JP2009215466A - 低誘電性絶縁材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかる低誘電性絶縁材は、前記課題を解決するために、熱硬化性樹脂成分20〜50体積%とフッ素系樹脂粉末体積%とからなる無溶剤樹脂混練物の熱硬化物であることを特徴とする。また、本発明にかかる低誘電性絶縁材の製造方法は、液状の熱硬化性樹脂成分20〜50体積%に対し、フッ素系樹脂粉末を80〜50体積%配合し、前記配合物を溶剤を用いずに真空条件下にて混練し気泡を含まない無溶剤樹脂混練物を調製する無溶剤樹脂混練物調製工程と、前記無溶剤樹脂混練物を熱硬化させて低誘電性絶縁材を得る熱硬化工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
また、本発明に用いられる樹脂組成物は、無溶剤で混練されたものであるので、溶剤由来の気泡発生を防止することができる。
さらに、本発明の製造方法においては、チクソ指数が高く、粘性流動可能な樹脂混練物は、真空下にて調製されるので、製造後の低誘電体絶縁材の組織中に気泡を混入させることがない。
また、本発明の低誘電体絶縁材は、誘電率2.1程度という極めて誘電率が小さいフッ素系樹脂粉末が混練された樹脂混練物から得られたものであるために、2.9〜2.2という低い誘電率範囲に容易に調整される。
熱硬化性樹脂成分として、特に、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を用いた場合、その誘電率を小さくすることができ、また、金属への接着性が向上され、機械加工性も優れたものとすることができる。
かかる構成を特徴とする本発明について、以下にさらに詳しく説明する。
本発明に用いる熱硬化性樹脂成分は、低誘電率材料であるフッ素系樹脂粉末を溶剤を用いることなく混練するための母材であり、そのために、室温近傍の温度範囲で、液状ないし半固体であることが好ましい。ここで言う「室温近傍の温度範囲」とは、10℃〜40℃の範囲である。かかる温度範囲にて液状ないし半固体である熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ウレタン樹脂などを挙げることができ、これらを用いることができる。これらの熱硬化性樹脂成分の内、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹脂と略記される場合もある)が、誘電率が低く、金属に接着し易く、ドリル加工性が優れているため、最も好適に用いることができる。
本発明に用いるフッ素系樹脂粉末としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフロオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の各粉末が好ましい。本発明においては、これらのフッ素系樹脂粉末から選択した一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。
熱硬化性樹脂成分20体積%〜50体積%に対するフッ素系樹脂粉末(平均粒径50μm以下0.2μm以上)の配合量を80体積%〜50体積%とする配合比は、通常の粉末混合から考えると、かなり大量であり、均一混合が可能とは理解しにくい大変多い配合量である。しかしながら、本発明者らの研究によれば、溶剤を用いなくとも、十分に均一な混練が可能であり、しかも注型作業に適した粘性流動が得られることが判明した。しかし、通常の混練方法により混練すると、粘性が高いため、空気の混入が生じやすく、樹脂混練物の組織中に気泡が形成されやすい。気泡が混入した樹脂混練物を熱硬化して得られた低誘電性絶縁材は、誘電率や強度、ドリル加工性にばらつきが生じることになり、適用製品、例えば半導体検査機器などの製品の不良につながるので好ましくない。
このように、熱硬化性樹脂成分とフッ素系樹脂粉末の混合は、樹脂混練物中に気泡を混入させないために、真空環境下にて行うこと大切であり、真空下での撹拌方法としては、遠心撹拌方法が好ましい。真空下での撹拌により、より好ましくは真空遠心攪拌方法を用いて樹脂混練物を調製することにより、樹脂混練物の撹拌時の温度の上昇が少なく、気泡を混入させることなく、混練が可能である。
前記樹脂混練物は、所望の金型に注入し、所定の温度にて所定の時間をかけて加熱することにより、所望形状の熱硬化物とすることができる。この樹脂混練物を熱硬化する場合の加熱温度および加熱時間は、使用する熱硬化性樹脂成分とその配合量により適宜に決定する必要がある。例えば、熱硬化性樹脂成分として、BT樹脂を用いた場合では、加熱温度は180〜230℃であり、加熱時間は、60〜240分である。また、エポキシ樹脂組成物を用いた場合では、加熱温度は100〜180℃であり、加熱時間は、60〜240分である。
上記のようにして樹脂混練物を熱硬化して得られた熱硬化物は、樹脂混練物に溶剤が含まれていないこと、混練は、真空下にて行われたことから、気泡形成がなく、緻密である。そのため、機械加工性、機械的強度に優れている。従って、金型による成形の後にさらに機械加工を施すことができ、より複雑な形状に仕上げることが可能となる。
半導体検査機器用の摺動材は、通常、金属製の型枠に樹脂を埋め込み、この樹脂を硬化した後、ドリルにより貫通孔を設けて、検査用のプローブの摺動穴を形成する。本発明の低誘電性絶縁材は、上述のように、誘電率が大変低く、かつ金属への接着性、機械加工性に優れるので、特に、上記半導体検査機器用の摺動材に好適に用いることができる。
熱硬化性樹脂成分として、室温にて半固形状で、60℃を超えると液状となるビスマレイミド−トリアジン系樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「BTレジンBT2160」:密度1.2g/cm3)を20体積%(24g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を80体積%(173.6g)の割合になるように計り取った。これらを、溶剤を加えることなく、真空遠心攪拌装置((株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎ARV−310」)に投入し、装置内部を0.67kPaまで減圧した。続いて、2000rpmの回転数で2分間脱気混合して粘土状の無溶剤樹脂混練物を得た。この混練時の原料温度は、70℃であった。
得られた熱硬化物(低誘電性絶縁材)を誘電率測定と摺動試験のサンプルとして用いた。成形性は加熱硬化したとき、サンプルが形状保持できている場合を良品(○)とし、流動して変形した場合を不良品(×)として評価した。
誘電率の測定は、JIS K6911に準拠して、電圧上昇比率法(Qメータ法、周波数1MHz)により、測定した。
加工性については、前記の熱硬化物サンプルに直径3.0mmのドリルで穴を開けた時の、穴周辺のバリ、欠け及び磨耗の有無(有り:×、無し:○)で評価した。
また、摺動性については、上記ドリル穴に直径2.8mmのプローブを挿入し、穴に対してプローブを100万回摺動させた後の穴周辺のバリ、欠け及び磨耗の有無(有り:×、無し:○)で評価した。
得られた樹脂混練物を圧入機を用いて金属製の枠体に圧入し、これを硬化した複合成形品(熱硬化物サンプル)の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して、気泡の有り(○)無し(×)を確認した。測定条件としては、10kV、30倍に設定した。このSEMによる観察によって、直径0.005mm以上の気泡の有無が確認できる。
このSEM写真の一例を図1に示した。写真に示されている縦の等間隔に配置された白く見える格子状の隔壁は、樹脂混練物を圧入機により圧入した金属製の枠体(金属製基材)である。この枠体の多数の仕切壁で区切られた空間に樹脂混練物が充填された状態で熱硬化されている。この仕切壁の間隔は、写真下部のスケールから分かるように、0.5mmであり、この仕切壁の間に充填されている熱硬化物の組織中には、気泡が全く形成されていないことが確認できる。
熱硬化性樹脂成分としてビスマレイミド−トリアジン系樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「BTレジンBT2160」:密度1.2g/cm3)を30体積%(36g)と、フッ素系樹脂粉末として平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を70体積%(151.9g)の割合になるように計り取る以外は、実施例1と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分としてビスマレイミド−トリアジン系樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「BTレジンBT2160」:密度1.2g/cm3)を50体積%(60g)と、フッ素系樹脂粉末として平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を50体積%(108.5g)の割合になるように計り取る以外は、実施例1と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
フッ素系樹脂粉末として、平均粒径20μmのテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)製、商品名「テフロンFEP」の粉砕品:密度2.15g/cm3)70体積%(150.5g)を用いたこと以外は、実施例2と同様の配合量にて同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
フッ素系樹脂粉末として、平均粒径20μmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPFA」の粉砕品:密度2.15g/cm3)70体積%(150.5g)を用いたこと以外は、実施例2と同様の配合量にて同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール)1重量部とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を20体積%(23.4g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の配合量にて同様の処理を行い、熱硬化物を得た。混練時の温度は60℃、熱硬化処理の温度および時間は、100℃/60分+180℃/240分とした。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール)1重量部とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を30体積%(35.1g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を70体積%(151.9g)の割合になるように計り取った以外は、実施例6と同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール:1重量部)とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を50体積%(58.5g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を50体積%(108.5g)の割合になるように計り取った以外は、実施例6と同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
フッ素系樹脂粉末として、平均粒径20μmのテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)製、商品名「テフロンFEP」の粉砕品:密度2.15g/cm3)70体積%(150.5g)を用いたこと以外は、実施例7と同様の配合量にて同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
フッ素系樹脂粉末として、平均粒径20μmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPFA」の粉砕品:密度2.15g/cm3)70体積%(150.5g)を用いたこと以外は、実施例7と同様の配合量にて同様の処理を行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分として、ビスマレイミド−トリアジン系樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「BTレジンBT2160」:密度1.2g/cm3)を55体積%(66g)と、フッ素系樹脂粉末として平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を45体積%(97.7g)の割合になるように計り取る以外は、実施例1と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
この比較例1では、加熱硬化時に樹脂混練物が若干流れ出し変形を生じた。
熱硬化性樹脂成分としてビスマレイミド−トリアジン系樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「BTレジンBT2160」:密度1.2g/cm3)を15vol%(18g)と、フッ素系樹脂粉末として平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を85体積%(184.5g)の割合になるように計り取る以外は、実施例1と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
この比較例2では、穴加工時に穴周辺に欠けが生じ、摺動試験後は穴に磨耗が見られた。
熱硬化性樹脂成分として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール)1重量部とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を55vol%(35.1g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を45体積%(97.7g)の割合になるように計り取った以外は、実施例6と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂成分として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール)1重量部とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を15体積%(18g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を85体積%(184.5g)の割合になるように計り取った以外は、実施例6と同様に行い、熱硬化物を得た。得られた熱硬化物に対して、実施例1と同様に物性測定および性能評価を行った。
熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂(長瀬産業(株)製、商品名「オンコートEX1020」)100重量部と、酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)90重量部と、硬化促進剤(2エチル4メチルイミダゾール)1重量部とからなる樹脂組成物(密度1.18g/cm3)を30体積%(35.1g)と、フッ素系樹脂粉末として、平均粒径15μmのポリテトラフロロエチレン粉末(旭硝子(株)製、商品名「フルオンPTFEルブリカントL150J」:密度2.17g/cm3)を70体積%(151.9g)の割合になるように計り取り、さらに溶媒(メチルエチルケトン)を前記の樹脂組成物100gに対し20gの割合で加えた。揮発性溶媒を含む組成であるため、常圧で2000rpmの回転数で2分間混合して粘土状の樹脂混練物を得た。
得られた樹脂混練物のチクソ係数を実施例1と同様に行って求めた。
この比較例5の樹脂混練物は、硬化するため100℃で60分間加熱したところ、流れ出して変形してしまった。また、発泡したため誘電率測定用のサンプルや摺動試験用のサンプルは得られなかった。
樹脂混練を常圧雰囲気下にて行ったこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化物を作製し、実施例1と同様にして性能の評価を行った。
また、この比較例6で得られた樹脂混練物を圧入機を用いて金属製の枠体に圧入し、これを硬化した複合成形品の断面SEM写真を図2に示した。図2に示す写真は、先に実施例1の熱硬化物の断面SEM写真と同じ条件、すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を10.0kV、30倍の条件に設定して観察したものである。写真に示されている縦の等間隔に配置された白く見える格子状の隔壁は、樹脂混練物を圧入機により圧入した金属製の枠体である。この枠体の多数の仕切壁で区切られた空間に樹脂混練物が充填された状態で熱硬化されている。この仕切壁の間隔は、写真下部のスケールから分かるように、0.5mmであり、この仕切壁の間に充填されている熱硬化物の組織中には、多数の気泡が形成されていることが確認できる。
Claims (13)
- 熱硬化性樹脂成分20〜50体積%とフッ素系樹脂粉末80〜50体積%とからなる無溶剤樹脂混練物の熱硬化物であることを特徴とする低誘電性絶縁材。
- 組織中に気泡形成がないことを特徴とする請求項1に記載の低誘電性絶縁材。
- 熱硬化性樹脂成分がビスマレイミド−トリアジン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低誘電性絶縁材。
- 熱硬化性樹脂成分が無溶剤エポキシ系樹脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低誘電性絶縁材。
- 所定の形状に機械加工されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低誘電性絶縁材。
- 半導体検査機器用低誘電性摺動材であることを特徴とする請求項5に記載の低誘電性絶縁材。
- 液状の熱硬化性樹脂成分20〜50体積%に対し、フッ素系樹脂粉末を80〜50体積%配合し、前記配合物を溶剤を用いずに真空条件下にて混練し気泡を含まない無溶剤樹脂混練物を調製する無溶剤樹脂混練物調製工程と、
前記無溶剤樹脂混練物を熱硬化させて低誘電性絶縁材を得る熱硬化工程と、を有することを特徴とする低誘電性絶縁材の製造方法。 - 前記無溶剤樹脂混練物のチクソ指数が2以上であることを特徴とする請求項7に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
- 真空条件下での混練を遠心撹拌により行うことを特徴とする請求項7または8に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
- 熱硬化性樹脂成分がビスマレイミド−トリアジン系樹脂であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
- 熱硬化性樹脂成分が無溶剤エポキシ系樹脂組成物であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
- 前記無溶剤樹脂混練物調製工程と熱硬化工程との間に、無溶剤樹脂混練物を所定の形状に成形する成形工程を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
- 前記熱硬化工程の後に、得られた熱硬化物を機械加工する機械加工工程を有することを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の低誘電性絶縁材の製造方法。
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