次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明するが、スロットマシンに対しても容易に適用することができる。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
また、前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
また、上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
また、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置(遊技媒体貸出部)154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
また、球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数の遊技球(貸球)が払出装置161から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数から消費税に相当する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、中央装置54と、始動口56Bと、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、演出役物200を備えた演出図柄表示装置62と、センター役物64と、ランプ装置66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(制御手段、図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。また、演出図柄表示装置62の表示面62Aの近傍には、表示面62Aの前方を移動する演出役物200が設けられている。この演出役物200の構成については、後述する。
ここで、図8に示すように、演出役物200は、遊技者にとって有利な遊技状態に至ったタイミングで、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示された特別画像Gと連動するようにして、演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方を移動する。そして、後述のように、演出役物200は、演出図柄表示装置62の表示面62Aに変動表示される特別画像Gの一部を透過する。なお、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される2つの演出図柄が同じ図柄で停止表示され、最後の演出図柄が変動中のリーチ状態が例示できる。
図2に示すように、演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
また、遊技領域の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、基板82と、大入賞装置84と、を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
また、中央装置54の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
また、遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
図4に示すように、主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。
また、主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106や、盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
ここで、演出表示ROM168は、遊技者に有利な遊技状態に至ったタイミングで演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される特別画像G(図8参照)のデータを記憶する。そして、演出表示基板110は、演出表示ROM168に記憶された画像データに基づいて、遊技者に有利な遊技状態に至ったタイミングで演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Gが表示されるように、演出図柄表示装置62を制御する。
具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される特別画像Gとして、あるキャラクタG1が登場して刀G2を引き抜くしぐさを模した画像が例示される。このとき、このキャラクタG1は、パチンコ遊技のタイトルになっているゲームの主人公が考えられ、刀G2を引き抜いて敵を倒すことにより、敵の血しぶきをイメージした赤色筋G3の画像(赤色筋画像)が刀G2の画像の一部に合わせて表示される。
また、図8乃至図10に示すように、演出図柄表示装置62の表示面62Aで変動表示される特別画像Gの演出方法は、完成された特別画像Gの一部を最初に表示し、その一部の画像が時間の経過と共に成長してやがて完成画像に至るような演出が実行される。具体的には、表示面62Aで表示される刀G2の画像には、血しぶきをイメージした赤色筋G3の画像が合成されるが、その赤色筋G3の画像は、最初、刀G2の一部分に赤色筋G3の画像が入り、時間が経過していくと、赤色筋G3の画像が刀G2の画像全体に、かつ左側から右側に向かって広がっていくように演出される。
また、図4に示すように、アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
また、装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)及び駆動モータ176が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。特に、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号に基づいて、各ランプ装置66の発光を制御する。
また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて演出役物200の移動を制御する。具体的には、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号に基づいて駆動モータ176の駆動制御を実行する。これにより、図8乃至図10に示すように、演出役物200は、演出図柄表示装置62の表示面62Aで変動表示される特別画像Gの変動タイミングと連動する形で、演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方を上下方向に移動する。具体的には、演出役物200は、演出図柄表示装置62の表示面62AにキャラクタG1が刀G2を引き抜くしぐさが表示されるタイミングにあわせて、表示面62Aに表示される刀G2の画像の前方に位置するように移動制御される。これにより、遊技者は、表示面62Aに表示される刀G2の画像の一部と演出役物200の刀状部材202とが重ねられた状態を視認することになり、演出役物200の刀状部材202があたかも表示面62Aで表示されている刀G2の画像と合致した一体的なものと考える。この結果、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される特別画像の表示演出と演出役物200による役物演出との相乗効果により、現実的で一体感がありかつ迫力のある演出を実現することが可能になる。
さらに、表示面62Aで表示される刀G2の画像に合成される赤色筋G3の画像の太さは、演出役物200の刀状部材202の透過部206の太さよりも太くなるように設定されている。具体的には、図10に示すように、演出役物200の刀状部材202の透過部206を透過する画像の演出表示図柄装置62の表示面62Aにおける表示面積Xが、刀状部材202の透過部206の透過面積Yを演出図柄表示装置62に対して投影した投影面積Yと比較して、広い面積となるように、演出図柄表示装置62の表示制御が演出表示基板110により実行される。このため、遊技者は、刀状部材202の透過部206を介して表示面62Aに表示された特別画像Gの一部(赤色筋画像)だけを視認することができる。一方、表示面62Aに表示された特別画像Gの他の部分であって刀状部材202の非透過部208と前後方向に重なる部分(非透過部208が表示面62Aに投影される領域)の画像は、非透過部208で遮断されて遊技者が視認することは不可能となる。
また、図4に示すように、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ装置66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、演出図柄表示装置62の前方を移動する演出役物200の構成について、説明する。
図2、図5及び図6に示すように、演出役物200は、刀の一部をモチーフにしたものであり、演出図柄表示装置62の表示面62A上をパチンコ機正面視にて左右方向に跨って配置された刀状部材202を備えている。この刀状部材202は、刀の刃の部位に相当する刃部204を備えている。この刃部204には、全体としてパチンコ機正面視で左右方向に延び、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示された画像を透過する透過部206と、透過部206以外の部位となり演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示された画像を透過しない非透過部208と、が形成されている。この透過部206は、透過性材料(例えば、無色透明の樹脂、プラスチック、ガラス、)で構成されており、刃部204の他の部位と一体成形され、あるいは別々に成形された後、組み付けられて、構成されている。このため、演出役物200の刀状部材202と演出図柄表示装置62の表示面62Aが前後方向に重なる領域(刀状部材202が表示面62Aに投影される領域)については、遊技者は、透過部206を介して表示面62Aに表示されている特別画像Gの一部(透過部206が表示面62Aに投影された領域Yの画像)のみを視認することができ、非透過部208に対応する領域の画像(非透過部208が表示面62Aに投影された領域の画像)は視認することができない。
ここで、図8乃至図10に示すように、透過部206は、パチンコ機正面視にて左側に位置する第1透過部206Aと、第1透過部206Aと接続され右下方に湾曲傾斜しながら左右方向に延びる第2透過部206Bと、第2透過部206Bから下方向に延びる2本の第3透過部206Cと、で構成されている。各透過部206A、206B、206Cは、一体的なものとして相互に接続されている。
図10に示すように、演出図柄表示装置62の表示面62Aで表示される赤色筋G3の画像は、先ず、第1透過部206Aから透過し、次に第2透過部206Bから透過し、そして、第3透過部206Cから透過するように、時差を設けて演出される。このため、遊技者は、先ず、第1透過部206Aから透過した赤色筋G3の画像を視認し、次に第2透過部206Bから透過した赤色筋G3の画像を視認し、そして、第3透過部206Cから透過した赤色筋G3の画像を視認することになる。換言すれば、遊技者は、第1透過部206A、第2透過部206B及び第3透過部206Cが特定色(赤色)で徐々(段階的に(時差的に))に充足されていくように視認する。この結果、演出役物200の刀状部材202には、パチンコ機正面視にて左側から右側に赤色筋G3が走るように流れていくため、遊技者は、あたかも刀で敵を倒したかのような錯覚に陥ることになる。
図5及び図6に示すように、刀状部材202の左側端部には、パチンコ機上下方向に延びた左側ラック状部材210が接続されている。演出図柄表示装置62の表示面62Aの近傍には、ピニオンギア212が配置されており、ピニオンギア212が左側ラック状部材210のラック歯210Aと噛み合っている。また、ピニオンギア212は、駆動モータ176(図4参照)の回転軸176Aが接続されており、駆動モータ176が駆動することにより回転する。なお、駆動モータ176は、装飾駆動基板114により駆動制御される。
刀状部材202の右側端部には、パチンコ機上下方向に延びた右側ラック状部材214が接続されている演出図柄表示装置62の表示面62Aの近傍には、従動ギア216が回転可能に配置されており、従動ギア216が右側ラック状部材214のラック歯214Aと噛み合っている。このため、駆動モータ176が駆動し、ピニオンギア212が正方向に回転すると、駆動モータ176の駆動力がピニオンギア22を介して左側ラック状部材210に伝達される。これにより、左側ラック状部材210には下方向に引っ張る力が作用して、刀状部材202が下方向に移動する。このとき、右側ラック状部材214には下方向に引っ張る力が作用して、右側ラック状部材214が下方向に移動する。なお、従動ローラ216は、右側ラック状部材214のラック歯214Aと噛み合っているので、右側ラック状部材214が下方向に移動すると、従動ローラ216は回転する。
また、駆動モータ176が駆動してピニオンギア212が逆方向に回転した場合には、刀状部材202は、上方向に移動する。このように、駆動モータ176は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて駆動し、ピニオンギア212を正方向又は逆方向に回転することにより、刀状部材202の下方向又は上方向の移動を可能にしている。なお、演出役物200の刀状部材202は、表示面62Aの近傍に設けた位置検出センサ(図示省略)からの刀状部材202の検出信号と、駆動制御の対象となる駆動モータ176の回転数と、確実に位置制御することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の作用及び効果について説明する。なお、図2、図5及び図7に示すように、通常遊技の状態(大当り遊技、確率変動遊技、時短遊技、リーチなどの遊技者に有利な遊技状態以外の遊技状態)では、演出役物200の刀状部材202は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの上方の待機位置にある。
図5及び図7に示すように、遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技、確率変動遊技、時短遊技、リーチなどの遊技者に有利な遊技状態)になると、サブ制御基板106から演出表示基板110に対して、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Gを表示させる制御信号が出力される。これにより、演出表示基板110は、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Gを表示する準備に入る。同時に、サブ制御基板106から装飾駆動基板114に対して演出役物200を移動させる制御信号が出力される。これにより、装飾駆動基板114は、演出役物200の刀状部材202を移動させる準備に入る。
そして、各準備が終了すると、図8に示すように、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Gが表示される。例えば、演出図柄表示装置62の表示面62Aには、あるキャラクタG1が刀G2を持った状態を示す特別画像Gが表示される。
また、同時に、図6に示すように、演出役物200の刀状部材202が表示面62Aの前方側を下方向に移動する。刀状部材202の移動は、上述した通りであり、駆動モータ176が正方向に回転してピニオンギア212が回転し、これに従って演出役物200である刀状部材202が下方に移動する。ここで、演出役物200である刀状部材202は、表示面62Aに表示される特別画像Gの刀G2の画像の近傍まで下方に移動する。演出役物200である刀状部材202が下方に移動すると、刀状部材202と表示面62Aに表示される特別画像Gの刀G2の画像とが前後方向に重なる。
図9及び図10に示すように、刀状部材202と表示面62Aに表示される特別画像Gの刀G2の画像とが前後方向に重なったタイミングで、表示面62Aに赤色筋G3の画像が左側から右側に向かって徐々に表示される。すなわち、表示面62Aには赤色筋G3の画像が左側から右側に時差をもって表示されていき、最終的に、表示面62Aの左側から右側にわたった赤色筋G3の画像が表示される。
表示面62Aには赤色筋G3の画像が表示されると、その一部は、演出役物200の刀状部材202の透過部206を介して遊技者に視認可能になる。すなわち、表示面62Aには赤色筋G3の画像が左側から右側に時差をもって表示されていくと、その赤色筋G3の変動表示に伴って、先ず、刀状部材202の第1透過部206Aに赤色筋G3を視認でき、次に、第2透過部206Bに赤色筋G3を視認でき、最後に第3透過部206Cに赤色筋G3を視認できるようになる。このように、遊技者は、表示面62Aに表示される刀G2の画像と同時に、赤色筋G3が刀状部材202を左側から右側に徐々に進んでいく様も見ることになるため、表示面62Aに表示されている刀G2の画像演出と演出役物200である刀状部材202における透過演出とが有機的一体的な遊技演出を実現しているものと錯覚することになる。これにより、両者の演出内容に相乗効果を持たせることができるため、遊技者は遊技の意外性という印象を抱くことになり、ひいては遊技性を向上させることができる。また、演出役物200の刀状部材202に発光源等を直接取り付けている構成ではないので、刀状部材202の移動に伴い電気線などのハーネス類による支障が生じることはない。また、演出表示装置62の表示面62Aで表示される特別画像Gを利用して刀状部材202の装飾演出を実現しているため、コスト高の問題も生じない。
特に、演出表示装置62の表示面62Aには、特別画像Gの一部を構成する赤色筋G3の画像が時差をもって表示されていき、最終的には表示面62Aの左右方向に延びたひとつの完成画像として表示される。これと同時に、演出役物200の刀状部材202の透過部206には、赤色筋G3の画像の成長過程を示す画像が透過されていき、演出表示装置62の表示面62Aに表示される特別画像Gが完成画像に至ったときに演出役物200である刀状部材202の装飾演出が完成する。これにより、演出役物200の刀状部材202の装飾演出に変化を持たせることができ、装飾演出の遊技性を高めることができる。
また、演出表示装置62は、演出役物200である刀状部材202の透過部206を透過する画像の演出表示装置62の表示面62Aにおける表示面積Xが、刀状部材202の透過部206の透過面積Yを演出表示装置62の表示面62Aに対して投影した投影面積Yと比較して広い面積となるように、表示制御される。これにより、演出表示装置62の表示面62Aで表示される赤色筋G3の画像の表示面積Xが刀状部材202の透過部206で透過される赤色筋G3の透過面積Yよりも大きくなるので、刀状部材202の移動に誤差が生じても、刀状部材202の透過部206には演出表示装置62の表示面62Aに表示される赤色筋G3の画像の一部が常に透過される。換言すれば、刀状部材202の移動誤差を、演出表示装置62の表示面62Aで表示される赤色筋G3の画像の大きな表示面積Xの範囲で吸収することができる。この結果、演出図柄表示装置62の表示面62Aにおける特別画像Gの表示演出と、演出役物200の刀状部材202を透過する画像により実現される演出役物200の装飾演出と、の間に、遊技的に関連した一体的な演出を常に成立させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機10と同様の構成については、同符号を付すとともに、その説明を省略する。
図11乃至図13に示すように、第2実施形態の演出役物250は、月をモチーフにしたものであり、演出図柄表示装置62の表示面62A上をパチンコ機正面視にて左右方向に移動する月状部材252を備えている。この月状部材252は、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示された特別画像Qを透過する透過部254で構成されている。この透過部254は、透過性材料(例えば、無色透明の樹脂、プラスチック、ガラス)で構成されている。このため、演出役物250である月状部材252と演出図柄表示装置62の表示面62Aが前後方向に重なる領域(月状部材252が表示面62Aに投影される領域)については、遊技者は、透過部254を介して表示面62Aに表示されている特別画像Qの一部(透過部254が表示面62Aに投影された領域の画像、本実施形態では月S1の画像)を視認することができる。
月状部材252には、無色透明の棒状部材256が取り付けられている。この棒状部材256は、パチンコ機左右方向に延びたラック状部材258が接続されている。演出図柄表示装置62の表示面62Aの近傍には、ピニオンギア260が配置されており、ピニオンギア260がラック状部材258のラック歯258Aと噛み合っている。また、ピニオンギア260は、駆動モータ176(図4参照)の回転軸176Aが接続されており、駆動モータ176が駆動することにより回転する。なお、駆動モータ176は、装飾駆動基板114により駆動制御される。
駆動モータ176が駆動し、ピニオンギア260が正方向に回転すると、駆動モータ176の駆動力がピニオンギア260を介してラック状部材258に伝達される。これにより、ラック状部材258には左方向に引っ張る力が作用して、月状部材252が左方向に移動する。この結果、月状部材252は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方を左方向に移動する。
なお、駆動モータ176が駆動してピニオンギア260が逆方向に回転した場合には、月状部材252は、右方向に移動する。これにより、月状部材252は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方を右方向に移動する。このように、駆動モータ176は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて駆動し、ピニオンギア260を正方向又は逆方向に回転することにより、月状部材252の左方向又は右方向の移動を可能にしている。なお、演出役物250は、表示面62Aの近傍に設けた位置検出センサ(図示省略)からの演出役物250(月状部材252)の検出信号と、駆動制御の対象となる駆動モータ176の回転数と、確実に位置制御することができる。
演出表示ROM168には、月状部材252の透過部254を透過させる特別画像Qに関する画像データが記憶されている。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上に表示される月Sの画像データが記憶されている。特に、図14乃至図16に示すように、月Sの画像は、演出図柄表示装置62の表示面62A上の左側にあるときには三日月S1となり、左側に移動するに従って半月S2、満月S3に移っていく様を示す画像データが記憶されている。また、演出表示ROM168には、月状部材252の移動に伴い変動表示されるキャラクタTに関する特別画像の画像データが記憶されている。具体的には、月状部材の位置によって変化するキャラクタTに関する画像データが記憶されており、例えば、月状部材252が表示面62Aの右側に三日月S1として位置する場合には人間T1を模した画像を実現する画像データであり、月状部材252が表示面62Aの左側に移動していくに従い半猫人T2、猫T3に段階的に変身していく画像を実現する画像データが記憶されている。そして、この画像データは、月状部材252が満月になると、キャラクタTが完全な猫T3になる画像を実現するデータである。
演出表示基板110は、演出表示ROM168に記憶された特別画像Qのデータに基づいて演出図柄表示装置62の表示面62Aを演出制御する。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62Aは、表示面62Aの右側に黄色の三日月S1を示す画像を表示し、表示面62Aを右側から左側に移動するにしたがって徐々に半月S2、満月S3になっていく様を示す画像を表示する。また、演出図柄表示装置62の表示面62Aは、表示面62Aの左側部位にキャラクタT(人間:T1)を示す画像を表示し、月状部材252が表示面62Aを右側から左側に移動するにしたがって徐々に別のキャラクタ(半猫人:T2、猫:T3)になっていく様を示す画像を表示する。
また、装飾駆動基板114は、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される月Sに関する画像の変動表示に合わせるようにして、演出役物250である月状部材252の移動制御を行う。例えば、表示面62Aの右側に三日月S1の画像が表示されている場合には、月状部材252の透過部254が三日月S1の画像の前後方向に重なる位置(月状部材252の透過部254を表示面62Aに投影させたときに透過部254の投影領域と三日月S1の画像表示の領域とが合致する位置)に、月状部材252を移動させる。そして、装飾駆動基板114は、表示面62Aを変動表示する月Sの画像に合わせるようにして、月状部材252の透過部254が月Sの画像の前後方向に重なる位置(月状部材252の透過部254を表示面62Aに投影させたときに透過部254の投影領域と月の画像表示領域とが合致する位置)を維持した状態で、月状部材252を移動させる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機の作用及び効果について説明する。なお、図2に示すように、通常遊技の状態(大当り遊技、確率変動遊技、時短遊技、リーチなどの遊技者に有利な遊技状態以外の遊技状態)では、演出役物250である月状部材252は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの右側の待機位置にある。
図11、図12及び図14に示すように、遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技、確率変動遊技、時短遊技、リーチなどの遊技者に有利な遊技状態)になると、サブ制御基板106から演出表示基板110に対して、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像を表示させる制御信号が出力される。これにより、演出表示基板110は、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Qを表示する準備に入る。同時に、サブ制御基板106から装飾駆動基板114に対して演出役物250である月状部材252を移動させる制御信号が出力される。これにより、装飾駆動基板114は、演出役物250である月状部材252を移動させる準備に入る。
そして、各準備が終了すると、図14に示すように、演出図柄表示装置62の表示面62Aに特別画像Qが表示される。例えば、演出図柄表示装置62の表示面62Aの右側部位には、黄色に輝く三日月S1を示す画像が表示される。また、同時に、演出図柄表示装置62の表示面62Aの左側部位には、あるキャラクタT(人間:T1)を示す画像が表示される。
また、図12に示すように、演出役物250である月状部材252が表示面62Aの前方側を右方向から左方向に向かって移動する。月状部材252の移動は、上述した通りであり、駆動モータ176が正方向に回転してピニオンギア260が回転し、これに従って月状部材252が左方向に移動する。ここで、月状部材252が最初に停止する位置では、月状部材252の透過部254に表示面62Aに表示されている三日月S1の画像が透過されるようになっている。このように、表示面62Aに表示される三日月S1の画像の表示タイミングに合わせるようにして、月状部材252の移動が制御される。月状部材252が最初に停止した状態では、表示面62Aの右側部位に三日月S1が表示されており、この三日月S1は月状部材252の透過部254を介して視認することができる。また同時に、表示面62Aの左側部位には、あるキャラクタT(人間:T1)が三日月S1を見上げるしぐさを示す画像が表示されている。このように、表示面62Aに表示される月Sの画像と、キャラクタTの画像と、月状部材252の移動と、が一体的な関連性を持った演出を実現することができ、遊技者は、月状部材252があたかも三日月S1であるかのような印象を抱くことになる。
次に、図15に示すように、演出表示基板110が演出図柄表示装置62を表示制御して、演出図柄表示装置62の表示面62Aは、三日月S1が表示面62A内を右側から左側に移動(表示面62Aの右側端部から左側に表示面62Aの表示幅の約1/4を移動)して半月S2となるような画像を表示される。また、表示面62Aに表示される半月S2の画像の変動表示タイミングに合わせるようにして、月状部材252が表示面62Aの前方を左方向に移動する。そして、月状部材252の次の停止位置では、月状部材252の透過部254に表示面62Aで表示される半月S2の画像が透過された状態になっている。また同時に、表示面62Aの左側部位には、あるキャラクタT(人間:T1)が半猫人T2に変身する途中の画像が表示されている。このように、表示面62Aに表示される月Sの画像による演出と、キャラクタTの画像による演出と、月状部材252の移動演出と、が一体的な関連性を持った演出を実現することができ、遊技者は、月状部材があたかも半月S2であるかのような印象を抱くことになる。また、遊技者は、キャラクタT(人間:T1)が半月S2の月を見て、人間T1から猫T3に変身するかのような印象を抱くことになる。
そして、図13及び図16に示すように、演出表示基板110が演出図柄表示装置62を表示制御して、演出図柄表示装置62の表示面62Aは、半月S2が表示面62A内を右側から左側に移動(表示面62Aの右側端部から左側に表示面62Aの表示幅の約1/2を移動)して満月S3となるような画像を表示される。また、表示面62Aに表示される満月S3の画像の変動表示タイミングに合わせるようにして、月状部材252が表示面62Aの前方を左方向に移動する。そして、月状部材252の次の停止位置では、月状部材252の透過部254に表示面62Aで表示される満月S3の画像が透過された状態になっている。また同時に、表示面62Aの左側部位には、あるキャラクタTが人間T1から猫T3に変身した容姿を示す画像が表示されている。このように、表示面62Aに表示される満月S3の画像による演出と、キャラクタTの画像による演出と、月状部材252の移動演出と、が一体的な関連性を持った演出を実現することができ、遊技者は、月状部材252があたかも満月S3であるかのような印象を抱くことになる。また、遊技者は、キャラクタTが満月S3の月を見て、人間T1から猫T3に変身したかのような印象を抱くことになる。
以上のように、演出役物250である月状部材252の移動と表示面62Aに表示される月Sの画像とは常に連動しており、月状部材252の透過部254を表示面62Aに投影させたときの投影領域に月Sの特別画像が常に表示されている。表示面62Aには月Sの画像が表示されると、月Sの画像は月状部材252の透過部254を介して遊技者に視認可能になる。すなわち、表示面62Aには月Sの画像が左側から右側に向かって時差をもって表示されていくと、その月Sの変動表示に伴って、月状部材252の透過部254から月Sを視認できるようになる。このように、遊技者は、表示面62Aに表示される月Sの画像を月状部材252を介して視認できると同時に、月状部材252を左側から右側に徐々に進んでいく様も見ることになるため、表示面62Aに表示されている月Sの画像演出と月状部材252における透過演出とが有機的一体的な遊技演出を実現しているものと錯覚することになる。さらに、第2実施形態では、表示面62Aには、月Sの形状変化に応じて人間T1から猫T3に変身するキャラクタTの画像も表示されるため、キャラクタTの画像演出との間に関連性をもたせることができる。これにより、三者の演出内容に相乗効果を持たせることができるため、遊技者は遊技の意外性という印象を抱くことになり、ひいては遊技性を大きく向上させることができる。
特に、演出表示装置62の表示面62Aには、特別画像を構成する三日月S1の画像が時差をもって表示されていき、最終的には満月S3を示す完成画像として表示される。これと同時に、月状部材252の透過部254には、月Sの画像の成長過程(形状変化)を示す画像が透過されていき、演出表示装置62の表示面62Aに表示される特別画像Qが満月S3の完成画像に至ったときに月状部材252の装飾演出が完成する。これにより、月状部材252の装飾演出に変化を持たせることができ、月状部材252の装飾演出による遊技性を高めることができる。