JPH0560233A - アンチストール制御装置 - Google Patents

アンチストール制御装置

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JPH0560233A
JPH0560233A JP21517191A JP21517191A JPH0560233A JP H0560233 A JPH0560233 A JP H0560233A JP 21517191 A JP21517191 A JP 21517191A JP 21517191 A JP21517191 A JP 21517191A JP H0560233 A JPH0560233 A JP H0560233A
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JP21517191A
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Yasuhiko Minami
康彦 南
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷の急激な低下によるエンジンのノッキン
グを防止すると共に、アイドリング回転数付近でエンジ
ンに負荷がかからないようにする。 【構成】 アクセル入力Aにおけるエンジン回転数Fが
設定回転数fca以上であれば第1可変抵抗器の出力F1
よび第2可変抵抗器の出力F2はA以上となり、第1判
別回路および第2判別回路の出力をゼロレベルにし、ア
クセル入力Aに応じた斜板角を維持する。fcb≦F<fca
のときはF2<A≦F1となり、第1判別回路の出力をゼ
ロレベル、第2判別回路の出力をFの低下に比例して所
定のゲインで低下させ、斜板角を徐々に低下させてエン
ジンのノッキングを防止する。F<fcbに低下したとき
にはF1<Aとなり、第1判別回路および第2判別回路
の出力をそれぞれ所定のゲインで低下させ、斜板角を急
激に低下させて、エンジン停止を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、可変容量形ポンプを
用いるHST(ハイドロ・スタテイック・トランスミッ
ション)駆動装置におけるアンチストール制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジンにて駆動されるHST駆動車両
においては、坂道の登坂や、ゲレンデ整備車における除
雪作業等の場合に、HSTの負荷が増加し、それによっ
てエンジンの負荷が増加する。この場合、HST側の指
令信号であるアクセル入力を増加すれば、可変容量形ポ
ンプの吐出量も増加する。このため、エンジンは更に負
荷が増加し、エンジンの馬力以上の負荷がかかり、つい
にはエンジンがストールしてしまう。そこで、図7に示
すように、アクセルセット毎に設定回転数fc1,fc2を定
め、エンジン回転数が設定回転数以下になると、実線1
01,102で示すようにエンジン回転数の低下に比例
してポンプの吐出量を減少させることによりエンジンの
ストールを防止するアンチストール機能を備えたものが
ある。このようなアンチストール機能を備えたHST駆
動装置としては、従来、図6に示すようなものがある
(特公平2−18461号公報)。この図6において、6
1がアンチストール制御装置であり、エンジン62のス
ロットル63で設定される設定回転数と、エンジン62
の出力軸65に設けられた歯車66の回転を検出する磁
気ピックアップ67から得られる実際の回転数との差に
基づいて電気油圧弁68を制御するようになっている。
71は主制御装置であり、供給導管72を介してチャー
ジポンプ73からうける制御流体を導管75,76によ
りピストンポンプ77の流体チャンバ78,79のいず
れか一方に供給すると共に、他方の流体チャンバを貯槽
81に連通させることにより、ポンプ77の斜板角を変
えるようになっている。いま、エンジン62の実際回転
数が上記設定回転数以下に低下すると、その実際回転数
と設定回転数の差に応じたデューティ比のパルス信号が
電気油圧弁68に出力され、そのデューティ比に応じた
時間間隔で電気油圧弁68が作動し、その差動に応答し
て補助制御弁83が開閉し、上記一方の導管75(76)
を介して流体チャンバ78(79)に供給される制御流体
が、上記電気油圧弁68でコントロールされる流量だけ
上記補助制御弁83を介して他方の導管76(75)に流
入する。そして、この制御流体の減少に応じて、上記一
方のチャンバ78(79)の圧力が低下し、その分、ポン
プ77の斜板角が中立方向に変化して、ポンプ吐出量が
減少する。このように、エンジン62の実際回転数の変
化に対してポンプ77の斜板角を修正してポンプの吐出
量を適正にするので、エンジンの実際回転数に見合う所
望のモータ速度が得られると共にエンジン62の過負荷
およびストールを防止できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
アンチストール制御装置において、エンジン回転数の設
定回転数からの低下に対して、図7の実線101,10
2で示すように斜板角を余り急激に減少させると、走行
にショックが発生し、ノッキングを起こすという問題が
ある。又、図7の破線103で示すように斜板角の減少
を余り緩慢にすると、エンジンのアイドリング回転数(f
a)になっても、エンジンにHSTの負荷がかかっている
ことになる。したがって、可変ポンプの斜板角の減少を
余り緩慢にすると、エンジンが停止してしまうという問
題がある。そこで、この発明の目的は、エンジン回転数
の低下が小さい範囲ではポンプの吐出量を緩やかに減少
させてノッキングの発生を防止し、エンジン回転数の低
下が大きい範囲ではポンプの吐出量を急激に減少させて
エンジン停止を防止するようにしたアンチストール制御
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、図3,4に例示するように、エンジン
4で駆動される可変容量形ポンプ5と、上記ポンプ5の
出力により回転する流体モータと、上記ポンプ5の吐出
量を制御する制御弁3を備え、上記エンジン4のアクセ
ル入力と回転数に基づいて上記制御弁3を制御するアン
チストール制御装置であって、上記エンジン4のアクセ
ル入力に応じたレベルAの信号を出力する第1信号出力
手段33と、上記エンジン4の回転数に応じたレベルF
の信号を出力する第2信号出力手段37と、上記第2信
号出力手段37の出力信号レベルFに1より小さい第1
の係数αを乗じたレベルF1の信号を出力する第1比例
回路38と、上記第2信号出力手段37の出力信号レベ
ルF1に上記第1の係数αよりも小さい第2の係数α・
βを乗じたレベルF2の信号を出力する第2比例回路4
0と、上記第1信号出力手段33の出力信号レベルAと
上記第1比例回路38の出力信号レベルF1との差を算
出する第1演算回路41と、上記第1信号出力手段33
の出力信号レベルAと上記第2比例回路40の出力信号
レベルF2との差を算出する第2演算回路42と、上記
第1演算回路41の算出値の極性に応じて、その算出値
に第1の所定数G1だけ乗じたレベルの信号を出力する
か、またはゼロレベルの信号を出力する第1判別手段4
4と、上記第2演算回路42の算出値の極性に応じて、
その算出値に第2の所定数G2だけ乗じたレベルの信号
を出力するか、またはゼロレベルの信号を出力する第2
判別手段45と、上記第1信号出力手段33の出力信号
レベルAから上記第1判別手段44の出力信号レベルV
1と上記第2判別手段45の出力信号レベルV2を引いた
レベルの信号V0を上記制御弁3の制御信号として出力
する制御信号作成手段46とを備えたことを特徴として
いる。
【0005】上記発明に、上記第1演算回路41と上記
第1判別手段44との間に、上記第1演算回路41の算
出値の絶対値が大きくなる場合には速く応答し、上記第
1演算回路41の算出値の絶対値が小さくなる場合には
遅く応答する応答時間調整手段43を設けることが望ま
しい。
【0006】
【作用】あるアクセル入力によって決定されるエンジン
4の回転数に応じたレベル(f)の信号を第2信号出
力手段37が出力した場合における第1比例回路38の
出力レベルを第1段設定回転数レベル(fca)と呼
び、その場合の第2比例回路40の出力レベルを第2段
設定回転数レベル(fcb)と呼ぶ。そして、そのアクセル
入力における第1信号出力手段33の出力レベルをA、
そのアクセル入力におけるエンジン4の任意の回転数で
の上記第2信号出力手段37の出力信号レベルをF、そ
のときの第1比例回路38の出力レベルをF1、第2比
例回路40の出力レベルをF2とする。上記Aとfcaおよ
びfcbとは一定の比例関係にあり、F<fcb、fcb≦F<f
ca、fca≦Fの関係はそれぞれ、F2<F1<A、F2<A
≦F1、A≦F2<F1の関係に置き換えることができ
る。従って、あるアクセル入力におけるエンジン4の回
転数が第1段設定回転数より大きい場合(fca≦F)はA
≦F2<F1となり、第1段設定回転数と第2段設定回転
数の間にある場合(fcb≦F<fca)はF2<A≦F1とな
り、第2段設定回転数より小さい場合(F<fcb)はF2
1<Aとなる。上記AとF1との差を第1演算回路41
が算出し、AとF2との差を第2演算回路42が算出す
る。第1判別手段44は、A≦F1の場合はゼロレベル
の信号を出力し、F1<Aの場合はその差に第1の所定
数(G1)だけ乗じたレベル(V1)の信号を出力する。ま
た、第2判別手段45は、A≦F2の場合はゼロレベル
の信号を出力し、F2<Aの場合はその差に第2の所定
数(G2)だけ乗じたレベル(V2)の信号を出力する。そし
て、制御信号作成手段46が第1信号出力手段33の出
力信号レベル(A)から上記第1判別手段44の出力信号
レベルと上記第2判別手段45の出力信号レベルを引い
たレベルの信号を制御弁3の制御信号V0として出力す
る。従って、可変容量形ポンプ5の吐出量を制御する制
御弁3に入力される上記制御信号V0のレベルは、エン
ジン4の回転数が第1段設定回転数fcaより大きい場合
はAのままであり、第1段設定回転数fcaより小さく第
2段設定回転数fcbより大きい場合はA−V2となり、第
2段設定回転数fcbより小さい場合はA−V2−V1とな
る。すなわち、エンジン4の回転数が第1設定回転数fc
a以下に下がると、V2の分だけ可変容量形ポンプ5の吐
出量が小さくなってエンジン4の負荷が下がる。そし
て、エンジンの回転数が更に下がって第2設定回転数fc
b以下になると、更にV1の分だけ可変容量形ポンプ5の
吐出量が小さくなって更にエンジン4の負荷が下がる。
従って、第1の所定数(G1)および第2の所定数(G2)を
適当に設定することにより、エンジン回転数の低下の少
ない範囲ではエンジン4の負荷を緩やかに低下させてノ
ッキングを防止し、エンジン回転数の低下が大きい範囲
ではエンジン4の負荷を急激に低下させて、アイドリン
グ回転数に近いところでのエンジン4にかかる負荷を小
さくして、エンジン4の停止を防止できる。
【0007】このアイドリング回転数に近いところから
エンジン回転数が増加したときに、制御信号を上記減少
度合いと同じ程度で急激に増加させると、エンジンに急
激に負荷がかかってノッキングを起こすおそれがある。
そこで、上記第1演算回路41と上記第1判別手段44
との間に、上記応答時間調整手段43を設けて、エンジ
ン回転数の増加の場合には制御信号をゆっくりと増加さ
せるようにするのが望ましい。
【0008】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。図1はこの発明のアンチストール制御装置1
を備えたHST駆動車両のブロック図である。このアン
チストール制御装置1は、エンジン4の回転数センサか
らの回転数信号と、アクセル入力を表すアクセル入力信
号をうけて、可変容量形ポンプ5の斜板角を制御するた
めの電圧信号V0を電流増幅回路2に出力する。電流増
幅回路2はこの電圧信号V0を電流信号I0に変えて、こ
の電流信号I0により斜板制御弁3を制御する。エンジ
ン回転数信号が入力されない場合のアクセル入力と出力
電流(すなわち、斜板角)の関係を図2(a)に示し、アク
セル入力とエンジンの無負荷回転数との関係を図2(b)
に示す。すなわち、アクセル入力が最大値Amaxからあ
る値Am1までは最大斜板角を保ち、アクセル入力がAm1
より小さくなるとそれに比例して斜板角も小さくなる。
一方、エンジンの無負荷回転数はアクセル入力に比例し
ている。従って、通常の平坦な所での運転のような場合
には、エンジン4にはその回転数に見合った負荷がかか
っており、エンジン馬力以上の負荷がかかってエンジン
4がストールするといったことはない。しかし、坂道で
の登坂や、ゲレンデ整備車における除雪作業によりHS
Tの負荷が増加し、それによりエンジン4の負荷が増加
して、エンジン4の回転数が低下したときに、エンジン
4の回転数を上げようとしてアクセル入力を増加する
と、斜板角が大きくなるためエンジン4の負荷が更に増
加し、エンジン馬力以上の負荷がかかり、ついにはエン
ジン4がストールしてしまうということがある。そこ
で、エンジン4の回転数に応じて斜板角を変えることに
よりエンジン4のストールを防止するようにしたのが上
記アンチストール制御装置1である。
【0009】図3はこのアンチストール制御装置1の一
つの実施例のブロック図である。この図3において、3
1はエンジン制御ガバナー6を介してエンジンの回転を
制御するアクセル、32はアクセル入力を電圧信号(ア
クセル入力信号)に変換するアクセル用ポテンショメー
タ、33はそのアクセル入力信号をうけてアクセル入力
に応じたレベルの電圧信号を出力する第1信号出力手段
としてのアクセル用信号回路である。また、36はエン
ジンの回転数を検出するエンジン回転数センサー、37
はこのエンジン回転数センサー36から出力された回転
数信号をうけてその回転数に応じたレベルの電圧信号を
出力する第2信号出力手段としてのF/V回路、38は
第1比例回路としての第1可変抵抗器、39はボルテー
ジフォロアー、40は第2比例回路としての第2可変抵
抗器である。
【0010】いま、あるアクセル入力におけるエンジン
4の無負荷回転数に対応するF/V回路37の出力レベ
ルをf0としたときに、第1可変抵抗器38および第2可
変抵抗器40の出力レベルがそれぞれそのアクセル入力
における所定の回転数を表すレベルfcaおよびfcbとなる
ように第1可変抵抗器38および第2可変抵抗器40の
抵抗比をそれぞれαおよびβ(α,β<1)に設定する。
すなわち、fca=αf0、fcb=αβf0となる。図2(b)か
ら明らかなように、アクセル入力とエンジン無負荷回転
数とは一定の比例関係にあるため、アクセル用信号回路
33の出力レベルAと上記fca,fcbとは一定の比例関係
にある。従って、アクセル入力Aにおけるエンジンの任
意の回転数での上記F/V回路の出力レベルをF、第1
可変抵抗器の出力レベルをF1、第2可変抵抗器の出力
レベルをF2とすると、 F<fcb、fcb≦F<fca、fca≦F ・・・・・・・・・・・・・・・ の関係はそれぞれ、 F2<F1<A、F2<A≦F1、A≦F2<F1 ・・・・・・・・・・・・・・ の関係に置き換えることができる。つまり、F1=α
F、F2=αβF、fca=αf0、fcb=αβf0であるか
ら、上記の関係は F1<α2βf0、F2<α2βf0≦F1、α2βf0≦F2 となり、A=α2βf0となるように設定すると、上記
の関係となる。
【0011】第1加算回路41はエンジン回転数Fが設
定回転数fcbよりも大きいか否かを算定するためにF1
Aの差を算出する回路であり、第2加算回路42はエン
ジン回転数が設定回転数fcaよりも大きいか否かを算定
するためにF2とAの差を算出する回路である。第1極
性判別回路44は、上記第1加算回路41の算出結果が
プラス(+)の場合は出力電圧レベルをV1=G1(A−
1)とし、その算出結果がマイナス(−)の場合は出力電
圧レベルをゼロレベルとする。また、第2極性判別回路
45は、上記第2加算回路42の算出結果がプラス(+)
の場合は出力電圧レベルをV2=G2(A−F2)とし、そ
の算出結果がマイナス(−)の場合は出力電圧レベルをゼ
ロレベルとする。そして、第3加算回路46が、A−V
1−V2を算出して、その結果を電圧信号V0として出力
する。従って、第3加算回路46の出力V0(すなわち、
ポンプの斜板角)は図4に示すようになる。すなわち、 (i) fca≦F(A≦F2<F1)の場合は、V1=0、V2
=0故、V0=Aとなり、斜板角は変化しない。 (ii) fcb≦F<fca(F2<A≦F1)の場合は、V1
0、V2=G2(A−F2)故、V0=A−G2(A−F2)とな
り、回転数の低下に応じてゲインG2の割合でV0が低下
する。 (iii) F<fcb(F2<F1<A)の場合は、V1=G1(A
−F1)、V2=G2(A−F2)故、V0=A−G2(A−F2)
−G1(A−F1)となり、(ii)に比べてV1の分だけ更に
低下する。従って、上記G1およびG2を適当に設定する
ことにより、fcb≦F<fcaの領域ではV0(斜板角)を緩
やかに低下させて、エンジンのノッキングを防止し、F<
fcbの領域ではV0(斜板角)を急激に低下させて、アイド
リング回転数付近で負荷がかからないようにして、エン
ジンストップを防止できる。
【0012】F<fcbの領域では、Fの変化に対してV0
の変化が大きく、また、エンジン回転数と斜板角の復帰
時間に差があるため、エンジン回転数の増加に伴って急
激にV0が増加し(すなわち、エンジンの負荷が増加
し)、エンジンがノッキングを起こす恐れがある。そこ
で、図3に示すように、第1加算回路41と第1極性判
別回路44の間に応答時間調整回路43を設けて、エン
ジン回転数が低下する場合の時定数を小さく、エンジン
回転数が増加する場合の時定数を大きくして、応答時間
を調整するようにしている。図5はこのときのエンジン
回転数の変化に対するV1の変化の関係を示したもの
で、回転数がfcb2からfcb3に低下したときにはV1は急
激に増加し、回転数がfcb3からfcb2に復帰したときには
緩やかに低下する。なお、アクセル入力がAより小さい
A′の場合には、無負荷回転数が低下するので、図4に
示すように高い方の設定回転数はfcaよりも小さいfca′
に設定され、低い方の設定回転数はfcbよりも小さい値
に設定される。
【0013】このように、任意のアクセル入力Aに対す
る設定回転数fca,fcbを設定し、このアクセル入力Aに
おけるエンジン回転数が上記設定回転数fca,fcbよりも
大きいか否かを判定し、fcaより大きい場合にはそのア
クセル入力Aに応じた斜板角を保持し、fcaより小さくf
cbより大きい場合には斜板角を徐々に小さくし、fcbよ
り小さい場合には斜板角を急激に小さくするようにして
いるので、エンジンをノッキングさせたり、停止させた
りすることがない。
【0014】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明のア
ンチストール制御装置は、エンジンのアクセル入力に応
じたレベルの信号を出力する第1信号出力手段と、上記
エンジンの回転数に応じたレベルの信号を出力する第2
信号出力手段と、上記第2信号出力手段の出力信号レベ
ルに1より小さい第1の係数を乗じたレベルの信号を出
力する第1比例回路と、上記第2信号出力手段の出力信
号レベルに上記第1の係数よりも小さい第2の係数を乗
じたレベルの信号を出力する第2比例回路と、上記第1
信号出力手段の出力信号レベルと上記第1比例回路の出
力信号レベルとの差を算出する第1演算回路と、上記第
1信号出力手段の出力信号レベルと上記第2比例回路の
出力信号レベルとの差を算出する第2演算回路と、上記
第1演算回路の算出値の極性に応じて、その算出値に第
1の所定数だけ乗じたレベルの信号を出力するか、また
はゼロレベルの信号を出力する第1判別手段と、上記第
2演算回路の算出値の極性に応じて、その算出値に第2
の所定数だけ乗じたレベルの信号を出力するか、または
ゼロレベルの信号を出力する第2判別手段と、上記第1
信号出力手段の出力信号レベルから上記第1判別手段の
出力信号レベルと上記第2判別手段の出力信号レベルを
引いたレベルの信号を上記エンジンで駆動される可変容
量形ポンプの吐出量を制御する制御弁の制御信号として
出力する制御信号作成手段とを備えているので、上記第
1の所定数および第2の所定数を適当に設定することに
より、エンジン回転数が上記第1比例回路によって設定
される回転数より低下したときには上記制御信号の低下
の程度を緩やかにしてエンジンのノッキングを防止し、
エンジン回転数が更に低下して上記第2比例回路によっ
て設定される回転数より低下したときには、上記制御信
号の低下の程度を急激にして、エンジンのアイドリング
回転数で負荷がかからないようにして、エンジンの停止
を防止することができる。
【0015】また、上記第1演算回路と上記第1判別手
段との間に、上記第1演算回路の算出値の絶対値が大き
くなる場合には速く応答し、上記演算回路の算出値の絶
対値が小さくなる場合には遅く応答する応答時間調整手
段を設けることにより、エンジン回転数がアイドリング
回転数付近まで下がるときにはエンジンの負荷を急激に
下げ、エンジン回転数がアイドリング回転数付近から上
昇するときにはエンジンの負荷を徐々にあげるようにす
ることができ、負荷の急激な上昇によるノッキングを防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のアンチストール制御装置を備えた
HST駆動車両のブロック図である。
【図2】 上記HST駆動車両のエンジン回転数信号を
入力しない場合のアクセル入力と斜板角との関係(a)
と、アクセル入力とエンジン無負荷回転数との関係(b)
を示す図である。
【図3】 上記アンチストール制御装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図4】 上記実施例におけるアンチストール制御特性
を示す図である。
【図5】 上記実施例における応答時間調整回路の特性
を説明する図である。
【図6】 従来のアンチストール制御装置を備えたHS
T駆動車両のブロック図である。
【図7】 上記従来例のアンチストール制御特性を示す
図である。
【符号の説明】 1…アンチストール制御装置、2…電流増幅回路、3…
斜板制御弁、4…エンジン、5…ポンプ、31…アクセ
ル、32…アクセル用ポテンショメータ、 33…アクセル用信号回路、36…エンジン回転数セン
サー、37…F/V回路、38…第1可変抵抗器、40
…第2可変抵抗器、41…第1加算回路、42…第2加
算回路、43…応答時間調整回路、44…第1極性判別
回路、45…第2極性判別回路、46…第3加算回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(4)で駆動される可変容量形ポ
    ンプ(5)と、上記ポンプ(5)の出力により回転する流体
    モータと、上記ポンプ(5)の吐出量を制御する制御弁
    (3)を備え、上記エンジン(4)のアクセル入力と回転数
    に基づいて上記制御弁(3)を制御するアンチストール制
    御装置であって、 上記エンジン(4)のアクセル入力に応じたレベル(A)の
    信号を出力する第1信号出力手段(33)と、上記エンジ
    ン(4)の回転数に応じたレベル(F)の信号を出力する第
    2信号出力手段(37)と、上記第2信号出力手段(37)
    の出力信号のレベル(F)に1より小さい第1の係数(α)
    を乗じたレベル(F1)の信号を出力する第1比例回路(3
    8)と、上記第2信号出力手段(37)の出力信号のレベ
    ル(F)に上記第1の係数(α)よりも小さい第2の係数
    (α・β)を乗じたレベル(F2)の信号を出力する第2比
    例回路(40)と、上記第1信号出力手段(33)の出力信
    号レベル(A)と上記第1比例回路(38)の出力信号レベ
    ル(F1)との差を算出する第1演算回路(41)と、上記
    第1信号出力手段(33)の出力信号レベル(A)と上記第
    2比例回路(40)の出力信号レベル(F2)との差を算出
    する第2演算回路(42)と、上記第1演算回路(41)の
    算出値の極性に応じて、その算出値に第1の所定数
    (G1)だけ乗じたレベルの信号を出力するか、またはゼ
    ロレベルの信号を出力する第1判別手段(44)と、上記
    第2演算回路(42)の算出値の極性に応じて、その算出
    値に第2の所定数(G2)だけ乗じたレベルの信号を出力
    するか、またはゼロレベルの信号を出力する第2判別手
    段(45)と、上記第1信号出力手段(33)の出力信号レ
    ベル(A)から上記第1判別手段(44)の出力信号レベル
    (V1)と上記第2判別手段(45)の出力信号レベル(V2)
    を引いたレベルの信号(V0)を上記制御弁(3)の制御信
    号として出力する制御信号作成手段(46)とを備えたこ
    とを特徴とするアンチストール制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンチストール制御装
    置において、上記第1演算回路(41)と上記第1判別手
    段(44)との間に、上記第1演算回路(41)の算出値の
    絶対値が大きくなる場合には速く応答し、上記演算回路
    (41)の算出値の絶対値が小さくなる場合には遅く応答
    する応答時間調整手段(43)を設けたことを特徴とする
    アンチストール制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092178A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Iseki & Co Ltd 作業車両の変速制御装置
JP2010133469A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Caterpillar Japan Ltd 作業車両
JP2011149496A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Kubota Corp 作業車の車速制御構造

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