大きさはブリッジ回路
毎に微妙に異なるから、ブリッジ回路と、信号処理回路
とを一対一に対応させなければならない。すると、最終
的な組み付けが完了するまで、ブリッジ回路と信号処理
回路との組み合わせを管理しなければならず、部品管理
コストが嵩んでしまうのである。
【0012】これに対し、本発明にあっては、ブリッジ
回路の出力とトルクとの関係を調整可能な調整手段を、
信号処理回路から独立させ、ブリッジ回路に含ませた状
態でハウジング内部に配設しているから、ブリッジ回路
と信号処理回路とを一対一に対応させなくてもよく、部
品管理が簡易になるのである。そして、信号処理回路は
ハウジング外部に配設するから、高温雰囲気から離れた
任意の位置に容易に設置することができ、その信号処理
回路は比較的安価な電子部品で構成することが可能とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図5は本発明の一実施
の形態を示す図であって、この実施の形態は、本発明に
かかるトルクセンサを、車両の電動パワーステアリング
装置に適用したものである。
【0014】先ず、構成を説明すると、ハウジング1内
には、トーションバー4を介して連結された入力軸2及
び出力軸3が、軸受5a,5b及び5cによって回転自
在に支持されている。これら入力軸2,出力軸3及びト
ーションバー4は、同軸に配置されていて、入力軸2及
びトーションバー4間と、出力軸3及びトーションバー
4間とは、スプライン結合されている。また、入力軸2
及び出力軸3は、鉄等の磁性材料から形成されている。
【0015】そして、入力軸2の図1上端部には、図示
しないステアリングシャフトやユニバーサルジョイント
等の他の操舵系構成部材が回転方向に一体に連結され、
その最上端部にステアリングホイールが回転方向に一体
に取り付けられている。
【0016】また、出力軸3の下端部分には、公知のラ
ックアンドピニオン式ステアリング装置を構成するピニ
オン軸3Aが一体に形成され、そのピニオン軸3Aが同
じくラックアンドピニオン式ステアリング装置を構成す
るラック軸3Bと噛み合っている。つまり、操縦者がス
テアリングホイールを操舵することによって発生した操
舵力は、図示しないステアリングシャフトやユニバーサ
ルジョイント,入力軸2,トーションバー4,出力軸3
及びラックアンドピニオン式ステアリング装置を介し
て、図示しない転舵輪に伝達するようになっている。
【0017】入力軸2の下端部は出力軸3端部に緩く装
入されており、その入力軸2の出力軸3に包囲された部
分の外周面には軸方向に長い複数の溝2aが形成され、
これら溝2aに対向する出力軸3の内周面には軸方向に
長い複数(溝2aと同数)の凸部3aが形成され、それ
ら溝2a及び凸部3aは周方向に余裕を持って嵌め合わ
されていて、これにより、入力軸2及び出力軸3間の所
定範囲(例えば±5度程度)以上の相対回転を防止して
いる。
【0018】そして、出力軸3には、これと同軸且つ一
体に回転するウォームホイール6が外嵌し、このウォー
ムホイール6の樹脂製の噛合部6aと、図示しない電動
モータの出力軸外周面に形成されたウォームとが噛み合
っている。従って、電動モータの回転力は、その出力
軸,ウォーム及びウォームホイール6を介して出力軸3
に伝達されるようになっており、電動モータの回転方向
を適宜切り換えることにより出力軸3に任意の方向の操
舵補助トルクが付与されるようになっている。
【0019】さらに、出力軸3には、入力軸2の外周面
に近接してこれを包囲するように、肉薄の円筒部材8が
回転方向に一体に固定されている。即ち、円筒部材8は
導電性で且つ非磁性の材料(例えば、アルミニウム)か
ら形成されていて、この円筒部材8及びその周囲の斜視
図である図2にも示すように、円筒部材8の入力軸2を
包囲する部分のうち、出力軸3から遠い側には、周方向
に等間隔離隔した長方形の複数(この実施例では、九
つ)の窓8a,…,8aが形成され、出力軸3に近い側
には、窓8a,…,8aと位相が180度ずれるように
周方向に等間隔離隔した長方形(窓8aと同形状)の複
数(この実施例では、九つ)の窓8b,…,8bが形成
されている。
【0020】また、入力軸2の円筒部材8に包囲された
部分の外周面には、軸方向に延びる横断面略長方形の複
数(窓8a,8bと同数、従ってこの例では九つ)の溝
2Aが形成されている。
【0021】より具体的には、円筒部材8の周面を周方
向にN(この例ではN=9)等分した角度を一周期角度
θ(=360/N,この例ではθ=40度)とし、円筒
部材8の出力軸3から遠い側の部分では一周期角度θの
一方の端から所定角度の部分が窓8a,…,8aとな
り、残りの部分が塞がっており、また、窓8a,…,8
aとの位相が半周期(θ/2)ずれるように、円筒部材
8の出力軸3に近い側の部分では一周期角度θの他方の
端から所定角度の部分が窓8b,…,8bとなり、残り
の部分が塞がっている。
【0022】ただし、トーションバー4に捩じれが生じ
ていないとき(操舵トルクが零のとき)に、窓8aの周
方向幅中央部と、溝2Aの周方向の一方の端部とが重な
り、窓8bの周方向幅中央部と、溝2Aの周方向の他方
の端部とが重なり合うようになっている。従って、窓8
a及び溝2Aの重なり状態と、窓8b及び溝2Aの重な
り状態とは、周方向で逆になっており、窓8a,8bの
周方向幅中央部と溝2Aの周方向幅中央部とはそれぞれ
θ/4ずつずれている。
【0023】そして、円筒部材8は、同一規格の二つの
コイル10及び11が巻き付けられたヨーク9で包囲さ
れている。即ち、コイル10及び11は、円筒部材8と
同軸に配置されていて、コイル10は窓8a,…,8a
が形成された部分を包囲するようにヨーク9に巻き付け
られ、コイル11は窓8b,…,8bが形成された部分
を包囲するようにヨーク9に巻き付けられていて、ヨー
ク9はハウジング1に固定されている。なお、ハウジン
グ1内のウォームホイール6が配設されている空間とヨ
ーク9が配設されている空間との間は、オイルシール1
2によって隔離されていて、これによりウォームホイー
ル6及びウォーム7の噛み合い部分に供給される潤滑油
がヨーク9側に入り込まないようになっている。
【0024】また、ハウジング1には、図1のA−A線
断面図である図3にも示すように、ハウジング1のヨー
ク9に近接した部位から円筒状に突出する円筒部1Aが
形成され、その円筒部1Aの開口部は芯金入りの弾性体
からなる蓋部材1Bで閉鎖されている。そして、ハウジ
ング1の円筒部1Aの内側には、基板15がねじにより
固定されていて、この基板15にコイル10及び11が
接続されている。
【0025】基板15上には、蓋部材1Bを取り外した
状態での図1のB方向矢視図である図4に示すように、
ねじ16aを適宜回転させることにより抵抗値が変化す
る調整手段としての可変抵抗16が設けられていて、コ
イル10及び11のそれぞれの一端部が可変抵抗16の
各端部に接続されている。即ち、可変抵抗16は、図5
に示すように、各コイル10及び11の一方の端部と接
地との間に介在するとともに、それらコイル10及び1
1と接地との間の抵抗値を互いに逆方向に変化させる可
変抵抗である。
【0026】そして、コイル10及び11のそれぞれの
他端部と、可変抵抗16の可変端子とが、蓋部材1Bの
中央部を貫通するハーネス17を介してハウジング1外
部に引き出されていて、そのハーネス17の他端部に形
成されたコネクタのプラグ17Aが設けられている。こ
のプラグ17Aは、エンジンルームの高温雰囲気等に晒
されない所定部位に配設されたコントローラ基板20に
接続されている。
【0027】コントローラ基板20上には、図5に示す
ように、操舵系に発生するトルクを求めるための信号処
理を実行する信号処理回路21と、この信号処理回路2
1の信号処理結果に応じた操舵補助トルクが発生するよ
うに図示しない電動モータに駆動電流Iを供給するモー
タ駆動回路22と、が構成されている。
【0028】信号処理回路21は、抵抗値の等しい二つ
の電気抵抗Rを有していて、それら電気抵抗Rの一方の
端部が高周波ノイズ成分を除去するノイズ除去用のフィ
ルタ23a,23bを介してコイル10及び11に接続
され、コイル10及び11間に介在する可変抵抗16の
可変端子がノイズ除去用のフィルタ23cを介して接地
側に接続されている。そして、二つの電気抵抗Rの他方
の端子同士は接続されていて、これら電気抵抗Rとコイ
ル10及び11とによって、コイル10及び11を並列
状態に含むブリッジ回路が形成されている。
【0029】また、信号処理回路21は、基準電圧24
の電圧を所定周波数の交流電圧に変換する発振部25
と、この発振部25が生成した交流電圧に応じて交流電
流を二つの電気抵抗R間に供給する電流増幅部26と、
ブリッジ回路の一方の出力端子O1 が接続されコイル1
0の自己誘導起電力を整流及び平滑して出力する整流・
平滑回路27と、ブリッジ回路の他方の出力端子O2
接続されコイル11の自己誘導起電力を整流及び平滑し
て出力する整流・平滑回路28と、整流・平滑回路22
の出力及び整流平滑回路23の出力の差を増幅して出力
する差動アンプ29A,29Bと、それら差動アンプ2
9A,29Bの出力の例えば平均値に基づいて入力軸2
及び円筒部材8の相対回転変位の方向及び大きさを演算
しその結果に例えば所定の比例定数を乗じて操舵系に発
生している操舵トルクを求めるトルク演算部30と、整
流・平滑回路27の出力に基づいてこの信号処理回路2
1が正常に機能しているか否かを監視する監視回路31
と、を備えていて、トルク演算部30の出力がモータ駆
動回路22に供給されるようになっている。
【0030】次に、本実施の形態の動作を説明する。
今、操舵系が直進状態にあり、操舵トルクが零であるも
のとすると、入力軸2及び出力軸3間には相対回転は生
じない。従って、入力軸2と円筒部材8との間にも、相
対回転は生じない。
【0031】一方、ステアリングホイールを操舵して入
力軸2に回転力が生じると、その回転力は、トーション
バー4を介して出力軸3に伝達される。このとき、出力
軸3には、転舵輪及び路面間の摩擦力や出力軸3の図示
しない左端側に構成されたラックアンドピニオン式ステ
アリング装置のギアの噛み合い等の摩擦力に応じた抵抗
力が生じるため、入力軸2及び出力軸3間には、トーシ
ョンバー4が捩じれることによって出力軸3が遅れる相
対回転が発生し、入力軸2及び円筒部材8間にも相対回
転が生じる。
【0032】円筒部材8に窓がない状態では、円筒部材
8は導電性で且つ非磁性の材料からなるから、コイルに
交流電流を流してコイル内部に交番磁界を生じさせる
と、円筒部材8の外周面にコイル電流と反対方向の渦電
流が発生する。
【0033】この渦電流による磁界とコイルによる磁界
とを重ね合わせると、円筒部材8の内側の磁界は相殺さ
れる。円筒部材8に窓8a,8bを設けた場合、円筒部
材8の外周面に生じた渦電流は、窓8a,8bによって
外周面を周回できないため、窓8a,8bの端面に沿っ
て円筒部材8の内周面側に回り込み、内周面をコイル電
流と同方向に流れ、また隣の窓8a,8bの端面に沿っ
て外周面側に戻り、ループを形成する。
【0034】つまり、コイルの内側に、渦電流のループ
を周方向に周期的に(θ=360/N)に配置した状態
となる。コイル電流と渦電流の作る磁界は重ね合わさ
れ、円筒部材8の内外には、周方向に周期的な磁界の強
弱と、更に中心に向かうほど小さくなる勾配を持った磁
界が形成される。周方向の磁界の強弱は隣り合う渦電流
の影響を強く受ける窓8a,8bの中心部分で強く、そ
こから半周期(θ/2)ずれたところが弱くなる。そし
て、円筒部材8の内側には、磁性材料からなる入力軸2
が同軸に配設され、その入力軸2には、溝2Aによって
凸部及び凹部が窓8a,8bと同じ周期を持って形成さ
れているが、磁界中に置かれた磁性体は磁化して、自発
磁化(磁束)を発するがその量は飽和に至るまでは磁界
の強さに応じて大きくなる。
【0035】このため、円筒部材8によって作られる周
方向に周期的な強弱と半径方向に勾配を持つ磁界によっ
て、入力軸2の自発磁化は、円筒部材8との相対的な位
相によって増減する。自発磁化が最大となる位相は、窓
8a,8bの中心と凸部の中心とが一致した状態であ
る。
【0036】そして、自発磁化の増減に応じて、コイル
のインダクタンスも増減し、その変化は、ほぼ正弦波状
となる。トルクが作用しない状態においては、自発磁化
(インダクタンス)が最大となる位相に対して1/4周
期(θ/4)ずれた状態となっており、更にスリーブ2
Aに近い側の窓列と他方の窓列との位相は前述のように
1/2周期(θ/2)の位相差としてある。
【0037】このため、トルクにより円筒部材8と軸3
に位相差が生じると、二つのコイル10,11のインダ
クタンスは一方は増加し、他方は同じ割合で減少する
が、コイル10,11のインダクタンスがこのように変
化すれば、電流増幅部26から供給される電流の周波数
が一定という条件下では、コイル10及び11のインピ
ーダンスも同様の傾向で変化するし、コイル10及び1
1の自己誘導起電力も同様の傾向で変化する。従って、
コイル10及び11の自己誘導起電力の差を求める差動
アンプ29A及び29Bの出力は、操舵トルクの方向及
び大きさに従って変化するようになる。また、差動アン
プ29A及び29Bにおいて整流・平滑回路27,28
の差を求めているため、温度等による自己インダクタン
スの変化はキャンセルされる。
【0038】そして、トルク演算部30は、例えば差動
アンプ29A,29Bの出力の平均値を演算し、その値
に所定の比例定数を乗じて操舵トルクを求め、その結果
をモータ駆動回路22に供給する。モータ駆動回路22
は、操舵トルクの方向及び大きさに応じた駆動電流Iを
電動モータに供給する。
【0039】すると、電動モータ7には、操舵系に発生
している操舵トルクの方向及び大きさに応じた回転力が
発生し、その回転力がウォームギア等を介して出力軸3
に伝達されるから、出力軸3に操舵補助トルクが付与さ
れたことになり、操舵トルクが減少し、操縦者の負担が
軽減される。
【0040】さらに、本実施の形態では、コイル10,
11及び二つの電気抵抗Rによって形成されるブリッジ
回路内に可変抵抗16を含ませているから、その可変抵
抗16の状態をねじ16aを適宜回転させることにより
調整することにより、このブリッジ回路の出力と、操舵
系に発生するトルクとの関係を微調整することができる
ようになっている。
【0041】このため、入力軸2,出力軸3,トーショ
ンバー4,円筒部材8等の各部材の組立時に角度誤差等
が生じてしまった結果、ブリッジ回路の出力端子O1
2の電圧に、操舵系のトルクが零であるにも関わらず
それら出力端子O1 ,O2 の電圧が等しくならないよう
なオフセット値が含まれるようになっても、可変抵抗1
6の可変端子の位置を適宜調整してそのオフセット値を
キャンセルすることができるのである。
【0042】しかも、ブリッジ回路の出力調整を行う可
変抵抗16を、そのブリッジ回路内に含ませているか
ら、プラグ17Aを境に分離されるハウジング1側とコ
ントローラ基板20とを一対一に対応させなくてもよく
なり、部品管理が簡易となってコスト低減に寄与すると
いう利点がある。つまり、ブリッジ回路に含まれる可変
抵抗16の調整を、この電動パワーステアリング装置を
車両に組み込む前に製造ライン等で行っておけば、電動
パワーステアリング装置の本体と、コントローラ基板2
0とを別々に管理しても、上記オフセット値のキャンセ
ルは補償されるから、確実に良好な操舵補助トルク制御
を実行できるのである。
【0043】そして、信号処理回路21及びモータ駆動
回路22を、ハウジング1外部の高温雰囲気に晒されな
い部位に配設しているから、それら回路を構成する電子
部品に高温に耐えられる高価な部品を使用する必要がな
くなり、これによってもコスト低減が図られるのであ
る。
【0044】さらには、トルクを求めるための信号処理
回路21と、その出力に応じて電動モータを駆動させる
モータ駆動回路22とを、同一のコントローラ基板20
に一体的に設けているから、個別の基板に配設する場合
に比べて部品点数の削減及び組立工数の削減にも寄与で
きる。
【0045】なお、上記実施の形態では、ブリッジ回路
の一部をハウジング1内に配設し、他の部分をコントロ
ーラ基板20上に構成するようにしているが、これに限
定されるものではなく、例えば図6に示すように、二つ
の電気抵抗Rもコイル10及び11の近傍であるハウジ
ング1内の基板15上に配設するようにしてもよい。こ
の場合、ハウジング1内部とコントローラ基板20との
間を接続する線は四本となるから、それら各線に対応し
て高周波除去用のフィルタ23a〜23dを設けること
になる。
【0046】また、調整手段としての可変抵抗16は、
図6に示すように、電気抵抗R間に配設するようにして
もよい。さらに、上記実施の形態では、調整手段として
可変抵抗16を設けているが、調整手段の形式はこれに
限定されるものではなく、例えば、図7に示すような可
変インダクタ18を調整手段としてブリッジ回路内に設
けるようにしてもよい。なお、可変インダクタ18とし
ては、例えば図8に示すように、コイルが巻かれたボビ
ン内を軸方向に移動可能な可動ねじ18aの位置を適宜
変更することにより調整できるものが適用でき、かかる
構成であれば、上記実施の形態と同様に、その可動ねじ
18aの頭部を適宜露出させて外部から調整できるよう
にすることも容易である。
【0047】そして、上記実施の形態は、本発明に係る
トルクセンサを車両の電動パワーステアリング装置に適
用した場合について説明したが、本発明の適用対象は電
動パワーステアリング装置に限定されるものではない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、ブリッジ回路の出力とトルクとの関係を調整可能な
調整手段を、ブリッジ回路に含ませてハウジング内部に
配設するとともに、信号処理回路をハウジング外部に配
設したため、部品管理の煩雑化が避けられ、部品点数や
組立工数の削減が図られて、コストが低減できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す正断面図で
ある。
【図2】実施の形態の一部分の斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1の部品を一部外した状態でのB方向矢視図
である。
【図5】回路構成を示すブロック図である。
【図6】変形例を示すブロック図である。
【図7】他の変形例を示すブロック図である。
【図8】可変インダクタの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 入力軸 3 出力軸 4 トーションバー 10,11 コイル 16 可変抵抗(調整手段) 18 可変インダクタ(調整手段) 20 コントローラ基板 21 信号処理回路 22 モータ駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転自在に支持され且つト
    ーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸と、
    これら入力軸及び出力軸間の相対回転に応じてインピー
    ダンスが互いに逆方向に変化するように配設された二つ
    のコイルと、これら二つのコイルを並列に含んで形成さ
    れたブリッジ回路と、このブリッジ回路の出力に基づい
    て前記入力軸及び出力軸に発生するトルクを求めるため
    の信号処理を実行する信号処理回路と、を備えたトルク
    センサにおいて、 前記ブリッジ回路の出力と前記トルクとの関係を調整可
    能な調整手段を、前記ブリッジ回路に含ませて前記ハウ
    ジング内部に配設するとともに、前記信号処理回路を、
    前記ハウジング外部に配設したことを特徴とするトルク
    センサ。
JP16664596A 1996-06-07 1996-06-07 トルクセンサ Pending JPH09329509A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007241583A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Hitachi Ltd 力学量測定装置及び方法
JP2009113536A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Hitachi Ltd トルクセンサ

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