JP2009206225A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品厚みや接続抵抗の安定な高品質の回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】キャリアプレート8に圧力安定板9b、クッション材7b、第2の金属板6bの順に配置した上にコア用基板10の両側にプリプレグシート1a,1b、金属はく3a,3bの順序で位置決めした製品部分の外側を第1の金属板5a,5bで挟持した状態で複数段に積層した後、最上下段の第1の金属板5aの外側に第2の金属板6aを介してクッション材7aで挟持するように積層し、さらにクッション材7aの外側に前記圧力安定板9aを配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱プレス装置を用いて製造する回路基板の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においても多層基板が強く要望されるようになってきた。
特に多層基板の高密度化は回路パターンの微細化が進み、より複数層の回路パターンとともに基板の薄板化が望まれている。
このような回路基板では、複数層の回路パターンの間をインナービアホール接続する接続方法および信頼度の高い構造の新規開発が不可欠なものになっているが、導電性ペーストによりインナービアホール接続した新規な構成の高密度の回路基板製造法が提案されている。
以下、従来の熱プレス装置を用いた多層の回路基板の製造方法について説明する。
図5、図6は従来の回路基板の製造方法を示す断面図であり、図5は積層構成物の形成工程、図6は熱プレス工程を示している。
図5、図6において、21aおよび21bは、不織布の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材からなるプリプレグシートであり、所定位置にレーザ加工などを用いて形成した貫通孔に導電性ペースト22が充填されている。
30は2層のコア用基板であり、表裏には回路パターン24a,24bが形成され、さらに表裏の回路パターン24a,24bは任意の部位で貫通孔の導電性ペースト22によって電気的に接続されている。23a,23bは銅などの金属はくである。
コア用基板30の両面にプリプレグシート21a,21b、金属はく23a,23bが積層された製品としての構成を示している。
25a,25bは熱プレス時に製品群を挟持するための厚さ約1mmのステンレスなどの第1の金属板であり、26a,26bはステンレスなどの厚さ約3mmの第2の金属板であり、27a,27bは厚さ約2mmのクッション材である。
また、複数の前記製品が第1の金属板25b上で位置決めされて製品部分を構成し、第1の金属板25a,25bで挟持されている。
また、第2の金属板26a,26bは、クッション材27a,27bと第1の金属板25a,25bとの間に使用するものであり、第1の金属板25a,25bおよび第2の金属板26a,26bはクッション材27a,27bと同等サイズであり、前記製品部分が占める面積より大きいサイズのものが使用されている。
まず、図5の積層構成物の形成工程について説明する。
積層構成物を形成する工程は、キャリアプレート28の上に、クッション材27b、第2の金属板26bの順に配置する。
その上に、製品部分を挟持した状態の第1の金属板25a,25bを複数段に積層し、さらに、最上下段の第1の金属板25aの外側に第2の金属板26aを介してクッション材27aで挟持されるように積層して一つの積層構成物を構成する。
次に、前記積層構成物を複数準備し、それを図6に示す熱プレス工程における熱プレス装置内へ搬送する。
図6の熱プレス工程ではこの搬送された複数個の積層構成物がキャリアプレート28毎複数段に積み重ねられ熱プレス装置の上部熱板31aと上下可動な下部熱板31bの間に挿入、設置される。
その後、下部熱板31bを上昇させて積層構成物を加圧加熱する。これにより、Bステージ状のプリプレグシート21a,21bは溶融硬化することによりコア用基板30と銅はく23a,23bと接着されるとともにプリプレグシート21a,21bの所定位置に形成されたビア内の導電性ペースト22が圧縮されコア用基板30の回路パターン24a,24bと金属はく23a,23bが電気的に接続される。
その後、両面の金属はく23a,23bを選択的にエッチングすることで回路パターンが形成され(図示せず)、4層の回路基板が得られる。
ここで上述した熱プレス工程に用いられる一般的な熱プレス装置の動作について説明する。
熱プレス時の成型時条件は、上部熱板31aおよび下部熱板31bで積層構成物を加圧しながら、加熱する温度をプリプレグシート21a,21bの樹脂成分の硬化温度である180〜200度程度まで昇温し、一定時間保持した後、室温まで冷却するのが一般的である。
また、上述したクッション材27a,27bの役割は、回路基板の成型時に上部熱板31aおよび下部熱板31bの間に挟んだ積層構成物中の製品部分への圧力が均一に加わるように、積層構成物の厚みムラや第1、第2の金属板やキャリアプレートの面内ばらつきを吸収し、圧力を均一にするものである。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−188493号公報
本願発明者は、上記の従来の回路基板の製造方法における以下の課題を見出した。
すなわち、上部熱板31aおよび下部熱板31bで積層構成物を高温で加圧する際に、図7に示すようにクッション材27a,27bのそれぞれの近傍に配置している第1の金属板25a,25bおよび第2の金属板26a,26bを介してクッション材27が変形することが判明した。
変形の形態は、製品端部(外周)が支点となりクッション材27a,27bの変形が大きい部分と小さい部分とを備えたものである。これにより、製品に加わる圧力は不安定となる。
また、熱プレス装置の生産性を向上させることを目的として、図5の事例のように第1の金属板25bの面内に複数枚の製品を配置する場合は、製品が配置された部分に相当するクッション材には凹部の形状変化が生じ、隣接する製品間すなわち製品が配置されていない部分に相当するクッション材には凸状の変形が発生する。
製品サイズや配置する製品数あるいは製品の配置が異なる場合等において、前記変形を有するクッション材を用いて熱プレス工程を行うと、前記凸状の変形部分で圧力が吸収され第1および第2の金属板の面内の圧力が不均一となる。
本願発明者は、上記の場合、金属板の変形に伴い圧力分散が大きい(圧力不足)製品周辺近傍に厚みムラが発生したり、導電性ペーストを用いて圧接によって層間接続を得る場合に圧接力が不足して接続抵抗値が不安定になる場合があるという問題を把握した。
上記の課題を解決するために、本発明の回路基板の製造方法は、クッション材の上面もしくは下面に製品サイズより小さい圧力安定板を配置することで熱プレス時に発生するクッション材の変形を吸収するとともにクッション材近傍の金属板の変形を解消することで製品に加わる圧力が安定して、製品厚みや接続抵抗が安定した高品質な回路基板を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
すなわち本発明は、少なくとも1枚の製品からなる製品部分の上下を第1の金属板で挟持した積層物を準備する工程と、前記上下の第1の金属板の外側に第2の金属板とクッション材を配置し前記クッション材の内側もしくは外側に圧力安定板を配置して積層構成物を準備する工程と、それを加熱加圧する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法というものであり、圧力安定板と接するクッション材は製品が存在する位置に相当する部分が安定して均一に変形するため、クッション材の凹凸による圧力の影響がなくなるとともにクッション材近傍の金属板の変形がなくなり製品に加わる圧力が安定するため高品質の回路基板が実現できるという効果を有する。
また、圧力安定板のサイズは、製品のサイズより小さいことが望ましく、これにより、圧力安定板と接するクッション材は製品が存在する位置に相当する部分が安定して均一に変形することに加え、特に製品を構成するコア用基板の回路が形成された領域(製品の領域より小さい領域)の加圧をより均一にすることができるという効果を有する。
また、クッション材の内側もしくは外側に配置される圧力安定板の数は、製品部分を構成する製品と同数であることが望ましく、これにより、製品毎に加わる圧力が安定して、複数の製品を均一に加圧することができるという効果を有する。
また、圧力安定板が配置される位置は、製品が配置されている領域内に相当するクッション材の外側あるいは内側の位置であることが望ましく、これにより、製品部分を構成するそれぞれの製品への加圧を均一にすることができるという効果を有する。
また、クッション材は、積層構成物を加熱加圧することにより圧力安定板が配置された位置が凹状に変形するものであって、前記圧力安定板の厚みは変形した前記凹状の深さと同等以上の厚みであることが望ましい。これにより、クッション材の変形量を安定して吸収したことによりクッション材近傍の金属板の変形を解消するとともに、面方向に複数枚の製品を配置して製品部分を構成しても製品毎への圧力が安定し、板厚が安定した高品質の回路基板が実現できるという効果を有する。
また、クッション材を配置する前に前記クッション材の変形量を測定する工程を備えることが望ましい。これにより、クッション材の変形量の値が圧力安定板の厚み以上であった場合、クッション材を交換するかあるいは前記の値以上の厚みを有する圧力安定板を採用することが可能となり、本願発明の前記の効果を維持することができる。
また、圧力安定板は、矩形状であり、その角は面取りされていることが望ましく、これにより、加熱加圧する工程においてクッション材を損傷することを防ぐことができる。
また、本発明の請求項1の構成において、第1の金属板で挟持した積層物は、複数準備され、複数段に積層されていくことが望ましく、さらに、積層構成物は、複数準備され、複数段に積層されていることが望ましい。これにより、回路基板の製造における生産性を向上させるとともに、多段に積層された積層物あるいは積層構成物においては特に本発明の効果が顕著に発現できる。
また、圧力安定板は、前記圧力安定板と同等サイズの窓が設けられている第3の金属板の前記窓内に配置されていることが望ましく、これにより、圧力安定板の位置を安定させることが出来るため、製品に加わる圧力を均一にすることができる。
また、圧力安定板は、クッション材と接着されていることが望ましく、これにより、圧力安定板の位置を安定させることが出来るため、製品に加わる圧力を均一にすることができるとともに、クッション材の配置と圧力安定板の配置を同時に行うことができ回路基板の製造過程における作業性を向上させることができる。
また、製品は、表裏を電気的に接続したコア用基板の両側に所定位置の貫通孔に導電ペーストを充填したプリプレグシートと金属はくの順に積層されたものを用いた場合にも製品に加わる圧力が安定して板厚が安定するとともに接続抵抗が安定した高品質の回路基板が実現できるという効果を有する。
本発明はクッション材の上面もしくは下面に製品サイズより小さい圧力安定板を配置することで熱プレス時に発生するクッション材の変形を吸収するとともにクッション材近傍の金属板の変形を解消することで製品に加わる圧力が安定して、製品厚みや接続抵抗が安定した高品質な回路基板が実現できる。
(実施の形態)
以下本発明の熱プレス装置を用いた多層の回路基板の製造方法について説明する。
図1、図2は本発明の回路基板の製造方法を示す断面図であり、図1は積層構成物の形成工程、図2は熱プレス工程を示している。
図1において1aおよび1bは、サイズが500mm×350mm、厚みが約80μmのガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維の織布または不織布の基材に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材からなるプリプレグシートであり、所定位置にレーザ加工などを用いて形成した貫通孔にはスキージング法などを用いて導電性ペースト2を充填している。
10は製品としてのサイズが495mm×345mmのコア用基板であり、表裏には回路パターン4a,4bが形成され、さらに表裏の回路パターン4a,4bは任意の部位で導電性ペースト2によって電気的に接続されている。また、3a,3bは厚みが約12μmの銅などの金属はくであり、コア用基板10の両面にプリプレグシート1a,1b、金属はく3a,3bが積層された製品としての構成を示している。
5a,5bは熱プレス時に製品群を挟持する、厚さ約1mmのステンレスなどの第1の金属板であり、7a,7bはサイズ800mm×550mm、厚さ約2mmで面方向への2枚の製品を配置した面積より大きいクッション材である。
また、複数の前記製品が第1の金属板5b上で位置決めされて製品部分11を構成し、第1の金属板5a,5bで挟持されている状態の積層物12を少なくとも1つ準備する。
また、6a,6bは前記クッション材と最上下段の第1の金属板5a,5bとの間に使用するステンレスなどの厚さ約3mmの第2の金属板であり、前記の第1の金属板5a,5bおよび第2の金属板6a,6bは前記のクッション材7a,7bと同等サイズであり、前記の製品部分11が占める面積より大きいサイズのものを使用している。
9a,9bは圧力安定板であり、ステンレス製の厚さ約1mmのもので、製品サイズ(495mm×345mm)より小さいサイズ(490mm×340mm)の矩形状のものを用い、その4つ角は、面取り(Rが形成)されていることが望ましい。これにより、後述する加熱加圧する工程においてクッション材を損傷することを防ぐことができる。
なお、クッション材7a,7bにはクラフト紙や耐熱ゴムクッション材などを用いれば良く、特に材質を限定するものではない。また、圧力安定板9a,9bにおいてもステンレス製を用いたが、特に材質を限定するものではなく、第1の金属板5a,5bの厚みを1mm、第2の金属板6a,6bの厚みを3mmとしたが、特に厚みを規定するものではない。
まず、図1の積層構成物の形成工程について説明する。
積層構成物13を形成する工程は、キャリアプレート8の上に、製品部分11を構成する製品と同数の圧力安定板9b、第2の金属板6bの順に配置する。
その上に、製品部分の上下を第1の金属板5a,5bで挟持した状態の積層物12を少なくとも1つ、あるいは複数段に積層し、さらに、最上下段の第1の金属板5aの外側に第2の金属板6aを介してクッション材7aで挟持されるように積層し、さらにクッション材7aの外側に製品部分を構成する製品と同数の前記圧力安定板9aを配置して一つの積層構成物13を構成し、準備する。
なお、本実施の形態は金属板5b上の面方向(横方向)に製品を2枚配置した事例を示したが、2枚以上の複数枚としても良く、あるいは1枚の配置としても良い。いずれの場合においても上側あるいは下側に使用する圧力安定板の数は製品と同数であることが望ましく、その配置位置は製品が配置されている領域内に相当するクッション材7aの外側あるいは内側が望ましい。
次に、前記積層構成物13を複数準備し、それを図2に示す熱プレス工程における熱プレス装置内へ搬送する。
図2の熱プレス工程ではこの搬送された複数個の積層構成物13がキャリアプレート8毎複数段に積み重ねられ熱プレス装置の上部熱板14aと上下可動な下部熱板14bの間の所定位置にセットする。
本実施の形態ではプレス段数を1段としたが、生産性をアップさせるには複数段の上部及び下部熱板が配置された複数のプレス段数を備えた熱プレス装置により、さらに複数の積層構成物を同時に処理することもできる。
その後、下部熱板14bを上昇させて所定条件で積層構成物13を加圧加熱する。これにより、Bステージ状のプリプレグシート1a,1bは溶融硬化することによりコア用基板10と銅はく3a,3bとが接着されるとともにプリプレグシート1a,1bの所定位置に形成したビア内の導電性ペースト2が圧縮されコア用基板10の回路パターン4a,4bと金属はく3a,3bが電気的に接続される。
そして、両面の金属はく3a,3bを選択的にエッチングすることで回路パターンが形成され(図示せず)、4層の回路基板が得られる。
本発明の実施の形態は上述したように、積層構成物の形成工程においてクッション材の外側にコア用基板の寸法より小さいサイズの圧力安定板を配置したが、その効果を図3を用いて説明する。
なお、図中の製品サイズの表示にあたって、製品群を構成するプリプレグシートや金属はくは省略してコア用基板のみ表示し製品サイズと記している。
図3に示すように、クッション材7の外側に製品サイズより小さい圧力安定板9を配置したことで、熱プレス時の加圧によってクッション材7は製品や第1の金属板5や第2の金属板6の反対側の圧力安定板9が配置された位置が凹状に、圧力安定板9が配置されていない部分は凸状に変形する。
すなわち、製品を面方向に複数枚配置した際に製品間に発生するクッション材の凸状の変形(凸部)も圧力安定板9間でかつ製品や第1の金属板5や第2の金属板6の反対側に発生する。
以上のように、クッション材7の変形が製品と第1の金属板5や第2の金属板6の反対側に発生することで、従来の工程において製品の外周が支点となってクッション材7とともに変形していた第2の金属板6や第2の金属板6と接する最下段の第1の金属板5の変形を解消することができる。これにより、製品に加わる圧力が均等となり、製品厚みが安定するとともに製品外周付近の抵抗値も安定した。
クッション材の変形量はクッション材の材質やプレス条件、使用回数によって異なるが、圧力安定板の厚みはクッション材の変形部位の凹状の深さあるいは凸状の突出高さより厚ければ良い。
逆に、圧力安定板の厚みがクッション材の凹状の深さあるいは凸状の突出高さより薄い、あるいは使用回数を重ねることにより圧力安定板の厚みがクッション材の凹状の深さあるいは凸状の突出高さより相対的に薄くなっていった場合、本願発明の効果は小さくなる。そこで、クッション材7および圧力安定板を配置する前にクッション材7の変形量(凹状部分の深さあるいは凸状部分の突出高さ)を測定する工程を設け、その値が圧力安定板の厚み以上であった場合、クッション材7を交換するかあるいは前記の値以上の厚みを有する圧力安定板を採用することが望ましい。これにより本願発明の効果を維持することができる。
なお、上記の事例ではクッション材の外側に圧力安定板を配置したが、図4に示すように、クッション材7の内側に圧力安定板9を配置しても良い。クッション材7の内側に圧力安定板9を配置した場合は、熱プレス時のクッション材7の変形方向は外側に配置時とは反対方向の製品側となるが、圧力安定板の厚みがクッション材の変形量である凹量や凸量分以上であれば、クッション材の変形部分は第1の金属板や第2の金属板には到達しないため、クッション材の外側に圧力安定板を配置した時と同様の効果が得られることを確認した。
また、本実施の形態ではクッション材7の外側あるいは内側に圧力安定板9を単独で配置した事例を示したが、圧力安定板9やクッション材7の変形量分を吸収できるような厚さで圧力安定板9よりも薄い第3の金属板(図示せず)に圧力安定板9サイズの窓を開けてその窓内に圧力安定板9を配置すること、あるいは耐熱性の接着剤で圧力安定板9とクッション材7と接着することで、圧力安定板9の位置を安定させることが出来るため、製品に加わる圧力の均一化を再現出来る。
また、第2の金属板6の厚みを3mmとしているが、製品サイズより小さい圧力安定板9の配置によって、圧力安定板9の外側に位置する製品部分で圧力が不足する場合は、圧力安定板9のサイズを製品サイズより大きくならない範囲で製品サイズに近づけるか、第2の金属板6を厚くするか複数枚積層して用いることにより剛性を高めれば良い。
本発明の実施の形態の製造方法で100枚の4層基板を製造したが、製品外周付近の製品厚みが総厚約300μmに対して3μm以上、接続抵抗値が30%以上改善されたことを発明者は確認した。
以上のように本発明にかかる回路基板の製造方法は、積層物構成時にクッション材の外側もしくは内側にコア用基板より小さいサイズの圧力安定板を配置することでクッション材の変形を吸収するとともにクッション材近傍の金属板の変形を解消することで製品厚みや接続品質が安定した高品質の回路基板が実現できる。
なお、本実施の形態では、4層の回路基板としたが、層数に関係なく2層板でも4層以上の多層基板でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施の形態ではガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維の織布または不織布の基材に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材からなるプリプレグシートとコア用回路基板を用いたが、有機系のベースフィルムやベースシートの表裏に熱硬化性エポキシ樹脂層を形成したプリプレグシートやコア用回路基板であってもよく、また、コア用回路基板とプリプレグシートが異種材料であってもよく、積層物構成時にクッション材の外側もしくは内側にコア用基板より小さいサイズの圧力安定板を配置することで同様の効果が得られることはいうまでもない。
さらに、本実施の形態ではセンターコアのビルドアップ構造としたが、プリプレグシートとコア用回路基板を複数枚重ねて一括積層する方式であっても、積層物構成時にクッション材の外側もしくは内側にコア用基板より小さいサイズの圧力安定板を配置することで同様の効果が得られることはいうまでもない。
以上のように本発明にかかる回路基板の製造方法は、熱プレス時のクッション材の変形を吸収しクッション材近傍の金属板の変形を解消することで製品に加わる圧力を安定させ、製品厚みや接続品質の安定化が図れるもので、導電性ペーストでインナービアホール接続を備えた回路基板全般に有用であり、本発明の産業上の利用可能性は大といえる。
本発明の実施の形態における回路基板の製造方法の積層構成物形成工程を示す断面図 同実施の形態における回路基板の製造方法の熱プレス工程を示す断面図 同実施の形態における圧力安定板のクッション材外側時のクッション材変形説明図 同実施の形態における圧力安定板のクッション材外側時のクッション材変形説明図 従来の回路基板の製造方法の積層構成物形成工程を示す断面図 従来の回路基板の製造方法の熱プレス工程を示す断面図 従来の回路基板の製造方法におけるクッション材近傍の変形説明図
符号の説明
1a,1b プリプレグシート
2 導電性ペースト
3a,3b 金属はく
4a,4b 回路パターン
5,5a,5b 第1の金属板
6,6a,6b 第2の金属板
7,7a,7b クッション材
8 キャリアプレート
9,9a,9b 圧力安定板
10 コア用基板
11 製品部分
12 積層物
13 積層構成物
14a 上部熱板
14b 下部熱板

Claims (13)

  1. 少なくとも1枚の製品からなる製品部分の上下を第1の金属板で挟持した積層物を準備する工程と、前記上下の第1の金属板の外側に第2の金属板とクッション材を配置し前記クッション材の内側もしくは外側に圧力安定板を配置して積層構成物を準備する工程と、それを加熱加圧する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 圧力安定板のサイズは、製品のサイズより小さいことを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. クッション材の内側もしくは外側に配置される圧力安定板の数は、製品部分を構成する製品と同数であることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  4. 圧力安定板が配置される位置は、製品が配置されている領域内に相当するクッション材の外側あるいは内側の位置であることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  5. クッション材は、積層構成物を加熱加圧することにより圧力安定板が配置された位置が凹状に変形するものであって、前記圧力安定板の厚みは変形した前記凹状の深さと同等以上の厚みであることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  6. クッション材を配置する前に前記クッション材の変形量を測定する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  7. 圧力安定板は、矩形状であり、その角は面取りされていることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  8. 第1の金属板で挟持した積層物は、複数準備され、複数段に積層されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  9. 積層構成物は、複数準備され、複数段に積層されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  10. 第2の金属板は、複数枚積層して用いられることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  11. 圧力安定板は、前記圧力安定板と同等サイズの窓が設けられている第3の金属板の前記窓内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  12. 圧力安定板は、クッション材と接着されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  13. 製品は、表裏を電気的に接続したコア用基板の両側に所定位置の貫通孔に導電ペーストを充填したプリプレグシートと金属はくの順に積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
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