JP2009205016A - 手振れ補正装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能であり、また補正精度も高く、制御が容易である手振れ補正装置。
【解決手段】固定側ユニット10と、レンズ及び撮像素子が一体的に設けられたカメラユニット31を含む可動側ユニット30とをヒンジ1により連結する。ヒンジの凹面からなる受け部2は可動側ユニットに設けられ、凸面からなる凸部3は固定側ユニットに設けられる。凸面は凹面に対し、円輪状に線状に接触する。この凸部3が受け部2に係合して、固定側ユニットと可動側ユニットとが連結される。2個のステッピングモータ50,60は、ヒンジを連結点として可動側ユニットを固定側ユニットに対して揺動させる。振れ検出部が固定側ユニットに設けられ本体の振れを検出すると、この検出したカメラの振れ量を基にモータを駆動して可動側ユニットを固定側ユニットに対してカメラの振れを打ち消すように揺動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話機及びビデオカメラ等において、手振れによる影響を除いて、鮮明な画像を得るための手振れ補正装置並びにそれが組み込まれた電子機器に関する。
写真を撮影する際に生じる手ぶれといわれる現象は、シャッタ(レリーズボタン)を押して絞りが開いてから閉じるまでの間に、カメラが動いてしまい、合焦点ではあるものの、撮像画像がぼけたものと同様になってしまう現象である。このため、この手振れによる画像の劣化を軽減するために、種々の手段が提案されている。このような手振れによる画像の劣化を光学的に防止する手段として、特許文献1及び2に記載されたレンズをシフトさせる手振れ補正技術と、特許文献3に記載されたCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子(センサ)をシフトさせる手振れ補正技術とがある。
先ず、レンズシフト方式による手振れ補正技術について説明する。図16(a)乃至(c)は、このレンズシフト方式による手振れ補正の原理を示す断面図である。図16(a)に示すように、カメラケース200の上部にレリーズボタン205が配置されており、このカメラケース200の前面に鏡筒201がその中心軸をカメラケース200に垂直にして固定されている。この鏡筒201内には、複数枚のレンズ202がその光軸を一致させて配置されており、鏡筒201の後端面には、レンズ202の光軸を中心として、CCD又はCMOS等の撮像センサ203が配置されている。また、カメラケース200には、ジャイロセンサ204が設置されていて、ピッチ方向及びヨー方向のカメラの振れ量を検知するようになっている。
図16(a)は、カメラの光軸Pが撮像対象に向いている状態を示し、この状態でレリーズボタン205を押下すると、シャッタが開き、被写体像がセンサ203における光軸P上の位置Qに結像する。その後、図16(b)に示すように、シャッタが開いた状態で、手振れにより、ピッチング方向にカメラが振れた場合には、撮像対象からの光軸Pに対してレンズ光軸が傾斜し、被写体像は、センサ203上において、位置Qからずれた位置Rに結像しようとする。しかし、このとき、ジャイロセンサ204により、カメラが動いたことが検知され、一部のレンズ202が、図16(c)に矢印にて示すように、移動し(シフトし)、光軸Pを曲げることにより、被写体像の結像位置をセンサ203上の位置Qに補正する。これにより、カメラに手振れが生じても、シャッタ開のときにセンサ203上の位置Qに結像していた被写体像は、その結像位置が常にセンサ203上の位置Qとなり、撮像画像がぼけたものとなることを回避できる。
次に、センサシフト方式による手振れ補正技術について説明する。図17(a)乃至(c)は、このセンサシフト方式による手振れ補正の原理を示す断面図である。図17(a)に示すように、レリーズボタン205を押下すると、シャッタが開き、被写体像がセンサ203における光軸P上の位置Qに結像する。その後、図17(b)に示すように、シャッタが開いた状態で、手振れにより、ピッチング方向にカメラが振れた場合には、撮像対象からの光軸Pに対してレンズ光軸が傾斜し、被写体像は、センサ203上において、位置Qからずれた位置Rに結像しようとする。しかし、このとき、ジャイロセンサ204により、カメラが動いたことが検知され、図17(c)に示すように、撮像センサ203が位置Qから位置Rまでの距離を移動する(シフトする)。これにより、カメラに手振れが生じても、シャッタ開のときにセンサ203上の位置Qに結像していた被写体像は、その結像位置が常にセンサ203上の位置Qとなり、撮像画像がぼけたものとなることを回避できる。
一方、構造を簡略化してコンパクト化を目的としたカメラの手振れ補正装置が特許文献4に開示されている。この手振れ補正装置においては、カメラ筐体に固定された外枠に、ピッチ方向及びヨー方向の手振れを検出するセンサモジュールを固定し、外枠の内側に中枠を配置し、この中枠を外枠に対して第2軸(垂直軸)の回りに揺動自在に支持させ、中枠の内側に内枠を配置し、この内枠を中枠に対して第1軸(水平軸)の回りに揺動自在に支持させている。そして、内枠の内部に撮影レンズ及びイメージセンサを内蔵したカメラモジュールを固定し、センサモジュールからの手振れ検出信号にもとづき、内枠をピッチ方向に揺動させ、中枠をヨー方向に揺動させ、カメラ全体で手振れ補正を行う。よって、この従来技術においては、レンズとイメージセンサとが一体的に内枠に設けられており、内枠の揺動により、レンズとイメージセンサとが一体的に動く。この内枠及び中枠の駆動は、夫々、中枠及び外枠に組み付けられたステッピングモータと、ステッピングモータの回転を減速する減速ギヤトレインと、最終段のギヤと一体に回転して夫々内枠及び中枠に設けられたカムフォロアを介して内枠及び中枠を揺動させるカムとにより行われる。
特開2003−57706号公報 特開平6−67255号公報 特開2005−316400号公報 特開2007−93953号公報
しかしながら、上述の特許文献1乃至3に開示されたレンズシフト方式及びセンサシフト方式のいずれの手振れ補正装置の場合も、カメラ本体に設置されたジャイロセンサ204により、手振れによるカメラ本体の動き(回転)を検知し、このカメラ本体の動きによる結像位置の変化を打ち消す方向にレンズ又は撮像センサを移動させる。このように、レンズ又は撮像センサを移動させて結像位置の変化を打ち消すので、レンズ又は撮像センサの移動を制御する必要上、レンズ又は撮像センサの位置センサを、カメラ本体の振れ(傾き)を検知するセンサの他に別途設置する必要がある。このため、制御が複雑で
あるばかりでなく、実装するセンサの数が増大し、手振れ防止装置の小型化が困難である。また、レンズ又はイメージセンサの仕様が変更になった場合には、それらの移動量も変える必要があり、仕様が変わる都度、カスタマイズする必要があって、量産効率が悪いという問題点がある。
また、レンズシフト方式の光学式手振れ補正においては、レンズを移動させて光軸を変えるため、光学設計が難しいという問題点がある。また、レンズの収差等の問題が発生しやすく、レンズの光学性能が低くなりやすい。一方、センサシフト方式の手振れ補正装置の場合は、光学系の劣化がないものの、同様に、光学系部品とイメージセンサとの位置関係が変化するので、ガタ等の機械的精度の影響を受けやすいという問題点がある。
更に、特許文献4に記載された従来技術においては、外枠、中枠及び内枠を設け、それらの間の関係、即ち、外枠と中枠との垂直軸の回りの関係と、中枠と内枠との水平軸の回りの関係とを調節しつつ、全体で、カメラモジュールの向きを制御しているので、構造が複雑になると共に、制御も複雑なものとなる。また、外枠、中枠及び内枠をはじめとして多数の部品が必要であるので、手振れ補正装置の重量も重くなり、駆動装置としては、大きな駆動力が必要になる。更に、装置が複雑であるため、装置の小型化が困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、小型化が可能であり、また補正精度も高く、制御が容易である手振れ補正装置を提供することを目的とする。
本発明に係る手振れ補正装置は、本体側に固定される固定側ユニットと、レンズ及び撮像素子が一体的に設けられたカメラユニットを含む可動側ユニットと、前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットの一方に設けられた滑らかに湾曲するか又は円錐状の凹面からなる受け部並びに前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットの他方に設けられた滑らかな凸面からなる凸部を有し前記受け部及び前記凸部が相互に係合して前記固定側ユニットと前記可動側ユニットとを相互に揺動可能に連結する1個のヒンジと、このヒンジにおける前記受け部と前記凸部との係合が外れないように前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットを支持する支持部材と、前記可動側ユニットの2箇所に作用して前記ヒンジを連結点として前記可動側ユニットを前記固定側ユニットに対して揺動させる2個の駆動部材と、カメラ本体の振れを検出する振れ検出部と、前記振れ検出部が検出したカメラの振れ量を基に前記駆動部材を駆動して前記可動側ユニットを前記固定側ユニットに対して前記カメラの振れを打ち消すように揺動させる制御部と、を有し、前記凸部の凸面は前記受け部の凹面の最深部に接触せず、前記凹面と前記凸面とは円輪状で線接触するか、又は円輪状に面接触することを特徴とする。
この手振れ補正装置において、前記駆動部材は、前記固定側ユニットに設けられ、前記可動側ユニットに対しその2箇所で相互に平行の方向に応力を印加して前記可動側ユニットを揺動させるように構成することができる。この場合に、前記駆動部材の駆動により、前記カメラユニットはその光軸の方向が基本軸を中心として動くように揺動し、前記ヒンジを原点位置とするX軸,Y軸,Z軸直交座標系において、前記Z軸を前記基本軸の方向としたとき、前記2個の駆動部材は、前記Y軸を挟んで対称の位置にて前記Z軸方向を前記応力の印加方向とするように配置されていることが好ましい。
また、前記支持部材は、前記固定側ユニットの前記ヒンジ側の側面に重ねられる基部と、この基部に対して垂直方向に延出して前記可動側ユニットの下面に重ねられる長尺のバネ部とを有し、前記基部と前記バネ部との間で前記可動側ユニットを支持する板バネとすることができる。この場合に、前記バネ部は前記基部からY軸方向に延びており、前記可動側ユニットには、前記ヒンジをとおるY軸上の前記ヒンジの反対側の位置にY軸方向に突出する係止突起が設けられており、前記固定側ユニットには前記ヒンジをとおるY軸上の前記ヒンジの反対側の位置にZ方向に延びる係止溝が形成されており、前記係止突起を前記係止溝に嵌合することにより、前記可動側ユニットが前記固定側ユニットによりY軸及びX軸の回りに揺動可能に支持されていることが好ましい。
更に、前記駆動部材は、リードスクリューシャフトを回転させるステッピングモータと、前記リードスクリューシャフトに螺合されそれ自体は前記固定側ユニットに対して回転しないナットと、前記可動側ユニットと前記ナットとを連結する連結部と、を有し、前記ステッピングモータの回転により前記ナットは、前記リードスクリューシャフトの軸方向に移動し、前記連結部を介して連結された可動側ユニットの部分を前記リードスクリューシャフトの軸方向に移動させるように構成することができる。
更に、前記ナットの位置を検出するフォトインタラプタを有し、前記ナットに設けた突起が前記フォトインタラプタ内に位置する状態で前記フォトインタラプタをオフ又はオンとして、手振れ制御範囲とし、前記突起が前記フォトインタラプタから外れたときに、前記フォトインタラプタをオン又はオフにして、前記オフからオン又はオンからオフに移行する位置を基に、前記可動側ユニットの基準位置を決めるように構成することができる。
更にまた、前記ヒンジの位置は前記カメラユニットの光軸の位置とは異なるように構成することができる。
本発明に係る電子機器は、上記手振れ補正装置と、この手振れ補正装置を収容する電子機器本体と、を有することを特徴とする。この場合に、前記電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、前記2個の駆動部材の力点は、重力軸に対して線対称の位置にあるように、前記駆動部材が取り付けられていることが好ましい。更に、前記電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、前記ヒンジの位置は、前記駆動部材の力点よりも、重力方向の上側にあるように構成することができる。
本発明の手振れ補正装置によれば、極めて簡素な構造で手振れを補正することができ、手振れ補正装置の小型化及び軽量化が可能となる。また、本発明によれば、可動側ユニットと固定側ユニットとを相互に揺動可能に1箇所で連結するヒンジにおいて、凸部と受け部が相対的に横方向にずれにくく、このため、手振れ防止のための可動側ユニットの揺動を高精度で制御することができる。
また、本発明の手振れ補正装置は、上述の如く、構造が簡素であるので、この手振れ補正装置を、電子機器に組み込むことにより、電子機器を長期的に使用した場合の耐久性が高く、誤差が生じにくいという利点がある。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る手振れ補正装置を示す斜視図、図2は固定側ユニットと可動側ユニットとを分離して示す斜視図、図3は手振れ補正装置の分解斜視図、図4は図3の上下方向を逆にして示す分解斜視図である。また、図5(a)は本実施形態のヒンジの構造を示す側断面図、図5(b)は凸部を示す側断面図、図5(c)は凹部を示す側断面図である。図6は本発明のヒンジの構造の比較例を示す断面図である。図7(a)は本実施形態の手振れ補正装置を示す平面図、図7(b)はそのB−B線による断面図、図7(c)はそのA−A線による断面図、図7(d)はそのC−C線による断面図である。図8は本実施形態の効果を説明する図である。図1に示すように、本実施形態の手振れ補正装置は、固定側ユニット10と、可動側ユニット30とが1個の球面ヒンジ1により連結されている。この球面ヒンジ1を原点とするX,Y,Z直交座標系を想定した場合に、可動側ユニット30は、そのカメラユニット31のレンズの光軸がこのZ軸を基本軸として、この基本軸を中心として動くように、揺動する。また、固定側ユニット10には、2個の駆動部材としてのステッピングモータ50,60がそのリードスクリューシャフトを垂直方向(Z軸方向)の下方に向けて設置されている。ステッピングモータ50,60は、可動側ユニット30を、ステッピングモータ50,60が配置された位置にて、Z軸方向に移動させる。このステッピングモータ50,60の回転方向及び回転量を調節することにより、可動側ユニット30をX軸及びY軸の回りに、揺動させることができる。即ち、可動側ユニット30は、球面ヒンジ1を揺動の支点とし、ステッピングモータ50,60の可動側ユニット30への作用点を力点として、3箇所で固定側ユニット10に支持されている。そして、この力点の移動量を調節することにより、可動側ユニット30を支点の回りに揺動させることができる。
次に、図2乃至図7を参照して、本実施形態の手振れ補正装置について更に詳細に説明する。固定側ユニット10は、平面視で矩形をなし底部を有しないフレーム11の前面の中央に球面ヒンジ1を構成する凸部3がその凸面を下方に向けて設置されており、フレーム11の後部に、2個のステッピングモータ50,60がその回転軸を相互に平行に且つ垂直方向(Z軸方向)にして固定されている。このステッピングモータ50,60の回転軸は、リードスクリューシャフト52,62(図7参照)であり、このリードスクリューシャフト52,62に夫々ナット51、61(図3参照)が螺合されている。このナット51,61は回転が規制される(固定側ユニットに対して回転しない)が、リードスクリューシャフトの長手方向への移動は許容されるように、フレーム11に設けられているので、リードスクリューシャフトが正逆回転すると、その回転方向に応じて、ナット51,61はリードスクリューシャフトの長手方向にその端部側又は基部側に向けて移動する。このステッピングモータ50、60は、Y軸を間に挟んでその両側に配置されており、ステッピングモータ50,60から、Y軸迄の距離は相互に同一になっている。即ち、ステッピングモータ50,60はY軸を中心とする線対称の位置に設けられている。
一方、可動型ユニット30は、図3に示すように、基板33と、この基板33上に配置され、レンズ及び撮像素子としてのイメージセンサを一体化したカメラユニット31と、基板33上におけるカメラユニット31が配置されていない領域に配置された外部引出用のコネクタ32とを有する。この可動型ユニット30は、図4に示すように、基板33の裏面に、可動側フレーム40を重ね、可動側フレーム40の前後端に設けた爪41、42(図3参照)で可動側ユニット30を挟持して構成されている。そして、この可動側ユニット30を固定側ユニット10の内部に挿入した後、前面に基部71を有し、この基部71から後方に延びる長尺のバネ部72を有する板バネ70を、基部71が固体側ユニット10のフレーム11の前面に重なり、バネ部72が可動側フレーム40の下面に重なるように、装着する。これにより、可動側ユニット30が板バネにより70により上方に付勢されて固定側ユニット10に取り付けられる。この板バネ70は、ヒンジ1における受け部2と凸部3との係合が外れないように固定側ユニット10及び可動側ユニット30を支持する支持部材を構成しているが、この支持部材としては、このような板バネに限らず、可動側ユニット30を固定側ユニット10に対して、ヒンジ1を中心とする揺動が可能に支持するものであれば種々適用することができる。しかし、板バネ70を使用することにより、支持部材を極めて小型軽量化することができる。
この可動側フレーム40には、その前縁の中央に、前方に突出する突出部43が形成されており、この突出部43の上面には、凹面を有する受け部2が形成されている。そして、可動側ユニット30を固定側ユニット10に装着することにより、固定側ユニット10のフレーム11の前面中央に設けられた凸部3の凸面が可動側フレーム40
の受け部2の凹面に転接する。これにより、凸部3及び受け部2からなる球面ヒンジ1が構成される。
図5(a)乃至(c)は、この球面ヒンジ1を拡大して示す断面図である。凸部3の先端部は断面が円形又は放物線等の曲面形状に滑らかに湾曲しており、滑らかな凸面3aとなっている。一方、受け部2もその断面が円形又は放物線等の曲面形状に滑らかに湾曲した凹面2aとなっている。そこで、凸部3の凸面3aを受け部2の凹面2aに接触させて凸部3を受け部2に係止させることにより、受け部2は凸部3を垂直軸に対する任意の傾斜角度で支持する。
この場合に、前述の如く、例えば、凹面2aの形状を、受け部2が形成される突出部43の面に垂直の方向(図5中2点鎖線にて示す)を中心線として、その断面が円又は放物線等の曲線を描くように形成する。このとき、凸部3の凸面3aも同様に断面が円又は放物線等の曲線を描くように形成するが、凸面3aについては、例えば、半球のように一定の曲率半径を有するものとし、凹面2aについては、例えば、図5(c)に示すように、中心部側(2点鎖線の近傍)の部分を曲率半径が凸面3aの曲率半径より小さい曲面(球4の曲面)とし、周辺部寄りにいくにつれて曲率半径を大きくしていく。そうすると、凹面2aは中心部では曲率半径が小さいが、周辺部寄りでは曲率半径が大きくなり、平べったい曲面となる。このため、凸部3をこの受け部2に嵌合すると、凸部3の凸面3aは、受け部2の凹面2aに対して円輪状に線接触する。即ち、凸部3と受け部2との接触部5は円輪状となる。
このため、ヒンジ1においては、凸部3が受け部2に嵌合して、凸部3が受け部2に対し、中心軸の回りに任意の傾斜角度で傾斜可能に1箇所で支持される。そして、この凸部3が受け部2に対して、突出部43の面に平行の方向にずれようとしても、凸部3が受け部2に嵌り込んだ状態となっているので、凸部3が受け部2に対して相対的に横方向にずれることが防止される。よって、このヒンジ1において、可動側ユニット30は、固定側ユニット10に対して、確実に1箇所で支持される。これに対し、図6に示すように、凸面3a及び凹面2aの双方が、滑らかな湾曲面を有しているものの、凸面3aの曲面の曲率半径が、凹面2aの曲率半径よりも小さい場合は、凸面3aは凹面2aの最深部にて接触し、円輪状に接触することはない。このため、凸部3に横方向の力が作用した場合に、凸部3は受け部2に対して横滑りして、ヒンジ1の支点の位置がずれやすいという問題点がある。なお、本実施形態では、上述の如く、凸面3a及び凹面2aの形状を、凸面3aが一定の曲率半径を持ち、凹面2aは中心部から周辺部に向けて曲率半径が大きくなるように変化させているので、凸面3aと凹面2aとの接触は、円輪状の線接触となる。しかし、例えば、凹面2aの曲率半径を、中心部と周辺部との間の特定の幅を持つ領域で、凸面3aの曲率半径と一致するようにすると、凸部3と受け部2との接触部は円輪状の面接触となる。このように、凸部3と受け部2とが円輪状に面接触していても、円輪状の線接触と同様の効果を奏する。また、凹面2aは円錐状の凹面でも良い。この場合は、凹面2aの断面は円滑に湾曲しているものではないが、この円錐凹面の場合も、滑らかな凸面3aは円錐面の一部で凹面2aと円輪状に線接触する。
一方、図7(b)に示すように、ステッピングモータ60のリードスクリューシャフト62に螺合するナット61には、半球状の凸部63(連結部)が設けられており、この凸部63が、可動側ユニット30の可動側フレーム40と接触している。これにより、リードスクリューシャフト62の回転によりナット61が図3の下方に移動すると、このナット61は可動側フレーム40を介して可動側ユニット30を下方に移動させる。一方、板バネ70のバネ部72により可動側ユニット30は上方に付勢されており、これにより、可動側ユニット30の可動側フレーム40はナット61に向けて押圧され、受け部2が凸部3に押圧される。また、図7(c)に示すように、ステッピングモータ50のリードスクリューシャフト52に螺合するナット51も、ナット61と同様の構造を有し、同様の機能をもつ。
カメラの手振れを検出するジャイロセンサは、固定側ユニット若しくは固定側ユニットが固定されているカメラ本体又は可動側ユニットに取り付けられている。即ち、カメラユニット31が、図7(a)に示すように、Y軸方向を垂直方向にして使用される場合、手振れにより、カメラがX軸の回りに揺動(ピッチング方向)したときには、このピッチング方向の角速度がピッチング方向のセンサにより検出され、手振れにより、カメラがY軸の回りに揺動(ヨー方向)したときには、このヨー方向の角速度がヨー方向のセンサにより検出される。ジャイロセンサが、固定側ユニット若しくは固定側ユニットが固定されているカメラ本体に取り付けられている場合、この角速度データを積分することにより、X軸、Y軸の回りの夫々回転角度を算出し、この手振れを相殺するように、可動側ユニット30を回転させる。なお、ジャイロセンサが、可動側ユニットに取り付けられている場合、ジャイロセンサで測定する角速度が絶えず0になるように可動側ユニットを駆動すればよい。
次に、上述の如く構成された本実施形態の動作について説明する。カメラ本体に固定側ユニット10が固定されており、この固定側ユニット10に対し、可動側ユニット30が球面ヒンジ1と、ステッピングモータ50のナット51と、ステッピングモータ60のナット61とで、支持されている(連結されている)。そして、カメラ本体に設置したジャイロセンサがカメラの振れを検出した場合には、ステッピングモータ50,60を駆動して、ナット51,61を介して、可動側ユニット30を、手ぶれによるカメラの振れ量を打ち消す方向に、揺動させる。これにより、手振れによる結像のボケを防止することができる。この場合に、両ステッピングモータ50,60の回転量を同一にし、ステッピングモータ50,60を同一方向に回転させると、可動側ユニット30をX軸の回りに揺動させることができる。一方、両ステッピングモータ50,60の回転量を同一にし、ステッピングモータ50,60を相互に逆方向に回転させると、可動側ユニット30をY軸の回りに揺動させることができる。このようにして、ステッピングモータ50,60の駆動量及び駆動方向を適宜選択することにより、可動側ユニット30を任意の方向に揺動させることができる。
従って、本実施形態は以下の効果を奏する。可動側ユニット30と固定側ユニット10とを、滑らかな凸面3aを滑らかな凹面2aで受ける1個のヒンジ1により連結し、2個の駆動部材(ステッピングモータ50,60)が可動側ユニット30の2箇所に応力を付加して、この可動側ユニット30を固定側ユニット10に対して揺動させることにより、カメラの振れを打ち消すようにカメラユニットを動かす。これにより、極めて簡素な構造で、部品点数も少ない手振れ補正装置を構成することができる。この場合に、ヒンジ1においては、凸部3が受け部2に嵌合して、凸部3が受け部2に対し、中心軸(図5の2点鎖線)の回りに任意の傾斜角度で傾斜可能に1箇所で支持されているが、凸部3の凸面3aが受け部2の凹面2aに円輪状に線接触又は面接触しているので、この支点における凸部3と受け部2とが相対的に横方向にずれることが防止される。即ち、この凸部3が受け部2に対して、突出部43の面に平行の方向にずれようとしても、凸部3が受け部2に嵌り込んだ状態となっているので、横方向にずれることが防止される。このようにして、このヒンジ1において、可動側ユニット30は、固定側ユニット10に対して、確実に1箇所で支持されると共に、可動側ユニット30と固定側ユニット10との相対的関係がずれてしまうことが防止され、高精度で手振れを防止することができる。
また、構造が簡素で、部品点数が少ないため、手振れ補正装置を小型化及び軽量化することができる。なお、本発明においては、レンズとイメージセンサとを一体として回転させ、手ぶれを補正するため、従来の特許文献1及び2に見られたようなレンズを動かすことによる光学的劣化と、特許文献3に見られたような機械精度の影響も受けにくいという利点がある。
このように、X軸の周りの回転、Y軸の周りの回転を2つのモータで合成して行うため、そのモータの配置をX軸上、Y軸上に設定する必要が無く、手ぶれ補正装置の小型化に有利である。更に、レンズ及びイメージセンサの仕様が変わっても、基本の制御方法は流用可能なので、汎用性が高く、量産化しやすい。
そして、図8に示すように、ヒンジ1を支点とし、このヒンジ1を原点とするX,Y,Z直交座標系において、Z軸を光軸方向としたとき、2個の駆動部材(ステッピングモータ50,60)をY軸を挟んで対称の位置(即ち、ステッピングモータ50,60からY軸への距離は同一)に配置し、これらのステッピングモータ50,60によるリードスクリューシャフト52,62を介した駆動方向(応力印加方向)がZ軸方向(正負の方向を含む)になるように駆動部材(ステッピングモータ50,60)を固定側ユニット10に設置しているので、2個の駆動部材を共に同じ方向に同一駆動量で駆動した場合は、可動側ユニットをX軸の回りに揺動させることができ、2個の駆動部材を同一駆動量で相反する方向に駆動した場合は、可動側ユニットをY軸の回りに揺動させることができる。これにより、可動側ユニット30の揺動の制御態様がより一層簡素化される。また、このように、2個の駆動部材をY軸を挟んで対称の位置に配置することにより、可動側ユニット30をX軸及びY軸の回りに揺動させることができるので、駆動部材をX軸上及びY軸上に配置する必要がなくなり、駆動部材の配置態様の設計の自由度が向上する。
この場合に、ステッピングモータ50,60の回転運動を直線運動に変えるためにリードスクリューを利用しているので、このリードスクリューは逆に直線運動を回転運動に変えることはできないため、ステッピングモータが無励磁時でも可動ユニット30をその位置に固定できる。即ち、ステッピングモータは、通常、リードスクリューシャフトの回転によりナットを前方及び後方に移動させることはできるが、仮にナット51,61が上下するように、外力がナットに印加された場合、ナットのシャフト軸方向の移動により、リードスクリューシャフトが回転してしまうことはないため、ナット51,61は、移動せず、外力が印加される前の位置に保持される。そして、特許文献4のように、ステッピングモータの駆動力を減速させた後、カム及びカムフォロアにより、駆動力を伝達する場合に比して、本発明は、制御の分解能が向上し、ガタの発生を抑制すると共に、部品点数を削減することができる。
また、ステッピングモータ50,60は、オープンループ制御が可能なモータであるので、フィードバック用のセンサ等は必要がない。即ち、可動側ユニット30を回転させるアクチュエータにステッピングモータ50,60を使用したため、オープンループでの制御が可能であり、フィードバック用のセンサ(位置センサ等)が必要ない。
更に、ヒンジの位置がカメラユニットの光軸の位置とは異なるようにすることにより、可動側ユニットと固定側ユニットとの連結点(支点)の位置を光軸からずらせることができ、カメラ本体の薄型化が可能になる。
そして、本発明の手振れ補正装置が組み込まれた電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、図7(a)に示すように、Y軸を重力方向としたとき、2個の駆動部材(ステッピングモータ50,60)の力点は、重力軸に対して線対称の位置にあるように、前記駆動部材が取り付けられていることが好ましい。また、前記電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、ヒンジ1の位置は、前記駆動部材の力点
よりも、重力方向の上側にあることが好ましい。従って、この場合は、図7(a)のY軸の正方向が、重力方向である。このようにすることにより、重力方向の左右において、可動側ユニットを揺動駆動するときのバランスが優れたものとなり、電子機器を長期的に使用した場合の耐久性が高く、誤差が生じにくくなるという利点がある。
なお、上記実施形態は、受け部を可動側ユニットに設け、凸部を固定側ユニットに設けたが、これを逆にしても良いことは勿論である。
本実施形態における各部材の寸法例としては、例えば、凸面3aの曲率半径は0.4mm、凹面2aの中心部の曲率半径(図5(c)の球4の半径)は0.3mmである。また、凹面2aの上端縁は、直径が0.75mmの円であり、凹面2aの深さは0.25mmである。このような寸法のヒンジ1において、手振れ補正のための通常の角度で、可動側ユニット30を揺動させたところ、ヒンジ1の凸部3が受け部2から横方向にずれてしまうことがなく、ヒンジ1の支点の位置は高精度で固定されていた。
次に、図9及び図10を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図9は本実施形態の手振れ補正装置の下面を後方から見た斜視図、図10は同じくその分解斜視図である。可動側部材30と固定側部材10とを1箇所で連結する(支持する)ヒンジ1からY軸方向(図1参照)に板バネ70のバネ部72が延びており、基部71は固定側ユニット10のヒンジ側の側面に重ねられている。長尺のバネ部72は基部71に対して垂直に延出し、可動側部材30を下方から上方に向けて付勢することにより支持している。可動側ユニット30の可動側フレーム40におけるヒンジ1の反対側の端部には、Y軸方向に延びる係止突起34が形成されており、固定側ユニット10のヒンジ1の反対側の側面には、Y方向に直交するZ方向に延びる係止溝14が形成されている。ヒンジ1の受け部2と係止突起34とはY軸上に位置しており、またヒンジ1の凸部3と係止溝14もY軸上に位置している。よって、受け部2に凸部3を嵌合させ、可動側フレーム40を固定側ユニット10の底部(図10では上端部)に配置すると、係止突起34は係止溝14内に嵌合さる。
このように構成された本実施形態の手振れ補正装置においては、可動側ユニット30を下方から支持するバネ部72と、凸部3と受け部2とからなるヒンジ1と、係止突起34と、係止溝14とが、ヒンジ1をとおるY軸上に位置する。このため、図9に示すように、Y軸を中心として可動側ユニット30が揺動しようとするとき、バネ部72がY軸上に位置しているため、バネ部72が可動側ユニット30のY軸回りの揺動に対して、障害となることがない。また、この可動側ユニット30は、その係止突起34が固定側ユニット10に設けた係止溝14に係合しているので、Y軸を中心とする揺動に対して、ヒンジ1の反対側の端部がX軸方向に移動しないように拘束されている。即ち、可動側ユニット30はヒンジ1(凸部3,受け部2)と、係止突起34・係止溝14により、2箇所にて拘束されているため、その揺動軸がX方向にずれてしまうことがない。また、係止溝14はZ軸方向に延びているので、係止突起34はZ軸方向には若干移動することができ、このため、可動側ユニット30に対し、ステッピングモータ50,60により、X軸回りに揺動する応力が作用したときには、係止突起34が係止溝14内をその長手方向に移動することにより、可動側ユニット30がX軸回りに揺動することが可能になる。
本実施形態においては、可動側ユニット30が、確実にX軸及びY軸の回りにのみ揺動するようにすることができ、Z軸の回りに揺動することを回避することができる。即ち、可動側ユニット30と固定側ユニット10とは凸部3及び受け部2から構成されるヒンジ1により1箇所で連結されているが、基本的には、この1箇所の回りに自由に揺動することができ、従って、X軸回り、Y軸回りは勿論のこと、Z軸回りも揺動可能である。ステッピングモータ50,60は可動側ユニット30に対しZ軸方向にのみ応力を印加するものであるため、実際上、可動側ユニット30はY軸回り及びX軸回りの揺動のみが可能になっている。しかし、何らかの外力が作用したときには、第1実施形態の場合は、Z軸回りの揺動が生じる可能性がある。このように、手振れによりカメラユニット31にZ軸回りの揺動が生じると、このZ軸回りの揺動については、ジャイロセンサが検出することができるようにはなっていない。このため、手振れの補正精度が低下する。
これに対し、本実施形態においては、ヒンジ1をとおるY軸上の位置にて、可動側ユニット30の係止突起34が固定側ユニット10の係止溝14に係合していて、この部分はX軸方向に拘束されていて、X軸方向にずれることはないので、結局、可動側ユニット30がZ軸の回りに揺動することを防止できる。このように、本実施形態においては、可動側ユニット30が、ジャイロセンサが検知可能な方向のみ、即ち、X軸の回り及びY軸の回りにのみ揺動し、Z軸の回りに揺動することを防止するので、極めて高精度で、手振れを補正することができる。
次に、図11乃至14を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図11は本発明の第3実施形態に係る手振れ補正装置を示す斜視図、図12は固定側ユニットと可動側ユニットとを分離して示す斜視図、図13は本実施形態の手振れ補正装置を分解して示す斜視図、図14は図13の上下方向を逆にして示す分解斜視図である。図11乃至図14において、図1乃至図7と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。第1実施形態は、アクチュエータにステッピングモータ50,60を使用しているので、オープンループで制御可能である。この場合に、モータに入力するパルス数によって回転する角度が決定されるが、角度の絶対位置は分からないので、予め基準位置(回転角度の中心位置)を手ぶれ補正装置に記憶させなければならない。しかしながら、この基準位置が使用中にずれてしまった場合、手ぶれ補正装置は認識することができないので、正常な制御ができなくなる。そこで、基準位置があっているかどうかを検知するセンサを設ければ、仮にずれが発生してしまっても、後から修正が可能である。第3実施形態は、この基準位置からのずれを検出して修正することができるものである。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、ステッピングモータ50,60の回転により、その軸方向に移動するナット51,61の近傍に、夫々位置センサ80,81を設け、ナット51,61に突起52、62を設けたことにある。なお、位置センサ80,81は位置センサフレーム82に所定の配置関係で設置される。これらの位置センサ80,81は、フォトインタラプタを構成するものであり、ナット51,61の突起54,64が位置センサ80,81の検出範囲内(手振れの制御範囲内)にあるときは、センサの出力をオフにし、ナット51,61が位置センサ80,81の検出範囲から外れた場合には、センサの出力をオンにする。そして、位置センサ80,81の出力がオフからオンに切り替わったときに、その位置を基に、可動側ユニット30の基準位置を、例えば、検出範囲内の中央位置に、決める。なお、可動側ユニット30の位置は、ナット51,61の位置により決まる。よって、ナット51,61の位置を検出することにより、可動側ユニット30の位置を把握することができる。
前述の如く、フォトインタラプタとナット51,61との関係は、制御範囲ではナット51,61がフォトインタラプタに飛び込んだ状態にし(センサ・オフ)、制御範囲を超える位置でフォトインタラプタのセンサがオンになるように設定する。つまり、フォトインタラプタがオフからオンになるまで、ステッピングモータを一定方向に回転させ、オンになった位置を基に基準位置を決めることができる。
このようにして、ナット51,61の位置をフォトインタラプタにより検出し、ナットに設けた突起54,64がフォトインタラプタ内に位置する状態でフォトインタラプタをオフとして、手振れ制御範囲(検出範囲)とし、突起54,64がフォトインタラプタから外れたときに、フォトインタラプタをオンにして、オフからオンに移行する位置を基に可動側ユニット30の基準位置を決めることができる。このため、ステッピングモータの回転数等から把握される可動側ユニットの基準位置が、当初の基準位置からずれてしまってもそれを元に戻すことができる。
従って、本実施形態においては、可動側ユニット30の基準位置を検知することが可能となる。よって、本実施形態においては、可動側ユニット30の基準位置を検知する位置センサ80,81を追加したことにより、基準位置がずれてしまっても修正が可能になり、不具合の発生を防ぐことが可能となる。また、あらかじめ基準位置を装置に記憶させる必要が無くなり、生産性が向上する。また、ステッピングモータのリードスクリュー上のナットを検知するため、誤差が少なく、かつ省スペースでの実装が可能である。
なお、上記実施形態では、ナット51,61に設けた突起54,64がフォトインタラプタ(位置センサ80,81)内に位置する状態でフォトインタラプタをオフとして、手振れ制御範囲とし、突起がフォトインタラプタから外れたときに、フォトインタラプタをオンにして、オフからオンに移行する位置を基に可動側ユニットの基準位置を決めたが、これに限らず、ナット51,61に設けた突起54,64がフォトインタラプタ(位置センサ80,81)内に位置する状態でフォトインタラプタをオンとして、手振れ制御範囲(検出範囲)とし、突起がフォトインタラプタから外れたときに、フォトインタラプタをオフにして、オンからオフに移行する位置を基に可動側ユニットの基準位置を決めても良い。
本発明は、図15(a)に示すようなカメラ機能付き携帯電話機端末110の像振れ補正機構111、図15(b)に示すようなデジタルカメラ120の像振れ補正機構121の他、ビデオカメラ等においても、手振れによる影響を除いて、鮮明な画像を得るために使用することができる。
本発明の第1実施形態に係る手振れ補正装置を示す斜視図である。 固定側ユニットと可動側ユニットとを分離して示す斜視図である。 手振れ補正装置の分解斜視図である。 図3の上下方向を逆にして示す分解斜視図である。 図5(a)は本実施形態のヒンジの構造を示す側断面図、図5(b)は凸部を示す側断面図、図5(c)は凹部を示す側断面図である。 比較例のヒンジ構造を示す側断面図である。 図7(a)は本実施形態の手振れ補正装置を示す平面図、図7(b)はそのB−B線による断面図、図7(c)はそのA−A線による断面図、図7(d)はそのC−C線による断面図である。 本実施形態の効果を示す模式図である。 本発明の第2実施形態を示し、本実施形態の手振れ補正装置の下面を後方から見た斜視図である。 同じくその分解斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る手振れ補正装置を示す斜視図である。 固定側ユニットと可動側ユニットとを分離して示す斜視図である。 本実施形態の手振れ補正装置を分解して示す斜視図である。 図13の上下方向を逆にして示す分解斜視図である。 図15(a)、(b)は本発明が適用可能な電子機器を示す図である。 図16(a)乃至(c)は、レンズシフト方式による手振れ補正の原理を示す断面図である。 図17(a)乃至(c)は、センサシフト方式による手振れ補正の原理を示す断面図である。
符号の説明
1:ヒンジ、2:受け部、2a:凹面、3:凸部、3a:凸面、5:接触部、10:固定側ユニット、11:フレーム、30:可動側ユニット、31:カメラユニット、32:コネクタ、33:基板、4
0:可動側フレーム、43:突出部、50、60:ステッピングモータ、51、61:ナット、52,62;リードスクリューシャフト、54,64:突起、63:凸部、70:板バネ、71:基部、72:バネ部、80,81:位置センサ、82:センサフレーム、200:カメラケース、201:鏡筒、202:レンズ、203:センサ、204:ジャイロセンサ、205:レリーズボタン

Claims (11)

  1. 本体側に固定される固定側ユニットと、 レンズ及び撮像素子が一体的に設けられたカメラユニットを含む可動側ユニットと、 前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットの一方に設けられた滑らかに湾曲するか又は円錐状の凹面からなる受け部並びに前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットの他方に設けられた滑らかな凸面からなる凸部を有し前記受け部及び前記凸部が相互に係合して前記固定側ユニットと前記可動側ユニットとを相互に揺動可能に連結する1個のヒンジと、 このヒンジにおける前記受け部と前記凸部との係合が外れないように前記固定側ユニット及び前記可動側ユニットを支持する支持部材と、 前記可動側ユニットの2箇所に作用して前記ヒンジを連結点として前記可動側ユニットを前記固定側ユニットに対して揺動させる2個の駆動部材と、 カメラ本体の振れを検出する振れ検出部と、 前記振れ検出部が検出したカメラの振れ量を基に前記駆動部材を駆動して前記可動側ユニットを前記固定側ユニットに対して前記カメラの振れを打ち消すように揺動させる制御部と、を有し、 前記凸部の凸面は前記受け部の凹面の最深部に接触せず、前記凹面と前記凸面とは円輪状で線接触するか、又は円輪状で面接触することを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記駆動部材は、前記固定側ユニットに設けられ、前記可動側ユニットに対しその2箇所で相互に平行の方向に応力を印加して前記可動側ユニットを揺動させることを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
  3. 前記駆動部材の駆動により、前記カメラユニットはその光軸の方向が基本軸を中心として動くように揺動し、前記ヒンジを原点位置とするX軸,Y軸,Z軸直交座標系において、前記Z軸を前記基本軸の方向としたとき、前記2個の駆動部材は、前記Y軸を挟んで対称の位置にて前記Z軸方向を前記応力の印加方向とするように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の手振れ補正装置。
  4. 前記支持部材は、前記固定側ユニットの前記ヒンジ側の側面に重ねられる基部と、この基部に対して垂直方向に延出して前記可動側ユニットの下面に重ねられる長尺のバネ部とを有し、前記基部と前記バネ部との間で前記可動側ユニットを支持する板バネであることを特徴とする請求項3に記載の手振れ補正装置。
  5. 前記バネ部は、前記基部からY軸方向に延びており、 前記可動側ユニットには、前記ヒンジをとおるY軸上の前記ヒンジの反対側の位置にY軸方向に突出する係止突起が設けられており、 前記固定側ユニットには、前記ヒンジをとおるY軸上の前記ヒンジの反対側の位置にZ方向に延びる係止溝が形成されており、 前記係止突起を前記係止溝に嵌合することにより、前記可動側ユニットが前記固定側ユニットによりY軸及びX軸の回りに揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の手振れ補正装置。
  6. 前記駆動部材は、 リードスクリューシャフトを回転させるステッピングモータと、 前記リードスクリューシャフトに螺合されそれ自体は前記固定側ユニットに対して回転しないナットと、 前記可動側ユニットと前記ナットとを連結する連結部と、を有し、 前記ステッピングモータの回転により前記ナットは、前記リードスクリューシャフトの軸方向に移動し、前記連結部を介して連結された可動側ユニットの部分を前記リードスクリューシャフトの軸方向に移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
  7. 更に、前記ナットの位置を検出するフォトインタラプタを有し、 前記ナットに設けた突起が前記フォトインタラプタ内に位置する状態で前記フォトインタラプタをオフ又はオンとして、手振れ制御範囲とし、 前記突起が前記フォトインタラプタから外れたときに、前記フォトインタラプタをオン又はオフにして、 前記オフからオン又はオンからオフに移行する位置を基に、前記可動側ユニットの基準位置を決めることを特徴とする請求項6に記載の手振れ補正装置。
  8. 前記ヒンジの位置は前記カメラユニットの光軸の位置とは異なることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の手振れ補正装置と、この手振れ補正装置を収容する電子機器本体と、を有することを特徴とする電子機器。
  10. 前記電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、前記2個の駆動部材の力点は、重力軸に対して線対称の位置にあるように、前記駆動部材が取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記電子機器の格納状態及び撮影状態の中で最も頻度が多い姿勢において、前記ヒンジの位置は、前記駆動部材の力点よりも、重力方向に関して上側にあることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
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