JP2009212062A - 回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】接点部の閉極速度を速めた速入機構の長寿命化を図った回路遮断器を提供する。
【解決手段】開閉機構9は、ハンドル操作に応じて第2回動軸21をスライド移動させるとともに可動接点アーム22を第2回動軸21の回りに回動させることで接点部6を接離させるリンク機構と、可動接点アーム22において第2回動軸21に対し可動接点8と反対側の部位を付勢する接圧ばね32と、一端側をハンドル10のガイド溝10cに係合させ、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の場合は可動接点アーム22の回転を停止させ、第2回転角以上になると停止状態から開放するストップバー31とを備える。ガイド溝10cは、回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の場合と第2回転角になった場合とで、可動接点アーム22からガイド溝10c内の係合部に加わる負荷方向が反対向きとなるような位置に設けてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路遮断器に関するものである。
従来、ハンドル操作に応じて可動接点を固定接点に接触又は開離させるリンク機構と、開極方向の力を蓄積した状態でリンク機構をラッチし、過電流発生時に電磁釈放装置或いは熱動釈放装置に一端部が押されることでラッチ状態を解除してリンク機構によるトリップ動作を行わせるトリップレバーとを備えた回路遮断器が提供されている(例えば特許文献1参照)。
回路遮断器では可動接点と固定接点とが閉極又は開極する際の速度が遅いと、可動接点と固定接点との間にアークが発生し、その際の熱で器体内部が損傷する可能性がある。そのため、上記公報に開示された回路遮断器では接点を迅速に閉じるための速入機構を設けてあり、この速入機構は、ハンドルに支持されてハンドルと共に回動する爪部材と、ハンドルの回動に伴って爪部材が摺動する傾斜面を具備して爪部材が傾斜面を摺動する間は可動接点の動きを一時的に停止させるブロッキングアームとを備えている。
ここで、接点部を閉じる方向にハンドルを回転させた場合、爪部材が傾斜面の上を摺動する間はハンドルの回転に伴う可動接点の移動が一時停止させられ、この間にハンドルに設けた戻りばねにエネルギーが蓄積されるようになっている。そして、ハンドルが所定角度以上回転し、爪部材が傾斜面の終点に達すると、爪部材がリンク機構から離間させられて、停止中に蓄積されたばね力を一挙に開放することで、可動接点を閉極方向に高速で移動させて、可動接点を固定接点に短時間で接触させている。
特許第2637081号公報
上記公報に開示された回路遮断器では、ハンドルを用いて入切操作を行う度に、爪部材がブロッキングアームの傾斜面を摺動するため、多回数の入切操作を行うと、爪部材やブロッキングアームの傾斜面が摩耗して、ハンドルの回転動作が不安定になる可能性があり、速入機構の寿命が短くなるという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、接点部の閉極速度を速めた速入機構の長寿命化を図った回路遮断器を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、器体の内部に、固定接点および当該固定接点に接離自在に接触する可動接点を具備した接点部と、少なくとも操作部を器体の外部に露出させた状態で器体に対して回動自在に支持されたハンドルと、ハンドルの回動動作に応じて可動接点を固定接点に接離させる開閉機構とを備えた回路遮断器において、開閉機構は、可動接点を有し器体に対して移動自在に設けられた回動軸に回動自在に軸支された可動接点アームと、ハンドルの回動動作に応じて回動軸をスライド移動させるとともに可動接点アームを回動軸の回りに回動させることで可動接点を固定接点に接離させるリンク機構と、可動接点アームにおいて回動軸に対し可動接点と反対側の部位を付勢することで、可動接点アームに回動軸を介して連結されたリンク機構に付勢力を与える接圧ばねと、ハンドルとリンク機構との間を連結してハンドルの回動動作をリンク機構に伝達するスラストバーと、一端側をハンドルに係合させ、ハンドルのオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の角度範囲では可動接点アームの回転を停止させるとともに、回転角度が第2回転角以上になると可動接点アームを停止状態から開放してオン方向に回転させるストップバーとを備え、ハンドルは、ストップバーの一端側に係合する係合部をハンドル回転方向に沿って所定の角度範囲だけ移動可能とする案内機構を備え、当該案内機構は、回転角度が角度範囲内の場合と第2回転角になった場合とで、可動接点アームからストップバーを介して係合部に加わる負荷方向が、ハンドル回転方向において反対向きとなるような位置に設けられたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、案内機構に係合するストップバーの一端側を、ハンドル回転方向における一端側に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、案内機構は、ハンドルのオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の場合と第2回転角になった場合とで、可動接点アームからストップバーを介して係合部に加わる負荷方向が、ハンドル回転方向において反対向きとなるような位置に設けられ、負荷方向が反転してストップバーと係合する係合部の位置が移動することで、可動接点アームが停止状態から開放されるので、従来の回路遮断器のように爪部材がブロッキングアームの傾斜面を摺動する間は可動接点の動きを停止させ、傾斜面の終端まで摺動すると可動接点を固定接点に急速に接触させる場合に比べて、摩耗などによる機械的な損傷が生じにくく、開閉機構の寿命を延ばすことができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、案内機構に係合されたストップバーの一端側が、付勢手段によってハンドル回転方向の一端側へ付勢されているので、接点部のオフ時においてストップバーの一端側の位置が定まり、開閉機構の動作を安定させることができる。さらに、ストップバーの一端側には可動接点アームから受ける力と付勢ばねのばね力との合力が加わり、この合力の方向がハンドル回転方向において反対向きになると可動接点アームが停止状態から開放されるので、付勢ばねのばね力を調整することで、可動接点アームが停止状態から開放されるときの回転角度を容易に調整できるという効果がある。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図1中の上側を回路遮断器の前側、下側を回路遮断器の後側、左側を回路遮断器の左側、右側を回路遮断器の右側と規定し、紙面に垂直な方向を回路遮断器の幅方向と規定する。
本実施形態の回路遮断器は、図1、図2および図6(a)〜(d)に示すように、ボディ2及びカバー3からなる器体1と、負荷等の電源線(図示せず)を接続するための負荷側端子部4Aと、外部電源(図示せず)に電気的に接続するための電源側端子部4Bと、器体1内の所定位置に固定される固定接点7及び固定接点7に接離する可動接点8からなる接点部6と、ボディ2の前壁に設けた窓孔2aから操作摘み(操作部)10aを外部に露出させた状態で、器体(ボディ2)に設けたハンドル軸24に回動自在に支持される合成樹脂製のハンドル10と、ハンドル10の開閉操作(オンオフ操作)に応じて接点部6を開閉させる開閉機構9と、異常電流(短絡電流および過負荷電流)を検知すると開閉機構9を駆動して接点部6を強制開極させるトリップ機構(電磁釈放機構部11および熱動釈放機構部12)と、接点部6の開極時に発生するアークを速やかに消弧するための消弧装置13と、器体1(ボディ2)の前面に設けた表示窓14に少なくとも一部を臨ませた状態で配置され、接点部6のオン、オフおよびトリップ状態を表示するための合成樹脂製の表示部材15とを備えている。
ボディ2及びカバー3は、それぞれ、絶縁性を有する合成樹脂により、幅方向の一面が開口した略箱状に形成されている。ボディ2とカバー3とは、互いの開口部を合わせ、ボディ2の四隅に突設されたボス2dをカバー3の側壁に設けた貫通孔に挿入した状態で、ボディ2の左右両側壁に設けた係止爪2cをカバー3の左右両側壁に設けた係止孔3aに引掛係止させ、カバー3の表面から突出するボス2dの先端を潰すことにより、ボディ2とカバー3とが結合される。
負荷側端子部4Aおよび電源側端子部4Bは、それぞれ、電源側および負荷側からの電線(図示せず)を接続するためのものであって、導電性を有する金属板を用いて左右方向を軸方向とする角筒状に形成された端子金具16,16(所謂ピラー端子)と、導電性を有する金属板を略コ字状に折り曲げて形成され、コ字状部の下側片を端子金具16の筒内に挿入した状態でボディ2内に配設される端子板5A,5Bと、端子板5A,5Bが備えるコ字状部の上側片に設けた挿通孔(図示せず)に遊嵌されて、端子金具16,16の前壁部に設けたねじ孔(図示せず)に螺合する固定ねじ17,17とを備えている。そして、負荷側端子部4Aの端子板5Aには電磁釈放機構部11を構成するコイル18が固着され、電源側端子部4Bの端子板5Bには熱動釈放機構部12を構成する帯板状のバイメタル板19に一端が固着された編組線23aの他端が固着されている。
固定接点7は、器体1内部の所定位置に固定される固定接点板20に固着されており、この固定接点板20にはコイル18の他端が固着されている。また可動接点8は、所定の厚みを有する金属板に抜き加工および曲げ加工を施して形成された可動接点アーム22の一端部に設けられている。この可動接点アーム22は、器体1の内壁に設けた円弧状のガイド溝2b(図1参照)に沿って移動自在に取着される第2回動軸21に対して他端側が回動自在に軸支されており、可動接点アーム22の中間部には編組線23bの一端側が固着されている。編組線23bの他端側はバイメタル板19の中間位置に固着されており、端子板5B−編組線23a−バイメタル板19−編組線23b−可動接点アーム22−可動接点8−固定接点7−固定接点板20−コイル18−端子板5Aの経路で電路が形成されている。
開閉機構9は、可動接点8を有し器体1に対して移動自在に設けられた第2回動軸21に回動自在に軸支された可動接点アーム22と、ハンドル10の回動動作に応じて第2回動軸21をスライド移動させるとともに、可動接点アーム22を第2回動軸21の回りに回動させることで可動接点8を固定接点7に接離させるリンク機構(支持部材26およびラッチ部材30などからなる)と、可動接点アーム22において第2回動軸21に対し可動接点8と反対側の部位を付勢することで、可動接点アーム22に第2回動軸21を介して連結されたリンク機構に付勢力を与える接圧ばね32(図1参照)と、丸棒状の金属棒の両端部を一方向に折曲することによってコ字形に形成され、ハンドル10に設けた軸穴10bに一方の軸部を回動自在に軸支させた状態でハンドル10とリンク機構との間を連結し、ハンドル10の回動動作をリンク機構に伝達するスラストバー27と、丸棒状の金属棒の両端部を一方向に折曲することによってコ字形に形成され、一端側の軸部がハンドル10のガイド溝10c内に係合されるとともに、後述する支持部材26に設けたL字形の係合片26bに他端側の軸部が引掛掛止され、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の角度範囲では可動接点アーム22の回転を停止させるとともに、回転角度が第2回転角以上になると可動接点アーム22を停止状態から開放してオン方向に回転させるストップバー31とを備える。ここにおいてリンク機構は、所定の厚みを有する金属板に抜き加工および曲げ加工を施して形成され、器体1に設けた第1回動軸25に中間部が回動自在に軸支されるとともに、スラストバー27の他方の軸部を係脱自在に係合する係合部26aが一端側に設けられた支持部材26と、所定の厚みを有する金属板に抜き加工および曲げ加工を施して形成され、中央部で支持部材26とともに第1回動軸25に回動自在に軸支され、一端側に設けたL字形の爪片28と上述の係合部26aとの間にスラストバー27の他方の軸部を係合するための閉空間を形成するとともに、他端側に第2回動軸21が係入される長孔状のリンク孔29が形成されたラッチ部材30と、第1回動軸25を中心にしてラッチ部材30の一端側の爪片28が支持部材26の係合部26aに近付く向きにラッチ部材30を回転させる方向の付勢力をラッチ部材30に与えるとともに、表示部材15を第1回動軸25の回りに反時計回りに回転させる方向の付勢力を表示部材15に与えるラッチ用ばね33とを備えている。
ハンドル10には、軸穴10bよりもオフ回転側にストップバー31の一方の軸部が係入される長円状のガイド溝(案内機構)10cが円周方向に沿って設けられている。このガイド溝10cは、ストップバー31の一端側に係合する係合部をハンドル回転方向に沿って所定の角度範囲だけ移動可能としてあり、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の角度範囲内の場合と、上記回転角度が第2回転角になった場合とで、可動接点アーム22からストップバー31を介して上記係合部に加わる負荷方向が、ハンドル回転方向において反対向きとなるような位置に設けられている。またハンドル10には、ガイド溝10cに係合するストップバー31の一端側の軸部を、ハンドル回転方向における一端側(オフ回転側の端部、すなわち図1中の右端方向)へ付勢するリンクばね(付勢手段)34と、ハンドル10をオフ回転方向(図1における反時計回り方向)に弾性付勢するハンドルばね(図示せず)が設けられている。
表示部材15は合成樹脂成型品からなり、ボディ2の前面に開口する表示窓14内で、接点部6の状態(オン状態、オフ状態、トリップ状態の何れか)を表示するために用いられる。この表示部材15は、図1、図7および図8に示すように、第1回動軸25が挿入される軸孔40aを有し、支持部材26およびラッチ部材30とともに第1回動軸25に回動自在に枢支される板状の回動体40と、回動体40の前側部の左側縁から幅方向の一側(図1における紙面手前側)に突出して、支持部材26の係合片26bに当接する当接片41と、前面が第1回動軸25を中心とする断面円弧状の曲面に形成されて少なくとも一部が表示窓14に臨む部位に配置される表示面42と、表示面42の左側端の幅方向両側縁から、表示面42の前面に沿って右側方向へそれぞれ延長形成された係止爪片43,43と、回動体40の前側部から右斜め前方に突出して、回動体40と表示面42の後面との間を連結する連結片44と、表示面42の右側部後面より左斜め後方に向かって延出するガイド片45と、回動体40の前側部の右側縁から右側方向へ突出する突出片46とを一体に備えている。なお表示面42は円周方向の中間部に凹部を有し、この凹部がオフ状態を表示するオフ表示部42aとなっている。また表示面42には円周方向においてオフ表示部42aの両側部に、オン状態を表示するオン表示部42bと、トリップ状態を表示するトリップ表示部42cとが設けられており、各表示部42a〜42cの色や表示内容を異ならせることで、オン状態とオフ状態とトリップ状態との判別が行えるようになっている。
接圧ばね32は、両端部が互いに逆方向に突出する捩りコイルばねからなり中央の孔に第1回動軸25が挿通されて、一端部がボディ2に設けたばね受け突起(図示せず)に当接する。また接圧ばね32の他端部は、可動接点アーム22において第2回動軸21に対して可動接点8が設けられた一端側と反対側の端部に設けられたばね受け片22aに当接し、ばね受け片22aを図1中の右側へ弾性付勢することで、可動接点アーム22を第2回動軸21の回りに時計回りに回転する方向へ付勢するとともに、可動接点アーム22に連結された支持部材26を第1回動軸25の回りに反時計回りに回転する方向へ付勢している。
ラッチ用ばね33は、捩りコイルばねからなり中央の孔に第1回動軸25が挿通されて、一端部が表示部材15の当接片41に当接するとともに、他端部がラッチ部材30に設けたばね受け片30aに当接する。このラッチ用ばね33により、ラッチ部材30の爪片28が支持部材26の係合部26aに近づき、且つ、爪片28と係合部26aとで囲まれる空間(つまりスラストバー27の軸部が挿入される空間)を閉空間とする方向へラッチ部材30を回動させるような弾性付勢力がラッチ部材30に与えられるとともに、表示部材15を第1回動軸25の回りに反時計回りに回転させる方向の付勢力が表示部材15に与えられる。
また上述したラッチ部材30は、後端部の左側縁から延長形成されて電磁釈放機構部11により押圧される略L字形の第1押圧片35と、後端部の右側縁から延長形成されて熱動釈放機構部12により押圧される略L字形の第2押圧片36とを備えている。
ここにおいて本実施形態では、開閉機構9の構成部品、すなわち可動接点アーム22、リンク機構(支持部材26およびラッチ部材30など)、スラストバー27およびストップバー31が全て金属部品で形成されているので、樹脂製の部品で構成した場合に比べて低コスト化を図ることができる。また、材料強度が合成樹脂よりも高い金属材料により開閉機構9の構成部品を形成しているので、開閉機構9を構成する部品の小型化が可能であり、また温度に対する経年変化にも強いので、長期間に亘って動作性能を安定化させることができる。なお、ラッチ部材30の第1押圧片35に対向して熱動釈放機構部12の押圧ピン38が配置されているのであるが、開閉機構9の構成部品を全て金属製としているので、開閉機構9と熱動釈放機構部12との絶縁を図る必要がある。そこで本実施形態では、押圧ピン38を露出させる部位を除いて開閉機構9と熱動釈放機構部12との間に配置される絶縁壁2e,2fをボディ2の内壁から立設しており、絶縁壁2e,2fによって開閉機構9と熱動釈放機構部12との間の絶縁を図っている(図1及び図2参照)。
電磁釈放機構部11は、絶縁性を有する合成樹脂により円筒状に形成されて、平角巻線からなるコイル18が外周面に巻装されたコイルボビン37と、コイルボビン37の内部に設けられた磁性材料からなる固定鉄芯(図示せず)と、コイルボビン37内に左右方向にスライド移動自在に設けられた磁性材料からなる可動鉄芯(図示せず)と、コイルボビン37内に配置され、可動鉄芯を固定鉄芯から離れる方向に付勢する付勢ばね(図示せず)と、可動鉄心に結合されて先端部がコイルボビン37の外側に突出し、可動鉄芯が固定鉄芯に吸引されると先端部でラッチ部材30の第1押圧片35を右方向に押圧する押圧ピン38と、ヨーク39とで構成されている。
ヨーク39は、図1に示すように磁性材料によって左後部に切欠を有する略ロ字形に形成されており、左右方向において対向する一対の磁性片39a,39bと、一対の磁性片39a,39bの前側縁間を連結する連結片39cとを一体に備えており、両磁性片39a,39b間にコイルボビン37が配置される。また右側の磁性片39bには、上述の押圧ピン38が挿通可能な挿通孔(図示せず)が形成されるとともに、磁性片39bの後側縁(図1の下側縁)から左側に向かって消弧装置13に対向配置される対向片39dが延長形成されている。なおヨーク39には、右側の磁性片39bの一部を切り起こすことによって固着片39eが形成されており、この固着片39eの前側面にコイル18の一端部が固着されるとともに、固着片39eの後側面に固定接点板20が固着されている。
而して電磁釈放機構部11では、コイル18に電流が流れていない状態(初期状態)では、可動鉄芯が復帰ばねの付勢力によって固定鉄芯から離間しており、可動鉄芯に連結された押圧ピン38が左端の位置まで後退している。一方、端子部4A,4B間に電流が流れて、コイル18に通電されると、固定鉄芯−ヨーク39−可動鉄芯を通過する磁路の磁気抵抗を小さくするように可動鉄芯と固定鉄芯との間で吸引力が作用し、コイル18に流れる電流が短絡電流等の過大な電流である場合には、復帰ばねの付勢力に抗して可動鉄芯が固定鉄芯側へ移動することになる。このとき、可動鉄芯に連結された押圧ピン38が右方向へ突出し、押圧ピン38の先端部でラッチ部材30の第1押圧片35が右側へ押圧されて、開閉機構9によるトリップ動作が行われる。トリップ動作が行われて接点部6が強制開極されると、コイル18に流れる電流が減少して可動鉄芯に作用する吸引力が低下するため、復帰ばねの付勢力によって可動鉄芯が初期位置に移動し、押圧ピン38が左端の初期位置まで後退する。
熱動釈放機構部12を構成するバイメタル板19としては、自己発熱によって湾曲する形式の直熱型や、板状のヒータが積層されヒータによる加熱で湾曲する傍熱型のものを用いることができる。バイメタル板19に電流が流れていない状態ではバイメタル板19は湾曲せず、バイメタル板19の先端部は第2押圧片36に当接していない。一方、端子部4A,4B間に過負荷電流のような過大な電流が流れると、電路を流れる過負荷電流によってバイメタル板19の温度が上昇し、それに応じてバイメタル板19が湾曲するため、バイメタル板19の先端が第2押圧片36を右側へ押圧して、開閉機構9によるトリップ動作が行われる。トリップ動作が行われて接点部6が強制開極されると、バイメタル板19に流れる電流が減少し、その温度が低下してバイメタル板19の湾曲度合いが小さくなり、やがてバイメタル板19の先端部がラッチ部材36の第2押圧片36から離れた初期状態に戻る。
消弧装置13は、図1及び図2に示すようにアーク走行板13aと消弧グリッド13bとで構成される。アーク走行板13aは、帯板状の金属板を曲成することによって形成され、バイメタル板19の基部が一端に結合されており、器体1の下側壁に沿って器体1の左側へ延設されるとともに、前後方向においてヨーク39の対向片39dと重複する消弧片13cを他端側に備えている。消弧グリッド13bは、前後方向に所定の間隔をおいて平行配置された複数枚の導電板からなる消弧板13dと、絶縁材料により形成されて消弧板13dの幅方向における両面をそれぞれ覆う支持板13eとで構成されている。ここで、消弧グリッド13bは、アーク走行板13aの消弧片13cと、ヨーク39の対向片39dのそれぞれに消弧板13dが平行するようにして、消弧片13cとヨーク39の対向片39dとの間に配設されている。この消弧装置13によれば、可動接点8が固定接点7から離れる際にアークが生じた場合に、アークを引き伸ばして消弧することができる。尚、消弧装置13は従来周知のものを用いることができるので、本実施形態では詳細な説明を省略する。
次に、回路遮断器の動作について図1〜図5を参照して説明する。なお図1および図2はオフ状態の説明図、図3はオン状態の説明図、図4はトリップ直後の状態を示す説明図、図5は接点部6の溶着状態を示す説明図である。
図1に示すように、オフ状態ではハンドル10がハンドルばねの付勢力によってオフ回転方向(図1中の反時計回り)に回転し、操作摘み10aが窓孔2aの左端縁に当接する位置で停止している。この時、ハンドル10の回動に伴ってスラストバー27およびストップバー31が前側(図1の上側)に引き上げられ、スラストバー27が支持部材26を押圧する力が無くなるので、接圧ばね32のばね復帰力によって支持部材26が第1回動軸25を中心に反時計回りに回転するとともに、可動接点アーム22が第2回動軸21を中心に時計回りに回転する。そして支持部材26は、第2回動軸21がガイド溝2bの終端位置まで移動した位置で停止し、可動接点アーム22は、上端部の左側縁から突出するストッパ片22bが支持部材26の係合片26bに当接した位置で停止しており、可動接点アーム22の下端側に設けた可動接点8が固定接点7から開離している。またラッチ部材30はラッチ用ばね33のばね力を受けて図1中時計回りに回転するのであるが、爪片28がスラストバー27の軸部と係合する位置で、ラッチ部材30の回転が停止する。また更に表示部材15もラッチ用ばね33のばね力を受けて図1中反時計回りに回転し、図1および図9(a)に示すように表示部材15の係止爪片43が器体1の内壁に設けた係止突起47と係止する位置で停止する。この時、表示部材15の表示面42において円周方向の中間部(オフ表示部42a)がボディ2の表示窓14から露出する。
また接点部6がオフの状態(図1参照)で、ハンドル10の操作摘み10aをオフ位置からオン方向(図1中の右回り方向)へ回転移動させると、ハンドル10の回転に伴って、スラストバー27の他端側の軸部が支持部材26の係合部26aを押圧することによって、支持部材26を第1回動軸25の周りに図1中右回りに回転させ、支持部材26の後端部に取着された第2回動軸21をガイド溝2bに沿って固定接点板20に近付く方向(図1中の左側)へスライド移動させる。また第2回動軸21に軸支された可動接点アーム22は、ばね受け片22aが接圧ばね32によって右側方向に付勢されているので、第2回動軸21のスライド移動に伴って、可動接点アーム22の全体が図中左側へ移動するとともに、可動接点アーム22が第2回動軸21を中心に図1中時計回りに回転するのであるが、ハンドル10の回転に伴ってストップバー31の他方(後側)の軸部が後側へ移動し、オフ位置からの回転角度が所定の第1回転角になると、ストップバー31の他方(後側)の軸部が可動接点アーム22のストッパ片22bに当接し、ストップバー31によって可動接点アーム22の回転が停止させられ、器体に対する可動接点アーム22の回転位置はそのままで第2回動軸21が図1中の左側へスライド移動する。さらにハンドル10が回転させられて、オフ位置からの回転角度が所定の第2回転角になると、第2回動軸21のスライド移動に応じて、ハンドル10のガイド溝10c内に係入されたストップバー31の一方の軸部が、ストップバー31の他方の軸部(可動接点アーム22のストッパ片22bを押圧する側)とハンドル軸24とを結ぶ線分を超えて図1中の左側に移動する。ここで、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の角度範囲の場合と、第2回転角になった場合とで、ストップバー31の軸部が係合するガイド溝10cの部位(係合部)に、可動接点アーム22からストップバー31を介して加わる負荷方向がハンドル回転方向において反対向きとなっている。したがって、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第2回転角以上になると、ストップバー31の軸部によってストッパ片22bを押圧する力が無くなるので、可動接点アーム22が停止状態から開放される。このとき可動接点アーム22は、ストップバー31により回転を止められている間に接圧ばね32に蓄積された付勢力によって第2回動軸21を中心に図4中時計回りに急速に回転し、可動接点アーム22の可動接点8が固定接点7に短時間で接触することになるから、閉極時のアークの発生を防止することができる。
そして、ハンドル10がオン位置まで回転した状態では、スラストバー27の一端側の軸部(軸穴10bに枢支される側)が、ハンドル軸24とスラストバー27の他端側の軸部とを結ぶ線を越えて反対側(後側)へ移動するので、接圧ばね32のばね力とハンドルばねのばね力などがバランスしてハンドル10がオン位置で保持され、接点部6が閉極状態となる(図3参照)。またハンドル10の回転に伴って支持部材26が時計回りに回転すると、支持部材26の係合片26bがラッチ用ばね33のばね力に抗して表示部材15の当接片41を前側へ押圧するため、表示部材15が第1回動軸25を中心に図1中の時計回りに回転する。オン状態における表示部材15の回転位置は、閉極状態で係合片26bと当接片41とが接触する位置で決まり、図3および図9(b)に示すように表示部材15の表示面42において円周方向の左側部(オン表示部42b)が表示窓14から露出する。またラッチ部材30はラッチ用ばね33のばね力を受けて図1中時計回りに回転するのであるが、爪片28がスラストバー27の軸部と係合する位置で、ラッチ部材30の回転が停止する。なお、オン状態においては接圧ばね32のばね力によって可動接点8と固定接点7との接圧が得られるようになっている。
また接点部6がオンの状態(図3参照)で、ハンドル10の操作摘み10aをオン位置からオフ側へ回転移動させると、ハンドル10の回転に伴ってスラストバー27およびストップバー31が前側(図3の上側)に引き上げられ、スラストバー27が支持部材26を押圧する力が無くなるので、接圧ばね32のばね復帰力によって支持部材26が第1回動軸25を中心に反時計回りに回転するとともに、可動接点アーム22が第2回動軸21を中心に時計回りに回転する。なお支持部材26は、第2回動軸21がガイド溝2bの終端位置まで移動した位置で停止するとともに、可動接点アーム22は、上端部の左側縁から突出するストッパ片22bが支持部材26の係合片26bに当接した位置で停止し、接点部6が開極する。ここにおいて、ハンドル10をオフ方向へ回転させる際に、スラストバー27の一端側の軸部(軸穴10bに枢支される側)が、ハンドル軸24とスラストバー27の他端側とを結ぶ線を越えて反対側へ移動すると、ハンドルばねのばね力によりハンドル10がオフ方向へ急速に回転するので、可動接点8が固定接点7から短時間で引き外されて、アークの発生を防止することができる。そして、接点部6のオフ時には爪片28がスラストバー27の軸部と係合する位置でラッチ部材30の回転が停止し、表示部材15は、表示面42において円周方向の中間部(オフ表示部42a)が表示窓14から露出する位置で停止する。
次に熱動釈放機構部12および電磁釈放機構部11によるトリップ動作について説明する。まず熱動釈放機構部12によるトリップ動作について説明する。接点部6のオン時(図3参照)に過負荷電流のような異常電流が電路に流れると、電路を流れる過大な電流によってバイメタル板19の温度が上昇し、やがてバイメタル板19が湾曲するので、バイメタル板19の前端部(図3の上側部)によりラッチ部材30の第2押圧片36がラッチ用ばね33のばね力に抗して右方向に押圧される。このとき、ラッチ部材30が第1回動軸25を中心に反時計回りに回転することによって、爪片28が支持部材26から離れる方向へ移動し、爪片28と係合部26aとで囲まれる空間が開空間となる。この空間が開空間になると、スラストバー27の他端側の軸部(軸穴10bで軸支される側と反対側)が爪片28と支持部材26で囲まれる空間から外側に外れ、ハンドル10からの力が支持部材26に加わらなくなるので、接圧ばね32のばね復帰力によって支持部材26が第1回動軸25を中心に反時計回りに回転するとともに、可動接点アーム22が第1回動軸21を中心に時計回りに回転する。そして支持部材26は、第2回動軸21がガイド溝2bの終端位置まで移動した位置で停止し、可動接点アーム22は、上端部の左側縁から突出するストッパ片22bが支持部材26の係合片26bに当接した位置で停止しており、可動接点8が固定接点7から強制的に開極させられる。またスラストバー27の他端側の軸部が爪片28と支持部材26で囲まれる空間から外に出る際には、支持部材26の回転によってスラストバー27の軸部が前側に跳ね上げられ、それによってスライドバー27の軸部が表示部材15のガイド片45を前側に跳ね上げるから、表示部材15が第1回動軸25を中心に反時計回りに回転させられて、図4および図9(c)に示すように係止爪片43が器体1の内壁の係止突起47を乗り越える位置まで回転する。すなわち表示部材15は、オフ状態の位置よりもさらに左側まで移動することになり、表示面42において円周方向の右側部(トリップ表示部42c)が表示窓14から露出する。またトリップ動作が行われると、ハンドル10がハンドルばねのばね力によってオン位置からオフ位置まで回転し、ハンドル10の回転に伴ってスラストバー27の他端側の軸部が図4中の左側へ引っ張られると、この軸部がガイド片45に案内されてラッチ部材30の爪片28と支持部材26の係合部26aとで囲まれる空間内に入り込むので、表示部材15の回転位置を除けばオフ状態と同様の状態となる。
また接点部6がオンしている状態(図3参照)で、電路に短絡電流のような異常電流が流れると、コイル18に流れる電流によって磁界が発生し、固定鉄芯−ヨーク39−可動鉄芯を通過する磁路の磁気抵抗を小さくするように可動鉄芯と固定鉄芯との間で吸引力が作用して、可動鉄芯が固定鉄芯側へ移動する。このとき、可動鉄芯の移動に応じて押圧ピン38が右方向へ突出し、押圧ピン38の先端部でラッチ部材30の第1押圧片35が右側へ押圧されるので、ラッチ部材30が第1回動軸25を中心として図3中反時計回りに回転する。このとき、爪片28が支持部材26の係合部26aから離れる方向へ移動して、爪片28と係合部26aとで囲まれる空間が開空間となり、スラストバー27の他端側の軸部がこの空間から外側に出るので、上述した熱動釈放機構部12の場合と同様のトリップ動作が行われて接点部6が強制開極される。
なおトリップ状態から復帰させる場合、ハンドル10の操作摘み10aをオフ位置からオン方向(図1中時計回り方向)へ回転移動させると、ハンドル10の回転に伴って、スラストバー27の他端側の軸部が支持部材26の係合部26aを押圧することによって、支持部材26を第1回動軸25の周りに図1中右回りに回転させ、支持部材26の後端部に取着された第2回動軸21をガイド溝2bに沿って固定接点板20に近付く方向(図1中の左側)へスライド移動させる。また第2回動軸21に軸支された可動接点アーム22は、ばね受け片22aが接圧ばね32によって右側方向に付勢されているので、第2回動軸21のスライド移動に伴って、可動接点アーム22の全体が図中左側へ移動するとともに、可動接点アーム22が第2回動軸21を中心に図1中時計回りに回転するのであるが、ハンドル10のオフ位置からの回転角が第1回転角になると、ストップバー31の他方(後側)の軸部が可動接点アーム22のストッパ片22bに当接し、ストップバー31によって可動接点アーム22の回転が停止させられ、器体に対する可動接点アーム22の回転位置はそのままで第2回動軸21が図1中の左側へスライド移動する。

さらにハンドル10が回転させられて、オフ位置からの回転角度が所定の第2回転角になると、第2回動軸21のスライド移動に応じて、ハンドル10のガイド溝10c内に係入されたストップバー31の一方の軸部が、ストップバー31の他方の軸部(可動接点アーム22のストッパ片22bを押圧する側)とハンドル軸24とを結ぶ線分を超えて図1中の左側に移動する。このとき、上述したようにストップバー31の軸部によってストッパ片22bを押圧する力が無くなるので、可動接点アーム22が停止状態から開放され、ストップバー31により回転を止められている間に接圧ばね32に蓄積された付勢力によって、可動接点アーム22が第2回動軸21を中心に図1中時計回りに急速に回転し、可動接点8が固定接点7に短時間で接触することになる。そして、ハンドル10がオン位置まで回転した状態では、スラストバー27の一端側の軸部(軸穴10bに枢支される側)が、ハンドル軸24とスラストバー27の他端側の軸部とを結ぶ線を越えて反対側(後側)へ移動するので、接圧ばね32のばね力とハンドルばねのばね力などがバランスして、ハンドル10がオン位置で保持される(図3参照)。またこの時、支持部材26の係合片26bがラッチ用ばね33のばね力に抗して表示部材15の当接片41を前側へ押圧することによって、表示部材15が第1回動軸25を中心に図1中の時計回りに回転し、図3および図9(b)に示すように表示部材15の表示面42において円周方向の左側部(オン表示部42b)が表示窓14から露出する。
このように表示窓14から露出する表示面42の部位は、接点部6のオフ状態、オン状態およびトリップ状態の3つの状態でそれぞれ異なっており、各々の状態で表示窓14から露出する表示面42の部位の色や表示内容(例えば文字)などを異ならせることによって、1つの表示部材15で接点部6のオフ状態、オン状態およびトリップ状態をそれぞれ表示することができる。
また図5は接点部6に過大電流が流れて溶着した状態を示しており、電磁釈放機構部11又は熱動釈放機構部12が過大電流を検知して第1押圧部35又は第2押圧部36を押圧することによって、ラッチ部材30が反時計回りに回転し、爪片28が支持部材26の係合部26aから離れる方向へ移動する。このとき、ハンドル10がハンドルばねのばね力によってオフ方向(図5中の反時計回り)へ回転するのであるが、可動接点8と固定接点7とが溶着しているので、可動接点アーム22が開極方向へ移動することができず、そのため支持部材26もオン時と同じ位置に停止するから、ストップバー31の軸部がガイド溝10cの左端に当接することによって、ハンドル10がそれ以上オフ回転方向へ回転することができず、したがって操作摘み10aはオン位置とオフ位置との中間位置に直立した状態となるから、接点部6の溶着状態を容易に判別することができる。
本実施形態の回路遮断器の構成および動作は以上の通りであり、ハンドル10においてガイド溝10cは、ハンドル10のオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の場合と第2回転角になった場合とで、可動接点アーム22からストップバー31を介して係合部(ストップバー31が係合するガイド溝10c内の部位)に加わる負荷方向がハンドル回転方向において反対向きとなるような位置に設けられており、負荷方向が反転してストップバー31と係合する係合部の位置が移動することで、可動接点アーム22が停止状態から開放されるので、従来の回路遮断器のように爪部材がブロッキングアームの傾斜面を摺動する間は可動接点の動きを停止させ、傾斜面の終端まで摺動すると可動接点を固定接点に急速に接触させる場合に比べて、摩耗などによる機械的な損傷が生じにくく、開閉機構9の寿命を延ばすことができるという効果がある。
またガイド溝10cに係合されたストップバー31の一端側が、リンクばね34によってハンドル回転方向の一端側(オフ回転側)へ付勢されているので、接点部6のオフ時においてストップバー31の一端側の位置が定まり、開閉機構9の動作を安定させることができる。さらに、ストップバー31の一端側には可動接点アーム22から受ける力とリンクばね34のばね力との合力が加わり、この合力の方向がハンドル回転方向において反対向きになると可動接点アーム22が停止状態から開放されるので、リンクばね34のばね力を調整することで、可動接点アーム22が停止状態から開放されるときの回転角度を容易に調整することができる。
尚、本実施形態の回路遮断器は、電磁釈放機構部11と熱動釈放機構部12の両方を備えているものであるが、いずれか一方のみを備えているものでもあってもよいし、各釈放機構部の構成は上記の構成に限定されるものではない。また負荷側端子部4Aや電源側端子部4Bやリンク機構9も上記の構成に限定されるものではなく、状況に応じて好適なものを用いれば良い。
本実施形態の回路遮断器のオフ状態を示し、カバーを外した状態を幅方向の片側から見た図である。 同上のオフ状態を示し、カバーを外した状態の斜視図である。 同上のオン状態を示し、カバーを外した状態を幅方向の片側から見た図である。 同上のトリップ直後の状態を示し、カバーを外した状態を幅方向の片側から見た図である。 同上の接点部が溶着した状態を示し、カバーを外した状態を幅方向の片側から見た図である。 同上を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は上面図である。 同上に用いる表示部材を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。 同上に用いる表示部材の外観斜視図である。 同上に用いる表示部材の表示位置を示し、(a)はオフ状態、(b)はオン状態、(c)はトリップ状態の各表示位置を説明する要部断面図である。
符号の説明
1 器体
6 接点部
7 固定接点
8 可動接点
9 開閉機構
10 ハンドル
10a 操作摘み(操作部)
10c ガイド溝(案内機構)
21 第2回動軸
22 可動接点アーム
26 支持部材(リンク機構)
27 スラストバー
30 ラッチ部材(リンク機構)
31 ストップバー
32 接圧ばね

Claims (2)

  1. 器体の内部に、固定接点および当該固定接点に接離自在に接触する可動接点を具備した接点部と、少なくとも操作部を器体の外部に露出させた状態で器体に対して回動自在に支持されたハンドルと、ハンドルの回動動作に応じて可動接点を固定接点に接離させる開閉機構とを備えた回路遮断器において、
    開閉機構は、可動接点を有し器体に対して移動自在に設けられた回動軸に回動自在に軸支された可動接点アームと、ハンドルの回動動作に応じて前記回動軸をスライド移動させるとともに可動接点アームを回動軸の回りに回動させることで可動接点を固定接点に接離させるリンク機構と、可動接点アームにおいて回動軸に対し可動接点と反対側の部位を付勢することで、可動接点アームに回動軸を介して連結されたリンク機構に付勢力を与える接圧ばねと、ハンドルとリンク機構との間を連結してハンドルの回動動作をリンク機構に伝達するスラストバーと、一端側をハンドルに係合させ、ハンドルのオフ位置からの回転角度が第1回転角以上且つ第2回転角未満の角度範囲では可動接点アームの回転を停止させるとともに、前記回転角度が第2回転角以上になると可動接点アームを停止状態から開放してオン方向に回転させるストップバーとを備え、
    前記ハンドルは、ストップバーの一端側に係合する係合部をハンドル回転方向に沿って所定の角度範囲だけ移動可能とする案内機構を備え、当該案内機構は、前記回転角度が前記角度範囲内の場合と第2回転角になった場合とで、可動接点アームからストップバーを介して前記係合部に加わる負荷方向が、ハンドル回転方向において反対向きとなるような位置に設けられたことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記案内機構に係合するストップバーの一端側を、ハンドル回転方向における一端側へ付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
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