JP2006167889A - 操作子の移動装置と移動方法とそのためのプログラム - Google Patents

操作子の移動装置と移動方法とそのためのプログラム Download PDF

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洋 望山
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亮 菊植
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Abstract

【課題】移動する作業対象物に処理を施す人の作業を補助する技術を提供する。
【解決手段】操作子の移動装置は、物体に固定した移動座標系と固定座標系の関係を記憶している手段と、操作子と、移動座標系において操作力と操作子位置と操作子速度を算出する手段と、移動座標系における操作子速度に、操作力による移動座標系における速度変化量を加味して移動座標系における第1速度を算出する手段と、第1速度と反対向きの力を算出する手段と、第1速度に反対力による速度変化量を加味して移動座標系における第2速度を算出する手段と、移動座標系における操作子位置と第2速度と単位時間に基づいて、移動座標系における目標操作子位置を算出する手段と、移動座標系における目標位置座標値を固定座標系における座標値に変換する手段と、固定座標系における目標位置に操作子を変位させるアクチュエータとを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、人によって操作される操作子の位置をアクチュエータによって調整する技術に関する。特に、移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を調節する技術に関する。
人によって操作される操作子の位置を、アクチュエータによって制御することによって、人の操作を補助する技術が開発されている。この種の技術では、人が操作子に加えている操作力と、結果的に実現される操作子の運動の間に、
M・(dP/dt)+D・(dP/dt)+K・P=F ・・(1)
の関係が成立していると、人は良好な操作感を得えられ、操作性が向上することが知られている。ここで、dP/dtは操作子の加速度ベクトル、dP/dtは操作子の速度ベクトル、Pは操作子の位置ベクトルである。Mは操作子の加速度に対する比例マトリクスであり、操作子に再現される質量に相当する。Dは操作子の速度に対する比例マトリクスであり、操作子に再現される粘性係数に相当する。Kは操作子の位置に対する比例マトリクスであり、操作子に再現されるばね定数マトリクスに相当する。Fは人による操作力ベクトルである。
上記の知見を活用した技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の装置では、重量物を支持する可動体と、その可動体を動かすアクチュエータを備えており、作業者が可動体に加える操作力と、操作力とアクチュエータによって実現される重量物の運動との間に、上記(1)式が成立するようにアクチュエータの出力を調節する。
特許文献1は、重量物の搬送作業を複数の作業段階に大別するとともに、作業段階毎に上記(1)式の係数M、D、Kを切換えることが有効であることを報告している。
特開2000−84881号公報
例えば自動車の生産現場等では、作業対象物をベルトコンベアや回転テーブルの上に載置し、作業対象物を移動(平行移動や回転)させながら各種の処理を施す作業が実施されている。移動する作業対象物の所定箇所に処理を施すためには、処理用具などに固定されている操作子を作業対象物に対して相対的に操作する必要がある。作業者は、移動する作業対象物の運動と、操作子と作業対象物との間の相対運動の両者を考慮しながら操作子を操作する必要があり、困難な作業を強いられることとなる。
上記のような作業を補助するために従来の技術を利用しても、作業者の作業を正しく補助することは困難である。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、移動する作業対象物の所定箇所に処理を施す人の作業を補助する技術を提供する。
本発明は、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる移動装置に具現化することができる。この移動装置は、物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶している座標変換データ記憶手段と、人が操作する操作子と、人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出手段と、操作力検出手段の検出値と検出タイミングから、移動座標系における操作力を算出する操作力算出手段と、操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出手段と、操作子位置検出手段の検出値と検出タイミングから、操作子の移動座標系における位置を算出する操作子位置算出手段と、操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出手段と、速度算出手段で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出手段で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出手段と、第1速度算出手段で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出手段と、第1速度算出手段で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出手段で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出手段と、位置算出手段で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出手段で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出手段と、目標位置算出手段で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定手段と、目標位置決定手段で決定した目標位置に操作子を変位させるアクチュエータとを備える。
作業対象物が移動(平行移動や回転)する場合、操作子と作業対象物との間の相対運動を把握することが有効である。操作子と作業対象物との間の相対運動は、作業対象物に固定した移動座標系を定めると、移動座標系における操作子の運動によって記述される。一方、操作子の位置を実際に調整する際には、操作子の運動を、操作子の可動領域等に固定した固定座標系で把握する必要がある。操作子の運動を、移動座標系と固定座標系の両方で把握するためには、移動座標系での座標値と固定座標系での座標値の関係が必要となる。移動座標系での座標値と固定座標系での座標値の関係は、作業対象物の移動に伴って経時的に変化する。
この装置では、物体(例えば作業対象物)の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶している。それにより、検出した固定座標系における操作子の運動から、移動座標系における操作子の運動を算出することができる。あるいは、算出した移動座標系における操作子の運動を、固定座標系における操作子の運動に変換することができる。
この装置では、移動座標系における操作力から、その操作力に起因する移動座標系における加速度を算出する。移動座標系においても、前記した(1)式を利用して加速度を求めることができる。例えば粘性力やばね力が働かない環境であれば、[M・(d/dt)=F]の式から移動座標系における加速度(d/dt)を求めることができる。添え字のfは、移動座標系における指標であることを示している。
操作力に起因する移動座標系における加速度が判明すると、操作力に起因する単位時間後の移動座標系における速度変化量を算出することができる。操作子の移動座標系における現在速度に、操作力に起因する単位時間後の移動座標系における速度変化量を加味することによって、単位時間後の移動座標系における速度を算出することができる。これが本装置で算出する移動座標系における第1速度である。
この装置では、算出した移動座標系における第1速度に基づいて反対力を算出する。反対力は移動座標系における第1速度と反対向きの力である。反対力の大きさは、操作子に実現する操作感に合わせて調整可能である。固定した値としてもよいし、移動座標系における第1速度の速さに比例させてもよい。反対力の大きさを固定した値とすると、操作子を作業対象物に対して相対的に移動させたときに摩擦力が作用している操作感が再現される。反対力の大きさを移動座標系における第1速度の速さに比例させると、操作子を作業対象物に対して相対的に移動させたときに粘性力が作用している操作感が再現される。反対力の大きさを、固定した値と移動座標系における第1速度の速さに比例する値の加算値とすれば、摩擦力と粘性力の両者が作用している操作感が再現される。
この装置では、算出した移動座標系における反対力から、その反対力に起因する移動座標系における加速度を算出する。ここでも、[M・(d/dt)=反対力]の式から加速度を求めることができる。移動座標系における加速度が判明すると、反対力に起因する単位時間後の移動座標系における速度変化量を算出することができる。そして、移動座標系における第1速度に、反対力に起因する移動座標系における速度変化量を加味することによって、単位時間後の移動座標系における速度を算出することができる。これが本発明で算出する移動座標系における第2速度である。
単位時間後の移動座標系における速度が決まると、移動座標系における現在位置や単位時間等と併せて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出することができる。算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換することによって、操作子の固定座標系における目標位置を決定することができる。
最終的には、決定した固定座標系における目標位置までアクチュエータが操作子を変位させる。
この装置によると、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
上記の装置において、第2速度算出手段は、算出された反対力に起因する加速度から算出された速度変化量が第1速度よりも速ければ、第2速度をゼロに修正することが好ましい。
摩擦力や粘性力は、物体の移動方向と反対方向に作用する力であるが、物体の速度を反転させる作用はない。摩擦力や粘性力に相当する力を反対力に設定したときに、反対力に起因する速度変化量が第1速度よりも速ければ、第2速度が第1速度に対して反転してしまい、矛盾する結果が導かれてしまう。この場合、第2速度をゼロに修正することによって、操作子の運動に摩擦力や粘性力を正しく再現することができる。
上記の装置において、反対力決定手段は、算出された第1速度の向きに応じて、異なる大きさの反対力を算出することが好ましい。
それにより、作業対象物に対する操作子の操作方向に応じて、作業者に異なる操作感を与えることが可能となる。
上記の装置において、反対力決定手段は、算出された操作子の位置に応じて、異なる大きさの反対力を算出することが好ましい。
それにより、作業対象物に対する操作子の位置に応じて、作業者に異なる操作感を与えることが可能となる。
本発明の技術は、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる方法にも具現化される。この移動方法は、物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶しておく工程と、人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出工程と、操作力検出工程の検出値と検出タイミングから、移動座標系における操作力を算出する操作力算出工程と、操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出工程と、操作子位置検出工程の検出値と検出タイミングから、操作子の移動座標系における位置を算出する操作子位置算出工程と、操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出工程と、速度算出工程で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出工程で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出工程と、第1速度算出工程で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出工程と、第1速度算出工程で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出工程で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出工程と、位置算出工程で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出工程で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出工程と、目標位置算出工程で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定工程と、操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置決定工程で決定した目標位置に位置調整する工程とを備える。
この方法よると、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
本発明の技術は、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる装置が備えている電子計算機が実行するプログラムにも具現化される。このプログラムは、その電子計算機に、物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶している座標変換データ記憶手段にアクセスして、移動座標系と固定座標系の間で座標変換する処理と、固定座標系で検出された「人が操作子に加えている操作力」を、検出時の移動座標系における操作力に変換する操作力算出処理と、固定座標系で検出された「操作子の位置」を、検出時の移動座標系における位置に変換する操作子位置算出処理と、操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出処理と、速度算出処理で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出処理で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出処理と、第1速度算出処理で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出処理と、第1速度算出処理で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出処理で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出処理と、位置算出処理で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出処理で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出処理と、目標位置算出処理で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定処理と、操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置決定処理で決定した目標位置に位置調整する処理とを実行させるプログラムである。
このプログラムによると、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
本発明の技術は、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる他の移動装置にも具現化することができる。この移動装置は、固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体の移動速度を記憶している速度場記憶手段と、人が操作する操作子と、人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出手段と、操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出手段と、操作子の速度を固定座標系で検出する操作子速度検出手段と、速度検出手段で検出した操作子の固定座標系における速度に、操作力検出手段で検出した操作力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算手段と、第1速度計算手段で計算した固定座標系における第1速度から、操作子位置に対応付けて速度場記憶手段に記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出手段と、相対速度算出手段で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出手段と、第1速度計算手段で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出手段で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算手段と、
位置検出手段で検出した固定座標系における操作子の位置と、第2速度計算手段で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算手段と、目標位置計算手段で計算した目標位置に操作子を変位させるアクチュエータとを備える。
操作子と作業対象物との間の相対運動は、操作子の固定座標系における運動から、作業対象物の固定座標系における運動を減じることによって把握することができる。作業対象物の固定座標系における運動は、固定座標系に広がる速度場によって記述することができる。この速度場は、固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における作業対象物の移動速度を記述する。
この装置では、固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体(例えば作業対象物)の移動速度を記憶している。それにより、検出した操作子の固定座標系における位置から、当該位置における物体の固定座標系における速度を特定することができる。
この装置では、固定座標系における操作力から、その操作力に起因して生じる加速度を固定座標系で計算する。この場合も、前記した(1)式を利用して加速度を求めることができる。例えば粘性力やばね力が働かない環境であれば、[M・(dP/dt)=F]の式から固定座標系における加速度(dP/dt)を求めることができる。
操作力に起因する固定座標系における加速度が判明すると、操作力に起因する単位時間後の固定座標系における速度変化量を計算することができる。操作子の固定座標系における現在速度に、操作力に起因して生じる単位時間後の固定座標系における速度変化量を加味することによって、単位時間後の固定座標系における速度を計算することができる。これが本装置で算出する固定座標系における第1速度である。ここまでの段階で、物体(作業対象物)の運動は加味されていない。
この装置では、計算した第1速度から、検出した操作子位置における物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する。これが本装置で算出する相対速度である。
この装置では、算出した相対速度に基づいて反対力を算出する。反対力は、相対速度と反対向きの力である。反対力の大きさは、実現する操作感に合わせて調整可能である。反対力を調整することによって、摩擦力や粘性力が作用するときの操作感を再現することができる。
この装置では、算出した反対力から、その反対力に起因する固定座標系における加速度を計算する。ここでも、[M・(dP/dt)=反対力]の式から加速度を求めることができる。加速度が判明すると、反対力に起因する単位時間後の固定座標系における速度変化量を計算することができる。この速度変化量は相対速度を減じようとする速度変化量であり、物体と操作子との間の相対速度を減じようとする速度変化量である。
この装置では、検出した固定座標系における第1速度に、反対力に起因して生じる単位時間後の固定座標系における速度変化量を加味することによって、単位時間後の固定座標系における速度を計算する。これが本装置で算出する固定座標系における第2速度である。この段階において、物体(作業対象物)の運動が加味される。
単位時間後の固定座標系における速度が決まると、固定座標系における現在位置や単位時間等と併せて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算することができる。
最終的には、計算した固定座標系における目標位置までアクチュエータが操作子を変位させる。
この装置によっても、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
上記の装置において、第2速度計算手段は、算出された反対力に起因する加速度から計算された速度変化量が相対速度よりも速ければ、第2速度を物体移動速度に修正することが好ましい。
上記の装置では、相対速度から反対力を決定する。そのことから、摩擦力や粘性力に相当する力を反対力に設定したときに、反対力に起因する速度変化量が相対速度よりも速ければ、反対力に起因する速度変化量が相対速度を反転させてしまい、矛盾する結果が導かれてしまう。この場合、第2速度を物体移動速度に修正することによって、操作子を操作したときの操作反力に摩擦力や粘性力を正しく再現することができる。
上記の技術によって、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる他の方法を提供することもできる。この方法は、固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体の移動速度を記憶しておく工程と、人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出工程と、操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出工程と、操作子の速度を固定座標系で検出する操作子速度検出工程と、速度検出工程で検出した操作子の固定座標系における速度に、操作力検出工程で検出した操作力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算工程と、第1速度計算工程で計算した固定座標系における第1速度から、操作子位置に対応付けて記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出工程と、相対速度算出工程で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出工程と、第1速度計算工程で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出工程で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算工程と、位置検出工程で検出した固定座標系における操作子の位置と、第2速度計算工程で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算工程と、操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置計算工程で計算した目標位置に位置調整する工程とを備える。
この方法よっても、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
上記した技術は、固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる装置が備えている電子計算機が実行するプログラムにも具現化される。このプログラムは、その電子計算機に、固定座標系における位置に関連付けて当該位置における物体の移動速度を記憶手段に記憶しておく速度場記憶処理と、固定座標系で検出された「操作子の速度」に、固定座標系で検出された「人が操作子に加えている操作力」に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算処理と、第1速度計算処理で計算した固定座標系における第1速度から、固定座標系で検出された「操作子の位置」に対応付けて前記記憶手段に記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出処理と、相対速度算出処理で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出処理と、第1速度計算処理で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出処理で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算処理と、固定座標系で検出された「操作子の位置」と、第2速度計算処理で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算処理と、操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置計算処理で計算した目標位置に位置調整する処理とを実行させる。
このプログラムによっても、実現される操作子の運動に、移動する作業対象物の運動が加味される。その結果、操作子はあたかも作業対象物とともにベルトコンベアや回転テーブルに載っているように運動する。操作子を操作する際に、移動する作業対象物の運動を考慮する必要がなく、作業対象物と操作子の相対運動のみを考慮すれば足りる。作業者は、移動する作業対象物に操作子を追従させながら、作業対象物の所定箇所に正しく処理を施すことができる。
本発明により、移動する作業対象物に処理を施す人の作業を補助しうる技術が提供される。
最初に、以下に説明する実施例の主要な形態を列記する。
(形態1) 移動装置は、作業対象物を回転させながら支持する支持装置を備えている。
(形態2) 移動装置は、各種の計算処理を実行する処理部と、処理部が利用するプログラムやデータを記憶している記憶部を備えている。
(形態3) 処理部は、電子計算機を備えている。
(形態4) 処理部は、検出した操作子位置の経時変化から、操作子の速度を検出することができる。
(形態5) 処理部は、計時手段を備えている。
(実施例1)
本発明を実施した実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例で説明する移動装置を示している。移動装置は、フロントガラスWの所定箇所に接着剤を塗布する作業者を補助するために、作業者の操作に追従して処理用具である塗布ノズル30の位置を移動させる装置である。図2は、移動装置が備える電気構成の要部を示している。
作業者は、移動装置を利用して、フロントガラスWに接着剤を塗布する作業を行う。接着剤は、塗布ラインLに沿って塗布することが求められている。塗布ラインLは、フロントガラスWの周縁に沿う位置に設定されている。作業者は、操作子4を操作して、移動(回転)するフロントガラスWの塗布ラインLに沿って塗布ノズル30を移動させる必要がある。
図1に示すように、移動装置は、フロントガラスWを支持する支持装置20を備えている。支持装置20は、フロントガラスWを支持しながら回転駆動する回転支持軸22を備えている。回転支持軸22の角速度をωとする。移動装置では、フロントガラスWを支持装置20によって回転させながら、接着剤の塗布作業を行うようになっている。フロントガラスWの回転軸をCとする。
図1に示すように、移動装置は、基台10と、基台10に揺動部14aを介して揺動可能に支持されている第1可動体12aと、第1可動体12aに揺動部14bを介して揺動可能に支持されている第2可動体12bと、第2可動体12bに揺動部14cを介して揺動可能に支持されている第3可動体12cを備えている。以下、第1可動体12aと第2可動体12bと第3可動体12cをまとめて、可動体群12ということがある。
第3可動体12cには、作業者が操作するための操作子4と、接着剤を吐出する吐出ノズル30が設けられている。吐出ノズル30は、その先端32から接着剤を吐出する。接着剤は、供給ホース34を通じて吐出ノズル30に供給される。
移動装置では、可動体群12が揺動することによって、吐出ノズル30の先端32の位置P(t)が所定の可動領域内を自由に移動できるように構成されている。なお、吐出ノズル30と操作子4は相対的に移動しないことから、吐出ノズル30は操作子4に固定されているともいえる。あるいは、吐出ノズル30は操作子4の一部であるともいえる。以下では、吐出ノズル先端32の位置P(t)を、操作子4の位置P(t)ということがある。操作子4の可動領域には、固定されたxyz座標系が定められている。この操作子4の可動領域に固定されたxyz座標系を固定座標系ということがある。
操作子4には、作業者が操作子4に加えている操作力を検出する力覚センサ6が設けられている。力覚センサ6は、作業者が操作子に加えている操作力Fを、xyz軸の各軸方向とxyz軸の各軸回り方向の6方向の力に区別して検出することができる6軸センサである。
図1に示すように、移動装置は、基台10に対して第1可動体12aを揺動する第1アクチュエータ16aと、第1可動体12aに対して第2可動体12bを揺動する第2アクチュエータ16bと、第2可動体12bに対して第3可動体12cを揺動する第3アクチュエータ16cを備えている。以下、第1アクチュエータ16aと第2アクチュエータ16bと第3アクチュエータ16cをまとめて、アクチュエータ群16ということがある。移動装置は、アクチュエータ群16の動作を調節することによって、操作子の位置P(t)を調節することができる。
図2に示すように、移動装置は、操作子4の位置P(t)を検出するための位置センサ18を備えている。位置センサ18は、アクチュエータ群16に取付けられているエンコーダ等によって構成されている。
移動装置は、アクチュエータ群16の動作を制御する制御ユニット40を備えている。制御ユニット40は操作パネル42等を備えている
図2に示すように、制御ユニット40は、アクチュエータ群16を制御するための処理部46と、処理部46が実行するプログラムや利用するデータを記憶している記憶部48と、処理部46の指令に基づいてアクチュエータ群16の駆動するドライバ群50等を備えている。処理部46は、電子計算機を備えている。
処理部46には位置センサ18が接続されており、位置センサ18の出力信号が処理部46に入力されるようになっている。処理部46は、位置センサ18の出力信号に基づいて、操作子4の固定座標系における位置P(t)を検出することができる。また処理部46は、検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)の経時変化から、操作子4の固定座標系における速度v(t)を計算によって検出することができる。
処理部46には力覚センサ6が接続されており、力覚センサ6の出力信号が処理部46に入力されるようになっている。処理部46は、力覚センサ6の出力信号に基づいて、作業者が操作子4に加えている操作力Fを、固定座標系で検出することができる。
処理部46は、計時手段であるタイマを備えている。
記憶部48は、作業対象物であるフロントガラスWに固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係を記述する座標変換データを記憶することができる。図3に、フロントガラスWに固定した移動座標系(x,y,z)の例を示す。この移動座標系は直交座標系である。z軸がフロントガラスWの回転軸Cに沿って位置している。この移動座標系は、z軸を回転中心として角速度ωで回転する。移動座標系での座標値(x,y,z)と、固定座標系での座標値(x,y,z)の関係は、
x=(cosωt)・x+(−sinωt)・y+x
y=(sinωt)・x+( cosωt)・y+y
z=z
となる。ここでtは時刻を示している。処理部46は、タイマによって時刻tを把握する。上式で示されるように、移動座標系での座標値(x,y,z)と固定座標系での座標値(x,y,z)の関係は、フロントガラスWの移動(回転)に伴って経時的に変化する。処理部46は、教示されたフロントガラスWの回転軸Cの位置(x,y)とその回転速度ωから、座標変換データを作成して記憶部48に記憶させることができる。
処理部46は、検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)と、その検出タイミング(時刻)tと、座標変換データに基づいて、操作子4の移動座標系における位置P(t)を算出することができる。また処理部46は、算出した操作子4の移動座標系における位置P(t)の経時変化から、操作子4の移動座標系における速度v(t)を算出するができる。
処理部46は、検出した固定座標系における操作力Fと、その検出タイミング(時刻)tと、座標変換データに基づいて、移動座標系における操作力Fを算出することができる。なお、固定座標系における操作力F:(Fx,Fy,Fz)と、移動座標系における操作力F:(Fx,Fy,Fz)との間に、
Fx=( cosωt)・Fx+(sinωt)・Fy
Fy=(−sinωt)・Fx+(cosωt)・Fy
Fz=Fz
の関係がある。
記憶部48は、作業者等が指示した仮想質量Mや、仮想粘性係数Dや、仮想弾性係数Kや、仮想摩擦力値F等を記憶することができる。詳しくは後述するが、仮想質量Mは、操作子4の操作感に再現する仮想質量を規定するものである。仮想粘性係数Dは、操作子4の操作感に再現する仮想粘性力を規定するものである。仮想弾性係数Kは、操作子4の操作感に再現する仮想弾性力を規定するものである。仮想摩擦力値Fは、操作子4の操作感に再現する仮想摩擦力を規定するものである。
記憶部48は、後述する処理を実施するために処理部46が実行するプログラムを記憶している。
次に、処理部46がアクチュエータ群16の動作を調節する処理について詳細に説明する。図4は、処理部46による処理の流れを示すフローチャートである。処理部46は、図4のフローチャートに示す処理を、単位時間Δt毎に繰り返し実行する。なお以下の説明では、仮想弾性係数Kにゼロを設定しているものとする。
ステップS2では、移動座標系における操作子4の位置P(t)を算出する。処理部46は、まず位置センサ18の出力信号から、操作子4の固定座標系における位置P(t)を検出する。次いで、検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)と、検出タイミング(時刻)tと、座標変換データに基づいて、操作子4の移動座標系における位置P(t)を算出する。
ステップS4では、操作子4の移動座標系における速度v(t)を算出する。処理部46は、今回の動作サイクルで算出した操作子4の移動座標系における位置P(t)と、前回の動作サイクルで算出した操作子4の移動座標系における位置P(t−Δt)から、時刻tにおける操作子4の移動座標系における速度v(t)を算出することができる。
ステップS6では、力覚センサ6の検出値と検出タイミング(時刻)tと座標変換データに基づいて、移動座標系における操作力F(t)を算出する。
ステップS8では、移動座標系における保存加速度afc(t)を算出する。保存加速度とは、保存力に起因する加速度である。保存力とは、人が加える操作力や弾性体が加える弾性力等のように、物体に作用したときにそのエネルギーが物体に保存される力である。保存力は、物体のエネルギーを増加することができる力といえる。移動座標系における保存加速度afc(t)は、次の式によって算出することができる。
fc(t)=(F(t)−K・P(t))/M ;
保存加速度afc(t)は、移動座標系における操作力Fに起因する加速度と、移動座標系における仮想弾性力K・P(t)に起因する加速度の和となる。ここでは、仮想弾性係数Kをゼロに設定しているので、保存加速度afc(t)は移動座標系における操作力F(t)に起因する成分のみとなる。保存加速度afc(t)は操作力Fに比例する。
ステップS10では、ステップS4で算出した操作子4の移動座標系における速度v(t)に、移動座標系における保存加速度afc(t)から生じる単位時間Δt後の速度変化量を加味することによって、操作子4の移動座標系における第1速度vfc(t+Δt)を算出する。即ち、
fc(t+Δt)=v(t)+afc(t)・Δt ;
となる。この第1速度vfc(t+Δt)は、移動座標系において速度v(t)で運動している質量Mの物体に操作力Fを加えたときに、単位時間Δt後に物体に実現される物体の速度である。第1速度vfc(t+Δt)は、その物体に摩擦力や粘性力が作用しない場合の速度である。
ステップS12では、反対力が算出される。反対力は、ステップS10で算出した第1速度vfc(t+Δt)と反対向きの力である。反対力は移動座標系において算出される。反対力は、仮想粘性係数Dを比例係数とする第1速度vfc(t+Δt)に比例する反対力fと、第1速度vfc(t+Δt)によらず一定の大きさの反対力f(|f|=仮想摩擦力値F)の合力として算出される。即ち、反対力f+fは、
+f=−(D・vfc(t+Δt)+F) ;
となる。上式における負号は、反対力が第1速度と反対向きであることを示すものである。
図5は、操作子4に実現される運動をモデル化して示している。図5に示すように、反対力fは、第1速度vfc(t+Δt)で運動する仮想質量Mの物体(操作子)4に作用する粘性力に相当する。また反対力fは、第1速度vfc(t+Δt)で運動する仮想質量Mの物体(操作子)4に作用する摩擦力に相当する。
ステップS14では、移動座標系における消散加速度afd(t)を算出する。消散加速度とは、消散力による加速度である。消散力とは、粘性力や摩擦力等のように、物体に作用したときに物体のエネルギーを消散させる力である。消散力は、物体のエネルギーを増加させることができない力を指す。本実施例では、反対力f+fに粘性力や摩擦力に相当する力を設定しているので、反対力f+fに起因する加速度が消散加速度となる。従って消散加速度afd(t)は、
fd(t)=(f+f)/M ;
となる。
ステップS16では、ステップS10で算出した移動座標系における第1速度vfc(t+Δt)に、ステップS14で算出した移動座標系における消散加速度afd(t)から生じる単位時間Δt後の移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度vfd(t+Δt)を算出する。即ち、
fd(t+Δt)=vfc(t+Δt)+afd(t)・Δt ;
となる。図5に示すように、第2速度vfd(t+Δt)は、速度v(t)で運動している仮想質量Mの物体(操作子)4に操作力Fを加えるとともに、物体(操作子)4に粘性力fと摩擦力fが作用したときに、単位時間Δt後に物体(操作子)4に実現される速度である。
ステップS18では、ステップS16で求めた第2速度vfd(t+Δt)が、ステップS10で求めた第1速度vfc(t+Δt)に対して反転しているのか否かが判定される。即ち、
fc(t+Δt)・vfd(t+Δt)<0(ゼロ) ;
であるか否かが判定される。先に説明したように、本実施例の反対力は、消散力である粘性力や摩擦力に相当する。粘性力や摩擦力は物体の速度と反対向きに作用して物体の速度を減ずるが、物体の速度を反転させるような作用はない。このステップS18では、粘性力や摩擦力の性質と矛盾する結果が導出されているか否かを判定する。具体的には、反対力f+fに起因する消散加速度a(t)から生じる速度変化量が、第1速度vfc(t+Δt)よりも速い(イエス)のか否(ノー)かを判定することとなる。このステップでイエスの場合はステップS20へと進み、ノーの場合はステップS22へと進む。
ステップS20では、ステップS16で算出した第2速度vfd(t+Δt)をゼロに修正する。これは、反対力f+fに起因する消散加速度afd(t)から計算する速度変化量を、第1速度vfc(t+Δt)の速さ(大きさ)に修正することに相当する。
ステップS22では、ステップS2で算出した操作子4の移動座標系における位置P(t)と、ステップS4で算出した操作子4の移動座標系における速度v(t)と、ステップS20、S22で算出した第2速度vfd(t+Δt)から、操作子4の移動座標系における目標位置P(t+Δt)を算出する。移動座標系における目標位置P(t+Δt)は、操作子4の移動座標系における速度v(t)が単位時間Δt後に第2速度vfd(t+Δt)に変化するときに、操作子4が変位する移動座標系における位置である。即ち、
(t+Δt)=P(t)+(v(t)+vfd(t+Δt))・Δt/2 ;
となる。
ステップS24では、ステップS22で算出した移動座標系における目標位置P(t+Δt)と座標変換データに基づいて、操作子4の固定座標系における目標位置P(t+Δt)を決定する。移動座標系における目標位置P(t+Δt):(x(t+Δt),y(t+Δt),z(t+Δt))と、固定座標系における目標位置P(t+Δt):(x(t+Δt),y(t+Δt),z(t+Δt))の関係は、
x(t+Δt)=(cos(ω・(t+Δt)))・x(t+Δt)
−(sin(ω・(t+Δt)))・y(t+Δt)+x
y(t+Δt)=(sin(ω・(t+Δt)))・x(t+Δt)
+(sin(ω・(t+Δt)))・yt+Δt)+y
z(t+Δt)=z(t+Δt)
となる。
ステップS26では、処理部46がドライバ群50を介してアクチュエータ群16に動作指令を出力する。アクチュエータ群16が動作することによって、操作子4は固定座標系における目標位置P(t+Δt)に移動する。
図6に示すように、本実施例の移動装置では、時刻tの時点で単位時間Δt後の移動座標系における目標位置P(t+Δt)が算出されたときに、時刻t+Δtの時点で操作子4が移動座標系において位置P(t+Δt)に位置するように制御される。即ち、時刻tの時点で目標位置P(t+Δt)が塗布ラインL上に位置していれば、時刻t+Δtの時点で操作子4が塗布ラインL上に位置することとなる。それにより作業者は、フロントガラスWの回転運動を考慮することなく、操作子4を塗布ラインLに沿う方向に操作していればよい。結果的に、操作子4は図中のR方向に移動し、回転移動する塗布ラインLに沿って移動することとなる。
処理部46は、再びステップS2へ戻り、以上の演算処理を単位時間Δt毎に繰り返し実行する。なお、ステップS2では、操作子4の移動座標系における位置を再度算出することにかえて、ステップS22で算出した操作子4の目標位置P(t+Δt)を用いてもよい。またステップS4では、操作子4の移動座標系における速度を再度算出することにかえて、ステップS16〜S20で算出した第2速度vfd(t+Δt)を用いてもよい。
この移動装置では、作業者が操作子をフロントガラスWに対して相対的に移動させたときに、粘性力や摩擦力が作用しているような操作感が作業者に与えられる。特に移動装置で再現される摩擦力は、最大静止摩擦力と動摩擦力が等しい理想的な摩擦力とすることもできる。それにより、いわゆるスティックスリップといわれる現象が生じることがなく、良好な操作感を作業者に与えることができる。
本出願人らは、操作子を移動させる装置の操作感に理想的な摩擦力を再現する技術を開発し、その技術を開示するために特許出願している。その技術の詳細は、特願2004−203884号の願書に添付した特許請求の範囲、明細書、図面に記載されている。本実施例の移動装置では、その出願で開示される技術を有効に利用することができる。
本実施例では、第1速度を算出するまでの段階で、保存力である弾性力が速度に与える影響を加味し、それから消散力である粘性力や摩擦力を加味して第2速度を算出する例を説明した。これに限らず、第1速度を算出するまでの段階では弾性力が速度に与える影響を加味せず、第2速度を算出する段階で弾性力を加味してもよい。あるいは、第1速度を算出するまでの段階で弾性力や粘性力が速度に与える影響を加味し、第2速度を算出する段階で摩擦力のみを加味してもよい。
本実施例の移動装置では、操作子4の移動座標系における位置や、操作子4の移動座標系における速度の方向や、作業者が操作子に加える他の操作に応じて、異なる反対力f+fを算出するようにしてもよい。
図3に示すように、フロントガラスWの塗布ラインLは、移動座標系において常に定位置に位置しており、塗布ラインLは常にx軸方向とy軸方向に沿って伸びている。そのことから、例えば移動座標系において操作子4がx軸方向やy軸方向とは異なる方向に移動するときには、反対力f+fを増大させることによって、作業者に強い操作反力を与えるようにしてもよい。それにより、操作子4をあたかも塗布ラインLに沿って設けられたレールに乗せて操作しているような感覚を、作業者に与えることができる。作業者は、操作子4を塗布ラインLに沿って操作しやすくなる。そのためには、ステップS16〜S20で算出した移動座標系における第1速度vfc(t+Δt)の方向に応じて、反対力f(即ち、仮想粘性係数D)や仮想摩擦力値Fを増減調整すればよい。
また、操作子4の位置がフロントガラスWの範囲から外れたときには、反対力f+fを大きく増大させることによって、作業者に非常に強い操作反力を与えるようにしてもよい。それにより、フロントガラスWの周囲にあたかも壁が存在するような感覚を、作業者に与えることができる。作業者は、操作子4がフロントガラスWの範囲から外れてしまうことを容易に避けることができる。そのためには、ステップS2で算出した移動座標系における位置P(t)に応じて、反対力f(即ち、仮想粘性係数D)や仮想摩擦力値Fを増減調整すればよい。
(実施例2)
本実施例では、実施例1の移動装置において、処理部46の処理方法を変更した移動装置について説明する。本実施例の移動装置のハード構成は、実施例1の移動装置と同様である。
本実施例の移動装置では、記憶部48が速度場記述データを記憶している。図7を参照して、速度場データについて説明する。速度場データは、固定座標系における位置に関連付けて、当該位置におけるフロントガラスWの移動速度を記述するデータである。本実施例では、フロントガラスWが回転軸C:(x,y)の回りに角度速ωで回転しているので、固定座標系の位置P(x,y,z)におけるフロントガラスWの移動速度ベクトルV(P)=(V,V,V)は、
=ω・(−y+y
=ω・( x−x
=0(ゼロ)
となる。
本実施例の記憶部48は、以下に説明する処理を実施するために処理部46が実行するプログラムを記憶している。
図8は、本実施例において処理部46が実行する処理の流れを示すフローチャートである。処理部46は、図8のフローチャートに示す処理を、単位時間Δt毎に繰り返し実行する。なお以下の説明では、仮想弾性係数Kにゼロを設定しているものとする。
ステップS102では、位置センサ18の出力信号に基づいて、操作子4の固定座標系における位置P(t)を検出する。
ステップS104では、操作子4の固定座標系における速度v(t)を検出する。処理部46は、今回の動作サイクルで検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)と、前回の動作サイクルで検出した操作子4の固定座標系における位置P(t−Δt)から、計算によって時刻tにおける操作子4の固定座標系における速度v(t)を検出する。
ステップS106では、力覚センサ6の出力信号に基づいて、作業者が操作子4に加えている固定座標系における操作力F(t)を検出する。
ステップS108では、固定座標系における保存加速度a(t)を計算する。即ち、
(t)=(F(t)−K・P(t))/M ;
となる。本実施例においても、仮想弾性係数Kをゼロに設定しているので、保存加速度a(t)は、操作力F(t)に起因する加速度に等しく、操作力Fに比例する。
ステップS110では、ステップS104で検出した操作子4の固定座標系における速度v(t)に、保存加速度a(t)から生じる単位時間Δt後の固定座標系における速度変化量を加味することによって、操作子4の固定座標系における第1速度v(t+Δt)を計算する。即ち、
(t+Δt)=v(t)+a(t)・Δt ;
となる。第1速度v(t+Δt)は、速度v(t)で運動している質量Mの物体に操作力Fを加えたときに、単位時間Δt後に実現される物体の速度である。第1速度v(t+Δt)は、その物体に摩擦力や粘性力が作用しない場合の速度である。
図9は、このステップS110で計算する第1速度v(t+Δt)の一例を示している。図9に示す第1速度v(t+Δt)は、時刻tにおけるウインドガラスWの塗布ラインLに沿う方向を向いている。作業者がウインドガラスWの回転運動を考慮することなく、その時点(時刻t)での塗布ラインLに沿って操作子4を動かすように操作力Fを加えると、このような第1速度v(t+Δt)が計算される。
ステップS112では、相対速度vec(t+Δt)を算出する。先ず処理部46は、ステップS102で検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)に対応付けて速度場データに記述されている移動速度V(P(t))を、記憶部48から読み出す。次いで、ステップS110で計算した固定座標系における第1速度v(t+Δt)から、読み出した移動速度V(P(t))を減じることによって、相対速度vec(t+Δt)を算出する。即ち、
ec(t+Δt)=v(t+Δt)−V(P(t))
となる。図9に、移動速度V(P(t))と相対速度vec(t+Δt)の一例を示す。相対速度vec(t+Δt)は、固定座標系において第1速度v(t)で運動している物体とウインドガラスWとの間の相対速度を示している。
ステップS114では、反対力が算出される。本実施例の反対力は、ステップS112で算出した相対速度vec(t+Δt)と反対向きの力である。反対力は、仮想粘性係数Dを比例係数とする相対速度vec(t+Δt)に比例する反対力fと、相対速度vec(t+Δt)によらず一定の大きさの反対力f(|f|=仮想摩擦力値F)の合力によって決定される。即ち、反対力f+fは、
+f=−(D・vec(t+Δt)+F) ;
となる。上式における負号は、反対力が相対速度と反対向きであることを示すものである。反対力fは、相対速度vec(t+Δt)で運動する物体に作用する粘性力に相当する。反対力fは、相対速度vec(t+Δt)で運動する物体に作用する摩擦力に相当する。
ステップS116では、固定座標系における消散加速度a(t)を算出する。消散加速度a(t)は、ステップS114で算出した反対力f+fに起因する加速度である。即ち、
(t)=(f+f)/M ;
となる。
ステップS118では、ステップS110で計算した固定座標系における第1速度v(t+Δt)に、ステップS116で計算した消散加速度a(t)に起因して生じる単位時間Δt後の固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度v(t+Δt)を計算する。即ち、
(t+Δt)=v(t+Δt)+a(t)・Δt ;
となる。図9に示すように、計算される固定座標系における第2速度v(t+Δt)には、固定座標系における第1速度v(t+Δt)に、反対力f+fに起因する加速度a(t)から生じる速度変化量a(t)・Δtが加味されたものとなる。反対力f+fが第1速度v(t+Δt)とウインドガラスWとの間の相対速度vec(t+Δt)から算出されていることから、第2速度v(t+Δt)には、第1速度v(t+Δt)とウインドガラスWとの間の相対速度が加味されることとなる。
ステップS120では、ステップS118で計算した第2速度を、修正する必要があるか否かを判定する。本実施例においても、反対力は消散力である粘性力や摩擦力に相当する。従って、反対力を加味したときに、粘性力や摩擦力の性質と矛盾する結果が導出されているか否かを判定する必要が生じる。そのためには、反対力f+fに起因する消散加速度a(t)から生じる速度変化量a(t)・Δtが、相対速度v(t+Δt)よりも速い(イエス)のか否(ノー)かを判定することとなる。即ち、
|a(t)・Δt|>|vec(t+Δt)| ;
を満たすのか否かを判定すればよい。このステップでイエスの場合はステップS122へと進み、ノーの場合はステップS124へと進む。
ステップS122では、ステップS118で計算した第2速度v(t+Δt)を、ステップS112で読み出したフロントウインドWの移動速度V(P(t))に修正する。この処理は、消散加速度a(t)による単位時間Δt後の速度変化量の大きさ|a(t)・Δt|を、相対速度の速さ|vec(t+Δt)|に修正することに等しい。
ステップS124では、ステップS102で検出した操作子4の固定座標系における位置P(t)と、ステップS104で検出した操作子4の固定座標系における速度v(t)と、ステップS122で計算した第2絶対速度v(t+Δt)と、単位時間Δtから、操作子4の固定座標系における目標位置P(t+Δt)を計算する。固定座標系における目標位置P(t+Δt)は、操作子4の固定座標系における速度v(t)が単位時間Δt後に第2速度v(t+Δt)に変化するときに、操作子4が変位する固定座標系における位置P(t+Δt)である。即ち、
P(t+Δt)=P(t)+(v(t)+v(t+Δt))・Δt/2 ;
となる。
ステップS126では、計算した目標絶対位置P(t+Δt)に基づいて、処理部46がドライバ群50を介してアクチュエータ群16に動作指令を出力する。アクチュエータ群16が動作することによって、操作子4は固定座標系における目標位置P(t+Δt)に移動する。
図9に示すように、作業者がフロントガラスWの回転運動を意識することなく操作子4を塗布ラインLに沿って操作していると、その時(時刻t)の塗布ラインLに沿う向きの第1速度v(t+Δt)が計算される。この第1速度v(t+Δt)に基づいて操作子4の動作を調節しても、フロントガラスWの回転運動によって操作子4は塗布ラインLから外れてしまう。そこで本実施例では、計算した第1速度v(t+Δt)とフロントガラスWとの間の相対速度vec(t+Δt)を算出する。そして、その相対速度vec(t+Δt)を減ずるように作用する反対力f+fを決定する。反対力f+fによる速度変化量a(t)・Δtが加味された第2速度v(t+Δt)には、ウインドガラスWの移動速度が加味されることとなる。操作子4の固定座標系における速度が第2速度v(t+Δt)となるように操作子4の動作を調節すると、操作子4は回転運動する塗布ラインLに追従して変位する。作業者は、フロントガラスWの回転運動を意識することなく、その時に視認している塗布ラインLに沿うように操作子4を操作すればよい。結果的に、操作子4はフロントガラスWの回転運動に追従して移動する。
本実施例においても、作業者が操作子をフロントガラスWに対して相対運動させたときに、粘性力や摩擦力が作用しているような操作感が作業者に与えられる。操作子の操作感に再現される摩擦力を、最大静止摩擦力と動摩擦力が等しい理想的な摩擦力とすることもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明の技術は、作業対象によって限定されるものではなく、様々な作業対象に対して人が操作子を操作する装置に適用可能である。このときの作業対象は、実体のある物体に限られず、コンピュータ画面等に再現表示されている仮想物体であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
移動装置の外観を示す図。 移動装置の電気構成の要部を示すブロック図。 固定座標系と移動座標系を併せて示す図。 実施例1の処理部が実行する処理の流れを示すフローチャート。 操作子に再現される力学モデルを示す図。 操作子の実際の運動を示す図。 フロントウインド(作業対象物)の移動速度を記述する速度場を示す図。 実施例2の処理部が実行する処理の流れを示すフローチャート。 実施例2の処理で計算する各速度の関係を示す図。
符号の説明
2・・移動装置
4・・操作子
6・・力覚センサ
10・・基台
12a、12b、12c・・可動体
14a、14b、14c・・揺動部
16a、16b、16c・・アクチュエータ
18・・位置センサ
20・・支持装置
22・・回転支持軸
30・・塗布ノズル(処理用具)
40・・制御ユニット
42・・操作パネル
46・・処理部
48・・記憶部
50・・ドライバ群
W・・フロントガラス
L・・塗布ライン

Claims (10)

  1. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる移動装置であり、
    物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶している座標変換データ記憶手段と、
    人が操作する操作子と、
    人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出手段と、
    操作力検出手段の検出値と検出タイミングから、移動座標系における操作力を算出する操作力算出手段と、
    操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出手段と、
    操作子位置検出手段の検出値と検出タイミングから、操作子の移動座標系における位置を算出する操作子位置算出手段と、
    操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出手段と、
    速度算出手段で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出手段で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出手段と、
    第1速度算出手段で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出手段と、
    第1速度算出手段で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出手段で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出手段と、
    位置算出手段で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出手段で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出手段と、
    目標位置算出手段で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定手段と、
    目標位置決定手段で決定した目標位置に操作子を変位させるアクチュエータと、
    を備える移動装置。
  2. 前記第2速度算出手段は、算出された反対力に起因する加速度から算出された速度変化量が第1速度よりも速ければ、第2速度をゼロに修正することを特徴とする請求項1の移動装置。
  3. 前記反対力算出手段は、算出された第1速度の向きに応じて、異なる大きさの反対力を算出することを特徴とする請求項1又は2の移動装置。
  4. 前記反対力算出手段は、算出された操作子の位置に応じて、異なる大きさの反対力を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかの移動装置。
  5. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる移動方法であり、
    物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶しておく工程と、
    人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出工程と、
    操作力検出工程の検出値と検出タイミングから、移動座標系における操作力を算出する操作力算出工程と、
    操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出工程と、
    操作子位置検出工程の検出値と検出タイミングから、操作子の移動座標系における位置を算出する操作子位置算出工程と、
    操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出工程と、
    速度算出工程で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出工程で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出工程と、
    第1速度算出工程で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出工程と、
    第1速度算出工程で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出工程で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出工程と、
    位置算出工程で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出工程で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出工程と、
    目標位置算出工程で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定工程と、
    操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置決定工程で決定した目標位置に位置調整する工程と
    を備える移動方法。
  6. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる装置が備えている電子計算機に下記の処理、即ち、
    物体の移動に伴って経時的に変化する「物体に固定した移動座標系での座標値と、固定座標系での座標値の関係」を記憶している座標変換データ記憶手段にアクセスして、移動座標系と固定座標系の間で座標変換する処理と、
    固定座標系で検出された「人が操作子に加えている操作力」を、検出時の移動座標系における操作力に変換する操作力算出処理と、
    固定座標系で検出された「操作子の位置」を、検出時の移動座標系における位置に変換する操作子位置算出処理と、
    操作子の移動座標系での速度を算出する速度算出処理と、
    速度算出処理で算出した操作子の移動座標系における速度に、操作力算出処理で算出した操作力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第1速度を算出する第1速度算出処理と、
    第1速度算出処理で算出した移動座標系における第1速度と反対向きの力を算出する反対力算出処理と、
    第1速度算出処理で算出した移動座標系における第1速度に、反対力算出処理で算出した反対力に起因する加速度から生じる移動座標系における速度変化量を加味することによって、移動座標系における第2速度を算出する第2速度算出処理と、
    位置算出処理で算出した移動座標系における操作子の位置と、第2速度算出処理で算出した移動座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の移動座標系における目標操作子位置を算出する目標位置算出処理と、
    目標位置算出処理で算出した移動座標系における目標位置を、固定座標系における座標値に変換する目標位置決定処理と、
    操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置決定処理で決定した目標位置に位置調整する処理と、
    を実行させるプログラム。
  7. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる移動装置であり、
    固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体の移動速度を記憶している速度場記憶手段と、
    人が操作する操作子と、
    人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出手段と、
    操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出手段と、
    操作子の速度を固定座標系で検出する操作子速度検出手段と、
    速度検出手段で検出した操作子の固定座標系における速度に、操作力検出手段で検出した操作力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算手段と、
    第1速度計算手段で計算した固定座標系における第1速度から、操作子位置に対応付けて速度場記憶手段に記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出手段と、
    相対速度算出手段で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出手段と、
    第1速度計算手段で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出手段で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算手段と、
    位置検出手段で検出した固定座標系における操作子の位置と、第2速度計算手段で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算手段と、
    目標位置計算手段で計算した目標位置に操作子を変位させるアクチュエータと、
    を備える移動装置。
  8. 前記第2速度計算手段は、算出された反対力に起因する加速度から計算された速度変化量が相対速度よりも速ければ、第2速度を前記物体移動速度に修正することを特徴とする請求項7の移動装置。
  9. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる移動方法であり、
    固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体の移動速度を記憶しておく工程と、
    人が操作子に加えている操作力を固定座標系で検出する操作力検出工程と、
    操作子の位置を固定座標系で検出する操作子位置検出工程と、
    操作子の速度を固定座標系で検出する操作子速度検出工程と、
    速度検出工程で検出した操作子の固定座標系における速度に、操作力検出工程で検出した操作力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算工程と、
    第1速度計算工程で計算した固定座標系における第1速度から、操作子位置に対応付けて記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出工程と、
    相対速度算出工程で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出工程と、
    第1速度計算工程で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出工程で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算工程と、
    位置検出工程で検出した固定座標系における操作子の位置と、第2速度計算工程で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算工程と、
    操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置計算工程で計算した目標位置に位置調整する工程と、
    を備える移動方法。
  10. 固定座標系のなかで移動する物体の所定箇所に処理を施す人の作業を補助するために、人の操作に追従して操作子の位置を移動させる装置が備えている電子計算機に下記の処理、即ち、
    固定座標系における位置に関連付けて、当該位置における物体の移動速度を記憶手段に記憶しておく速度場記憶処理と、
    固定座標系で検出された「操作子の速度」に、固定座標系で検出された「人が操作子に加えている操作力」に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第1速度を計算する第1速度計算処理と、
    第1速度計算処理で計算した固定座標系における第1速度から、固定座標系で検出された「操作子の位置」に対応付けて前記記憶手段に記憶されている物体移動速度を減じることによって、固定座標系における第1速度と物体との間の相対速度を算出する相対速度算出処理と、
    相対速度算出処理で算出した相対速度と反対向きの力を算出する反対力算出処理と、
    第1速度計算処理で計算した固定座標系における第1速度に、反対力算出処理で算出した反対力に起因する加速度から生じる固定座標系における速度変化量を加味することによって、固定座標系における第2速度を計算する第2速度計算処理と、
    固定座標系で検出された「操作子の位置」と、第2速度計算処理で計算した固定座標系における第2速度と、単位時間に基づいて、単位時間後の固定座標系における目標操作子位置を計算する目標位置計算処理と、
    操作子を変位させるアクチュエータを制御し、単位時間後に操作子を目標位置計算処理で計算した目標位置に位置調整する処理と、
    を実行させるプログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008093814A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Yamatake Corp 作業支援装置および方法
JP2009208170A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Toyota Motor Corp パワーアシスト装置およびその制御方法
JP2011156641A (ja) * 2010-02-03 2011-08-18 Kanto Auto Works Ltd 作業補助システム及び作業補助方法並びに該作業補助方法を記録した記録媒体

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