JP2009220280A - ハードコートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐擦過性があり、柔軟性・成形性に優れた成形品の表面に用いられるハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】 ベースフィルム上の少なくとも片面に硬化樹脂層を設けたハードコートフィルムであって、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含み、硬化樹脂層にシリコーンオイルが3%〜15%含まれるハードコートフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子製品、家電製品に使用されるハードコートフィルムに関し、さらに詳しくは、柔軟で、かつ耐擦過性に優れると同時に、硬化樹脂層の湿熱処理後の接着性に優れたハードコートフィルムに関するものである。
電子製品、家電製品の筐体は、プラスチック成形品などに装飾が施されたものが多く使用されている。そして、その付与された装飾の耐久性を維持するために、
成形品の表面に硬化樹脂を主成分とするハードコート層を設けることが行われている。
このような成形品の表面に設けられる硬化樹脂層としては、ただ硬度が優れるだけでなく、成形品の表面の凹凸に追従するような柔軟性・成形性も求められる。
このため、可撓性を付与する技術として、硬化樹脂層の2成分化処方が開示されている(特許文献1参照)。これらの方法では、一定の柔軟性を得ることができるが、この可撓性はマンドレル法で10mmφのまきつけで、クラックによる白化を生じない程度である。近年の装飾性の改善、および加工速度のさらなる向上等から、より高い可撓性の改善が要求されており、従来の引張伸びに換算して1%相当程度のマンドレル10mmφ法では不十分であった。
また、高品質化として、さらなる高温高湿下での効果樹脂層の密着性向上が望まれていた。
特開平11−76606号公報
本発明は、耐擦過性があり、柔軟性・成形性に優れた成形品の表面に用いられるハードコートフィルムを提供する。
上記の課題を解決する本発明は、ベースフィルム上の少なくとも片面に硬化樹脂層を設けたハードコートフィルムであって、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含み、硬化樹脂層にシリコーンオイルが3%〜15%含まれるハードコートフィルムである。
本発明のハードコートフィルムは、ベースフィルム上の少なくとも片面に硬化樹脂層を設けたハードコートフィルムであって、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含み、硬化樹脂層にシリコーンオイルが3%〜15%含まれるハードコートフィルムである。
本発明で使用されるベースフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリアリレートフィルムおよびポリエーテルスルフォンフィルム等が挙げられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムが好適に使用される。
本発明で使用されるベースフィルムは、透明であることが好ましい。ここでいう透明とは、JISK7136(2000年版)に定める全光線透過率が70%以上であり、ヘイズが3.0%以下のものをいう。
本発明で用いられるベースフィルムの厚みは、好ましくは、50ミクロン以上250ミクロン以下の範囲であり、より好ましくは、75ミクロン以上200ミクロン以下の範囲である。厚みが50ミクロン未満ではフィルム剛性が低下し、取り扱いが難しくなることがあり、一方、250ミクロン以上では逆にフィルム剛性が高くなり、取り扱い難しくなると同時に経済的に不利になることがある。
本発明のハードコートフィルムは、ベースフィルム上の少なくとも片面に硬化樹脂層を設けたハードコートフィルムであって、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含む。
本発明の硬化樹脂層に使用するポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレート又はメタアクリレート(本発明書においては、以下アクリレートおよび/又はメタアクリレートを(メタ)アクリレートと記載する)である。本発明の硬化樹脂層に使用するポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーの(メタ)アクリレートの混合物であってもよい。
ポリエステル系オリゴマーは、アジピン酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジペートポリオールや、ポリセバシエートポリオールなどである。
アクリレートおよび/又はメタアクリレートを構成する単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどである。
本発明の硬化樹脂層に使用するポリエステルアクリレートは、好ましくは、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートである。特に、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の硬化樹脂層に使用するウレタンアクリレートは、ウレタン系のオリゴマーのアクリレート又はメタアクリレート(本発明書においては、以下アクリレートおよび/又はメタアクリレートを(メタ)アクリレートと記載する)である。本発明の硬化樹脂層に使用するウレタンアクリレートは、ウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレートの混合物であってもよい。
ポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸などが硬度を与えるための構成成分として使用できる。
ポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。例えば、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチレンベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどから選択したものと、次のポリオールとの反応によって得られたものである。ポリオールの例としては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどである。
好ましくは、メヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチレンベンゼン−2,4−ジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどから選択したものと、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、などから選択した縮合生成物である。特に、メヘキサメチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチレンベンゼン−2,4−ジイソシアネート、などから選択したものと、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、などのポリエステル系ポリオールから選択した縮合生成物が好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含むことにより、適度な硬度と可撓性をもつ硬化樹脂層とすることができる。適度な硬度と可撓性をもつ硬化樹脂層をもつハードコートフィルムを得るには、ウレタンアクリレートを60〜90部に対して、ポリエステルアクリレートを40〜10部とすることが、好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、硬化樹脂層に、シリコーンオイルが3%〜15%含まれる。硬化樹脂層にシリコーンオイルを含有することにより、好ましくは、10%以上の伸び、耐擦過性試験において傷の発生が15本以下、ならびに、H以上の鉛筆硬度を得ることができる。シリコーンオイルの含有量は、好ましくは、5〜10%である。
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とし、ポリオキシアルキレン基を付加したもの(例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製SH190)が好適である。
本発明のハードコートフィルムは、硬化樹脂層に、多官能モノマーを併用することができる。硬化樹脂層に多官能モノマーを併用すると、硬化樹脂塗膜の硬度が上昇する。多官能モノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタンエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。
更に、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、多官能モノマーを電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを混合して使用することができる。
硬化樹脂層には、二次粒子が20μm以下の無機微粒子を、樹脂成分100重量部に対して0.3〜3重量部加えることが好ましい。二次粒子が20μm以下の無機微粒子を、樹脂成分100重量部に対して0.3〜3重量部加えると、硬化樹脂層表面の滑りを付与することができ、硬化樹脂層の鉛筆硬度を低下しない。
上記の微粒子には、シリカ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどの無機バリウムなどの無機微粒子、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、メラミンなどの有機ポリマーを使用することができる。
ハードコートの塗工方法は、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押し出しコートなどにより塗料の特性、塗工量に応じて従来より公知の方法で行い効果樹脂層を形成することができる。塗工で形成する硬化樹脂層の厚みは、1〜7μm、好ましくは、2〜4μmである。
硬化樹脂層を形成するために、ハードコート塗布液を硬化させる放射線として紫外線を使用する場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が一般的に使用される。また、電子線を利用して硬化する場合には、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは、100〜300Kevのエネルギーを有する電子線が利用できる。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、ベースフィルムと硬化樹脂層との間にプライマー層が存在し、そのプライマー層がガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂と架橋剤を含有し、かつ、ガラス転移点の高いポリエステル樹脂のガラス転移点が、60℃以上、110℃以下であり、ガラス転移点の低いポリエステル樹脂のガラス転移点が60℃未満である。
本発明に好ましく使用されるプライマー層に用いられるポリエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものであり、このようなポリエステル樹脂は、例えば、ジカルボン酸とジオールから重縮合して得ることができる。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分として、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p´−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、好ましくは、全カルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは、35モル%以上、最も好ましくは、40モル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向上させるため、あるいは、ポリエステル樹脂の水溶性化を容易にさせるため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができる。
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2´,3,3´−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができる。
ポリエステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4´−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4´−メチレンジフェノール、4,4´−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4´−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4´−イソプロピリデンフェノール、4,4´−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ビスフェノールAなどを用いることができる。
本発明に好ましく使用されるプライマー層に用いられる、より好ましいポリエステル樹脂は、酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ジエチエングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAから選ばれる共重合体などである。
本発明に好ましく使用されるプライマー層の構成成分であるポリエステル樹脂は、変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重合体などを用いることも可能である。
本発明に好ましく使用されるプライマー層の構成成分であるポリエステル樹脂は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。
例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホンイソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応性生物を重縮合反応させる第二段階によって製造する方法などにより製造することができる。
また、プライマー層のポリエステル樹脂の構成成分であるカルボン酸の製造方法は、例えば、カルボン酸を末端および/または側鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、特開昭54−46294号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することができるが、これら以外の方法であってもよい。
また、本発明に使用されるプライマー層のポリエステル樹脂の固有粘度は、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上、最も好ましくは、0.4dl/g以上である。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、ベースフィルムと硬化樹脂層との間にプライマー層が存在し、そのプライマー層がガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂と架橋剤を主たる構成成分とし、かつ、ガラス転移点の高いポリエステル樹脂のガラス転移点が、60℃以上、110℃以下であり、ガラス転移点の低いポリエステル樹脂のガラス転移点が60℃未満である。
本発明に好ましく使用されるプライマー層は、ガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂と架橋剤を含有する。
本発明に好ましく使用されるプライマー層のポリエステル樹脂のうち、ガラス転移点(以後Tgと略す)の高い方のポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(A)、Tgの低いほうのポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(B)として説明する。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)のTgを60℃以上、110℃以下とすることが好ましく、これにより、常態下で優れた接着性が得られると同時に、湿熱下での接着性も両立させることが、より一層、可能となる。
本発明において、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂を用いるが、ポリエステル樹脂(A)のTgが、60℃以上、110℃以下であり、ポリエステル樹脂(B)のTgが、60℃未満であることを満足していれば、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)のジカルボン酸成分やジオール成分などの共重合成分は、同じものを用いることができる。
また、ポリエステル樹脂(B)は、上記したポリエステル樹脂(A)とTgが異なり、かつ、Tgが60℃未満であれば、上述のポリエステル樹脂(A)と同様のシカルボン酸成分やジオール成分などの共重合成分を用いることができる。
本発明においては、接着性の点で、ポリエステル樹脂(B)のジオール成分として、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールが共重合されていることが好ましく、特に、ネオペンチルグリコールが共重合されていることが好ましい。
ネオペンチルグリコールの共重合比は、ジオール成分中、35〜90モル%が好ましく、より好ましくは40〜70モル%である。
また、ジカルボン酸成分として、セバチン酸、アジピン酸、アゼライン酸が共重合されていることが接着性の点で好ましい。
また、ポリエステル樹脂(B)のポリエチレングリコールの共重合は、ポリエステル樹脂を水溶性化するのに有効であり、中でも、分子量が600〜20000のものが好ましく、より好ましくは1000〜6000であり、その共重合比は、ジオール成分中、0.2〜10モル%が好ましく、より好ましくは、0.4〜5モル%である。さらに、ポリチレングリコールの共重合量は、ポリエステル樹脂中の重量%に換算して、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは、2〜15重量%である。
好ましいポリエステル樹脂(B)は、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる共重合体などである。
本発明において好ましく用いられるプライマー層は、好ましくは、上述したポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)に、架橋剤(C)を添加することにより、常態下での接着性が向上すると同時に、湿熱処理後の密着性が飛躍的に向上する。
本発明でいう架橋剤は、ポリエステル樹脂に存在する官能基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基などと架橋反応し得るものであり、代表例としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、各種シランカッピリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。中でも、メラミン系架橋剤の添加により、特に、湿熱処理後の密着性が飛躍的に向上する。
メラミン系架教剤は、好ましくは、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。また、メラミン系架橋剤としては、単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化アミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。さらに、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
本発明において好ましく用いられるプライマー層では、ポリエステル樹脂(A)、およびポリエステル樹脂(B)の比率は、ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(B)が、固形分重量比で、10/90〜70/30であることが常態下での接着性の点で好ましく、より好ましくは、15/85〜50/50、最も好ましくは、20/80〜40/60である。
さらに、架橋剤は、常態下での接着性のみならず、高温高湿下での接着性の点で、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、より好ましくは、1〜15重量部、最も好ましくは、2〜10重量部である。
本発明に好ましく使用されるプライマー層は、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂と架橋剤を主たる構成成分としてなるものであり、本発明において、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂は、合計で、プライマー層中において70重量%以上を占めることが好ましく、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂の構成比率は、合計で、より好ましくは、プライマー層の80重量%以上、さらにより好ましくは、90重量%以上である。
また、プライマー層中には、他の樹脂、例えば、上述したポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが適宜配合されていてもよい。
さらに、プライマー層中には、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが適宜配合されていてもよい。
特に、プライマー層中に無機粒子を添加したものは、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので更に好ましい。
この場合、添加する無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カリオン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、最も好ましくは0.08〜2μmであり、プライマー層中の樹脂に対する混合比は、固形分重量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部である。
本発明のハードコートフィルムにおいて、プライマー層を設けるのに好ましい方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材フィルムと共に延伸する方法が最も好適である。例えば、溶融押し出しされた結晶配合前のポリエステルを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、一軸延伸されたフィルムに連続的に塗液を塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5倍程度延伸される。更に、連続的に150〜250℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方法(インラインコート)によって得ることができる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系のものが好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、硬化樹脂層の耐擦過性試験において、傷の発生は15本以下である。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、鉛筆硬度が、H以上のハードコートフィルムである。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、かつ引っ張り試験で、伸度10%以上である。
本発明のハードコートフィルムは、好ましくは、耐湿密着試験での密着性が、碁盤目クロスカット法で1級である。

以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりです。
1.鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づいて行った。5cm×10cmの大きさにサンプルをカットし、新東科学株式会社製のヘイドン連続加重式引掻強度試験機TYPE:18を使用し、750gの荷重をかけた状態でハードコート面を異なる硬度の鉛筆を用い、速度1mm/秒で7mmを5回擦った。その傷の有無を評価した。
2.引張り試験
1cm×10cmにサンプルをカットし、オリエンテック株式会社製のテンシロン万能試験機を用いて、そのサンプルを20mm/分の速度で伸ばし、クラックの発生の有無および程度を目視により観察し、以下の判定基準に従って評価した。
ランクA:20%以上(20%の伸びで、クラックが発生しない)
ランクB:10%以上(10%の伸びで、クラックが発生しない)
ランクC:5%以上(5%の伸びで、クラックが発生しない)
ランクD:5%未満(5%の伸びで、クラックが発生する) 。
3.耐擦過性試験
日本スチールウール株式会社製の#0000のスチールウールにより、テスター産業株式会社製の学振式摩耗試験機を用いて、ハードコート層の表面を800gの荷重をかけながら20回摩擦し、傷の発生の有無および傷の本数を目視により観察し、以下の判定基準に従って評価した。
1級:3本以下の傷が発生
2級:4〜15本の傷発生
3級:16本以上の傷発生 。
4.耐湿密着試験での密着性
5cm×5cmにサンプルをカットし、そのサンプルを湿熱下(85℃×85%RH)で96時間放置した。処理後、直ちに取り出し、常態下、すなわち、温度23℃、湿度45%で5分間放置後、ハードコート層上に1mmのクロスカットマス目を100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼りつけ、180度方向に剥離し、ハードコート層の残存した個数により、以下の3段階に評価した。
1級:100
2級:51〜99
3級:0〜50 。
5.シリコーンオイル析出
5cm×5cmにサンプルをカットし、そのサンプルを湿熱下(85℃×85%RH)で96時間放置した。処理後、直ちに取り出し、常態下で5分間放置後、電子顕微鏡(SEM、JSM−5410)にてシリコーンオイルの析出の有無を観察・評価した。
実施例1
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールを組成成分とするガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂かならるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液1]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは、引張り試験法においてはBランク(伸び10〜20%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては傷の発生が9本であった。また、耐湿密着試験での密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液1]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製、商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製、商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製、商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製、商品名) 8部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製、商品名) 3部。
実施例2
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に、実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液2]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはBランク(伸び10〜20%)、鉛筆硬度はH、かつ、耐擦過性試験においては傷の発生が10であった。また、耐湿密着試験での密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液2]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 5部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部。

実施例3
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に、実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液3]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはBランク(伸び5〜10%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては傷の発生が6本であった。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液3]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 3部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部。
実施例4
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に、実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液4]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはBランク(伸び5〜10%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては、傷の発生が17本であった。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液4]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 10部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部。
比較例1
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に、実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液5]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはCランク(伸び5〜10%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては、傷の発生が32本であった。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液5]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部。
比較例2
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に、実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液6]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはBランク(伸び5〜10%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては、傷の発生が25本であった。しかしながら、シリコーンオイルの析出がみられた。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液6]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 20部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部。
比較例3
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液7]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはDランク(伸び0〜5%)、鉛筆硬度は2H、かつ耐擦過性試験においては傷の発生が18本であった。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液7]
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 60部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 40部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部
比較例4
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に実施例1と同様のガラス転移点が55℃と85℃の2種のポリエステル樹脂からなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液8]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においてはBランク(伸び5〜10%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては傷の発生が20本であった。また、耐湿密着性は1級であった。
[ハードコート塗工液8]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 1部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部
比較例5
東レ(株)製厚み125μmのポリエステルフィルムU421に実施例1と同様のガラス転移点が55℃のポリエステル樹脂のみからなるプライマー層を設け、その一方に、下記構成の[ハードコート塗工液9]を、3μmの厚みで塗工し、紫外線を250mJ/cm照射で硬化して硬化樹脂層をもつ可撓性ハードコートフィルムを作成した。作成したハードコートフィルムの評価結果を表1に示す。このようにして得られたハードコートフィルムは引っ張り試験法においては、Bランク(伸び10〜20%)、鉛筆硬度はH、かつ耐擦過性試験においては、傷の発生が8本であった。また、耐湿密着性は3級であった。
[ハードコート塗工液9]
・UA122P (ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 商品名) 80部
・DPHA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・PETA (ポリエステルアクリレート 日本化薬(株)製 商品名) 10部
・SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製 商品名) 8部
・イルガキュア 184(光重合開始剤 長瀬産業(株)社製 商品名) 3部
Figure 2009220280

Claims (6)

  1. ベースフィルム上の少なくとも片面に硬化樹脂層を設けたハードコートフィルムであって、硬化樹脂層がポリエステルアクリレートとウレタンアクリレートを含み、硬化樹脂層にシリコーンオイルが3%〜15%含まれるハードコートフィルム。
  2. 硬化樹脂層にシリコーンオイルが3%〜10%含まれる請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. ベースフィルムと硬化樹脂層との間にプライマー層が存在し、そのプライマー層がガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂と架橋剤を含有し、かつ、ガラス転移点の高いポリエステル樹脂のガラス転移点が、60℃以上、110℃以下であり、ガラス転移点の低いポリエステル樹脂のガラス転移点が60℃未満である請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 引張り試験法において、伸びが10%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 耐擦過性試験において、傷の発生が15本以下であり、かつ、硬化樹脂層の鉛筆硬度がH以上ある請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  6. 耐湿密着試験での密着性が、1級である請求項1〜5記載のハードコートフィルム。
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