JPH06174569A - トルクセンサの異常検出装置および異常検出方法 - Google Patents

トルクセンサの異常検出装置および異常検出方法

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JPH06174569A
JPH06174569A JP4325422A JP32542292A JPH06174569A JP H06174569 A JPH06174569 A JP H06174569A JP 4325422 A JP4325422 A JP 4325422A JP 32542292 A JP32542292 A JP 32542292A JP H06174569 A JPH06174569 A JP H06174569A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】トルクセンサ31が備える発振回路43には基
準電圧発生回路39が発生する基準電圧V1,V2が切
り換えられて与えられ、これにより、その発振振幅が2
種類に変化する。この発振振幅とトルク検出用コイルL
1のインピーダンスとに応じたトルク信号STが、信号
処理回路45から制御回路36に与えられる。トルク検
出用コイルL1のインピーダンスは、ステアリングホイ
ールに加えられたトルクに対応する。メモリ48には、
基準電圧V1,V2に対応してトルク信号STとトルク
との関係を表す計算式が記憶されている。制御回路36
は、切換え器40を高速に切換え、この切換えの前後の
トルク信号STとメモリ48に記憶された計算式とに基
づいて得られる2つのトルクの値がほぼ等しいかどうか
を調べる。2つのトルクの値に大きな差があれば、異常
と判定される。 【効果】簡単な構成で、トルクセンサ31の異常を確実
に検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操舵に応答して回転す
るモータの回転力を操舵機構に伝達して操舵力を補助す
る電動パワーステアリング装置などにおいて好適に実施
されるトルクセンサの異常検出装置および異常検出方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステアリングホイールを回転
させて操舵を行ったときに、ステアリングホイールに加
わったトルクに応じた回転力をモータから操舵機構に与
え、操舵力を補助するようにした電動パワーステアリン
グ装置が用いられている。さらに詳細に説明すると、ス
テアリングシャフトを保持するステアリングコラムには
モータが取り付けられており、このモータの回転力がス
テアリングシャフトに伝達される。ステアリングシャフ
トの途中部にはトーションバーが介装されており、ステ
アリングホイールを操作すると、トーションバーがわず
かにねじれて、トーションバーにより連結された上部軸
と下部軸とに相対変位が生じる。この上部軸と下部軸と
の相対変位は、トーションバーに関連して設けられたト
ルク検出用コイルのインピーダンスの変化として検出さ
れる。
【0003】図4を参照して具体的に説明する。図4は
歯部の対向面積の変化に基づきトルクを検出するトルク
センサの構造を示す半裁断面図である。入力軸1は図示
しないステアリングホイールを取り付けている上部軸1
aと、操舵機構が取り付けられている下部軸1cとをト
ーションバー1bを介して同軸的に連結して構成されて
いる。上部軸1aは車体に取り付けられる筒状のケース
2に軸受3を介して回転自在に支持されている。上部軸
1aの下端部(図面左側)には非磁性体の第1スリーブ
4aが外嵌固着されており、その外周には磁性体の円筒
からなる第1,第2のトルク検出リング5,6を軸方向
に適長離隔して外嵌固着してある。第1のトルク検出リ
ング5は右端縁が入力軸1の軸心に垂直な平面となって
おり、左端縁には矩形状の多数の歯部5a,5a,・・・・
が周方向に等ピッチで形成されている。
【0004】第2のトルク検出リング6は、第1のトル
ク検出リング5の左端縁と対向する右端縁が入力軸1の
軸心に垂直な平面となっており、左端縁には矩形状の多
数の歯部6a,6a,・・・・が周方向に等ピッチで形成さ
れている。この歯部6aの歯幅寸法は、歯部6a,6a
間の切欠部6bの幅寸法にほぼ等しく設定されている。
【0005】下部軸1cの上端部(図面右側)には非磁
性体の第2スリーブ4bが外嵌固着されており、その外
周には磁性体の円筒からなる第3のトルク検出リング7
が外嵌固着されている。このトルク検出リング7の右端
縁には、トルク検出リング6に形成した歯部と同一幅、
同一形状、同ピッチとした多数の歯部7a,7a,・・・・
が形成されている。そして、これらのトルク検出リング
6,7の歯部6a,7aは、トーションバー1bにトル
クが作用していない場合には、歯幅の適宜長さ部分で対
向している。
【0006】ケース2の内側には断面コ字状をしており
内フランジを有する磁性体の筒体8A,8Bが内嵌固着
されている。この筒体8Aは上記トルク検出リング5,
6に跨がる長さ寸法を有し、その軸長方向中央部をトル
ク検出リング5,6の対向位置として配設されている。
また、筒体8Bは上記トルク検出リング6,7に跨がる
長さ寸法を有し、その軸長方向中央部をトルク検出リン
グ6,7の対向位置として配設されている。
【0007】筒体8A,8Bにはその周方向に沿ってそ
れぞれ温度補償用コイルL2,トルク検出用コイルL1
が巻回されている。これらの温度補償用コイルL2、ト
ルク検出用コイルL1を図示しない発振器に接続するこ
とにより、筒体8Aはトルク検出リング5,6と、筒体
8Bはトルク検出リング6,7とそれぞれ磁気回路を構
成する。
【0008】そして、トルク検出用コイルL1からは、
トルク検出リング6の歯部6aとトルク検出リング7の
歯部7aとの対向面積、つまり磁気抵抗に相応する電圧
が出力される。そのため、上部軸1aが回転されてトー
ションバー1bが捩じれると、トルク検出リング6の歯
部6aとトルク検出リング7の歯部7aとの対向面積が
変化してトルク検出用コイルL1のインピーダンスが変
化し、その変化に応じて出力される電圧によりトーショ
ンバー1bに作用したトルクが検出される。
【0009】したがって、トルク検出用コイルL1のイ
ンピーダンスの変化に応じてモータへの入力電流を制御
すれば、ステアリングホイールに加わるトルクに対応し
て、操舵力を補助することができる。図5は上記の電動
パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図
である。トルク検出用コイルL1には分圧用抵抗11が
直列に接続されている。トルク検出用コイルL1と分圧
用抵抗11との直列回路には、発振回路12からの高周
波電圧が与えられる。
【0010】トルク検出用コイルL1と分圧用抵抗11
との間の接続点13の電圧は、一対の信号処理回路15
Aおよび15Bに共通に入力される。一対の信号処理回
路15A,15Bは同じ構成を有するもので、接続点1
3から与えられる高周波電圧を直流電圧に変換し、それ
をトルク信号として制御回路16に与える。この制御回
路16は、入力されたトルク信号に応じて、操舵力を補
助するためのモータ20の電流を制御する。
【0011】制御回路16の動作電圧は、バッテリ17
からの電圧を基に、電源回路18で作成される。この電
源回路18の出力電圧は、発振回路12に基準電圧を与
える基準電圧発生回路19にも入力されている。発振回
路12、信号処理回路15A,15Bおよび基準電圧発
生回路19は、トルクセンサ回路21内に組み込まれ
る。そして、制御回路16などを含むモータ制御回路2
2内の電源回路18からの電圧をトルクセンサ回路21
内の基準電圧発生回路19に与える構成が従来から採用
されている。
【0012】基準電圧発生回路19は、電源回路18か
ら与えられた電圧を安定化し、発振回路12が一定の振
幅および周波数の高周波電圧を発生するような安定な基
準電圧を発生する。この基準電圧が安定であれば、ステ
アリングホイールに加わったトルクとトルク信号との関
係は、図6において直線S10で示す一次関数となる。
制御回路16におけるモータ20の電流の制御は、直線
S10の関係に基づいて行われる。
【0013】この構成により、トルク検出用コイルL1
のインピーダンスが変化すると、それに応じて接続点1
3から信号処理回路15A,15Bに与えられる高周波
電圧が変化する。これにより、トルク検出用コイルL1
のインピーダンスに応じたトルク信号が制御回路16に
与えられ、ステアリングホイールに加えられたトルクに
応じて操舵力が補助される。
【0014】もしも、信号処理回路15A,15Bのい
ずれかに故障が生じると、この一対の信号処理回路15
A,15Bから与えられる2つのトルク信号の差が所定
値を超える。これにより、信号処理回路15Aまたは1
5Bの異常が検出される。異常が検出されたときには、
制御回路16は、モータ20への給電を停止させ、操舵
力の補助を停止させる。このように、トルク信号の信頼
性が低いときには操舵力の補助を停止させることで、安
全性が高められている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の構成
では、全く同じ機能を有する一対の信号処理回路15
A,15Bが設けられているため、トルクセンサ回路2
1の構成が複雑であるうえ、コスト高になるという問題
もあった。この問題を解決するために、たとえば信号処
理回路15Bを省き、制御回路16においてトルク信号
が所定範囲外の値か否かを判定させるようにして、異常
検出処理を行うことが考えられる。しかし、この構成で
は、異常検出の検出度合が不充分で実用に供しない。
【0016】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、簡単な構成でトルクセンサの異常を確実に
検出することができるトルクセンサの異常検出装置およ
び異常検出方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のトルクセンサの異常検出装置は、所定の基
準電圧に基づいて動作し、所定の検出対象に作用したト
ルクおよび上記基準電圧に対応したトルク信号を出力す
るトルクセンサの異常を検出する装置であって、複数種
類の電圧を切り換えて発生することができ、発生した電
圧を上記基準電圧として上記トルクセンサに与える基準
電圧発生手段と、上記基準電圧発生手段を制御して複数
種類の電圧を所定の順序で切り換えて発生させることに
より、上記トルクセンサに与えられる基準電圧を切り換
える基準電圧切換え制御手段と、この基準電圧切換え制
御手段が上記基準電圧を切り換えたときに、上記トルク
センサが出力するトルク信号の変化を監視し、トルク信
号が上記基準電圧の切換えに対応した変化を示さないと
きに、上記トルクセンサに異常が生じているものと判定
する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0018】また、本発明のトルクセンサの異常検出方
法は、所定の基準電圧に基づいて動作し、所定の検出対
象に作用したトルクおよび上記基準電圧に対応したトル
ク信号を出力するトルクセンサの異常を検出する方法で
あって、上記基準電圧を複数種類に切り換え、この基準
電圧の切り換え時に上記トルクセンサが出力するトルク
信号が上記基準電圧の切換えに対応した変化を示さない
ときに、上記トルクセンサに異常が生じているものと判
定することを特徴とする。
【0019】なお、上記トルクセンサは、上記基準電圧
に応じて発振振幅が変化する発振回路と、この発振回路
の発振電圧が与えられるとともに上記所定の検出対象に
作用したトルクに対応してインピーダンスが変化するコ
イルと、このコイルのインピーダンスおよび上記発振回
路の発振振幅に対応した信号をトルク信号として出力す
る信号処理手段とを含むものであってよい。
【0020】
【作用】トルクセンサが出力するトルク信号は、検出対
象に作用するトルクの大小だけでなく、このトルクセン
サに与えられる基準電圧の高低にも対応した変化を示
す。そこで、本発明ではトルクセンサに与えられる基準
電圧が複数種類に切り換えられる。そして、この切換え
の際に、トルク信号が基準電圧の切換えに対応した変化
を示すか否かが監視される。もしも、トルク信号が基準
電圧の切換えに対応した変化を示さなければ、トルクセ
ンサに何らかの異常が生じていることになる。このよう
な場合には、トルクセンサに異常が生じているものと判
定される。
【0021】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施例が適用
された電動パワーステアリング装置の電気的構成を示す
ブロック図である。この電動パワーステアリング装置
は、ステアリングホイールに加えられたトルクをトルク
センサ31で検出し、その検出結果に基づいてモータ3
2の回転力を制御するものである。このモータ32の回
転力は図外のステアリングシャフトに伝達され、これに
より、操舵力が補助される。
【0022】モータ32には、モータ駆動回路33から
制御された電流が供給される。このモータ駆動回路33
には、車両に搭載されたバッテリ34からの電力がフェ
イルセーフリレー35を介して与えられている。また、
モータ駆動回路33には、マイクロコンピュータなどを
内部に含む制御回路36からの制御信号が与えられてい
る。
【0023】この制御回路36にはトルクセンサ31か
らトルク信号STが与えられている。制御回路36は、
トルク信号STなどに基づいてモータ駆動回路33を制
御し、これにより、モータ32に流れる電流をステアリ
ングホイールに加えられたトルクに対応した目標値に制
御する。この制御回路36は、基準電圧切換え制御手段
および判定手段として機能するものである。
【0024】制御回路36の動作電圧は、バッテリ34
の出力電圧に基づき、電源回路37で作成される。この
電源回路37は、イグニッションキースイッチ38が導
通したことに応答して動作を開始するものである。電源
回路37が発生した電圧は、基準電圧発生回路39に与
えられる。この基準電圧発生回路39は、2種類の基準
電圧V1,V2を発生するものである。この2種類の基
準電圧V1,V2は、切換え器40によりいずれか一方
が選択され、ライン41を介してトルクセンサ31内に
設けられた発振回路43に与えられる。切換え器40
は、制御回路36により切換え制御される。上記基準電
圧発生回路39および切換え器40により基準電圧発生
手段30が構成されている。なお、切換え器40が出力
する基準電圧は、ライン42を介して制御回路36にも
入力されている。
【0025】トルクセンサ31は、ステアリングホイー
ルに加わったトルクに対応してインピーダンスが変化す
るように構成されたトルク検出用コイルL1を有してい
る。このトルク検出用コイルL1には直列に分圧用抵抗
R1が接続されている。このコイルL1と抵抗R1との
直列回路には、基準電圧発生手段30からの電圧を基準
電圧として動作する発振回路43から、高周波電圧が与
えられている。発振回路43の発振振幅は、与えられる
基準電圧の高低に応じて変化する。
【0026】トルク検出用コイルL1と分圧用抵抗R1
との接続点44の電圧は、信号処理回路45に入力され
る。信号処理回路45は、たとえば、入力電圧の最低レ
ベルを0Vにクランプするクランプ回路、このクランプ
回路の出力信号のピーク値を検出して保持するピーク検
出回路、およびこのピーク検出回路の出力を適当な増幅
率で増幅する増幅回路などを含むものである。したがっ
て、信号処理回路45からは、接続点44から与えられ
た高周波電圧に対応した直流電圧が出力される。この直
流電圧は、トルク検出用コイルL1のインピーダンスと
発振回路43の発振振幅とにより定まる電圧であり、ト
ルク信号STとしてライン46から制御回路36に入力
されている。
【0027】制御回路36は、通常は、切換え器40を
基準電圧V1が選択される状態に制御している。そし
て、トルクセンサ31の異常の有無を調べる異常検出処
理を行うときには、発振回路43に与えられる基準電圧
が一定であるときのトルク信号STの変化(数Hz〜10
0Hz)に対して充分に高速に切換え器40を切り換え
る。これにより、発振回路43に与えられる基準電圧
は、V1→V2→V1のように充分に高速に変化する。
この切換えの際に、ステアリングホイールに加わるトル
クが大きく変化することはない。なお、上記の異常検出
処理は、たとえば一定の時間間隔(たとえば2〜5ミリ
秒程度)で繰り返し行われる。
【0028】上記のように発振回路43の発振振幅は与
えられる基準電圧の高低により変化するから、ステアリ
ングホイールに加わるトルクTとトルクセンサ31が出
力するトルク信号STとの関係は、切換え器40が発生
する基準電圧がV1であるかV2であるかによって変化
する。そのため、制御回路36には、基準電圧V1,V
2に対応して、トルク信号STとステアリングホイール
に加えられたトルクTとの関係を表す計算式を記憶した
メモリ48が設けられている。
【0029】図2はメモリ48に記憶された計算式を説
明するための図である。トルクTとトルク信号STとの
関係は、基準電圧V1が発振回路43に与えられている
ときは直線S1に従い、基準電圧V2が発振回路43に
与えられているときは直線S2に従う。直線S1,S2
の各方程式は次の第(1) 式および第(2) 式のとおりであ
る。なお、下記第(1) 式および第(2) 式において、
1 ,a2 は各直線S1,S2の傾きに対応した定数で
あり、b1 ,b2 は各直線S1,S2の切片に対応した
定数である。
【0030】 S1: ST=a1 T+b1 ・・・・ (1) S2: ST=a2 T+b2 ・・・・ (2) したがって、基準電圧V1,V2に対応して、それぞ
れ、次の第(3) 式および第(4) 式により、正確なトルク
Tが得られる。
【0031】
【数1】
【0032】メモリ48には上記の第(3) 式および第
(4) 式が記憶されている。なお、上記の計算式自体を記
憶させておく代わりに各計算式の、定数a1 ,a2 ;b
1 ,b 2 をメモリ48に記憶させておくようにしてもよ
い。上述のように通常は基準電圧V1が発振回路43に
与えられるから、制御回路36は、通常は、基準電圧V
1に対応する計算式をメモリ48から読み出す。そし
て、この読み出した計算式にトルク信号STの値を代入
してトルクTを求める。さらに、このトルクTに対応し
た目標電流値が求められ、この目標電流値に基づいてモ
ータ駆動回路33が制御される。
【0033】一方、トルクセンサ31の異常を検出する
ための異常検出処理が行われるときには、基準電圧は、
V1→V2→V1のように切り換えられる。そして、制
御回路36はライン42から入力された基準電圧がV
1,V2のいずれであるかを判断して、各基準電圧V
1,V2に対応したトルク信号ST(V1),ST(V2)をサ
ンプリングする。そして、このサンプリングされた2つ
のトルク信号ST(V1),ST(V2)がそれぞれ上記第(3)
式および第(4) 式に代入され、トルクT(V1),T(V2)が
求められる。切換え器40の切換えは充分に高速に行わ
れるから、トルクセンサ31が正常に動作していれば、
求められたトルクT(V1),T(V2)は等しい値をとるはず
である。
【0034】そこで、制御回路36は、2種類の基準電
圧V1,V2に対応して得られたトルクの差|T(V1)−
T(V2)|を求める。そして、この差|T(V1)−T(V2)|
が所定値を超えるときには、制御回路36は、トルクセ
ンサ31に異常が生じているものと判定し、フェイルセ
ーフリレー35を開成させる。これにより、モータ駆動
回路33への電力の供給が停止され、モータ32による
操舵力の補助が停止される。
【0035】たとえば、ステアリングホイールに加わっ
たトルクTが図2の値TR であるとする。このとき、ト
ルクセンサ31が正常であれば、基準電圧をV1とV2
との間で変化させると、トルク信号STは、値ST1
値ST2 との間で変化する。この値ST1 ,ST2 をそ
れぞれ上記第(3) 式および第(4) 式に代入すれば、値T
R が得られる。
【0036】一方、トルクセンサ31に異常が生じてい
ると、基準電圧をV1からV2に切り換えたときに、ト
ルク信号STの値はたとえば値ST1 のままで変化しな
い。このときには、値ST1 が上記第(3) 式および第
(4) 式に共通に代入されるから、求められたトルクT(V
1),T(V2)は異なった値となる。すなわち、制御回路3
6における上述のような異常検出処理は、結局、発振回
路43に与える基準電圧を切り換えたときに、トルク信
号STが基準電圧の切り換えに対応した変化を示すか否
かを調べる処理にほかならない。
【0037】以上のように本実施例によれば、発振回路
43に与える基準電圧の切換えと、この切換え時におけ
るトルク信号STの監視とにより、トルクセンサ31に
異常が生じているか否かが判断される。すなわち、従来
のように、同一の構成および機能を有する一対の信号処
理回路を設ける必要はなく、トルク検出用コイルL1の
インピーダンスに対応したトルク信号STを出力する信
号処理回路45は1つだけ設ければ足りる。これによ
り、構成が格段に簡素化され、コストの低減にも寄与す
ることができる。
【0038】また、単にトルク信号STが所定範囲を逸
脱するか否かを判断するような受動的な処理ではなく、
トルクセンサ31の出力をいわば積極的に変化させるよ
うにして異常検出処理が行われる。そのため、トルクセ
ンサ31に異常が生じたときには、このことを確実に検
出することができる。本発明の実施例の説明は以上のと
おりであるが、本発明は上記の実施例に限定されるもの
ではない。たとえば、上記の実施例では、基準電圧V
1,V2に対応してトルクTとトルク信号STとの関係
を表す計算式が記憶されているが、その代わりに、基準
電圧V1に対応したトルク信号ST(V1)と基準電圧V2
に対応したトルク信号ST(V2)との関係を表す下記第
(5) 式の計算式をメモリ48に記憶させてもよい。この
場合には、基準電圧をV1からV2に切り換える前のト
ルク信号ST(V1)を下記第(5) 式に代入して得られる値
ST(V2)と、基準電圧をV2に切り換えた後にトルクセ
ンサ31から実際に入力されるトルク信号STの値とが
比較されることになる。
【0039】
【数2】
【0040】また、基準電圧V1に対応したトルク信号
ST(V1)と各基準電圧V1,V2に対応するトルク信号
の差{ST(V1)−ST(V2)}との関係を表す下記第(6)
式の計算式をメモリ48に記憶させておいてもよい。こ
の場合には、基準電圧をV1からV2に切り換える前の
トルク信号ST(V1)を下記第(6) 式の右辺に代入して得
られる{ST(V1)−ST(V2)}と、基準電圧の切換え前
後における実際のトルク信号STの差とが比較されるこ
とになる。
【0041】
【数3】
【0042】さらに、また、上記の実施例を変形して、
トルク検出用コイルL1の近傍にステアリングホイール
の操作によってはインピーダンスが変化しないように別
のコイルを設け、このコイルを温度補償用に用いてもよ
い。具体的には、図3に示すように、抵抗R1とトルク
検出用コイルL1との直列回路に対して並列に、分圧用
抵抗R10と温度補償用コイルL2との直列回路を接続
する。そして、抵抗R10とコイルL2との接続点54
の電圧を接続点44の電圧と同様に処理し、最後に得ら
れた直流電圧を差動増幅器に与えて両者の差分を検出
し、これをトルク信号STとすればよい。温度によるイ
ンピーダンスの変化はコイルL1,L2に等しく現れる
から、上記のようにして得られたトルク信号STは温度
によるインピーダンスの変化分が補償された信号とな
る。
【0043】さらに、上記の実施例では、電動パワース
テアリング装置に適用されるトルクセンサの異常を検出
する構成について説明したが、本発明はトルクセンサが
用いられる装置に対して広く実施することができる。そ
の他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
を施すことができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トルクセ
ンサに与えられる基準電圧が複数種類に切り換えられ、
この切換えの際のトルク信号の変化が基準電圧の変化に
対応しているかどうかを監視することで、トルクセンサ
に異常が生じているか否かが検出される。
【0045】したがって、従来のように、同じ構成およ
び機能を有する回路を2つ設けなくても、トルクセンサ
の異常を検出できる。そのため、構成を簡単にすること
ができるとともに、コストの低減にも寄与することがで
きる。また、単にトルク信号が所定範囲を逸脱している
か否かを監視するような受動的な処理ではなく、トルク
センサに与えられる基準電圧を積極的に変化させること
により異常検出処理を行っている。このため、トルクセ
ンサに異常が生じているときには、このことを確実に検
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された電動パワーステ
アリング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】基準電圧の切換えに伴うトルクとトルク信号と
の関係の変動を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の一部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】ステアリングホイールに加わったトルクを検出
するための構成を簡略化して示す図である。
【図5】従来の電動パワーステアリング装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図6】トルクとトルク信号との関係を示す図である。
【符号の説明】
30 基準電圧発生手段 31 トルクセンサ 32 モータ 36 制御回路 39 基準電圧発生回路 40 切換え器 43 発振回路 45 信号処理回路 48 メモリ L1 トルク検出用コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の基準電圧に基づいて動作し、所定の
    検出対象に作用したトルクおよび上記基準電圧に対応し
    たトルク信号を出力するトルクセンサの異常を検出する
    装置であって、 複数種類の電圧を切り換えて発生することができ、発生
    した電圧を上記基準電圧として上記トルクセンサに与え
    る基準電圧発生手段と、 上記基準電圧発生手段を制御して複数種類の電圧を所定
    の順序で切り換えて発生させることにより、上記トルク
    センサに与えられる基準電圧を切り換える基準電圧切換
    え制御手段と、 この基準電圧切換え制御手段が上記基準電圧を切り換え
    たときに、上記トルクセンサが出力するトルク信号の変
    化を監視し、トルク信号が上記基準電圧の切換えに対応
    した変化を示さないときに、上記トルクセンサに異常が
    生じているものと判定する判定手段とを含むことを特徴
    とするトルクセンサの異常検出装置。
  2. 【請求項2】上記トルクセンサは、上記基準電圧に応じ
    て発振振幅が変化する発振回路と、この発振回路の発振
    電圧が与えられるとともに上記所定の検出対象に作用し
    たトルクに対応してインピーダンスが変化するコイル
    と、このコイルのインピーダンスおよび上記発振回路の
    発振振幅に対応した信号をトルク信号として出力する信
    号処理手段とを含むものであることを特徴とする請求項
    1記載のトルクセンサの異常検出装置。
  3. 【請求項3】所定の基準電圧に基づいて動作し、所定の
    検出対象に作用したトルクおよび上記基準電圧に対応し
    たトルク信号を出力するトルクセンサの異常を検出する
    方法であって、 上記基準電圧を複数種類に切り換え、 この基準電圧の切り換え時に上記トルクセンサが出力す
    るトルク信号が上記基準電圧の切換えに対応した変化を
    示さないときに、上記トルクセンサに異常が生じている
    ものと判定することを特徴とするトルクセンサの異常検
    出方法。
  4. 【請求項4】上記トルクセンサは、上記基準電圧に応じ
    て発振振幅が変化する発振回路と、この発振回路の発振
    電圧が与えられるとともに上記所定の検出対象に作用し
    たトルクに対応してインピーダンスが変化するコイル
    と、このコイルのインピーダンスおよび上記発振回路の
    発振振幅に対応した信号をトルク信号として出力する信
    号処理手段とを含むものであることを特徴とする請求項
    3記載のトルクセンサの異常検出方法。
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