JP5695223B2 - ロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

ロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、物体の搬送を行う動作を制御する、ロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
近年、介護ロボット又は家事支援ロボットなどの家庭用ロボットが盛んに開発されるようになってきた。また、産業用ロボットでも、セル生産工場の広がりなどから、人と協働するロボットの開発が盛んに行われている。
人と協働するロボットの一例として、インピーダンス制御により人の操作力に応じてロボットを動作させることで、パワーアシストを実現するロボットが提案されている。
インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおける把持物体と外環境の接触を伴う作業では、ロボットを操作する人が、接触状態を把握しづらいという課題があった。
こうした課題に対し、特許文献1は、把持物体と外環境との接触を力センサーで検知し、検知した外力が操作部に作用しているかのように制御することにより、接触が発生しても振動せず安定に接触させる技術を開示している(特許文献1参照)。
WO2009/034962A1
しかしながら、特許文献1では、安定な接触を実現するだけであり、接触させながら回転するなど、より複雑な作業を実現するに至っていないという課題があった。
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、接触を伴う作業を容易に実現できるロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、多関節ロボットアームを有するロボットの制御装置であって、
前記多関節ロボットアームに配設されて、人による操作力を取得する操作力取得部と、
前記多関節ロボットアームに配設されて、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得する抵抗力取得部と、
前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部を備えるロボットの制御装置を提供する。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様のロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラムによれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分が目標抵抗力ベクトルとなるように、又は、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないように、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1は、第1実施形態におけるロボットの全体構成を示す図であり、 図2Aは、第1実施形態におけるロボットのロボットアーム制御手段の構成を示すブロック図であり、 図2Bは、第1実施形態におけるロボットのロボットアーム制御手段の概略構成を示すブロック図であり、 図2Cは、第1実施形態におけるアシスト力補正手段の構成を示すブロック図であり、 図3は、第1実施形態におけるロボットによる人との協調搬送作業を説明する図であり、 図4Aは、第1実施形態における搬送作業時に発生する力の関係を説明する図であり、 図4Bは、第1実施形態における搬送作業時に発生する力の関係を説明する図であり、 図5Aは、第1実施形態における搬送作業の手順を説明する図であり、 図5Bは、第1実施形態における搬送作業の手順を説明する図であり、 図5Cは、第1実施形態における搬送作業の手順を説明する図であり、 図6Aは、第1実施形態における立て起こし作業時に発生する力の関係を説明する図であり、 図6Bは、第1実施形態における立て起こし作業時に発生する力の関係を説明する図であり、 図7は、第1実施形態における前記ロボットにおけるロボットアーム制御手段の全体的な動作ステップを表すフローチャートであり、 図8は、第1実施形態の変形例におけるロボットのロボットアーム制御手段の構成を示すブロック図であり、 図9は、第2実施形態における搬送作業を説明する図であり、 図10Aは、第3実施形態における搬送作業を説明する図であり、 図10Bは、第3実施形態における搬送作業を説明する図であり、 図10Cは、第3実施形態における搬送作業を説明する図であり、 図11は、第4実施形態におけるロボットのロボットアーム制御手段の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、多関節ロボットアームを有するロボットの制御装置であって、
前記多関節ロボットアームに配設されて、人による操作力を取得する操作力取得部と、
前記多関節ロボットアームに配設されて、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得する抵抗力取得部と、
前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部を備えるロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第1態様のロボットの制御装置によれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
本発明の第2態様によれば、多関節ロボットアームを有するロボットの制御装置であって、
前記多関節ロボットアームに配設されて、人による操作力を取得する操作力取得部と、
前記多関節ロボットアームに配設されて、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境からの垂直抗力を減じ、前記把持物体と前記外環境とが接触したまま引きずるように前記把持物体を前記外環境の表面に沿って搬送する動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得する抵抗力取得部と、
前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
前記把持物体の引きずり動作を行うとき前記抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分が目標抵抗力ベクトルとなるように、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部を備えるロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第2態様のロボットによれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分が目標抵抗力ベクトルとなるように、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
本発明の第3態様によれば、前記アシスト力補正部は、
前記抵抗力の方向に応じて、前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を増加の方向または減少の方向のどちらに補正するかを決める方向制御部と、
前記方向制御部で決定した方向に基づき、前記抵抗力の大きさに比例して前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分の補正量を決める演算部とを備える、第1態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第3態様のロボットの制御装置によれば、把持物体を外環境と接触する支点を回転中心として立て起こす動作をする場合に、支点がずれようとするのを防ぎ、容易に立て起こす動作を実現できる。
本発明の第4態様によれば、前記アシスト力補正部は、前記抵抗力の大きさに比例して前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を増加させる第2の態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第4態様のロボットの制御装置によれば、外環境の位置によって搬送動作中の動摩擦係数が変動しても、把持物体と外環境との間に働く抵抗力を、設定した目標抵抗力に近づけようとする制御を、アシスト力補正部とインピーダンス制御装置とにより、行わせることができる。
本発明の第5態様によれば、前記アシスト力補正部は、前記抵抗力の大きさに比例して前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を減少させる第2の態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第5態様のロボットの制御装置によれば、外環境の位置によって搬送動作中の動摩擦係数が変動しても、把持物体と外環境との間に働く抵抗力を、設定した目標抵抗力に近づけようとする制御を、アシスト力補正部とインピーダンス制御装置とにより、行わせることができる。
本発明の第6態様によれば、前記アシスト力補正部は、前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分として、前記把持物体の重力補償による力を補正する第1の態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第6態様のロボットの制御装置によれば外環境の位置によって搬送動作中の動摩擦係数が変動しても、把持物体と外環境との間に働く抵抗力を、設定した目標抵抗力に近づけようとする制御を、アシスト力補正部とインピーダンス制御装置とにより、行わせることができる。
本発明の第7態様によれば、前記アシスト力補正部は、前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分として、前記把持物体を前記外環境に押しつける力制御による力を補正する第5の態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第7態様のロボットの制御装置によれば、外環境の位置によって搬送動作中の動摩擦係数が変動しても、把持物体と外環境との間に働く抵抗力を、設定した目標抵抗力に近づけようとする制御を、アシスト力補正部とインピーダンス制御装置とにより、行わせることができる。
本発明の第8態様によれば、前記抵抗力取得部は、前記多関節ロボットアームの手先部と前記多関節ロボットアームが把持する前記把持物体との間に配設された力センサーである第1〜7のいずれか1つの態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第8態様のロボットの制御装置によれば、前記把持物体と外環境の接触により発生する抵抗力を容易に高精度で計測することができる。
本発明の第9態様によれば、前記抵抗力取得部は、前記多関節ロボットアームの関節に発生するトルクをトルク推定値として推定し、前記トルク推定値と前記操作力取得部により取得された操作力とより、抵抗力を取得する抵抗力推定部である第1〜7のいずれか1つの態様に記載のロボットの制御装置を提供する。
本発明の前記第9態様のロボットの制御装置によれば、外力センサーなどの抵抗力取得部を設けなくても、抵抗力推定部で抵抗力を推定して、抵抗力に応じた作業動作が可能となる。
本発明の第10態様によれば、多関節ロボットアームと、
第1〜9のいずれか1つの態様に記載のロボットの制御装置とを備えるロボットを提供する。
本発明の前記第10態様のロボットによれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分が目標抵抗力ベクトルとなるように、又は、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないように、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
本発明の第11態様によれば、多関節ロボットアームを有するロボットの制御方法であって、
前記多関節ロボットアームに配設された操作力取得部で、人による操作力を取得し、
前記多関節ロボットアームに配設された抵抗力取得部で、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得し、
前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御部でインピーダンス制御し、
前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分をアシスト力補正部で補正するロボットの制御方法を提供する。
本発明の前記第11態様のロボットの制御方法によれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
本発明の第12態様によれば、多関節ロボットアームを有するロボットの制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記多関節ロボットアームに配設された操作力取得部で取得した人による操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を、前記多関節ロボットアームに配設された抵抗力取得部から取得し、前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部として機能させるためのロボットの制御プログラムを提供する。
本発明の前記第12態様のロボットの制御プログラムによれば、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、接触を伴う作業を容易に実現できる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるロボット1の構成を示す。ロボット1は、多関節ロボットアーム5と、多関節ロボットアーム5の動作を制御するロボット1の制御装置2とを備えている。
制御装置2は、ハードウェア的には一般的なパーソナルコンピュータにより構成されている。そして、制御装置2のうちのロボットアーム制御手段(ロボットアーム制御部)4の入出力IF19を除く部分は、パーソナルコンピュータで実行される制御プログラム17としてソフトウェア的に実現される。よって、例えば、それぞれの動作を構成するステップを有するコンピュータプログラムとして、記憶装置(ハードディスク等)などの記録媒体に読み取り可能に記憶させ、そのコンピュータプログラムをコンピュータの一時記憶装置(半導体メモリ等)に読み込んでCPUを用いて実行することにより、前記した各ステップを実行することができる。
入出力IF19は、パーソナルコンピュータのPCIバスなどの拡張スロットルに接続された、D/Aボード20と、A/Dボード21と、カウンタボード22とにより構成される。
ロボット1の多関節ロボットアーム5の動作を制御するための制御プログラム17が実行されることにより、制御装置2が機能する。
ロボットアーム5の各関節(第1〜第4関節)11、12(12a,12b,12c,12d)、13、14の関節角度センサー又は位置情報取得手段の一例である各エンコーダ42より出力される関節角度情報は、カウンタボード22を通じて制御装置2にそれぞれ取り込まれる。制御装置2は、取り込んだ関節角度情報に基づいて、各関節11、12、13、14における関節軸周りの回転動作の制御指令値をそれぞれ算出する。算出された各制御指令値は、D/Aボード20を通じてモータドライバ18に与えられ、モータドライバ18から送られた各制御指令値に従って、ロボットアーム5の各関節11、12、13、14のそれぞれのモータ41が駆動される。位置情報取得手段は、ロボットアーム5の位置の時系列の情報を取得する機能を有している。
ロボットアーム5は、4自由度の多リンクマニピュレータであり、物体を把持するためのハンド(多関節ロボットアーム5の手先部の一例)6と、吊り下げリンク31と、前腕リンク8と、肘ブロック16と、一対の上腕リンク9a、9bと、第1関節支柱24と、台部10とを有して構成されている。
前腕リンク8は、先端に、ハンド6が取付けられる吊り下げリンク31が第4関節14の関節軸周りに回転可能に接続されている。
肘ブロック16の一端には、前腕リンク8の基端が第3関節13の関節軸周りに回転可能に連結されている。
一対の上腕リンク9a、9bは、それらの各一端が、肘ブロック16の他端にそれぞれ第2関節12のうちの2つの関節12c、12dの関節軸周りに回転可能に接続された平行リンク構造で構成されている。
第1関節支柱24は、台部10と支持部材54とで、上下方向沿いに位置しかつ第1関節11の関節軸周りに回転可能に支持されている。第1関節支柱24の上端近傍部には、上腕リンク9a、9bの各他端がそれぞれ第2関節12のうちの2つの関節12a、12bの関節軸周りに回転可能に接続されている。詳しくは、第1関節支柱24の下端は、台部10に第1関節11の関節軸周りに回転可能に支持され、第1関節支柱24の上端は、台部10に立設された支持部材54の支持部54bの上端から張り出した支持部材54の上端支持部54cに第1関節11の関節軸周りに回転可能に支持されている。
第2関節12(12a、12b、12c、12d)の関節軸周りでの回転により、第3関節13の関節軸が第1関節11の関節軸に対し常に平行を保つように、肘ブロック16が第2関節12a及び第2関節12b周りの回転運動を行うようにしている。
このように構成することにより、ロボットアーム5は、合計4個の軸周りに回転可能として前記4自由度の多リンクマニピュレータを構成している。
ロボットアーム5の手先には外力センサー(力センサー)50が取り付けられ、その先にはハンド6が取り付けられている。外力センサー50は、ハンド6にかかる外力Fesを計測することができて、計測値である外力Fesをインピーダンス制御手段4(のアシスト力補正手段34)に出力する。ハンド6は、C字状の手首ベース7と吸着パッド37とが手首関節15で接続された構造であり、吸着パッド37は、手首関節15の関節軸回りに手首ベース7に対し矢印θで示すように相対的に回転可能である。吸着パッド37は、真空ポンプ70の吸引動作及び開閉弁71の開動作により吸着を行うことにより、物体38の表面に吸い付き、吸着パッド37で物体が把持される。開閉弁71の閉動作により、吸着を解除して、物体の表面から吸着パッド37を離すことができる。真空ポンプ70及び開閉弁71の開閉動作は、制御装置2により動作制御される。
各軸の回転部分を構成する各関節11、12、13、14には、各関節11、12、13、14の一方の部材に設けられた回転駆動装置(本第1実施形態ではモータ41)と、モータ41の回転軸の回転位相角(すなわち関節角)を検出するエンコーダ42とを備える。そして、モータ41の回転軸が関節の他方の部材に連結されて前記回転軸を正逆回転させることにより、他方の部材を一方の部材に対して各関節軸周りに回転可能とする。回転駆動装置は、後述するモータドライバ18により駆動制御される。本第1実施形態では、回転駆動装置の一例としてのモータ41とエンコーダ42とは、ロボットアーム5の各関節11、12、13、14の内部に配設されている。
図1の参照符号35は、台部10に対して相対的な位置関係が固定された絶対座標系である。参照符号36は、ハンド6に対して相対的な位置関係が固定された手先座標系である。絶対座標系35から見た手先座標系36の原点位置O(x、y、z)をロボットアーム5の手先位置とし、絶対座標系35から見た手先座標系36の姿勢をφをロボットアーム5のハンド6の手先姿勢とし、ハンド6の手先位置及び姿勢ベクトルrを、r=[x,y,z,φ]と定義する。厳密には、位置及び姿勢ベクトルrは時系列情報(時間関数)r(t)=[x(t),y(t),z(t),φ(t)]であり、一階微分すれば速度情報が取得でき、二階微分すれば加速度情報が取得できる。
なお、この第1実施形態では、ロボットアーム5の位置の時系列の情報を取得する位置情報取得手段の一例として、エンコーダ42を使用している。この場合は、エンコーダ42のセンシングした信号が位置に関する一次情報であることから、エンコーダ42を位置情報取得手段の一例として取り扱うものである。よって、位置情報取得手段で取得した位置の情報に対して、ロボットアーム制御手段4側で、一階微分して速度の情報を取得し、二階微分して加速度の情報を取得するようにしてもよい。また、位置情報取得手段をロボットアーム5の位置の時系列の情報のみならず、速度の情報又は加速度の情報を取得する手段として取り扱う場合には、エンコーダ42でセンシングし、カウンタ22でロボットアーム制御手段4に取込み、制御プログラムで関節角度qに変換し、順運動学計算手段26で位置及び姿勢に変換するところまでを含めて、1つの手段として考えればよい。
ロボットアーム5のハンド6の手先位置及び姿勢を制御する場合には、手先位置及び姿勢ベクトルrを目標手先位置及び姿勢ベクトルrに追従させることになる。
操作ハンドル40は、吊り下げリンク31と、操作力センサー3を介して接続されており、操作ハンドル40の一端が、操作力センサー3に中央部に固定された棒状構造である。人39は両手で操作ハンドル40の一対の握り部を直接握り、力をかけることで、ロボット5を操作することができる。操作ハンドル40とロボットアーム5との間には力操作力センサー3が配設されており、人39が操作するときの操作力Fmsを操作力センサー3で検出して、後述する力変換手段(力変換部)30へ出力することができる。操作力センサー3は、操作力取得部の一例として機能する。
次に、図2Aを使い、ロボットアーム制御手段4の詳細について説明する。
ロボットアーム制御手段4は、目標軌道生成手段(目標軌道生成部)23と、第1演算部(補正目標軌道計算部)51と、位置誤差計算部52と、位置誤差補償手段(位置誤差補償部)27と、ダイナミクス制御手段(ダイナミクス制御部)28と、目標トルク計算部53と、トルク制御手段(トルク制御部)48と、インピーダンス計算手段(インピーダンス計算部)25と、力変換手段(力変換部)30と、アシスト力補正手段(アシスト力補正部)34と、順運動学計算手段(順運動学計算部)26とで構成されている。
図2Aにおいて、参照符号5は図1に示したロボットアームである。ロボットアーム5からは、各関節の関節軸のエンコーダ42により計測された関節角の現在値(関節角度ベクトル)q=[q,q,q,q,qが出力され、カウンタボード22によりインピーダンス制御手段4(のアシスト力補正手段34)に取り込まれる。ただし、q,q,q,q,qは、それぞれ、第1関節11、第2関節12a、第3関節13、第4関節14、第5関節15の関節角度である。
また、ロボットアーム5の力センサー3からは、力センサー3により計測された外力(計測値)Fms=[f,f,f,n,n,nが出力されて、A/Dボード21によりインピーダンス制御手段4(の力変換手段30)に取り込まれる。ここで、f,f,fは手先座標系36の互いに直交する3方向(x軸、y軸、z軸方向)の方向別の力の成分である。また、n、n,nは手先座標系36の互いに直交する3方向まわりの回転モーメントである。
目標軌道生成手段(目標軌道生成部)23は、目標とするロボットアーム5の動作を実現するための手先位置及び姿勢目標ベクトルrを第1演算部51に出力する。目標とするロボットアーム5の動作は、目的とする作業に応じて、事前に、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイント毎の位置(rd0、rd1、rd2、・・・)が時系列データとして与えられている。目標軌道生成手段23は、多項式補間を使用し、各ポイント間の軌道を補完し、手先位置及び姿勢目標ベクトルrを生成する。
インピーダンス計算手段(インピーダンス計算部)25は、ロボットアーム5に機械インピーダンス設定値へのロボットアーム5の機械インピーダンスの値の制御を実現する機能を果たす部分である。インピーダンス計算手段25は、後述するように力変換手段30から入力された変換操作力Fに基づき、ロボットアーム5が目標軌道生成手段23の生成する目標軌道に沿うよう位置制御により単独で動作する場合は、0を出力する。一方、ロボットアーム5と人間とが協働作業をする場合には、インピーダンス計算手段25は、設定したインピーダンスパラメータM、D、及び、K(慣性M、粘性D、及び、剛性K)と、後述するように力センサー3から力変換手段(力変換部)30へ入力される外力Fms=[f,f,f,nφを基に力変換手段30で変換された変換操作力Fとにより、ロボットアーム5に機械インピーダンスを実現するための手先位置及び姿勢目標補正出力Δrを以下の式(1)により計算して、第1演算部51に出力する。
インピーダンス計算手段25から出力された手先位置及び姿勢目標補正出力Δrは、目標軌道生成手段23の出力する手先位置及び姿勢目標rに第1演算部51で加算され、手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmが第1演算部51で生成される。手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmは第1演算部51から位置誤差計算部52に入力される。ただし、nφは第4関節軸回りの回転モーメントである。
Figure 0005695223
.....(1)
ただし、
Figure 0005695223
.....(2)
Figure 0005695223
.....(3)
Figure 0005695223
.....(4)
であり、sはラプラス演算子である。
順運動学計算手段(順運動学計算部)26には、ロボットアーム5のそれぞれの関節軸のエンコーダ42から出力された各関節角の現在値qである関節角度ベクトルqがカウンタボード22を介して入力される。順運動学計算手段26では、ロボットアーム5の関節角度ベクトルqから手先位置及び姿勢ベクトルrへの変換の幾何学的計算を行う。手先位置及び姿勢ベクトルrは、順運動学計算手段26から目標軌道生成手段23と位置誤差計算部52とにそれぞれ入力される。
位置誤差計算部52は、順運動学計算手段26により計算される手先位置及び姿勢ベクトルrと、第1演算部51で生成された手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmとの誤差rを求め、求めた誤差rを位置誤差補償手段(位置誤差補償部)27に出力する。
位置誤差補償手段27は、位置誤差計算部52で求められた誤差rに基づいて位置誤差補償出力ureを求め、求めた位置誤差補償出力ureをダイナミクス制御手段28に出力する。
ダイナミクス制御手段28は、エンコーダ42からの関節角度ベクトルqと、位置誤差補償手段27からの位置誤差補償出力ureと、ロボットアーム5の運動方程式に基づく計算式(5)、すなわち、
Figure 0005695223
.....(5)
とを用いて、ロボットアーム5の手先位置誤差を補償するための手先位置誤差補償トルクτを計算して目標トルク計算部53に出力する。ダイナミクス制御手段28のデータベースには、把持物体38の重さ情報及び慣性情報、ロボットアーム5の重さ情報及び慣性情報などのダイナミックスの情報を予め記憶しておき、把持物体38の重力補償を行う。
ただし、M(q)は慣性行列(慣性力項)、
Figure 0005695223
.....(6)
は遠心力及びコリオリ力項であり、g(q)は重力項である。これらの項は、ロボットアーム5を構成する各リンク構造、ハンド6で把持した物体38の重量、及び、慣性モーメントといった値により構成されるダイナミクスパラメータである。なお、遠心力及びコリオリ力項は任意であり、少なくとも慣性行列(慣性力項)と重力項でダイナミクスパラメータを構成する。また、J(q)は式(7)、すなわち、
Figure 0005695223
.....(7)
の関係を満たすヤコビ行列である。また、重力項q(q)はロボットアーム5の重力項g(q)と物体38の重力項g(q)との和である。
アシスト力補正手段34は、エンコーダ42からの関節角度ベクトルqと、外力センサー50で検出された外力Fesとに基づき、アシスト力補正トルクΔτを、
Figure 0005695223
.....(8)
を用いて計算する。ただし、Δg(q、Fehs)は重力補償補正トルクであり、Fehsは外力センサー50で検知される外力の内、水平成分であり、抵抗力60に等しい。計算されたアシスト力補正トルクΔτは目標トルク計算部53に入力される。
目標トルク計算部53は、ダイナミクス制御手段28で求められた手先位置誤差補償トルクτとアシスト力補正手段34で求められたアシスト力補正トルクΔτとを加算して、目標トルクτを求める。目標トルクτは目標トルク計算部53からトルク制御手段48に入力される。
トルク制御手段48は、目標トルク計算部53で求められた目標トルクτが入力され、この目標トルクτと、各関節を駆動するモータドライバ18で検出されたモータ41に流れる電流iとに基づいて式(9)、すなわち、
Figure 0005695223
.....(9)
を用いて、モータドライバ18への電圧指令値vを計算する。ただし、Kτはトルク制御のゲインであり、Kはトルク定数である。
電圧指令値vは、トルク制御手段48からD/Aボード20を介してモータドライバ18に電圧指令値として与えられる。そして、電圧指令値vに基づいて、モータドライバ18でそれぞれのモータ41が駆動されて、各関節軸が正逆回転駆動されてロボットアーム5が動作する。
以上のように構成されるロボットアーム制御手段4の基本構成に関して動作の基本原理を説明する。
動作の基本は、位置誤差補償手段27による手先位置及び姿勢誤差rのフィードバック制御(位置制御)であり、図2Aの点線で囲まれた部分が位置制御系29になっている。すなわち、位置制御系29は、位置誤差計算部52と、位置誤差補償手段27と、ダイナミクス制御手段28と、目標トルク計算部53と、トルク制御手段48とで構成されている。
位置誤差補償手段27として、例えば、PID補償器を使用すれば、手先位置及び姿勢誤差rが0に収束するように制御が働き、目標とするロボットアーム5のインピーダンス制御動作を実現することができる。
インピーダンス制御を行う場合、前記説明した位置制御系29に対し、インピーダンス計算手段25から出力された手先位置及び姿勢目標補正出力Δrが、目標軌道生成手段23から出力された手先位置及び姿勢目標rに第1演算部51で加算されて、手先位置及び姿勢の目標値の補正が行われる。そして、この補正された手先位置及び姿勢の目標値が手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmとして位置制御系29に入力される。このために、前記した位置制御系29は、手先位置及び姿勢の目標値が本来の値より微妙にずれることになり、結果的に機械インピーダンスが実現される。
また、位置制御系29とインピーダンス計算手段25と目標軌道生成手段23と第1演算部51とで構成されて、図2Aの一点鎖線で囲まれた部分は、位置制御ベースのインピーダンス制御系(インピーダンス制御手段又はインピーダンス制御部)49と呼ばれる構成である。このインピーダンス制御系49により、慣性M、粘性D、及び、剛性Kの機械インピーダンスが実現される。ロボットアーム制御手段4は、動作制御手段、又は動作制御部の一例としても機能する。
以上のインピーダンス制御を利用すれば、図3に示すような、人39とロボット1のロボットアーム5との物体38の協調搬送のような協働作業が可能となる。人39が物体38を移動しようとして、操作ハンドル40の棒状握り部に両手で力をかけると、操作ハンドル40を通じて、力がロボット1のロボットアーム5に伝わる。前記ロボットアーム5に伝わった力が、ロボットアーム5の操作力センサー3により、操作力Fmsとして検出される。操作力センサー3からロボットアーム制御手段4への入力となる操作力Fmsは、操作ハンドル40の重力を考慮するとともに、手先座標系36の原点Oと操作力センサー3の測定面47の位置とが異なることを考慮するため、力変換手段30において、操作力センサー3により検出された操作力Fmsを基に式(10)で計算を行い、この計算により算出される操作力Fを使用する。
Figure 0005695223
.....(10)
ただし、mは操作ハンドル40の質量である。gは重力加速度である。は手先座標系36から絶対座標系35へ姿勢を変換する回転行列である。lは操作力センサー3の測定面47から第4関節14の関節軸までの距離(垂線長さ)である。式(10)で計算される外力Fを入力にしてインピーダンス制御を行えば、ロボットアーム5は、人39がかけた力の方向に沿うように動作するため、協調搬送が実現する。なお、操作ハンドル40の質量m、及び、重力加速度gは、力変換手段30に予め記憶されている。
図4A〜図4Bは搬送作業時に発生する力の関係を説明する図である。図4Aは通常の搬送作業の場合を示している。ここで、通常の搬送作業とは、例えば、立て起こし動作、又は、引きずる動作のような、特殊な動作ではない、普通に物体を持ち上げて搬送するだけの動作を意味する。
図4Aでは、追加アシスト力は鉛直方向の上向きではなく、斜め上向きであるため、水平成分と垂直成分とが発生し、この発生した水平成分により、把持物体38の回転中心が床面90に対してずれることになり、円滑な回転動作を妨げる可能性がある。
一方、図4Bは、本第1実施形態で採用している重力補償の場合を示している。人39が物体38を移動しようとして操作ハンドル40にかける力が、操作力43である。操作力43が操作ハンドル40にかけられた結果、インピーダンス制御によりロボットアーム5が物体38にかける力がアシスト力44であり、操作力43とアシスト力44とのベクトルの方向は同じである。また、図中の45は追加アシスト力であり、操作力43に基づくアシスト力44に追加して加える力である。本第1実施形態では、追加アシスト力として重力補償を採用している。追加アシスト力は、式(5)の重力項g(q)のうち、物体38の重力項g(q)により発生する力に相当する。図4Bに示すように、追加アシスト力45は鉛直方向の上向きとなる。この追加アシスト力45を物体38に働く重力46と釣り合うようにすれば、物体38はアシスト力44に従って運動することになり、人39は、物体38をあたかも無重力であるかのように操作可能となる。 本発明の第1実施形態のロボット1の制御装置2の特徴は、以上の基本的なロボットアーム制御手段4の構成に加え、アシスト力補正手段34を有するところにある。すなわち、図2Bに示すように、ロボット1の制御装置2は、操作力取得部3と、抵抗力取得部50と、インピーダンス制御部49と、アシスト力補正手段34とを備えて構成している。
操作力取得部3は、多関節ロボットアーム5に配設されて、人38による操作力Fmsを取得するものである。後述する操作力センサー3が、操作力取得部3の一例として機能する。
抵抗力取得部50は、多関節ロボットアーム5に配設されて、多関節ロボットアーム5で把持される把持物体38と外環境(例えば床面)90とが接触した状態を維持しつつ床面90に対して把持物体38の一辺を回転中心33として把持物体38の立て起こし動作を行うとき、把持物体38と床面90との接触における摩擦により発生する抵抗力60を取得する。後述する力センサー50が、抵抗力取得部50の一例として機能する。
インピーダンス制御部49は、操作力取得部3が取得した操作力Fms及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき多関節ロボットアーム5をインピーダンス制御する。
アシスト力補正手段34は、把持物体38の立て起こし動作を行うとき抵抗力60の目標値である目標抵抗力FRgdがゼロとなるように、抵抗力取得部50で取得した抵抗力60に応じてインピーダンス制御部49により発生するアシスト力の抵抗力60に垂直な方向の力成分(追加アシスト力45)を補正する。
以下、アシスト力補正手段34の詳細について図5A〜図5Cに示す物体搬送作業を行う場合を例に説明する。
図5A〜図5Cでの物体搬送作業内容は、以下の通りである。
図5Aに示すように、床面90上の物体38を吸着パッド37で吸着することにより、物体38を把持する。
その後、図5Bに示すように、操作ハンドル40を操作することにより、物体38の重心55が、二点鎖線で示す理想軌道32に沿うように、床面90に接触している物体38の一辺を回転中心33として、物体38の立て起こし動作を行う。
そして、図5Cに示すように、操作ハンドル40を操作することにより、物体38を立てた状態へともっていく。
理想軌道32に沿う運動が最も効率的でスムーズな動作となるが、実際の作業では理想軌道32に完全に沿うように動作させることは難しく、理想軌道32から外れようとする動きとなってしまう。
力関係で言えば、図6Aに示すように、アシスト力が理想のアシスト力58のように理想軌道32の接線方向の力であれば、鉛直方向沿い下向きの重力46と、鉛直方向沿い上向きの追加アシスト力45と外環境(例えば床面)90の平面に対しての垂直な方向(例えば鉛直方向)の上向きの垂直抗力56とは釣り合っているので、回転中心33から見れば回転モーメントのみが加えられることになり、理想である。が、図6Aに示すように、実際のアシスト力57のように方向がずれてしまった場合には、回転中心33において、物体38と外環境の一例としての床面90との摩擦による抵抗力60が発生し、外力センサー50によって外力の水平成分61として検知される。
図6Bに示すように、実際のアシスト力57の方向のズレが大きい場合には、抵抗力60が摩擦を上回り、回転中心33の位置が動いてしまい、作業がより困難となってしまう。
こうした課題に対し、アシスト力補正手段34は、抵抗力60の発生時に検出される外力61に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル59分だけ追加アシスト力45の補正を行い、補正追加アシスト力62へと補正する。このアシスト力補正手段34の補正により、アシスト力は、実際のアシスト力57から理想のアシスト力58へと修正される。このような修正動作は、前記抵抗力60の水平成分であるFehsがゼロとなるようにアシスト力補正手段34によりアシスト力を補正していることを意味する。
このような動作を行うため、アシスト力補正手段34は、図2Cに示すように、方向制御部34aと、演算部34bとで構成されている。
方向制御部34aは、抵抗力60の方向に応じて、アシスト力の抵抗力60に垂直な方向の力成分を増加の方向又は減少の方向のどちらに補正するかを、以下の式(11)又は式(12)を使用して決める。
演算部34bは、方向制御部34aで決定した方向に基づき、抵抗力60の大きさに比例してアシスト力の抵抗力60に垂直な方向の力成分の補正量を決める。
具体的には、式(8)の重力補償補正トルクを、
Figure 0005695223
(外力の水平成分Fehsが+X方向の場合).....(11)
Figure 0005695223
(外力の水平成分Fehsが−X方向の場合).....(12)によりアシスト力補正手段34で計算する。ただし、Kは定数ゲインであり、実験により求める調整パラメータである。
前記の式(11)、(12)によれば、図6Aの状態のように、アシスト力57が、理想のアシスト力58より下を向いている場合(外力の水平成分Fehsが+X方向の場合に該当)、式(11)に基づき、アシスト力補正手段34で計算すれば、追加アシスト力が増加することになる。すると、ロボットアーム5の物体38を持ち上げようとする力が増加し、理想軌道32に沿う動きへと修正されることになる。
一方、図6Bの状態のようにアシスト力57が理想のアシスト力58より上を向いている場合(外力の水平成分Fehsが−X方向の場合に該当)、式(12)に基づきアシスト力補正手段34で計算すれば、追加アシスト力が減少することになる。すると、ロボットアーム5の物体38を持ち上げようとする力が減少し、理想軌道32に沿う動きへと修正されることになる。
図7は、上述した原理に基づく、制御プログラムによるロボットアーム制御時の動作ステップを説明するフローチャートである。
ステップS1では、ロボットアーム5の動作制御を行うとき、ロボットアーム5の各関節の関節軸のそれぞれのエンコーダ42により計測された関節角度データ(関節角度ベクトルq)が制御装置2のロボットアーム制御手段4に取り込まれる。
次いで、ステップS2では、ロボットアーム5からの関節角度データ(関節角度ベクトルq)から、ロボットアーム5の現在(ロボットアーム5の動作制御を行うとき)の手先位置及び姿勢ベクトルrが順運動学計算手段26により計算される(順運動学計算手段26での処理)。手先位置及び姿勢ベクトルrは、順運動学計算手段26から目標軌道生成手段23と位置誤差計算部52とにそれぞれ入力される。
次いで、ステップS3では、操作力センサー3の計測値である操作力Fmsが力変換手段30に取り込まれ、操作力Fmsと式(8)とに基づき、変換操作力Fが力変換手段30で計算される。この結果、操作力センサー3の計測値である操作力Fmsが変換操作力Fに力変換手段30で変換される。変換された変換操作力Fは、力変換手段30からインピーダンス計算手段25に出力される。
次いで、ステップS4では、インピーダンスパラメータM、D、及び、Kと、力変換手段30において変換された変換操作力Fとから、手先位置及び姿勢目標補正出力Δrが、インピーダンス計算手段25により計算される(インピーダンス計算手段25での処理)。計算された手先位置及び姿勢目標補正出力Δrは、インピーダンス計算手段25から第1演算部51に出力される。
次いで、ステップS5では、目標軌道生成手段23からの手先位置及び姿勢目標ベクトルrとインピーダンス計算手段25からの手先位置及び姿勢目標補正出力Δrとの和が第1演算部51で計算される。第1演算部51で計算されて求められた手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmは、位置誤差計算部52に出力される。第1演算部51で計算されて求められた手先位置及び姿勢補正目標ベクトルrdmと、順運動学計算手段26からの現在の手先位置及び姿勢ベクトルrとの差である手先位置及び姿勢の誤差rが、位置誤差計算部52で計算される。
次いで、ステップS6では、位置誤差計算部52で計算されて求められた手先位置及び姿勢の誤差rが位置誤差補償手段27に入力されて、位置誤差補償手段27において、誤差rを基に位置誤差補償出力ureが求められる(位置誤差補償手段27での処理)。位置誤差補償手段27の具体例としてはPID補償器が考えられる。位置誤差補償手段27では、定数の対角行列である比例、微分、積分の3つのゲインを適切に調整することにより、位置誤差が0に収束するように制御が働く。
次いで、ステップS7では、ダイナミクス制御手段28において、位置誤差補償手段27から位置誤差補償出力ureが入力されて、関節角度ベクトルqとダイナミクスパラメータ(慣性行列(慣性力項)と遠心力及びコリオリ力項と重力項)とに基づき、式(5)を使って手先位置誤差補償トルクτが計算される(ダイナミクス制御手段28での処理)。手先位置誤差補償トルクτはダイナミクス制御手段28から目標トルク計算部53に入力される。
次いで、ステップS8では、アシスト力補正手段34において、外力センサー50の計測値である外力Fesとそれぞれのエンコーダ42からの関節角度データ(関節角度ベクトルq)とが取り込まれ、式(8)、式(11)または式(12)に基づき重力補償補正トルクΔτが計算される(アシスト力補正手段34での処理)。重力補償補正トルクΔτはアシスト力補正手段34から目標トルク計算部53に入力される。
次いで、ステップS9では、ダイナミクス制御手段28で計算された手先位置誤差補償トルクτとアシスト力補正手段34で計算された重力補償補正トルクΔτとの和が目標トルク計算部53で計算される。
次いで、ステップS10では、目標トルク計算部53で計算された目標トルクτとモータ41に流れる電流iとがトルク制御手段48に入力されて、式(9)を使って電圧指令値vが計算される(トルク制御手段48での処理)。
次いで、ステップS11では、電圧指令値vが、トルク制御手段48からD/Aボード20を通じてモータドライバ18に与えられる。そして、モータドライバ18により、各モータ41を流れる電流量を変化させることにより、ロボットアーム5の各関節の関節軸の回転運動が発生する。
以上のステップS1〜ステップS11が、制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、ロボットアーム5の動作の制御が実現する。
以上、本第1実施形態によれば、アシスト力補正手段34を有することにより、アシスト力補正手段34において、抵抗力60の発生時に検出される外力61に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル59分だけ追加アシスト力45の補正を行い、補正追加アシスト力62へと補正することができる。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、抵抗力60がゼロとなるように、アシスト力は実際のアシスト力57から、正確な、言い換えれば、理想のアシスト力58へと修正される。したがって、物体38の軌道は理想軌道32に沿った動きになるため、回転中心33の位置が動くこともなく、接触を伴う作業の一例としての物体38の立て起こし作業が容易に可能となる。
また、本第1実施形態によれば、理想軌道32の幾何学情報が無くても、すなわち、立て起こしを行う物体38の寸法などの幾何学情報が無くても、抵抗力の水平成分がゼロとなるように、アシスト力を制御する結果、理想軌道32に沿う動作が可能となり、種々の寸法の物体を扱う場合でも効率的な作業が可能となる。すなわち、抵抗力発生時に検出される外力に基づき、垂直方向のベクトルであるアシスト力の修正ベクトル分だけ追加アシスト力の補正を行い、補正追加アシスト力へと補正される。このため、インピーダンス制御を使ったパワーアシストロボットにおいて、抵抗力の水平成分がゼロとなるように、アシスト力は、実際のアシスト力から、接触を伴う作業に適した正確なアシスト力へと修正され、把持物体38を持ち上げて床面90から浮いてしまう状態にするのではなく、把持物体38を床面90に接触させたままの接触を伴う作業を容易に実現することができる。この結果、把持物体38に対する負荷が軽減されたり、作業効率を向上させることができる。特に、正確な作業を行うときに、制御装置側で必要なアシスト力の修正を行うため、作業者は、理想軌道32を特に気にかけずに、容易に行うことができる。このため、抵抗力が大きすぎると、把持物体38がつぶれてしまうような把持物体38でも、把持物体38を損傷させることなく、所定の正確な作業を容易に行うことができる。
なお、前記第1実施形態では、外力取得部を外力センサー50としたが、これに限られるわけではなく、外力推定を使用することも可能である。この場合の構成を図8に示す。すなわち、外力推定手段(外力推定部又は抵抗力推定部)77には、多関節ロボットアームの関節に発生するトルクをトルク推定値として推定し、この推定されたトルク推定値と、エンコーダ42から出力された各関節角の現在値qである関節角度ベクトルqと、モータドライバ18よりモータ駆動電流値iと、力変換手段30から変換操作力Fとが入力されて、外力(抵抗力)の推定値Fe_estを計算して、アシスト力補正手段34に出力する。ここでは、外力推定手段77が、抵抗力取得部50の一例として機能する。
外力推定手段77においては、まず、モータドライバ18よりモータ駆動電流値iを取得し、モータ41が発生している関節トルクの推定値τMest=K/iを求める。また、外力推定手段77においては、ロボットアーム5の運動方程式を使用するとともに、関節トルクの推定値τMestと、エンコーダ42から出力された各関節角の現在値qである関節角度ベクトルqと、力変換手段30から取得した変換操作力Fとにより、ロボットアーム5の運動に必要なトルクの推定値τestを下記の式(13)により求める。
Figure 0005695223
.....(13)
したがって、外力の推定値Fe_estは、人による変換操作力Fも加算されることを考慮すれば、
Figure 0005695223
.....(14)
で与えられる。前記式(14)を使えば、外力センサー50を設けなくても、外力推定手段77で外力を推定して、抵抗力に応じた作業動作が可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態におけるロボット1の基本的な構成は、図1および図2Aに示した第1実施形態の場合と同様であるので、共通部分は第1実施形態と同一番号を付してそれらの説明は省略し、異なる部分についてのみ以下、詳細に説明する。
図9を用いて第2実施形態における搬送作業を説明する。第2実施形態では、物体38をロボットアーム5で持ち上げて床面90から浮いてしまう状態にするのではなく、物体38を床面90に付けたままで、物体38を持ち上げる方向にロボットアーム5から追加アシスト力45を加えることで、垂直抗力56を減じるものである。このようにすれば、物体38を床面90に付けたまま(すなわち、垂直抗力56≧0)で床面90を引きずるようにロボットアーム5で搬送する動作を行うことができる。
第2実施形態では、アシスト力補正手段34において、下記の式(15)により重力補償補正トルクを計算する。
Figure 0005695223
.....(15)
ただし、FRgdは目標抵抗力であり、μは動摩擦係数である。Kは定数ゲインであり、実験により求める調整パラメータである。
式(15)によれば、設定動摩擦係数μとして、物体38と床面90との間の代表的な動摩擦係数を設定しておけば、搬送動作中の動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより大きい場合、そのままでは抵抗力60が大きくなるので、ロボットアーム5が物体38を持ち上げる力である追加アシスト力45をアシスト力補正手段34により大きくする。このようにすることで、垂直抗力56を減少させ、抵抗力60が大きくならないように動作させることができる。逆に、搬送動作中の動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより小さい場合、そのままでは抵抗力60が小さくなるので、追加アシスト力45をアシスト力補正手段34により小さくする。このようにすることで、垂直抗力56を増加させ、抵抗力60が小さくならないように動作させることができる。すなわち、アシスト力補正手段34において、床面90に対して把持物体38の引きずり動作を行うとき抵抗力60の目標値である目標抵抗力FRgdが一定値となるように、操作力センサー3で取得した抵抗力60に応じてインピーダンス制御部49により発生するアシスト力の抵抗力60に垂直な方向の力成分(垂直抗力56)を補正する。以上の働きにより、床面90の位置によって搬送動作中の動摩擦係数が変動しても、物体38と床面90との間に働く抵抗力60を、設定した目標抵抗力FRgdに近づけようとする制御を、アシスト力補正手段34とインピーダンス制御系49とにより、行われることができる。
以上、第2実施形態によれば、アシスト力補正手段34を有することにより、抵抗力60が目標抵抗力FRgdからずれると、垂直抗力56をアシスト力補正手段34で加減することで、物体38と床面90との間に働く抵抗力60が一定になるように、アシスト力補正手段34で制御が働く。このため、抵抗力60の変動が少なくなり、床面90を引きずるように物体38を搬送する動作を安定かつ容易に行うことができるようになる。したがって、ロボットアーム5の可搬重量が十分でなく物体38を完全に持ち上げられない場合、又は、物体38の強度が弱く物体38を完全に持ち上げられない場合などであっても、床面90で物体38を引きずる動作を適用することで、安定した搬送が可能となる。
なお、目標抵抗力FRgdは、ロボットアーム5を操作したときの操作性を考慮して実験により定めればよいが、設定範囲としては、μmax(mg−FAmax)<FRgd<μminmg が考えられる。ただし、mg<FAmaxの場合(物体38を持ち上げるのに十分な可搬力がロボットアーム5にある場合)、前記下限値μmax(mg−FAmax)は0とする。ここで、mは物体38の質量であり、gは重力加速度であり、μmaxは発生しうる最大動摩擦係数であり、μminは発生しうる最小動摩擦係数であり、FAmaxはロボットアーム5が持ち上げ力として発生できる最大の力である。最大動摩擦係数μmaxと最小動摩擦係数μminと、物体38の質量mと、重力加速度gとなどの必要な環境情報は、予め、アシスト補正手段34内のデータベースに記憶されている。
アシスト補正手段34において、前記下限値μmax(mg−FAmax)より小さな目標抵抗力FRgdを設定すると、ロボットアーム5の持ち上げ力が十分でなく、目標抵抗力FRgdを達成できなくなる場合が発生する。また、アシスト補正手段34において、前記上限値μminmgより大きな目標抵抗力FRgdを設定すると、物体38に対してロボットアーム5が持ち上げ力ではなく、逆に床面90に押しつける力を出す必要がある場合が発生し、重量物搬送のためのパワーアシスト装置としては不適切な動作となる。したがって、目標抵抗力FRgdの設定範囲としては、μmax(mg−FAmax)<FRgd<μminmg とすることが好ましい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態におけるロボット1の基本的な構成は、図1および図2Aに示した第1実施形態の場合と同様であるので、共通部分は第1実施形態と同一番号を付してそれらの説明は省略し、異なる部分についてのみ以下、詳細に説明する。
図10A〜図10Cを用いて第3実施形態における物体38の搬送作業を説明する。第3実施形態では、物体38を位置決めのために、物体38を、外環境の一例としての壁面63の表面に押さえつけながら、所定の位置に設置する搬送動作を行うものである。図10Aは、物体38を壁面63に接触させる動作である。図10Bは、物体38を壁面63に接触させた状態で物体38を壁面63の表面に沿って目標位置まで移動させる(引きずる)動作である。図10Cは、物体38を壁面63に接触させた状態で物体38を壁面63に沿って目標位置まで移動させた状態である。
第3実施形態では、アシスト力補正手段34において、力制御を適用し、下記の式(16)によりアシスト力補正トルクを計算する。
Figure 0005695223
.....(16)
ただし、FRfdは目標抵抗力ベクトルであり、Fewsは外力の壁面63に平行な成分64であり、抵抗力65と同方向で同じ大きさの力である。Kは定数ゲイン行列であり、実験により求める調整パラメータである。アシスト力補正手段34において、式(16)に基づく制御により、追加アシスト力45として物体38を壁面に押しつける力が発生し、外力の壁面63に平行な成分Fewsの大きさに応じて、追加アシスト力45が増減される。
式(16)によれば、設定動摩擦係数μとして、物体38と壁面63との間の代表的な動摩擦係数を設定しておけば、搬送動作中の壁面63の位置によって動摩擦係数が変動しても、動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより大きい場合、ロボットアーム5が物体38を壁面63に押しつける力である追加アシスト力45をアシスト力補正手段34により小さくする。逆に、動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより小さい場合、追加アシスト力45をアシスト力補正手段34により大きくする。このようにすることで、垂直抗力56を加減し、物体38と壁面63との間に働く抵抗力60を、設定した目標抵抗力ベクトルFRfdに近づけようとする制御を、アシスト力補正手段34とインピーダンス制御系49とにより、行われることができる。すなわち、アシスト力補正手段34において、壁面63に対して把持物体38の引きずり動作を行うとき抵抗力60の壁面に平行な成分であるFewsが目標抵抗力ベクトルFRfdとなるように、操作力センサー3で取得した抵抗力60に応じてインピーダンス制御部49により発生するアシスト力の抵抗力60に垂直な方向の力成分(追加アシスト力45)を補正する。
以上、第3実施形態によれば、アシスト力補正手段34を有することにより、物体38と壁面63との間に働く抵抗力60が一定になるように、アシスト力補正手段34で制御が働き、変動が少なくなる。このため、物体38を壁面63で滑らすように(引きずるように)搬送する動作を安定かつ容易に行うことができるようになる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態におけるロボット1の基本的な構成は、図1に示した第1実施形態の場合と同様であるので、共通部分は第1実施形態と同一番号を付してそれらの説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下、詳細に説明する。
図11は、第4実施形態におけるロボットのロボットアーム制御手段4Bの構成を示すブロック図である。
第4実施形態では、10A〜図10Cに示す第3実施形態と同様の搬送作業を行う。
第4実施形態では、アシスト力補正手段34において、インピーダンス制御による力制御を適用し、下記の式(17)により目標追加アシスト力Fadを計算する。
Figure 0005695223
.....(17)
ただし、FRfdは目標抵抗力ベクトルであり、Fewsは外力の壁面63に平行な成分64であり、抵抗力65と同方向で同じ大きさの力である。Kは定数ゲイン行列であり、実験により求める調整パラメータである。
式(17)によりアシスト力補正手段34で計算された目標追加アシスト力Fadは、力入力計算部66において、力変換手段30での変換後の変換操作力Fに対して減算され、計算値が、力入力計算部66からインピーダンス計算手段25に入力される。
式(17)に基づく制御により、追加アシスト力45として物体38を壁面63に押しつける力が発生し、外力の壁面63に平行な成分Fewsの大きさに応じて、アシスト力補正手段34で追加アシスト力45が増減される。
式(17)によれば、動摩擦係数μとして、物体38と壁面63との間の代表的な動摩擦係数を設定しておけば、壁面63の位置によって動摩擦係数が変動しても、動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより大きい場合、ロボットアーム5が物体38を壁面63に押しつける力である追加アシスト力45をアシスト力補正手段34により小さくする。逆に、動摩擦係数が、設定した設定動摩擦係数μより小さい場合、アシスト力補正手段34により追加アシスト力45を大きくすることで、垂直抗力56を加減する。その結果、物体と壁面63との間に働く抵抗力を、設定した目標抵抗力ベクトルFRfdに近づけようとする制御を、アシスト力補正手段34とインピーダンス制御系49とにより、行わせることができる。
以上、第4実施形態によれば、アシスト力補正手段34を有することにより、物体38と壁面63との間に働く抵抗力60が一定になるように、アシスト力補正手段34で制御が働き、変動が少なくなる。このため、物体38を壁面63で滑らすように搬送する動作を安定かつ容易に行うことができるようになる。
なお、前記第4実施形態では、図10A〜図10Cに示す壁面63に押しつける作業を例に説明したが、これに限られるわけではなく、目標抵抗力ベクトルFRfdとして、床面90に平行なベクトルを設定し、前記Fewsとして外力の床面90に平行な成分を考えれば、図9に示す作業も可能である。さらに、下記の式(18)、(19)により、目標追加アシスト力Fadを計算することにより、図5A〜図5Cに示す作業にも適用可能である。
Figure 0005695223
(外力の水平成分Fehsが+X方向の場合).....(18)
Figure 0005695223
(外力の水平成分Fehsが−X方向の場合).....(19)
ただし、Kは定数ゲインであり、実験により求める調整パラメータである。
なお、前記第1〜第4実施形態では、ロボットアーム5をモータ41で関節を駆動するとしたが、これに限られるわけではなく、空気圧シリンダー又は空気圧人工筋などの空圧アクチュエータ言い換えれば弾性体アクチュエータでも同様の効果を発揮する。
また、物体38を把持する部材として、吸着パッド37を例示しているが、これに限られるものではなく、機械的なチャック部材、電磁チャックなど、公知の把持装置を適用することも可能である。
なお、本発明を第1〜第4実施形態又は変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の第1〜第4実施形態又は変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
前記実施形態では、抵抗力の水平成分がゼロとなるように、アシスト力を制御する場合に限られるものではなく、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないように、アシスト力を制御するようにしてもよい。
前記各制御装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、前記実施形態又は変形例における制御装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、
多関節ロボットアームに配設された操作力取得部で取得した人による操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を、前記多関節ロボットアームに配設された抵抗力取得部から取得し、前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正手段
として機能させるためのロボットの制御プログラムである。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明のロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラムは、接触に伴い発生する摩擦による抵抗力に応じた動作が可能となり、物体の搬送を行う動作を制御する、ロボット、ロボット制御装置、制御方法、及び制御プログラムとして有用である。

本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

Claims (12)

  1. 多関節ロボットアームを有するロボットの制御装置であって、
    前記多関節ロボットアームに配設されて、人による操作力を取得する操作力取得部と、
    前記多関節ロボットアームに配設されて、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得する抵抗力取得部と、
    前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
    前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部を備えるロボットの制御装置。
  2. 多関節ロボットアームを有するロボットの制御装置であって、
    前記多関節ロボットアームに配設されて、人による操作力を取得する操作力取得部と、
    前記多関節ロボットアームに配設されて、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境からの垂直抗力を減じ、前記把持物体と前記外環境とが接触したまま引きずるように前記把持物体を前記外環境の表面に沿って搬送する動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得する抵抗力取得部と、
    前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
    前記把持物体の引きずり動作を行うとき前記抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分が、前記把持物体の引きずり動作を行うときの前記抵抗力の目標値である目標抵抗力ベクトルとなるように、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分又は壁面に平行な成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部を備えるロボットの制御装置。
  3. 前記アシスト力補正部は、
    前記抵抗力の方向に応じて、前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を増加の方向または減少の方向のどちらに補正するかを決める方向制御部と、
    前記方向制御部で決定した方向に基づき、前記抵抗力の大きさに比例して前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分の補正量を決める演算部とを備える、請求項1に記載のロボットの制御装置。
  4. 前記アシスト力補正部は、前記抵抗力の大きさに比例して前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を増加させる請求項2に記載のロボットの制御装置。
  5. 前記アシスト力補正部は、前記抵抗力の大きさに比例して前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分を減少させる請求項2に記載のロボットの制御装置。
  6. 前記アシスト力補正部は、前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分として、前記把持物体の重力補償による力を補正する請求項1に記載のロボットの制御装置。
  7. 前記アシスト力補正部は、前記インピーダンス制御部により発生する前記アシスト力の前記抵抗力に垂直な方向の前記力成分として、前記把持物体を前記外環境に押しつける力制御による力を補正する請求項5に記載のロボットの制御装置。
  8. 前記抵抗力取得部は、前記多関節ロボットアームの手先部と前記多関節ロボットアームが把持する前記把持物体との間に配設された力センサーである請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のロボットの制御装置。
  9. 前記抵抗力取得部は、前記多関節ロボットアームの関節に発生するトルクをトルク推定値として推定し、前記トルク推定値と前記操作力取得部により取得された操作力とより、抵抗力を取得する外力推定部である請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のロボットの制御装置。
  10. 多関節ロボットアームと、
    請求項1〜9のいずれか1つに記載のロボットの制御装置とを備えるロボット。
  11. 多関節ロボットアームを有するロボットの制御方法であって、
    前記多関節ロボットアームに配設された操作力取得部で、人による操作力を取得し、
    前記多関節ロボットアームに配設された抵抗力取得部で、前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を取得し、
    前記操作力取得部が取得した前記操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御部でインピーダンス制御し、
    前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力取得部で取得した前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分をアシスト力補正部で補正するロボットの制御方法。
  12. 多関節ロボットアームを有するロボットの制御プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記多関節ロボットアームに配設された操作力取得部で取得した人による操作力及び設定されたインピーダンスパラメータに基づき前記多関節ロボットアームをインピーダンス制御するインピーダンス制御部と、
    前記多関節ロボットアームで把持される把持物体と外環境とが接触した状態を維持しつつ前記外環境に対して前記把持物体の一辺を回転中心として前記把持物体の立て起こし動作を行うとき、前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦により発生する抵抗力を、前記多関節ロボットアームに配設された抵抗力取得部から取得し、前記把持物体の立て起こし動作を行うとき前記把持物体と前記外環境との接触における摩擦力が最大静止摩擦力を越えないよう、前記抵抗力に応じて前記インピーダンス制御部により発生するアシスト力の前記抵抗力の水平成分に垂直な方向の力成分を補正するアシスト力補正部として機能させるためのロボットの制御プログラム。
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