JP2010264643A - 易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 - Google Patents
易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010264643A JP2010264643A JP2009117434A JP2009117434A JP2010264643A JP 2010264643 A JP2010264643 A JP 2010264643A JP 2009117434 A JP2009117434 A JP 2009117434A JP 2009117434 A JP2009117434 A JP 2009117434A JP 2010264643 A JP2010264643 A JP 2010264643A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- polyester film
- acid
- layer
- adhesive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】 少なくとも一軸方向に配向したポリエステルフィルムの少なくとも片面に、不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂接着層(a)を積層したことを特徴とする易接着性ポリエステルフィルムであり、好ましくは、前記不飽和炭化水素結合が、(メタ)アクリレート基に由来するものである。
【選択図】 なし
Description
ポリエステルフィルムは、耐熱性や寸法安定性等に優れており、かつ経済性に優れており、上記ゴムとの積層体の基材フィルムとして好適であり、上記特許文献1〜2には、該ポリエステルフィルムを、接着剤を介してゴムフィルムと貼り合わせた積層体が開示されている。しかしながら、該特許文献の実施例に開示されている積層体の接着剤としてはエポキシ系樹脂が用いられており、ゴム層と接着剤界面の接着性が不十分であった。
また、透明フィルムに設けた場合は、ゴムが裏から見えやすくなり外観、意匠性に問題があった。
1.少なくとも一軸方向に配向したポリエステルフィルムの少なくとも片面に、不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂接着層(a)を積層したことを特徴とする易接着性ポリエステルフィルム。
2.不飽和炭化水素結合が、(メタ)アクリレート基に由来するものであることを特徴とする前記1に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
3.不飽和炭化水素結合濃度が分子中に50〜2000eq/tonの範囲で含まれることを特徴とする前記1又は2いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
4.ポリウレタン樹脂が、ポリエステルジオール(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)及びジイソシアネート化合物(C)を反応させたものであることを特徴とする前記1〜3いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
5.ポリウレタン樹脂が、更にポリオール化合物(D)、ポリアミン化合物(E)及び/又はアミノアルコール化合物(F)も含めて反応させたものであることを特徴とする前記1〜4いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
6.少なくとも一軸方向に配向したポリエステルフィルムの片面に架橋高分子からなるアンカー層(b)を設け、更にその上に接着層(a)が積層されていることを特徴とする前記1〜5いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
7.接着層(a)の反対のフィルム面に、表面処理層(c)を有することを特徴とする前記1〜6いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
8.前記1〜7のいずれかに記載のフィルムの接着層(a)にゴムを主成分とする層(d)を積層したことを特徴とするゴム/ポリエステルフィルム積層体。
(ポリエステルフォルム基材)
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの基材となるポリエステルフィルムは、エチレングリコール及びテレフタル酸を主な構成成分とするポリエステル樹脂からなる。本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分及びグリコール成分を共重合させても良い。上記の他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス−(4−カルボキシフェニルエタン)、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサン−1、4−ジカルボン酸などが挙げられる。上記の他のグリコール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスフェノールAなどのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。この他、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分も利用され得る。
さらに、フィルムを形成する樹脂の中には、必要に応じて各種の添加剤、たとえば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
本発明において使用する接着層(a)の樹脂は、ポリウレタン樹脂の分子内に不飽和炭化水素結合を有しており、未架橋のゴム層を積層し、引き続きゴム層を架橋処理することでこの接着剤層とゴム層の界面で架橋反応が進行し、強固な接着力が発現される。
またこれら酸成分にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和炭化水素結合を有する二塩基酸を共重合させる事で活性エネルギー線による架橋反応性の向上が期待できる。
これらグリコール成分の内、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールが汎用性の面から好ましい。
ポリウレタン樹脂合成の際、無触媒系で反応させることが出来るが、例えば錫系又はアミン系のような触媒を用いることもできる。反応性の面から錫系触媒を用いるのが好ましい。
本発明においては、ゴム層を構成するゴム成分は特に限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の任意のゴム又はこれらの混合物が挙げられる。該ゴム成分は使用目的に応じた必要特性により適宜選択される。
上記接着性改良剤としては、ラジカル反応に対して活性な反応基を含む化合物を用いるのが好ましい。この化合物としては、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体及びアリル誘導体等が例示されるが、中でも不飽和結合を2個以上、特に3個以上有する誘導体が好ましい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使用されており、多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、多価カルボン酸のアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
また、多価カルボン酸のアリルエステルとしては、フタル酸ジアリレート、トリメリット酸ジアリレート、ピロメリット酸テトラアリレート等が挙げられる。
上記接着性改良剤の配合量は、全ゴム成分100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部であり、0.2質量部未満では基材フィルムとの接着強度が不十分となり、反対に20質量部を超えると上記接着強度の向上効果が飽和に達し、かつゴムの物性が低下する。
上記未架橋のシリコーンゴム層の厚みは、0.0005〜0.05mmが好ましい。
本発明のゴム/フィルム積層体の製造方法は特に限定されない。例えば、プラスチック基材表面に本発明の接着剤層(a)を設け、未架橋のゴム層を積層し、該積層体を架橋して製造するのが好ましい。該方法において、ゴム層に上記した接着性改良剤を配合してなることがより好ましい実施態様である。
上記対応により経済的にゴム/ポリエステルフィルム積層体を製造することができる。
ゴム層を積層する方法は任意であり、例えばゴム組成物を溶媒に溶解した溶液を接着層を有する易接着性ポリエステルフィルム基材表面に塗工、乾燥してゴム層を形成する方法、プラスチック基材層表面に接着剤層を設け、ゴム組成物を高圧下で押出してゴム層を形成する方法及びカレンダー法等が挙げられる。液状シリコーンゴムのような液状ゴムを用いる場合は、溶剤で希釈することなく塗工することができる。
本発明においては、接着剤層(a)を設ける前にポリエステルフィルム基材表面にアンカー層(b)を設けることが好ましい。アンカー層を設けることでゴムとフィルム基材との接着性がより良好になる。アンカー層は、厚みが0.01〜5μmの架橋高分子層を積層してなることが好ましい。該架橋高分子層の厚みは0.03〜3μmがより好ましく、0.05〜1μmがさらに好ましい。該架橋高分子層の厚みが0.01μm未満では、ポリエステルフィルムとゴム層の接着性向上効果が低下するので好ましくない。逆に、5μmを超えた場合はポリエステルフィルム基材とゴム層の接着性向上効果が飽和して経済的に不利になるので好ましくない。
該ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。積層膜の強度や耐熱性の点から、これらの芳香族ジカルボン酸が、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは40モル%以上を占めるポリエステルを用いることが好ましい。
また、脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
好ましいポリエステルとしては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体などが挙げられる。耐水性が必要とされる場合は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の代わりに、トリメリット酸をその共重合成分とした共重合体なども好適に用いることができる。
例えば、ウレタン樹脂のアニオン性基としては、好ましくは−SO3 −、−COO−のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩又はアンモニウム塩が用いられる。末端イソシアネート基が上記塩類でブロックされた熱反応型の水分散性のウレタン系樹脂は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート、分子内に2個以上の活性水素原子を有する分子量が200〜20000の化合物、又は分子内に2個以上の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得られるプレポリマーから調製される。
ウオーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150Cを用い、テトラヒドロフランをキャリアー溶剤として流速1ml/分で測定した。カラムとして昭和電工(株)製 Shodex KF−802、KF−804、KF−806を3本連結しカラム温度は30℃に設定した。分子量標準サンプルとしてはポリスチレン標準物質を用いた
樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解後、0.1N−NaOHエタノール溶液でフェノールフタレインを指示薬として測定し、測定値を樹脂固形分1ton中の当量で示した。
クロロホルム−dにポリエステルジオールを溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用い、1H−NMRにより樹脂組成比を求めた。
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御(株)製 DVA−220)を用いて以下の条件で測定した。
サンプルサイズ:4mm(幅)×15mm(長さ); 厚み:20μm
測定周波数:110Hz
昇温速度:4℃/min.
得られた保存弾性率の温度依存性曲線の変曲点の温度をガラス転移温度とした。
ゴム/ポリエステルフィルム積層体のゴム層とポリエステルフィルムの界面の接着剤層にナイフを入れ、その部分に指で応力を加えて界面剥離を発生させ、JIS K6854に準じてT型剥離法で剥離強度を測定した。
ゴム/ポリエステルフィルム積層体を25℃に調温したトルエンに72時間浸漬した後に、試料を取り出しトルエンを拭き取り、上記方法で層間剥離強度を測定した。
(7)ゴム/ポリエステルフィルム積層体のインキ密着力
ゴム/ポリエステルフィルム積層体のインキ密着力は、UV硬化型インキ(東華色素社製、ベストキュアー161)を用い、フィルムの被覆層面にRIテスターで印刷後100mJのUVを照射し、JIS−K5400に記載の碁盤目評価に準拠し、ゴム/ポリエステルフィルム積層体のフィルム被印刷面にクロスカットガイドを用いて1mmマス目をカッター刃で100個作製した後、粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を用いてマス目部分の密着力を評価した。
ゴム積層体を形成した後に、フィルム側から見て、ゴム層が見えにくければ○、はっきり見えれば×とした。
[アンカー層(b)の塗布液の調整]
水分散共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロナール)3質量%、水溶性ウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製、エラストロン)6質量%、平均粒径1.5μm(電子顕微鏡法)のシリカゲル微粒子を固形分に対して1質量%含有する水/イソプロピルアルコール系塗布液を調整した。
固有粘度 0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂を1軸押出機にて溶融押出し後、25℃のキャスティングロールにより冷却して得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて66℃に均一加熱し、周速が異なる二対のニップロール(低速ロール:2m/分、高速ロール:6.2m/分)間で3.1倍に延伸した。このようにして得られた一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理を施し、その両方の処理面に上記に示す水系塗剤をコート法で塗布した。
得られたポリエステルフィルムのアンカー層(b)の上に下記合成例1のポリウレタン樹脂PU1からなる接着層(a)をバーコートにて乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布して設けた。
(ポリエステルジオール成分の合成)温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1Lの4つ口フラスコにテレフタル酸ジメチル97g、イソフタル酸ジメチル97g、ネオペンチルグリコール73g、エチレングリコール81g及び触媒としてテトラブチルチタネート(TBT)を0.1g仕込み190℃〜230℃で3時間エステル交換反応を進行させた。ついで250℃に昇温後、減圧下に20分重合し、ポリエステルジオールa1を得た。得られたポリエステルジオールa1の組成はテレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50//50/50モル%であり、数平均分子量は2000、酸価は5eq/tonであった。
(ポリウレタン樹脂PU1の合成)
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン80g、メチルエチルケトン(MEK)80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し同温度で2時間反応させた後、新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでトルエンとMEKを各々24g加えて希釈し、トリメチロールプロパン5.2gを添加し60℃で3時間反応させ合成反応を終了した。得られたポリウレタン樹脂UR−1の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
ゴムとしてEPDM(エチレン含有量34%、日本合成ゴム社製「EP21」)を、老化防止剤Aとして2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(大内新興化学工業(株)製「ノクラックMBZ」)を、老化防止剤Bとして4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製「ノクラックCD」)をそれぞれ用い、下記の配合で常法により混練した。
EPDM:100.0質量部、ポリエチレングリコール(分子量4000):2.5質量部、ステアリン酸:0.5質量部、老化防止剤A:1.5質量部、老化防止剤B:0.7質量部、フェノールホルムアルデヒド樹脂:2.0質量部、MAFカーボン:30.0質量部、FTカーボン:40.0質量部、ポリブテン:15.0質量部、N,N’−m−フェニレンジマレイミド:1.5質量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン:5.0質量部。
上記の混練ゴムを厚さ3mmのシートに成形した。この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片とし、この細片をトルエンに対する質量比率が30%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にペンタエリスリトールテトラアクリレートを、EPDMゴム100質量部に対して8質量部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
上記合成例1〜6及び比較合成例1で得られたポリウレタン樹脂PU1〜7を用いて上記接着試験用サンプルを作製し、層間剥離強度及び接着耐久性評価に供した。結果を表2に示した。
〔合成例2〕 ポリウレタン樹脂PU2の合成
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、大日本インキ(株)製ポリライトOD−X−688を50gトルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでネオペンチルグリコール4gを添加して同温度で更に3時間反応させ、MEKとトルエンを各々23gずつ添加して希釈し、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−2の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、日本曹達(株)製G−3000を50gトルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでネオペンチルグリコール5gを添加して同温度で30分反応させ、ジブチルチンジラウレート0.025gを添加した。更に3時間反応させ、MEKとトルエンを各々24gずつ添加して希釈し、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−3の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン80g、メチルエチルケトン80gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート26gを添加し、2時間反応させた後新中村化学(株)製NK−701Aを2.2g添加し、更に2時間反応を続けた。ついでMEKとトルエンを各々40gずつ添加して希釈し、共栄社化学(株)製A3002を31g添加し、無触媒下60℃で3時間反応させた後、合成反応を終了させた。得られたポリウレタン樹脂UR−4の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を20g、トルエン80g、メチルエチルケトン90gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート48gを添加し、2時間反応させた後、MEKとトルエンを各々56gずつ添加して希釈し、共栄社化学(株)製A3002を120g及び新中村化学(株)製NK−701Aを6.5g添加し、無触媒下60℃で更に3時間反応を続け、合成反応を終了した。得られたポリウレタン樹脂UR−5の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を100g、トルエン60g、メチルエチルケトン60gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート13gを添加し、2時間反応させて2−ヒドロキシエチルアクリレートを0.5g添加し、3時間反応させ合成を終了した。トルエン24g、メチルエチルケトン24gを加えて希釈し、ポリウレタン樹脂UR−6を得た。得られたポリウレタン樹脂UR−6の組成、数平均分子量、ガラス転移温度、及び仕込み値からの不飽和炭化水素結合濃度の計算値を表1に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサーを具備した1Lの4つ口フラスコに上記ポリエステルジオールa1を50g、大日本インキ(株)製ポリライトOD−X−688を50g、トルエン60g、メチルエチルケトン60gを仕込み、60℃に昇温し、均一に溶解させた。ついで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12gを添加し、3時間反応させて合成を終了し、トルエン24g、メチルエチルケトン24gを加えて希釈した。得られたポリウレタン樹脂PU7の組成、数平均分子量、ガラス転移温度を表1に示した。ポリウレタン樹脂PU7は不飽和炭化水素結合基を分子中に全く有さない比較合成例である。
NPG:ネオペンチルグリコール
TMP:トリメチロールプロパン
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
NK−701A:新中村化学(株)製 2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、分子量:214、アクリレート及びメタクリレート合計濃度:0.93eq/100g、アクリレート基濃度:2.21eq/100g
A3002:共栄社化学(株)製 ビスフェノールAへの2倍モル量のグリシジルアクリレート付加物、分子量:600、アクリレート基濃度:0.33eq/100g
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
G−3000:日本曹達(株)製1,2−ポリブタジエンのジオールの重合体(不飽和結合残存)、分子量:2900
OD−X−688:大日本インキ(株)製アジペート系ポリエステルジオール、分子量:2000
実施例1において、フィルムの延伸温度を縦延伸110℃、横延伸120℃、熱固定180℃とした以外は、同様の方法で易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体を得た。
下記の方法でフィルムを得た以外は、実施例1の方法で易接着性フィルム及びゴム/フィルム積層体を得た。
(空洞形成剤の調整)
原料として、メルトフローレート1.7のポリスチレン樹脂20質量%とメルトフローレート1.7のポリプロピレン樹脂20質量%及びメルトフローレート8のポリメチルペンテン樹脂60質量%をペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤ペレットを調整した。
原料として極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート樹脂50質量%に平均粒径0.3μm(電顕法)のアナタース型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして微粒子(酸化チタン)含有マスターペレットを調整した。
次いで、上記の方法で得られた空洞形成剤10質量%と微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット5質量%及び固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂85質量%をペレット混合して真空乾燥を施し、A層を構成するフィルムの原料とした。
一方、極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂30質量%と前記の微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット70質量%をペレット混合して真空乾燥を施し、B層を構成するフィルムの原料とした。
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、65℃に温度制御したメタルロールと温度非制御のゴムロールとでフィルムを挟んで速度規制(2m/分)し、同様に速度規制(6.8m/分)した高速ロールとの間で3.4倍に延伸した。得られた縦1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み50μmの空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。できたフィルムの光線透過率は17%、見かけ密度は1.13g/cm3であった。
基材ポリエステルフィルムを東洋紡績製の透明ポリエステルフィルム(コスモシャイン A4300 厚み50μm)とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルム及びゴム積層体を得た。なお、光線透過率は90%であった。
Claims (8)
- 少なくとも一軸方向に配向したポリエステルフィルムの少なくとも片面に、不飽和炭化水素結合を分子中に有するポリウレタン樹脂接着層(a)を積層したことを特徴とする易接着性ポリエステルフィルム。
- 不飽和炭化水素結合が、(メタ)アクリレート基に由来するものであることを特徴とする請求項1に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- 不飽和炭化水素結合濃度が分子中に50〜2000eq/tonの範囲で含まれることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- ポリウレタン樹脂が、ポリエステルジオール(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)及びジイソシアネート化合物(C)を反応させたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- ポリウレタン樹脂が、更にポリオール化合物(D)、ポリアミン化合物(E)及び/又はアミノアルコール化合物(F)も含めて反応させたものであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- 少なくとも一軸方向に配向したポリエステルフィルムの片面に架橋高分子からなるアンカー層(b)を設け、更にその上に接着層(a)が積層されていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- 接着層(a)の反対のフィルム面に、表面処理層(c)を有することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの接着層(a)にゴムを主成分とする層(d)を積層したことを特徴とするゴム/ポリエステルフィルム積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009117434A JP2010264643A (ja) | 2009-05-14 | 2009-05-14 | 易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009117434A JP2010264643A (ja) | 2009-05-14 | 2009-05-14 | 易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010264643A true JP2010264643A (ja) | 2010-11-25 |
Family
ID=43362079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009117434A Pending JP2010264643A (ja) | 2009-05-14 | 2009-05-14 | 易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010264643A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160138381A (ko) | 2014-03-26 | 2016-12-05 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 복층 필름 및 그의 제조 방법 |
JP2019064066A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 住友理工株式会社 | 架橋ゴム積層体の製造方法 |
JP2021021032A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-18 | 昭和電工株式会社 | 光硬化性粘着剤組成物および粘着シート |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008195840A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Toyobo Co Ltd | ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体 |
JP2008274074A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Toyobo Co Ltd | 易接着性ポリエステルフィルムまたはゴム易接着用ポリエステルフィルム及びそれを用いた積層体 |
-
2009
- 2009-05-14 JP JP2009117434A patent/JP2010264643A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008195840A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Toyobo Co Ltd | ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体 |
JP2008274074A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Toyobo Co Ltd | 易接着性ポリエステルフィルムまたはゴム易接着用ポリエステルフィルム及びそれを用いた積層体 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160138381A (ko) | 2014-03-26 | 2016-12-05 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 복층 필름 및 그의 제조 방법 |
JP2019064066A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 住友理工株式会社 | 架橋ゴム積層体の製造方法 |
JP7045776B2 (ja) | 2017-09-29 | 2022-04-01 | 住友理工株式会社 | 架橋ゴム積層体の製造方法 |
JP2021021032A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-18 | 昭和電工株式会社 | 光硬化性粘着剤組成物および粘着シート |
JP7338299B2 (ja) | 2019-07-30 | 2023-09-05 | 株式会社レゾナック | 光硬化性粘着剤組成物および粘着シート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2019059329A1 (ja) | 離型フィルム及び積層体 | |
JP7392770B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系樹脂フィルム | |
JP7424020B2 (ja) | 離型フィルム | |
KR20140038990A (ko) | 도포 필름 | |
KR102313134B1 (ko) | 적층 폴리에스테르 필름 | |
JP5297101B2 (ja) | 樹脂複合体 | |
KR102011304B1 (ko) | 이형 필름 | |
JP6657705B2 (ja) | 離型ポリエステルフィルムおよびグリーンシート積層体 | |
JP2010264643A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルム及びゴム/ポリエステルフィルム積層体 | |
JP4905458B2 (ja) | ゴム積層用被覆ポリエステルフィルム、ゴム・ポリエステルフィルム積層体及びその製造方法 | |
JP5529786B2 (ja) | 柔軟性光学シート | |
JP6341086B2 (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP2008274074A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルムまたはゴム易接着用ポリエステルフィルム及びそれを用いた積層体 | |
JP2008195840A (ja) | ゴムとプラスチック基材の積層用接着剤及びそれを用いた積層体 | |
JP2009073057A (ja) | ゴム複合用積層ポリエステルフィルムおよびゴム・ポリエステルフィルム複合体 | |
JP5651929B2 (ja) | 易接着性成型用ポリエステルフィルム及び成型用ゴム/ポリエステルフィルム積層体 | |
JP2010264644A (ja) | 易接着性白色ポリエステルフィルム及びゴム/白色ポリエステルフィルム積層体 | |
JP5305260B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
JP2018104532A (ja) | プライマー組成物及びこれを用いてなる水性液、プライマー層付き基材フィルム並びにプリズムシート | |
JP5297180B2 (ja) | 表皮材用積層ポリエステルフィルムおよびこれを用いた触感が改善された複合成型体 | |
JP2008274180A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルムまたはゴム易接着用ポリエステルフィルム及びそれを用いた積層体 | |
JP5135762B2 (ja) | プラスチック成型体 | |
JP5226411B2 (ja) | 表皮材用積層ポリエステルフィルムおよびこれを用いた触感が改善された複合成型体 | |
JP4957182B2 (ja) | ゴム複合用ポリエステルフィルムおよびポリエステルフィルム積層体 | |
JP2010265376A (ja) | 易接着性成型用ポリエステルフィルム及び成型用ゴム/ポリエステルフィルム積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20120419 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20130129 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130205 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20130404 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20140204 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |