JP6010405B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機関するものである。
パチンコ機に代表される遊技機の中には、遊技盤の遊技領域に可変表示装置や始動入賞口やアタッカ装置等を設け、遊技領域に向けて発射された遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に基づいて可変表示装置が図柄の変動表示および変動停止を行うようにした機種が数多く存在する。電子抽選の抽選結果には当たりとハズレがあり、抽選結果が当たりの場合には、可変表示装置の表示画面に特定の図柄が表示され、通常モードから特別遊技モードへと移行する。この特別遊技モードでは、アタッカ装置の開閉扉が開放動作して大入賞口を露呈させるので、露呈した大入賞口に遊技球が入りやすくなって遊技者は多くの賞球を獲得できるようになる。
この種のパチンコ機において、可動態様を変化させることができる可動体を可変表示装置の周囲の任意位置に配置し、電子抽選の抽選結果に基づく可変表示装置の表示内容と可動体の可動態様とを組み合わせることにより、興趣性の高い演出を行うようにした可動役物装置が広く採用されている。可動体はモータやギア等を有する駆動機構によって種々の動きを行うようになっており、その一例として、駆動機構によって可動体を可変表示装置の表示画面の前方で上下方向に往復移動させると共に、この可動体に光源や導光体等を収納して移動途中や停止時に可動体を照光させるようにした可動役物装置が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された可動役物装置では、遊技盤に固定されたベース部材に駆動機構の駆動源であるモータが搭載されており、このモータの回転がギアやラック等からなる駆動機構を介して可動体の上下運動に変換されるようになっている。可動体は後面側を開口した有底形状の外装部材であり、この可動体の内部に光透過性樹脂からなる複数の導光体が積層状態で収納されている。各導光体にはそれぞれ凹凸形状の光拡散部が形成されており、これら導光体を組み合わせることによってレンズユニットが構成されている。また、可動体の後面側には各導光体を覆うように回路基板が取り付けられており、この回路基板上に複数のチップLEDが実装されている。なお、回路基板にはワイヤーハーネスやフラットケーブル等の可撓性を有する配線が接続されており、遊技盤の裏面に設けられ制御基板からこの配線を介して各LEDに電力が供給されるようになっている。
このように概略構成された可動役物装置において、通常、可動体は可変表示装置の上方の原点位置で停止しており、この状態でモータを正逆いずれかの方向に回転すると、原点位置にあった可動体が下降して表示画面の前方の突出位置まで移動する。また、可動体が突出位置にあるときにモータを上記と逆向きに回転すると、可動体が突出位置から上昇して再び可変表示装置の上方の原点位置に戻る。そして、可動体の移動途中や停止時に配線を介して各LEDに電力が供給されると、各LEDの光が各導光体の光拡散部で拡散されて可動体の裏面に照射されるため、可動体の光透過部からギラギラした拡散光が前方に向けて出射される。
特開2011−240030号公報
前述した従来の可動役物装置は、原点位置と突出位置との間を移動する可動体にLEDと回路基板が搭載されており、この回路基板から導出されたワイヤーハーネス等の配線が可動体の移動に追従するようになっているため、可動体の移動位置に拘わらず配線を介してLEDに電力を供給することができる。ただし、可動体の配置場所や可動態様等によっては配線の引き回しルートを十分に確保することが困難となる場合もあり、その場合は、LEDと回路基板をベース部材側に固定すれば、原点位置と突出位置との間を移動する可動体の導光体に向けてベース部材側のLEDから光を照射することができる。しかしながら、このようにLEDと回路基板を可動体の代わりにベース部材側に固定すると、可動体の移動に伴って導光体とLEDとの相対位置が変位してしまうため、可動体の移動ストロークがある程度大きくなると、原点位置と突出位置の両位置で可動体を明確に照光させることができなくなり、可動体を目立たせるという本来の照光機能が著しく低下してしまうという問題が発生する。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ベース部材側に配設した光源によって可動体を原点位置と突出位置の両位置で明確に照光することができる可動役物装置を備えた遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、遊技機本体の所定領域に配設されて可動する可動役物装置を備えた遊技機において、前記可動役物装置が、ベース部材と、このベース部材に固定された回路基板と、この回路基板に実装された光源と、この光源を覆うように前記回路基板の前方に配置された光透過性材料からなる可動体と、この可動体に搭載されて中央部に光拡散用のレンズ部を有する導光体と、前記可動体を原点位置と突出位置との間で往復移動させる駆動機構とを備え、前記光源が前記可動体の移動方向に沿って離間する位置に実装された第1の光源と第2の光源とを有しており、前記可動体が前記原点位置にあるときに前記第1の光源を前記導光体の前記レンズ部に対向させた状態で前記第1および第2の光源を点灯動作させると共に、前記可動体が前記突出位置にあるときに前記第2の光源を前記導光体の前記レンズ部に対向させた状態で前記第1および第2の光源を点灯動作させるようにした。
このような構成の可動役物装置を備えた遊技機では、ベース部材に固定した回路基板の前方に光透過性材料からなる可動体が配置され、この可動体が駆動機構によって原点位置と突出位置との間を往復移動されると共に、回路基板に実装した光源の光が可動体に搭載した導光体に向けて出射されるようになっているため、光源に電力を供給するワイヤーハーネス等の配線を可動体と回路基板間に引き回す必要がなくなり、構成部材の簡素化が図られる。そして、回路基板上には光源である第1の光源と第2の光源が実装されており、可動体が原点位置にあるときに第1の光源を導光体のレンズ部に対向させた状態で第1および第2の光源を点灯動作させると共に、可動体が突出位置にあるときに第2の光源を導光体のレンズ部に対向させた状態で第1および第2の光源を点灯動作させるようにしたので、可動体が原点位置と突出位置のいずれの位置へ移動した場合でも、可動体の全体を明るく照らした上で中心部をより明確に照光することができる。
上記の構成において、導光体がレンズ部を中心に同心円状に配列された複数の凹凸部を有していると、第1または第2の光源からの光が原点位置や突出位置で導光体を透過するとき、レンズ部で最も強い光となって可動体の前方に出射すると共に、レンズ部の周囲に同心円状に配列された複数の凹凸部で散乱光となって可動体の前方に出射するため、可動体の広い領域を明るく照らした上でその中心部をさらに強い光で照らすという発光態様を実現できて好ましい。
本発明の遊技機では、遊技機本体の所定領域に配設された可動役物装置が、ベース部材に固定した回路基板の前方を可動体が原点位置と突出位置との間で移動可能となっており、この回路基板上に可動体の移動方向に沿って離間する位置に第1の光源と第2の光源が実装されているため、各光源に電力を供給するワイヤーハーネス等の配線を可動体と回路基板間に引き回す必要がなくなり、構成部材の簡素化が図られるので、組付け、検査および保守の作業性を向上できると共に、可動体の移動に伴う配線の断線事故を未然に防止することができる。そして、可動体が原点位置にあるときに第1の光源を導光体のレンズ部に対向させた状態で第1および第2の光源を点灯動作させると共に、可動体が突出位置にあるときに第2の光源を導光体のレンズ部に対向させた状態で第1および第2の光源を点灯動作させるようにしたので、可動体が原点位置と突出位置のいずれの位置へ移動した場合でも、可動体の所望箇所を光源の光によって明確に照光することができる。
パチンコ機の外観を示す斜視図である。 図1に示すパチンコ機の前面扉を開放した状態の斜視図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1のパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。 実施形態例に係る可動役物装置の非動作状態を示す斜視図である。 図5に対応する駆動機構の説明図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 左側の可動体が上昇した状態を示す可動役物装置の斜視図である。 図8に対応する駆動機構の説明図である。 右側の可動体が上昇した状態を示す可動役物装置の斜視図である。 図10に対応する駆動機構の説明図である。 図10のB−B線に沿う断面図である。 左右両側の可動体が上昇した状態を示す可動役物装置の斜視図である。 図13に対応する駆動機構の説明図である。 可動役物装置に備えられる導光体の正面図である。 該導光体の裏面図である。 該導光体の斜視図である。 図15のC−C線に沿う断面図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1と図2に示すように、本発明の実施形態例に係る可動役物装置が適用された遊技機(パチンコ機)は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた機器本体2と、機器本体2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられた前面扉3等を備えており、前面扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。
機枠1の左下隅部には大型のスピーカ5が配設されており、このスピーカ5は前面扉3の切り欠き内に位置して前方に露出している。機器本体2の上部内側には後述する遊技盤6が収納されており、この遊技盤6の盤面(前面)は透明板4を透して外部から目視可能となっている。また、機器本体2の右側枠部にはシリンダ錠7aを有する施錠装置7が設置されており、図示省略されているが、この施錠装置7は機器本体2の裏面に配置された後部施錠杆と機器本体2の前面に配置された前部施錠杆とを備えている。常態では、施錠装置7の後部施錠杆によって機枠1に対して機器本体2が施錠されると共に、前部施錠杆によって機器本体2に対して前面扉3が施錠されている。そして、シリンダ錠7aの鍵穴に図示せぬ鍵を差し込み、この鍵を一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が下動して機器本体2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠7aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動して前面扉3が開錠されるようになっている。
前面扉3には遊技盤6の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。前面扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ8が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ8と前述した大型のスピーカ5とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。さらに、前面扉3の前面下部には、遊技盤6の裏面に配設された賞球払出装置(後述する)から払い出された遊技球を収容する上段受皿9と、上段受皿9から排出された遊技球を収容する下段受皿10と、遊技者による押下操作が可能なプッシュ釦11等が設けられており、上段受皿9の右側方には操作ハンドル12が配設されている。
機枠1の左側枠部には上側軸受け体13と下側軸受け体14が固着されており、これら両軸受け体13,14に本体枠2の左側枠部の上下両端に設けた第1ピン(図示省略)を軸支することによって、本体枠2を機枠1に対して開閉自在に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。一方、前面扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示省略)が設けられており、これら両第2ピンを本体枠2の左側枠部に突設した上下の支持板2aに軸支することによって、前面扉3を本体枠2に対して開閉自在に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。また、本体枠2の上部内側は遊技盤6の収納スペースとなっており、この収納スペースの下方は前面扉3によって覆い隠される設置部2bとなっている。設置部2b内の下部中央には遊技球を遊技領域9に向けて発射する発射装置15が配設されており、前述した操作ハンドル12の回動操作量に応じて発射装置15の発射強度が調整されるようになっている。
図3に示すように、遊技盤6の裏面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御処理部16と、主制御処理部16からの指令を受けて前述したスピーカ5,8や後述する可変表示装置や可動役物装置等の各種装置を制御する副制御処理部17と、前述した賞球払出装置18と、主制御処理部16からの指令を受けて賞球払出装置18を制御する払出制御処理部19と、操作ハンドル12の回動操作量に応じて前記発射装置15の作動を制御する発射制御処理部20と、賞球数や大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板21等が設けられている。主制御処理部16は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装された制御基板(メイン基板)とを備えており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
図4に示すように、遊技盤6の前面はガイドレール22等によって略円形状に区画された遊技領域23となっており、遊技者が操作ハンドル12を任意角度まで回動操作すると、前記発射装置15が上段受皿9に保留された遊技球を遊技領域23に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域23の上部中央付近にはセンター役物24が配置されており、このセンター役物24は、中央部に矩形状の開口部25aを有する装飾枠25と、装飾枠25の右下壁部に配設された可動役物装置26と、装飾枠25の裏面側に配置された可変表示装置27等を具備している。可変表示装置27は液晶パネル(LCD)からなり、その表示画面27aは装飾枠25の開口部25aから露出している。
装飾枠25の下壁部には左右方向へ略V字形状に延びるステージ28が設けられており、このステージ28の中央部には誘導口28aが形成されている。また、装飾枠25の左側壁には中空構造のワープ通路29が形成されており、このワープ通路29の両端は遊技領域23とステージ28に向けてそれぞれ開口している。したがって、センター役物24の左側の遊技領域23を流下する遊技球がワープ通路29に入球すると、その遊技球はワープ通路29の内部を通ってステージ28に排出された後、ステージ28上を転動して誘導口28aへと導かれる。
ステージ28の誘導口28aの真下位置には上面を開口した振分装置30が配設されており、ステージ28上を転動して誘導口28aから落下した遊技球が高い確率で振分装置30の入口に流入するようになっている。振分装置30は下方側に2つの出口を有しており、各出口の真下にそれぞれ第1始動入賞口31と第2始動入賞口32が配設されている。図示省略されているが、振分装置30の内部には二股球通路とシーソ状の振分機構が収納されており、この振分機構によって振分装置30の入口から流入した遊技球は二股球通路を介して第1始動入賞口31と第2始動入賞口32とに交互に導かれるようになっている。第1および第2始動入賞口31,32は外観上同じように構成されているが、第1始動入賞口31は上端に入口を有する単純構造の始動入賞口であるのに対し、第2始動入賞口31は上部に一対の可動片を有する電動チューリップ構造の始動入賞口となっている。そして、これら第1および第2始動入賞口31,32のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として特別図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果に基づいて可変表示装置27の表示画面27a上で演出用図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、装飾枠25の右下隅部にスルーチャッカ33が配設されており、センター役物24の右側の遊技領域23に打ち出された遊技球がこのスルーチャッカ33を通過すると、それを契機として普通図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に第2始動入賞口32の両可動片を一時的に開放して遊技球の入賞を許可するようになっている。
さらに、ステージ28の右斜め下方位置にはアタッカ装置34が配設されており、このアタッカ装置34は内部の大入賞口を開閉可能な横長形状の開閉扉を有している。アタッカ装置34は、第1および第2始動入賞口31,32のいずれか一方に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)へ移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄の抽選結果が当たりの場合、アタッカ装置34の開閉扉が複数回繰り返して開放動作することにより、大入賞口を露呈させて遊技球の入賞を許可するようになっている。開閉扉は1回の開放動作(1ラウンド)について例えば30秒経過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入るまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たり遊技が終了する。
その他、遊技領域23には、遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口35や、遊技球の流下経路を担う風車と複数本の遊技釘(図示せず)等が配設されており、いずれの始動入賞口31,32や一般入賞口35にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23の最下端部に設けられたアウト口36から遊技盤6の裏面側に排出されるようになっている。
可動役物装置26は前述した特別図柄に係る電子抽選の結果を可動体の可動態様や光源の照光態様によって遊技者に示唆することができる装置であり、この可動役物装置26による演出は主制御処理部16が動作を決定し、決定した動作に基づいて副制御処理部17に制御信号を送ることにより実行される。副制御処理部17は、主制御処理部16から送られた制御信号に基づいて、可動体の駆動源であるモータと光源であるLED(いずれも後述する)にそれぞれ駆動信号を送る。これによりモータを回転させて可動体が所定の動作を行ったり、LEDを発光させて可動体が照光するようになっている。以下、この可動役物装置26の構造と動作について図5〜図18を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態例に係る可動役物装置26は、正面から見て略平行四辺形状のベース部材37と、ベース部材37の裏面中央部に取り付けられたモータ38と、モータ38の出力軸に固着された中継ギア39と、ベース部材37の裏面に回転可能に支持された左右一対の回転板40,41と、ベース部材37の前面に取り付けられた一対の回路基板42,43と、これら回路基板42,43上に実装された光源である複数のチップLED44,45と、各回路基板42,43の前方に上下動可能に配置された一対の可動体46,47と、これら可動体46,47に搭載された一対の導光体48等により主として構成されている。
ベース部材37は可変表示装置27を包囲する遊技盤6にネジ止め等の固定手段を用いて取り付けられており、このベース部材37には上下方向に延びる複数本(4本)のガイドシャフト49が設けられている。各ガイドシャフト49には一対の連結体50に設けたガイド孔50aがそれぞれ摺動可能に挿入されており、後述するように、これら連結体50を各可動体46,47と一体の導光体48に取り付けることにより、一対の可動体46,47はガイドシャフト49に沿って図5のY1−Y2方向(上下方向)へ移動可能にガイドされている。
一対の回転板40,41の裏面側にはそれぞれギア部40a,41aが形成されており、これらギア部40a,41aを中継ギア39に噛合するより、モータ38の回転が中継ギア39からギア部40a,41aを介して各回転板40,41に伝達される。また、各回転板40,41の前面側にはカム形状を異にするカム状突起40b,41bが形成されており、具体的には、一方のカム状突起40bは左側の回転板40の回転軸を中心として8の字形状に形成され、他方のカム状突起40bは右側の回転板41の中心部を頂点とする三角形状に形成されている。
一対の回路基板42,43は回転板40,41の上半分を覆うようにベース部材37の前面に取り付けられており、これら回路基板42,43は可動体46,47の移動スペースの後方に配置されている。左側の回路基板42には、上下方向に配列された一対のLED44を一組として二組計4つのLED44が実装されており、これら4つのLED44のうち、下辺側に配置された2つを第1のLEDと称して符号44aを付し、上辺側に配置された残り2つを第2のLEDと称して符号44bを付すと、対をなす第1のLED44aと第2のLED44bは可動体46,47の移動方向(図5のY1−Y2方向)に沿って所定距離だけ離反している。同様に、右側の回路基板43には、上下方向に配列された一対のLED45を一組として二組計4つのLED45が実装されており、これら4つのLED45のうち、下辺側に配置された2つを第1のLEDと称して符号45aを付し、上辺側に配置された残り2つを第2のLEDと称して符号45bを付すと、対をなす第1のLED45aと第2のLED45bは可動体46,47の移動方向(図5のY1−Y2方向)に沿って所定距離だけ離反している。図示省略されているが、各回路基板42,43にはワイヤーハーネス等の配線が接続されており、この配線を介して副制御処理部17から各LED44,45に電力が供給されるようになっている。
一対の可動体46,47は透明樹脂を用いて成形された装飾部材であり、これら可動体46,47には、ベースとなる透明樹脂の成形品に光透過性塗料と遮光性塗料を塗布する等して光透過部と遮光部が設けられている。図4に示すように、本実施形態例では、左側の可動体46に「Show」の意匠文字が模られると共に、右側の可動体47に「Time」の意匠文字が模られており、これら意匠文字の模られた部分が光透過部でその周囲が遮光部となっている。なお、図5〜図14において、可動体46,47の動作を分かりやすくするために「Show」や「Time」の意匠文字は省略されており、可動体46,47の外形線だけが描かれている。
一対の導光体48はアクリル樹脂やポリカーボネイト等の光透過性樹脂を用いて成形した光学部品であり、各導光体48は対応する可動体46,47の内部にネジを用いて取り付けられている。導光体48には後方へ突出する一対の支持突起48aが設けられており、これら支持突起48aに前述した各連結体50がネジを用いて取り付けられている。これら連結体50にはそれぞれ駆動ピン51が立設されており、一方の駆動ピン51は左側の回転板40に形成されたカム状突起40bの外周面に当接し、他方の駆動ピン51は右側の回転板41に形成されたカム状突起41bの外周面に当接している。したがって、モータ38を駆動源として左右の回転板40,41が回転すると、各駆動ピン51が対応するカム状突起40b,41bの外周面に沿って摺動し、これら駆動ピン51とカム状突起40b,41bとの相対位置に応じて一対の可動体46,47が上下動する。すなわち、前述したモータ38、中継ギア39、回転板40,41、駆動ピン51等により、可動体46,47を原点位置と突出位置との間で往復移動させる駆動機構が構成されている。
一対の導光体48は同一構成であり、図15〜図18に示すように、これら導光体48には、背面を半球状で前面を円錐状にした一対のレンズ部48bと、各レンズ部48bを中心に同心円状に配列された凹凸部48cとが形成されている。一方の導光体48は各レンズ部48bを「Show」の意匠文字(光透過部)の真裏に位置させた状態で左側の可動体46に取り付けられ、この導光体48の背面に向けて左側の回路基板42に実装された各LED44(44a,44b)から出射光が照射されるようになっている。また、他方の導光体48は各レンズ部48bを「Time」の意匠文字(光透過部)の真裏に位置させた状態で右側の可動体47に取り付けられ、この導光体48の背面に向けて右側の回路基板43に実装された各LED45(45a,45b)から出射光が照射されるようになっている。
このように構成された遊技機(パチンコ機)において、通常、可動役物装置26は駆動源であるモータ38に通電されない非動作状態となっており、図4に示すように、一対の可動体46,47は可変表示装置27の表示画面27aの右下隅部で斜め右上がりに連続した状態で停止している。
図5〜図7はかかる可動役物装置26の非動作状態を示し、この非動作状態で一対の可動体46,47は図5の矢印Y2方向の末端位置である原点位置で停止しており、この場合、左側の可動体46から突出する駆動ピン51は回転板40に形成されたカム状突起40bの最小径部に当接し、右側の可動体47から突出する駆動ピン51は回転板41に形成されたカム状突起41bの最小径部に当接している。また、左側の回路基板42に実装された4つのLED44のうち、2つの第1のLED44aが左側の可動体46に取り付けられた導光体48の各レンズ部48bに対向しており、同様に、右側の回路基板43に実装された4つのLED45のうち、2つの第1のLED45aが右側の可動体47に取り付けられた導光体48の各レンズ部48bに対向している。したがって、一対の可動体46,47が原点位置で停止しているときに、図示せぬ配線を介して回路基板42,43に電力を供給して各LED44,45が発光すると、各第1のLED44a,45aの光が導光体8のレンズ部48bの中心に向けて照射されるため、これらの光がレンズ部48bで強い拡散光となると共に周囲の凹凸部48cで散乱光となった後、各可動体46,47の光透過部を透過して前方へ出射される。その結果、各可動体46,47の光透過部である「Show」と「Time」の意匠文字全体を明るく照らした上で、これら意匠文字の中心部をさらに強い光で照光することができる。
各可動体46,47が原点位置にあるときに、モータ38を正転方向に駆動して中継ギア39が図6の時計回り方向へ回転すると、中継ギア39に噛合する各回転板40,41が反時計回り方向へ回転し始め、それに伴って各駆動ピン51とカム状突起40b,41bとの相対位置が変化していく。そして、各回転板40,41が反時計回りに90度回転して図9の状態になると、右側の可動体47から突出する駆動ピン51とカム状突起41bとの当接箇所は依然として最小径部のままであるが、左側の可動体46から突出する駆動ピン51とカム状突起40bとの当接箇所が最小径部から最大径部へと変化するため、図8に示すように、左側の可動体46だけが矢印Y1方向の末端位置である突出位置まで上昇する。その結果、左側の回路基板42に実装された4つのLED44のうち、2つの第2のLED44bが左側の可動体46に取り付けられた導光体48の各レンズ部48bに対向し、それまで各レンズ部48bに対向していた第1のLED44aは導光体48の下辺側へと移行する。したがって、かかる動作中に各LED44,45を発光させると、左側の可動体46が突出位置まで上昇した時点で、各第2のLED44bの光がレンズ部48bで強い拡散光となると共に周囲の凹凸部48cで散乱光となった後、この可動体46の光透過部を透過して前方へ出射されるため、突出位置に移動した左側の可動体46と原点位置で停止している右側の可動体47のいずれにおいても、それぞれの光透過部である「Show」と「Time」の意匠文字全体を明るく照らした上で、これら意匠文字の中心部をさらに強い光で照光することができる。
また、左側の可動体46が突出位置まで移動した後、モータ38をさらに同方向へ駆動して各回転板40,41が図11の状態になるまで回転すると、左側の可動体46から突出する駆動ピン51とカム状突起40bとの当接箇所は最大径部から最小径部へと戻り、右側の可動体47から突出する駆動ピン51とカム状突起41bとの当接箇所が最小径部から最大径部へと変化する。その結果、図10に示すように、突出位置にあった左側の可動体46が原点位置まで下降すると共に、それまで原点位置にあった右側の可動体47が突出位置まで上昇する。これにより、図12に示すように、右側の回路基板43に実装された4つのLED45のうち、2つの第2のLED45bが右側の可動体47に取り付けられた導光体48の各レンズ部48bに対向し、それまで各レンズ部48bに対向していた第1のLED45aは導光体48の下辺側へと移行する。したがって、かかる動作中に各LED44,45を発光させると、原点位置に戻った左側の可動体46と突出位置へと上昇した右側の可動体47のいずれにおいても、それぞれの光透過部である「Show」と「Time」の意匠文字全体を明るく照らした上で、これら意匠文字の中心部をさらに強い光で照光することができる。
一方、各可動体46,47が原点位置にあるときに、モータ38を逆転方向に駆動して中継ギア39が上記と逆向きに回転すると、各回転板40,41が時計回りに90度回転して図6から図14の状態となり、この間に左側の可動体46から突出する駆動ピン51とカム状突起40bとの当接箇所が最小径部から最大径部へ変化すると共に、右側の可動体47から突出する駆動ピン51とカム状突起41bとの当接箇所も最小径部から最大径部へ変化する。その結果、図13に示すように、それまで原点位置で停止していた各可動体46,47がいずれも突出位置まで上昇し、これら可動体46,47に取り付けられた導光体48のレンズ部48bに各第2のLED44b,45bが対向し、各第1のLED44a,45aは導光体48の下辺側へと移行する。したがって、かかる動作中に各LED44,45を発光させると、突出位置へ上昇した左右の可動体46,47のいずれにおいても、それぞれの光透過部である「Show」と「Time」の意匠文字全体を明るく照らした上で、これら意匠文字の中心部をさらに強い光で照光することができる。
このように、モータ38の回転方向と回転量を制御することにより、左右の可動体46,47を単独または連続的に動作させたり、両者を同時に動作させることが可能となる。例えば、各可動体46,47が原点位置にあるときに、モータ38を正転方向に90度回転してから逆転正転方向に90度戻すという動作を繰り返すと、右側の可動体47を原点位置に停止させたまま、左側の可動体46だけを原点位置と突出位置との間で小刻みに上下動させることができる。あるいは、各可動体46,47が原点位置にあるときに、モータ38を正転方向に180度回転してから逆転正転方向に180度戻すという動作を繰り返すことにより、左側の可動体46と右側の可動体47を交互に上下動させたり、モータ38を逆転方向に回転して左右の可動体46,47を同時に上昇させる等、インパクトのある可動演出を行わせることができる。そして、これら可動体46,47の動作中に回路基板42,43に電力を供給して各LED44,45(第1のLED44a,45aと第2のLED44b,45b)を発光させると、左右の可動体46,47が原点位置と突出位置のいずれの位置へ移動した場合でも、遊技者が注目する可動体46,47の所望箇所(本実施例の場合は「Show」と「Time」の意匠文字)を強い光でギラギラと照光することができる。
以上説明したように、本実施形態例に係る可動役物装置26を備えた遊技機では、ベース部材37に固定した回路基板42,43の前方を可動体46,47が原点位置と突出位置との間で移動可能となっており、これら回路基板42,43上に可動体46,47の移動方向に沿って離間する位置に第1のLED44a,45aと第2のLED44b,45bが実装されているため、第1および第2のLED44a,45a,44b,45bに電力を供給するワイヤーハーネス等の配線を可動体46,47と回路基板42,43に引き回す必要がなくなり、可動体46,47の移動に伴う配線の断線事故を未然に防止することができる。そして、可動体46,47が原点位置にあるときに第1のLED44a,45aを導光体48のレンズ部48bに対向させた状態で第1および第2のLED44a,45a,44b,45bを点灯動作させると共に、可動体46,47が突出位置にあるときに第2のLED44b,45bを導光体48のレンズ部48bに対向させた状態で第1および第2のLED44a,45a,44b,45bを点灯動作させるようにしたので、可動体46,47が原点位置と突出位置のいずれの位置へ移動した場合でも、可動体46,47の全体を明るく照らした上で中心部をより強い光によって明確に照光することができる。
また、本実施形態例に係る可動役物装置26では、光透過性の樹脂成形品である導光体48に、背面を半球状で前面を円錐状にしたレンズ部48bと、レンズ部48bを中心に同心円状に配列された凹凸部48cとを形成し、このような導光体48を可動体46,47の内部に取り付けているため、第1のLED44a,45aまたは第2のLED44b,45bが原点位置や突出位置で導光体48を透過するとき、レンズ部48bで最も強い光となって可動体46,47の前方に出射すると共に、レンズ部48bの周囲の凹凸部48cで散乱光となって可動体46,47の前方に出射するため、可動体46,47の光透過部である「Show」と「Time」の意匠文字全体を明るく照らした上で、これら意匠文字の中心部をさらに強い光で照光するという発光態様を実現することができる。
なお、上記実施形態例では、上下方向に配列された一対の光源(LED)を一組として二組計4つの光源を1つの回路基板上に実装し、可動体が原点位置または突出位置にあるときに、これら光源を導光体の2つのレンズ部に対向させるようにしているが、回路基板上に実装される光源の組数は導光体に形成されるレンズ部の数に応じて増減すれば良く、例えば、導光体に1つのレンズ部が形成されている場合は、この導光体に対応する回路基板上に第1の光源と第2の光源の対を一組だけ実装すれば良い。
また、上記実施形態例では、左右一対の可動体をそれぞれ原点位置と突出位置との間で往復移動させる場合について説明したが、1つまたは3つ以上の可動体を原点位置と突出位置との間で往復移動させるようにしても良い。また、可動役物装置26の配設場所は表示画面の下部側方に限定されず、表示画面27aの上方位置や下方位置等に配置することも可能である。さらに、可動体を往復移動する駆動機構は上記実施形態例に限定されず、他の構成の駆動機構を用いて可動体を往復移動するようにしても良い。
また、上記実施形態例では、本発明による可動役物装置をパチンコ機に適用した場合について説明したが、スロットマシン等の他の遊技機に適用することも可能である。
6 遊技盤
23 遊技領域
24 センター役物
25 装飾枠
26 可動役物装置
27 可変表示装置
27a 表示画面
37 ベース部材
38 モータ
39 中継ギア
40,41 回転板
40a,41a ギア部
40b,41b カム状突起
42,43 回路基板
44,45 LED(光源)
44a,45a 第1のLED(第1の光源)
44b,45b 第2のLED(第2の光源)
46,47 可動体
48 導光体
48a 支持突起
48b レンズ部
48c 凹凸部
49 ガイドシャフト
50 連結体
50a ガイド孔
51 駆動ピン

Claims (2)

  1. 遊技機本体の所定領域に配設されて可動する可動役物装置を備えた遊技機において、
    前記可動役物装置が、ベース部材と、このベース部材に固定された回路基板と、この回路基板に実装された光源と、この光源を覆うように前記回路基板の前方に配置された光透過性材料からなる可動体と、この可動体に搭載されて中央部に光拡散用のレンズ部を有する導光体と、前記可動体を原点位置と突出位置との間で往復移動させる駆動機構とを備え、
    前記光源が前記可動体の移動方向に沿って離間する位置に実装された第1の光源と第2の光源とを有しており、前記可動体が前記原点位置にあるときに前記第1の光源を前記導光体の前記レンズ部に対向させた状態で前記第1および第2の光源を点灯動作させると共に、前記可動体が前記突出位置にあるときに前記第2の光源を前記導光体の前記レンズ部に対向させた状態で前記第1および第2の光源を点灯動作させるようにしたことを特徴とする遊技機
  2. 請求項1の記載において、前記導光体が前記レンズ部を中心に同心円状に配列された複数の凹凸部を有していることを特徴とする遊技機
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