JP2009209948A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、無段変速機構を中立にして走行停止にした場合には、機体の停止状態を維持するようにすることを課題とする。
【解決手段】エンジン6の出力を無段変速機構1と多段ギア変速機構7を介して走行装置10に伝動する作業車において、前記多段ギア変速機構7は油圧クラッチ部11と副変速部3Aとから構成し、作業車の前後進方向を決定する操作レバーRの中立への操作で、前記無段変速機構1を中立にすると共に、前記多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする作業車の構成とする。
【選択図】図10
【解決手段】エンジン6の出力を無段変速機構1と多段ギア変速機構7を介して走行装置10に伝動する作業車において、前記多段ギア変速機構7は油圧クラッチ部11と副変速部3Aとから構成し、作業車の前後進方向を決定する操作レバーRの中立への操作で、前記無段変速機構1を中立にすると共に、前記多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする作業車の構成とする。
【選択図】図10
Description
この発明は、コンバインやトラクタ等の作業車に関する。特に、走行速度の変速制御装置で、詳しくは無段で前後進に切換える無段変速機構と油圧変速クラッチで複数段に切換えるギア変速機構でエンジンの動力を走行装置に伝動するトランスミッションの変速制御に関するものである。
作業車のエンジンはディーゼルエンジンが用いられているが、このディーゼルエンジンは使用可能な回転数の幅が比較的狭いために、高出力回転数を維持したままで走行速度を種々の作業速度にするためにエンジンの回転を無段変速機構や多段ギア変速機構で変速して走行装置に伝動するようにしている。
例えば、特開2005−343187号公報には、エンジンの回転を無段変速機構で変速して走行装置に伝動する構成で、走行目的によって無段変速機構の変速位置を保持して走行する第一走行状態と走行速度を保持して走行する第二走行状態とエンジンの回転数を保持して走行する第三走行状態とに伝動機構を切換制御する多目的作業車が記載されている。
特開2005−343187号公報
エンジンの回転を無段変速機構で変速して走行装置に伝動する構成では、無段変速機構を前後進の中立にすることで動力の伝動が断たれて走行停止になるのであるが、無段変速機構の中立位置は非常に微妙な位置で、長時間の使用によって中立位置がずれてきて走行停止にしたつもりでも僅かに移動し続けることがある。
そこで、本発明では、無段変速機構を中立にして走行停止にした場合には、確実に停止状態を維持するようにすることを課題とする。
この発明は、上述の如き課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明では、エンジン6の出力を無段変速機構1と多段ギア変速機構7を介して走行装置10に伝動する作業車において、前記多段ギア変速機構7は油圧クラッチ部11と副変速部3Aとから構成し、作業車の前後進方向を決定する操作レバーRの中立への操作で、前記無段変速機構1を中立にすると共に、前記多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする作業車とした。
即ち、請求項1記載の発明では、エンジン6の出力を無段変速機構1と多段ギア変速機構7を介して走行装置10に伝動する作業車において、前記多段ギア変速機構7は油圧クラッチ部11と副変速部3Aとから構成し、作業車の前後進方向を決定する操作レバーRの中立への操作で、前記無段変速機構1を中立にすると共に、前記多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする作業車とした。
この構成で、操作レバーRを中立にすると、無段変速機構1と多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチが共に中立となって、例え無段変速機構1が中立からずれていても、エンジン6から走行装置10への動力伝動を断って走行停止になる。
また、請求項2記載の発明では、前記操作レバーRの中立位置への移動後、僅かなタイムラグをもって、前記多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする請求項1に記載の作業車とした。
この構成で、操作レバーRを前進から中立を経て後進にする場合や、逆に後進から前進に切換える場合には、無段変速機構1が中立を経るときに、多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチの入り切り作動が無い。
請求項1記載の発明によると、操作レバーRを中立にすると、無段変速機構1と多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチが共に中立となって、無段変速機構1が中立からずれていても、エンジン6から走行装置10への動力伝動を断って走行停止になるので、車体が不測に動く虞が無く安全である。
請求項2記載の発明によると、操作レバーRを前進から中立を経て後進にする場合や、逆に後進から前進に切換える場合には、無段変速機構1が必ず中立を経て変速されるが、中立通過のたびに多段ギア変速機構7の油圧クラッチ部11又は副変速部3Aのいずれか一方のクラッチの入り切り作動が行われないので、クラッチ入切作動に伴う変速ショックが生じることなく、運転フィーリングを悪くしない。
次に、本発明の実施の形態について、具体的に構成された実施例について、図面を参照しつつ説明する。
本発明の適用対象となる多目的作業車は、その平面図(図2)と側面図(図1)に示すように、モノコックフレームに左右の前輪8,8と左右の後輪9,9からなる走行装置10を操舵可能に支持し、一般的なトラクタの構成と前後を逆に、すなわち、エンジン6を機体後部に配置し、トランスミッション14を機体前部に配置する。その機体前部に操縦部2d、後部に荷台2tを構成し、かつ、作業機動力として機体前部にPTO軸13を備え、また、機体中間位置に車高検出機構2hを下垂状に構成する。
本発明の適用対象となる多目的作業車は、その平面図(図2)と側面図(図1)に示すように、モノコックフレームに左右の前輪8,8と左右の後輪9,9からなる走行装置10を操舵可能に支持し、一般的なトラクタの構成と前後を逆に、すなわち、エンジン6を機体後部に配置し、トランスミッション14を機体前部に配置する。その機体前部に操縦部2d、後部に荷台2tを構成し、かつ、作業機動力として機体前部にPTO軸13を備え、また、機体中間位置に車高検出機構2hを下垂状に構成する。
また、操縦部2dには、その要部斜視図を図3に示すように、ハンドルコラム2cを立設してステアリングハンドルSを設け、ハンドルコラム2cの左側部に前後進切換レバーR、ハンドルコラム2cの基部にはその右側位置にHSTペダル5、左側位置にブレーキペダル12等の操作手段をそれぞれ配置する。
トランスミッション14は、後に詳述するように、「HST」と略称する静油圧式無段変速機構1および多段ギア変速機構7を直列に内設して前後輪8,9とPTO出力軸13に駆動力を伝動する。前後進切換レバーRを操作してHSTペダル5を踏むと、エンジン6からの動力はトランスミッション14内の無段変速機構1で変速され、さらに、多段ギア変速機構7で変速されて、後輪9,9のみまたは、後輪9,9と前輪8,8の両方に伝達され、機体は前進または後進する。多段ギア変速機構7は、油圧クラッチ部11と副変速部3Aから構成されている。
また、ブレーキペダル12を踏むと前輪8,8と後輪9,9のディスクブレーキ(図示せず)を作動させるとともに、HSTの可変油圧ポンプのトラニオン軸を中立に戻し、HSTの定量油圧モータからの出力を停止する。また、HSTペダル5とブレーキペダル12を同時に踏むとブレーキペダル12を優先する。
PTO軸13には各種の作業機を接続して多目的作業を可能とする。例えば、路上清掃機を設けて路上清掃を行ったり、芝刈機を付けて芝刈作業を行ったり、雪掻機を設けて除雪などの作業を行う。
次に、ミッションケース14の内部構造を図4乃至図7で説明する。
ミッションケース14は、図4に示す如く、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17、後ケー一ス18の4つの中空ケースを連結した構成で、後ケース18に軸支した入力軸19にエンジン6の駆動力が入力し、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギア21,22で第一中継軸23へ伝動し、さらに増速ギア24,25で増速され、この増速ギア25に無段変速機構1の油圧入力軸38をスプライン嵌合している。
ミッションケース14は、図4に示す如く、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17、後ケー一ス18の4つの中空ケースを連結した構成で、後ケース18に軸支した入力軸19にエンジン6の駆動力が入力し、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギア21,22で第一中継軸23へ伝動し、さらに増速ギア24,25で増速され、この増速ギア25に無段変速機構1の油圧入力軸38をスプライン嵌合している。
繋ぎケース16は従来の前ケース15と中間ケース17を連結してミッションケース14を長くするもので、前ケース15と中間ケース17及び後ケース18を従来のミッションケースと共用化することで製作コストを低く出来る。
増速ギア21,22と増速ギア24,25を内装するインプットケース20は、高速走行を可能にするためにエンジン6の出力回転を増速するために設けるもので、従来のトラクタのミッションケース14内に伝動機構を収納可能にしている。このインプットケース20は図6に示す如く、密封ケースにしてミッションケース14の外部へ通じる給油管からオイルを給油するようにすれば、増速ギア21,22,24,25の修理の際にミッシ
ョンケース14内のオイルを抜かずにインプソトケース20のみを取り外せるので、作業が楽になる。
ョンケース14内のオイルを抜かずにインプソトケース20のみを取り外せるので、作業が楽になる。
無段変速機構1の内部では油圧変速により出力を大きく無段階で変速して、PTO駆動軸26と走行駆動軸27の二つの軸へ出力する。
PTO駆動軸26にはPTOギア軸28を連結し、このPTOギア軸28のギア29と第二中継軸30に遊嵌したギア31を噛み合わせ、このギア31をPTO軸32に装着したPTOクラッチ34のギア33に噛み合わせている。PTOクラッチ34はギア33からPTO軸32への回転伝動を断続する。
PTO駆動軸26にはPTOギア軸28を連結し、このPTOギア軸28のギア29と第二中継軸30に遊嵌したギア31を噛み合わせ、このギア31をPTO軸32に装着したPTOクラッチ34のギア33に噛み合わせている。PTOクラッチ34はギア33からPTO軸32への回転伝動を断続する。
PTO軸32にはPTO延長軸35を連結し、このPTO延長軸35のギア36をPTO出力軸13にスプライン嵌合したクラッチギア37に噛み合わせてPTO出力軸13を駆動している。(図4参照)
PTOクラッチ34の詳細を図7に示しているが、クラッチ入ではクラッチ盤88が繋がってケーシング86が回転して伝動するが、クラッチ切では戻しバネ87の圧でクラッチ盤88が離れてケーシング86をフリーにする。この時にケーシング86の付き回りを防ぐ為に繋ぎケース16のボス部81に当接する係止リング85をケーシング86の外周に装着している。
PTOクラッチ34の詳細を図7に示しているが、クラッチ入ではクラッチ盤88が繋がってケーシング86が回転して伝動するが、クラッチ切では戻しバネ87の圧でクラッチ盤88が離れてケーシング86をフリーにする。この時にケーシング86の付き回りを防ぐ為に繋ぎケース16のボス部81に当接する係止リング85をケーシング86の外周に装着している。
走行駆動軸27には第三中継軸39を連結し、この第三中継軸39に固着したギア40ヘギア41,42を噛み合わせて第四中継軸43に伝動する。第四中継軸43にはメインギア軸44を連結している。
メインギア軸44には、大ギア45と中ギア46を一体的に固着し、このメインギア軸44の延長上にサブギア軸47を分離して回転可能に軸支している。このサブギア軸47には小ギア48と大ギア74及び走行伝動ギア75を一体的に固着している。従って、大ギア45と中ギア46は同一回転をし、小ギア48と大ギア74は後述するクラッチギア77からの回転を受ける。(図7参照)
大ギア45はクラッチ軸49に装着した高速油圧クラッチ51のギア50と噛み合い、中ギア46はクラッチ軸49に装着した低速油圧クラッチ52のギア53と噛み合い、メインギア軸44の回転をクラッチ軸49へ高速或いは低速で伝動する。
大ギア45はクラッチ軸49に装着した高速油圧クラッチ51のギア50と噛み合い、中ギア46はクラッチ軸49に装着した低速油圧クラッチ52のギア53と噛み合い、メインギア軸44の回転をクラッチ軸49へ高速或いは低速で伝動する。
クラッチ軸49の延長上にスプライン軸76をスプライン嵌合し、このスプライン軸76にクラッチギア77をスプライン嵌合して、クラッチ軸49の回転をクラッチギア77に伝動している。また、クラッチ軸49を支持する繋ぎケース16のボス部81にはクラッチ軸49の油圧孔に通じる油圧用孔82,83,84を設けて、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52に作動油を送るようにしている。
クラッチギア77には大ギア78と小ギア73を形成し、大ギア78が前記サブギア軸47の小ギア48に噛み合って増速伝動して高速ギアクラッチ3aを構成したり、小ギア79がサブギア軸47の大ギア74に噛み合って減速伝動して低速ギアクラッチ3bを構成したり、大ギア78と小ギア73が共に游転して動力切になるようにして高低ギア変速クラッチ3を構成している。
サブギア軸47の走行伝動ギア75は、スプライン軸76に遊嵌したべベルギア軸62にスプライン嵌合した走行ギア56に噛み合ってベベルギア軸62を駆動している。ベベルギア軸62のべベルギア63が前輪8の車軸へ装着したベベルギアへ駆動力を伝動するのである。
ベベルギア軸62は、高速油圧クラッチ51からクラッチギア77の大ギア78とサブギア軸47の小ギア48への伝動による四速か、高速油圧クラッチ51からクラッチギア77の小ギア73とサブギア軸47の大ギア74への伝動による三速か、低速油圧クラッチ52からクラッチギア77の大ギア78とサブギア軸47の小ギア48への伝動による二速か、低速油圧クラッチ52からクラッチギア77の小ギア73とサブギア軸47の大ギア74への伝動による一速かのどれかで回転することになる。
高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52と高低ギア変速クラッチ3を多段ギア変速機構7という。
また、ベベルギア軸62の回転は、走行ギア56からPTO軸32に装着した大小ギア59の小ギア部57へ伝動し、さらに大ギア部58に噛み合う後輪駆動軸61のクラッチギア60で適宜に後輪9へ駆動力を伝動可能にしている。
また、ベベルギア軸62の回転は、走行ギア56からPTO軸32に装着した大小ギア59の小ギア部57へ伝動し、さらに大ギア部58に噛み合う後輪駆動軸61のクラッチギア60で適宜に後輪9へ駆動力を伝動可能にしている。
走行ギア56は、ベベルギア軸62に伝動すると共に大小ギア59を介して後輪駆動軸61へ伝動しているので、伝動構成を単純化して前後に長くなるのを防いでいる。
尚、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52はコントローラからの制御信号によりソレノイドを介してどちらかを入に保持するのであるが、ブレーキペダル12の踏み込みを検出するスイッチを設けて、このスイッチの踏込み信号で高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52のソレノイドへの電力を断って両クラッチ51,52をニュートラルにするようにしている。このニュートラルの状態でブレーキを作用することで素早く停止でき、ギア変速クラッチ3の切換えがスムースに行える。
尚、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52はコントローラからの制御信号によりソレノイドを介してどちらかを入に保持するのであるが、ブレーキペダル12の踏み込みを検出するスイッチを設けて、このスイッチの踏込み信号で高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52のソレノイドへの電力を断って両クラッチ51,52をニュートラルにするようにしている。このニュートラルの状態でブレーキを作用することで素早く停止でき、ギア変速クラッチ3の切換えがスムースに行える。
図8は、変速レバー4を示し、変速溝65を中央のニュートラル位置Nから前後位置H,Lに回動することで、前記の副変速部3Aのギア変速クラッチ3を高速ギアクラッチ3aが入り状態、又は低速ギアクラッチ3bが入り状態に変速する。この変速レバー4のグリップ66の頭部に設ける増速ボタン67を押すと、油圧クラッチ部11の高速油圧クラッチ51を入り動作し、減速ボタン68を押すと低速油圧クラッチ52を入り動作する。
また、変速溝65には変速レバー4の位置を検出するセンサ70H,Lを設けて、変速レバー4が低速位置Lから高速位置Hに移動すると高速油圧クラッチ51が入であっても切にして、低速油圧クラッチ52が入になって三速になり、高速位置Hから低速位置Lに移動すると低速油圧クラッチ52が入であっても切にして、高速油圧クラソチYHが入になって二速になるようマイコン制御を行っている。
なお、高速油圧クラッチ51を入りにする場合には、HSTペダル5が3/4以上踏込まれて無段変速機構が高速であれば一旦低速にして変速ショックを低減させる。また、変速レバー4が低速位置Lで滅速ボタン73を押すと一速になり、変速レバー4が高速位置Hで増速ボタン72を押すと四速になる。
図9は、マイクロコンピュータ100による走行変速制御の制御ブロック図である。
マイクロコンピュータ100へ入力インターフェース101を介して入力するデータ信号は、ペダルポジションセンサ103によるHSTペダル5の踏込み位置信号と、HSTトラニオンポジションセンサ104からの無段変速機構1の変速を行うトラニオン軸の回動位置信号と、シャトル前進スイッチ105とシャトル後進スイッチ106による前後進切換レバーRの前後進位置信号と、一速切換手動スイッチ107と二速切換手動スイッチ108による一、二速切換信号と、変速レバーLスイッチ70Lと変速レバーHスイッチ70Hによる変速レバー4の高低切換信号と、車速センサ111による走行速度信号と、エンジン回転センサ109からのエンジン回転信号と、モータ電流センサ110からのトラニオン軸を駆動するモータの電流値である。
マイクロコンピュータ100へ入力インターフェース101を介して入力するデータ信号は、ペダルポジションセンサ103によるHSTペダル5の踏込み位置信号と、HSTトラニオンポジションセンサ104からの無段変速機構1の変速を行うトラニオン軸の回動位置信号と、シャトル前進スイッチ105とシャトル後進スイッチ106による前後進切換レバーRの前後進位置信号と、一速切換手動スイッチ107と二速切換手動スイッチ108による一、二速切換信号と、変速レバーLスイッチ70Lと変速レバーHスイッチ70Hによる変速レバー4の高低切換信号と、車速センサ111による走行速度信号と、エンジン回転センサ109からのエンジン回転信号と、モータ電流センサ110からのトラニオン軸を駆動するモータの電流値である。
マイクロコンピュータ100から出力インターフェース102を介して出力する制御信号は、無段変速機構1のトラニオン軸を駆動するモータを作動するHSTトラニオン正転リレー112に対する正転信号とHSTトラニオン逆転リレー113に対する逆転信号とHSTトラニオン駆動リレー114に対する駆動信号と、一速切換ソレノイド115と二速切換ソレノイド116に対する変速切換信号と、クラッチ圧設定ソレノイド117に対する高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52の作動圧信号と、4WS切換ソレノイドA118と4WS切換ソレノイドB119と4WS切換ソレノイドC120に対する切換信号である。
図10は、前後進切換レバーRの中立への操作による自動制御のフローチャートで、ステップS1でデータを読込み、ステップS2で前後進切換レバーRが中立かの判定を行い、この判定がYESであればステップS3でHST1を中立にしてステップS4で一定時間(2,3秒)経過したかの判定を行い、この判定がYESであればステップS5で油圧クラッチ(高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52)を中立にしてリターンする。ステップS2とステップS4の判定がNOであればそのままでリターンする。
図11は、変速レバー4の変速制限制御で、ステップS11でデータを読込み、ステップS12で変速レバー4を中立から低速(L)に操作したかの判定を行い、YESであればステップS13で多段ギア変速機構7を四速(H2)に変速する。この判定がNOであればステップS13の処理をパスする。さらに、変速レバー4を中立から高速(H)に操作したかの判定を行い、YESであればステップS15で多段ギア変速機構7を三速(H1)に変速する。この判定がNOであればステップS15の処理をパスする。
図12は、同じく変速レバー4の変速制限制御で、ステップS21でデータを読込み、ステップS22で変速レバー4を三速から四速に操作したかの判定を行い、YESであればステップS23で後輪操舵RWS或いは四輪操舵4WSかの判定を行い、YESであればステップS24で車速が零かの判定を行い、YESであればステップS25で多段ギア変速機構7が四速に変速し、ステップS26で前輪操舵FWSにする。
ステップS22の判定がNOであれば何もせずにリターンし、ステップS23の判定がNOであればステップS25の処理に移行する。
図13は、無段変速機構1のトラニオン軸を駆動するモータの駆動電流Pの出力状態を示している。駆動電流Pは大きなサイクルでオンT1とオフT2を繰り返して駆動力の変更を行っているが、このオンT1時間内にも細かなオンtaとオフtbを繰り返し、オン時間の割合すなわちデューティ比を変更している。
図13は、無段変速機構1のトラニオン軸を駆動するモータの駆動電流Pの出力状態を示している。駆動電流Pは大きなサイクルでオンT1とオフT2を繰り返して駆動力の変更を行っているが、このオンT1時間内にも細かなオンtaとオフtbを繰り返し、オン時間の割合すなわちデューティ比を変更している。
そして、トラニオン軸の回転出力が一定範囲ではオン時間T1のデューティ比を固定し、回転出力が一定範囲以下になると増加補正値をデューティ比に加え、回転出力が一定範囲以下になると減少補正値をデューティ比から減算して制御する。この増加補正値と減少補正値は、増速時と減速時で別々の値を持っている。なお、デューティ比の補正は、エンジン回転数が一定以下で増速出力中には補正を行わない。
オン時間T1のデューティ比を100%にしてもトラニオン軸の回転出力を一定範囲に収められない場合には、オン時間T1そのものを長くする。この状態で駆動力を減少する場合には、まずオン時間T1を短くしてその後にデューティ比を低下させる。このデューティ比低下の際に最低値を設定してそれ以下にはしない。
なお、HSTトラニオンポジションセンサ104やトラニオン軸駆動モータが異常の場合には、デューティ比の補正を行わない。
さらに、油圧オイルクーラの冷却ファンは、エンジンキーをオンしてエンジンが起動するまでの間で所定時間逆回転して油圧オイルクーラに付着した塵を吸引して取り除くようにしている。なお、逆回転の時間内にエンジンを起動すれば、直ちに冷却ファンを正転して油圧オイルクーラの冷却を開始する。
さらに、油圧オイルクーラの冷却ファンは、エンジンキーをオンしてエンジンが起動するまでの間で所定時間逆回転して油圧オイルクーラに付着した塵を吸引して取り除くようにしている。なお、逆回転の時間内にエンジンを起動すれば、直ちに冷却ファンを正転して油圧オイルクーラの冷却を開始する。
1 無段変速機構(HST)
3A 副変速部
7 多段ギア変速機構
6 エンジン
10 走行装置(前輪8、後輪9)
11 油圧クラッチ部
R 操作レバー(前後進切換レバー)
3A 副変速部
7 多段ギア変速機構
6 エンジン
10 走行装置(前輪8、後輪9)
11 油圧クラッチ部
R 操作レバー(前後進切換レバー)
Claims (2)
- エンジン(6)の出力を無段変速機構(1)と多段ギア変速機構(7)を介して走行装置(10)に伝動する作業車において、前記多段ギア変速機構(7)は油圧クラッチ部(11)と副変速部(3A)とから構成し、作業車の前後進方向を決定する操作レバー(R)の中立への操作で、前記無段変速機構(1)を中立にすると共に、前記多段ギア変速機構(7)の油圧クラッチ部(11)又は副変速部(3A)のいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする作業車。
- 前記操作レバー(R)の中立位置への移動後、僅かなタイムラグをもって前記多段ギア変速機構(7)の油圧クラッチ部(11)又は副変速部(3A)のいずれか一方のクラッチを切にすべく制御することを特徴とする請求項1に記載の作業車。
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Cited By (1)
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2008
- 2008-02-29 JP JP2008050297A patent/JP2009209948A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011149470A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Fuji Heavy Ind Ltd | 無段変速機 |
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