以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機について図面を参照して説明する。
(パチンコ機の構成)
図1には本発明の一実施形態に係るパチンコ機が示され、図2には本実施形態に係るパチンコ機に適用される内枠、ガラス枠、及び遊技盤が示されている。
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており(図2参照)、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている(図2参照)。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の表示灯142がガラス板22(遊技盤100の遊技領域101)を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー146L、146Rが配設されている。
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
球皿部34の底面は、正面視にて左側から右側へ下り傾斜しており、その傾斜方向下流側となる左側には、遊技球を1列に整列してパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に送り込むための整列通路が設けられている。パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた払出装置160(図5参照)から払い出された賞球が排出される球排出口46が形成されている。この球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
図2に示されるように、内枠14の前面下部における一体皿30の裏面側には、遊技盤100の左下に発射装置40が配置され、球皿本体36の後方に位置して、内枠14に着脱可能に構成された貯球タンク42が2個のプラスチックファスナー43によって取り付けられている。これらの発射装置40及び貯球タンク42は、一体皿30を内枠14に閉塞すると一体皿30に覆われるようになっている。
貯球タンク42は、上面が開口した箱型とされ、底面44が正面視にて左側から右側へ下り傾斜している。底面44の傾斜方向上流側となる貯球タンク42の左側面部には図示しないタンク入口が形成され、傾斜方向下流側となる貯球タンク42の前面右側端部には、一体皿30のパネル部材32に設けられた球排出口46と対応する位置にタンク出口45が形成されている。したがって、一体皿30を内枠14に閉塞した状態では、貯球タンク42と一体皿30の球皿部34とが、タンク出口45及び球排出口46を介して連通される。
また、一体皿30のパネル部材32裏面における球排出口46の下方位置と、内枠14前面の下部右側におけるタンク出口45の下方位置とには、上下方向に移動可能とされたシャッター板がそれぞれ設けられている(図2では内枠14側のシャッター板50のみを図示している)。これらのシャッター板は、一体皿30が閉塞されると各々下方へ移動して(図2に示したシャッター板50の位置)、タンク出口45と球排出口46とを連通させ、一体皿30が開放されると各々上方へ移動して、内枠14側のシャッター板50はタンク出口45の下縁側を、一体皿30側のシャッター板は球排出口46の下縁側を塞ぐよう構成されている。このシャッター板により、一体皿30を開放した際は、貯球タンク42及び球皿部34から遊技球(賞球)が流出しないようせき止められる。
内枠14裏面の左側端部(正面視右側端部)には、上下方向に延出された施錠装置52が取り付けられている。施錠装置52の下部にはシリンダー錠(錠前)54が設けられており、シリンダー錠54の鍵孔56は、内枠14前面の右下部に設けられた台座55から露出されている。
施錠装置52の裏面側における上下端部近傍には、後方へ突出された一対の内枠固定用フック60A、60Bが設けられている。施錠装置52の前面側におけるガラス枠26との対応位置には、一対のガラス枠固定用フック62A、62Bが設けられており、このガラス枠固定用フック62A、62Bは、内枠14前面の右側端部に形成されたスリット64A、64Bを通して前方へ突出されている。また、施錠装置52の前面側における一体皿30との対応位置には、上下方向にスライドする一対の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが設けられている。
これにより、内枠14を外枠12に閉塞すると、施錠装置52の内枠固定用フック60A、60Bが外枠12の正面視右内側面設けられた一対の鍵受け部(図示省略)に係合し、内枠14は外枠12に保持される。ガラス枠26を内枠14に閉塞すると、ガラス枠26裏面の右側端部に取り付けられているガラス枠補強板68に設けられた一対の鍵受け部70A、70Bが施錠装置52のガラス枠固定用フック62A、62Bに係合し、ガラス枠26は内枠14に保持される。また、一体皿30を内枠14に閉塞すると、一体皿30裏面の右側端部に取り付けられている一対のフック(図示省略)が施錠装置52の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bに係合し、一体皿30は内枠14に保持される。
また、内枠固定用フック60A、60B及びガラス枠固定用フック62A、62Bは、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定の方向に回すことにより、それぞれ係合状態が解除され解錠されるようになっている。一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bは、ガラス枠26を開放すると露出される施錠装置52の解除レバー72を押し下げることにより、一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが下方へスライドして一体皿30の各フックとの係合状態が解除されるようになっている。
この施錠装置52により、内枠14は外枠12に、ガラス枠26は内枠14にそれぞれ施錠されるとともに、一体皿30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。
(遊技盤の構成)
図2及び図3に示される遊技盤100は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっており、盤面100Aの外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置40から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域101とされている。
図3に示されるように、遊技盤100の遊技領域101におけるほぼ中央には、大型で中央部が矩形状に開口されたセンター役物105が配置されている。その開口内には、表示画面に特別図柄の抽選(変動及び停止)や各種演出等の映像を表示する液晶表示器(LCD)からなる特別図柄表示装置106が設けられ、センター役物105の上部には、普通図柄の抽選(変動及び停止)を表示する普通図柄表示装置107が設けられている。
また、詳細については後述するが、特別図柄表示装置106の表示画面には、表示画面の下端部に設けられた小面積の画面領域(特別図柄表示部106A)に特別図柄変動パターンが表示され、上部側に設けられた大面積の画面領域(演出図柄表示部106B)に演出図柄変動パターンが表示されるようになっている。さらに、このセンター役物105には、遊技盤100の裏面側で且つ特別図柄表示装置106の表示画面側に配置され、左右方向(矢印A方向)へ移動して特別図柄表示装置106の表示画面を略被覆する一対の被覆部材202L、202R(被覆部材本体204L、204R及び可動部材206L、206R)と、それらの被覆部材202L、202Rを個別に移動させる移動機構とが設けられている。
センター役物105の左右には、普通図柄始動入賞口としての通過ゲート(スルー・チャッカー)118L、118Rが配置されている。また、センター役物105の真下には、特別図柄始動入賞口(スタート・チャッカー)としての上始動口108、及び、普通電動役物(電動チューリップ)に係る入賞口としての下始動口110が配置され、さらにその下方には、遊技領域101の下端部付近に位置して変動入賞装置(特別電動役物)112が配置されている。
変動入賞装置112は、左右幅方向を長手とした矩形状の大入賞口(アタッカー)114を備えており、この大入賞口114内には、遊技仕様に応じて通称「Vゾーン」と呼ばれる連続役物作動口(図示省略)を設けることもできる。大入賞口114は、開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっており、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球が開閉扉116に案内されて大入賞口114へ入賞する。
また、遊技領域101には、風車122や、遊技領域101内を自重落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘(図示省略)が設けられており、最下位置に、外れ球を遊技盤100の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。さらに、この遊技領域101に設けられたセンター役物105や変動入賞装置112には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子126(図5参照)が多数設けられている。
(センター役物の構成)
図4には、本実施形態のセンター役物105に設けられた一対の被覆部材202L、202Rとその移動機構が示されている。
センター役物105は、以下に説明する各部品がそれぞれ所定の位置に取り付けられるとともに、センター役物105自体を遊技盤100の裏面に固定するためのベース200を備えている。
被覆部材202L、202Rは、上述したように、左右方向(矢印A方向)へ移動して特別図柄表示装置106の表示画面における互いに異なる領域を各々が被覆するが、後述する移動機構の動作態様やその形状に応じて概ね被覆部材202Lが表示画面の左半分を、又、被覆部材202Rが表示画面の右半分をそれぞれ略被覆するよう構成されている。
この被覆部材202L、202Rは、上側に配置された被覆部材本体204L、204Rと、下側に配置された可動部材206L、206Rとを備えている。可動部材206L、206Rは、被覆部材本体204L、204Rに対して上下方向(矢印B方向)へ相対移動可能とされており、図4における左側の被覆部材202Lに示されるように、可動部材206Lが上昇して被覆部材本体204Lに組み合わせられた状態では、被覆部材202L(202R)は矩形状とされる。
また、被覆部材202L、202Rは、上端部が特別図柄表示装置106の表示画面の上縁よりも少し上方へ突出されており、表示画面を略被覆した状態では、外側端部が表示画面の側縁よりも外側へ少し突出される。さらに、表示画面を覆った状態で可動部材206L、206Rが最上位置まで上昇すると、可動部材206L、206Rの下縁は特別図柄表示部106Aと演出図柄表示部106Bとの境界付近に位置する。このように、可動部材206L、206Rが最上位置まで上昇すると、表示画面の下端部に設けられた特別図柄表示部106Aは露出されるため、この状態で被覆部材202L、202Rにより表示画面が覆われても、特別図柄表示部106Aに表示される表示内容は視認することができる。
また、このように、可動部材206L、206Rが上昇した場合には、表示画面の下端部は被覆されずに露出されるため、被覆部材202L、202Rは表示画面を略被覆する構成となっている。さらに、この可動部材206L、206Rの図4における上下方向の移動態様と、可動部材206L、206R及び被覆部材本体204L、204Rの図4における左右方向の移動態様とに応じ、一対の被覆部材202L、202Rが特別図柄表示装置106の表示画面に対する被覆面積を変動させるとともに、その表示画面における互いに異なる領域を各々被覆する。
被覆部材202L、202Rの各表面には、特定のキャラクタの顔面が分割されて描かれている。このキャラクタの顔面は、被覆部材本体204L、204Rの各表面に、口から上側を描いた装飾部205L、205Rが設けられ、可動部材206L、206Rの各表面に、口から下側(顎部)を描いた装飾部207L、207Rが設けられている。
また、被覆部材本体204L、204Rの上部には、キャラクタの目を構成する略円形の開口部208L、208Rが形成され、内側縁の略中央部には、キャラクタの鼻を構成する略楕円形の突部209L、209Rが設けられている。さらに、被覆部材本体204L、204Rの下縁部における内側部位では、口の上半分を構成する切り欠き210L、210Rが形成され、可動部材206L、206Rの上縁部における内側部位では、口の下半分を構成する切り欠き212L、212Rが形成されている。
なお、突部209L、209Rについては、被覆部材202L、202Rが隣接したときに、一方が前側に配置され他方が後側(一方の裏面側)に配置されて隠れるよう、前後方向に段差が付けられている。
また、これらの開口部208L、208R、突部209L、209R、切り欠き210L、210R、及び切り欠き212L、212Rも、上記の装飾部205L、205R及び装飾部207L、207Rに加え、被覆部材202L、202Rにキャラクタの顔の装飾を施す装飾部の一部となっている。
このように、この一対の被覆部材202L、202Rには、キャラクタの顔面とその顔面上の各部位がデザインされているとともに、左側の被覆部材202Lによって顔面の左半分が構成され、右側の被覆部材202Rによって顔面の右半分が構成されている。
また、被覆部材202L、202Rの各装飾部(装飾部205L、205R及び装飾部207L、207R)に描かれたキャラクタの顔面デザインとしては、図7(A)に示されるように、被覆部材202Lが単体の状態では視覚的にキャラクタが右方向を向く所定の表示態様となり、図7(C)に示されるように、被覆部材202Rが単体の状態では視覚的にキャラクタが左方向を向く所定の表示態様となり、さらに、図7(E)に示されるように、被覆部材202Lと被覆部材202Rとが隣接配置されて組み合わせられると、視覚的にキャラクタが正面を向く上記所定の表示態様の各々とは異なる一体化された新たな表示態様が形成されるデザインが施されている。
次に、被覆部材202L、202Rの移動機構について説明する。ただし、本実施形態では、被覆部材202L、202Rは左右の向きが異なるのみで構成は同じであり、また、それぞれに設けられた移動機構に関しても配置が異なるのみで構成はほぼ同じであるため、一方(右側)の被覆部材202Rの移動機構を用いて説明する。
図4に示されるように、被覆部材本体204R表面の下部には、上下方向に沿って一対のガイド溝214が形成されている。一方、可動部材206R裏面の上部には、一対のガイド溝214に対応する、上下方向に沿った一対のガイドレール216が形成されている。このガイドレール216がガイド溝214に摺動可能に嵌め込まれることにより、可動部材206Rは被覆部材本体204Rに対し上下方向(矢印B方向)へ移動可能とされている。
また、可動部材206Rが上下移動範囲の最上端位置に配置されると、切り欠き212Rの上縁が、被覆部材本体204Rの切り欠き210Rの下縁に重なってそれらの間には隙間(開口)が無くなり、可動部材206Rが下降すると、切り欠き210Rと切り欠き212Rとの間に開口が形成されて、特別図柄表示装置106の表示画面におけるその開口に対応する部位(演出図柄表示部106Bの一部)が露出される。
この可動部材206Rが被覆部材本体204Rに移動可能に取り付けられた被覆部材202Rは、ベース200との間に設けられた図示しないガイド機構に支持されて、左右方向(矢印A方向)へ移動可能とされている。
被覆部材本体204Rの裏面における上部及び中央よりも少し下側には、幅方向(左右方向)に沿って延出された一対のラック部218が形成されている。この一対のラック部218は、被覆部材本体204Rの外側縁(右側端)から外側へ所定長さ突出されている。また、可動部材206Rの裏面における下部にも、幅方向(左右方向)に沿って延出されたラック部220が形成されており、このラック部220も、可動部材206Rの外側端(右側端)から外側へ、上記一対のラック部218を同じ長さ突出されている。
これら一対のラック部218及びラック部220には、上下方向に沿って延出された1本の回転軸222に取り付けられて同軸的に配置されたギア224、226、228が噛み合っている。この回転軸222は、ベース200に設けられた図示しない軸受けに回転可能に支持されている。また、ギア224、226、228は、同径で、それぞれの外周面に形成された歯が同ピッチとされている。
下部に配置されたギア228は、図4に示されるように上下方向に延出されている。図示の状態は、上下移動範囲の最下位置に配置された可動部材206Rのラック部220が、ギア228の下部に噛み合っている状態である。このギア228は、可動部材206Rが上下移動範囲の最下位置及び最上位置に配置された状態で、ラック部220が噛み合い可能な長さ寸法とされている。
一方、上部に配置されたギア224には、ステッピングモータ230のモータ軸232先端部に取り付けられた駆動ギア234が噛み合っている。これにより、ステッピングモータ230が作動してモータ軸232及び駆動ギア234を回転させると、回転軸222とともにギア224、226、228が同じ回転方向に同じ回転速度(回転角)で回転し、被覆部材本体204R及び可動部材206Rが一体となって左右方向へ移動する。
また、この被覆部材202L、202Rの左右方向の移動範囲は、特別図柄表示装置106の表示画面を被覆しない非被覆位置(図3参照)から、前述したように表示画面の各半分を略被覆する被覆位置まで移動する範囲に設定されている。
可動部材206Rの下縁における左右側端部には、下方へ延出された一対のラック部236が形成されている。この一対のラック部236には左右方向に沿って延出された1本の棒ギア238が噛み合っており、棒ギア238は、ベース200に設けられた図示しない軸受けに回転可能に支持されている。また、棒ギア238の右端部には、ステッピングモータ240のモータ軸242先端部に取り付けられた駆動ギア244が噛み合っている。これにより、ステッピングモータ240が作動してモータ軸242及び駆動ギア244を回転させると、棒ギア238が回転し、可動部材206Rが上下方向へ移動する。
また、この可動部材206Rの上下移動は、被覆部材本体204R(被覆部材202R)が静止しているときだけではなく、被覆部材本体204Rとともに左右方向へ移動している最中に行うこともできる。これにより、この被覆部材202Rでは、左右方向への移動動作中に可動部材206Rの上下移動を組み合わせた動作が可能となる。
以上が、一方(右側)の被覆部材202Rを移動させる移動機構の構成である。また、左側の被覆部材202Lを移動させる移動機構については、可動部材206L、206Rを移動させるための棒ギア238及びステッピングモータ240を被覆部材202Rと共用している他は、同じ構成とされている。
(制御系の構成)
次に、図5を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図5に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150には、上始動口108への入賞球を検出する上始動入賞センサ(第1種始動口入賞センサ)180、下始動口110への入賞球を検出する下始動入賞センサ182、普通図柄始動口である通過ゲート118L、118Rへの入賞球を検出する通過ゲート入賞センサ184L、184R、大入賞口114への入賞球を検出する大入賞口センサ186、遊技仕様に応じて大入賞口114内に設けられたVゾーンへの入賞球を検出するVゾーンセンサ188がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御部150へ出力する。
さらに、主制御部150には、下始動口(始動入賞装置)110に設けられた電動チューリップを作動させる普通電動役物ソレノイド174、大入賞口114の開閉扉116を開放/閉塞させる大入賞口ソレノイド175、保留ランプ176、センター役物105に設けられたステッピングモータ230、240、及び普通図柄表示装置107がそれぞれ接続されており、これらの各電気部品や表示装置は、主制御部150からのポート出力により直接制御される。
ここで、遊技球が通過ゲート118L、118Rを通過すると、これを通過ゲート入賞センサ184L、184Rで検出することで普通図柄の当たり/外れの抽選が主制御部150にて実行され、その抽選結果が当たりとなった場合は、主制御部150が普通電動役物ソレノイド174を駆動制御して下始動口110(電動チューリップ)を所定時間開放する。
また、遊技球が上始動口108に入賞すると、これを上始動入賞センサ180で検出することで特別図柄の当たり/外れの抽選(以下「特図抽選」と呼ぶ場合がある)が主制御部150にて実行され、この特図抽選の結果が当たりとなった場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行するように主制御部150にて制御する。なお、この当たりについては、通常の当たりと、特別遊技状態の終了後に次の当たり確率がアップする確率変動当たりが設けられている。
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
さらに、主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とがそれぞれ接続されており、これらの制御部は、主制御部150からのコマンド送信により制御される。
演出制御部152には、図柄制御部156を介して特別図柄表示装置106が接続されている。また、演出制御部152は、遊技盤100の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126、並びに、ガラス枠26に設けられた照明演出用の表示灯142及びエラー用の表示灯144の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、ガラス枠26前面に設けられたスピーカー146L、146Rを作動させて効果音等の出力を制御する。
この演出制御部152に制御される特別図柄表示装置106には、特図抽選の結果を報知するための図柄変動パターンの演出映像が表示され、スピーカー146L、146Rからはその図柄変動パターン演出時のBGMが出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、特図抽選の結果に対応した演出図柄による演出を楽しむことができる。なお、普通図柄表示装置107や保留ランプ176による表示内容は、この特別図柄表示装置106で表示するようにしてもよい。
図柄変動パターンには、特別図柄変動パターン及び演出図柄変動パターンがあり、双方共に特図抽選の結果を報知するものであるが、特別図柄変動パターンは予め定められた変動及び停止を行い特図抽選の結果を所定時間経過後に正式に報知する性質のものであるのに対し、演出図柄変動パターンはその特図抽選の結果を報知するまでの過程に演出を加味し、当たり/外れかに一喜一憂させながら報知する性質のものである。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、図3に示されるように、特別図柄表示装置106の表示画面における上部側に設けた大面積の画面領域(演出図柄表示部106B)に演出図柄変動パターンを表示し、特別図柄変動パターンは、表示画面の下端部に設けた小面積の画面領域(特別図柄表示部106A)に形式的に表示するようにしている。
ここで、特図抽選の結果が「当たり」となり、特別図柄表示装置106における図柄変動パターン演出並びにスピーカー146L、146RからのBGM出力によって、そのことを報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
この大当たり処理は、大入賞口114が所定回数(ラウンド)開放するものであり、1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個の遊技球が入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドは終了となり、Vゾーンを設けた遊技仕様の場合には、現在のラウンドを遊技中に大入賞口114内のVゾーンへの入賞があった場合に、次のラウンドへ移行することが約束される。また、Vゾーンを省いた遊技仕様であれば、単純に所定個数の入賞カウントを行い、次ラウンドに移行する。
このため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
また、前述したように、特別図柄表示装置106において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに上始動口108に入賞した場合、並びに大当たり処理中に上始動口108に入賞した場合、保留ランプ176の点灯数がその入賞数に応じて最大4個まで増える。
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、特別図柄表示装置106では、保留分の特図抽選結果を報知するために、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ176が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル39の操作により発射装置40を作動させて、遊技球の発射開始、及び、発射ハンドル39の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送信するようになっている。
(特別図柄及び演出図柄の表示内容)
上述したように、本実施形態に係るパチンコ機10は、遊技中に遊技球が上始動口108に入賞すると、主制御部150にて当たり/外れの抽選が実行され、その抽選結果が特別図柄表示装置106に特別図柄と演出図柄を用いて表示されるが、以下、これらの特別図柄及び演出図柄の表示形態について説明する。
図6(A)は、特別図柄表示装置106に、変動後に従来の表示形態で停止表示された特別図柄及び演出図柄の一例が示されている。
この図6(A)に例示されるように、特別図柄表示部106Aには、例えば1〜12までの数字等で複数種類用意された特別図柄が3桁で、すなわち、3個の特別図柄ZA1、ZA2、ZA3の組み合わせで表示され、演出図柄表示部106Bには、複数種類の特別図柄に1対1で対応し同じ数だけ用意された演出図柄が3桁で、すなわち、3個の演出図柄ZB1、ZB2、ZB3の組み合わせで表示される。
具体的には、特別図柄表示部106A、演出図柄表示部106B共に、確率変動当たりの場合は例えば「777」、通常当たりの場合は例えば「444」、外れの場合は例えば「745」等のように表示される。そのため、この演出図柄ZB1、ZB2、ZB3を用いて抽選結果の表示に演出を加えても、興趣の高い演出を行うことはできない。
そこで、本実施形態では、演出図柄を図6(B)〜(F)に示されるような、抽選結果に関連する情報を含む表示形態としている。
図6(B)は、演出図柄として、左右方向に配列された6本の棒状のメータ部によって構成され、この6本のメータ部を左側から右側へ向けてレベルが段階的に上昇するレベルメータを用いたものである。このレベルメータによる演出図柄ZCでは、確率変動当たりの場合はすべてのメータ部が表示され(ZC1)、通常当たりの場合は左側の4本のメータ部が表示されて右側の2本メータ部は表示されず(ZC2)、外れの場合は左側の1本のメータ部のみが表示される(ZC3)。
図6(C)は、演出図柄として、天気図等に用いられて気象状況を表す天気マークを用いたものである。この天気マークによる演出図柄ZDでは、確率変動当たりの場合は晴れを表す太陽のマークが表示され(ZD1)、通常当たりの場合は曇りを表す雲のマークが表示され(ZD2)、外れの場合は雨を表す傘のマークが表示される(ZD3)。
図6(D)は、演出図柄として、複数の文字からなる文字情報(文章)を用いたものである。この文字情報による演出図柄ZEでは、確率変動当たりの場合は「確変大当たり」が表示され(ZE1)、通常当たりの場合は「通常大当たり」が表示され(ZE2)、外れの場合は「はずれ」が表示される(ZE3)。
図6(E)は、演出図柄として、図形記号を用いたものである。この図形記号による演出図柄ZFでは、確率変動当たりの場合は円記号「○」が表示され(ZF1)、通常当たりの場合は三角記号「△」が表示され(ZF2)、外れの場合はバツ記号「×」が表示される(ZF3)。
図6(F)は、演出図柄として、キャラクタの顔の表情を用いたものである。このキャラクタの表情による演出図柄ZGでは、確率変動当たりの場合はキャラクタの歓喜の笑顔の表情が表示され(ZG1)、通常当たりの場合はキャラクタの通常の笑顔が表示され(ZG2)、外れの場合はキャラクタの落胆した表情が表示される(ZG3)。
また、これらの図6(B)〜(F)に示されるような複数種類の演出図柄(ZC〜ZG)は、図柄制御部156に、上記のような3個の特別図柄ZA1、ZA2、ZA3の組み合わせに対応させて予め記憶されている。そして、抽選結果の表示では、主制御部150からのコマンド送信で、演出制御部152により図柄制御部156を介して特別図柄表示装置106が制御され、特別図柄表示部106Aには抽選結果に対応する3個の特別図柄ZA1、ZA2、ZA3の組み合わせが表示され、また、演出図柄表示部106Bには、それらの特別図柄ZA1、ZA2、ZA3の組み合わせに対応する演出図柄ZC〜ZGが、図柄制御部156に記憶された複数種類の中から選択されて表示される。
(センター役物の動作と演出表示内容)
また、上述したように、本実施形態に係るセンター役物105には、特別図柄表示装置106の表示画面を略被覆する一対の被覆部材202L、202Rが設けられているが、以下、この被覆部材202L、202Rの動作と特別図柄表示装置106に表示する演出表示内容について説明する。
パチンコ機10による遊技では、通常、図3に示されるように被覆部材202L、202Rが非被覆位置に配置され、特別図柄表示装置106の表示画面は全領域が視認可能となっている。そして、遊技においては、主制御部150が特別図柄の抽選結果に基づいてステッピングモータ230、240を制御し、被覆部材202L、202Rの移動制御を行う。
例えば、リーチが発生した場合(例えば「7*7」)、図7(A)に示されるように、被覆部材202Lが右方向へ移動して表示画面の左側領域を略被覆する。また、この被覆部材202Lの移動に合わせ、演出図柄表示部106Bには、キャラクタの目(目の縁)を構成する開口部208Lとの対応部位に、瞳孔(黒目)250が表示され、この瞳孔250は開口部208Lの移動に同期して移動する。これにより、特別図柄表示装置106の左側から右を向いたキャラクタが登場し、図示のように、表示画面の左側領域がキャラクタの顔によって隠される演出が行われる。
被覆部材202Lが停止すると、可動部材206Lが下方へ移動し、これに伴い演出図柄表示部106Bには、キャラクタの口を構成する切り欠き210L、212Lの右側部位に、最後に停止される演出図柄252の変動パターンが表示される。また、この演出図柄252の変動パターンに合わせて可動部材206Lを上下移動させてもよい。これにより、キャラクタが口から演出図柄252を吐き出すような演出や、演出図柄252の変動パターンに合わせて演出図柄252を食べたり噛み砕くような演出が行われる。
また、遊技において、遊技者に特典を与える可能性があることの予告を行う場合には、図7(C)に示されるように、被覆部材202Rが左方向へ移動して表示画面の右側領域を略被覆する。この場合も、演出図柄表示部106Bには、被覆部材202Rの移動に合わせ、キャラクタの目を構成する開口部208Rとの対応部位に瞳孔250が表示され、この瞳孔250は開口部208Rの移動に同期して移動する。これにより、特別図柄表示装置106の右側から左を向いたキャラクタが登場し、図示のように、表示画面の右側領域がキャラクタの顔によって隠される演出が行われる。
被覆部材202Rが停止すると、可動部材206Rが下方へ移動し、これに伴い演出図柄表示部106Bには、キャラクタの口を構成する切り欠き210R、212Rの右側部位に、例えば「チャンス」等の吹き出し254が表示される。またこのとき、「チャンス」の4文字を所定の時間間隔で1文字ずつ「チ」→「ャ」→「ン」→「ス」と表示し、その1文字表示毎に可動部材206Rを上下移動させてもよい。これにより、キャラクタが上記の特典の予告メッセージを遊技者に伝言するような演出が行われる。
また、特別抽選の結果が当たりになる可能性が高いこと(期待度の高さ)をこの一対の被覆部材202L、202Rによって表現する場合には、図7(E)に示されるように、被覆部材202L及び被覆部材202Rによって表示画面(演出図柄表示部106B)を略被覆する。
ここで、被覆部材202Lの右方向への移動により、右を向いて登場したキャラクタの顔と、被覆部材202Rの左方向への移動により、左を向いて登場したキャラクタの顔とが合体すると、この隣接配置された被覆部材202L、202Rによって、図示のように正面を向いたキャラクタが現れる。そして、演出図柄表示部106Bに表示している黒目状の瞳孔250を図示のように円弧状の瞳孔251に変化させ、これに伴い、可動部材206L、206Rを下方へ移動させる。また、ここで可動部材206L、206Rを繰り返し上下移動させてもよく、さらに、図7(E)と図7(F)の状態を所定の時間間隔で交互に繰り返すようにしてもよい。これにより、キャラクタの表情が無表情(図7(E))から笑顔(図7(F))に変化して、特別抽選の結果に対する遊技者の期待度を高める演出が行われる。
また、この一対の被覆部材202L、202Rによって表現される正面を向いたキャラクタの表情変化は、上述した、演出図柄ZG1、ZG2、ZG3によるキャラクタの表情変化(図6(F)参照)に置き換えて使用することもできる。
また、これらの図7(A)〜(F)に示されるような、被覆部材202L、202Rの動作に同期して演出図柄表示部106Bに表示される表示パターン(瞳孔250、251や演出図柄252、吹き出し254等)は、図柄制御部156に予め記憶されている。そして、各演出動作時には、主制御部150からのコマンド送信で、演出制御部152により図柄制御部156を介して特別図柄表示装置106が制御され、演出図柄表示部106Bに被覆部材202L、202Rの動作に同期して各表示パターンが表示される。
(パチンコ機の遊技仕様)
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル39を操作すると、一体皿30の球皿部34に貯えられている遊技球は球送り装置により一球づつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される(図2参照)。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、遊技釘に当たり方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球はアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球が通過ゲート118L、118Rを通過すると、主制御部150において普通図柄の当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、普通図柄表示装置107に、2桁の普通図柄が変動されその変動後に停止図柄の組み合わせによって表示される。
この普通図柄の抽選結果が「当たり」となった場合は、下始動口110(電動チューリップ)が所定時間開放され、遊技球が下始動口110に入賞しやすい状態となる。
また、上始動口108へ入賞すると、主制御部150において特別図柄の当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、特別図柄表示装置106の特別図柄表示部106Aに、配列された3個の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される(ZA1、ZA2、ZA3)。またこの表示に伴い、演出図柄表示部106Bに、演出図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経て停止表示される(ZC〜ZG)。なお、演出図柄表示部106Bに表示されるこの演出図柄変動パターンの演出映像には、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。さらに、上述したように、リーチ発生時や特典付与の予告時等には、センター役物105の被覆部材202L、202Rの動作によるキャラクタの演出が行われ、遊技者は、それらの演出を受け遊技に対する興趣が高められる。
そして、特別図柄の抽選結果が「当たり」となった場合は、特別図柄表示装置106の特別図柄表示部106Aに、例えば「444」等の予め定められた所定の当たり図柄の組み合わせが表示されるとともに、照明演出用の表示灯142の点滅やスピーカー146L、146Rからの効果音出力などによる演出を加えて、大当たりが発生したことを遊技者に報知し、所定の大当たり動作を実行する。
大当たり動作としては、開閉扉116の開閉動作によって大入賞口114が例えば10カウント(入賞個数)又は最大30秒間(1回の開放時間)/最高16ラウンド(継続回数)開放されるとともに、大入賞口114内にVゾーンを設けた遊技仕様の場合には、1回の大入賞口114開放時にVゾーンへの入賞を果たすことで次ラウンドを継続するといった動作が行われる。これにより、遊技者は、発射した遊技球を大入賞口114へ容易に入賞させ、例えば入賞1個当たり15個の払い出しを受けるなどして、大量の賞球を獲得できるようになる。またこのときは、払出装置160が作動して所定数の賞球を払い出し、その払い出された賞球は、球排出口46から一体皿30の球皿部34に排出される。
また、当たり図柄が、例えば「777」等の予め定められた特定の図柄の組み合わせとなった場合には、上述した大当たり動作の終了後に、次の大当たり確率がアップする「確率変動機能」、あるいは大当たり確率は変わらないが普通図柄表示装置107の変動時間が短縮され下始動口110が開放し易くなって球持ちをよくする「時短機能」といった付加機能が作動して、遊技者にとって有利な遊技状態が展開される。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機10では、遊技中に上始動口108に入賞するという所定の条件が成立すると、主制御部150は、遊技者にとって有利な遊技状態を開始するか否かの抽選処理を実行する。この抽選結果は、特別図柄表示装置106の表示画面に表示され、遊技者は、この表示画面を目視することにより抽選結果を把握する。
また、この抽選結果の表示に伴い、主制御部150は上記の抽選結果に基づいてセンター役物105の被覆部材202L、202Rを移動制御し、特別図柄表示装置106の表示画面を略被覆する演出動作を行う。
このように、このパチンコ機10の遊技盤100(盤面100A)に設けられたセンター役物105では、特別図柄表示装置106による抽選結果の表示に伴い、表示画面が被覆部材202L、202Rによって被覆されるという斬新な演出動作が行われ、このセンター役物105の演出動作を目視する遊技者に対して視覚的に強いインパクトが与えられるようになる。
また、このセンター役物105では、専用の移動機構によって個別に移動する一対の被覆部材202L、202Rにより、表示画面の左半部及び右半分の各領域を入れ替わりで被覆する、あるいは、被覆部材202L、202Rをそれぞれ被覆途中で移動停止させ、表示画面の未被覆領域(視認可能領域)の形状に変化をつけるなどの演出動作が可能となる。これにより、単一の被覆部材で表示画面の全領域を被覆する場合に比べ、表示画面の被覆形態を多様化することができ、より興趣の高い演出動作が可能となる。
また、この被覆部材202L、202Rの表面に装飾部を設けていることにより、被覆部材202L、202R及びセンター役物105の装飾性を高めつつ、その被覆部材202L、202Rを移動させて行う演出の視覚効果が更に高められる。
また、被覆部材202L、202Rの何れかが単独で被覆位置に配置されると、遊技者は、その被覆部材の表面に設けられた所定の表示態様を有する装飾部を目視して、その所定の表示態様から特定のイメージを抱く(キャラクタの横向きの顔)。さらに、被覆部材202L、202Rがそれぞれ被覆位置に配置されると、各表面にそれぞれ設けられた所定の表示態様を有する装飾部が組み合わせられ、その複数の装飾部によって、所定の表示態様の各々とは異なる一体化された新たな表示態様が形成される(キャラクタの正面の顔)。遊技者は、その新たな表示態様を目視して、上記の特定のイメージとは異なるイメージを抱く。これにより、この一対の被覆部材202L、202Rを用いて遊技者に意外性が与えられ、演出性を更に高めることができる。
また、本実施形態では、被覆部材202L、202Rに、表示画面を略被覆する被覆部材本体204L、204Rの他に、被覆部材本体204L、204Rとは個別に移動する可動部材206L、206Rを設けていることにより、被覆部材本体204L、204Rによる表示画面の被覆状態において可動部材206L、206Rの移動による新たな演出動作が加えられる。これにより、更に興趣の高い演出動作が可能となる。
また、本実施形態では、主制御部150による抽選結果に基づいて、主制御部150からコマンドを受信した演出制御部152は、図柄制御部156を介して特別図柄表示装置106の特別図柄表示部106Aに表示する特別図柄の表示制御、及び、演出図柄表示部106Bに表示する演出図柄の表示制御を行う。
この表示制御により、特別図柄表示部106Aには、複数(3個)の特別図柄(ZA1、ZA2、ZA3)が変動後に停止表示され、その組み合わせによって抽選結果が表示される。遊技者は、この特別図柄表示部106Aに停止表示された複数の特別図柄の組み合わせを目視することにより、抽選結果を明瞭に把握することができる。また、演出図柄表示部106Bには、複数の特別図柄の組み合わせに対応して複数種類用意されるとともに、抽選結果に関連する情報を含む表示形態のマークや記号等、複数の演出図柄(ZC〜ZG)の何れかが表示される。これにより、遊技者に対して興趣の高い演出を行うことができて、遊技者の興味を長時間引き付けられるようになる。
また、本実施形態では、主制御部150がセンター役物105のステッピングモータ230、240と、演出制御部152及び図柄制御部156を制御することにより、被覆部材202L、202Rの移動動作及び可動部材206L、206Rの移動動作と、演出図柄の変動パターンや演出時の表示パターンとが連動され、それらの相乗効果により演出性が更に高められる。
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
例えば、上記の実施形態では、可動部材206L、206Rを移動させるための棒ギア238及びステッピングモータ240を被覆部材202L、202Rで共用しているが、棒ギア238を中間部で分割し、それぞれに専用のステッピングモータを設けることにより、左右の被覆部材202L、202Rで、可動部材206L、206Rの移動動作を個別に行うようにすることもできる。
また、本図柄と演出図柄とは単一の特別図柄表示装置106の表示画面に区分けして表示しているが、これらの図柄は、遊技盤100に設けた2つの表示装置に個別に表示するようにしてもよい。