JP2009208170A - パワーアシスト装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置6によって、ロボットアーム2が環境と非接触の場合、ロボットアーム2に提示する仮想の非接触時摩擦力FLを設定し、非接触時摩擦力FLが操作ハンドル4に作用するようにアクチュエータ5を制御し、あるいは、ロボットアーム2が環境と接触し、操作力fmと外力feの向きが一致する場合には、ロボットアーム2に提示する仮想の非接触時摩擦力FLを設定し、非接触時摩擦力FLが操作ハンドル4に作用するようにアクチュエータ5を制御し、あるいは、ロボットアーム2が環境と接触し、操作力fmと外力feの向きが一致しない場合には、ロボットアーム2に提示する仮想の接触時摩擦力FHを設定し、接触時摩擦力FHが操作ハンドル4に作用するようにアクチュエータ5を制御する。
【選択図】図2
Description
つまり、力センサによる検知部位以外の部位において、ロボットアームと環境(外界)との接触があったとしても、ロボットアームはその接触を考慮することなく作動し続けてしまい、作業者が意図しない動作を行う場合がある。今後は、人とロボットが空間を共有していく状況がますます増えるため、人や環境と接触するロボットの安全性をより考慮したアドミッタンス制御が必要となる。
力覚(操作力)センサを介さずに作用した外力の推定値を併用することにより、環境との接触に対する安全性を高めたアドミッタンス制御の手法が以下に示す非特許文献1等に開示されている。
つまり、従来技術では、発振現象を抑える有効な方法が存在していない状況であった。
磯将人、関弘和、堀洋一著,負荷特性に応じたインピーダンス制御を用いたセンサレスパワーアシスト法,電気学会産業計測制御研究会 IIC−02−40(2002)
まず始めに、本発明の一実施例に係るパワーアシスト装置1の全体構成について、図1を用いて説明をする。図1は本発明の一実施例に係る操作者によるロボットアームと環境との接触作業の状況を示す模式図である。
図1に示す如く、本発明の一実施例に係るパワーアシスト装置1は、ロボットアーム2、操作力センサ3、操作ハンドル4、アクチュエータ5、制御装置6等により構成している。
また、本実施例では、アクチュエータ5は制御装置6と接続されており、アクチュエータ5により検知するロボットアーム2の姿勢情報および作動速度情報に基づいて、制御装置6によってロボットアーム2に作用する環境から受ける外力fe(接触力)を推定する構成としている。つまり、アクチュエータ5と制御装置6によって、外力推定手段を構成している。
尚、本実施例では、環境から受ける外力feとして推定値を算出して採用する構成としているが、外力検知用の操作力センサを別途備える構成とし、環境から受ける外力feとして実際の測定値を採用する構成とすることも可能である。
また、各センサによる力の検出遅れや演算時間に起因する遅れ等もあいまって、目標手先位置x'dが発振してしまう。
本発明では、操作力fmと外力feの状況に応じて、前記数式1の計算に用いる外力feを仮想摩擦力Fに修正する制御方法を採用し、発振現象が発生することを防止するようにしている。
次に、(S01)で求めた外力feに基づいて、制御装置6によって条件判定をする(S02)。
制御装置6には、予めロボットアーム2が障害物7と接触しているか否かを判定するための閾値として接触判定閾値fsを設定している。そして、この接触判定閾値fsと(S01)で求めた外力feを比較し、fe>fsを満たしていなければ(即ち、fe≦fsであれば)、ロボットアーム2と障害物7は非接触の状態であると判定して、次のステップ(S03)に遷移し、fe>fsを満たしていれば、ロボットアーム2が障害物7と接触していると判定して、次のステップ(S04)に遷移するようにしている。
これにより、ロボットアーム2と環境との接触状態を容易かつ適切に判定することができるのである。
ロボットアーム2と障害物7が非接触の状態である場合には、制御装置6によって、ロボットアーム2に提示する仮想の摩擦力Fとして、非接触時摩擦力FLを設定するようにしている(S03)。
この場合、外力feが作用する向きに応じて異なる摩擦力を設定するようにしており、外力feが作用する向きへのロボットアーム2の操作に対しては、摩擦力Fとして、非接触時摩擦力FLを設定するようにしている(S04−1)。
接触時摩擦力FHは、操作者の操作力fmに比して大きい力が設定される(即ち、fm<FH)。例えば、以下の数式2によって求める構成としている。尚、Cは定数である。
これにより、接触時摩擦力FHを容易かつ適切に設定することができるのである。
尚、接触時摩擦力FHは、操作者の操作力fmに比して大きい力を設定すればよいため、例えば、操作者の操作力fmに定数を乗じて求めることも可能である。
そして、(S03)または(S04)で設定した各摩擦力Fに基づいて目標加速度Adを計算し(S05)、さらに求めた目標加速度Adを時間積分して、目標速度Vdおよび目標手先位置x'dを計算し(S06)、目標速度Vdおよび目標手先位置x'dとなるようにロボットアーム2を支持するアクチュエータ5の駆動を制御装置6によって制御するようにしている。尚、制御フロー中の各演算処理は制御装置6によって行う構成としている。このとき、目標加速度Adは、以下の数式3により求めている。
尚、本実施例では、説明の便宜上、図3(a)・(b)中の上下左右の向きにのみ非接触時摩擦力FLが作用している表現としているが、実際には、操作ハンドル4を操作する全ての向きに対して非接触時摩擦力FLが作用するようにアクチュエータ5を制御するようにしている。
尚、本実施例では、説明の便宜上、図4(a)・(b)中の下向きおよび左右向きにのみ接触時摩擦力FHが作用している表現としているが、実際には、上向き以外の操作ハンドル4を操作する全ての向きに対して接触時摩擦力FHが作用するようにアクチュエータ5を制御するようにしている。
具体的には、操作ハンドル4に対して非接触時摩擦力FLが作用した状態では、非接触状態と同じ操作性でロボットアーム2の手先位置xdを変位させることができるように構成するとともに、操作ハンドル4に対して接触時摩擦力FHが作用した状態では、ロボットアーム2が障害物7と接触する向きには操作ハンドル4を変位させることができないように構成している。
これにより、ロボットアーム2が環境と接触したときに、操作ハンドル4に対して操作者の操作力fmに比して大きい接触時摩擦力FHが付与されるため、ロボットアーム2が環境との接触する向きに向けて操作ハンドル4が変位せず、また、接触する向きと反対の向きには操作者の操作力fmに比して小さい非接触時摩擦力FLが付与されるため、ロボットアーム2が自由に変位でき、これにより、発振現象の発生を確実に防止することができるのである。
2 ロボットアーム
3 操作力センサ
4 操作ハンドル
5 アクチュエータ
6 制御装置
fm 操作力
fe 外力
FL 非接触時摩擦力
FH 接触時摩擦力
Claims (8)
- 操作者により操作される操作部位と、
前記操作部位に加えられた操作力を計測する操作力センサと、
前記操作部位を支持するロボットアームと、
前記ロボットアームを駆動するアクチュエータと、
前記ロボットアームが環境と接触した時に受ける外力を計測する外力センサ、もしくは、前記ロボットアームが環境と接触した時に受ける外力を推定する外力推定手段と、
前記操作力センサと、前記ロボットアームと、前記アクチュエータと、前記外力センサもしくは前記外力推定手段と接続される制御装置と、
を備えるパワーアシスト装置であって、
前記制御装置は、
前記ロボットアームが環境と接触していない場合には、
前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として所定の大きさの非接触時摩擦力を設定し、
該非接触時摩擦力が前記操作部位に作用するように前記アクチュエータを制御し、
あるいは、
前記ロボットアームが環境と接触している場合であって、
前記操作力センサにより計測された操作力の向きと、
前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力の向きと、
が一致する場合には、
前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として、
前記非接触時摩擦力を設定し、
該非接触時摩擦力が前記操作部位に作用するように前記アクチュエータを制御し、
あるいは、
前記ロボットアームが環境と接触している場合であって、
前記操作力センサにより計測された操作力の向きと、
前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力の向きと、
が一致しない場合には、
前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として前記非接触時摩擦力とは異なる接触時摩擦力を設定し、
前記制御装置によって、
該接触時摩擦力が前記操作部位に作用するように前記アクチュエータを制御する、
ことを特徴とするパワーアシスト装置。 - 前記制御装置は、
前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力と、
前記制御装置に予め設定された閾値と、を比較し、
前記外力が前記閾値以下であるときには、
前記ロボットアームと環境が非接触の状態であると判定し、
前記外力が前記閾値を越えているときには、
前記ロボットアームと環境が接触している状態であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載のパワーアシスト装置。 - 前記制御装置によって、
前記接触時摩擦力としては、
前記操作力センサにより計測した操作力に比して大きい力が設定され、かつ、
前記非接触時摩擦力としては、
前記接触時摩擦力に比して十分に小さい力が設定される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のパワーアシスト装置。 - 前記接触時摩擦力は、
前記制御装置によって、
前記操作力センサにより計測した操作力に定数を加算して求める、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のパワーアシスト装置。 - 操作者により操作される操作部位と、
前記操作部位に加えられた操作力を計測する操作力センサと、
前記操作部位を支持するロボットアームと、
前記ロボットアームを駆動するアクチュエータと、
前記ロボットアームが環境と接触した時に受ける力を計測する外力センサ、もしくは、前記ロボットアームが環境と接触した時に受ける力を推定する外力推定手段と、
前記操作力センサと、前記ロボットアームと、前記アクチュエータと、前記外力センサもしくは前記外力推定手段と接続される制御装置と、
を備えるパワーアシスト装置の制御方法であって、
前記制御装置によって、前記ロボットアームが環境と接触しているか否かを判定する接触判定工程と、
前記接触判定工程において、前記ロボットアームが環境と接触していないと判定された場合には、前記制御装置により前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として所定の大きさの非接触時摩擦力を設定し、
あるいは、
前記接触判定工程において、前記ロボットアームが環境と接触していると判定され、かつ、前記操作力センサにより計測された操作力の向きと、前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力の向きとが一致する場合には、前記制御装置により前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として前記非接触時摩擦力を設定し、
あるいは、
前記接触判定工程において、前記ロボットアームが環境と接触していると判定され、かつ、前記操作力センサにより計測された操作力の向きと、前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力の向きとが一致しない場合には、前記制御装置により前記ロボットアームに提示する仮想の摩擦力として前記非接触時摩擦力とは異なる接触時摩擦力を設定する仮想摩擦力設定工程と、
前記制御装置によって、設定した前記非接触時摩擦力あるいは前記接触時摩擦力が前記操作部位に作用するように前記アクチュエータを制御する仮想摩擦力付与工程と、
を備える、
ことを特徴とするパワーアシスト装置の制御方法。 - 前記接触判定工程は、
前記制御装置によって、
前記外力センサもしくは外力推定手段によって計測もしくは推定された外力と、
前記制御装置に予め設定された閾値と、を比較し、
前記外力が前記閾値以下であるときには、
前記ロボットアームと環境が非接触の状態であると判定し、
前記外力が前記閾値を越えているときには、
前記ロボットアームと環境が接触している状態であると判定する、
ことを特徴とする請求項5記載のパワーアシスト装置の制御方法。 - 前記仮想摩擦力設定工程は、
前記制御装置によって、
前記接触時摩擦力としては、
前記操作力センサにより計測した操作力に比して大きい力が設定され、かつ、
前記非接触時摩擦力としては、
前記接触時摩擦力に比して十分に小さい力が設定される、
ことを特徴とする請求項5または請求項6の何れかに記載のパワーアシスト装置の制御方法。 - 前記接触時摩擦力は、
前記制御装置によって、
前記操作力センサにより計測した操作力に定数を加算して求める、
ことを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一項に記載のパワーアシスト装置の制御方法。
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