本発明の第1実施形態に係る遊技機について説明する。
なお、遊技機として、パチンコ機を一例に挙げて、以下に説明する。また、本明細書では、「上側」、「下側」、「右側」及び「左側」は、パチンコ機を置いてこれに向かい合う遊技者(パチンコ機で遊技をしている遊技者)を基準とした方向を意味するものである。すなわち、「上側」とは、パチンコ機と対面する遊技者から見て上側を意味し、「下側」とは、パチンコ機と対面する遊技者から見て下側を意味し、「右側」とは、パチンコ機と対面する遊技者から見て右側を意味し、「左側」とは、パチンコ機と対面する遊技者から見て左側を意味する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、主として、始動口56Bと、センター役物64と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
センター役物64は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、演出図柄表示装置(図柄表示装置)62と、ランプ類66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、図5及び図6に示すように、発光ダイオードからなる多数のドットマトリックス表示素子200を縦横に配列した基板202と、ドットマトリックス表示素子200にそれぞれ対応する多数の桝目204が区画形成された格子状の枠体206と、枠体206の前面側に貼り付けられた光拡散シート208と、で構成された表示部198を有している。なお、光拡散シート208は、特別図柄の演出図柄(後述)を表示する表示部198の表示面62Aとして機能している。そして、枠体206の桝目204にそれぞれ収められたドットマトリックス表示素子200の所定のドット数の発光により、所定の数字、文字、図柄などからなる特別図柄の演出図柄(後述)が表示可能となっている。なお、ドットマトリックス表示素子200の発光により実現する演出図柄の表示は、2色で実現される。また、表示面62Aの左側に位置する複数のドットマトリックス表示素子200で左演出図柄表示領域S1(図10参照)を構成し、表示面62Aの中央側に位置する複数のドットマトリックス表示素子200で中央演出図柄表示領域S2(図10参照)を構成し、表示面62Aの右側に位置する複数のドットマトリックス表示素子200で右演出図柄表示領域S3(図10参照)を構成するように設定されている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御される。演出図柄表示装置62の表示部198の表示面62A上には、上述したように、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域S1、S2、S3(図10参照)が形成されている。すなわち、左演出図柄(左側に位置する特別図柄の演出図柄)を表示する左演出図柄表示領域S1、中央演出図柄(中央側に位置する特別図柄の演出図柄)を表示する中央演出図柄表示領域S2、及び右演出図柄(右側に位置する特別図柄の演出図柄)を表示する右演出図柄表示領域S3が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域S1、S2、S3は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、上下方向(上側から下側)に複数の演出図柄が順次表示されていく。このように、本実施形態では、表示面62Aには、表示面62Aの左右方向にわたって3桁(複数)の特別図柄の演出図柄がそれぞれ上側から下側にスクロールするかのように表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面62Aの各演出図柄表示領域S1、S2、S3に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、特別図柄の演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
ここで、図2、図7、図8、図9及び図10に示すように、表示部198の表示面62Aを構成する光拡散シート208の表面上側の部位には、導光部材210A、210B、210Cが光拡散シート208の左右方向にわたって3個並んで配置されている。各導光部材210A、210B、210Cは、3個の特別図柄の演出図柄に対応するものであり、各導光部材210A、210B、210Cは、それぞれ対応する特別図柄の演出図柄(特に、表示面62Aの上側から中央側にスクロール表示されていく最中の特別図柄の演出図柄)を形成する一部の光を表示面62A(光拡散シート208)の前方側(遊技者側)に導き通す。光拡散シート208の左右方向にわたって隣接している各導光部材210A、210B、210Cの間には、黒色の仕切り部材212が配置されている。各仕切り部材212は、ドットマトリックス表示素子200の前方側に位置する部位から避けるように(ドットマトリックス表示素子200が対応しない位置に)配置されており、かつドットマトリックス表示素子200の光が透過しないようになっている。このため、各仕切り部材212からドットマトリックス表示素子200の光が透過して遊技者に視認されることはない。
表示部198の表示面62Aを構成する光拡散シート208の表面下側の部位には、導光部材214A、214B、214Cが光拡散シート208の左右方向にわたって3個並んで配置されている。各導光部材214A、214B、214Cは、3個の特別図柄の演出図柄に対応するものであり、各導光部材214A、214B、214Cは、それぞれ対応する特別図柄の演出図柄(特に、表示面62Aの中央側から下側にスクロール表示されていく最中の特別図柄の演出図柄)を形成する一部の光を表示面62A(光拡散シート208)の前方側(遊技者側)に導き通す。光拡散シート208の左右方向にわたって隣接している各導光部材214A、214B、214Cの間には、黒色の仕切り部材216が配置されている。各仕切り部材216は、ドットマトリックス表示素子200の前方側に位置する部位から避けるように(ドットマトリックス表示素子200が対応しない位置に)配置されており、かつドットマトリックス表示素子200の光が透過しないようになっている。このため、各仕切り部材216からドットマトリックス表示素子200の光が透過して遊技者に視認されることはない。
なお、表示面62Aの上側の左側に位置する導光部材210Aと下側の左側に位置する導光部材214Aとは対応しており、両方の導光部材210A、214Aの間を、表示面62Aの左演出図柄表示領域S1に表示される左演出図柄に対応する特別図柄の演出図柄が上側から下側に向ってスクロール表示する。また、上側の中央側に位置する導光部材210Bと下側の中央側に位置する導光部材214Bとは対応しており、両方の導光部材210B、214Bの間を、表示面62Aの中央演出図柄表示領域S2に表示される中央演出図柄に対応する特別図柄の演出図柄が上側から下側に向ってスクロール表示する。さらに、上側の右側に位置する導光部材210Cと下側の右側に位置する導光部材214Cとは対応しており、両方の導光部材210C、214Cの間を、表示面62Aの右演出図柄表示領域S3に表示される右演出図柄に対応する特別図柄の演出図柄が上側から下側に向ってスクロール表示する。
全ての導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cは、表示部198の表示面62Aの領域の内側に配置されている。このため、全ての導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cが表示部198の表示面62Aの領域の外側に突出している構成ではないので、表示面62Aの領域の外側に、各導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cを設置するスペースを確保する必要がない。このため、表示部198及び演出図柄表示装置62を大型化することがなく、各導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cを設置したことにより、遊技領域28が実質的に狭くなることを防止できる。
次に、導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cの構成について詳細に説明する。先ず、上側に位置する導光部材210A、210B、210Cのうち、中央側に位置する導光部材210Bを一例に挙げて説明する。また、続いて、下側に位置する導光部材214A、214B、214Cのうち、導光部材214Bを一例に挙げて説明する。
図7に示すように、上側に配置された導光部材210Bは、6側面を有する略平板状で、かつ無色あるいは有色の透明の樹脂(本実施形態では、白色で透明の樹脂)で構成されている。導光部材210Bの表面(底面以外の他の5側面)には、複数の溝部218、226(拡散部)が導光部材210Bの幅方向にわたって連続して形成されており、導光部材210Bは、全体として波板形状となるように構成されている。このため、導光部材210Bの表面には、各溝部218、226を構成する2つの傾斜面220、228(V字傾斜面)が形成され、表面積が大きくなる。導光部材210Bの底面は、溝部が形成されておらず、平面状になっており、表示面62Aと面接触可能となっている。なお、導光部材210Bの底面が表示面62Aと接触している構成であると、表示面62Aから出射した光が導光部材210Bに入射し易くなるため、好ましいが、僅かに離間していてもよい。
上側に配置された導光部材210Bの正面側に位置する一側面222に形成された溝部218の形成方向(延在方向(溝部218が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て上下方向(表示面62Aの面方向、図10中矢印X方向)となるように設定されている。このため、導光部材210Bの正面側の一側面222には、上下方向に延びた複数の溝部218が左右方向(図10中矢印Y方向)にわたって連続して形成されている。また、導光部材210Bの正面側の一側面222に形成された各溝部218は、1つの溝底部218Aと、2つの傾斜面220である溝壁面218Bと、で構成されている。
なお、導光部材210Bの正面側に位置する一側面222に形成された「溝部218」という表現に替えて、「山部」と表現することもできる。すなわち、導光部材210Bの正面側に位置する一側面222に形成された山部の形成方向(延在方向(山部が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て上下方向(表示面62Aの面方向)となるように設定されている。このため、導光部材210Bの正面側の一側面222には、上下方向に延びた複数の山部が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材210Bの正面側の一側面222に形成された各山部は、1つの山頂部と、2つの山側面と、で構成されている。
また、上側に配置された導光部材210Bの傾斜している一側面224(後述)の溝部226の形成方向(延在方向(溝部226が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交方向)となるように設定されている。このため、導光部材210Bの傾斜している一側面224には、奥行き方向に延びた複数の溝部226が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材210Bの傾斜している一側面224に形成された各溝部226は、1つの溝底部226Aと、2つの傾斜面228である溝壁面226B、226Bと、で構成されている。
なお、導光部材210Bの傾斜している一側面224に形成された「溝部226」という表現に替えて、「山部」と表現することもできる。すなわち、導光部材210Bの傾斜している一側面224に形成された山部の形成方向(延在方向(山部が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交方向)となるように設定されている。このため、導光部材210Bの傾斜している一側面224には、奥行き方向に延びた複数の山部が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材210Bの傾斜している一側面224に形成された各山部は、1つの山頂部と、2つの山側面と、で構成されている。
以上のように、上側に配置された導光部材210Bの表面には、複数の溝部218、226(山部)が形成されており、溝部218、226(山部)が形成されていない構成と比較して、導光部材210Bの表面積が格段に大きくなっている。
ここで、図9に示すように、導光部材210Bの傾斜している一側面224は、表示面62Aに対して直交するのではなく、所定の角度α(鋭角)で傾斜するように設定されている。すなわち、導光部材210Bを表示面62A上に配置したときに、導光部材210Bの傾斜している一側面224が下側から上側に向って上り傾斜した状態になっており、導光部材210Bの傾斜している一側面224が遊技している遊技者に視認可能となる。詳細には、上側の導光部材210Bの一側面224が表示面62Aに対して直交していれば、上側の導光部材210Bの位置がパチンコ機10と対面する遊技者の目線と略一致するため、遊技している遊技者にとっては、導光部材210Bの一側面がほとんど視認できないが、導光部材210Bの一側面224が表示面62Aに対して所定の角度αで傾斜する構成では、導光部材210Bの一側面224を容易に視認することができる。
導光部材210Bの傾斜している一側面224の表示面62Aに対する傾斜角度αは、80度以上85度以下(換言すれば、表示面62Aに直交する垂線を基準とした場合の傾斜角度が5度以上10度以下)が好ましい。導光部材210Bの一側面224の表示面62Aに対する傾斜角度80度未満であれば、表示部198における特別図柄の演出図柄が変動表示するための各演出図柄表示領域S1、S2、S3の面積が小さくなって不適であり、導光部材210Bの一側面224の表示面62Aに対する傾斜角度80度よりも大きければ、遊技している遊技者が導光部材210Bの一側面224を視認し難くなって不適である。
なお、上側に位置する他の導光部材210A、210Cは、上記導光部材210Bと同様の構成を有しているので、説明を省略する。
図8に示すように、下側に配置された導光部材214Bは、6側面を有する略平板状で、かつ無色あるいは有色の透明の樹脂(本実施形態では、白色で透明の樹脂)で構成されている。導光部材214Bの表面(底面以外の他の5側面)には、複数の溝部230、238(拡散部)が導光部材214Bの幅方向にわたって連続して形成されており、導光部材214Bは、全体として波板形状となるように構成されている。このため、導光部材214Bの表面には、各溝部230、238を構成する2つの傾斜面232、240(V字傾斜面)が形成され、表面積が大きくなる。導光部材214Bの底面は、溝部が形成されておらず、平面状になっており、表示面62Aと面接触可能となっている。なお、導光部材214Bの底面が表示面62Aと接触している構成であると、表示面62Aから出射した光が導光部材214Bに入射し易くなるため、好ましいが、僅かに離間していてもよい。
下側に配置された導光部材214Bの正面側に位置する一側面234に形成された溝部230の形成方向(延在方向(溝部230が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て上下方向(表示面62Aの面方向)となるように設定されている。このため、導光部材214Bの正面側の一側面234には、上下方向に延びた複数の溝部230が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材214Bの正面側の一側面234に形成された各溝部230は、1つの溝底部230Aと、2つの傾斜面232である溝壁面230Bと、で構成されている。
なお、導光部材214Bの正面側に位置する一側面234に形成された「溝部230」という表現に替えて、「山部」と表現することもできる。すなわち、導光部材214Bの正面側に位置する一側面234に形成された山部の形成方向(延在方向(山部が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て上下方向(表示面62Aの面方向)となるように設定されている。このため、導光部材214Bの正面側の一側面234には、上下方向に延びた複数の山部が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材214Bの正面側の一側面234に形成された各山部は、1つの山頂部と、2つの山側面と、で構成されている。
また、下側に配置された導光部材214Bの表示面62Aに対して直交している一側面236(後述)の溝部238の形成方向(延在方向(溝部238が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交方向)となるように設定されている。このため、導光部材214Bの表示面62Aに対して直交している一側面236には、奥行き方向に延びた複数の溝部238が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材214Bの一側面236に形成された各溝部238は、1つの溝底部238Aと、2つの傾斜面240である溝壁面238Bと、で構成されている。
なお、導光部材214Bの表示面62Aに対して直交している一側面236に形成された「溝部238」という表現に替えて、「山部」と表現することもできる。すなわち、導光部材214Bの表示面62Aに対して直交している一側面236に形成された山部の形成方向(延在方向(山部が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交する方向)となるように設定されている。このため、導光部材214Bの一側面236には、奥行き方向に延びた複数の山部が左右方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材214Bの表示面62Aに対して直交している一側面236に形成された各山部は、1つの山頂部と、2つの山側面と、で構成されている。
以上のように、下側に配置された導光部材214Bの表面には、複数の溝部230、238(山部)が形成されており、溝部230、238(山部)が形成されていない構成と比較して、導光部材214Bの表面積が格段に大きくなっている。
ここで、図9に示すように、導光部材214Bの一側面236は、表示面62Aに対して直交するように設定されている。詳細には、下側の導光部材214Bの一側面236が表示面62Aに対して直交している構成でも、下側の導光部材214Bの一側面236がパチンコ機10と対面する遊技者の目線よりも下側に位置することになるため、遊技している遊技者にとっては、遊技している状態(姿勢)で、導光部材214Bの一側面236をそのまま視認することができる。このように、上側の導光部材210Bと下側の導光部材214Bとは、設置された位置(高さ)が異なるため、遊技している遊技者の目線の位置との関係で、視認可能か否かがわかれてしまう。そして、遊技している遊技者の目線の高さと一致する上側の導光部材210Bの一側面224を傾斜させて、その一側面224を遊技している遊技者に視認させることにより、導光部材210Bで導光した光の全てを遊技している遊技者に視認させることができる。また、遊技している遊技者の目線と異なる高さ位置に配置された下側の導光部材214Bの一側面236を表示面62Aに対して直交させることにより、表示面62Aにおける各演出図柄表示領域S1、S2、S3の面積を犠牲にすることがないため、特別図柄の演出図柄を大きく表示させることができる。
なお、上側の導光部材210Bの一側面224の傾斜角度αの設定は、上側の導光部材210Bの一側面224を表示面62Aに対して鋭角に傾斜させ、下側の導光部材214Bの一側面236を表示面62Aに対して直交するような設定に限られるものではなく、遊技している遊技者の目線と導光部材との位置関係で決定される。具体的には、遊技している遊技者の目線と同じ高さにある導光部材の一側面を表示面62Aに対して鋭角に傾斜させてその傾斜面を遊技している遊技者に視認可能となるようにし、遊技している遊技者の目線と異なる高さにある導光部材の一側面を表示面62Aに対して直交させるような設定が好ましい。これにより、表示面62Aにおける各演出図柄表示領域S1、S2、S3の面積を確保することができるとともに、導光部材に光を効率良く導光させることができる。
図2に示すように、センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(識別図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
センター役物64の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、識別図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、及び遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、識別図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、識別図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される特別図柄の演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。特に、本実施形態では、演出図柄表示装置62で特別図柄の演出図柄を変動表示及び停止表示させるために、演出表示基板110により発光制御されるドットマトリックス表示素子200の発光パターンがデータとして記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて各種LED・ランプ172(66)の発光制御を実行し、遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ類66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、本発明の第1実施形態のパチンコ機10の作用及び効果について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ機10の既存の構成及び制御工程の説明は、従来のパチンコ機と同様であるため省略し、本発明が実施形態に具現化された構成の作用及び効果について詳細に説明する。
また、以下の作用及び構成では、表示面62Aの左演出図柄表示領域S1、中央演出図柄表示領域S2、右演出図柄表示領域S3のうち、先ず、左演出図柄表示領域S1のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、次に、右演出図柄表示領域S3のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、最後に、中央演出図柄表示領域S2のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示される態様を例に挙げて説明する。しかしながら、特別図柄の演出図柄が確定停止表示される順番は、これに限られるものではなく、例えば、先ず、左演出図柄表示領域S1のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、次に、中央演出図柄表示領域S2のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、最後に、右演出図柄表示領域S3のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示される態様など、他の態様でもよい。
図10に示すように、演出図柄表示装置62を構成する表示部198の表示面62Aには、各演出図柄表示領域S1、S2、S3に位置する特別図柄の演出図柄が上側から下側に向かってスクロール表示される。この演出図柄は、演出表示基板110により発光制御を受けたドットマトリックス表示素子200の発光により実現される。このため、表示面62Aには、遊技者から見て左右方向にわたって3つの演出図柄表示領域S1、S2、S3が形成されているため、3種類の特別図柄の演出図柄が表示演出されることになる。
ここで、例えば、図11に示すように、左演出図柄表示領域S1及び右演出図柄表示領域S3に位置する特別図柄の演出図柄がすでに確定停止表示された状態で、中央演出図柄表示領域S2に位置する特別図柄の演出図柄が確定停止表示されるときに焦点をあてて説明する。
図12及び図13に示すように、中央演出図柄表示領域S2に位置する特別図柄の演出図柄が表示面62Aの上側から表示面62Aの中央に向かってスクール表示されるときには、所定のタイミングで、中央演出図柄表示領域S2上に配置された上側の導光部材210Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200が発光する。
このとき、図7、図8及び図9に示すように、特別図柄の演出図柄の一部を表現するドットマトリックス表示素子200から出射された光は、導光部材210Bの底面から導光部材210Bの内部に所定の屈折角度で入射する。導光部材210Bの内部に入射した光は、導光部材210Bの内部で拡散しながら進み、やがて周囲の溝部218、226の溝壁面218B、226Bなどから出射して遊技者側に進む。導光部材210Bの表面には、上述した通り、傾斜した複数の溝部218、226が形成されているため、光がこれらの溝壁面218B、226Bからあらゆる方向に放射される。このため、特別図柄の演出図柄の一部の表示態様が大きく異なるものになるため、遊技者は、特別図柄の演出図柄と認識しながらも、特別図柄の演出図柄の特別な演出であると視認する。特に、特別図柄の演出図柄の一部の表示態様を導光部材210Bを通して特殊な表示態様にすることにより、今までのパチンコ機にはない斬新で面白い演出と認識することになるため、遊技を新鮮なものにすることができるとともに、遊技性を高めることができる。
ここで、上側の導光部材210Bの一側面224は、上述した通り、表示面62Aに対して傾斜しているため、導光部材210Bの傾斜した一側面224が、遊技最中の遊技者から視認可能になる。これにより、導光部材210Bの傾斜した一側面224の溝部226(溝壁面226B)から出射した光も遊技者に視認されることになり、特別図柄の演出図柄の表示態様を斬新かつ複雑なものにしている。このように、上側の導光部材210Bの正面側の一側面222だけではなく、傾斜した一側面224から出射した光も、相乗効果的に、特別図柄の演出図柄の表示態様を構成して、斬新かつ複雑な演出に寄与することになる。
特に、上側の導光部材210Bの正面側の一側面222に形成された溝部218が上下方向に延びており、溝部218を構成する溝壁面218Bが左右方向(図10中矢印Y方向)に向って開くように傾斜しているため、この溝部218の溝壁面218Bから外部に出射した光は、左右方向に大きく拡散する。これにより、特別図柄の演出図柄の一部を構成する光が導光部材210Bを透過すると、特別図柄の演出図柄の一部が左右方向に大きく膨張する。また、上側の導光部材210Bの傾斜している一側面224に形成された溝部226の溝壁面226Bも、左右方向に開いた状態になっているため、上側の導光部材210Bの傾斜している一側面224から外部に出射した光も左右方向に大きく拡散する。これにより、特別図柄の演出図柄の一部を構成する光が導光部材210Bを透過すると、特別図柄の演出図柄の一部が左右方向に大きく膨張するような表現を実現できる。上側の導光部材210Bの2つの一側面222、224から出射された光の相乗効果により、特別図柄の演出図柄の一部を特殊な演出に変えることができる。
ここで、上側の導光部材210Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材210Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)によって、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度も異なるものになる。詳細には、上側の導光部材210Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材210Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が大きく(多く)なれば、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度が大きくなり、また、上側の導光部材210Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材210Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が小さく(少なく)なれば、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度が小さくなる。
次に、図14に示すように、中央演出図柄表示領域S2の中央に確定停止表示されていた特別図柄の演出図柄が表示面62Aの中央から下側に向かってスクロール表示されていき、やがて表示面62Aから消滅するときにも、同様のことがいえる。
すなわち、図15及び図16に示すように、中央演出図柄表示領域S2の中央に確定停止表示されていた特別図柄の演出図柄が表示面62Aの中央から下側に向かってスクロール表示されていくと、特別図柄の演出図柄の全体が時差的に下側の導光部材214Bの底面側を通過する。このような場合でも、特別図柄の演出図柄は、中央側から下側の方向に直線上に移動していくかのように見えるが、導光部材214Bの底面側を時差的に通過する特別図柄の演出図柄の一部の構成(例えば、演出図柄の左右方向の幅寸法や演出図柄の形状など)の違いにより、導光部材214Bを通過した光の溝部230、238の溝壁面230B、238Bの個数(溝部230、238の表面積の総和)が変化する。この結果、導光部材214Bから出射した光の拡散度(発散度)が大きくなるため、導光部材214Bを介して表示した特別図柄の演出図柄の表示態様が大きく異なり、特別図柄の演出図柄の演出を一層斬新で複雑な表示態様にすることができる。なお、下側の導光部材214Bの底面側を時差的に通過する特別図柄の演出図柄は、あくまでも遊技者から見た現象面を説明しており、実際には、下側の導光部材214Bの底面側に配置されたドットマトリックス表示素子200が所定の発光パターンによって時差的に発光しているに過ぎない。
特に、下側の導光部材214Bの正面側の一側面234の溝部230と表示面62Aに直交する一側面236の溝部238とから光が同時に出射されるため、これらが遊技中の遊技者に視認されることになる。このように、上側の導光部材210Bの正面側の一側面234だけではなく、垂直の一側面236から出射した光も、相乗効果的に、特別図柄の演出図柄の表示態様を構成して、斬新かつ複雑な演出に寄与することになる。
また、下側の導光部材214Bの正面側の一側面234に形成された溝部238が上下方向に延びており、溝部238を構成する溝壁面238Bが左右方向(図10中矢印Y方向)に向って開くように傾斜しているため、この溝部238の溝壁面238Bから外部に出射した光は、左右方向に大きく拡散する。これにより、特別図柄の演出図柄の一部を構成する光が導光部材214Bを透過すると、特別図柄の演出図柄の一部が左右方向に大きく膨張する。また、下側の導光部材214Bの表示面62Aに対して直交する一側面236に形成された溝部238の溝壁面238Bも、左右方向に開いた状態になっているため、下側の導光部材214Bの一側面236から外部に出射した光も左右方向に大きく拡散する。これにより、特別図柄の演出図柄の一部を構成する光が導光部材214Bを透過すると、特別図柄の演出図柄の一部が左右方向に大きく膨張するような表現を実現できる。下側の導光部材214Bの2つの一側面234、236から出射された光の相乗効果により、特別図柄の演出図柄の一部を特殊な演出に変えることができる。
ここで、下側の導光部材214Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材214Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)によって、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度も異なるものになる。詳細には、下側の導光部材214Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材214Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が大きく(多く)なれば、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度が大きくなり、また、下側の導光部材214Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材214Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が小さく(少なく)なれば、特別図柄の演出図柄の左右方向への膨張度が小さくなる。
以上のように、上下方向にスクロール表示された特別図柄の演出図柄が上側の導光部材210Bの底面側と下側の導光部材214Bの底面側を通過するかのように、複数のドットマトリックス表示素子200が所定の発光パターンによって発光すると、各導光部材210B、24Bを透過して構成される特別図柄の演出図柄の一部の表示演出は、スクロール表示の方向に対して略直交する方向(上下方向のスクロール表示に対しては左右方向)に沿って時差的に変化することになる。具体的には、各導光部材210B、24Bを通過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積の大小によって、各導光部材210B、24Bを介して視認できる特別図柄の演出図柄の一部の表示態様が、スクロール表示の方向に対して略直交する方向(上下方向のスクロール表示に対しては左右方向)に沿って大きく膨張したり、あるいは縮んだりする。これにより、遊技者には特別図柄の演出図柄の演出が斬新な演出に写ることになるため、遊技性を一層高めるための特別図柄の演出図柄の演出を提供することができる。
さらに、左右方向に隣接する各導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cの間には、黒色の仕切り部材212、216が設けられており、この仕切り部材212、216には、ドットマトリックス表示素子200の光が透過しない。このため、仕切り部材212、216により各演出図柄表示領域S1、S2、S3ごとに明確に区画する(縁切りする)ことができ、各導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cと各演出図柄表示領域S1、S2、S3との対応関係を明確にさせることができる。これにより、各演出図柄表示領域S1、S2、S3ごとの導光部材210A、210B、210C、214A、214B、214Cによる、特別図柄の演出図柄の演出態様を明確に区画することができるため、各演出図柄表示領域S1、S2、S3ごとの特別図柄の演出図柄の演出を際立たせることができ、遊技性を一層高めることができる。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の変形例について説明する。
なお、以下の作用及び構成では、表示部198、上表示部242及び下表示部244(図17参照)の中央演出図柄表示領域S2を変動表示する特別図柄の演出図柄の演出パターンを例に挙げて説明する。
本変形例は、演出図柄表示装置62の内部に、所定のスペースが存在すれば、このスペースを利用して表示部198を延長する構成である(表示部198を大型化する構成である)。
具体的には、図17に示すように、表示部198の上方にスペースがある場合には、表示部198の上方に上表示部242を配置する。なお、上表示部242は、表示部198と一体的に構成されていてもよく、また、表示部198とは別個独立して構成されていてもよい。換言すれば、上表示部242と表示部198とが一体的に構成されていれば、上側の導光部材210A、210B、210Cを表示部198の中央寄りに配置させることにより容易に設計することができる。また、表示部198の下方にスペースがある場合には、表示部198の下方に下表示部244を配置する。下表示部244は、表示部198と一体的に構成されていてもよく、また、表示部198とは別個独立して構成されていてもよい。換言すれば、下表示部244と表示部198とが一体的に構成されていれば、下側の導光部材214A、214B、214Cを表示部198の中央寄りに配置させることにより容易に設計することができる。このように、特別図柄の演出図柄が表示部198の上下方向にスクロール表示される構成では、表示部198の上側のスペースに上表示部242を設け、表示部198の下側のスペースに下表示部244を設けることが好ましい。なお、この場合、上表示部242及び下表示部244は、露出しており、遊技者に視認可能となるように設定してもよいし、また、装飾役物などの飾りで覆われていて遊技者から視認不可能となるように構成してもよい。
また、上表示部242及び下表示部244の構成は、表示部198の構成と同様であり、図6に示すような、発光ダイオードからなる多数のドットマトリックス表示素子200を縦横に配列した基板202と、ドットマトリックス表示素子200にそれぞれ対応する多数の桝目204が区画形成された格子状の枠体206と、枠体206の前面側に貼り付けられた光拡散シート208と、で構成されている。
このように、上表示部244を設けることにより、特別図柄の演出図柄の全体が時差的に上側の導光部材210Bの底面側を通過するかのようにスクロール表示する。詳細には、図18及び図19に示すように、先ず、上表示部242のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、上表示部242の中央演出図柄表示領域S2に特別図柄の演出図柄が表示される。なお、上表示部242が露出していないため、上表示部242で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認不可能になっている。また、上表示部242が露出している構成では、上表示部242で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になる。
次に、図20に示すように、上表示部242のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、上表示部242の中央演出図柄表示領域S2に表示された特別図柄の演出図柄が下方に移動する。このとき、上表示部242の中央演出図柄表示領域S2を下方向に移動した特別図柄の演出図柄の下部の一部の光が上側の導光部材210Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の下部の一部の光が導光部材210Bの複数の溝部218、226の溝壁面218B、226Bから放射され、あたかも膨張したかのように演出表示される。
次に、図21に示すように、上表示部242及び表示部198のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図20に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに下方に移動する。このとき、上表示部242の中央演出図柄表示領域S2を下方向に移動した特別図柄の演出図柄の上部の一部の光が上側の導光部材210Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の上部の一部の光が導光部材210Bの複数の溝部218、226の溝壁面218B、226Bから放射され、あたかも膨張したかのように演出表示される。このように、図19から図21にわたる演出によって、特別図柄の演出図柄が上表示部242から出て、表示部198の内部に進入していくかのように表示される。
次に、上表示部242及び表示部198のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図21に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに下方に移動する。そして、図22に示すように、特別図柄の演出図柄は、表示部198の中央演出図柄表示領域S2の中央の位置で停止して表示される。なお、図22に示す状態では、特別図柄の演出図柄を演出する光は、上側の導光部材210B及び下側の導光部材214Bを透過しない。また、表示部198は露出しているため、表示部198で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になっている。
次に、図23に示すように、表示部198及び下表示部244のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図22に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに下方に移動する。このとき、表示部198の中央演出図柄表示領域S2を下方向に移動した特別図柄の演出図柄の下部の一部の光が下側の導光部材214Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の下部の一部の光が導光部材214Bの複数の溝部230、238の溝壁面230B、238Bから放射され、あたかも膨張したかのように演出表示される。なお、図23に示す状態では、特別図柄の演出図柄の下部の一部が下表示部244の中央演出図柄表示領域S2で演出表示されている。
次に、図24に示すように、表示部198及び下表示部244のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図23に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに下方に移動する。このとき、表示部198の中央演出図柄表示領域S2を下方向に移動した特別図柄の演出図柄の上部の一部の光が下側の導光部材214Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の上部の一部の光が導光部材214Bの複数の溝部230、238の溝壁面230B、238Bから放射され、あたかも膨張したかのように演出表示される。なお、図24に示す状態では、特別図柄の演出図柄の上部の一部が下表示部244の中央演出図柄表示領域S2で演出表示されている。このように、図22から図24にわたる演出によって、特別図柄の演出図柄が表示部198から出て、下表示部244の内部に進入していくかのように表示される。
次に、表示部198及び下表示部244のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図24に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに下方に移動する。そして、図25に示すように、特別図柄の演出図柄は、下表示部244の中央演出図柄表示領域S2の中央の位置で停止して表示される。なお、図25に示す状態では、特別図柄の演出図柄を演出する光は、上側の導光部材210B及び下側の導光部材214Bを透過しない。なお、下表示部244が露出していないため、下表示部244で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認不可能になっている。また、下表示部244が露出している構成では、下表示部244で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になる。
以上説明したように、遊技者には、特別図柄の演出図柄が、表示部198の上側から下側の方向に向って直線上に移動していくかのように見え、上側の導光部材210Bと下側の導光部材214Bの底面側を特別図柄の演出図柄が時差的に通過していくことになる。このとき、導光部材210B、214Bの底面側を時差的に通過する特別図柄の演出図柄の一部の構成(例えば、演出図柄の左右方向の幅寸法や演出図柄の形状など)の違いにより、導光部材210B、214Bを通過した光の溝部218、226、230、238の溝壁面218B、226B、230B、238Bの個数(溝部218B、226B、230B、238Bの表面積の総和)が変化する。この結果、導光部材210B、214Bから出射した光の拡散度(発散度)が大きくなるため、導光部材210B、214Bを介して表示した特別図柄の演出図柄の表示態様が大きく異なり、特別図柄の演出図柄の演出を一層斬新で複雑な表示態様にすることができる。
特に、上表示部242から表示部198を経て下表示部244にかけて、特別図柄の演出図柄が上下方向にスクロール表示される場合、特別図柄の演出図柄が各導光部材210B、214Bの底面側を通過するときに特別図柄の演出図柄の一部が各導光部材210B、214Bを透過すると(換言すれば、各導光部材210B、214Bの底面側に配置されたドットマトリックス表示素子200が発光すると)、特別図柄の演出図柄の一部が大きく膨張しているかのように視認できる。なぜなら、各導光部材210B、214Bの各一側面222、224、234、236に形成された各溝部218、226、230、238の各溝壁面218B、226B、230B、238Bが左右方向(図17中矢印Y方向)に向って傾斜した傾斜面を構成しているため、各導光部材210B、214Bの各一側面222、224、234、236から外部に放出される光は、左右方向(図17中矢印Y方向)に拡散(散乱)するからである。このような状況で、特別図柄の演出図柄が上下方向(図17中矢印X方向)にスクロール表示された場合、特別図柄の演出図柄が各導光部材210B、214Bの底面側を通過するときに特別図柄の演出図柄の一部が左右方向(図17中矢印Y方向)に膨張するため、特別図柄の演出図柄の表示態様に大きな変化を持たせることができる。この結果、特別図柄の演出図柄の演出に意外性と斬新性が加わり、遊技に対する装飾効果が向上して、遊技興趣を高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成については、第1実施形態の構成と同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
図26、図27、図28に示すように、第2実施形態に係るパチンコ機は、表示面62Aに形成される各演出図柄表示領域T1、T2、T3が、上下方向に沿って順番に3つ並べた構成である。このため、表示面62Aに形成された各演出図柄表示領域T1、T2、T3は、上演出図柄表示領域T1と、中央演出図柄表示領域T2と、下演出図柄表示領域T3と、で構成されている。また、各演出図柄表示領域T1、T2、T3には、それぞれ対応する複数のドットマトリックス表示素子200が配置されている。このため、各演出図柄表示領域T1、T2、T3に表示される特別図柄の演出図柄は、左側から右側に向かって移動するかのようにスクロール表示される。なお、左右方向のスクロール表示は、演出表示基板110による複数のドットマトリックス表示素子200の発光制御によって実現される。
ここで、表示部198の表示面62Aを構成する光拡散シート208の表面左側の部位には、導光部材250A、250B、250Cが光拡散シート208の上下方向にわたって3個並んで配置されている。各導光部材250A、250B、250Cは、各特別図柄の演出図柄が表示される各演出図柄表示領域T1、T2、T3に対応するように配置されている。そして、各導光部材250A、250B、250Cは、それぞれ対応する特別図柄の演出図柄(特に、表示面62Aの左側から右側(中央側)にスクロール表示されていく最中の特別図柄の演出図柄)を形成する一部の光を表示面62A(光拡散シート208)の前方側(遊技者側)に導き通す。光拡散シート208の上下方向にわたって隣接している各導光部材250A、250B、250Cの間には、黒色の仕切り部材252が配置されている。各仕切り部材252は、ドットマトリックス表示素子200の前方側に位置する部位から避けるように(ドットマトリックス表示素子200が対応しない位置に)配置されており、かつドットマトリックス表示素子200の光が透過しないようになっている。このため、各仕切り部材252からドットマトリックス表示素子200の光が透過して遊技者に視認されることはない。
また、表示部198の表示面62Aを構成する光拡散シート208の表面右側の部位には、導光部材254A、254B、254Cが光拡散シート208の上下方向にわたって3個並んで配置されている。各導光部材254A、254B、254Cは、各特別図柄の演出図柄が表示される各演出図柄表示領域T1、T2、T3に対応するように配置されている。そして、各導光部材254A、254B、254Cは、それぞれ対応する特別図柄の演出図柄(特に、表示面62Aの左側(中央側)から右側にスクロール表示されていく最中の特別図柄の演出図柄)を形成する一部の光を表示面62A(光拡散シート208)の前方側(遊技者側)に導き通す。光拡散シート208の上下方向にわたって隣接している各導光部材254A、254B、254Cの間には、黒色の仕切り部材256が配置されている。各仕切り部材256は、ドットマトリックス表示素子200の前方側に位置する部位から避けるように(ドットマトリックス表示素子200が対応しない位置に)配置されており、かつドットマトリックス表示素子200の光が透過しないようになっている。このため、各仕切り部材256からドットマトリックス表示素子200の光が透過して遊技者に視認されることはない。
全ての導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cは、表示部198の表示面62Aの領域の内側に配置されている。このため、全ての導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cが表示部198の表示面62Aの領域の外側に突出している構成ではないので、表示面62Aの領域の外側に、各導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cを設置するスペースを確保する必要がない。このため、表示部198及び演出図柄表示装置62を大型化することがなく、各導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cを設置したことにより、遊技領域28が実質的に狭くなることを防止できる。
なお、左側に位置する導光部材250A、250B、250C及び右側に位置する導光部材254A、254B、254Cの基本構成は、第1実施形態の表示面62Aの下側に位置する導光部材214A、214B、214Cの基本構成とほとんど同じあるため、異なる部分を中心に説明する。
左側に位置する導光部材250A、250B、250Cのうち、導光部材250Bを一例に挙げて説明すると、図27に示すように、導光部材250Bの表面(底面以外の他の5側面)には、複数の溝部258、266(拡散部)が連続して形成されており、導光部材250Bは、全体として波板形状となるように構成されている。このため、導光部材250Bの表面には、各溝部258、266を構成する2つの傾斜面260、268(V字傾斜面)が形成され、表面積が大きくなる。導光部材250Bの底面は、溝部が形成されておらず、平面状になっており、表示面62Aと面接触可能となっている。なお、導光部材250Bの底面が表示面62Aと接触している構成であると、表示面62Aから出射した光が導光部材250Bに入射し易くなるため、好ましいが、僅かに離間していてもよい。
図27に示すように、左側に配置された導光部材250Bの正面側に位置する一側面262に形成された溝部258の形成方向(延在方向(溝部258が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て左右方向(表示面62Aの面方向)となるように設定されている。このため、導光部材250Bの正面側の一側面262には、左右方向に延びた複数の溝部258が上下方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材250Bの正面側の一側面262に形成された各溝部258は、1つの溝底部258Aと、2つの傾斜面260である溝壁面258Bと、で構成されている。
なお、導光部材250Bの正面側に位置する一側面262に形成された「溝部258」という表現に替えて、「山部」と表現することは、第1実施形態で説明した導光部材210B、214Bと同様である。
また、左側に配置された導光部材250Bの表示面62Aに対して直交する一側面264の溝部266の形成方向(延在方向(溝部266が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交方向)となるように設定されている。このため、導光部材250Bの一側面264には、奥行き方向に延びた複数の溝部266が上下方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材250Bの一側面264に形成された各溝部266は、1つの溝底部266Aと、2つの傾斜面268である溝壁面266Bと、で構成されている。
ここで、左側の導光部材250Bの表示面62Aに対して直交する一側面264は、遊技している遊技者から視認可能になっている。このため、導光部材250Bの一側面264を表示面62Aに対して傾斜させる必要がなく、各演出図柄表示領域T1、T2、T3の面積を狭めてしまうことはない。
以上のように、左側に配置された導光部材250Bの表面には、複数の溝部258、266(山部)が形成されており、溝部258、266(山部)が形成されていない構成と比較して、導光部材250Bの表面積が格段に大きくなっている。
また、図28に示すように、右側に配置された導光部材254A、254B、254Cの構成は、左側に配置された導光部材250A、250B、250Cの構成と同じである。すなわち、図28に示すように、右側に配置された導光部材254Bの正面側に位置する一側面270に形成された溝部272(拡散部)の形成方向(延在方向(溝部272が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て左右方向(表示面62Aの面方向)となるように設定されている。このため、導光部材254Bの正面側の一側面270には、左右方向に延びた複数の溝部272が上下方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材254Bの正面側の一側面270に形成された各溝部272は、1つの溝底部272Aと、2つの傾斜面274である溝壁面272Bと、で構成されている。
なお、導光部材254Bの正面側に位置する一側面270に形成された「溝部272」という表現に替えて、「山部」と表現することは、第1実施形態で説明した導光部材210B、214Bと同様である。
また、右側に配置された導光部材254Bの表示面62Aに対して直交する一側面276の溝部278(拡散部)の形成方向(延在方向(溝部278が延びる方向))は、遊技している遊技者から見て奥行き方向(表示面62Aに対して直交方向)となるように設定されている。このため、導光部材254Bの一側面276には、奥行き方向に延びた複数の溝部278が上下方向にわたって連続して形成されている。また、導光部材254Bの一側面276に形成された各溝部278は、1つの溝底部278Aと、2つの傾斜面280である溝壁面278Bと、で構成されている。
ここで、右側の導光部材254Bの表示面62Aに対して直交する一側面276は、遊技している遊技者から視認可能になっている。このため、導光部材254Bの一側面276を表示面62Aに対して傾斜させる必要がなく、各演出図柄表示領域T1、T2、T3の面積を狭めてしまうことはない。
以上のように、右側に配置された導光部材254Bの表面には、複数の溝部272、278(山部)が形成されており、溝部272、278(山部)が形成されていない構成と比較して、導光部材254Bの表面積が格段に大きくなっている。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機の作用及び効果について説明する。以下の作用及び構成では、表示面62Aの上演出図柄表示領域T1、中央演出図柄表示領域T2、下演出図柄表示領域T3のうち、先ず、上演出図柄表示領域T1のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、次に、下演出図柄表示領域T3のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、最後に、中央演出図柄表示領域T2のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示される態様を例に挙げて説明する。しかしながら、特別図柄の演出図柄が確定停止表示される順番は、これに限られるものではなく、例えば、先ず、上演出図柄表示領域T1のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、次に、中央演出図柄表示領域T2のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示され、最後に、下演出図柄表示領域T3のドットマトリックス表示素子200の発光により表現される特別図柄の演出図柄が確定停止表示される態様など、他の態様でもよい。
図26に示すように、演出図柄表示装置62を構成する表示部198の表示面62Aには、各演出図柄表示領域T1、T2、T3に位置する特別図柄の演出図柄が左側から右側に向かってスクロール表示される。この演出図柄は、演出表示基板110により発光制御を受けたドットマトリックス表示素子200の発光により実現される。このため、表示面62Aには、遊技者から見て上下方向にわたって3つの演出図柄表示領域T1、T2、T3が形成されているため、3種類の特別図柄の演出図柄が表示演出されることになる。
ここで、例えば、図29に示すように、上演出図柄表示領域T1及び下演出図柄表示領域T3に位置する特別図柄の演出図柄がすでに確定停止表示された状態で、中央演出図柄表示領域T2に位置する特別図柄の演出図柄が確定停止表示されるときに焦点をあてて説明する。
図30及び図31に示すように、中央演出図柄表示領域T2に位置する特別図柄の演出図柄が表示面62Aの左側から表示面62Aの中央に向かってスクール表示されるときには、所定のタイミングで、中央演出図柄表示領域上に配置された導光部材250Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200が発光する。
このとき、特別図柄の演出図柄の一部を表現するドットマトリックス表示素子200から出射された光は、導光部材250Bの底面から導光部材250Bの内部に所定の屈折角度で入射する。導光部材250Bの内部に入射した光は、導光部材250Bの内部で拡散しながら進み、やがて周囲の溝部258、266の溝壁面258B、266Bなどから出射して遊技者側に進む。導光部材250Bの表面には、上述した通り、傾斜した複数の溝部258、266が形成されているため、光がこれらの溝壁面258B、266Bからあらゆる方向に放出される。
詳細には、左側の導光部材250Bの正面側の一側面262に形成された溝部258の溝壁面258Bは、上下方向(図26中矢印X方向)に開くように傾斜している。このため、導光部材250Bの一側面262に形成された溝部258の溝壁面258Bから外部に出射した光は、上下方向(図26中矢印X方向)に大きく拡散(発散)する。また、左側の導光部材250Bの表示面62Aに対して直交する一側面262に形成された溝部258の溝壁面258Bは、上下方向(図26中矢印X方向)に開くように傾斜している。このため、導光部材250Bの一側面262に形成された溝部258の溝壁面258Bから外部に出射した光は、上下方向(図26中矢印X方向)に大きく拡散(発散)する。このため、導光部材250Bを透過して視認できる特別図柄の演出図柄の一部の表示態様が表示面62Aの他の部位で視認できる特別図柄の演出図柄の表示態様と比較して、上下方向(図26中矢印X方向)に沿って大きく膨張する。これを見た遊技者は、特別図柄の演出図柄と認識しながらも、特別図柄の演出図柄の特別な演出であると認識する。特に、特別図柄の演出図柄の一部の表示態様を導光部材250Bを通して特殊な表示態様にすることにより、今までのパチンコ機にはない斬新で面白い演出と認識することになるため、遊技を新鮮なものにすることができるとともに、遊技性を高めることができる。
また、左側の導光部材250Bの表示面62Aに対して直交する一側面264は、上述した通り、遊技最中の遊技者から視認可能になる。これにより、導光部材250Bの一側面264の溝部258から出射した光も遊技者に視認されることになり、特別図柄の演出図柄の表示態様を斬新かつ複雑なものにしている。このように、左側の導光部材250Bの正面側の一側面262だけではなく、直交する一側面264から出射した光も、相乗効果的に、特別図柄の演出図柄の表示態様を構成して、斬新かつ複雑な演出に寄与することになる。
なお、図30では、特別図柄の演出図柄の右側の一部が左側の導光部材250Bの底面側に位置しており、さらに、図31では、さらに右側へのスクロール表示が進み、特別図柄の演出図柄の左側の一部が右側の導光部材250Bの底面側に位置している状態を示す。
このようにして、図32に示すように、左側の導光部材250Bを通過した特別図柄の演出図柄が表示部198の表示面62Aの左側から中央側に移動する。そして、図33に示すように、特別図柄の演出図柄が表示部198の表示面62Aの中央で一時的に確定停止表示される。
次に、図34に示すように、中央演出図柄表示領域T2の中央に確定停止表示されていた特別図柄の演出図柄が表示面62Aの中央側から右側に向かってスクロール表示される。
中央演出図柄表示領域T2の特別図柄の演出図柄が表示面62Aの中央側から右側に向かってスクロール表示されていくと、図35及び図36に示すように、やがて、特別図柄の演出図柄が時差的に右側の導光部材254Bの底面側を通過する。詳細には、図35に示すように、特別図柄の演出図柄の右側の一部が右側の導光部材254Bの底面側に位置しており、さらに、右側へのスクロール表示が進むと、図36に示すように、特別図柄の演出図柄の左側の一部が右側の導光部材254Bの底面側に位置している状態になる。このような場合でも、特別図柄の演出図柄は、中央側から右側の方向に直線上に移動していくかのように見えるが、右側の導光部材254Bの底面側に配置されたドットマトリックス表示素子200が所定の発光パターンによって時差的に発光しているに過ぎない。そして、右側の導光部材254Bの底面側を時差的に通過する特別図柄の演出図柄の一部の構成(例えば、演出図柄の左右方向の幅寸法や演出図柄の形状など)の違いにより、導光部材254Bを通過した光の溝部272、278の溝壁面272B、278Bの個数(溝部272、278の表面積の総和)が変化する。
詳細には、右側の導光部材254Bの正面側の一側面270に形成された溝部272の溝壁面272Bは、上下方向(図26中矢印X方向)に開くように傾斜している。このため、導光部材254Bの一側面270に形成された溝部272の溝壁面272Bから外部に出射した光は、上下方向(図26中矢印X方向)に大きく拡散(発散)する。また、右側の導光部材254Bの表示面62Aに対して直交する一側面276に形成された溝部278の溝壁面278Bは、上下方向(図26中矢印X方向)に開くように傾斜している。このため、導光部材254Bの一側面270に形成された溝部272の溝壁面272Bから外部に出射した光は、上下方向(図26中矢印X方向)に大きく拡散(発散)する。このため、導光部材254Bを透過して視認できる特別図柄の演出図柄の一部の表示態様が表示面62Aの他の部位で視認できる特別図柄の演出図柄の表示態様と比較して、上下方向(図26中矢印X方向)に沿って大きく膨張する。これらの結果、右側の導光部材254Bから出射した光の拡散度(発散度)が大きくなるため、右側の導光部材254Bを介して表示した特別図柄の演出図柄の表示態様が上下方向に大きくなり、特別図柄の演出図柄の演出を一層斬新で複雑な表示態様にすることができる。
以上のように、左右方向にスクロール表示された特別図柄の演出図柄が左側の導光部材250Bの底面側と右側の導光部材254Bの底面側を通過するかのように、複数のドットマトリックス表示素子200が所定の発光パターンによって発光すると、各導光部材250B、254Bを透過して構成される特別図柄の演出図柄の一部の表示態様は、スクロール表示の方向に対して略直交する方向(左右方向のスクロール表示に対しては上下方向)に沿って時差的に変化することになる。具体的には、各導光部材250B、254Bを通過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積の大小によって、各導光部材250B、254Bを介して視認できる特別図柄の演出図柄の一部の表示態様が、スクロール表示の方向に対して略直交する方向に沿って大きく膨張したり、あるいは縮んだりする。
詳細には、左側の導光部材250B及び右側の導光部材254Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材250B、254Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)によって、特別図柄の演出図柄の上下方向への膨張度も異なるものになる。詳細には、導光部材250B、254Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材250B、254Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が大きく(多く)なれば、特別図柄の演出図柄の上下方向(図26中矢印X方向)への膨張度が大きくなり、また、導光部材250B、254Bを透過する特別図柄の演出図柄の一部の表示面積(導光部材250B、254Bの底面側に位置するドットマトリックス表示素子200のうち、発光するマトリックス表示素子200の個数)が小さく(少なく)なれば、特別図柄の演出図柄の上下方向(図26中矢印X方向)への膨張度が小さくなる。これにより、遊技者には特別図柄の演出図柄の演出が斬新な演出に写ることになるため、遊技性を一層高めるための特別図柄の演出図柄の演出を提供することができる。
さらに、上下方向に隣接する各導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cの間には、黒色の仕切り部材252、256が設けられており、この仕切り部材252、256には、ドットマトリックス表示素子200の光が透過しない。このため、仕切り部材252、256により各演出図柄表示領域T1、T2、T3ごとに明確に区画する(縁切りする)ことができ、各導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cと各演出図柄表示領域T1、T2、T3との対応関係を明確にさせることができる。これにより、各演出図柄表示領域T1、T2、T3ごとの導光部材250A、250B、250C、254A、254B、254Cによる、特別図柄の演出図柄の演出態様を明確に区画することができるため、各演出図柄表示領域T1、T2、T3ごとの特別図柄の演出図柄の演出を際立たせることができ、遊技性を一層高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機の変形例について説明する。
なお、以下の作用及び構成では、表示部198、左表示部282及び右表示部284(図37参照)の中央演出図柄表示領域T2を変動表示する特別図柄の演出図柄の演出パターンを例に挙げて説明する。
図37に示すように、本変形例は、演出図柄表示装置62の内部に、所定のスペースが存在すれば、このスペースを利用して表示部198を延長する構成である(表示部198を大型化する構成である)。
具体的には、図37に示すように、表示部198の左方にスペースがある場合には、表示部198の左側に左表示部282を配置する。なお、左表示部282は、表示部198と一体的に構成されていてもよく、また、表示部198とは別個独立して構成されていてもよい。換言すれば、左表示部282と表示部198とが一体的に構成されていれば、左側の導光部材250A、250B、250Cを表示部198の中央寄りに配置させることにより容易に設計することができる。また、表示部198の右側にスペースがある場合には、表示部198の右側に右表示部284を配置する。右表示部284は、表示部198と一体的に構成されていてもよく、また、表示部198とは別個独立して構成されていてもよい。換言すれば、右表示部284と表示部198とが一体的に構成されていれば、右側の導光部材254A、254B、254Cを表示部198の中央寄りに配置させることにより容易に設計することができる。このように、特別図柄の演出図柄が表示部198の左右方向にスクロール表示される構成では、表示部198の左側のスペースに左表示部282を設け、表示部198の右側のスペースに右表示部284を設けることが好ましい。なお、この場合、左表示部282及び右表示部284は、露出しており、遊技者に視認可能となるように設定してもよいし、また、装飾役物などの飾りで覆われていて遊技者から視認不可能となるように構成してもよい。
また、左表示部282及び右表示部284の構成は、表示部198の構成と同様であり、図6に示すような、発光ダイオードからなる多数のドットマトリックス表示素子200を縦横に配列した基板202と、ドットマトリックス表示素子200にそれぞれ対応する多数の桝目204が区画形成された格子状の枠体206と、枠体206の前面側に貼り付けられた光拡散シート208と、で構成されている。
ここで、例えば、図38に示すように、上演出図柄表示領域T1及び下演出図柄表示領域T3に位置する特別図柄の演出図柄がすでに確定停止表示された状態で、中央演出図柄表示領域T2に位置する特別図柄の演出図柄が確定停止表示されるときに焦点をあてて説明する。
このように、左表示部282を設けることにより、特別図柄の演出図柄の全体が時差的に左側の導光部材250A、250B、250Cの底面側を通過するかのようにスクロール表示する。詳細には、図39に示すように、先ず、左表示部282のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、左表示部282の中央演出図柄表示領域T2に特別図柄の演出図柄が表示される。なお、左表示部282が露出していないため、左表示部282で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認不可能になっている。また、左表示部282が露出している構成では、左表示部282で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になる。
次に、左表示部282及び表示部198のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図40に示すように、左表示部282の中央演出図柄表示領域T2に表示された特別図柄の演出図柄が右方に移動する。このとき、左表示部282の中央演出図柄表示領域T2を右方向に移動した特別図柄の演出図柄の右部の一部の光が左側の導光部材250Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の右部の一部の光が導光部材250Bの複数の溝部258、266の溝壁面258B、266Bから放射され、あたかも上下方向に膨張したかのように演出表示される。
次に、左表示部282及び表示部198のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図41に示すように、図40に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに右方に移動する。このとき、左表示部282の中央演出図柄表示領域T2を右方向に移動した特別図柄の演出図柄の左部の一部の光が左側の導光部材250Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の左部の一部の光が導光部材250Bの複数の溝部258、266の溝壁面258B、266Bから放射され、あたかも上下方向に膨張したかのように演出表示される。このように、図39から図41にわたる一連の演出によって、特別図柄の演出図柄が左表示部282から出て、表示部198の内部に進入していくかのように表示される。
次に、左表示部282及び表示部198のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図42に示すように、図41に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに右方に移動して表示部198に進入する。そして、図43に示すように、特別図柄の演出図柄は、表示部198の中央演出図柄表示領域T2の中央の位置で停止して表示される。さらに、図44に示すように、図43に示した状態の特別図柄の演出図柄が表示部198をさらに右方に移動する。なお、図42、図43及び図44に示す状態では、特別図柄の演出図柄を演出する光は、左側の導光部材250B及び右側の導光部材254Bを透過しない。また、表示部198は露出しているため、表示部198で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になっている。
次に、表示部198及び右表示部284のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図45に示すように、図44に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに右方に移動する。このとき、表示部198の中央演出図柄表示領域T2を右方向に移動した特別図柄の演出図柄の右部の一部の光が右側の導光部材254Bを透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の右部の一部の光が導光部材254Bの複数の溝部272、278の溝壁面272B、278Bから放射され、あたかも上下方向に膨張したかのように演出表示される。なお、図45に示す状態では、特別図柄の演出図柄の右部の一部が右表示部284の中央演出図柄表示領域T2で演出表示されている。
次に、表示部198及び右表示部284のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図46に示すように、図45に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに右方に移動する。このとき、表示部198の中央演出図柄表示領域T2を右方向に移動した特別図柄の演出図柄の左部の一部の光が右側の導光部材T2を透過する。これにより、特別図柄の演出図柄の左部の一部の光が導光部材254Bの複数の溝部272、278の溝壁面272B、278Bから放射され、あたかも上下方向に膨張したかのように演出表示される。なお、図46に示す状態では、特別図柄の演出図柄の左部の一部が右表示部284の中央演出図柄表示領域T2で演出表示されている。このように、図43から図46にわたる演出によって、特別図柄の演出図柄が表示部198から出て、右表示部284の内部に進入していくかのように表示される。
次に、表示部198及び右表示部284のドットマトリックス表示素子200が演出表示基板110により発光制御され、図47に示すように、図46に示した状態の特別図柄の演出図柄がさらに右方に移動する。そして、特別図柄の演出図柄は、右表示部284の中央演出図柄表示領域T2の中央の位置で停止して表示される。なお、図47に示す状態では、特別図柄の演出図柄を演出する光は、左側の導光部材250B及び右側の導光部材254Bを透過しない。なお、右表示部284が露出していないため、右表示部284で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認不可能になっている。また、右表示部284が露出している構成では、右表示部284で表示される特別図柄の演出図柄は、遊技している遊技者にとって視認可能になる。
以上説明したように、遊技者には、特別図柄の演出図柄が、表示部198の左側から右側の方向に向って直線上に移動していくかのように見え、左側の導光部材250Bと右側の導光部材254Bの底面側を特別図柄の演出図柄が時差的に通過していくことになる。このとき、導光部材250B、254Bの底面側を時差的に通過する特別図柄の演出図柄の一部の構成(例えば、演出図柄の上下方向の幅寸法や演出図柄の形状など)の違いにより、導光部材250B、254Bを通過した光の溝部258、266、272、278の溝壁面258B、266B、272B、278Bの個数(溝部258、266、272、278の表面積の総和)が変化する。この結果、導光部材250B、254Bから出射した光の拡散度(発散度)が大きくなるため、導光部材250B、254Bを介して表示した特別図柄の演出図柄の表示態様が大きく異なり、特別図柄の演出図柄の演出を一層斬新で複雑な表示態様にすることができる。
特に、左表示部282から表示部198を経て右表示部284にかけて、特別図柄の演出図柄が左右方向にスクロール表示される場合、特別図柄の演出図柄が各導光部材250B、254Bの底面側を通過するときに特別図柄の演出図柄の一部が各導光部材250B、254Bを透過すると(換言すれば、各導光部材250B、254Bの底面側に配置されたドットマトリックス表示素子200が発光すると)、特別図柄の演出図柄の一部が大きく膨張しているかのように視認できる。なぜなら、各導光部材250B、254Bの各一側面262、264、270、276に形成された各溝部258、266、272、278の溝壁面258B、266B、272B、278Bが上下方向(図37中矢印X方向)に向って傾斜した傾斜面を構成しているため、各導光部材250B、254Bの一側面262、264、270、276から外部に放出される光は、上下方向(図37中矢印X方向)に拡散(散乱)するからである。このような状況で、特別図柄の演出図柄が左右方向(図37中矢印Y方向)にスクロール表示された場合、特別図柄の演出図柄が各導光部材250B、254Bの底面側を通過するときに特別図柄の演出図柄の一部が上下方向(図37中矢印X方向)に膨張するため、特別図柄の演出図柄の表示態様に大きな変化を持たせることができる。この結果、特別図柄の演出図柄の演出に意外性と斬新性が加わり、遊技に対する装飾効果が向上して、遊技興趣を高めることができる。
なお、第2実施形態では、左右方向に移動する演出図柄のスクロール表示について、遊技者から見て左側から右側に移動する形態を示したが、この方向に限られるものではなく、遊技者から見て右側から左側に移動する形態でもよい。例えば、遊技者から見て表示部198の右側から左側にスクロール表示させたり、右表示部284から表示部198を経て左表示部282の順番にスクロール表示させてもよい。