JP2008191615A - 手振れ補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カメラの手振れを補正する際に、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、補正の制御が容易で、小型化ができるカメラの手ぶれ補正装置を提供すること。
【解決手段】レンズとイメージセンサとを備えたレンズユニット2と、レンズユニット2が取り付けられると共に、固定側部材9に対して直交した2軸回りに回転するようにレンズユニット2を支持する2軸支持機構3a、3bと、固定側部材9に対し、直交した2軸回りに2軸支持機構3a、3bを回転させるアクチュエータ4,5と、カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段6,7と、手振れ検出手段6,7がカメラの振れ量を検出したとき、アクチュエータ4,5を制御して前記振れ量を打ち消すように2軸支持機構3a、3Bを介してレンズユニット2を回転させる制御手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラ等における手振れ補正装置に関する。
一般に、写真を撮影する際に生じる手振れは、レリーズボタンを押して絞りが開いてから閉じるまでの間にカメラが動くことに起因にして、像がぼけたように結像する現象である。そのため、静止画撮影におけるこうした手振れ現象を軽減するための手段としては、特許文献1,2に記載されているような光学式手振れ補正及び特許文献3に記載されているようなセンサーシフト式手振れ補正が従来から行われている。
図17は光学式手振れ補正機構を示している。ここで、カメラケース100は、鏡筒110を有しており、鏡筒110内には、複数のレンズ120が配置され、鏡筒110後端の結像位置には、イメージセンサ130が設けられている。イメージセンサ130は、光学像を画像信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS等の素子である。カメラケース100内には、手振れによるカメラの振れ量を検出する振れ検出手段としてのジャイロセンサ140が取り付けられている。
図17(a)は、レリーズボタン150への押下によって絞りが開いた直後の状態を示している。このとき、被写体像はイメージセンサ130における光軸K上の結像位置Lにあるが、カメラが傾くと、同図(b)で示すように、結像位置Lが光軸Kからずれた位置となる。このとき、ジャイロセンサ140はカメラが動いたことを検出しており、同図(c)の矢印M1で示すように、一部のレンズ120を移動させて光軸Kを曲げることにより、カメラの傾きによる影響を打ち消して、結像位置Lのずれを補正する。
図18はセンサーシフト式手振れ補正機構を示している。同図(a)はレリーズボタン150の押下によって絞りが開いた直後であり、被写体像はイメージセンサ130における光軸K上の結像位置Lにある。そして、カメラが傾くと、同図(b)で示すように、結像位置Lが光軸Kからずれた位置となる。このとき、ジャイロセンサ140はカメラが動いたことを検出しており、同図(c)の矢印M2で示すようにイメージセンサ130を移動させることにより、カメラの傾きによる影響を打ち消して結像位置Lのずれを補正する。
特開2003−57706号公報 特開平6−67255号公報 特開2005−316400号公報
しかしながら、上記の光学式手振れ補正では、レンズを移動させて光軸を曲げる方式であるために、光軸を補正するための設計が難しい問題がある。又、レンズを移動させることから、収差等の問題が発生して光学的な劣化の原因となる。一方、上記のセンサーシフト式手振れ補正では、イメージセンサを移動させることにより光学系との位置を変化させるため、ガタが発生するなどの機械精度への悪影響が懸念される。
さらに、いずれの補正方式においても、カメラ本体の動きを検出するセンサと、レンズやイメージセンサの移動を制御するためのセンサとが必要であるため、制御が複雑となるばかりでなく、センサの数が多く、小型化が難しいという課題がある。加えて、レンズやイメージセンサの仕様が変わった場合には、それらの移動量も変える必要があり、仕様が変わる度にカスタマイズしなければならず、量産効率が悪い問題がある。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、手振れを補正する際に、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、補正の制御が容易で、手振れ補正機能の小型化が可能である手振れ補正装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、レンズとイメージセンサとを備えたレンズユニットと、レンズユニットが取り付けられると共に、固定側部材に対して直交した2軸回りに回転するように前記レンズユニットを支持する2軸支持機構と、前記固定部材に対し、2軸支持機構を直交した2軸回りに回転させるアクチュエータと、カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したときに、前記アクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように2軸支持機構を介して前記レンズユニットを回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(2)本発明は、(1)の手振れ補正装置について、前記2軸支持機構は、2軸ジンバルであることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(3)本発明は、レンズとイメージセンサとを備えたレンズユニットと、該レンズユニットが取り付けられると共に、球面ヒンジを介して固定側部材に回転可能に支持された支持部材と、前記固定部材と支持部材との間で伸縮作動することにより、前記球面ヒンジを中心に支持部材を回転させるリニアアクチュエータと、カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したときに、前記リニアアクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように支持部材を介して前記レンズユニットを回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(4)本発明は、(3)の手振れ補正装置について、前記支持部材は、弾性部材によって固定側部材に支持されていることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(5)本発明は、(3)の手振れ補正装置について、前記球面ヒンジは、前記レンズユニットの側方に配置されていることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(6)本発明は、レンズとイメージセンサとを備えた鏡筒と、鏡筒が取り付けられると共に、カメラケースに対し直交した2軸回りに鏡筒を回転可能に支持する2軸支持機構と、カメラケースに対し直交した2軸回りに2軸支持機構を回転させるアクチュエータと、回転による鏡筒の角度を検出する回転角検出手段と、カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、該手振れ検出手段が前記カメラの振れ量を検出したときに、前記回転角検出手段の検出角度が前記カメラの振れ量と相応するように前記アクチュエータを制御して2軸支持機構を介し前記鏡筒を回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(7)本発明は、レンズとイメージセンサとを備えた鏡筒と、鏡筒の周方向に配置され、カメラケースに弾性的に当接して鏡筒をカメラケースに対して回転可能に支持する複数の弾性片と、前記鏡筒の周方向に位置するように鏡筒とカメラケースとの間に配置され、前記鏡筒を回転させる複数のアクチュエータと、カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、該手振れ検出手段が前記カメラの振れ量を検出したとき、前記アクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように前記鏡筒を回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
本発明によれば、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、手振れ補正の制御が容易であって小型化ができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態を示し、図1は分解斜視図、図2は斜視図、図3は正面図、断面図及び側面図、図4は手振れ補正の作動を示す側面図である。
本実施形態の手振れ補正装置が適用されるカメラはデジタルカメラであり、このデジタルカメラは、レンズユニット2と、2軸支持機構としての2軸ジンバル3と、アクチュエータ4,5と、手振れ検出手段6,7と、制御手段とを有し、これらが組み付けられた状態でカメラケース(図示省略)内に配置される。
レンズユニット2は、ボックス形状となっており、結像を行うレンズ及びイメージセンサ(いずれも図示省略)が一体的に設けられる。イメージセンサはレンズの光軸上の結像位置に配置される。イメージセンサはレンズからの光学像を画像信号に変換する素子であり、CCD、CMOS等が使用される。このようにレンズ及びイメージセンサをレンズユニット2に一体的に設ける構造では、レンズユニット2が移動すると、レンズ及びイメージセンサがレンズユニット2と一体となって移動するため、レンズユニット2に対するレンズ及びイメージセンサの位置及びレンズとイメージセンサとの相対位置が変化しない。
手ぶれ検出手段6,7は、X軸及びY軸の2軸方向へのカメラの振れ量を検出する手段であり、X軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7によって構成される。これらのジャイロセンサ6,7は、レンズユニット2に取り付けたブラケット10に取り付けられている。
2軸支持機構としての2軸ジンバル3は、X軸回転用ジンバル3a及びY軸回転用ジンバル3bからなり、これらが回転することにより直交した2軸(X軸及びY軸)回りに回転可能となっている。ここで、2軸ジンバル3は固定側部材である固定用フレーム9の内側に配置され、図示する形態において、固定用フレーム9は4角形となっており、X軸回転用ジンバル3a及びY軸回転用ジンバル3bは固定用フレーム9と相似した4角形となっている。
固定用フレーム9には、X軸11が取り付けられており、X軸回転用ジンバル3aがX軸11に連結された状態で固定用フレーム9の内部に設けられることによりX軸回りに回転可能となっている。X軸回転用ジンバル3aには、Y軸12が取り付けられており、Y軸回転用ジンバル3bがY軸12に連結された状態でX軸回転用ジンバル3aの内部に設けられることによりY軸回りに回転可能となっている。レンズユニット2は、2軸ジンバル3の内のY軸回転用ジンバル3bに支持されており、2軸ジンバル3は固定用フレーム9に対してX軸11及びY軸12回りに回転するようにレンズユニット2を支持している。
アクチュエータ4,5は、X軸回転用モータ4及びY軸回転用モータ5によって形成される。X軸回転用モータ4はX軸11と対向した位置となるように固定用フレーム9に取り付けられており、その回転軸がX軸回転用ジンバル3aに連結されている。従って、X軸回転用モータ4が駆動することによりX軸回転用ジンバル3aが回転し、レンズユニット2がX軸11回りに回転する。Y軸回転用モータ5はY軸12と対向した位置となるようにX軸回転用ジンバル3aに取り付けられており、その回転軸がY軸回転用ジンバル3bに連結されている。従って、Y軸回転用モータ5が駆動することによりY軸回転用ジンバル3bが回転し、レンズユニット2がY軸12回りに回転する。
図1及び図2において、14はT字形となって固定用フレーム9からX軸回転用ジンバル3aに向かって延びる板ばねからなる弾性板である。弾性板14は固定用フレーム9に対してX軸回転用ジンバル3aを定位置へのセット状態とするように作用する。又、15は、T字形となってX軸回転用ジンバル3aからY軸回転用ジンバル3bに向かって延びる板ばねからなる弾性板であり、X軸回転用ジンバル3aに対してY軸回転用ジンバル3bを定位置へのセット状態とするように作用する。
制御手段は、X軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7がカメラの振れ量を検出したときに、X軸回転用モータ4及びY軸回転用モータ5を制御してカメラの振れ量を打ち消すように2軸支持機構3を介してレンズユニット2を回転させる。この回転により、手振れを補正できる。
以上のレンズユニット2、X軸用ジャイロセンサ6、Y軸用ジャイロセンサ7、2軸ジンバル3、X軸回転用モータ4、Y軸回転用モータ5からなる構成部品は固定用フレーム9に組み付けられる。固定用フレーム9はカメラケースに固定されるものであり、従って、以上の構成部品がカメラケースに設けられる。
本実施形態による手振れ補正を図4により説明する。
図4は手振れが水平軸(X軸)N回りに発生した場合を説明するものである。同図(a)は、レリーズボタン(図示省略)の押下によって絞りが開いた直後の状態を示し、このとき、カメラが下方に回転して傾くと、同図(b)で示すようにレンズの光軸Kが水平軸Nから下方に傾く。X軸用ジャイロセンサ6はこの動きに基づいてカメラの振れ量を検出し、制御手段に出力する。制御手段は、X軸回転用モータ4を駆動して、振れ量を打ち消すようにX軸回転用ジンバル3aを回転させる。これによりレンズユニット2がX軸回りに回転し、レンズ及びセンサユニットが振れ量を打ち消すように一体的に回転して、同図(c)で示すように、光軸Kが水平軸Nと一致して手振れを補正することができる。
以上のように、2軸支持機構をX軸回転用ジンバル3a及びY軸回転用ジンバル3bによって構成することにより、レンズユニット2を直交する2軸回りに正確に回転させることができる。
なお、図4は水平軸に対して回転した手振れを説明したが、垂直軸(Y軸)回りに回転した手振れに対しては、Y軸用ジャイロセンサ7、Y軸回転用モータ5及びY軸回転用ジンバル3bが駆動して手振れを補正する。又、水平軸及び垂直軸に対し、複合して手振れが発生した場合には、X軸用ジャイロセンサ6、X軸回転用モータ4、X軸回転用ジンバル3a及びY軸用ジャイロセンサ7、Y軸回転用モータ5、Y軸回転用ジンバル3bが駆動して手振れを補正する。
したがって、本実施形態によれば、レンズとイメージセンサとが一体となって回転して手振れを補正するため、光学式手振れ補正のような光学的な劣化が発生しないと共に、センサーシフト式手振れ補正のような機械精度への悪影響も発生しない。又、使用するセンサとして、カメラの動きを検出するジャイロセンサ6,7だけとなり、センサの数を少なくでき、制御が容易となり、小型化も可能となる。さらには、レンズやイメージセンサの仕様が変わっても、レンズやイメージセンサを一体的に回転させて手振れを補正する基本制御のため、汎用性が高く、量産効率が向上する。
<第2の実施形態>
図5及び図6は、本発明の第2の実施形態を示し、図5は斜視図、図6は側面図である。
本実施形態では、2軸支持機構3を回転させるアクチュエータとしてリニアアクチュエータを用いている。図5及び図6において、固定用フレーム9にX軸用リニアアクチュエータ17が取り付けられ、X軸回転用ジンバル3aにY軸用リニアアクチュエータ18が取り付けられている。又、X軸用リニアアクチュエータ17に対向するように、X軸回転用ジンバル3aには、受板19が設けられ、Y軸用リニアアクチュエータ18に対向するように、Y軸回転用ジンバル3bに受板20が設けられている。
このような構造では、X軸用リニアアクチュエータ17が駆動して受板19を押すと、X軸回転用ジンバル3aがX軸回りに回転し、Y軸用リニアアクチュエータ18が駆動して受板20を押すと、Y軸回転用ジンバル3bがY軸回りに回転し、これらによりレンズユニット2が回転するため手振れを補正できる。一般に、手振れは、±1〜2°程度の回転であるため、本実施形態のように、リニアアクチュエータによる手振れ補正も可能となる。
<第3の実施形態>
図7〜図9は、本発明の第3の実施形態を示し、図7は分解斜視図、図8は斜視図、図9は正面図、断面図及び側面図である。
レンズユニット2には、レンズ及びイメージセンサが一体的に設けられている。又、レンズユニット2には、ブラケット10が取り付けられ、ブラケット10に手ぶれ検出手段としてのX軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7が取り付けられている。
レンズユニット2は支持部材としてのジンバル22に固定される。ジンバル22は平板形状となっており、固定側部材である平板状の固定用フレーム9に対面した状態で同フレーム9に装着される。ジンバル22は、弾性部材23によって固定用フレーム9に装着される。弾性部材23は圧縮コイルばねからなり、少なくとも2箇所でジンバル22及び固定用フレーム9に掛け渡されることにより、ジンバル22が固定用フレーム9に接近するように付勢した状態でシンバル22を固定用フレーム9に支持する。弾性部材23によってジンバル22を支持することにより、回転し易い状態でジンバルを支持できる。
ジンバル22には、レンズユニット2に加えてアクチュエータであるリニアアクチュエータ25,26が固定される。リニアアクチュエータ25,26はジンバル22に固定されることにより、ジンバル22とレンズユニット2のブラケット10とに挟まれた状態となる。リニアアクチュエータ25,26は離隔しており、そのロッド25a、26aがジンバル22に離隔して形成されたロッド孔28を貫通して固定用フレーム9に当接している。従って、リニアアクチュエータのロッド25a、26aが伸縮すると、リニアアクチュエータ25,26はその部分でジンバル22と固定用フレーム9との距離が変わるように作用する。
さらに、ジンバル22及び固定用フレーム9には、球面ヒンジ30が設けられる。球面ヒンジ30は、固定用フレーム9及びジンバル22の対向位置に形成された受け座31,32と、受け座31,32に挟まれるボール33とによって形成される。受け座31,32は凹球面となっており、ボール33を回転可能に挟むことができる。球面ヒンジ30はリニアアクチュエータ25,26の間に位置するように設けられており、いずれか又は双方のリニアアクチュエータ25,26が伸縮すると、ボール33を中心にジンバル22が回転し、レンズユニット2が一体に回転する。
したがって、本実施形態によれば、X軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7がカメラの振れ量を検出する。そして、カメラの振れ量が検出されると、制御手段はリニアアクチュエータ25,26を伸縮駆動して振れ量を打ち消すようにジンバル22すなわちレンズユニット2を回転させて手振れを補正する。よって、光学式手振れ補正のような光学的な劣化が発生しないと共に、センサーシフト式手振れ補正のような機械精度への悪影響も発生しない。又、手振れを検出するジャイロセンサ6,7だけで済み、センサの数を少なくでき、制御が容易となり、小型化もでき、さらには汎用性が高く、レンズやイメージセンサの仕様が変わっても、量産効率が向上する。
特に、本実施形態では、ジンバル22(レンズユニット2)の回転を回転させる機構として、球面ヒンジ30を用いているため、構造が複雑な2軸ジンバル3(図1〜図6参照)が不要となる。これにより、機構を簡素化できるため、さらに小型軽量化が可能となり、製造も容易となる。
<第4の実施形態>
図10〜図12は、本発明の第4の実施形態を示し、図10は分解斜視図、図11は斜視図、図12は正面図、断面図及び側面図である。
本実施形態は、第3の実施形態に対して変更を加えるものであり、固定用フレーム9に対してジンバル22を回転可能に支持する球面ヒンジ30がレンズユニット2の側方に配置されている。球面ヒンジ30は、受け座31,32と、受け座31,32に挟まれるボール33とによって形成されるが、固定用フレーム9側の受け座31が同フレーム9から起立したピン状となっており、その先端部分に凹球面が形成されている。このような球面ヒンジ30においても、ジンバル22、すなわちレンズユニット2を回転させて手振れを補正することができる。
したがって、本実施形態によれば、球面ヒンジ30をレンズユニット2の側方に配置することにより、レンズユニット2と固定用フレーム9とを接近させることができる。すなわち図10に示すように、固定用フレーム9にレンズユニット2の先端部分が挿入可能な開口部35を形成し、開口部35にレンズユニット2を挿入することにより、ジンバル22(レンズユニット2)を固定用ユニット9に対して、接近させて組み付けることができる。これにより、カメラ全体を薄くできるメリットがある。
<第5の実施形態>
図13及び図14は、本発明の第5の実施形態を示し、図13は部分破断斜視図、図14は正面図及び断面図である。
カメラケース41には、鏡筒42が取り付けられている。鏡筒42は後部がカメラケース41内に挿入されており、鏡筒42の内部には、複数のレンズ43が配置されている。カメラケース41の内部に挿入されている鏡筒42の後端部には、イメージセンサ44が配置されている。イメージセンサ44はレンズ43の光軸上の結像位置に配置されており、レンズ43からの光学像をイメージに変換する。以上により、鏡筒42はレンズ43とイメージセンサ44とを一体に備えるものである。
鏡筒42は、カメラケース41の内部に設けた2軸支持機構により、X(水平)及びY(垂直)の直交した2軸回りに回転可能に支持される。2軸支持機構はジンバル45(図14(b)参照)及び鏡筒42から外部に突出した突起部51(図14(c)参照)によって形成されている。
図14(b)に示すように、ジンバル45は鏡筒42が挿入されることにより鏡筒42を支持する。ジンバル45は外側に延びるシャフト部45aを有しており、一端側のシャフト部45aがカメラケース41に取り付けられたY軸用アクチュエータ46に連結され、他端側のシャフト部45aにはY軸用ロータリーエンコーダ47が取り付けられる。Y軸用アクチュエータ46が駆動することにより、ジンバル45はY軸回りに回転し、鏡筒42がシンバル45と一体的にY軸回りに回転する。この回転はY軸用ロータリーエンコーダ47によって検出される。
また、図14(c)に示すように、鏡筒42における一端側の突起部51が、X軸用アクチュエータ48に連結され、他端側の突起部51には、X軸用ロータリーエンコーダ49が取り付けられる。X軸用アクチュエータ48が駆動することにより、鏡筒42がX軸回りに回転し、この回転はX軸用ロータリーエンコーダ49によって検出される。以上の構造では、鏡筒42の回転がY軸用ロータリーエンコーダ47及びX軸用ロータリーエンコーダ49によって検出される。これらのロータリーエンコーダ47,49は鏡筒42の回転角度を検出する回転角検出手段を構成する。
なお、図示を省略するが、X軸ジャイロセンサ、Y軸ジャイロセンサからなるカメラの振れ量を検出する手振れ検出手段がカメラケース41の内部に設けられる。この手振れ検出手段は制御手段(図示省略)に接続されており、手振れ検出手段が手振れを検出すると、制御手段によって手振れの補正が行われる。
本実施形態においては、レリーズボタン50の押下によって絞りが開いた後に、カメラが下方に回転して傾くと、X軸用ジャイロセンサがカメラの振れ量を検出し、制御手段に出力する。制御手段は、X軸用アクチュエータ48を駆動して、鏡筒42を回転させる。鏡筒42の回転はX軸用ロータリーエンコーダ49によって検出されて制御手段に出力される。このことにより、鏡筒42の回転がリアルタイムで監視されてフィードバック制御される。すなわち、X軸用ロータリーエンコーダ49の検出角度が手振れによる振れ量に相当したとき、制御手段はX軸用アクチュエータ48の駆動を停止させ、これにより手振れの補正が行われる。なお、カメラに水平方向への手振れが発生したときは、Y軸用ジャイロセンサ、Y軸用アクチュエータ46、Y軸用ロータリーエンコーダ47によって手振れの補正が行われ、垂直方向及び水平方向が複合した手振れが発生したときは、X軸用ジャイロセンサ、X軸用アクチュエータ48、X軸用ロータリーエンコーダ49及びY軸用ジャイロセンサ、Y軸用アクチュエータ46、Y軸用ロータリーエンコーダ47が駆動して手振れを補正する。
したがって、本実施形態によれば、鏡筒42の回転によってレンズとイメージセンサとが一体となって回転して手振れを補正するため、光学的な劣化や機械精度への悪影響が発生しない。又、センサとしては、カメラの動きを検出するジャイロセンサだけとなるため、センサの数を少なくでき、制御が容易となり、小型化も可能となる。さらには、鏡筒42と共にレンズやイメージセンサを回転させて手振れを補正するため、汎用性が高く、量産効率が向上する。
<第6の実施形態>
図15及び図16は、本発明の第6の実施形態を示し、図15は背面図、図16は背面からの部分破断斜視図である。
鏡筒42には、レンズ(図示省略)及びイメージセンサ44が一体に取り付けられる。鏡筒42におけるカメラケース41への挿入部分には、弾性片53が形成されている。弾性片53は鏡筒42の周方向に沿って複数が形成されている。又、弾性片53は鏡筒42の外方に向けて延びており、鏡筒42をカメラケース41に固定するための固定用リング54を貫通している。一方、カメラケース41側には、複数の凸部55を周方向に有したリング体56が設けられており、複数の弾性片53は、対応した凸部55に当接し、この当接によってカメラケース41に対して鏡筒42を回転可能に弾性的に支持している。
カメラケース41には、リニアアクチュエータ57が設けられる。リニアアクチュエータ57は鏡筒42の周方向に位置するように複数が設けられる。一方、鏡筒42の外面には、外方に突出するフランジ片58が周方向に沿って形成されており、リニアアクチュエータ57は対応しているフランジ片58に当接する。なお、図示を省略するが、X軸ジャイロセンサ、Y軸ジャイロセンサからなるカメラの振れ量を検出する手振れ検出手段がカメラケース41の内部に設けられ、この手振れ検出手段は手振れを補正する制御手段(図示省略)に接続されている。
上記構造において、手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出すると、制御手段はその振れ量を打ち消すように、リニアアクチュエータ57を個別に伸縮させて鏡筒42を回転させ、手振れを補正する。したがって、本実施形態によれば、鏡筒42を回転させるためにジンバル機構を組み込む必要がなくなる。そのため、小型化及び軽量化が可能となる。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明の第1の実施形態の正面図、A−A線断面図、側面図、B−B線断面図である。 (a)、(b)、(c)本発明の第1の実施形態の作動を説明する側面図である。 本発明の第2の実施形態の斜視図である。 本発明の第2の実施形態の側面図である。 本発明の第3の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態の斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明の第3の実施形態の正面図、D−D線断面図、下からの側面図、右側面図である。 本発明の第4の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態の斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明の第4の実施形態の正面図、E−E線断面図、側面図、F−F線断面図である。 本発明の第5の実施形態の背面からの部分破断斜視図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第5の実施形態の正面図、G−G線断面図、H−H線断面図である。 本発明の第6の実施形態の部分破断背面図である。 本発明の第6の実施形態の部分破断斜視図である。 (a)、(b)、(c)は光学式手振れ補正機構の作動を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)はセンサーシフト式手振れ補正機構の作動を示す断面図である。
符号の説明
2・・・レンズユニット、3・・・2軸ジンバル、3a・・・X軸回転用ジンバル、3b・・・Y軸回転用ジンバル、4・・・X軸回転用モータ、5・・・Y軸回転用モータ、6・・・X軸用ジャイロセンサ、7・・・Y軸用ジャイロセンサ、9・・・固定用フレーム、11・・・X軸、12・・・Y軸、17・・・X軸用リニアアクチュエータ、18・・・Y軸用リニアアクチュエータ、22・・・ジンバル、23・・・弾性部材、25,26・・・リニアアクチュエータ、30・・・球面ヒンジ、31,32・・・受け座、33・・・ボール、41・・・カメラケース、42・・・鏡筒、43・・・レンズ、44・・・イメージセンサ、45・・・ジンバル、46・・・Y軸用アクチュエータ、47・・・Y軸用ロータリーエンコーダ、48・・・X軸用アクチュエータ、49・・・X軸用ロータリーエンコーダ、53・・・弾性片、57・・・リニアアクチュエータ

Claims (7)

  1. レンズとイメージセンサとを備えたレンズユニットと、
    レンズユニットが取り付けられると共に、固定側部材に対して直交した2軸回りに回転するように前記レンズユニットを支持する2軸支持機構と、
    前記固定部材に対し、2軸支持機構を直交した2軸回りに回転させるアクチュエータと、
    カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、
    該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したときに、前記アクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように2軸支持機構を介して前記レンズユニットを回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記2軸支持機構は、2軸ジンバルであることを特徴とする請求項1記載の手振れ補正装置。
  3. レンズとイメージセンサとを備えたレンズユニットと、
    該レンズユニットが取り付けられると共に、球面ヒンジを介して固定側部材に回転可能に支持された支持部材と、
    前記固定部材と支持部材との間で伸縮作動することにより、前記球面ヒンジを中心に支持部材を回転させるリニアアクチュエータと、
    カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、
    該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したときに、前記リニアアクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように支持部材を介して前記レンズユニットを回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正装置。
  4. 前記支持部材は、弾性部材によって固定側部材に支持されていることを特徴とする請求項3記載の手振れ補正装置。
  5. 前記球面ヒンジは、前記レンズユニットの側方に配置されていることを特徴とする請求項3記載の手振れ補正装置。
  6. レンズとイメージセンサとを備えた鏡筒と、
    鏡筒が取り付けられると共に、カメラケースに対し直交した2軸回りに鏡筒を回転可能に支持する2軸支持機構と、
    カメラケースに対し直交した2軸回りに2軸支持機構を回転させるアクチュエータと、
    回転による鏡筒の角度を検出する回転角検出手段と、
    カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、
    該手振れ検出手段が前記カメラの振れ量を検出したときに、前記回転角検出手段の検出角度が前記カメラの振れ量と相応するように前記アクチュエータを制御して2軸支持機構を介し前記鏡筒を回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正装置。
  7. レンズとイメージセンサとを備えた鏡筒と、
    鏡筒の周方向に配置され、カメラケースに弾性的に当接して鏡筒をカメラケースに対して回転可能に支持する複数の弾性片と、
    前記鏡筒の周方向に位置するように鏡筒とカメラケースとの間に配置され、前記鏡筒を回転させる複数のアクチュエータと、
    カメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、
    該手振れ検出手段が前記カメラの振れ量を検出したとき、前記アクチュエータを制御して前記カメラの振れ量を打ち消すように前記鏡筒を回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正装置。
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