以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明を適用した遊技機の代表例としてパチンコ機PMを図1および図2に示しており、まず、これらの図面を参照しながらパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図、図2はパチンコ機PMの背面図である。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に設けられたヒンジ機構3a,3bを利用して前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側上部には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス扉5が正面左側に設けられた上下一対の扉ヒンジ機構を利用して前方に横開き開閉および着脱可能に組付けられ、施錠装置4により前枠2の前面上部を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の中央部には第1遊技盤10の遊技領域に合わせた略円形の開口部が形成され、その背面側に所定間隔をおいて前後二枚の透明なガラス板からなるガラスアッセンブリ5aが装着保持されている。
ガラス扉5の背後に位置する前枠2の上部には、方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に設けられており、この収容枠に第1遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5のガラスアッセンブリ5aを通して第1遊技盤10の第1遊技領域PAなどを遊技者に臨ませるようになっている。
前枠2の前面におけるガラス扉5の下側には、遊技球を貯留する上球皿6が取り付けられており、この上球皿6の下側には下球皿7および発射ハンドル8が取り付けられている。また、上球皿6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤には、第1遊技盤10の第1遊技領域PA内に遊技球を発射する遊技球発射装置(図示せず)が設けられている。
前枠2の背面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の背面側に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持される。裏セット盤30の各部には、遊技球を貯留する球貯留タンク31、球貯留タンク31から供給された遊技球を流下させる過程で前後2列に整列させるタンクレール32、所定数量の遊技球を整列状態で待機させる待機通路33、遊技盤10における入賞状態等に基づいて遊技球を払い出す球払出装置34、球払出装置34から払い出された遊技球を上球皿6に導く球払出通路35などの遊技球の処理機構が設けられている。また、裏セット盤30には、電子部品等に電力を供給する電源ユニット36、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板37、画像表示、効果音等の演出、効果ランプ等の表示制御を行うサブ制御基板38などが装備されており、これらが図示省略するコネクタケーブルで接続され、パチンコ機PMが作動可能に構成される。
パチンコ機PMは、前枠2やガラス扉5等が閉鎖された状態で遊技に供され、上球皿6に遊技球を貯留させて発射ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル8が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球は、上球皿6の背面側に位置する遊技球発射装置により1球ずつ第1遊技盤10の第1遊技領域PAに打ち出され、以降、パチンコゲームが展開される。
次に、パチンコ機PMの第1遊技盤10について、図3および図4を参照しながら説明する。ここで、図3は第1遊技盤10の正面図であり、図4は第1遊技盤10の要部背面図である。
第1遊技盤10は、例えばアクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)、ABS樹脂等の透明な(透過性を有する)樹脂材料によって平板状に形成された遊技板11を基板として構成されており、第1遊技盤10の表面側から背面側を視認できるようになっている。ここで、「透明」とは、第1遊技盤10の背面側に存在する物体(遊技球や立体構造物など)を完全に透過した状態で視認し得ることのみを意味するものではなく、遊技球や立体構造物などの存在等が分かる程度のいわゆる半透明の状態をも含むものである(他の説明においても同様とする)。なお、以降の説明においては、各図に示す矢印方向を上下、左右および前後方向と称して説明する。
遊技板11の表面側には、外形形状が遊技板11と略同一の矩形で中央が略円形に中抜きされたレール飾り12が取り付けられている。レール飾り12は、遊技板11の表面から前方へ突出する蓋状に成形されており、ガラス扉5に装着されたガラスアッセンブリ5aと遊技板11の前面との間に円弧状の内外レール部に囲まれた略円形の第1遊技領域PAが区画形成される。第1遊技盤10の第1遊技領域PAには、遊技釘(図5を参照)が多数本配設されるとともに、特別図柄表示装置69などが取り付けられている。この特別図柄表示装置69は、発光ダイオード等から構成され、後述する第1抽選手段212による抽選の結果に基づいて特別図柄(図示せず)を変動表示する。
第1遊技領域PAの中央下部には始動入賞装置16が設けられ、遊技球が始動入賞装置16に入球すると、始動入賞装置16内に設けられた入賞検出センサ26(図23を参照)に検出されて第1遊技盤10の背面側へ排出されるようになっている。
第1遊技領域PAの上部には、大入賞口22を開閉可能な大入賞装置21が設けられている。大入賞装置21は、特別遊技中に大入賞口22を開放し、遊技球を大入賞口22に対し通過容易にする。大入賞装置21は、大入賞口22を開閉可能な羽根状に形成された開閉部材23を有しており、開閉部材23に接続された大入賞口ソレノイド24(図23を参照)を駆動させることで開閉部材23を左右に揺動させ、大入賞口22を開放状態または閉塞状態とする。大入賞口22が開放状態となるときには、開閉部材23が大入賞口22の側方へ横方向に揺動し、開閉部材23の上側に達した遊技球を受け止めて大入賞口22へ導くようになっている。一方、大入賞口22が閉塞状態となるときには、開閉部材23が大入賞口22を塞ぐように横方向に揺動するため、遊技球はこの大入賞口22を通過することができない。遊技球が大入賞口22を通過すると、大入賞装置21内に設けられた大入賞検出センサ27(図23を参照)に検出されて第1遊技盤10の背面側(後述する貯留装置40)へ排出されるようになっている。
大入賞装置21の前面部には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の透明な樹脂材料等を用いて略矩形板状に形成された電飾看板25が取り付けられており、この電飾看板25は大入賞装置21や後述する貯留装置40を前面側からほぼ覆い隠すことができる大きさに構成されている。また、電飾看板25は、その内部に複数の発光ダイオード(LED)を実装した発光素子基板を有しており、発光素子基板が発光状態となると発光基板からの出射光が第1遊技盤10の前方へと照射するようになっている。
また、始動入賞装置16の下方には、普通電動役物17が設けられ、遊技球が普通電動役物17に入球すると、普通電動役物17内に設けられた入賞検出センサ28(図23を参照)に検出されて第1遊技盤10の背面側へ排出されるようになっている。普通電動役物17は、閉鎖部材17aの下方に隣接して設けられた開閉型入賞装置であり、普通電動役物17が閉鎖状態にあるときには、入口部分が閉鎖部材17aに塞がれて遊技球は普通電動役物17に入球できず、普通電動役物17が開放状態にあるときに、遊技球が普通電動役物17に入球できるようになっている。
普通電動役物17の左右側方には、遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート15,15がそれぞれ設けられ、遊技球が普通図柄作動ゲート15を通過すると、この普通図柄作動ゲート15内に設けられた通過検出センサ29(図23を参照)に検出されるようになっている。また、この普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を契機として行われる抽選の結果に基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置19が、左側の普通図柄作動ゲート15の下方に設けられている。
さらに、第1遊技領域PAの下方には、普通入賞装置14が複数設けられ、遊技球が普通入賞装置14に入球すると、普通入賞装置14内に設けられた入賞検出センサ(図示しない)に検出されて第1遊技盤10の背面側に排出されるようになっている。また、第1遊技領域PAの下端には、各入賞装置に入賞せずに落下した遊技球を第1遊技盤10の背面側に排出させるアウト口18が設けられている。
第1遊技盤10の背面側には、各入賞装置に落入して第1遊技盤10の背面側に導出された遊技球(セーフ球)、およびアウト口18を通って第1遊技盤10の背面側に導出された遊技球(アウト球)を集合させて排出する球寄せカバー(図示しない)が取り付けられている。
また、遊技板11の上方部には、遊技板11をその厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔によって、遊技板11の前面側に形成された遊技領域PAから遊技板11の背面側に形成される後述の第2遊技領域PSへ遊技球を導く球通路20が構成される。(図5を参照)。球通路20の前面側には球通路20に連通した大入賞口22を有する前述の大入賞装置21が設けられており、球通路20の背面側には貯留装置40が設けられている。
大入賞装置21から球通路20へ導入された遊技球は、第1遊技盤10の背面側に取り付けられた貯留装置40に導かれるようになっている。貯留装置40は、図4に示すように、球通路20に連通し球通路20から投入される遊技球を一時貯留する貯留タンク41を有しており、所定の契機により貯留タンク41内に貯留された遊技球を1球ずつ、あるいは多数まとめて第2遊技領域PS(図5を参照)に投入するようになっている。
貯留タンク41は、多数の遊技球を貯留可能な内部空間41aを有する略矩形箱状に形成されており、その底面部における中央には下方に開口する中央排出口42を有しており、この中央排出口42の左右の両脇部には下方に突出して形成された内壁部に囲まれて下方に開口する左右一対の払出口43,43を有している。
中央排出口42には、左右方向に延在する回動軸(図示しない)により回動自在に支持された開閉蓋44が配設されている。開閉蓋44は貯留ソレノイド45(図23を参照)に接続されており、この貯留ソレノイド45のプランジャの進退動作によって中央排出口42を開放状態または閉塞状態とするように開閉蓋44が回動軸を中心として回動するようになっている。このため、中央排出口42が開放状態となるときには、開閉蓋44が中央排出口42から離れるように下方に回動し、貯留タンク41内に貯留された多数の遊技球を中央排出口42から一気に下方に放出させるようになっている。一方、中央排出口42が閉塞状態となるときには、開閉蓋44が中央排出口42を塞ぐように上方に回動し、貯留タンク41内に導入された遊技球が中央排出口42から放出されることがない。
左右の払出口43には、貯留タンク41内に設けられた駆動モータ46(図23を参照)の出力軸に嵌挿固定され駆動モータ46の回転駆動によって回動する略円板状の回転体47が備えられている。回転体47は、周方向等間隔で4箇所に回転体47の中心から外径方向に放射状となるように切り欠かれた遊技球保持孔48を有しており、各遊技球保持孔48には遊技球がそれぞれ1球ずつ入球し得るようになっている。
この回転体47は、貯留タンク41内に貯留された遊技球を1球ずつ各遊技球保持孔48に収容し、駆動モータ46の回転駆動によって回動することにより、遊技球を1球ずつ順に払出口43から下方(第2遊技領域PS)に払い出すようになっている。
さて、このように概要構成される第1遊技盤10の背面側には、図5および図6に示すように、第1遊技盤10の背面部との間の領域によって第2遊技領域PSを形成する第2遊技盤130や、第2遊技盤130の背後に配置されその前面側に遊技者が視認可能な装飾領域を形成する遊技演出装置50が配設されている。第2遊技盤130は遊技演出装置50の前面部に取り付けられ、遊技演出装置50は後述する収容ケース190に収容された状態で第1遊技盤10の背面部に取り付けられる。ここで、図5は遊技盤10,20や遊技演出装置50などの配置を示す側面図であり、図6は遊技盤10,20や遊技演出装置50などの配置を示す斜視図である。
収容ケース190は、前面側に遊技演出装置50の外郭形状に合わせた開口部を有する略矩形箱状に形成されている。収容ケース190の前面側において左右両側部の上下には、前方に突出する複数個の取付突起部(図示しない)が形成されており、この取付突起部がネジ締結等により第1遊技盤10の背面側に対応位置して形成されたケース取付部に取り付けられることで、遊技演出装置50が第1遊技盤10の背面側に配設されるとともに、遊技演出装置50の前面部に取り付けられる第2遊技盤130が第1遊技盤10の背面部と所定の間隔を隔てて第1遊技盤10の背面側に配設されるようになっている。
そして、これら第2遊技盤130および遊技演出装置50が第1遊技盤10の背面側に固定されると、透過性の第1遊技盤10を通して遊技者が第1遊技盤10の前面側からその背後に配置された第2遊技盤130(および、第2遊技領域PS内で転動する遊技球等)を視認可能になるとともに、透過性の第1および第2遊技盤10,130を通して遊技演出装置50の前面側(装飾領域)のほぼ全体を視認可能になっている。
次に、図7から図12を参照しながら、遊技演出装置50の詳細について説明する。ここで、図7は遊技演出装置50(背面側に収容ケースが取り付けられた状態)の正面図であり、図8は遊技演出装置50の背面図であり、図9は液晶表示装置の前方からの斜視図であり、図10は液晶表示装置の装着前における遊技演出装置50の背面からの斜視図であり、図11は遊技演出装置50の上部フレーム側の斜視図であり、図12は図11における矢視Dから視た背面図である。
まず、遊技演出装置50は、図7に示すように、各機構等の取り付けベースとなるフレーム本体51と、このフレーム本体51の中央に位置する開口部56から液晶表示パネル62の画面(画像表示画面)63を露出させて画像を表示する正面視略矩形状の横長型の液晶表示装置60と、液晶表示装置60を前後方向に移動可能に支持する液晶駆動機構70(図8参照)と、開口部56の左側部に配置された第1可動演出装置80と、開口部56の右側部に配置された第2可動演出装置90と、開口部56の下縁部に配置された第3および第4可動演出装置100,110とを主体に構成される。なお、可動演出装置80,90,100,110は、その外観および動作の態様によって液晶表示装置60とともに遊技の演出に供する装置である。
フレーム本体51は、液晶駆動機構70や第1および第2可動演出装置80,90等が取り付けられる上部フレーム51Uと、第3および第4可動演出装置100,110等が取り付けられる下部フレーム51Lとから構成される。上部フレーム51Uの前面側には、図7に示すように、その上部に左右に延びる略板形状の上部装飾板52、左方部に上下に延びる略板形状の左部装飾板53、および右方部に上下方向に延びる略板形状の右部装飾板54などが設けられており、これら装飾板52〜54の表面には凹凸した岩石形状が形成されている。また、下部フレーム51Lの前面側には、その表面に凹凸した岩石形状に形成された左右一対の背景部材55,55が設けられている。
液晶表示装置(画像表示装置)60は、特別図柄表示装置69と連動して(すなわち、遊技の展開に応じて)変動表示する装飾図柄や、この装飾図柄の背景となる背景画像、大当たりの期待感を遊技者に与えるようにするためのキャラクタ画像等の付随画像などを表示する。なお、特別図柄表示装置69に表示される特別図柄は、始動入賞装置16への遊技球の入賞(入球)を契機として行われる抽選の結果に基づいて表示される図柄であり、大当たりを発生するか否かを示す役割を持つ。一方、液晶表示装置60に表示される装飾図柄は、特別図柄で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した複数列の変動図柄として画面63の中央領域に表示される。
液晶表示装置60は、図9に示すように、矩形枠状のケース部材61と、このケース部材61内に収容され画像を液晶表示する液晶表示パネル62と、ケース部材61内において液晶表示パネル62を保護するために液晶表示パネル62の前面側に画面63に密着するとともに画面63の全体を覆う透明な平板状の保護パネル64とを備えて構成される。なお、液晶表示パネル62の背面側には、図示省略するが、液晶表示パネル62を照明するバックライトや、このバックライトの電源装置であるインバータ基板などが設けられている。
ケース部材61は、その前面側に液晶表示パネル62の画面63を露出させる正面視略矩形状の開口部65を有しており、この開口部65の周囲を囲むようにして前面側に装飾枠66が貼り付けられている。また、ケース部材61の上面部には上方に突出して略円筒状に形成された左右一対の上部ピン67,67が設けられるとともに、その下面部には下方に突出して略円筒状に形成された左右一対の下部ピン68,68が設けられている。
液晶表示パネル62は、ケース部材61の開口部65の開口面域に合わせてこれよりも幾分大きめな表示領域を有するカラー液晶表示パネルが用いられる。保護パネル64は、アクリル樹脂等を材質とする透明板を画面63の大きさに合わせて所定の形状に形成したものである。
液晶駆動機構70は、上部フレーム51Uに左右一対に設けられており、駆動モータ71と、駆動モータ71の出力軸に接続されて回転し駆動モータ71の回転動力を伝達する回転作動部材72と、回転作動部材72に回動可能に接続されたリンク部材74と、上部フレーム51Uに固設され上面側に前後方向に延びる案内部77が形成された案内レール部材76と、リンク部材74に接続され案内レール部材76の案内部77に沿って前後方向に摺動する被ガイド部材79とを主体に構成される。
駆動モータ71は、ネジ締結等によって上部フレーム51Uに固設されており、正逆両方向の回転駆動をすることができるように構成されている。回転作動部材72は、円盤状の形状を有し、その中心部が駆動モータ71の出力軸に嵌挿固定されており、駆動モータ71の回転駆動によって回動するようになっている。また、回転作動部材72はその裏面側に下方に突出する円柱状の突起部73を有しており、この突起部73が回転作動部材72のほぼ直下位置に配設されたリンク部材74の係合孔75に挿入(係合)されることで、回転作動部材72とリンク部材74とが連結されている。
リンク部材74は、細長い板状の形状を有しており、その中間部に長手方向に延びる係合孔(長孔)75が形成されている。リンク部材74は、その基端部が上下方向に延びた垂直支軸P1,P2によって上部フレーム51Uに軸支され、この垂直支軸P1,P2周りにそれぞれ回動自在に構成されている。そして、リンク部材74の係合孔75に回転作動部材72の突起部73が摺動自在に嵌挿されることによって、リンク部材74が回転作動部材72を介して駆動モータ71の回転駆動に連動して垂直支軸P1,P2周りに回動するようになっている。
案内レール部材76は、前後方向に延びる略板状に形成され、上部フレーム51Uの左右の端部にそれぞれ設けられている。案内レール部材76は、その上面部に上方に突出するとともに前後方向に延びる略板状の案内部77を左右に一対有しており、その左右方向の中間部にはこれら一対の案内部77に挟まれるようにして前後方向に延びるガイド孔(長孔)78が形成されている。
リンク部材74の先端部(基端部と反対側の端部)には、上下方向に延びた枢結ピン74aによって被ガイド部材79が前後方向に揺動自在に枢結されている。この被ガイド部材79は、平面視矩形状に形成され、その底面側には下方に突出するとともに前後方向に延びる左右一対の凹形状の係合溝79aを有しており、この左右一対の係合溝79aの間には上下方向に貫通する挿通孔が79bが形成されている。そして、この被ガイド部材79の係合孔79aに案内レール部材76の案内部77が摺動自在に嵌挿されることにより、被ガイド部材79が案内レール部材76の案内部77に沿って前後方向に移動ができるように(前後方向以外の移動を規制するように)なっている。
このような液晶駆動機構70における右側の被ガイド部材79においては、回転作動部材72の突起部73を前方に移動させるように駆動モータ71を回転駆動することにより、この突起部73がリンク部材74の係合孔75の内側部と当接してリンク部材74を前方に押動し、底面視においてリンク部材74を垂直支軸Pを中心に反時計回りに回動させることで、左側の被ガイド部材79が案内レール部材76の案内部77に沿って前方に移動する。反対に、回転作動部材72の突起部73を後方に移動させるように駆動モータ71を回転駆動することにより、この突起部73がリンク部材74の係合孔75の内側部と当接してリンク部材74を後方に押動し、底面視においてリンク部材74を垂直支軸Pを中心に時計回りに回動させることで、左側の被ガイド部材79が案内レール部材76の案内部77に沿って後方に移動するようになっている。
一方、右側の被ガイド部材79においては、回転作動部材72の突起部73を前方に移動させるように駆動モータ71を回転駆動させることにより、この突起部73がリンク部材74の係合孔75の内側部と当接してリンク部材74を前方に押動し、底面視においてリンク部材74を垂直支軸Pを中心に時計回りに回動させることで、右側の被ガイド部材79が案内レール部材76の案内部77に沿って前方に移動する。反対に、回転作動部材72の突起部73を後方に移動させるように駆動モータ71を回転駆動することにより、この突起部73がリンク部材74の係合孔75の内側部と当接してリンク部材74を後方に押動し、底面視においてリンク部材74を垂直支軸Pを中心に反時計回りに回動させることで、右側の被ガイド部材が案内レール部材76の案内部77に沿って後方に移動するようになっている。
また、この液晶駆動機構70においては、左側の被ガイド部材79での前後移動における前端位置と後端位置とを検出する投光素子および受光素子からなるフォトセンサ171,172(図23を参照)がそれぞれ配設されているとともに、右側の被ガイド部材79での前後移動における前端位置と後端位置とを検出するフォトセンサ173,174(図23を参照)がそれぞれ配設されている。
このように構成される液晶駆動機構70において、左右の被ガイド部材79,79が左右に位置対応する案内レール部材76,76にそれぞれ摺動自在に連結された状態で、ケース部材61の上面部に形成された左右一対の上部ピン67を、液晶駆動機構70における左右一対の案内レール部材76のガイド孔78と被ガイド部材79の挿通孔79bとにそれぞれ嵌挿することによって、液晶表示装置60がほぼ垂直に立設した姿勢で液晶駆動機構70に取り付けられる。
液晶表示装置60が液晶駆動機構70に取り付けられて、液晶駆動機構70を作動させると、液晶表示装置60全体が前後方向に往復移動したり、回動したりすることになる。例えば、左右の被ガイド部材79,79を同時に後方向に移動させるように駆動モータ71,71を回転駆動することで液晶表示装置60全体が後方向に移動し、左右の被ガイド部材79,79を同時に前方向に移動させるように駆動モータ71,71を回転駆動することで液晶表示装置60全体が前方向に移動するようになっており、これらの動作を連続的に行うことで前後方向に往復移動させることもできる(図24を参照)。また、左右の被ガイド部材79,79のうち、一方の被ガイド部材79のみを前後方向に移動させるように駆動モータ71を回転駆動することにより、他方の被ガイド部材79に嵌挿された上部ピン67の中心軸を回転軸として液晶表示装置60を回動させることができる(図24を参照)。
このように液晶駆動機構70を作動させ液晶表示装置60を前後方向に移動させることができるため、液晶表示装置60の画面63に対しての奥行き感や突出感が向上し立体感のある演出が可能となる。
次いで、液晶表示装置60の周囲に隣接して設けられる可動演出装置80,90,100,110について、図13〜図17を追加参照し説明する。ここで、図13は遊技演出装置50の背面からの要部斜視図であり、図14は第1可動演出装置の平面図および正面図であり、図15は第2可動演出装置の平面図および正面図であり、図16は第3および第4可動演出装置の正面図、図17は第3および第4可動演出装置の前方からの斜視図である。
第1可動演出装置80は、図14に示すように、前後方向に並べて積層された状態で配設された前側の立体構造物81と後側の立体構造物82とを有して構成される。これら前後の立体構造物81,82は、それぞれ別体として構成され、後述する駆動機構によって互いに独立して可動することができるようになっている。
前側に配置された立体構造物81は、透明なプラスチック材料を用いて火炎形状や星形状等に形成されており、この立体構造物81の駆動機構として、立体構造物81の底面部における左側端側から下方に突出して一体形成されたピン状の回動支軸81aと、回動支軸81aに嵌着固定された従動ギア83と、従動ギア83に噛合可能な駆動ギア84が出力軸に嵌着固定された駆動源である駆動モータ85とを備えている。これにより、駆動モータ85を回転駆動し駆動ギア84を回動させて、これに噛み合わされた従動ギア83が回転支軸81aとともに回動することにより、立体構造物81を回転支軸81aを中心に回動させることができる。なお、駆動モータ85は回動角度が制御可能なモータとして、例えばステッピングモータなどで構成される。
一方、後側に配置された立体構造物82は、透明なプラスチック材料を用いて火炎形状に形成されており、この立体構造物82の駆動機構として、図13に示すように、上部フレーム51Uに回動自在に軸支されて上下方向に延びたロッド状の回動支軸86Lと、立体構造物82を回動支軸86Lに連結させる上下一対の連結具87Lと、一端部が回動支軸86Lの上端部に嵌着固定され他端部がケース部材61における左側の上部ピン67に回動自在に支持された上アーム部材88Lと、一端部が回動支軸86Lの下端部に嵌着固体され他端部が支持孔99Lにケース部材61における左側の下部ピン68を挿入して回転自在に支持する下アーム部材89Lとを備えている。
このため、液晶表示装置60(液晶駆動機構70の被ガイド部材79)の後方向への移動に伴って、上および下アーム部材88L,89Lの他端部が、ケース部材61の上部および下部ピン67,68によって後方向へ押動され、上および下アーム部材88L,89Lが回動支軸86Lとともに回動支軸86Lの中心軸周りに(平面視で反時計回りに)に回動することによって、これに連結する立体構造物82を回動支軸86Lを中心に(平面視で半時計回りに)回動させることができる。反対に、液晶表示装置60の前方向への移動に伴って、立体構造物82を回動支軸86Lを中心に平面視で時計回りに回動させることができる。このように液晶表示装置60の前後方向への移動に連動して、立体構造物82を回転支軸86Lを中心に回動させることができるようになっている。
このように構成される第1可動演出装置80によれば、液晶表示装置60の前後方向への移動に伴い、液晶表示装置60の移動軌跡における領域内を進退するようにその移動方向に沿って立体構造物81,82を回動させることができるため、液晶表示パネル62の画面63に対してさらに奥行き感や突出感のある演出を行うことが可能になるとともに、立体構造物81,82の動作と液晶表示装置60の画面表示や前後移動とを融合させて遊技演出における両者の一体感を向上させることができる。
また、第1可動演出装置80における立体構造物81の初期位置(移動動作の起点となる位置)には、投光素子および受光素子からなるフォトセンサ175(図23を参照)が配設されている。立体構造物81には、図示しない突出片が一体形成されており、立体構造物81が初期位置に戻ったときに、その突出片の位置がフォトセンサ175によって検出されることで、立体構造物81が初期位置に戻ったことが検出されるようになっている。
さらに、第1可動演出装置80は、図10に示すように、それぞれ複数の発光ダイオード(LED)を実装した発光素子基板181a,181b,181cからの光を立体構造物(透明プラスチック体)などを通して第1遊技盤10前面へと照射するLED照明部181を有している。なお、立体構造物81,82は発光素子基板からの出射光を光拡散可能な透明なレンズ部材から構成してもよい。
第2可動演出装置90は、図15に示すように、前後方向に並べて積層された状態で配設された前側の立体構造物91と後側の立体構造物92とを有して構成される。これら前後の立体構造物91,92は、それぞれ別体として構成され、後述する駆動機構によって互いに独立して可動することができるようになっている。
前側に配置された立体構造物91は、透明なプラスチック材料を用いて火炎形状に形成されており、この立体構造物91の駆動機構として、立体構造物91の底面部における左側端側から下方に突出して一体形成されたピン状の回動支軸91aと、回動支軸91aに嵌着固定された従動ギア93と、従動ギア93に噛合可能な駆動ギア94が出力軸に嵌着固定された駆動源である駆動モータ95とを備えている。これにより、駆動モータ95を回転駆動し駆動ギア94を回動させて、これに噛み合わされた従動ギア93が回転支軸91aとともに回動することにより、立体構造物91を回転支軸91aを中心に回動させることができる。なお、駆動モータ95は回動角度が制御可能なモータとして、例えばステッピングモータなどで構成される。
一方、後側に配置された立体構造物92は、透明なプラスチック材料を用いて火炎形状に形成されており、この立体構造物92の駆動機構として、図13に示すように、上部フレーム51Uに回動自在に軸支されて上下方向に延びたロッド状の回動支軸86Rと、立体構造物92を回動支軸86Rに連結させる上下一対の連結具87Rと、一端部が回動支軸86Rの上端部に嵌着固定され他端部がケース部材61における右側の上部ピン67に回動自在に支持された上アーム部材88Rと、一端部が回動支軸86Rの下端部に嵌着固体され他端部が支持孔99Rにケース部材61における右側の下部ピン68を挿入して回転自在に支持する下アーム部材89Rとを備えている。
このため、液晶表示装置60(液晶駆動機構70の被ガイド部材79)の後方向への移動に伴って、上および下アーム部材88R,89Rの他端部が、ケース部材61の上部および下部ピン67,68によって後方向へ押動され、上および下アーム部材88R,89Rが回動支軸86Rとともに回動支軸86Rの中心軸周りに(平面視で時計回りに)に回動することによって、これに連結する立体構造物92を回動支軸86Rを中心に(平面視で時計回りに)回動させることができる。反対に、液晶表示装置60の前方向への移動に伴って、立体構造物92を回動支軸86Rを中心に平面視で反時計回りに回動させることができる。このように液晶表示装置60の前後方向への移動に連動して、立体構造物92を回転支軸86Rを中心に回動させることができるようになっている。
このように構成される第2可動演出装置90によれば、液晶表示装置60の前後方向への移動に伴い、液晶表示装置60の移動軌跡における領域内を進退するようにその移動方向に沿って立体構造物91,92を回動させることができるため、液晶表示パネル62の画面63に対してさらに奥行き感や突出感のある演出を行うことが可能になるとともに、立体構造物91,92の動作と液晶表示装置60の画面表示や前後移動等とを融合させて遊技演出における両者の一体感を向上させることができる。
また、第2可動演出装置90における立体構造物91の初期位置(移動動作の起点となる位置)には、投光素子および受光素子からなるフォトセンサ176(図23を参照)が配設されている。立体構造物91には、図示しない突出片が一体形成されており、立体構造物91が初期位置に戻ったときに、その突出片の位置がフォトセンサ176によって検出されることで、立体構造物91が初期位置に戻ったことが検出されるようになっている。
さらに、第2可動演出装置90は、図10に示すように、それぞれ複数の発光ダイオード(LED)を実装した発光素子基板182a,182bからの光を立体構造物(透明プラスチック体)などを通して第1遊技盤10前面へと照射するLED照明部182を有している。なお、立体構造物91,92は発光素子基板からの出射光を光拡散可能な透明なレンズ部材から構成してもよい。
第3可動演出装置100は、図17に示すように、液晶表示装置60の下方における左右のほぼ中央の位置において下部フレーム51Lに配設されており、正逆の両方向に回転駆動可能な駆動モータ101と、駆動モータ101の出力軸に嵌挿固定されたピニオン102と、ピニオン102に噛合してラックアンドピニオンを構成するラックギア103と、ラックギア103を上下方向に摺動自在に支持する摺動支持部材104と、透明なプラスチック材料を用いて星形状に形成されラックギア103の前面側に取り付けられた立体構造物105(図16を参照)とを有して構成される。これにより、第3可動演出装置100では、駆動モータ101による回転駆動に連動してピニオン102を回動させ、そのピニオン102の回動方向に応じてラックギア103を摺動支持部材104を介して上下方向に摺動させることによって、立体構造物105を上下方向に揺動させることができるようになっている。
また、この第3可動演出装置100における立体構造物105の初期位置(移動動作の起点となる位置)には、投光素子および受光素子からなるフォトセンサ177(図23を参照)が配設されている。立体構造物105には、図示しない突出片が一体形成されており、立体構造物105が初期位置に戻ったときに、その突出片の位置がフォトセンサ177によって検出されることで、立体構造物105が初期位置に戻ったことが検出されるようになっている。
また、立体構造物105には、その内部に複数の発光ダイオード(LED)を実装した発光基板からの光を立体構造物(透明プラスチック体)を通して遊技盤10前面へと照射するLED照明部183(図23を参照)が備えられている。なお、立体構造物105は発光素子基板からの出射光を光拡散可能な透明レンズ部材から構成してもよい。
第4可動演出装置110は、中央に第3可動演出装置100を挟むようにして左右両脇部に一対に並設された立体構造物111L,111Rを有して構成される。左右一対の立体構造物111L,111Rは、透明なプラスチック材料を用いて火炎形状にそれぞれ形成されており、各立体構造物111L,111Rの駆動機構として、正逆の両方向に回転駆動可能な駆動モータ113L,113Rと、基端部が駆動モータ113L,113Rの出力軸114L,114Rに嵌挿固定された細長い板状の回動アーム部材115L,115Rとを備えている。
各立体構造物111L,111Rは、前後方向に延びる水平支軸P3,P4を介して下部フレーム51Lの前面側に回動自在に支持されており、その下端部には回動アーム部材115L,115Rとの連結部である連結孔116L,116Rが表裏貫通して略矩形状に形成されている。回動アーム部材115L,115Rの先端部(基端部と反対側の端部)には、前方に突出した円筒状の係合ピン117L,117Rが一体形成されており、この係合ピン117L,117Rが立体構造物111L,111Rの連結孔116L,116Rに摺動自在に嵌挿され、立体構造物111L,111Rと回動アーム部材115L,115Rとが連結されている。
第4可動演出装置110では、駆動モータ113L,113Rによる回転駆動に連動して回動アーム部材115L,115Rを回動させ、この回動アーム部材115L,115Rの回動に伴って回動アーム部材115L,115Rの係合ピン117L,117Rが連結孔116L,116Rに当接した状態で立体構造物111L,111Rを上下方向に押動することにより、立体構造物111L,111Rが水平支軸P3,P4を中心にそれぞれ回動できるようになっている。
また、第4可動演出装置110における立体構造物111L,111Rの初期位置(移動動作の起点となる位置)には、投光素子および受光素子からなるフォトセンサ178R,178L(図23を参照)が配設されている。立体構造物111L,111Rには、突出片118L,118Rが一体形成されており、立体構造物111L,111Rが初期位置に戻ったときに、その突出片118L,118Rの位置がフォトセンサ178L,178Rによって検出されることで、立体構造物111L,111Rが初期位置に戻ったことが検出されるようになっている。
また、第4可動演出装置110の立体構造物111L,111Rには、その内部に複数の発光ダイオード(LED)を実装した発光基板からの光を立体構造物(透明プラスチック体)を通して第1遊技盤10前面へと照射するLED照明部184(図23を参照)が備えられている。なお、立体構造物11L,111Rは発光素子基板からの出射光を光拡散可能な透明レンズ部材から構成してもよい。
ここで、第3および第4可動演出装置100,110における立体構造物105,111L,111Rは、液晶駆動機構70によって前後方向に移動可能な液晶表示装置60が最も前方側の前端位置に位置した状態における液晶表示装置60のほぼ直下位置(ケース部材61の底面部にほぼ対向する位置)に左右方向に並んで配設されている。このため、前述したような立体構造物105の上下方向への揺動や立体構造物111L,111Rの回動の動作を、液晶表示装置60が前端位置から後端位置まで後退移動するタイミングに合わせて、この液晶表示装置60の後退移動によって液晶表示装置60の前方側に形成される空きスペース(すなわち、液晶表示装置60が後退移動する前に位置していた領域)内で行うことにより、液晶表示装置60の移動軌跡における領域内において画面63の前方に、立体構造物100,111L,111Rが突如出現するようなインパクトの強い演出を実現することが可能になる。
また、液晶表示装置60の前後移動経路中の空きスペースを利用して立体構造物105,111L,111Rを進退動させるような構成とすることで、第3および第4可動演出装置100,110を遊技演出装置50の前面側から突出させることなく効率良く配設することが可能になる。
そして、このように構成される可動演出装置80,90,100,110を液晶駆動機構70による液晶表示装置60の前後移動に連係して作動させることにより、液晶表示装置60の画面63に対しての奥行き感や突出感が向上し、より立体感のある演出が可能になる。また、液晶表示装置60における画面表示や前後移動と、可動演出装置80,90,100,110における立体構造物の動作とを融合させて、両者の遊技演出における一体感を向上させることが可能とため、遊技に対する興趣性を向上させることができる。
以上のように構成される遊技演出装置50の前面側と第1遊技盤10の背面側との間に挟まれようにして第2遊技盤130が配置(前方のガラスアッセンブリ5a側から後方に向かって第1遊技盤10、第2遊技盤130、遊技演出装置50の順に前後3段に配置)されており、第1遊技盤10の背面側に設けられた貯留装置40から排出された遊技球が第2遊技盤130の前面側に形成される第2遊技領域PSに導かれるように構成されている。
それでは、第2遊技盤130の構成について図18〜図22を参照して説明する。ここで、図18は第2遊技盤130の正面図(第1遊技盤10を通して前面側から視認した状態)、図19は第2遊技盤130における遊技球の振り分けを説明するための模式図であり、図20〜図22は第2遊技盤130における遊技球の移動経路の例を示す模式図である。
第2遊技盤130は、図18(および図6)に示すように、その中央部に液晶表示装置60の画面63を臨ませる略矩形状の開口部131を形成するように配設される上側の分割盤部140、左右一対の分割盤部150,150、および下側の分割盤部160を主体に構成されており、これら分割盤部140,150,150,160によって第2遊技盤130の遊技領域PSを4分割するようになっている。また、各分割盤部140,150,150,160は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート、ABS樹脂等の透明な(透過性を有する)樹脂材料を用いて平板状に形成された透明板を基板として構成されており、各分割盤部140,150,150,160の前面側から後面側を視認できるようになっている。
上側の分割盤部140は、略矩形板状に形成されており、第1遊技盤10の背面側に配設された貯留装置40に近接した状態(図5を参照)で遊技演出装置50の上部フレーム51Uにネジ締結等によって配設されている。この分割盤部140の前面側における貯留装置40の下方には、貯留装置40の払出口43,43から排出された遊技球を左右の分割盤部150,150の前面側上部にそれぞれ導く案内通路141,141が左右一対に形成されている。各案内通路141は、透明な樹脂材料を用いて断面矩形管状に形成されており、その底部は遊技球が転動可能な断面略U字状に形成され、貯留装置40の払出口43の直下位置から左右方向に延びた第1通路部142と、この第1通路部142の端部から屈曲して前方に延びた第2通路部143とをそれぞれ有しており、第1通路部142の底部には遊技球が通過可能な大きさのワープルート導入孔144が上下方向に貫通する円形状の貫通孔として形成されている。
左右の分割盤部150,150は、第1通路部142の直下位置において分割盤部150の上面部が案内通路141の底面部に近接した状態で配設されている。これら左右の分割盤部150,150は左右対称に構成されているので、左側の分割盤部150について説明し、右側の分割盤部150についての説明は省略する。
分割盤部150は略矩形板状に形成されており、その前面部には案内通路141から導入された遊技球を下側の分割盤部160に導くために左右の壁部(レール)に囲まれた案内路として形成されるワープ通路151や、遊技球を適宜散らしたり下側の分割盤部160に導いたりする多数の遊技釘154などが配設されている。ワープ通路151は、その上端部にワープルート導入孔144からの遊技球を受ける上端口152を有し、下端部にはワープ通路151内を通過する遊技球を分割盤部160の前面側に導く下端口153を有している。なお、ワープ通路151は、その下方部が前方に向かって滑らかに折れ曲がるように形成されている(図5を参照)。
また、分割盤部150は、その背面部が第1可動演出装置80における立体構造物81の前面部に透明な樹脂材料を用いて形成されたリブ155(図5を参照)を介して連結されており、立体構造物81による回転支軸81aを中心とする回動に伴って一体となって回動(連動)するようになっている。すなわち、第1可動演出装置80において駆動モータ85を回転駆動させることにより、立体構造物81が回転支軸81aを中心に回動するとともに、分割盤部150がリブ155を介して回転支軸81aを中心に回動することとなる。なお、回動支軸81aは、分割盤部150における略左縁部の後方側に位置している。
このとき、分割盤部150に導入される遊技球は、分割盤部150の回動位置に応じて、ワープ通路151もしくは多数の遊技釘154が配置された領域159側に流下するように振り分けられる。ここで図19(A)に示すように、分割盤部150が回動していない状態(第1遊技盤10に平行な状態)のときには、貯留装置40の払出口43から1球ずつ払い出された遊技球は、第1通路部142を転動して第2通路部143の端部から多数の遊技釘154が配置された領域159側に流下していく。一方、分割盤部150が第1可動演出装置80の立体構造物81とともに回動した状態にあるときには、図19(B)に示すように、分割盤部150の上面部が案内通路141の底面部からずれるように回動するため、それまで分割盤部150の上面部によって塞閉されていたワープルート導入孔144が開口し、第1通路部142を転動する遊技球がこのワープルート導入孔144を通過してワープ通路151内に流下するようになっている。
下側の分割盤部160は、略矩形板状に形成されており、遊技演出装置50の下部フレーム51Lにネジ締結等によって取り付けられている。分割盤部160は、その前面側における中心部にVのマークが付された入球具(Vゾーン)161が配設されており、この入球具161の左右上方には左右の分割盤部150から導入された遊技球を入球具161に導くための上下2列で平行に配置された多数の遊技釘162,163が設けられている。
図20に示すように、ワープ通路151を通って分割盤部160に導かれた遊技球は、上方一列に並ぶ多数の遊技釘162によって入球具161の近傍まで誘導され、高い確率で入球具161に落入するようになっている。ここで、前述したように、ワープ通路151の下方部は前方に向かって滑らかに折れ曲がるように形成されているため、分割盤部150が第1可動演出装置80の立体構造物81とともに回動したときには、ワープ通路151の下端口153が分割盤部160の遊技釘162の上部にほぼ対向する位置に配置されるようになっている。このため、ワープ通路151を通過して下端口153から放出される遊技球を分割盤部160における遊技釘162の上方に確実に導くことができる。
一方、図21に示すように、分割盤部150における多数の遊技釘154に弾かれながら流下した遊技球は、そのまま下方に落下してアウト球として処理されたり、分割盤部160の下方一列に並ぶ多数の遊技釘163上を通って入球具161近傍まで誘導されたとしても入球具161に落入するには低い確率となるように調整されている。すなわち、案内通路141によりワープ通路151側に振り分けられて流下する遊技球が入球具161に落入(入球)する確率は、案内通路141により遊技釘154が配置される領域159側に振り分けられて流下する遊技球が入球具161に落入(入球)する確率よりも高くなっている。
さらに、分割盤部150のワープ通路151や遊技釘154などに因らず、貯留装置40において開閉蓋44を回動させて中央排出口42を開放状態とすると、図22に示すように、貯留タンク41内に一時貯留された多数の遊技球が中央排出口42から一気に下方に排出され、分割盤部160の入球具161に向かって落下移動(自由落下)していき、一部の遊技球が入球具161近傍に導かれるようになっている。
なお、遊技球が入球具161に入球したとしても入賞装置等のように所定数の賞球が付与されるものではなく、遊技球が入球具161に入球するか否かは、詳細は後述するが、大当たり抽選結果(特別遊技実行後の遊技状態が確率変動遊技であるのか否か)を遊技者に示唆する演出効果を図ったものである。これにより、当該大当たりが確率変動モードの付随した大当たりであるか否かを遊技者に実感させ、遊技者に多大な好奇心を湧かせ得る演出を提供することができる。なお、確率変動遊技とは、通常遊技よりも当選確率の高い当選テーブルを用いて抽選が行われる遊技である。
続いて、パチンコ機PMに構成される遊技制御装置について図23を参照しながら説明する。ここで、図23は遊技制御装置の概要を示すブロック図である。この遊技制御装置200は、主制御基板37や、サブ制御基板38等から構成される(図23では不図示)。遊技制御装置200には、始動入賞装置16、大入賞装置21、普通電動役物17、普通図柄作動ゲート15、特別図柄表示装置69、普通図柄表示装置19、貯留装置40、液晶表示装置60、液晶駆動機構70、第1〜第4可動演出装置80,90,100,110などが電気的に接続されており、各種検出信号および制御信号の送受信が行われるようになっている。
また、遊技制御装置200は各入賞装置への入球(入賞)を判定する入球判定手段210と、始動入賞装置16への遊技球の入賞に基づき特別図柄抽選を実行する第1抽選手段212と、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過に基づき普通図柄抽選を実行する第2抽選手段214と、特別図柄、装飾図柄、普通図柄の変動表示パターンを保持するパターン記憶手段216と、図柄変動における停止図柄および変動表示の表示パターンを決定する図柄決定手段220と、図柄等の表示を制御する表示制御手段230と、大当たり遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を制御する特別遊技制御手段240と、確率変動遊技等の通常遊技よりも遊技者の遊技者に有利な特定遊技を制御する特定遊技手段250と、大入賞装置21や貯留装置40等の開閉制御を行う開閉制御手段260と、液晶駆動機構70や可動演出装置80,90,100,110の作動制御を行う演出制御手段270とを備えて構成される。
始動入賞装置16の入賞検出センサ26は、始動入賞装置16への遊技球の入球(入賞)を検出し、第1始動入賞情報を出力する。入球判定手段210は、第1始動入賞情報を受信すると遊技球が始動入賞装置16に入賞したことを判定する。始動入賞装置16への入賞が判定されると、第1抽選手段212は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第1始動入賞情報を受信したタイミングで、第1抽選手段212は始動入賞に対する乱数を取得する。なお、第1抽選手段212は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また、図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。このようにして取得した乱数に基づいて、第1抽選手段212は特別図柄抽選の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。
図柄決定手段220における特別図柄決定手段222および装飾図柄決定手段224は、第1抽選手段212による判定結果に応じた停止図柄と、図柄表示の変動パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。パターン記憶手段216は、特別図柄や装飾図柄を変動表示させるときの表示パターンとして複数種のパターンを保持する。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンとが含まれる。また、リーチ状態を経るときのパターンとして、長短様々な表示時間をもつパターンが含まれる。各表示パターンは、その図柄変動の終了条件として表示時間がそれぞれ決められており、その表示時間が経過すると、図柄変動が停止される。
特別図柄決定手段222は、第1抽選手段212による抽選結果に応じてパターン記憶手段216からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する。装飾図柄決定手段224は、特別図柄決定手段222により選択された表示パターンに応じたパターンをパターン記憶手段216から選択し、抽選結果に応じた装飾図柄の停止図柄を決定する。普通図柄作動ゲート15の通過検出センサ29は、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を検出し、第2始動入賞情報を出力するようになっている。
入球判定手段210は、第2始動入賞情報を受信すると遊技球が普通図柄作動ゲート15を通過したことを判定する。普通図柄作動ゲート15の通過が判定されると、第2抽選手段214は、第1抽選手段212と同様に、保留球数が上限に達しているか否かを調べ、保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第2始動入賞情報を受信したタイミングで、始動入賞に対する乱数を取得する。このようにして取得した乱数に基づいて、第2種抽選手段214は普通図柄抽選の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、普通図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。
図柄決定手段220における普通図柄決定手段226は、第2抽選手段214による抽選結果に応じてパターン記憶手段116からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄決定手段226により決定された停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段260が普通電動役物17を所定時間だけ拡開作動させる。
表示制御手段230は、特別図柄および装飾図柄を変動表示させる第1表示制御手段231と、普通図柄を変動表示させる第2表示制御手段232とを有して構成される。第1表示制御手段231は、特別図柄決定手段222において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、特別図柄表示装置69に特別図柄を表示させる。また、同時に、第1表示制御手段231は、装飾図柄決定手段224において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、液晶表示装置60(液晶表示パネル62の画面63)に装飾図柄を表示させる。第1表示制御手段231により特別図柄を表示させる機能は主制御基板37側の処理として実行され、装飾図柄を表示させる機能はサブ制御基板38側の処理として実行される。第2表示制御手段232は、普通図柄決定手段226において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、普通図柄表示装置19に普通図柄を表示させる。
またこのとき、表示制御手段230は、いわゆるリーチ状態等の契機において、演出制御手段270に液晶駆動機構70や可動演出装置80,90,100,110の作動制御を行わせる。演出制御手段270は、液晶駆動機構70の駆動モータ71や、可動演出装置の駆動モータ85,101,113R,113Lなどに作動信号を出力し、液晶表示装置60の画面63に表示された演出画像に関連させて、液晶表示装置60を前後移動させるように液晶駆動機構70の作動を制御するとともに、立体構造物81,91等を動作させるように可動演出装置80,90,100,110の作動を制御する。
また、演出制御手段270における作動回避手段271は、液晶駆動機構70による液晶表示装置60の後方向への移動に際し、液晶表示装置60が後端位置まで後退移動したことに基づいて、可動演出装置80,90,100,110の作動を許可する制御を行う。すなわち、液晶表示装置60が後端位置まで後退移動する前に、可動演出装置80,90,100,110が作動することにより、液晶表示装置60が後退移動中に可動演出装置80,90,100,110の各立体構造物に衝突するような事態を未然に防止するためである。
具体的には、液晶表示装置60が後端位置に位置していることをフォトセンサ172,174が検出することで、この検出信号に基づき作動回避手段271が可動演出装置80,90,100,110に作動を許可する信号を出力する。一方、フォトセンサ172,174が液晶表示装置60の後退移動による後端位置を検出していない場合に、可動演出装置80,90,100,110におけるフォトセンサ175〜178のうちのいずれかが対応する立体構造物の初期位置を検出していないときには、当該立体構造物が液晶表示装置60の移動経路中に進出したものとみなし、当該立体構造物に対して所定の速度で初期位置まで退避移動させるような制御を行うことにより、液晶表示装置60と立体構造物との衝突を未然に防止している。
さらに、演出制御手段270は、液晶表示装置60の演出画像に関連させて、各可動演出装置のLED照明部181,182,183,184を発光駆動したり、図示しない放音装置を放音駆動して、遊技者に視覚や聴覚に訴える演出を行う。
特別遊技制御手段240における条件保持手段242は、特別遊技を実行するための条件である作動条件を保持している。本実施形態において、作動条件は、表示制御手段230により変動表示される特別図柄が特別図柄表示装置69において所定の図柄で停止されたことに設定される。特別遊技制御手段240における条件判定手段244は、遊技情報を監視し、特別遊技への移行条件である作動条件の成立の可否を判定する。また、条件判定手段244は、作動条件の判定結果をもとに、各種作動フラグのオンまたはオフの設定を行う。
特別遊技制御手段240における特別遊技実行手段246は、作動条件が成立すると、特別遊技を実行する。ここで、特別遊技は、大入賞装置21による大入賞口22の開閉操作を複数回連続して継続する遊技であり、特別遊技に移行すると、遊技者は特別遊技が行われていることを容易に認識することができるとともに、相当数の賞球を期待することができる。このとき、特別遊技実行手段246は、開閉制御手段260に大入賞口22の開閉制御を行わせる。開閉制御手段260は、特別遊技中、大入賞装置21の大入賞口ソレノイド24に開放作動信号(もしくは、閉塞作動信号)を出力し、開閉部材23を左右に揺動させて、大入賞口22を開放(もしくは、閉塞)させる。
また、特別遊技に移行すると、特別遊技制御手段246は、開閉制御手段260に貯留装置40の駆動モータ46の回転制御を行わせる。開閉制御手段260は、特別遊技中、貯留装置40の駆動モータ46に回転作動信号を適時出力し、回転体47を回動させて払出口43から遊技球を1球ずつ払い出させるような制御を行う。
さらに特別遊技制御手段246は、第1抽選手段212による抽選結果に基づいて、特別遊技の実行中における所定の契機において、開閉制御手段260に貯留装置40における中央排出口42の開閉制御を行わせる。開閉制御手段260は、貯留装置40に一時貯留された遊技球を中央排出口42から一気に排出させるように、貯留ソレノイド45に開放作動信号(もしくは、閉塞作動信号)を出力し、中央排出口42を開放(もしくは、閉塞)させる制御を行う。
特定遊技制御手段250は、遊技者に特別遊技とは異なる有利な特定遊技、例えば確率変動遊技の実行を制御する。特定遊技制御手段250における特定遊技実行手段251は、第1抽選手段212による抽選結果に基づいて、特別図柄の確率変動遊技を実行する。例えば、特別図柄が奇数であるときに、特別遊技の終了後、特別図柄の確率変動遊技が実行される。なお、特別図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。
また、特定遊技制御手段250は、抽選の結果、当該大当たりが確率変動モードの付随した大当たりである場合には、特別遊技の実行中において演出制御手段270に液晶駆動機構70および左右の可動演出装置80,90を作動させる契機となる指令を演出制御手段270に出力し、液晶駆動機構70および可動演出装置80,90を作動させる。これにより、可動演出装置80,90の立体構造物81,91とともに、左右の分割盤部150が回動された結果、貯留装置40の払出口43から払い出される遊技球がワープ通路151に流下するようにワープルート導入口144が開放される。
以上のように構成されるパチンコ機PMにおいて、打球発射装置(図示しない)により打ち出された遊技球は、第1遊技盤10における第1遊技領域PAの左方に形成された発射通路を通過して第1遊技領域PA内(第1遊技領域PAの上部)に導かれ、遊技球が第1遊技領域PAを転がり落ちることによりパチンコゲームが展開される。
第1遊技領域PAを転がり落ちる遊技球が始動入賞装置16に入賞(入球)すると、第1抽選手段212により所定の抽選ソフトウェアを利用した特別図柄抽選が行われ、特別図柄表示装置69および液晶表示装置60において特別図柄および装飾図柄が所定時間だけ変動表示される。このとき、液晶表示装置60の画面において、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した3列の装飾図柄のうち2列の図柄が揃った、いわゆるリーチ状態に発展したような場合には、この液晶表示装置60の画面63に表示される演出画像に関連させて、演出制御手段270により、液晶駆動機構70を作動させ液晶表示装置60を前後移動させたり、液晶表示装置60の前後移動等に伴って可動演出装置80,90,100,110を適時作動させる制御が行われる。
ここで、液晶表示装置60および可動演出装置80,90,100,110の作動の一例を示す模式図である図24を追加参照しながら説明する。まず、図24(A)では、液晶表示装置60が前端位置に位置するとともに、各立体構造物81,82,91,92,105,111L,111Rがそれぞれの初期位置に位置している状態を示している。そして、図24(B)に示すように、(液晶駆動機構70を作動させ)液晶表示装置60を後方向に移動させるとともに、液晶表示装置60の後退移動に沿うようにして立体構造物81,82,91,92を回動させることによって、液晶表示装置60の画面63が深淵性をもち、画面63に対する奥行き感を向上させ立体感のある演出が可能となる。
また、このとき、液晶表示装置60の後退移動によってそれまで液晶表示装置60のほぼ直下位置に位置していた立体構造物105を上下方向に揺動させるとともに、立体構造物111L,111Rを回動させることにより、画面63の前方に立体構造物105,111L,111Rが突如出現するようなインパクトの強い演出を行うことができる。
反対に、立体構造物105,111L,111Rをそれぞれの初期位置に戻した後で、図24(A)に示すように、液晶表示装置60を前方向に移動させるとともに、液晶表示装置60の前進移動に沿うようにして立体構造物81,82,91,92を回動させることによって、液晶表示装置60の画面63が前面に迫ってくるような印象を醸し出し、迫力のある演出が可能となる。また、このような液晶表示装置60の前方向への移動と後方向への移動とを繰り返し行って前後方向へ往復移動することにより、より奥行きのある立体感を遊技者に実感させることができる。
一方、図24(C)に示すように、液晶表示装置60の左端部を中心として液晶表示装置60を時計回りに回動させることにより、液晶表示装置60の左右での奥行き感を異ならしめる印象を遊技者に付与することができる。
このように、液晶表示装置60の画面表示や前後移動と立体構造物の動作とを融合させて、遊技演出における両者の一体感や、遊技演出における立体感を向上させることで、遊技者の遊技意欲を喚起するような遊技演出を実現することができる。
そして、抽選におけるリーチ状態を経て、特別図柄表示装置69における変動停止時の特別図柄が大当たりを示す図柄である場合、特別遊技に移行する。なお、特別図柄が大当たりの図柄で停止するとき、液晶表示装置60の画面63には、前述の装飾図柄が3つの図柄を一致させるような表示態様を有して表示される。
特別遊技においては、大入賞装置21の作動により大入賞口22が開放される。そして、大入賞口22が約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が大入賞口22を通過して大入賞装置21に入賞した後、大入賞口22が一旦閉塞され、このような開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
このとき大入賞装置21に入球した遊技球は、第1遊技盤10の球通路20を介して貯留装置40に導かれ、貯留タンク41内に導入されていく。そして、特別遊技の実行中においては、貯留装置40の払出口43から回転体47によって遊技球が1球ずつ分割盤部140の案内通路141へ払い出され、第1通路部142を転動した遊技球は第2通路部143から分割盤部150における多数の遊技釘154が配置された領域159に流下する。多数の遊技釘154に弾かれながら流下した遊技球は、そのまま下方に落下してアウト球として処理されたり、分割盤部160における下方一列に並ぶ遊技釘163に導かれ低い確率で入球具161に落入する。なお、このように、大入賞装置21に取り込まれ賞球のために大入賞検出センサ27によって検出された遊技球(いわゆる死球)を貯留装置40を介して第2遊技領域PSに投入することができるため、このいわゆる死球を第2遊技領域PSにおける遊技に再活用することが可能となる。
また、特別遊技の実行中における所定の契機においては、貯留装置40の中央排出口42を開放状態にすることで、貯留タンク41内に貯留された多数の遊技球を一気に中央排出口42から払い出させる迫力ある演出を行うことができる。中央排出口42から払い出された多数の遊技球は液晶表示装置60における画面63の前方側を通過して入球具161の近傍に落下移動(自由落下)し、低い確率ではあるが一部の遊技球が入球具161に落入するようになっている。
一方、抽選の結果、当該大当たりが確率変動モードが付随した大当たりである場合には、特別遊技実行中において、第1および第2可動演出装置80,90における立体構造物81,91を回動させる制御が行われ、左右の分割盤部150が立体構造物81,91とともに回動することにより、案内通路141に形成されたワープルート導入口144が開口される。これにより、貯留装置40の払出口43から払出される遊技球は、第1通路部142の途中においてワープルート導入口144を通過して、分割盤部150のワープ通路151内に流下することとなる。
そして、ワープ通路151内を通って下側の分割盤部160に導かれた遊技球は、上方一列に並ぶ遊技釘162によって入球具161の近傍まで誘導され、高い確率でこの入球具161に落入するようになっている。このように、貯留装置40から払い出される遊技球が入球具161に高い確率で入球するのを遊技者が視認することで、特別遊技実行後に行われる遊技が確率変動遊技であること(すなわち、確率状態が変更されたこと)が遊技者に対して遊技演出の一部として示唆される。このため、特別遊技時において、当該大当たりが確率変動モードの付随した大当たりであるのか否かに対する遊技者の期待感を高める形で視覚的に訴えることができる。また。遊技者は、固定されている遊技盤だと認識していた第2遊技盤130において、その一部の分割盤部150が突如回動する動作を行うことで驚きとともに、新奇なタイプの遊技領域を実感することができる。
このように遊技者は、貯留装置40から1球ずつ払い出される遊技球が分割盤部150の回動に伴って案内通路141において進路を振り分けられる際の転動軌跡に注目したり、貯留装置40から一気に多数の遊技球が払い出され画面63の前方を自由落下する軌跡を注目したりすることで、貯留装置40から払い出された遊技球が入球具161に入球する状況を期待感をもって注視しつつ、遊技球の動きを大当たり抽選結果を示唆するための演出の一部として十分に満喫することが可能になり、遊技者の遊技意欲をより喚起するような高い遊技性を実現することができる。
なお、上述の実施形態において、装飾図柄等を表示する画像表示装置は液晶表示パネル62等からなる液晶表示装置60により構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、プラズマディスプレイやブラウン管などからなる画像表示装置を用いて構成されてもよい。
また、上述の実施形態において、遊技領域を有する遊技盤10,130は、ともにその基板全体が透明な樹脂材料を用いて形成されているが、これに限定されるものではなく、遊技球の転動する遊技領域や、液晶表示装置60の画面63、可動演出装置80,90,100,110における立体構造物が視認可能な対応する部分のみを透明な材質で形成してもよい。
さらに、上述の実施形態において、可動演出装置80,90,100,110の立体構造物は、遊技演出装置50における開口部56の左右側部および下縁部に配置され構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、開口部56の上縁部に水平方向(左右方向)に延びる回動軸を中心に回動可能な電飾看板等を、可動演出装置の立体構造物として設けて構成されてもよい。
また、上述の実施形態において、第2遊技盤130における複数(4つ)の分割盤部においては、左右の分割盤部150,150のみが回動するように構成されているが、これに限定されるものではなく、上下の分割盤部140,160についても移動可能に構成し、これらの移動位置に応じて貯留装置40から投入される遊技球の経路を振り分けるように構成されてもよい。例えば、入球具161が配置された下側の分割盤部160を前後移動可能に構成することで、分割盤部160へ流下する遊技球を入球具161に落入しやすくしたり、反対に落入しづらくしたりしてもよい。なお、第2遊技領域PSを複数の領域に分割する該複数の分割盤部は、本実施例では4分割に基づいて構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、2分割、3分割、5分割などに基づいて構成されてもよい。
さらに、上述の実施形態において、第2遊技盤130における左右の分割盤部150,150は、第1抽選手段212での抽選結果による当該大当たりが確率変動モードの付随した大当たりであるか否かに基づいて、演出制御手段270により(遊技球の経路を変更するように)回動制御されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、当該大当たりが時間短縮モードの付随した大当たりであるか否か、あるいは、所定の乱数等から抽選によって大当たりが当選する見かけ上の確率(すなわち、大当たりの抽選結果に関する大当たり当選確率を示す信頼度)等に基づいて、分割盤部150,150を回動制御するように構成されてもよい。また、液晶表示装置60の画面63に変動表示される装飾図柄(変動パターン)において、3列の図柄のうち2列の図柄が揃ったいわゆるリーチ状態の演出表示から、(大当たりする確率が高い)いわゆるスーパーリーチ態様の演出表示に発展した場合等に、画面63におけるスーパーリーチ発生の演出とともに、分割盤部150,150を回動制御するように構成されてもよい。なお、このような構成の場合には、第2遊技領域PS内に投入された遊技球が入球具161に落入する契機に基づき、大当たり抽選確率を示す信頼度の程度に応じて、液晶表示装置60における画面63の表示内容を切り換えたり、LED照明部181〜184等の照明装置を発光駆動させたり、図示しない放音装置を放音駆動させて、大当たり抽選に対して遊技者の期待感を高めるような(視覚や聴覚に訴える)演出を行うことが好ましい。例えば、信頼度が高い場合には、濃厚な演出(熱い演出)をし、一方、信頼度が低い場合には、淡白な演出をするようにして、遊技者の期待感を効果的に盛り上げるのが望ましい。