JP2009209269A - 炭素繊維強化成形材料の製造方法並びにそれにより得られる炭素繊維強化成形材料及び成形品 - Google Patents

炭素繊維強化成形材料の製造方法並びにそれにより得られる炭素繊維強化成形材料及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽量化及び高剛性化を望む近年のニーズの高まりを受け、樹脂組成物の炭素繊維への含浸性に特に優れ、高度の表面平滑性や機械的特性を発揮できる成形材料を、煩雑な操作や高コストを必要とせずとも効率的かつ安定的に生産できる製造方法、並びに、このような製造方法により得られる成形材料及びその成形品を提供する。
【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む炭素繊維強化成形材料を製造する方法であって、上記製造方法は、相対する一対のメインロール間に上記熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維を通過させた後、上記メインロールに隣接して上記メインロールと同方向に回転する掻き取りロールで掻き取る工程を含む炭素繊維強化成形材料の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素繊維強化成形材料の製造方法並びにそれにより得られる炭素繊維強化成形材料及び成形品に関する。より詳しくは、住宅設備や自動車、電気等の分野で、特に自動車外板用途や自動車構造部材用途に有用な炭素繊維強化成形材料を製造する方法、並びに、それにより得られる炭素繊維強化成形材料及び成形品に関する。
繊維を補強材とした繊維強化成形材料は、熱硬化性樹脂や硬化剤、充填材等を配合した樹脂組成物(マトリックス)を、ガラス繊維や合成繊維、天然繊維等の強化繊維に含浸させて得られるものであり、例えば、シート状の成形材料(Sheet Molding Compound;以下、「SMC」ともいう。)等が汎用され、その成形品が呈する優れた外観や機械的特性、耐水性、耐食性等により、住宅設備や自動車、電気等の分野に広く利用されている。中でも、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂を用いたSMCは、成形サイクルが短く生産性に優れることから、自動車分野においてはフード、ルーフ、トランクリッド、フェンダー、ドア等の高度な平滑性が求められる外板や、バルブカバー、リアフロアーパン、サンルーフフレーム等の高度な機械的特性が要求される構造部材に広く用いられるに至っている。更に、近年、自動車の軽量化の要求が高まるにつれ、ガラス繊維に代えて、ガラス繊維よりも低密度で高弾性率である炭素繊維を強化繊維として使用したSMCが開発され、用いられるようになってきた。
このような自動車外板等の用途では、表面に高品質な塗装を施すことができることが重要であるが、SMCからなる成形品においても、表面が樹脂で均一に覆われて繊維が露出せず、極めて平滑な状態(一般に、「クラスA−表面性」と呼ばれる状態)であれば、高品質な塗装を施すことができる。ガラス繊維を用いたSMCでは、長年による多くの研究により、クラスA−表面性が実現されている。しかしながら、炭素繊維を用いたSMCでは、ガラス繊維を使用した場合と全く同じようには改善されず、ガラス繊維を汎用の炭素繊維に置き換えるだけでは、クラスA−表面性を実現することはできなかった。また、構造部材用SMCのガラス繊維を炭素繊維に置き換え機械的特性を高めようとしても、汎用の炭素繊維と置き換えるだけでは、その効果が充分に得られなかった。これは、以下の要因が考えられる。
ここで、SMCの製造方法としては、通常、図2に示すように、熱硬化性樹脂や硬化剤、充填材等を配合した樹脂組成物(マトリックス)3を、ポリエチレンフィルム等のフィルム10a上に塗布し、その上から、炭素繊維1等の強化繊維を、必要に応じてロービングカッター6を介して切断して散布した後、更にマトリックス3を塗布したフィルム10bを被せ、一対のロール11間を通過させることを行っている。なお、このSMC製造手法に関し、炭素繊維を用いた手法としては、例えば、特許文献1に開示され、ガラス繊維を用いた手法としては、例えば、特許文献2に開示されている。
炭素繊維のフィラメント径は、一般的なガラス繊維のフィラメント径が13μm程度であるのに対して、約7μmと細く、フィラメントが均一分散し濡れが充分であれば、フィラメント径の細い炭素繊維の方がより平滑な表面を得られるものと考えられる。しかしながら、両繊維の分散時の集束単位が、ガラス繊維では、モノフィラメントを通常200〜300本集束させたストランドが最小単位となるのに対し、炭素繊維では、集束単位となるトウの構成本数が1000本(1K)、3000本(3K)、6000本(6K)、12000本(12K)、24000本(24K)等と多く、コスト面から12000本(12K)以上のものが多く用いられるため、炭素繊維を用いる場合には分散状態が良好とはならない。また、SMC製造時には、ロービングカッターで例えば25mmに切断しながら供給することになるが、その際にほぼトウ単位で分散するため、ガラス繊維よりも炭素繊維の方がSMC製造時の繊維束の分散状態が悪くなる。更に、ガラス繊維は、シラン表面処理やモノマーへの溶解性に優れた収束剤の使用等により、熱硬化性樹脂含浸時に繊維がフィラメント単位まで容易に濡れることによってSMC含浸工程において容易に開繊するのに対し、炭素繊維は、熱硬化性樹脂に対する濡れが悪く、含浸工程で開繊による分散状態の改善を期待できない。
したがって、炭素繊維を用いた成形材料であっても、クラスA−表面性や高度な機械的特性を実現できるようにするための工夫の余地があった。
そこで、例えば、炭素繊維からなる不織布を表面近傍に配置した炭素繊維強化シート状成形材料や、トウ幅を拡げた炭素繊維を用いた炭素繊維強化シート状成形材料が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、不織布を表面近傍に配置する方法では、シート状成形材料製造時又はその成形時に不織布を表面に配する必要があり、また複雑な形状を成形する際に、所望する表面に不織布が必ずしも配置できず、製品形状に制約を生じることがあり、これらの点で工夫の余地があった。また、トウ幅を拡げた炭素繊維を用いる方法は、炭素繊維の分散には有利であるが、幅を拡げた炭素繊維は樹脂に接する表面は濡れるものの、樹脂のウェットスルー性が充分ではなく、多くの充填材と熱可塑性樹脂とを含み、含浸時のマトリックス樹脂液粘度が一般的に10000〜50000mPa・sとなるガラス繊維を用いたクラスA−表面性を与えるSMCに用いられるマトリックス樹脂液では含浸が困難であることから、これらの点でも改善の余地があった。
また炭素繊維として、細い収束単位に分繊されたチョップドカーボンファイバーを使用した熱硬化性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この技術では、モノマーへの溶解性を有する収束剤にて収束され、細い収束単位に分繊されたチョップドカーボンファイバーと、不飽和ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂及び無機充填材とを用いた場合に、含浸時の収束単位が細く濡れが良好であり、かつ細分散することにより、炭素繊維が均一に分散し良好な外観を得ることが可能となっている。しかしながら、この方法は、まず炭素繊維を分繊しなければならないために非常に煩雑な操作及び高コストを必要とし、また、炭素繊維を分繊する際に繊維の毛羽立ちや切れを生じることから、クラスA−表面性の成形品を与える成形材料をより安定的に低不良率で生産できるようにするための工夫の余地があった。この文献ではまた、比較例Cとして、分割していない24K炭素繊維を用いてカレンダーロールにて含浸し、スクレバーで剥がす技術が開示されている。しかしながら、炭素繊維は開繊せず、縞状に存在していることが示されており、煩雑で高コストの炭素繊維の分繊操作を行わなくても、充分に炭素繊維が均一に分散されてなる成形材料を簡便に得るための工夫の余地があった。
更にポリイソシアネート、炭素繊維及び不飽和ポリエステル樹脂を配合する樹脂含浸シートの製造方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この技術は、狭い金型内でも炭素繊維を良好に分散でき、成形品の強度を安定的に高めることができるという点で非常に有用なものであるが、クラスA−表面性や、高度な機械的特性を得るためには、マトリックス樹脂組成物の配合及び粘度や強化繊維含有率に高い自由度が必要であるため工夫の余地があった。
ところで、ガラス繊維を用いた成形材料に関し、粘性物質と固形物質とを相対する一対のローラー間を通過させた後、該ローラーに近接した回転体を該ローラーと同方向に高速回転させることにより生成混合物を掻き落とす手法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。この技術は、SMC製造手法ではガラス繊維等の補強材層に樹脂混合物が浸透する深さに制限があるため、厚いシート状等の自由な形状の成形材料を安価に能率良く製造することを可能としたものである。また、柄材を含む樹脂組成物を用いて同様に掻き落とす手法も開示されていて(例えば、特許文献7参照。)、使用可能な繊維強化材の一例として炭素繊維が例示されている。しかしながら、これらの文献には、炭素繊維を用いた形態については具体的に何ら検討されていない。すなわち、上述したように炭素繊維とガラス繊維とでは、その分散時の集束単位等に関連して諸問題が提起されるのにも関わらず、これらの文献ではこの諸問題については一切検討されていない。
米国特許第6901986号明細書 特許第3071585号明細書 特開2001−348440号公報 米国特許第6743832号明細書 特開2006−103193号公報 特開昭52−17903号公報 特開2001−294739号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、軽量化及び高剛性化を望む近年のニーズの高まりを受け、樹脂組成物の炭素繊維への含浸性に特に優れ、高度の表面平滑性や機械的特性を発揮できる成形材料を、煩雑な操作や高コストを必要とせずとも効率的かつ安定的に生産できる製造方法、並びに、このような製造方法により得られる成形材料及びその成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、繊維強化成形材料の製造方法について種々検討したところ、従来のSMC製造手法において、一般的に使用されているガラス繊維に代えて炭素繊維を用いた場合には、ガラス繊維を用いる場合には特に問題とはならなかった含浸性に不具合が生じることに着目した。すなわち、炭素繊維を用いると、炭素繊維の濡れが悪く、含浸不良によるフクレが発生したり、成形品において充分な機械的特性や平滑性を発揮することができず、また含浸性を高めようとして炭素繊維を分繊等すれば、煩雑な操作が必要となったり製造コストが高すぎて実用的ではないことに着目した。そして、炭素繊維を用いた成形材料の製造方法において、相対する一対のメインロール間に熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維を通過させた後、該メインロールに隣接して該メインロールと同方向に回転する掻き取りロールで掻き取る工程を行うと、煩雑な操作や高コストを伴う炭素繊維の分繊操作等を行わなくても、樹脂組成物の炭素繊維への含浸性が著しく向上し、炭素繊維が均一に分散した成形材料を効率的に得られることを見いだした。中でも、充填材が多く樹脂粘度の高いクラスA−表面性を与えるSMCに用いられる樹脂組成物を用いる場合や炭素繊維含有率が高い場合に、含浸性が顕著に向上することを見いだし、クラスA−表面を有する成形品を与え得る成形材料を安定的かつ低不良率で連続生産可能となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、シート状の成形材料を得る場合、SMC製造手法ではシートの厚みと含浸性との間に相関性があったが、本発明の炭素繊維を用いる上記製造手法によれば、シートの厚みと含浸性とが相関しないため、シートに厚みがあっても炭素繊維が均一に分散した成形材料を得ることができ、成形材料の作業性を良好なものとすることが可能となる。
すなわち本発明は、熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む炭素繊維強化成形材料を製造する方法であって、上記製造方法は、相対する一対のメインロール間に上記熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維を通過させた後、上記メインロールに隣接して上記メインロールと同方向に回転する掻き取りロールで掻き取る工程を含む炭素繊維強化成形材料の製造方法である。
本発明はまた、上記製造方法より得られる炭素繊維強化成形材料でもある。
本発明は更に、上記炭素繊維強化成形材料を用いてなる成形品でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の炭素繊維強化成形材料の製造方法は、相対する一対のメインロール間に熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)及び炭素繊維を通過させた後、掻き取りロールで掻き取る工程(以下、「掻き取り工程」ともいう。)を含む。
上記掻き取り工程ではまず、相対する一対のメインロール間に樹脂組成物及び炭素繊維を通過させることになるが、樹脂組成物を供給する際には、シャワー管又はスリット管を用いて一対のメインロールを覆うように投入することが好適である。すなわち、上記熱硬化性樹脂組成物が、シャワー管又はスリット管にて一対のメインロールを覆うように投入される形態は、本発明の好適な形態の1つである。これによって、上記樹脂組成物がより均一にメインロール上に塗布され、炭素繊維への含浸性をより向上することができ、より平滑性に優れた成形品を与えることが可能となる。
このような形態においては、供給される樹脂組成物が一対のメインロールのそれぞれを覆うように、メインロールのそれぞれに対して、1以上のシャワー管又はスリット管を設けることが好適である。
上記シャワー管としては、例えば、1〜10mmのピッチ間隔で、穴径0.5〜10mmの穴を有するパイプを用いればよく、その管自体の径は、例えば、0.5〜4インチ径が好適である。また、シャワー管に樹脂組成物を供給する際に、供給側とシャワー管の先端部分との圧力損失差によって生ずる吐出量の分布を緩和するため、供給側の穴径を小さく、先端部分に近づく程穴径を大きくすることが好適である。
上記スリット管としては、0.3〜5mmの連続した隙間を管上に有する管であることが好ましく、上記シャワー管と同様に、供給側の隙間間隔を狭く、先端になるほど広くすることが好適である。
なお、上記シャワー管やスリット管等の樹脂組成物供給管は、20〜60℃に設定し、内部の樹脂組成物もまた、同程度の温度になるように設定することが好適である。これにより、炭素繊維への含浸性をより充分に高めることが可能となる。より好ましくは25〜50℃である。
上記炭素繊維の供給は、上記樹脂組成物と充分に混合されるように行えばよく、例えば、上述したように一対のメインロールを覆うように投入された樹脂組成物上に散布されるように供給することが好適である。
なお、上記樹脂組成物中に炭素繊維をより均一に分散させるため、メインロールの手前にロービングカッターを設け、炭素繊維がロービングカッターを通してメインロール間に投入されるようにすることが好ましい。中でも、ロービングカッターにより炭素繊維を10〜50mm長に切断することが好適であり、より好ましくは10〜30mmである。
上記炭素繊維としては、通常使用されるものを用いることができる。炭素繊維のフィラメント収束本数は、レギュラートウと呼ばれる1000本(1K)、3000本、6000本、12000本、15000本、24000本が一般的であるが、この中でもコスト面から6000本以上のものが好適である。また、ラージトウと呼ばれる40000本以上のものは、コスト面では更に有利であるが、収束本数が多くなるに従って、成形材料内での炭素繊維の粗密差が大きくなり、含浸が充分とはならなかったり、機械的特性や平滑性を高めることができないおそれがあるため、60000本以下のものが好ましい。このように、上記炭素繊維のフィラメント収束本数は、6000〜60000本であることが好適であり、より好ましくは、下限値が10000本、上限値が30000本である。すなわち、上記炭素繊維が、フィラメント収束本数が6000〜60000本である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記炭素繊維の形状は特に限定されず、マット状、チョップ状、ロービング状等の形状であってもよい。
上記炭素繊維の使用量としては、上記熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維の総量100体積%に対し、5〜55体積%であることが好適である。5体積%未満であると、成形品において充分な機械的強度を発揮させることができないおそれがあり、55体積%を超えると、相対的に上記樹脂組成物の体積が小さくなるため、充分な含浸状態を得ることができないおそれがある。下限値としては、より好ましくは15体積%であり、上限値としては、45体積%である。
上記炭素繊維はまた、必要に応じて他の強化繊維を併用してもよい。他の強化繊維としては、ガラス繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維等が挙げられる。
この場合、得られる成形品において高剛性を充分に発揮できるようにするために、炭素繊維の使用量は、炭素繊維とその他の強化繊維とを含む全強化繊維100質量%に対し、25質量%以上とすることが好適であり、より好ましくは50質量%以上である。しかしながら、近年の軽量化及び高剛性化のニーズに適応させることを第一に考えれば、炭素繊維のみを使用する形態であることが特に好適である。
上記のようにして供給された樹脂組成物及び炭素繊維は、一対のメインロール間を通過することになるが、メインロール間の間隙の長さは、供給する樹脂組成物等の量やメインロールの大きさ等に応じて適宜設定すればよく、例えば、0.6〜6mmとすることが好適である。より好ましくは1.5〜5mmである。なお、上記メインロールは、互いに、その間隙方向、すなわち内側方向に回転することになる。
上記メインロールの大きさ及び回転数は、後述する掻き取り速度等を考慮して適宜設定することが好ましい。例えば、メインロールの直径を100〜1000mmとすることが好ましく、より好ましくは200〜800mmである。また、回転数を1〜200rpmとすることが好ましく、より好ましくは5〜95rpmである。
上記メインロール間を通過した熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維は、次に掻き取りロールで掻き取られることになる。
上記掻き取りロールは、相対する一対のものであって、上記メインロールの1つと掻き取りロールの1つとが隣接するように設置されていればよい。また、熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維が通過(進行)する方向にメインロールと隣接していればよく、例えば、メインロールの上方向から熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維を投入し、下方向にメインロール間を通過させる場合には、メインロールの下部に掻き取りロールを設けることが好適である。
なお、上記メインロールと隣接すると言っても、これらが接触することを意味するのではなく、上記掻き取りロールがメインロールと同方向に回転できる最低限の間隙は必要である。この間隙の大きさは、例えば、0.1〜2mmであることが好ましく、また、一対のメインロール間の間隙の大きさの1/8〜1/2程度とすることが好適である。
上記掻き取りロールはまた、上記メインロールと同方向に回転するものである。すなわち、上記メインロールの回転方向と同方向に回転するものであればよい。この場合、メインロールと掻き取りロールとが隣接する部分のみに着目すると、その部分では、メインロールの方向と掻き取りロールの方向とは逆となる。
このようなメインロール及び掻き取りロール(好ましくは、回転速度の異なる、これら2種類のロール)を用いることによって、炭素繊維の束が分繊するとともに上記樹脂組成物が炭素繊維に充分に含浸できるため、得られる成形品においてフィラメントが均一に分散した状態となり、高平滑な表面や、高度な機械的特性を呈する成形品を与えることが可能となる。
上記掻き取りロールの大きさ及び回転数は、後述する掻き取り速度等を考慮して適宜設定することが好ましい。例えば、掻き取りロールの大きさは、上記メインロールよりも小さくすることが好適であり、掻き取りロールの直径を10〜500mmとすることが好ましく、より好ましくは50〜350mmである。また、回転数を、100〜3000rpmとすることが好ましく、より好ましくは600〜2000rpmである。なお、上記メインロールの回転数に対し、1〜300倍の回転数とすることが好適であり、中でも、1倍より大きくすることが好ましい。すなわち、上記掻き取りロールが上記メインロールよりも高速で回転するものであることが好適である。より好ましくは、上記メインロールの回転数に対し、20〜200倍であり、更に好ましくは50〜150倍である。
上記掻き取りロールの形状としては、その断面が円形であってもよいし、多角形や歯車状、羽根車等の特殊な形状であってもよい。
上記掻き取り工程ではまた、下記式;
掻き取り速度(m/分)=メインロールの表面線速+掻き取りロールの表面線速
(式中、表面線速(m/分)は、ロールの円周の長さ(m)と回転数(rpm)との積である。)から求められる掻き取り速度が100〜1000m/分となるように、掻き取りロール及びメインロールの直径及び回転数を設定することが好ましい。すなわち、上記掻き取り工程が、上記式から求められる掻き取り速度が100〜1000m/分である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記掻き取り速度が1000m/分を超えると、メインロールと掻き取りロールとの隙間で熱硬化性樹脂組成物が硬化し、連続生産ができなくなるおそれがあり、また、100m/分未満では、充分に掻き取り作業が行われず、樹脂組成物の炭素繊維への含浸性を充分なものとすることができないおそれがある。掻き取り速度の下限値としては、より好ましくは200m/分であり、更に好ましくは300m/分である。また上限値としては、より好ましくは800m/分であり、更に好ましくは700m/分である。
本発明でマトリックスとして用いられる樹脂組成物は、その粘度が500〜200000mPa・sであることが好ましい。すなわち、上記炭素繊維への含浸時の上記樹脂組成物の粘度が500〜200000mPa・sである形態もまた、本発明の好適な形態の一つである。これにより、上記樹脂組成物をより充分に含浸させることができるとともに、炭素繊維が上記樹脂組成物中により安定的に分散されるため、本発明の作用効果を更に充分に発揮することが可能となる。なお、上記樹脂組成物の粘度が500mPa・s未満であると、樹脂組成物含浸時の樹脂圧力をより高めることができず、また、200000mPa・sを超えると、樹脂粘度が高くなるため、いずれの場合も更に充分な含浸性を発揮させることができないおそれがある。より好ましい下限値は2000mPa・sであり、更に好ましい下限値は3000mPa・sであり、より好ましい上限値は50000mPa・sであり、更に好ましい上限値は40000mPa・sである。
なお、上記粘度とは、30℃における粘度であることが好適である。
上記製造方法においては、上記掻き取り工程により、混合物(炭素繊維に含浸した樹脂組成物)を得た後、熟成工程を行うことが好適である。これにより、樹脂組成物の粘度を高め、成形材料の作業性をより向上させることが可能となる。
上記熟成工程においては、例えば、熟成温度20〜70℃、熟成時間1〜120時間とすることが好ましい。より好ましくは、熟成温度25〜45℃、熟成時間12〜60時間とすることである。
上記製造方法はまた、シート状の成形材料を得ようとする場合には、更に、上記掻き取り工程で得られる混合物を直ちに、一対のフィルム間に投入して圧縮成形する工程を含むことが好適である。
このようにシート状の成形材料を得る場合、従来のSMC製造手法では、図2に示すように、熱硬化性樹脂や硬化剤、充填材等を配合した樹脂組成物(マトリックス)3を、ポリエチレンフィルム等のフィルム10a上に塗布し、その上から、炭素繊維1等の強化繊維を、必要に応じてロービングカッター6を介して切断して散布した後、更にマトリックス3を塗布したフィルム10bを被せ、一対のロール11間を通過させることを行っている。つまり、この手法では、炭素繊維は、両面から樹脂組成物及びフィルムにより圧縮されるのみであるため、シートの厚みと炭素繊維への樹脂組成物の含浸性との間には相関性があり、シートの厚みが大きいと樹脂組成物の炭素繊維への含浸性が著しく低下し、炭素繊維が均一に分散した成形材料は得られない。
これに対し、本発明では、上記掻き取り工程を行うことによって、樹脂組成物の炭素繊維への含浸性が飛躍的に向上し、シートの厚みに関わらず炭素繊維が均一に分散した成形材料を得ることができるため、成形材料の作業性を良好なものとすることが可能となる。
したがって、例えば、シート厚さが1.0〜10mmであることが好適である。
なお、シート厚さとしては、例えば、理論密度(g/mm)と単位面積あたりの質量(g/mm)とから、理論上のシート厚さとして求めることができる。
本発明の製造方法の好適な形態の一例について、図1に示す。
まず樹脂組成物供給管7a、7bを通して、一対のメインロール8a、8bのそれぞれを覆うように樹脂組成物3が供給され、その一方で、炭素繊維1がロービングカッター6で切断され、この切断された炭素繊維2が樹脂組成物3上に散布される。
そして樹脂組成物3及び切断された炭素繊維2が、一対のメインロール8a、8b間を通過することとなるが、この一対のメインロール8a、8bは、互いに内側に回転しているため、メインロール間を通過する際に樹脂組成物3が切断された炭素繊維2に含浸する。
その後、メインロールの下方に隣接し、かつメインロールよりも高速回転する掻き取りロール9a、9bにより掻き取られる。
このようにして得られる混合物4が、一対のフィルム10a、10b間に投入され、圧縮ロール11を通して圧縮成形され熟成工程を経て、シート状の成形材料5が得られることになる。
本発明では、上述したようにして炭素繊維強化成形材料を得ることによって、表面が平滑で塗装適性にも優れ、成形品において安定してクラスA−表面を実現することが可能な成形材料を、煩雑な操作及び高コストを必要とせずとも、安定的に低不良率で生産できることとなるが、このような炭素繊維強化成形材料もまた、本発明の1つである。中でも、シート状の成形材料は、各種用途に簡便に用いられるため好ましく、上記炭素繊維強化成形材料がシート状成形材料である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記炭素繊維強化成形材料は、住宅設備や自動車、電気等の分野で、特に自動車外板用途に好適な高面品質かつ軽量な成形品を与えることができるものであり、このように上記炭素繊維強化成形材料を用いてなる成形品もまた、本発明の1つである。
以下、本発明で使用する熱硬化性樹脂組成物について、更に説明する。
上記熱硬化性樹脂組成物としては、ラジカル重合性オリゴマー及び重合性単量体からなる熱硬化性樹脂を含むものであることが好適である。
上記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート系重合体及びポリエーテル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上のものから構成されるものであることが好ましい。これらの中でも、成形サイクルに優れ、靱性や機械的強度、耐熱性、耐熱水性等の各種物性に優れるうえ、低収縮化剤の併用により硬化時の収縮率が非常に小さく、高度の表面平滑性をより実現することができる点で、不飽和ポリエステル及びビニルエステルを用いることが特に好適である。すなわち、上記熱硬化性樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含んでなる形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。より好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂を含む形態である。なお、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂であってもよい。
上記不飽和ポリエステルとしては、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と2価のグリコールとの縮合により合成されるものであることが好適である。なお、不飽和ポリエステルの合成には、これら2成分の他、飽和ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸や、ジカルボン酸と反応するジシクロペンタジエン等も併用することができ、また、各成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記α、β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらジカルボン酸の無水物等が挙げられ、また、これらと併用可能なジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸無水物、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸等が挙げられる。
上記2価のグリコールとしては、例えば、アルカンジオール、オキサアルカンジオール、ビスフェノールAにエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキサイドを付加したジオール等が挙げられ、また、これら2価のグリコールに加え、モノオール(1価のアルコール)や3価のトリオールを併用することもできる。
上記アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
上記オキサアルカンジオールとしては、例えば、ジオキシエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール等が挙げられる。
上記2価のグリコールと併用可能な1価又は3価のアルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、オレイルアルコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記不飽和ポリエステルとしてはまた、数平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは、800〜4000である。
また上記不飽和ポリエステルの酸価は、10〜60であることが好ましく、より好ましくは、20〜40である。
上記不飽和ポリエステルの合成は、加熱下で実施されることが好ましく、また、副生する水を除去しながら反応を進めることが好適である。
上記ビニルエステルとしては、エポキシ化合物と、不飽和一塩基酸との反応により得られるものであることが好適である。
上記エポキシ化合物としては、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を含むものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂肪族型、脂環式、単環式エポキシ化合物、アミン型エポキシ化合物等が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられ、ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化ノボラック型エポキシ化合物等が挙げられ、脂肪族型エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられ、脂環式エポキシ化合物としては、アリサイクリックジエポキシアセタール、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、これらのエポキシ化合物は、ビスフェノールA等のフェノール化合物、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、液状ニトリルゴム等の二塩基酸により変性したエポキシ化合物として用いてもよい。
これらの中でも、機械的強度、耐食性、耐熱性に優れるビスフェノール型エポキシ化合物が好ましい。
上記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸等のモノカルボン酸や、二塩基酸無水物と分子中に少なくとも一個の不飽和基を有するアルコールとの反応物等が挙げられる。二塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂肪族又は芳香族のジカルボン酸が挙げられる。不飽和基を有するアルコールの例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、耐熱性、耐薬品性の観点から炭素数が6以下のものが好ましく、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。
上記エポキシ化合物に不飽和一塩基酸を付加させる反応においては、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基1モルに対し、不飽和一塩基酸のカルボキシル基の当量が0.8〜1.5モルとなるような比率でエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とを用いることが好ましい。より好ましくは、エポキシ化合物のエポキシ基に対する不飽和一塩基酸のカルボキシル基の当量が0.9〜1.1となるような比率でエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とを用いることである。
上記エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応としてはまた、エステル化触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、通常使用される触媒を用いることができ、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド等のホスフォニウム塩;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類;テトラブチル尿素;トリフェニルスチビン等が挙げられる。これら触媒は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
上記エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応は、必要に応じ、少量の重合禁止剤の共存下で行うことができる。これにより、反応工程の初期において生成した反応生成物や不飽和一塩基酸自体の重合反応が進行することが抑制されて、反応生成物のゲル化を抑制することが可能となる。
上記重合禁止剤としては、エポキシ化反応による生成物や不飽和一塩基酸の重合反応を抑制することができるものであればよく、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、カテコール、ナフテン酸銅、銅粉等を用いることができる。
上記エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応はまた、必要に応じて通常の溶媒で希釈して行ってもよいし、必要に応じて酸素の存在下で行ってもよい。エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応温度については、通常、60℃〜150℃であることが好適である。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、更に必要に応じてポリオールとをウレタン化反応させることにより得られるものであることが好適である。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の1種又は2種以上が好適である。
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類や、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類等の1種又は2種以上が好適である。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリオール等の1種又は2種以上が好適であり、数平均分子量が200〜3000であるものが好ましい。より好ましくは、数平均分子量が400〜2000のものである。なお、ポリエーテルポリオールとは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールAやビスフェノールFにアルキレンオキサイドを付加させたポリオールも使用することができる。また、ポリエステルポリオールとは、二塩基酸成分と多価アルコール成分との縮合重合体、又は、ポリカプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合体である。
上記ウレタン(メタ)アクリレートにおけるポリイソシアネート、水酸基を有する(メタ)アクリレート及びポリオールの反応においては、例えば、水酸基とイソシアネート基との当量比がほぼ1となるように使用量を調整し、40〜140℃の範囲で加熱することが好ましい。なお、ウレタン化反応をより促進させるためには、通常用いられるウレタン化触媒を使用することができ、3級アミン類、ジブチル錫ジラウレート、塩化錫等の錫化合物類を用いることが好適である。
上記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸類と、多価アルコールと、多塩基酸とによるエステル化反応により得られるものであることが好適である。
上記(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハライド等の水酸基とエステル結合を生成しうる(メタ)アクリル酸及びその誘導体であることが好ましい。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、トリメチロールプロパン、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物等の1種又は2種以上が好適である。
上記多塩基酸としては、不飽和多塩基酸や飽和多塩基酸が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。また、飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環式飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記(メタ)アクリレート系重合体としては、メタクリル酸メチル等の重合体等が挙げられる。また、重合体に酸やエポキシ基の官能基を導入するために、アクリル酸やグリシジルメタクリル酸を共重合させたものや、更にその官能基に反応させて重合性官能基を持たせた重合体やアクリル系以外のスチレン等の単量体を共重合したものを使用することも可能である。
上記ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、オキシアルキレン鎖を有する2価以上のアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるもの(エステル化物)であることが好適である。
上記オキシアルキレン鎖を有する2価以上のアルコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレンエチレングリコール、トリプロピレングリコール等;ビスフェノールF、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビスフェノールC、ビスフェノールF−D、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA等のビスフェノールのアルキレンオキシド付加物;ノボラックフェノール、クレゾールノボラック等の3価以上のアルコールのアルキレンオキシド付加物等が好ましく、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記ポリエーテル(メタ)アクリレートの好ましい形態としては、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。
上記ラジカル重合性オリゴマーとしては、重量平均分子量が300〜50000であることが好適である。300未満であると、適度な粘性が得られず、作業性が充分とはならなかったり、得られる硬化物(成形品)が脆くなり、外部からの衝撃や応力によりクラック等が生じやすくなるおそれがあり、また、50000を超えると、得られる樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、効率的な作業ができなくなるおそれがある。重量平均分子量の下限値としては、より好ましくは400であり、更に好ましくは500であり、上限値としては、より好ましくは40000であり、更に好ましくは35000である。
なお、重量平均分子量としては、例えば、ゲルパーミエーション(GPC)装置を用いることにより求めることができる。GPC測定条件としては、例えば、以下のようにすることが可能である。
<GPC測定条件>
GPC測定装置:高速GPC装置(商品名「HLC−8120 GPC」、東ソー社製)
検出器:示差屈折計
カラム:TSK gel Super HM−H
TSK gel Super H−2000
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、流量0.6ml/min
試料濃度:0.5質量%
注入量:100μl/回
なお、標準サンプルとしてポリスチレンオリゴマー(商品名「TSKスタンダードポリスチレン」、東ソー社製)を用い、上記GPC測定条件における検量線を作成して求める。
上記熱硬化性樹脂において、重合性単量体としては、単官能ビニル単量体、多官能ビニル単量体、アリル単量体等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記単官能ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素原子数12又は13)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等の単官能(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。
上記多官能ビニル単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=4〜23)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=4〜10)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=8,9)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタアクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン(n=3〜30)、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン等の多官能アクリルモノマー等が挙げられる。
上記アリル単量体としては、例えば、グリセリンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の1官能アリル化合物、グリセリンジアリルエーテル、グリセリンクリレート、ジペントールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールジ(メタ)トリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル等の多官能アリル化合物が挙げられる。
これらの重合性単量体の中でも、単官能ビニル単量体を用いることが好適であり、中でも、スチレンがより好ましい。
上記熱硬化性樹脂において、上記ラジカル重合性オリゴマーと重合性単量体との質量比率としては、例えば、該重合性単量体が、該ラジカル重合性オリゴマー及び該重合性単量体の総量100質量%に対して、5〜80質量%となることが好適である。これにより、樹脂組成物の粘度を含浸に適したものとすることができ、成形品において良好な機械的特性を得ることが可能となり、更により高度な高面品質性を実現することができることとなる。なお、5質量%未満であると、炭素繊維への含浸性が充分とはならず、成形品において機械的強度を充分に優れたものとすることができないおそれや、樹脂組成物の粘度を充分に低減できず、効率的な作業ができなくなるおそれがあり、80質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、作業性が充分とはならなかったり、含浸性をより高めることができないおそれがある。上記重合性単量体の下限値としては、より好ましくは10質量%、更に好ましくは35質量%であり、上限値としては、より好ましくは75質量%、更に好ましくは60質量%である。
上記熱硬化性樹脂組成物としてはまた、性能を損なわない範囲で低収縮化剤、硬化剤、重合禁止剤、内部離型剤、充填材、増粘剤、顔料や染料等の着色剤、柄剤(加飾粒)、フィラー分散剤等の湿潤分散剤、相溶化剤等の添加剤を配合することができる。
上記低収縮化剤としては、ラジカル重合性オリゴマーの低収縮化剤として使用されている熱可塑性ポリマーを用いることが好ましく、例えば、ポリブタジエン又はその水素添加体、 ポリイソプレン又はその水素添加体、芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体又はその水素添加体、ポリスチレン、スチレン/酢酸ビニルブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート等の他、飽和ポリエステル(分子量3000〜100000)やポリエーテル等が好適である。中でも、芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体又はその水素添加体やポリ酢酸ビニルがより好ましい。
上記芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体としては、例えば、スチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体と、例えば、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体とを、通常の重合方法によりブロック共重合させて合成されたものであることが好ましく、具体的には、例えば、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等が好適である。
上記芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体においては、芳香族系ビニル単量体と共役ジエン単量体とのモル比が50:50〜5:95であることが好ましく、より好ましくは、30:70〜10:90である。
また上記芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体の数平均分子量は、10000〜500000であることが好適であり、より好ましくは、30000〜200000である。
上記低収縮化剤の添加量は、例えば、上記熱硬化性樹脂100質量部に対し、3〜25質量部が好適である。3質量部未満であると、上記樹脂組成物をより低収縮化することができないおそれがあり、更に優れた高平滑性を実現できないおそれがあり、25質量部を超えると、熱間での成形品強度が充分とはならず、脱型時にクラックが発生するおそれがある。より好ましくは、7〜20質量部である。
上記硬化剤としては、有機過酸化物を用いることが好適であり、例えば、キュメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート、1,1−ジブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、アミルパーオキシ−p−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−へキシルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、成形温度に応じて単独又は2種以上の硬化剤を組みあわせて使用される。
上記硬化剤の添加量は、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.5〜5質量部が好適である。
上記重合禁止剤は、可使時間、硬化反応の立ち上がりを調整するために用いられ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン類;カテコール、t−ブチルカテコール等のカテコール類;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノール、クレゾール等のフェノール類;フェノチアジン、フェルダジル、α,α−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル(DPPH)、4−ヒドロキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記重合禁止剤の添加量は、成形品の用途により適宜設定され、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜0.5質量部が好適である。
上記内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸や、それらの亜鉛、マグネシウム、カルシウム等との非アルカリ金属塩(いわゆる金属セッケン)の他、シリコン系、フッソ系、パラフィンワックス系等の化合物等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記内部離型剤の添加量としては、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜10質量部が好適である。
上記充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、クレー、ガラス粉、黒鉛粉等の1種又は2種以上を使用することができ、中でも、炭酸カルシウムが好適である。
上記充填材の添加量は、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0〜400質量部が好適である。より好ましくは50〜300質量部であり、更に好ましくは100〜250質量部である。
上記増粘剤としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム等の2価金属の酸化物又は水酸化物等の他、ポリイソシアネートを使用することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネートや、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの末端水酸基とジイソシアネートとを反応させたイソシアネートプレポリマー等の他、これらのポリイソシアネート化合物とモノイソシアネート化合物との混合物等が好適である。
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられ、上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、水素添加4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられ、上記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリエンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられ、上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。なお、これらのポリイソシアネート化合物のアロファネート体、ビュレット体、トリマー体等を使用することもできる。
上記モノイソシアネート化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、イソシアネートエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
上記増粘剤の添加量としては、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好適である。
上記着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の顔料や染料等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記着色剤の添加量としては、成形品の用途により適宜設定される。例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対し、30質量部以下が好適である。
上記柄剤としては、例えば、酸化アルミニウム、PETフィルム、マイカ、セラミック及びそれらを着色剤、表面処理剤等でコーティングしたもの、メッキ処理したもの、熱硬化性樹脂と無機フィラーと着色剤等とを熱硬化させて粉砕したもの等が挙げられる。
本発明の炭素繊維強化成形材料の製造方法は、上述の構成よりなり、表面が平滑で塗装適性にも優れ、成形品において安定してクラスA−表面を実現することが可能な成形材料を、煩雑な操作及び高コストを必要とせずとも、安定的に低不良率で生産でき、工業的に有用な手法である。このような製造方法により得られる成形材料は、住宅設備や自動車、電気等の分野で、特に自動車外板用途に好適な高面品質かつ軽量な成形品や、構造部材に有用な高度な機械的特性を有する成形品を与えることができるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
合成例1(不飽和ポリエステルAの合成)
不飽和ポリエステルAは以下の方法により調整した。
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えたフラスコを反応器とした。この反応器に、無水マレイン酸980g、プロピレングリコール760gを仕込んだ。次に上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、180〜200℃の温度範囲で酸価27.0mgKOH/gまで反応させることにより不飽和ポリエステルAを得た。
合成例2(不飽和ポリエステルBの合成)
不飽和ポリエステルBは以下の方法により調整した。
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えたフラスコを反応器とした。この反応器に、プロピレングリコール501g、イソフタル酸625gを仕込み、内容物を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、180〜200℃の温度範囲で酸価15.0mgKOH/gまで一次反応させた後、プロピレングリコール232g、無水マレイン酸553gを加え同様に酸価20.0mgKOH/gまで二次反応させることにより不飽和ポリエステルBを得た。
合成例3(ビニルエステルCの合成)
ビニルエステルCは以下の方法により調製した。
温度計、空気導入管、還流管、攪拌装置を備えたフラスコを反応器とし、ハイドロキノン(以下、「HQ」と略記する。)0.1g、トリエチルアミン(以下、「TEA」と略記する。)2.0gの存在下、エポキシ樹脂(「エポミックR−140」、三井化学社製、エポキシ当量187)748gに、メタクリル酸(三菱ガス化学社製)344gを添加し、110〜120℃でエポキシ基を完全に反応させ、ビニルエステルCを得た。
実施例1〜9、比較例1〜3、参考例1〜3
表1〜3に示す組成で、熱硬化性樹脂、熱可塑性ポリマー及び各種添加剤を充分に均一に混合した。こうして得られる樹脂組成物と強化繊維とを、図1に示される下記条件のロール含浸機(社内製)又は図2に示されるSMC含浸機(月島機械社製)に供給し、含浸工程(掻き取り工程)で得られる混合物を、一対のフィルム間に連続投入して圧縮成形を行った後、24時間熟成させ、シート状成形材料を得た。この際、樹脂組成物供給管(図1の7a、7b、図2には明記していない。)及びその内部の樹脂組成物の温度を30℃に設定したが、これと同温度(30℃)での樹脂組成物粘度について、ブルックフィールドアナログ粘度計LVT型(ブルックフィールド社製)を用いて測定した(樹脂液粘度)。このシート状成形材料について、下記方法により各種物性等を評価した。結果を表5〜7に示す。
また実施例4及び比較例1については、シート状成形材料の炭素繊維の分散状態を検証した。シート状成形材料の状態を図3−1、3−2、4−1、4−2に示す。図3−1及び図4−1は、シート状成形材料であり、図3−2(右上部)及び図4−2(中央上部)は、シート状成形材料の内部まで確認したものである。
Figure 2009209269
Figure 2009209269
Figure 2009209269
表1〜3中の各成分については、以下のとおりである。
ポリ酢酸ビニル:商品名「ビナパスC501」、WACKER POLYMERSYSTEMS社製
スチレンブタジエンブロック共重合体:商品名「クレイトンDX1300」、シェル化学社製
有機過酸化物:商品名「パーブチルI」、日本油脂社製
重合禁止剤:パラベンゾキノン
湿潤分散剤:商品名「BYK−W996」、BYK Chemie Gmbh社製
相溶化剤:商品名「BYK−W972」、BYK Chemie Gmbh社製
炭酸カルシウム:商品名「NS−100」、日東粉化工業社製
ポリイソシアネート:商品名「コスモネートPH」、三井化学ポリウレタン社製
15K炭素繊維:フィラメント収束本数15000本、商品名「TR 50S−15L」、三菱レイヨン社製
4800Texガラス繊維:商品名「S235」、日本電気硝子社製
<ロール含浸装置の各種条件(実施例1〜9、比較例2、参考例2)>
図1中、メインロール8a、8bは、直径400mm、回転数15rpm、メインロール隙間2mmとし、掻き取りロール9a、9bは、直径100mm、メインロールと掻き取りロールとの隙間1mmとした。
また掻き取り速度(掻き取り速度(m/分)=メインロールの表面線速+掻き取りロールの表面線速)については、表4に示す計算表から求めた。
このうち、実施例1〜9、参考例2におけるメインロールと掻き取りロールとの関係を図5−1に概念的に示す。また、比較例2では、掻き取りロールに代えて、固定ヘラを使用して掻き取り工程を行ったが、この固定ヘラを使用する形態の概念図を図5−2に示す。
Figure 2009209269
<成形材料の評価試験>
(1)含浸状態
成形材料内部の強化繊維を目視にて観察し以下の基準で評価を行った。
◎:未含浸の繊維(ドライファイバー)なし。
○:数mm以下の未含浸部が一部観られる。
△:数mm〜数cm以上の未含浸部が観られる。
×:数cm以上の未含浸部が多数観られる。
またシート状成形材料を150mm角に切り出し、積層して300mm角金型の中央に置き、140℃、10MPaの条件で5分間加熱、加圧を行い、300mm角厚さ約2.5mmの成形板を得た。
実施例4、8、9、比較例1、3で得られたシート状成形材料より得られた成形板の表面をスキャナーで電子化した図(図6〜10)を示す。また、参考のため、SMC含浸機を使用した他は実施例8と同様にして得たシート状成形材料より得られた成形板の表面をスキャナーで電子化した図を図11に示す。
(2)成形品フクレ(個/枚)
シート状成形材料を150mm角に切り出し、積層して300mm角の平板成形用金型の中央に置き、140℃、10MPaの条件で3分間加熱、加圧を行い、300mm角厚さ約2.5mmの成形板を得た。この成形板について、目視にてフクレ個数を数え、含浸性の評価とした。なお、この成形方法では、シート状成形材料に著しい含浸不良がある場合、成形品表面に直径数mmから数十mmの目視可能なフクレを生じる。
(3)成形品の平滑性(μm)
シート状成形材料を150mm角に切り出し、積層して300mm角の平板成形用金型の中央に置き、140℃、10MPaの条件で5分間加熱、加圧を行い、300mm角厚さ約2.5mmの成形板を得た。この成形板について、表面粗さ計(東京精密社製、商品名「サーフコム1400D」)を用いて、成形板表面のフクレを避けた任意の位置で100mm測定し、図12のように、断面曲線の凹凸各最大値の平均を算出した。
(4)成形収縮率(%)
JIS K6911(1995年)に準じて測定した。
(5)成形品密度(g/cm
一定の大きさでの質量を測定し、密度を求めた。
(6)曲げ強さ(MPa)、曲げ弾性率(GPa)、たわみ率(%)
JIS K7017(1999年)に準じて測定した。
Figure 2009209269
Figure 2009209269
Figure 2009209269
表5〜7の結果から以下のことが確認された。
表5に記載の参考例1と比較例1とを比較すると、ガラス繊維を用いてSMC含浸機を使用して行った参考例1に対し、ガラス繊維を炭素繊維に代えた他はほぼ同等の条件で行った比較例1では、炭素繊維への樹脂組成物の含浸性が著しく悪くなり、フクレを生じたり、成形品の平滑性や強度、弾性率等の点で顕著に劣る結果となった。したがって、従来のSMC含浸手法で炭素繊維を使用すると、含浸性が著しく低下し、成形品の各種物性においても性能が充分とはならないことが分かる。
そこで、本発明の掻き取り工程を含む製造方法を採用すると、表6に記載の実施例2〜7の結果や、実施例4で得たシート状成形材料の表面状態(図6)と比較例1で得たシート状成形材料の表面状態(図9)との比較からも分かるように、SMC含浸機を用いた比較例1に比較して、炭素繊維が良好に分散するとともに、含浸性が顕著に改善され、フクレ等も抑制されて表面状態も良好で、強度や弾性率、平滑性の点でも優れた成形品が実現されている。特に成形品の曲げ弾性率については、ガラス繊維を用いてSMC含浸機により製造した参考例1の成形品よりも顕著に改善されており、近年の高剛性化のニーズに適応できることが分かる。また、掻き取り工程で掻き取りロールを用いずに固定ヘラを用いて行った比較例2では、炭素繊維の分散が不良で成形材料自体を得ることができなかった。
なお、実施例1では、掻き取り工程を行ったが、掻き取り速度が速過ぎて掻き取り部(メインロールと掻き取りロールとの間隙部分)で樹脂組成物が硬化してしまい、連続生産を行うことができなかったものの、不連続な生産工程(すなわち、掻き取り部に蓄積する樹脂組成物を適宜取り除きながら作業を行う工程)では、含浸状態も良好で曲げ強度や弾性率等に優れた成形品が得られた(表6に記載の「実施例1(不連続)」欄参照。)。
また表7に記載の参考例2は、ガラス繊維を用いて本発明の掻き取り工程を行ったものであるが、これと、ガラス繊維を用いてSMC含浸機を使用した表5に記載の参考例1とを比較すると、これらの結果に大きな差異がないことが分かる。すなわち、ガラス繊維のみを使用して成形材料を得る場合には、SMC含浸手法を採用しても、本発明の製造方法を採用しても、樹脂組成物のガラス繊維への含浸性には特に変化がなく、含浸性は特に問題とはならないことが分かる。
これに対し、炭素繊維を用いる場合には、上記比較例1と実施例2〜7との対比結果及び図6と図9との比較から明らかなように、本発明の掻き取り工程を行うことによって初めて、技術常識からは到底予測不可能な程度に炭素繊維が良好に分散するとともに、含浸性を著しく改善でき、フクレ等が抑制されて表面状態も良好で、強度や弾性率、平滑性の点でも優れた成形品を得ることが可能となるのである。
なお、炭素繊維とガラス繊維とを併用して本発明の掻き取り工程を行った実施例8の結果や、その表面状態(図7)とガラス繊維のみを使用して得たシート状成形材料の表面状態(図11)との比較から、炭素繊維のみならずガラス繊維を併用したものであっても、本発明の掻き取り工程を行うことによって含浸状態が飛躍的に改善され、各種物性に優れた成形品が得られることが分かる。
更に強化繊維の体積含有率が大幅に高く機械的特性に優れる構造部材用の配合とした参考例3、比較例3及び実施例9を比較すると、炭素繊維を使用して本発明の掻き取り工程を行った実施例9では、ガラス繊維を使用してSMC含浸手法により行った参考例3や、炭素繊維を使用してSMC含浸手法により行った比較例3に比較して、成形品の曲げ強度や弾性率を著しく向上できることが分かる。また、同じ炭素繊維を用いた実施例9と比較例3との比較や、これらの表面状態(図8及び図10)より、本発明の掻き取り工程を行った実施例9では、含浸状態も改善されていることが分かる。
図1は、本発明の製造方法の好適な形態を概念的に示した図であり、実施例等で使用したロール含浸機の概念図でもある。 図2は、従来のSMC製造方法を概念的に示した図であり、比較例1等で使用したSMC含浸機の概念図でもある。 実施例4において、シート状成形材料の炭素繊維の分散状態を検証するために、シート状成形材料の表面をスキャナーで電子化した図である。 図3−1のシート状成形材料の内部を確認するため、シート状成形材料の表面を一部分剥がした状態(右上部)で、スキャナーで電子化した図である。 比較例1において、シート状成形材料の炭素繊維の分散状態を検証するために、シート状成形材料の表面をスキャナーで電子化した図である。 図4−1のシート状成形材料の内部を確認するため、シート状成形材料の表面を一部分剥がした状態(中央上部)で、スキャナーで電子化した図である。 実施例1〜7、参考例2におけるメインロールと掻き取りロールとの関係を概念的に示した図である。 比較例2において、掻き取りロールに代えて固定ヘラを使用した形態を概念的に示した図である。 実施例4で得られたシート成形材料より得られた成形板の表面について、スキャナーで電子化した図である。 実施例8で得られたシート成形材料より得られた成形板の表面について、スキャナーで電子化した図である。 実施例9で得られたシート成形材料より得られた成形板の表面について、スキャナーで電子化した図である。 比較例1で得られたシート成形材料より得られた成形板の表面について、スキャナーで電子化した図である。 比較例3で得られたシート成形材料より得られた成形板の表面について、スキャナーで電子化した図である。 参考のため、SMC含浸機を使用した他は実施例8と同様にして得たシート状成形材料より得られた成形板の表面をスキャナーで電子化した図である。 成形品の平滑性評価試験の際に用いた断面曲線の一例を示したものであり、断面曲線の凹凸各最大値の平均を算出することを例示した図である。
符号の説明
1 炭素繊維
2 ロービングカッターで切断された炭素繊維
3 樹脂組成物(マトリックス)
4 掻き取り工程で得られる混合物
5 シート状の成形材料
6 ロービングカッター
7a、7b 樹脂組成物供給管
8a、8b メインロール
9a、9b 掻き取りロール
10a、10b フィルム(シート)
11 圧縮ロール

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む炭素繊維強化成形材料を製造する方法であって、
    該製造方法は、相対する一対のメインロール間に該熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維を通過させた後、該メインロールに隣接して該メインロールと同方向に回転する掻き取りロールで掻き取る工程を含むことを特徴とする炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  2. 前記掻き取り工程は、下記式;
    掻き取り速度(m/分)=メインロールの表面線速+掻き取りロールの表面線速
    から求められる掻き取り速度が100〜1000m/分であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  3. 前記炭素繊維は、前記熱硬化性樹脂組成物及び炭素繊維の総量100体積%に対し、5〜55体積%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  4. 前記炭素繊維は、フィラメント収束本数が6000〜60000本であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物は、シャワー管又はスリット管にて一対のメインロールを覆うように投入されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  7. 前記製造方法は、更に、前記掻き取り工程で得られる混合物を、一対のフィルム間に投入して圧縮成形する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維強化成形材料の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法より得られることを特徴とする炭素繊維強化成形材料。
  9. 請求項8に記載の炭素繊維強化成形材料を用いてなることを特徴とする成形品。
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