JP2012247256A - トルクセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

トルクセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検出コイル、非磁性の円筒部材、センサシャフト部を使用してトルク検出を行う際に、検出コイルへの磁束量を増加させて検出精度を向上させることができるトルクセンサ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】一対の検出コイル13a,13bの内周面側に所定間隔を保って対向して入力軸及び出力軸の一方に連結された非磁性の円筒部材12を配置し、該円筒部材12の内周面側に、軸方向の凸条11aを円周方向に所定間隔で形成し、前記入力軸及び出力軸の他方に連結されたセンサシャフト部11を配置し、前記円筒部材12は、前記一対の検出コイルに個別に対向し、円周方向に位置を異ならせて形成された前記一対の検出コイルで互い逆方向にインピーダンスを変化させる一対の磁束透過用窓12a,12bを形成し、該一対の磁束透過用窓の軸方向両端部に空気より透磁率の高い磁路部材17を配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸に発生するトルクを非接触で検出するトルクセンサ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来の電動パワーステアリング装置に適用されるトルクセンサとして、特許文献1に記載されたトルクセンサが知られている。このトルクセンサは、円筒状の非磁性体に、複数の窓を周方向に等間隔に形成し、角窓の軸方向位置に対応して、非磁性体の外周側に2つのコイルを同心状に配設する。角コイルの軸方向両側及び外周側の三方を、磁性材料からなるヨークにより囲い、窓の軸方向内縁を、対応するヨークの軸方向外側面に比して、ヨークの軸方向中央から遠い側に配置するようにしている。
特開2005−43113号公報
ところで、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、非磁性体に形成した窓の軸方向内縁が検出コイルを巻装したヨークの軸方向中央から遠い側に配置することにより、窓を通る磁束を増加させて、トルク検出精度を向上させるようにしている。
しかしながら、上記従来例にあっては、非磁性体に形成する窓をヨークの対向面を望ませるように軸方向に延長形成しているが、窓を通る磁束の増加幅はそれほど大きいものではない。このため、コイルのインピーダンス変化に基づく電気信号の変化を検出してトルクを演算する場合に、検出感度を表すインピーダンス変化率が性能を満たさない場合に、後段の信号処理回路で条件に応じて最適値まで増幅する必要がある。
このように、インピーダンス変化に基づく電気信号を増幅する場合には、検出コイルで検出したインピーダンス変化のみならず、外乱(磁気、電波、環境など)による電気信号に対するノイズ分まで増幅することになり、検出精度の低下が懸念されるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、非磁性の円筒部材とセンサシャフト部との相対回転によってトルクを検出コイルのインピーダンス変化として検出する場合に、検出コイルへの磁束量をより増加させて検出精度を向上させることができるトルクセンサ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を解決するために、本発明の第1の形態に係るトルクセンサは、トーションバーで連結された入力軸及び出力軸の相対的な回転方向の変位をインピーダンス変化として検出する一対の検出コイルと、該一対のコイルに励磁電流を供給するとともに、前記インピーダンス変化に基づいてトルクを演算するトルク演算部とを備えたトルクセンサであって、前記一対の検出コイルの内周面側に当該一対の検出コイルと所定間隔を保って対向して前記入力軸及び出力軸の一方に連結された非磁性の円筒部材を配置し、該円筒部材体の内周面側に、軸方向の凸条を円周方向に所定間隔で形成し、前記入力軸及び出力軸の他方に連結されたセンサシャフト部を配置し、前記円筒部材は、前記一対の検出コイルに個別に対向し、円周方向に位置を異ならせて形成された前記一対の検出コイルで互い逆方向にインピーダンスを変化させる一対の磁束透過用窓を形成し、該一対の磁束透過用窓の軸方向両端部に空気より透磁率の高い磁路部材を配置した構成としている。
また、本発明の第2の形態に係るトルクセンサは、前記一対の検出コイルのそれぞれが、前記円筒部材と対向する内周面を開放した断面コ字状の磁気ヨークに内装されている。
また、本発明の第3の形態に係るトルクセンサは、前記一対の検出コイルが2組軸方向に配置され、前記トルク演算部は、前記2組の一対の検出コイルのうちの一方の組の一対の検出コイルとこれらに直列に接続した抵抗体とで構成される第1のブリッジ回路と、前記2組の一対の検出コイルのうちの他方の組の一対の検出コイルとこれらに直列に接続した抵抗体とで構成される第2のブリッジ回路と、前記第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路に個別に交流信号を印加したときの差分信号に基づいて少なくとも2組の検出トルクを演算するトルク演算回路とを備えている。
また、本発明の第4の形態に係る電動パワーステアリング装置は、第1乃至第3の何れか1つの形態に係るトルクセンサを備え、該トルクセンサの検出トルクに基づいてステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生する電動モータを駆動して操舵補助制御を行う操舵補助制御部を有している。
また、本発明の第5の形態に係る電動パワーステアリング装置は、第1乃至第の何れか1つの形態に係るトルクセンサを備え、該トルクセンサの検出トルクに基づいてステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生する電動モータを駆動して操舵補助制御を行う操舵補助制御部と、前記トルクセンサの複数のトルク演算部から出力される複数の検出トルクに基づいて前記トルクセンサのトルク検出部の異常を判定する異常判定部とを有している。
本発明によれば、一対の検出コイルとセンサシャフトとの間に配置される非磁性の円筒部材に形成した各検出コイルに対応して軸方向に延長する窓の軸方向両端部に、空気より透磁率の高い磁路部材を配置したので、これら磁路部材によって、センサシャフト部から窓を通って検出コイルに達する磁束を増加させて、各検出コイルでのトルクに応じたインピーダンス変化に効率よく反映することができる。この結果、トルクセンサのトルク検出感度を向上させることができるため、トルク演算部で検出コイルのインピーダンスに応じた電気信号の増幅を行う必要がなくなり、弊害となっていた外乱の増幅をしなくて済むことにより、耐ノイズ、耐環境性とともにトルク検出精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態を示す電動パワーステアリング装置の主要部を示す断面図である。 図1の実施形態に適用し得るトルクセンサを示す斜視図である。 トルクセンサのセンサシャフト部の表面の凸条と円筒部材の窓配置を説明する軸直角方向の断面図である。 ヨークと非磁性円筒体の窓との軸方向配置関係を示す説明図である。 トルクと検出コイルのインダクタンスとの関係を示す特性線図である。 図2の実施形態に適用し得るトルク演算部を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の主要部を示す断面図であり、図2は、本発明に係るトルクセンサの構成を示す斜視図である。
図1において、ハウジング5は入力軸側ハウジング部5aと出力軸側ハウジング部5bとに2分割された構造を有する。入力軸側ハウジング部5aの内部には、入力軸1が軸受6aによって回転自在に支持されている。また、出力軸側ハウジング部5bの内部には出力軸2が軸受6b及び6cによって回転自在に支持されている。
そして、入力軸1及び出力軸2は入力軸1の内部に配設されたトーションバー3を介して連結されている。
入力軸1、トーションバー3及び出力軸2は同軸に配置されており、入力軸1とトーションバー3とはピン結合し、また、トーションバー3と出力軸2とはスプライン結合している。図1において、入力軸1の出力軸2とは反対側には、図示されていないステアリングホイールが一体的に取り付けられている。また、出力軸2には入力軸1とは反対側にピニオン軸2aが一体的に形成されており、ピニオン軸2aはラック4と噛合して公知のラックアンドピニオン式ステアリング機構を構成している。
また、出力軸2には、これと同軸で且つ一体に回転するウォームホイール7が固着されており、図示されていない電動モータで駆動されるウォーム8と出力軸側ハウジング部5b内で噛合している。ウォームホイール7は金属製のハブ7aに合成樹脂製の歯部7bが一体的に固定されている。電動モータの回転力は、ウォーム8及びウォームホイール7を介して出力軸2に伝達され、電動モータの回転方向を適宜切り換えることにより、出力軸2に任意の方向の操舵補助トルクが付与される。
次に、図1及び図2を参照して入力軸1及び出力軸2間のトルクを検出するトルクセンサTSを構成するトルク検出部10の構成を説明する。トルク検出部10は入力軸1の、図1で出力軸2側に形成されたセンサシャフト部11と、入力軸側ハウジング部5aの内側に配置された2対の検出コイル13a,13b及び14a,14bと、両者の間に配置された円筒部材12から構成される。
図2はトルク検出部の構成を示す斜視図である。入力軸1の、図1で右端に近い外側には磁性材料で構成されたセンサシャフト部11が形成されており、センサシャフト部11の表面には、軸方向に延びた複数(図示の例では9個)の凸条11aが円周方向に沿って等間隔に形成されており、凸条11aの間には凸条11aの幅t1よりも幅広の溝部11bが形成されている。
また、センサシャフト部11の外周側には、センサシャフト部11に接近して導電性を有し且つ非磁性の材料、例えばアルミニウムで構成された円筒部材12がセンサシャフト部11と同軸的に配置されており、円筒部材12の延長部12eは出力軸2の端部2eの外側に固定されている。
円筒部材12には、前記したセンサシャフト部11の表面の凸条11aに対向する位置に、円周方向に等間隔に配置された複数個(図2では9個)の軸方向に延長する長方形の磁束透過用窓12aからなる第1の窓列と、前記第1の窓列から軸方向にずれた位置に、前記磁束透過用窓12aと同一形状で、円周方向の位相が異なる複数個(図2では9個)の軸方向に延長する長方形の磁束透過用窓12bからなる第2の窓列とが設けられている。
円筒部材12の外周は、同一規格の検出コイル13a、13b及び13c、13dが内側に巻回されたヨーク15a、15b及び15c、15dで包囲されている。ここで、ヨーク15a〜15dのそれぞれは、図4に示すように、扁平な円筒体15eの軸方向の両端から内方に延長するフランジ部15f,15gを形成して内周面を開放した断面コ字状に形成されている。
また、ヨーク15a〜15cは、ヨーク15b及び15c間に扁平な円筒状のシールド板16を介在させて軸方向に配置されている。
そして、検出コイル13a、13b及び13c、13dは円筒部材12と同軸に配置され、検出コイル13a及び13cは磁束透過用窓12a及び12cからなる第1の窓列部分を包囲し、検出コイル13b及び13dは磁束透過用窓12b及び12dからなる第2の窓列部分を包囲する。ヨーク15a及び15bは入力軸側ハウジング部5aの内部に固定され、検出コイル13a、13b及び13c、13dの出力線18は入力軸側ハウジング部5aの内部に配置された回路基板19に接続されている。
図3(a)及び(b)は出力軸2側から見たセンサシャフト部11の表面の凸条11aと円筒部材の窓配置を説明する図で、図3(a)は、基準位置(トーションバー3が捩れていない状態)におけるセンサシャフト部11の表面の凸条11aと円筒部材12における第1の窓列の磁束透過用窓12a及び12cとの位置関係を示し、図3(b)は基準位置(トーションバー3が捩れていない状態)におけるセンサシャフト部11の表面の凸条11aと円筒部材12における第2の窓列の磁束透過用窓12b及び12dとの位置関係を示す図である。
この実施例では、磁束透過用窓12a〜12dがそれぞれ9個設けられているので、第1の窓列の磁束透過用窓12a,12c及び第2の窓列の12b,12dは、それぞれ円周方向に角度θ=360/9=40度ずつずれていることになる。
磁束透過用窓12a〜12dの角度aは磁束透過用窓12a〜12dのない部分の角度bよりも小さく設定(a<b)され、凸条11aの角度cは溝部11bの角度dよりも小さく設定(c<d)される。これは、検出コイルのインピーダンスの変化を急峻にするためである。
図3(a)及び(b)から明らかなように、トーションバー3が捩れていない状態、即ち操舵トルクが零(0)の状態では、磁束透過用窓12a及び12cの円周方向の幅の中央部にセンサシャフト部11の凸条11aの円周方向の一方の端部が位置し、磁束透過用窓12b及び12dの円周方向の幅の中央部に凸条11aの円周方向の他方の端部が位置するように、磁束透過用窓12a〜12dの円周方向の幅と凸条11aの幅、及び磁束透過用窓12a〜12dとの円周方向の相対位置関係が設定される。即ち、凸条11aに対する磁束透過用窓12a及び12cと磁束透過用窓12b及び12dとの円周方向の位置関係は互いに逆になっている。
また、磁束透過用窓12a〜12dとヨーク15a〜15dの軸方向の位置関係は、図4に示すように、ヨーク15a〜15dのフランジ部15f及び15gの軸方向の外側端部位置に磁束透過用窓12a及び12cと磁束透過用窓12b及び12dとの軸方向の両端部が位置するように設定されている。そして、これら磁束透過用窓12a,12c及び磁束透過用窓12b,12dの軸方向の両端部には、例えばヨーク15a〜15dのフランジ部15f及び15gの軸方向の長さと略等しい軸方向長さを有する空気より透磁率が高い鉄、パーマロイ等の高透磁率の磁路部材17が嵌合や接着等の固定手段によって固定されている。
そして、操舵系が直進状態にあって操舵トルクが零である場合はトーションバー3には捩れが発生せず、入力軸1と出力軸2とは相対回転しない。したがって入力軸1の側にあるセンサシャフト部11の表面の凸条11aと、出力軸2の側にある円筒部材12との間にも相対回転が生じない。
一方、ステアリングホイールを操作して入力軸1に操舵トルクが加わると、その操舵トルクはトーションバー3を経て出力軸2に伝達される。このとき、出力軸2には舵輪と路面との間の摩擦力や出力軸2に結合されているステアリング機構のギヤの噛み合い等の摩擦力が作用するため、入力軸1と出力軸2との間を結合するトーションバー3に捩れが発生し、入力軸1の側にあるセンサシャフト部11の表面の凸条11aと出力軸2の側にある円筒部材12との間に相対回転が生じる。
円筒部材12に窓がない場合は、円筒部材12は導電性で且つ非磁性材で構成されていることから、検出コイル13a〜13dに交流電流を流して交番磁界を発生させると、円筒部材12の外周面にコイル電流と反対方向の渦電流が発生する。この渦電流による磁界とコイル電流による磁界とを重畳すると、円筒部材12の内側の磁界は相殺される。
円筒部材12に窓が形成されている場合は、円筒部材12の外周面に発生した渦電流は、磁束透過用窓12a〜12dによって外周面を周回できないため、磁束透過用窓12a及び12bの端面に沿って円筒部材12の内周面側に回り込み、内周面をコイル電流と同方向に流れ、また隣の磁束透過用窓12a〜12dの端面に沿って外周面側に戻り、ループを形成する。つまり、検出コイル内側に渦電流のループを、円周方向に周期的に配置した状態が発生する。コイル電流による磁界と渦電流による磁界とは重畳され、円筒部材12の内外には、円周方向に周期的に強弱変化する磁界と、中心に向かうほど小さくなる半径方向に勾配を持った磁界が形成される。円周方向の周期的な磁界の強弱は、隣り合う渦電流の影響を受ける磁束透過用窓12a,12c及び12b,12dの中心で強く、そこからずれるに従い弱くなる。
円筒部材12の内側には、磁性材料からなるセンサシャフト部11が同軸に配置されており、その凸条11aは、磁束透過用窓12a,12c及び12b,12dと同じ周期で配置されている。磁界中に置かれた磁性体は磁化して磁束を生じるが、磁束の量は飽和するまでは磁界の強さに応じて大きくなる。このため、円筒部材12により円周方向の周期的な磁界の強弱と中心に向かうほど小さくなる半径方向に勾配を持った磁界とにより、センサシャフト部11に発生する磁束は、円筒部材12とセンサシャフト部11との相対的な位相により増減する。磁束が最大となる位相は、円筒部材12の磁束透過用窓12a,12c及び12b,12dの中心とセンサシャフト部11の凸条11aの中心とが一致した状態で、磁束の増減に応じて検出コイル13a,13b及び13c,13dのインダクタンスも増減し、略正弦波状に変化する。
トルクが作用しない状態では、インダクタンスが最大となる位相(磁束透過用窓12a,12c及び12b,12dと凸条11aの中心とが一致している位相)に対して、センサシャフト部11の凸条11aの中心は凸条11aの中心角cの1/2だけずれた位置に設定されているから、トルクが作用してトーションバー3が捩れ、センサシャフト部11と円筒部材12との間に位相差が生じると、2つの検出コイル13a,13c及び13b,13dのインダクタンスは、一方が増加し他方が減少する。
図5はトルクTと検出コイル13a(又は13c)及び13b(又は13d)のインダクタンスの変化との関係を示す特性線図で、横軸はトルクT、縦軸はインダクタンスLを示す。右操舵トルク発生時は、図3(a)及び(b)においてセンサシャフト部11が反時計方向に回転するから、図5に示すように、トルクが増大するにつれ検出コイル13a,13c(又は13b,13d)のインダクタンスL13は増加し、検出コイル13b,13d(又は13a,13c)のインダクタンスL14は減少する。
また、左操舵トルク発生時は、図3(a)及び(b)においてセンサシャフト部11が時計方向に回転するから、図5に示すようにトルクが増大するにつれ検出コイル13a,13c(又は13b,13d)のインダクタンスL13は減少し、検出コイル13b,13d(又は13b,13d)のインダクタンスL14は増加する。
図5のインダクタンスL13、L14の特性は比例して出力される電圧にそのまま置き換えることができ、インダクタンスL13、L14の特性を電圧に置き換えると、検出コイル13a(又は13c)の検出トルク電圧、検出コイル13b(又は13d)の検出トルク電圧と操舵トルクTとの関係になり、両検出トルク電圧の交点である中立電圧が本実施形態では2.5Vとなるように調整されている。この電圧クロス特性から検出コイル13a(又は13c)の検出トルク電圧と検出コイル13b(又は13d)の検出トルク電圧との合計値は2.5+2.5=5.0Vとなる。
図6は、回路基板19に搭載されるトルク演算処理回路20及び軸方向変位検出部40のブロック図である。
トルク演算処理回路20は、トルク検出部10の軸方向両端側の一対の検出コイル13a及び13bを使用して第1のトルクを検出する第1トルク検出系統と、軸方向中央側の一対の検出コイル13c及び13dを使用して第2のトルクを検出する第2トルク検出系統とを構成するように同一構成を有する2組のトルク演算部21A及び21Bを備えている。
なお、トルク演算部21A及び21Bに所定周波数の交流信号を出力する交流信号源200と、トルク演算部21A及び21Bからそれぞれ出力されるメイントルク及びサブトルクが入力されるノイズフィルタ202及びノイズフィルタ202から出力されるフィルタ出力を外部の図示しない電動モータを操舵補助制御するコントロールユニット30に出力するコネクタ203とはトルク演算部21A及び21Bに対して共通に設けられている。また、コネクタ203に入力される電源及び基準電源がノイズフィルタでフィルタ処理されて電源電圧V及び基準電圧Vrefとして交流信号源200とトルク演算部21A及び21Bとに供給される。
ここで、交流信号源200は、所定周波数の交流信号を発生する発振部201と、この発振部201から出力される交流信号を電流増幅してトルク演算部21A及び21Bに供給する電流増幅部211A及び211Bを備えている。
トルク演算部21Aは、一対の検出コイル13a及び13bの一端が互い接続されて接地され、他端に抵抗R1a及びR1bが直列に接続され、これら抵抗R1a及びR1bの他端を互いに接続した構成を有するブリッジ回路210Aを備えている。
同様に、トルク演算部21Bは、一対の検出コイル13c及び13dの一端が互い接続されて接地され、他端に抵抗R2a及びR2bが直列に接続され、これら抵抗R2a及びR2bの他端を互いに接続した構成を有するブリッジ回路210Bを備えている。
これらブリッジ回路210A及び210Bでは、入力軸1にトルクが作用していない状態では、検出コイル13a,13c及び13b,13dの両端に表れる電圧がそれぞれ等しくなるように、つまり差分電圧が0となるように予め抵抗R1a、R1b及びR2a、R2bの抵抗値が調整されている。
そして、ブリッジ回路210A及び210Bの抵抗R1a、R1bの接続点及び抵抗R2a、R2bの接続点がそれぞれ交流信号源200の電流増幅部211A及び211Bに個別に接続されて、交流電圧信号Vosc1及びVosc2cが入力される。
また、トルク演算部21Aは、ブリッジ回路210Aの検出コイル13a及び13bの両端に表れるインピーダンス変化に応じた電圧信号が入力されるとともに、交流信号Vosc1が入力されたメイン全波整流部212Aと、このメイン全波整流部212Aから出力される整流信号が入力されるメイン平滑・中立調整部213Aを有する。ここで、メイン全波整流部212Aでは、検出コイル13a及び13bの両端に表れる電圧信号の差分信号Vdefを算出し、この差分信号Vdefを整流した整流信号をメイン平滑・中立調整部213Aに出力する。
また、メイン平滑・中立調整部213Aでは、メイン全波整流部212Aから入力される整流信号を平滑化するとともに、中立電圧を調整してトルク検出信号としてノイズフィルタ202に出力する。そして、ノイズフィルタ202でフィルタ処理されたトルク検出信号がコネクタ203を介してメイントルク検出信号Tm1として操舵補助制御を行うコントロールユニット30に出力される。
また、トルク演算部21Aは、ブリッジ回路210Aの検出コイル13a及び13bの両端に表れる電圧信号が入力されるとともに、交流信号Vosc1が入力されたサブ全波整流部214Aと、このサブ全波整流部214Aから出力される整流信号が入力されるサブ平滑・中立調整部215Aを有する。ここで、サブ全波整流部214Aでは、検出コイル13a及び13bの両端に表れる電圧信号の差分信号Vdefを算出し、この差分信号Vdefを整流した整流信号をサブ平滑・中立調整部215Aに出力する。また、サブ平滑・中立調整部215Aでは、サブ全波整流部214Aから入力される整流信号を平滑化するとともに、中立電圧を調整してトルク検出信号としてノイズフィルタ202に出力する。そして、ノイズフィルタ202でフィルタ処理されたトルク検出信号がコネクタ203を介してサブトルク検出信号Ts1として操舵補助制御を行うコントロールユニット30に出力される。
さらに、トルク演算部21Aは、前述した特許文献1に記載されているように、交流電圧信号Vosc1及びサブ全波整流部214Aから出力されるブリッジ回路210Aの差分信号Vdefに基づいて検出コイル13a又は13bと抵抗R1a又はR1bとの接触不良等をブリッジ回路の差分電圧の変化で検出するとともに、基準電圧に対する位相ずれに基づいて回路系の異常を検出し、異常を検出したときに異常信号AB1を出力する。すなわち、監視部216Aでは、印加した交流信号の波形と、ブリッジ回路の差分電圧Vdefの波形との位相差を検出し、位相差が所定値を超えたときに検出コイル、抵抗若しくは回路が異常であると判定して異常信号AB1を出力する。
この監視部216Aから出力される異常信号AB1はサブ平滑・中立調整部215Aに供給され、このサブ平滑・中立調整部215Aでは、異常信号AB1が入力されると、出力するトルク検出信号を0Vに設定する。これにより、メイントルク信号との図4に示すクロストルク特性のバランスが崩れることにより、コントロールユニット30が故障を検出することができる。このため、コントロールユニット30で操舵補助用電動モータ31の駆動に使用するメイン側のメイン平滑・中立調整部213Aには異常信号AB1は入力されない。
同様に、トルク演算部21Bでも、トルク換算部21Aと同様の構成を有するメイン全波整流部212B、メイン平滑・中立調整部213B、サブ全波整流部214B、サブ平滑・中立調整部215B及び監視部216Bを備えている。
コントロールユニット30は、図5に示すように、トルクセンサTSからメイン検出トルク信号Tm1、Tm2及びサブ検出トルク信号Ts1、Ts2が入力されている。このコントロールユニット30は、入力されたメイン検出トルク信号Tm1、Tm2及びサブ検出トルク信号Ts1、Ts2に基づいて信号監視を行う異常判定部32と、メイン検出トルク信号Tm1、Tm2に基づいて操舵補助制御を行って操舵補助用電動モータ31を駆動制御する操舵補助制御部33とを備えている。
異常判定部32は、メイン検出トルク信号Tm1及びTm2が所定値(例えば0.3V)以下か否かで断線や地絡を検出し、所定値(例えば4.7V)以上か否かで天絡を検出する。また、サブ検出トルク信号Ts1及びTs2が所定値(例えば0.3V)以下か否かで断線や地絡を検出するとともに、トルク演算回路の自己診断を行い、所定値(例えば4.7V)以上か否かで天絡を検出する。さらに、メイン検出トルク信号Tm1、Tm2とサブ検出トルク信号Ts1、Ts2の各加算値が所定値(例えば5.3V)以上若しくは所定値(例えば4.7V)以下か否かで、図4に示すクロス特性から外れる異常を検出する。
そして、操舵補助制御部33では、上記異常判定部32によって異常が検出されない正常状態では、メイン検出トルク信号Tm1を用いて操舵補助電流指令値を演算し、演算した操舵補助電流指令値と、操舵補助用電動モータ31に供給するモータ電流の検出値との偏差を例えばPD制御処理して操舵補助電圧指令値を算出し、算出した操舵補助電圧指令値に基づいてモータ駆動回路34を制御する駆動信号を形成し、この駆動信号をモータ駆動回路34出力する。
ここで、サブ検出トルク信号Ts1、Ts2はトルクセンサの異常監視に利用されるのみで、操舵補助用電動モータの駆動には利用されない。
異常判定部32で、トルクセンサTSの第1トルク検出系統の異常が判定された場合に、第2トルク検出系統が正常であるときには、第1トルク検出系統のメイン検出トルク信号Tm1に代えて第2トルク検出系統のメイン検出トルク信号Tm2を用いて操舵補助制御部33で操舵補助制御を継続する。
さらに、異常判定部32で、第1トルク検出系統及び第2トルク検出系統の双方の異常が判定された場合には、操舵補助制御部33で、正常な過去トルク値を使用して操舵補助用電動モータを駆動し、操舵補助トルクを徐々に減少させるトルク漸減処理を行い、安全に操舵補助制御を停止させるフェールセーフモードに移行する。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、図示しないステアリングホイールを操舵していない状態では、入力軸1にトルクが伝達されないので、トーションバー3が捩じれることはなく、センサシャフト部11の凸条11aと円筒部材12の磁束透過用窓12a及び12bとは図3(a)及び(b)の関係を保っており、検出コイル13a及び13cのインダクタンス及び検出コイル13b及び13dのインダクタンスが図5の特性曲線L13及びL14のクロスする点となって、互いに等しい値となっている。
このとき、図4に示すように、検出コイル13a及び13cを内装したヨーク15a及び15cのフランジ部15f及び15gの内周面に対向する磁束透過用窓12a及び12cの軸方向両端部に、それぞれ空気より透磁率の高い鉄、パーマロイ等の高透磁率の磁路部材17が固定配置されているので、センサシャフト部11の凸条11aに生じる磁束がこれら高透磁率の磁路部材17を通って検出コイル13a及び13cにより多く伝達されることになり、検出コイル13a,13c及び13b、13dのインダクタンスを磁路部材17が存在しない場合に比較して大きくすることができる。
しかも、磁束透過用窓12a及び12c自体も軸方向にヨーク15a及び15cのフランジ部15f及び15gの軸方向長さ分延長されているので、この分でも磁束透過用窓12a及び12cを通過する磁束を増加させることができる。
同様に、検出コイル13b及び13dを内装したヨーク15b及び15dのフランジ部15f及び15gの内周面に対向する磁束透過用窓12b及び12dの軸方向両端部にも、それぞれ空気より透磁率の高い鉄、パーマロイ等の高透磁率の磁路部材17が固定配置されているので、センサシャフト部11の凸条11aに生じる磁束がこれら高透磁率の磁路部材17を通って検出コイル13b及び13dにより多く伝達されることになり、検出コイル13b及び13dのインダクタンスを磁路部材17が存在しない場合に比較して大きくすることができる。
しかも、磁束透過用窓12b及び12d自体も軸方向にヨーク15b及び15dのフランジ部15f及び15gの軸方向長さ分延長されているので、この分でも磁束透過用窓12b及び12dを通過する磁束を増加させることができる。
この結果、検出コイル13a〜13dでのトルク検出感度が高くなるため、トルク演算処理回路20のブリッジ回路210Aから出力される検出コイル13a及び13bのインピーダンスに応じた電圧信号Va及びVbが高くなるとともに、ブリッジ回路210Bから出力される検出コイル13c及び13dのインピーダンスに応じた電圧信号Vc及びVdが高くなる。このため、トルク演算部21A及び21Bのメイン全波整流部212A,サブ全波整流部214A及びメイン全波整流部212B,サブ全波整流部214Bで電圧信号Va,Vb及びVc,Vdの増幅あるいはこれらの差分信号の増幅を行うことなく全波整流することが可能となる。
そして、非操舵状態では、ブリッジ回路210Aにおいて、検出コイル13a及び13bの端子間電圧が等しくなり、メイン全波整流部212A及びサブ全波整流部214Aから出力される検出トルクがともに零となり、コネクタ203からメイン検出トルクTm1及びサブ検出トルクTs1がコントロールユニット30に出力される。
同様に、ブリッジ回路210Bにおいても、検出コイル13c及び13dの端子間電圧が等しくなり、メイン全波整流部212B及びサブ全波整流部214Bから出力される検出トルクがともに零となり、コネクタ203からメイン検出トルクTm2及びサブ検出トルクTs2がコントロールユニット30に出力される。
この状態では、コントロールユニット30の異常判定部32でトルク演算部21A及び21Bが正常であると判定されて、操舵補助制御部33でメイン検出トルクTm1に基づいて操舵補助制御処理が行われる。しかしながら、メイン検出トルクTm1が零であるので、モータ駆動回路34による操舵補助用電動モータ31の駆動は停止されている。
このステアリングホイールの非操舵状態からステアリングホイールを右操舵(又は左操舵)すると、前述したように、検出コイル13a及び13cのインダクタンスが増加(又は減少)し、検出コイル13b及び13dのインダクタンスが減少(又は増加)する。このインダクタンスの変化に応じてブリッジ回路210A及び210Bから出力される差分電圧が正(又は負)となる。したがって、メイン全波整流部212A及び212Bとサブ全波整流部214A及び214Bから出力される検出トルクが正方向(又は負方向)に増加し、これに応じたメイン検出トルク信号Tm1及びTm2とサブ検出トルク信号Ts1及びTs2がコネクタ203を介してコントロールユニット30に出力される。
このため、操舵補助制御部33で、メイン検出トルク信号Tm1に基づいて操舵補助制御処理が行われて、操舵補助電圧指令値が演算されて、これがモータ駆動回路34に出力されることにより、操舵補助用電動モータ31が正転(又は逆転)駆動されて、ステアリングホイールから入力された操舵トルクに応じた操舵補助トルクを発生する。
この正常状態から異常判定部32で第1のトルク検出系統が異常であると判定されたときには、第2のトルク検出系統が正常である状態では、操舵補助制御部33で、トルク演算部21Bのメイン全波整流部212B及びメイン平滑・中立調整部213Bで演算されたメイン検出トルク信号Tm2に基づいて操舵補助制御が継続されてモータ駆動回路34が制御され、このモータ駆動回路34から出力されるモータ電流で操舵補助用電動モータ31が駆動され、操舵トルクに応じた操舵補助トルクが発生される。
さらに、異常判定部32で、第1のトルク検出系統及び第2のトルク検出系統の双方が異常である判定されたときには、操舵補助制御部33で、正常な過去トルク値を使用して操舵補助用電動モータを駆動し、操舵補助トルクを徐々に減少させるトルク漸減処理を行い、安全に操舵補助制御を停止させるフェールセーフモードに移行する。
このように、トルクセンサTSに2つのトルク検出系統を設けているので、一方のトルク検出系統に異常が発生しても、操舵補助制御を正常に継続することができる。
このように上記実施形態では、ヨーク15a及び15b内に装着される検出コイル13a、13b及び13c、13dがそれぞれ磁束透過用窓12a,12b及び12c,12dに対向するので、ヨーク内の検出コイル同士のトルクに対するインダクタンス特性が同一となる。しかも、前述したように、磁束透過用窓12a〜12dの軸方向の両端部に空気より高い透磁率の磁路部材17を配置しているので、磁束透過用窓12a〜12dを通過するセンサシャフト部11の凸条11aで発生する磁束を磁路部材17が存在しない場合に比較して増加させることができる。このため、センサシャフト部11の凸条11aで発生する磁束を効率よく検出コイル13a〜13dのインダクタンスすなわち交流回路におけるインピーダンスに反映することができ、検出コイル13a〜13dの検出感度を向上させることができる。
この結果、トルク演算処理回路20のトルク演算部21A及び21Bでブリッジ回路210A及び210Bから入力される電圧信号Va,Vb及びVc,Vdを増幅する必要がなくなり、外乱(磁気、電波、環境など)による電気信号への影響成分までも増幅して検出精度が低下することを確実に防止して検出精度を向上させることができる。
しかも、軸方向に配列された検出コイル13a〜13dのうち、軸方向両端側の検出コイル13a及び13dと抵抗体とを組み合わせてブリッジ回路210Aを構成し、軸方向中央側の検出コイル13b及び13cと抵抗体とを組み合わせてブリッジ回路210Bを構成するので、ブリッジ回路を構成する2つのコイル間で磁気的対称性を取ることができ、磁路構成の影響を取り除くことができる。これにより、温度などによる影響を受けにくく、従来例に比較して安定したトルクを検出することができる。
さらに、トルクセンサTSのトルク演算処理回路20が前述した構成を有するので、メイン検出トルク信号Tm1及びTm2とサブ検出トルク信号Ts1及びTs2との4つの検出トルク信号に基づいてトルク演算部の異常を判定することが可能となり、信頼性の高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
なお、上記実施形態においては、コントロールユニット30側に異常判定部32を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トルク演算処理回路20側に異常判定部32を設け、この異常判定部32の異常判定結果をコントロールユニット30に通知するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、トルク演算部21A及び21Bでの電圧信号又はその差分信号の増幅を行わない場合について説明したが、これに限定されるものではなく、メイン全波整流部212A,212B及びサブ全波整流部214A,214Bで検出精度に影響を与えない程度に電圧信号Va,Vb及びVc,Vd又はそれらの差分信号を増幅するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、検出コイル13a〜13dのインダクタンスすなわちインピーダンスを電圧信号として検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電流信号として検出して、トルク演算するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、一対のヨーク15a及び15bと15c及び15dとの2組の一対のヨークを軸方向に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一対のヨーク15a及び15bのみを設ける場合でも、トルクの検出を行うことができる。この場合、トルク演算処理回路20のトルク演算部20A,20Bの何れか一方を使用するようにすればよい。
また、上記実施形態においては、入力軸1にセンサシャフト部11を設け、出力軸2に非磁性の円筒部材12を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、入力軸1に非磁性の円筒部材12を設け、出力軸2にセンサシャフト部11を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、本発明によるトルクセンサTSを電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動パワーステアリング装置以外にも回転軸のトルクを検出する場合に本発明によるトルクセンサTSを適用することができる。
1…入力軸、2…出力軸、3…トーションバー、5…ハウジング、5a…入力軸側ハウジング部、5b…出力軸側ハウジング部、7…ウォームホイール、8…ウォーム、TS…トルクセンサ、10…トルク検出部、11…センサシャフト、11a…凸条、12…円筒部材、12a〜12d…磁束透過用窓、13a〜13d…検出コイル、15a,15b…ヨーク、16…シールド板、17…磁路部材、18…出力線、19…回路基板、20…トルク演算処理回路、21A,21B…トルク演算部、30…コントロールユニット、31…操舵補助用電動モータ、32…異常判定部、33…操舵補助制御部、34…モータ駆動回路、40…軸方向変位検出部、200…交流信号源、201……発振部、202…ノイズフィルタ、203…コネクタ、210A,210B…ブリッジ回路、211A,211B…電流増幅部、212A,212B…メイン全波整流部、213A,213B…メイン平滑・中立調整部、214A,214B…サブ全波整流部、215A,215B……サブ平滑・中立調整部、216A,216B…監視部

Claims (5)

  1. トーションバーで連結された入力軸及び出力軸の相対的な回転方向の変位をインピーダンス変化として検出する一対の検出コイルと、該一対のコイルに励磁電流を供給するとともに、前記インピーダンス変化に基づいてトルクを演算するトルク演算部とを備えたトルクセンサであって、
    前記一対の検出コイルの内周面側に当該一対の検出コイルと所定間隔を保って対向して前記入力軸及び出力軸の一方に連結された非磁性の円筒部材を配置し、
    該円筒部材体の内周面側に、軸方向の凸条を円周方向に所定間隔で形成し、前記入力軸及び出力軸の他方に連結されたセンサシャフト部を配置し、
    前記円筒部材は、前記一対の検出コイルに個別に対向し、円周方向に位置を異ならせて形成された前記一対の検出コイルで互い逆方向にインピーダンスを変化させる一対の磁束透過用窓を形成し、該一対の磁束透過用窓の軸方向両端部に空気より透磁率の高い磁路部材を配置したことを特徴とするトルクセンサ。
  2. 前記一対の検出コイルのそれぞれは、前記円筒部材と対向する内周面を開放した断面コ字状の磁気ヨークに内装されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記一対の検出コイルが2組軸方向に配置され、
    前記トルク演算部は、
    前記2組の一対の検出コイルのうちの一方の組の一対の検出コイルとこれらに直列に接続した抵抗体とで構成される第1のブリッジ回路と、
    前記2組の一対の検出コイルのうちの他方の組の一対の検出コイルとこれらに直列に接続した抵抗体とで構成される第2のブリッジ回路と、
    前記第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路に個別に交流信号を印加したときの差分信号に基づいて少なくとも2組の検出トルクを演算するトルク演算回路と
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクセンサ。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサを備え、該トルクセンサの検出トルクに基づいてステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生する電動モータを駆動して操舵補助制御を行う操舵補助制御部を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサを備え、該トルクセンサの検出トルクに基づいてステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生する電動モータを駆動して操舵補助制御を行う操舵補助制御部と、前記トルクセンサの複数のトルク演算部から出力される複数の検出トルクに基づいて前記トルクセンサのトルク検出部の異常を判定する異常判定部とを有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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