JP5125387B2 - 作業車両の変速制御装置 - Google Patents
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Description
上記変速制御装置は、エンジン回転速度が低速の場合には、トラニオン軸の回動角が中立に位置付けされて停車状態に保持される。
また、ブレーキ操作量対応のトラニオン規制制御を行うことにより、坂道発進などで後退防止のためにブレーキペダルを踏みながら安定して発進することができる。
本発明の適用対象となる多目的作業車は、その平面図(a)、側面図(b)を図1に示すように、モノコックフレームに左右の前輪8、8と左右の後輪9、9を操舵可能に支持し、一般的なトラクタの構成と前後を逆に、すなわち、エンジン6を機体後部に配置し、ミッションケース14を機体前部に配置する。その機体前部に操縦部2d、後部に荷台2tを構成し、かつ、作業機動力として機体前部にPTO出力軸13を備え、また、機体中間位置に車高検出機構2hを下垂状に構成する。
ミッションケース14は、図2に示す如く、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17、後ケース18の4つの中空ケースを連結した構成で、後ケース18に軸支した入力軸19にエンジン6の駆動力が入力し、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギヤ21,22で第一中継軸23へ伝動し、さらに増速ギヤ24,25で増速され、この増速ギヤ25に無段変速機構1の油圧入力軸38をスプライン嵌合している。繋ぎケース16は従来の前ケース15と中間ケース17を連結してミッションケース14を長くするもので、前ケース15と中間ケース17及び後ケース18を従来のミッションケースと共用化することで製作コストを低く出来る。
PTO駆動軸26にはPTOギヤ軸28を連結し、このPTOギヤ軸28のギヤ29と第二中継軸30に遊嵌したギヤ31を噛み合わせ、このギヤ31をPTO軸32に装着したPTOクラッチ34のギヤ33に噛み合わせている。PTOクラッチ34はギヤ33からPTO軸32への回転伝動を断続する。
PTOクラッチ34の詳細を図5に示しているが、クラッチ入ではクラッチ盤88が繋がってケーシング86が回転して伝動するが、クラッチ切では戻しバネ87の圧でクラッチ盤88が離れてケーシング86をフリーにする。この時にケーシング86の付き回りを防ぐ為に繋ぎケース16のボス部81に当接する係止リング85をケーシング86の外周に装着している。
大ギヤ45はクラッチ軸49に装着した高速油圧クラッチYHのギヤ50と噛み合い、中ギヤ46はクラッチ軸49に装着した低速油圧クラッチYLのギヤ53と噛み合い、メインギヤ軸44の回転をクラッチ軸49へ高速或いは低速で伝動する。
尚、高速油圧クラッチYHと低速油圧クラッチYLはコントローラからの制御信号によりソレノイドを介してどちらかを入に保持するのであるが、ブレーキペダルの踏み込みを検出するスイッチ(図示せず)を設けて、このスイッチの踏込み信号で高速油圧クラッチYHと低速油圧クラッチYLのソレノイドへの電力を断って両クラッチ51,52をニュートラルにするようにしている。このニュートラルの状態でブレーキを作用することで素早く停止でき、ギヤ変速クラッチ3の切換えがスムースに行える。
次に、変速制御について説明する。
作業車両の変速制御は、そのシステム構成図を図7に示すように、無段変速機構1について前後進の切替えおよび無段階に伝動比を調節するためのトラニオン軸Hを回動するモータ1mと、同トラニオン軸Hの回動角度を検出するトラニオンポジションセンサ1pを設けて車速調節部1dを構成する。この車速調節部1dを制御するために変速制御部7を設けて変速制御装置を構成する。また、上記制御部7には、回転センサ6rを備えたエンジン6から回転速度を、ペダルポジションセンサ5pを備えたHSTペダル5から踏込量を、ブレーキセンサを備えたブレーキペダルBからその操作量を入力するほか、車速調節部1dのトラニオンポジションセンサ1pから回動量を、それぞれ入力する。
このトラニオン制御は、ブレーキペダルBの操作信号を制御部7に送り、制御部7によりブレーキ操作と対応してトラニオン軸Hを中立に制御する。その具体的な制御処理は、図12のフローチャートに示すように、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチの信号によってトラニオン指示角度T=0とする制御処理(S21,S22)を構成することにより、図13のタイミングチャートに示すように、ブレーキペダルBを踏んだ時t1にトラニオン軸Hをニュートラルに制御して停止車速とすることができ、安全性を向上することができる。
なお、上記ブレーキ対応制御によって停車した場合は、HSTペダル5を戻した上で再度HSTペダル5を操作した時t2にトラニオン軸Hを駆動制御することによって前進を再開する。
このようにしてブレーキ操作量対応のトラニオン規制制御を行うことにより、坂道発進などで後退防止のためにブレーキペダルBを踏みながら安定して発進することができる。
HSTペダル5の操作を検出するセンサが故障すると、同ペダルが実際に中立に戻っていても機体走行が止まらないという事態を招くこことがある。この問題を解決するために、トラニオン制御は、そのシステム構成図を図16に示すように、ポジションセンサ5pによってHSTペダル5の位置を検出するとともに、HSTペダル5の中立位置を検出するスイッチ5sを設けて二重化し、HSTペダル5が中立位置または操作状態にあることを一方のセンサが検出した時に、他方のセンサが同一状態を検出していない時は、トラニオン軸Hを中立位置に駆動して停車するように制御処理を構成する。このような制御システムを構成することにより、センサ故障によってペダル位置を誤検出した場合に、HSTペダル5が実際に中立に戻っていても走行が止まらないという不具合を解消することができる。
HSTの油圧回路図を図17に示すように、HST内ポンプP部の圧力を圧力センサP1,P2により検出し、図18のシステム構成図に示すように、上記圧力センサP1,P2の信号により、トラニオン軸Hを中立に位置付けた時に当該圧力が一定値以上であれば、一定値以下になるようにトラニオン軸Hを駆動制御する。上記構成の制御システムは、HSTの圧力検出によって微速動作を判別することができるので、トラニオンポジションセンサ1pによってトラニオン軸Hを中立に位置付けする際に確実に停車させることにより、本機が微速で動くことによる危険性を防止することができる。
1d 車速調節部
1m モータ
1p トラニオンポジションセンサ
5 HSTペダル
5p HSTペダルポジションセンサ
5s スイッチ(ペダル中立センサ)
6 エンジン
6r 回転センサ
7 変速制御部
n1,n2 回転速度
n3 基準回転速度
H トラニオン軸
T トラニオン指示角度
X 規制角度
Y ペダル対応角度
Z トラニオンセンサ角度
Claims (2)
- 踏込操作が可能なHSTペダル(5)及びブレーキペダル(B)と、トラニオン軸(H)の回動角に応じてエンジン動力を静油圧式無段変速機構によって無段変速する車速調節部(1d)と、上記HSTペダル(5)の踏込量に応じてトラニオン軸(H)の駆動制御をすると共にブレーキペダル(B)の踏込みによりトラニオン軸(H)を中立側に操作する変速制御部(7)とからなる作業車両の変速制御装置において、
上記変速制御部(7)は、エンジン回転速度が低速範囲であるときにトラニオン軸(H)の回動角を規制する制御を行い、
HSTペダル(5)とブレーキペダル(B)を同時に踏むとブレーキペダル(B)を優先する構成とし、
ブレーキペダル(B)の操作量に応じてトラニオン軸の指示角度(T)を規制することを特徴とする作業車両の変速制御装置。 - 前記変速制御部(7)は、エンジン回転速度が所定の低速範囲についてトラニオン軸(H)を中立位置に駆動制御することを特徴とする請求項1記載の作業車両の変速制御装置。
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JP2007264875A JP5125387B2 (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | 作業車両の変速制御装置 |
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