JP2009200522A - GaN系半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】フリップチップ型のGaN系発光素子において、周囲媒体を考慮し、光取り出し効率をより改善すること。
【解決手段】GaN系半導体からなる発光層23を含んだ積層体2が基板1の上面に形成され、フリップチップ実装可能な構成とされた、フリップチップ型のGaN系半導体発光素子であって、該基板1の下面には、凹凸構造体3が形成されている。凹凸構造体の材料には、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性の材料が選択されている。これによって光はより多く外界に導き出される。
【選択図】図1
【解決手段】GaN系半導体からなる発光層23を含んだ積層体2が基板1の上面に形成され、フリップチップ実装可能な構成とされた、フリップチップ型のGaN系半導体発光素子であって、該基板1の下面には、凹凸構造体3が形成されている。凹凸構造体の材料には、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性の材料が選択されている。これによって光はより多く外界に導き出される。
【選択図】図1
Description
本発明は、GaN系半導体発光素子に関するものであり、とりわけ光取り出し効率が改善されたフリップチップ型の素子構造に関する。
GaN系半導体発光素子は、少なくとも発光層の材料としてGaN系半導体を用いた発光素子である。
GaN系半導体とは、式AlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体である。前記式中の組成比a、bを選択することによって、例えば、GaN、AlGaN、InGaN、AlInGaNなど、2元〜4元の任意の混晶が得られる。ここで、3族元素の一部を、B(ホウ素)、Tl(タリウム)等で置換したものや、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)等で置換したものもGaN系半導体に含まれる。
以下、「GaN系半導体」を「GaN系」とも略し、GaN系結晶、GaN系発光素子、GaN系LEDなどのように用いて、従来技術および本発明の説明を行う。
GaN系半導体とは、式AlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体である。前記式中の組成比a、bを選択することによって、例えば、GaN、AlGaN、InGaN、AlInGaNなど、2元〜4元の任意の混晶が得られる。ここで、3族元素の一部を、B(ホウ素)、Tl(タリウム)等で置換したものや、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)等で置換したものもGaN系半導体に含まれる。
以下、「GaN系半導体」を「GaN系」とも略し、GaN系結晶、GaN系発光素子、GaN系LEDなどのように用いて、従来技術および本発明の説明を行う。
GaN系発光素子の最も代表的な素子構造としては、図5に示すように、サファイアなどからなる結晶基板100上に、GaN系結晶からなる積層体(この積層体にn型層、発光層、p型層が含まれる)S10を形成し、これにn電極P10、p電極P20を形成した構造が挙げられる。
本明細書では、説明の便宜上、フリップチップ型であっても構造上は基板の上側に積層体が位置するものとしている。
本明細書では、説明の便宜上、フリップチップ型であっても構造上は基板の上側に積層体が位置するものとしている。
GaN系発光素子の光取り出し方向は、実装時の素子の姿勢と結び付いており、大きくはフェイスアップ型(通常姿勢で実装するタイプ)とフリップチップ型(上下反転姿勢で実装するタイプ)とに分けられる。
フェイスアップ型は、図5(a)に示すように、基板100をそのまま下側として、実装用基板200上に接合し、積層体S10の側から光を取り出すタイプである。
フリップチップ型は、図5(b)に示すように、基板100が上側になるよう素子の上下を反転し、積層体S10に形成されたn電極P10、p電極P20を、それぞれ実装用基板200上の導体201に直接接合し(フリップチップ実装)、基板100の側から光を取り出すタイプである。フリップチップ型のGaN系発光素子については、例えば、特許文献1に詳しく記載されている。
フェイスアップ型は、図5(a)に示すように、基板100をそのまま下側として、実装用基板200上に接合し、積層体S10の側から光を取り出すタイプである。
フリップチップ型は、図5(b)に示すように、基板100が上側になるよう素子の上下を反転し、積層体S10に形成されたn電極P10、p電極P20を、それぞれ実装用基板200上の導体201に直接接合し(フリップチップ実装)、基板100の側から光を取り出すタイプである。フリップチップ型のGaN系発光素子については、例えば、特許文献1に詳しく記載されている。
フリップチップ型のGaN系発光素子は、実装状態では基板の下面が上を向いて光取り出し面となるため、該基板の下面は、空気や封止用樹脂などの周囲媒体と接することになる。
本発明者等は、従来のフリップチップ型のGaN系発光素子において、光取り出し効率を低下させている次の問題に着目した。
該問題とは、GaN系発光素子に用いられる基板の材料は、一般に上記周囲媒体よりも高い屈折率を有するものであるために、図5(b)に光を矢印で示すように、発光層で発生した光が基板に入り基板下面100bに到達しても、基板下面と周囲媒体との界面で反射され易く、該光が再び素子内部に戻され、光の取り出し効率が低くなっているという問題である。
特許文献1に記載されたフリップチップ型のGaN系発光素子では、上記屈折率差についてなど、基板下面から周囲媒体中への光取り出しの問題については考慮されていない。
本発明者等は、従来のフリップチップ型のGaN系発光素子において、光取り出し効率を低下させている次の問題に着目した。
該問題とは、GaN系発光素子に用いられる基板の材料は、一般に上記周囲媒体よりも高い屈折率を有するものであるために、図5(b)に光を矢印で示すように、発光層で発生した光が基板に入り基板下面100bに到達しても、基板下面と周囲媒体との界面で反射され易く、該光が再び素子内部に戻され、光の取り出し効率が低くなっているという問題である。
特許文献1に記載されたフリップチップ型のGaN系発光素子では、上記屈折率差についてなど、基板下面から周囲媒体中への光取り出しの問題については考慮されていない。
一方、特許文献2では、GaN系発光素子の光取り出し面に、光散乱性の凹凸を表面に有する凹凸構造体を形成することによって、光取り出し効率を向上させる構成が開示されている。該特許文献2に記載されている発光素子は、もっぱらフェイスアップ型の素子であって、具体的に例示されているのは、SiO2やスピネルからなる表面凹凸状の凹凸構造体(凹凸構造体)をGaN系半導体の積層体の表面に形成するという態様である。
しかしながら、本発明者等が特許文献2の上記構成を検討したところ、SiO2やスピネルは、該凹凸構造体を形成すべきベースとなる層(特許文献2ではフェイスアップ型であるためにGaN系半導体)よりも屈折率が低いために、GaN系半導体の表面と該凹凸構造体との界面で、光が再びGaN系半導体側に反射され易いという問題があることがわかった。
しかしながら、本発明者等が特許文献2の上記構成を検討したところ、SiO2やスピネルは、該凹凸構造体を形成すべきベースとなる層(特許文献2ではフェイスアップ型であるためにGaN系半導体)よりも屈折率が低いために、GaN系半導体の表面と該凹凸構造体との界面で、光が再びGaN系半導体側に反射され易いという問題があることがわかった。
本発明の目的は、フリップチップ型のGaN系発光素子において、周囲媒体を考慮し、光取り出し効率をより改善することである。
本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)GaN系半導体からなる発光層を含んだ積層体が基板の上面に形成され、該基板の下面側から光を取り出すようにフリップチップ実装可能な構成とされた、フリップチップ型のGaN系半導体発光素子であって、
該基板の下面には、該基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性の材料からなり光を散乱させ得る凹凸構造体が形成されていることを特徴とする、GaN系半導体発光素子。
(2)上記凹凸構造体の材料が、基板の材料の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料である、上記(1)記載のGaN系半導体発光素子。
(3)上記凹凸構造体が、無機材料からなるものであって、かつ、基板の下面に自発的に凹凸状を呈するように成長させることによって形成されたものである、上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(4)上記凹凸構造体の材料が、GaN系半導体材料である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
(5)上記凹凸構造体の材料が樹脂材料である、上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(6)さらに、上記凹凸構造体を覆って、該凹凸構造体の材料よりも小さい屈折率を有する光透過性の材料からなる低屈折率層が形成されている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
(1)GaN系半導体からなる発光層を含んだ積層体が基板の上面に形成され、該基板の下面側から光を取り出すようにフリップチップ実装可能な構成とされた、フリップチップ型のGaN系半導体発光素子であって、
該基板の下面には、該基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性の材料からなり光を散乱させ得る凹凸構造体が形成されていることを特徴とする、GaN系半導体発光素子。
(2)上記凹凸構造体の材料が、基板の材料の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料である、上記(1)記載のGaN系半導体発光素子。
(3)上記凹凸構造体が、無機材料からなるものであって、かつ、基板の下面に自発的に凹凸状を呈するように成長させることによって形成されたものである、上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(4)上記凹凸構造体の材料が、GaN系半導体材料である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
(5)上記凹凸構造体の材料が樹脂材料である、上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(6)さらに、上記凹凸構造体を覆って、該凹凸構造体の材料よりも小さい屈折率を有する光透過性の材料からなる低屈折率層が形成されている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
本発明のGaN系発光素子の特徴は、基板の下面に、該基板の屈折率と同等以上の屈折率を有する材料からなる凹凸構造体が形成されている点にある。
この基板と凹凸構造体とによる特徴によって、先ず、発光層から発せられた光が、基板の内部側から該基板の下面(基板と凹凸構造体との界面)に到達した際に、凹凸構造体の屈折率が基板の屈折率と同等以上であるために反射が抑制され、該光はより多く凹凸構造体内に進入することができる。
次に、凹凸構造体の外面(凹凸構造体と周囲媒体との界面)が凹凸となっているので、凹凸構造体内に進入した光は、より多く周囲媒体へと出て行くことができる。
よって、本発明のGaN系発光素子では、従来のフリップチップ型の発光素子と比べて、より多くの光を基板の下面側から取り出すことが可能となる。
この基板と凹凸構造体とによる特徴によって、先ず、発光層から発せられた光が、基板の内部側から該基板の下面(基板と凹凸構造体との界面)に到達した際に、凹凸構造体の屈折率が基板の屈折率と同等以上であるために反射が抑制され、該光はより多く凹凸構造体内に進入することができる。
次に、凹凸構造体の外面(凹凸構造体と周囲媒体との界面)が凹凸となっているので、凹凸構造体内に進入した光は、より多く周囲媒体へと出て行くことができる。
よって、本発明のGaN系発光素子では、従来のフリップチップ型の発光素子と比べて、より多くの光を基板の下面側から取り出すことが可能となる。
また、凹凸構造体の屈折率を基板の屈折率よりも大きくすれば、いったん凹凸構造体に入った光が基板内へ再び戻ろうとしても、前記屈折率差によって、光は基板と凹凸構造体との界面で反射され易くなる。即ち、いったん凹凸構造体に入った光は、基板内へは戻り難くなる。
凹凸構造体の材料は後述のとおり無機材料や樹脂材料などであってよいが、無機材料を用いる場合の凹凸構造体の好ましい形成方法の1つとして、無機材料を自発的に凹凸状を呈すように成長させることによって形成する方法が挙げられる。
無機材料は樹脂材料と比較して化学的にも安定であり、エッチング耐性が高いものが多いことから、エッチング加工によって凹凸を形成するには、大きな時間とエネルギーを要するという加工上の問題がある。
これに対して、自発的に凹凸構造へと成長させる方法によれば、無機材料に対する前記の加工上の問題が改善される。
無機材料は樹脂材料と比較して化学的にも安定であり、エッチング耐性が高いものが多いことから、エッチング加工によって凹凸を形成するには、大きな時間とエネルギーを要するという加工上の問題がある。
これに対して、自発的に凹凸構造へと成長させる方法によれば、無機材料に対する前記の加工上の問題が改善される。
またさらに、凹凸構造体の材料を、基板の屈折率と同等以上であるGaN系半導体材料とすることによって、発光層から発せられた光に対して十分に高い透明性が得られ、また、GaN系半導体材料は化学的に極めて安定であることから、耐久性も良好となる。この場合、基板の下面への凹凸構造体の形成法として、GaN系半導体の結晶成長技術を用いることも可能になり、上面側の積層体の形成に用いた設備も活用できる。
また、凹凸構造体の材料を、基板の材料の屈折率と同等以上である樹脂材料(無機材料の粉末を添加した混合物を含む。)とすることもできる。樹脂材料は加工性が良好であるために、形成可能な凹凸構造体の形状の制約が小さくなる。
更に、凹凸構造体を覆って、該凹凸構造体の材料よりも小さい屈折率を有する光透過性の材料からなる低屈折率層を形成すると、凹凸構造体から周囲媒体に向かって、屈折率が段階的に小さくなる構造が形成されるために、凹凸構造体の表面の凹凸形状による効果と相まって、凹凸構造体に入った光は、より多く周囲媒体へと出て行くことができる。
図1は、本発明によるGaN系発光素子の構造を例示した模式図である。
当該発光素子は、基板1の上面にGaN系半導体からなる積層体2が形成された素子構造を有するフリップチップ型のGaN系発光ダイオードであって、基板の下面側から光を取り出すようにフリップチップ実装可能な電極構成となっている。フリップチップ実装を可能とするには、接合の相手方となる実装用基板の導体の態様によっても異なるが、該実装用基板の導体の高さが同じであれば、発光素子のn電極とp電極の高さを同様にそろえておくことが好ましい条件である。
積層体部分の素子構造や電極の構成については、従来のフリップチップ型のGaN系発光ダイオードと同様であって、積層体には、発光層が少なくとも含まれており、これを挟んでp型層、n型層が含まれている。
図1の例では、基板(より具体的には、図ではサファイア基板1)上に、下側から順に第一伝導型層(図ではn型GaNコンタクト層兼クラッド層21)、発光層(図ではInGaN活性層22)、第二伝導型層(図では、p型AlGaNクラッド層23、p型GaNコンタクト層24)が順に気相成長によって積層され、n電極P1、p電極P2が設けられた構成となっている。
当該発光素子は、基板1の上面にGaN系半導体からなる積層体2が形成された素子構造を有するフリップチップ型のGaN系発光ダイオードであって、基板の下面側から光を取り出すようにフリップチップ実装可能な電極構成となっている。フリップチップ実装を可能とするには、接合の相手方となる実装用基板の導体の態様によっても異なるが、該実装用基板の導体の高さが同じであれば、発光素子のn電極とp電極の高さを同様にそろえておくことが好ましい条件である。
積層体部分の素子構造や電極の構成については、従来のフリップチップ型のGaN系発光ダイオードと同様であって、積層体には、発光層が少なくとも含まれており、これを挟んでp型層、n型層が含まれている。
図1の例では、基板(より具体的には、図ではサファイア基板1)上に、下側から順に第一伝導型層(図ではn型GaNコンタクト層兼クラッド層21)、発光層(図ではInGaN活性層22)、第二伝導型層(図では、p型AlGaNクラッド層23、p型GaNコンタクト層24)が順に気相成長によって積層され、n電極P1、p電極P2が設けられた構成となっている。
当該発光素子の特徴は、基板とその下面に設けた凹凸構造体とによって構成した光散乱構造にある。図1に示すように、基板1の下面には、発光層から発せられた光を散乱させ得る凹凸を有する凹凸構造体3が設けられている。ここで重要な点は、凹凸構造のみならず、該凹凸構造体の材料が、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性の材料となっている点にある。
図1(a)、(b)の例は、凹凸構造体の態様が互いに異なっている。図1(a)は、凹凸加工を施すことによってサブトラクティブに形成された凹凸構造体の態様を示しており、図1(b)は、凹凸を自発的に成長させアディティブに形成された凹凸構造体の態様を示している。
図1(a)、(b)の例は、凹凸構造体の態様が互いに異なっている。図1(a)は、凹凸加工を施すことによってサブトラクティブに形成された凹凸構造体の態様を示しており、図1(b)は、凹凸を自発的に成長させアディティブに形成された凹凸構造体の態様を示している。
基板は、GaN系半導体の結晶成長の基礎となった結晶基板(以下、「基礎基板」ともいう)であっても、積層体の上または下に新たに接合された基板(以下、「新基板」ともいう)であってもよい。
以下の説明では、基板が基礎基板である場合、または、該基礎基板が除去されその代わりに新基板が積層体の下に(即ち、基礎基板が存在した側に)接合された場合について説明する。
基礎基板が除去されて、新基板が積層体の上に接合された場合については、基板に対する積層体のp型、n型の位置関係が逆になるが、新基板を素子の下側にあると見なし、新基板を新たに接合した時点の該新基板の上面を下面と見なして、以下の説明を適宜読み替えればよい。また、新基板は、積層体の成長プロセスとは関係無い別の部材であるから、予め別工程においてその一方の主面(素子の下面とする面)に凹凸構造体を形成しておいてもよい。
以下の説明では、基板が基礎基板である場合、または、該基礎基板が除去されその代わりに新基板が積層体の下に(即ち、基礎基板が存在した側に)接合された場合について説明する。
基礎基板が除去されて、新基板が積層体の上に接合された場合については、基板に対する積層体のp型、n型の位置関係が逆になるが、新基板を素子の下側にあると見なし、新基板を新たに接合した時点の該新基板の上面を下面と見なして、以下の説明を適宜読み替えればよい。また、新基板は、積層体の成長プロセスとは関係無い別の部材であるから、予め別工程においてその一方の主面(素子の下面とする面)に凹凸構造体を形成しておいてもよい。
当該発光素子はフリップチップ型であるから、基板の材料は、発光層から発せられた光に対して透明性を有するよう、発光層よりも大きいバンドギャップを有する材料とする。
好ましい基板の材料としては、スピネル(1.7)、サファイア(1.7〜1.8)、ZnO(1.9)、AlN(2.2)、GaN(2.5)、SiC(2.7)などが挙げられるが、これら列挙した材料には限定されず、ZrB2(ホウ化ジルコニウム)など、基板として利用可能な材料であればよい。前記各材料に付したカッコ内の数値は、その材料の屈折率である。
好ましい基板の材料としては、スピネル(1.7)、サファイア(1.7〜1.8)、ZnO(1.9)、AlN(2.2)、GaN(2.5)、SiC(2.7)などが挙げられるが、これら列挙した材料には限定されず、ZrB2(ホウ化ジルコニウム)など、基板として利用可能な材料であればよい。前記各材料に付したカッコ内の数値は、その材料の屈折率である。
基板上にGaN系結晶を成長させる方法は、有機金属気相成長法(MOVPE法)や、ハイドライド気相成長法(HVPE法)、MBE法(分子ビームエピタキシ法)などが挙げられる。
基板上にGaN系結晶層を成長させる際には、基板とGaN系結晶層との間に転位密度を低減させるための公知の構造や手法を介在させてよい。例えば、GaN系低温バッファ層を介在させる成長法、基板面にパターン化したマスクを付与して行うラテラル成長法(後述のELO法、選択成長法などとも呼ばれる)、基板面に凹凸を加工して行う成長法(LEPS法、ファセットLEPS法)などの結晶成長法が挙げられる。また、反射層など種々の機能層を積層体に適宜付与してよい。
基板上にGaN系結晶層を成長させる際には、基板とGaN系結晶層との間に転位密度を低減させるための公知の構造や手法を介在させてよい。例えば、GaN系低温バッファ層を介在させる成長法、基板面にパターン化したマスクを付与して行うラテラル成長法(後述のELO法、選択成長法などとも呼ばれる)、基板面に凹凸を加工して行う成長法(LEPS法、ファセットLEPS法)などの結晶成長法が挙げられる。また、反射層など種々の機能層を積層体に適宜付与してよい。
凹凸構造体の材料としては、発光層から発せられた光に対して透明性を有し、かつ、上記で選択された基板の材料の屈折率と同等以上、好ましくは基板の材料の屈折率よりも大きい屈折率を有するものであればよい。このような条件を満たすものであれば、無機材料であっても樹脂材料であってもよい。
ここで、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率とは、基板の材料の屈折率と厳密に等しい屈折率およびそれより高い屈折率だけを意味するのではなく、基板の材料の屈折率に対して本発明の目的が達成される程度以上の屈折率を意味するものである。より具体的には、凹凸構造体の材料の屈折率が基板の材料の屈折率の95%程度以上であれば、本発明の目的が達成される。よって、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率とは、基板の材料の屈折率の95%程度以上を意味する。
凹凸構造体の材料の屈折率が、基板の材料の屈折率の95%以上のとき、基板と凹凸構造体との界面に基板側から入射する光の全反射角は70°を超えることになる。該界面での全反射角が70°を超えるほど大きくなると、次に説明するように、多くの光を外界に取り出す点で有利になる。
GaN系発光素子の一般的な基板の厚さ(100μm〜数百μm)と幅(300μm〜1mm)との関係を考慮したとき、70°を超えるほど大きい全反射角以上の角度で素子構造内から基板上面を通って基板内へと入射するような光は、基板を厚さ方向に横切って該界面に達する前に(または、いったん該界面に達して全反射された後、再び基板上面に達する前に)、基板の端面に到達し、そこで散乱されて素子外部に出て行く可能性が高い。一方、前記の全反射角よりも小さい角度で素子構造内から基板上面を通って基板内へと入射するような光は、当然に、前記界面から凹凸構造体の内部に進入する。
よって、前記界面に70°を超えるほど大きい全反射角を設定しておけば、より多くの光を全反射させることなく凹凸構造体の内部に進入させることができ、かつ、全反射するような光も基板の端面から外界に出る可能性が高くなり、本発明の目的が好ましく達成し得るものとなるのである。
またさらに、凹凸構造体の材料の屈折率は、反射をより十分に抑制する点からは、基板の材料の屈折率と完全に同一かまたはそれよりも大きい値とすることが好ましく、なかでも、凹凸構造体の材料の屈折率を、基板の材料の屈折率の1.1倍〜1.5倍程度とする態様は、反射を抑制する面からは特に好ましい態様である。
ここで、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率とは、基板の材料の屈折率と厳密に等しい屈折率およびそれより高い屈折率だけを意味するのではなく、基板の材料の屈折率に対して本発明の目的が達成される程度以上の屈折率を意味するものである。より具体的には、凹凸構造体の材料の屈折率が基板の材料の屈折率の95%程度以上であれば、本発明の目的が達成される。よって、基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率とは、基板の材料の屈折率の95%程度以上を意味する。
凹凸構造体の材料の屈折率が、基板の材料の屈折率の95%以上のとき、基板と凹凸構造体との界面に基板側から入射する光の全反射角は70°を超えることになる。該界面での全反射角が70°を超えるほど大きくなると、次に説明するように、多くの光を外界に取り出す点で有利になる。
GaN系発光素子の一般的な基板の厚さ(100μm〜数百μm)と幅(300μm〜1mm)との関係を考慮したとき、70°を超えるほど大きい全反射角以上の角度で素子構造内から基板上面を通って基板内へと入射するような光は、基板を厚さ方向に横切って該界面に達する前に(または、いったん該界面に達して全反射された後、再び基板上面に達する前に)、基板の端面に到達し、そこで散乱されて素子外部に出て行く可能性が高い。一方、前記の全反射角よりも小さい角度で素子構造内から基板上面を通って基板内へと入射するような光は、当然に、前記界面から凹凸構造体の内部に進入する。
よって、前記界面に70°を超えるほど大きい全反射角を設定しておけば、より多くの光を全反射させることなく凹凸構造体の内部に進入させることができ、かつ、全反射するような光も基板の端面から外界に出る可能性が高くなり、本発明の目的が好ましく達成し得るものとなるのである。
またさらに、凹凸構造体の材料の屈折率は、反射をより十分に抑制する点からは、基板の材料の屈折率と完全に同一かまたはそれよりも大きい値とすることが好ましく、なかでも、凹凸構造体の材料の屈折率を、基板の材料の屈折率の1.1倍〜1.5倍程度とする態様は、反射を抑制する面からは特に好ましい態様である。
凹凸構造体に用いられる好ましい無機材料としては、各種金属と、酸素、窒素、リン、ヒ素、炭素などとの化合物が挙げられ、例えば、SnO(2.0)、ZrO2(2.1)、AlN(2.2)、TiO2(2.3〜2.7)、GaN(2.5)、ZnSe(2.6)、SiC(2.7)、InN(2.9)、AlP(3.0)、AlAs(3.2)、GaP(3.5)などが例示される。前記各材料に付したカッコ内の数値は、その材料の屈折率である。組織は結晶質でもガラス質でもよい。
前記無機材料は、発光層の発光波長に合わせて、該発光波長の光が透過し得るものを適宜選択すればよい。
樹脂材料は、凹凸形成が容易である(低いエネルギーで行える)という利点を持つ。樹脂材料に酸化チタン等の微粒子を添加した混合物は、樹脂材料単体よりも屈折率が高くなる。
前記無機材料は、発光層の発光波長に合わせて、該発光波長の光が透過し得るものを適宜選択すればよい。
樹脂材料は、凹凸形成が容易である(低いエネルギーで行える)という利点を持つ。樹脂材料に酸化チタン等の微粒子を添加した混合物は、樹脂材料単体よりも屈折率が高くなる。
凹凸構造体に用いられる好ましい樹脂材料として、例えば、次の材料を本発明のために応用することができる。
(イ)ポリカルボジイミド(全ジイソシアナート残基に対してナフチレン基を5モル%以上含有するもの)。当該材料の屈折率は1.7〜1.8である。当該樹脂材料については、特開2004−244444号公報を参照してよい。
(ロ)チオエポキシ基を持つ化合物と、メルカプト基を持つ化合物とを、混合し重合してなる樹脂材料。当該材料の屈折率は1.7〜1.8である。当該樹脂材料については、特開2003−292624号公報を参照してよい。
(ハ)屈折率のより高い無機材料粉末が添加されることにより、実効的な屈折率が高くされた樹脂材料。例えば、特開2004−115594号公報には、酸化チタン微粒子を分散したアクリル系UV樹脂が開示されている。当該材料の屈折率は1.8である。また、これ以外にも、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等に、酸化チタンその他、前記例示した無機材料の粉末を添加したものが用い得る。また、上記(イ)(ロ)に挙げた樹脂材料に、更に、無機材料の粉末を添加することもできる。
(イ)ポリカルボジイミド(全ジイソシアナート残基に対してナフチレン基を5モル%以上含有するもの)。当該材料の屈折率は1.7〜1.8である。当該樹脂材料については、特開2004−244444号公報を参照してよい。
(ロ)チオエポキシ基を持つ化合物と、メルカプト基を持つ化合物とを、混合し重合してなる樹脂材料。当該材料の屈折率は1.7〜1.8である。当該樹脂材料については、特開2003−292624号公報を参照してよい。
(ハ)屈折率のより高い無機材料粉末が添加されることにより、実効的な屈折率が高くされた樹脂材料。例えば、特開2004−115594号公報には、酸化チタン微粒子を分散したアクリル系UV樹脂が開示されている。当該材料の屈折率は1.8である。また、これ以外にも、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等に、酸化チタンその他、前記例示した無機材料の粉末を添加したものが用い得る。また、上記(イ)(ロ)に挙げた樹脂材料に、更に、無機材料の粉末を添加することもできる。
酸化チタン粉末は、樹脂材料の実効的な屈折率を高くするために添加する無機材料粉末として好適である。
しかし、酸化チタンには光触媒作用があり、GaN系発光素子の発する光で活性化されて、樹脂を分解させる可能性がある。
これを防ぐ方法としては、例えば、使用するGaN系発光素子が発生する光を吸収しない結晶形のものを用いる方法が挙げられる。例えば、発光素子の発光波長が380nm以下の成分を含まない場合には、波長380nm以上の光を吸収しないアナターゼ型の酸化チタンを用いる。
また、他の方法としては、不活性化した酸化チタン粉末を用いる方法が挙げられる。酸化チタン粉末は、例えば、SiO2、Al2O3などの、光触媒活性のない酸化物で表面を被覆することにより、不活性化することができる。
最も好ましいのは、これらの両方の方法を同時に適用することである。
しかし、酸化チタンには光触媒作用があり、GaN系発光素子の発する光で活性化されて、樹脂を分解させる可能性がある。
これを防ぐ方法としては、例えば、使用するGaN系発光素子が発生する光を吸収しない結晶形のものを用いる方法が挙げられる。例えば、発光素子の発光波長が380nm以下の成分を含まない場合には、波長380nm以上の光を吸収しないアナターゼ型の酸化チタンを用いる。
また、他の方法としては、不活性化した酸化チタン粉末を用いる方法が挙げられる。酸化チタン粉末は、例えば、SiO2、Al2O3などの、光触媒活性のない酸化物で表面を被覆することにより、不活性化することができる。
最も好ましいのは、これらの両方の方法を同時に適用することである。
上記の基板材料と凹凸構造体の材料の中から、凹凸構造体の屈折率が基板の材料の屈折率と同等以上となるように、より好ましくは〔基板の材料の屈折率〕≦〔凹凸構造体の屈折率〕を満たすように、特に好ましくは〔基板の材料の屈折率〕<〔凹凸構造体の屈折率〕を満たすように、両者の材料を選択すればよい。
凹凸構造体の凹凸の寸法面での規模や、凹凸パターンは、内部から該凹凸に到達した光を散乱させることができ、より効果的に外界に導くことができるものであればよい。
より具体的な凹凸の寸法、凹凸の断面形状、凹凸の配置パターンは、後述の凹凸構造体の製造方法によっても異なるが、概しては、凹凸の山と谷の高低差(振幅幅)が、0.01μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜10μmである。
凹凸の断面形状は、矩形(台形を含む)波状、三角波状、サインカーブ状などであってよい。凸部は、単発的な突起であっても、稜線状のように連なった突起であってもよい。また、凹部は単発的な穴でも、長く連なった溝であってもよい。凸部(凹部)の大きさは均一であっても、不均一であってもよい。
凹凸面を見たときの凸部(凹部)の配置パターンは、規則的なパターン(単発的な突起がマトリクス状など規則的に配置されたパターン、稜線状の突起が格子状やストライプ状など規則的に配置されたパターンなど)や、不規則的(単発的な突起が梨地状など不規則に配置されたパターン、稜線状の突起が複雑に歪曲し不規則に配置されたパターンなど)でもよい。
凹凸が、稜線状の突起と溝とが交互に並んだストライプ状の配置パターンである場合、凹凸構造体として機能し得る凸部の幅、凹部の幅は、0.01μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜10μmである。凹凸が他の配置パターンの場合にも、概ね前記の寸法と同等の規模であればよい。
より具体的な凹凸の寸法、凹凸の断面形状、凹凸の配置パターンは、後述の凹凸構造体の製造方法によっても異なるが、概しては、凹凸の山と谷の高低差(振幅幅)が、0.01μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜10μmである。
凹凸の断面形状は、矩形(台形を含む)波状、三角波状、サインカーブ状などであってよい。凸部は、単発的な突起であっても、稜線状のように連なった突起であってもよい。また、凹部は単発的な穴でも、長く連なった溝であってもよい。凸部(凹部)の大きさは均一であっても、不均一であってもよい。
凹凸面を見たときの凸部(凹部)の配置パターンは、規則的なパターン(単発的な突起がマトリクス状など規則的に配置されたパターン、稜線状の突起が格子状やストライプ状など規則的に配置されたパターンなど)や、不規則的(単発的な突起が梨地状など不規則に配置されたパターン、稜線状の突起が複雑に歪曲し不規則に配置されたパターンなど)でもよい。
凹凸が、稜線状の突起と溝とが交互に並んだストライプ状の配置パターンである場合、凹凸構造体として機能し得る凸部の幅、凹部の幅は、0.01μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜10μmである。凹凸が他の配置パターンの場合にも、概ね前記の寸法と同等の規模であればよい。
凹凸構造体の主な形成方法としては、次の(A)〜(C)が例示される。
(A)無機材料からなる凹凸構造体をサブトラクティブに形成する方法
先ず、上記無機材料を用い、スパッタリング、蒸着、CVD、スピンコート(ゾル−ゲル法の場合)等の成膜方法(材料によっては各種のエピタキシャル成長法を利用してもよい)によって、基板の下面に凹凸構造体へと加工するためのベース層を平坦に形成する。
次に、前記層の表面に凹凸加工(凹部とする部分を除去する加工)を施すことによって、目的の凹凸構造体を得る。凹凸加工の具体例としては、粗研磨(粗面化)、エッチング等が挙げられる。
(A)無機材料からなる凹凸構造体をサブトラクティブに形成する方法
先ず、上記無機材料を用い、スパッタリング、蒸着、CVD、スピンコート(ゾル−ゲル法の場合)等の成膜方法(材料によっては各種のエピタキシャル成長法を利用してもよい)によって、基板の下面に凹凸構造体へと加工するためのベース層を平坦に形成する。
次に、前記層の表面に凹凸加工(凹部とする部分を除去する加工)を施すことによって、目的の凹凸構造体を得る。凹凸加工の具体例としては、粗研磨(粗面化)、エッチング等が挙げられる。
上記凹凸加工のためのエッチング技術自体は、公知のエッチング法を利用してよく、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。
エッチングによって凹凸を形成するための技法としては、エッチング面に粒子を堆積させ、その粒子をランダムエッチングマスクとして利用することによって、不規則なエッチングパターンを形成する方法(ランダムエッチング)や、フォトレジスト膜にフォトリソグラフィ技法を用いて開口部を形成し、このフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、ドライエッチングあるいはウェットエッチングにより該開口部に凹部を形成する方法などが挙げられる。
また、凹凸構造体へと加工するためのベース層をアモルファス状に形成し、その後、部分的にレーザ照射して結晶化させた後、エッチングすれば、アモルファス部と結晶部のエッチング速度の差によって凹凸を形成することができる。
エッチングによって凹凸を形成するための技法としては、エッチング面に粒子を堆積させ、その粒子をランダムエッチングマスクとして利用することによって、不規則なエッチングパターンを形成する方法(ランダムエッチング)や、フォトレジスト膜にフォトリソグラフィ技法を用いて開口部を形成し、このフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、ドライエッチングあるいはウェットエッチングにより該開口部に凹部を形成する方法などが挙げられる。
また、凹凸構造体へと加工するためのベース層をアモルファス状に形成し、その後、部分的にレーザ照射して結晶化させた後、エッチングすれば、アモルファス部と結晶部のエッチング速度の差によって凹凸を形成することができる。
GaNを無機材料の例として、当該(A)の方法における、凹凸構造体の好ましい形成手順の一例を次に示す。
厚さ100μmのサファイア基板の下面にGaN層(厚さ約5μm)を成長させる。
このとき、該GaN層の厚さおよび成長温度を、後に基板上面に形成する素子の積層体の厚さおよび成長温度と略同じとすると、サファイア基板の両面のGaN系半導体層の厚さ、成長温度が略等しくなるために、GaN系半導体とサファイアとの間の熱膨張係数差による基板の反りが相殺され、フォトリソグラフィ技法を用いた電極形成プロセスが容易となる。
サファイア基板の上面に、バッファ層を介してn型GaN層/InGaN活性層/p型AlGaN層(合計厚さ約5μm)を順次成長し、GaN系LEDの素子構造となる積層体を形成する。
上記積層体に、p電極、n電極を形成する。n電極は、積層体の上面からエッチングによってn型GaN層の一部を露出させた面上に形成する。
基板の下面に形成したGaN層の表面に、エッチングにより深さ2μmの凹部を形成することにより、該GaN層を凹凸構造体とする。
スクライブ(ダイヤモンドスクライブ、レーザスクライブ)とブレーキングとによって素子分離する。
厚さ100μmのサファイア基板の下面にGaN層(厚さ約5μm)を成長させる。
このとき、該GaN層の厚さおよび成長温度を、後に基板上面に形成する素子の積層体の厚さおよび成長温度と略同じとすると、サファイア基板の両面のGaN系半導体層の厚さ、成長温度が略等しくなるために、GaN系半導体とサファイアとの間の熱膨張係数差による基板の反りが相殺され、フォトリソグラフィ技法を用いた電極形成プロセスが容易となる。
サファイア基板の上面に、バッファ層を介してn型GaN層/InGaN活性層/p型AlGaN層(合計厚さ約5μm)を順次成長し、GaN系LEDの素子構造となる積層体を形成する。
上記積層体に、p電極、n電極を形成する。n電極は、積層体の上面からエッチングによってn型GaN層の一部を露出させた面上に形成する。
基板の下面に形成したGaN層の表面に、エッチングにより深さ2μmの凹部を形成することにより、該GaN層を凹凸構造体とする。
スクライブ(ダイヤモンドスクライブ、レーザスクライブ)とブレーキングとによって素子分離する。
サファイア基板は非常に硬いことから、現時点において、コスト面も考慮した好ましい素子分離方法としては、スクライブ線に沿ってブレーキングする方法が挙げられる。しかしこの方法は、厚い積層体ウエハを小さく分割する場合に、割れが素子内へ進行し、製品の歩留りが低下する傾向がある。例えば、チップサイズが500μm角より小さく、素子分離直前のウエハの厚さが200μm以上あるような場合である。そこで、通常は、厚さ400μm以上の基板を用いてGaN系結晶からなる積層体の成長を行い、電極形成プロセスなどの、フォトリソグラフィ技法を用いる工程を行った後、素子分離の直前に基板の裏面を研磨してウエハを薄くすることが行なわれる。これは、初めから薄いサファイア基板を用いると、基板の片面のみにGaN系結晶層からなる積層体を形成したときに反りが著しくなり、フォトリソグラフィ工程における露光時の焦点合わせが困難となるためである。しかし、厚い基板を用いても、GaN系結晶層を片面のみに成長した場合には、研磨によってウエハの厚が薄くなるに従い、反りが現れてくる。
これに対して、当該(A)の方法では、薄いサファイア基板を用いているが、両面に略同じ成長温度で略同じ厚さのGaN系結晶層を形成しているので、反りの発生が抑えられ、それによって基板上面の積層体への電極形成と、基板下面のGaN層の凹凸加工の両方に、フォトリソグラフィ技法を用いることができる。この方法では、サファイア基板と、その上面に形成するGaN系LEDの素子構造となる積層体と、その下面に形成するGaN層の厚さを合計したウエハの厚さを、200μm未満とすることが好ましく、150μm未満とすることがより好ましい。
これに対して、当該(A)の方法では、薄いサファイア基板を用いているが、両面に略同じ成長温度で略同じ厚さのGaN系結晶層を形成しているので、反りの発生が抑えられ、それによって基板上面の積層体への電極形成と、基板下面のGaN層の凹凸加工の両方に、フォトリソグラフィ技法を用いることができる。この方法では、サファイア基板と、その上面に形成するGaN系LEDの素子構造となる積層体と、その下面に形成するGaN層の厚さを合計したウエハの厚さを、200μm未満とすることが好ましく、150μm未満とすることがより好ましい。
スクライブの代りに、溝をダイシングで形成し、ブレーキングすることもできる。溝が深くなるので、より厚いウエハにも対応できる。スクライブの後、スクライブ線を更にダイシング加工してもよい。
その他、レーザ溶断や、ウエハ内部にレーザ改質で低強度部位を形成し破断する方法など、公知の分断法を適用してよい。ウエハが厚いほど、ダイシングではブレードの磨耗が激しく、レーザ溶断では溶断に時間がかかる。ウエハが厚い場合は、ウエハ内部をレーザ改質する方法を用いることが好ましい(特開2003−338468号公報、特開2003−338636号公報を参照できる)。
その他、レーザ溶断や、ウエハ内部にレーザ改質で低強度部位を形成し破断する方法など、公知の分断法を適用してよい。ウエハが厚いほど、ダイシングではブレードの磨耗が激しく、レーザ溶断では溶断に時間がかかる。ウエハが厚い場合は、ウエハ内部をレーザ改質する方法を用いることが好ましい(特開2003−338468号公報、特開2003−338636号公報を参照できる)。
(B)無機材料からなる凹凸構造体をアディティブに形成する方法
金属酸化物の場合、例えば、公知のスプレー熱分解法において、スプレー時間を短くして複数回のスプレーを行うことにより、表面に光を散乱し得る規模の凹凸を有する膜を形成することができる(例えば、特開2004−356221号公報を参照することができる。)。
また、3−5族化合物半導体材料、2−6族化合物半導体材料は、例えば、特開平7−10700号公報に開示された方法を用いて、凹凸状に成長させることもできる。
3−5族化合物半導体材料の中でも、特にGaN系半導体材料は、自発的に凹凸状に結晶成長させる方法がよく知られており、本発明に応用することができる。
金属酸化物の場合、例えば、公知のスプレー熱分解法において、スプレー時間を短くして複数回のスプレーを行うことにより、表面に光を散乱し得る規模の凹凸を有する膜を形成することができる(例えば、特開2004−356221号公報を参照することができる。)。
また、3−5族化合物半導体材料、2−6族化合物半導体材料は、例えば、特開平7−10700号公報に開示された方法を用いて、凹凸状に成長させることもできる。
3−5族化合物半導体材料の中でも、特にGaN系半導体材料は、自発的に凹凸状に結晶成長させる方法がよく知られており、本発明に応用することができる。
(B−1)
特開2004−99337号公報には、GaN系結晶を成長させる際の、原料ガスの流量、温度、圧力などの成長条件を制御することによって、表面が凹凸状となったGaN系結晶層を成長させる方法が記載されている。
特開2004−99337号公報には、GaN系結晶を成長させる際の、原料ガスの流量、温度、圧力などの成長条件を制御することによって、表面が凹凸状となったGaN系結晶層を成長させる方法が記載されている。
(B−2)
また、GaN系半導体材料は、Siを高濃度にドープすると三次元成長し易くなり、表面が凹凸状を呈する高さ1μm以上の構造体を形成することができる。また、このような凹凸状の構造体を、発光層に用いられるInGaNの分解が生じ難い、600℃以下の低温で成長させることができる。このような成長法自体については、例えば、特開2004−047764号公報に記載されている。
また、GaN系半導体材料は、Siを高濃度にドープすると三次元成長し易くなり、表面が凹凸状を呈する高さ1μm以上の構造体を形成することができる。また、このような凹凸状の構造体を、発光層に用いられるInGaNの分解が生じ難い、600℃以下の低温で成長させることができる。このような成長法自体については、例えば、特開2004−047764号公報に記載されている。
(B−3)
基板の下面をサーファクタント処理した後にGaN系半導体を気相成長させることによって、GaN系結晶はランダムな分布にて凹凸状に成長し、自発的に凹凸構造体となる。
サーファクタント処理とは、ガス状としたサーファクタントを目的の成長面(基板下面)に接触させて、該面にサーファクタントまたは、その分解により生じる原子、分子を残留させる処理である。該サーファクタント処理は、例えば、特開平10−79501号公報、特開平11−354842号公報、特開平11−354843号公報などに記載された量子ドット形成方法において行われている〔サーファクタント(公報によってはアンチサーファクタントとも称されている)を表面に作用させる処理〕と同じ処理であり、その詳細な手法や、処理条件等については、これらの文献を参照することができる。
一例を挙げると、基板下面のサーファクタント処理として、H2(水素ガス)をキャリアガスとしてテトラエチルシランを該面に接触させる方法がある。この方法では、基板は、下面が処理され得るように結晶成長炉内のサセプタ上に設置されて、GaN系結晶の成長温度に加熱され、テトラエチルシランは、密閉容器中で−12℃に冷却されて液体状とされ、そこに水素ガスをバブリングさせることによりガス状とされ、基板の下面に供給される。
サーファクタント処理の程度は、供給するテトラエチルシランの量を変化させることにより調整できる。具体的には、例えば、テトラエチルシランの入った密閉容器にバブリングするキャリアガスの流量を変化させることによって該調整を行うことができる。
基板の下面をサーファクタント処理した後にGaN系半導体を気相成長させることによって、GaN系結晶はランダムな分布にて凹凸状に成長し、自発的に凹凸構造体となる。
サーファクタント処理とは、ガス状としたサーファクタントを目的の成長面(基板下面)に接触させて、該面にサーファクタントまたは、その分解により生じる原子、分子を残留させる処理である。該サーファクタント処理は、例えば、特開平10−79501号公報、特開平11−354842号公報、特開平11−354843号公報などに記載された量子ドット形成方法において行われている〔サーファクタント(公報によってはアンチサーファクタントとも称されている)を表面に作用させる処理〕と同じ処理であり、その詳細な手法や、処理条件等については、これらの文献を参照することができる。
一例を挙げると、基板下面のサーファクタント処理として、H2(水素ガス)をキャリアガスとしてテトラエチルシランを該面に接触させる方法がある。この方法では、基板は、下面が処理され得るように結晶成長炉内のサセプタ上に設置されて、GaN系結晶の成長温度に加熱され、テトラエチルシランは、密閉容器中で−12℃に冷却されて液体状とされ、そこに水素ガスをバブリングさせることによりガス状とされ、基板の下面に供給される。
サーファクタント処理の程度は、供給するテトラエチルシランの量を変化させることにより調整できる。具体的には、例えば、テトラエチルシランの入った密閉容器にバブリングするキャリアガスの流量を変化させることによって該調整を行うことができる。
図2は、サーファクタント処理の後に、GaN系結晶が三次元成長する様子を模式的に示した図である(説明のために、基板の下面は上を向いている)。上述のように、基板の下面1bにサーファクタント処理を施した後(図2(a))、該面にGaN系結晶を成長させると、成長の初期には、量子サイズの微小なドット状の結晶(三次元結晶体)3aが生じる(図2(b))。この段階では、基板の下面が部分的に露出しているが、既に本発明でいう凹凸構造体に該当する。このような状態から結晶成長を継続すると、やがて、各三次元結晶体が大きく成長し(隣接するドット状結晶との合体・融合によるものを含む)、三次元結晶体によって最上面が密に埋め尽くされた状態(図2(c))に達する。
この図2(c)に示す状態で三次元結晶体の成長を止める場合、光散乱が効果的に生じるようにするためには、基板下面を基準とした三次元結晶体の高さが、発光層で発せられる光の波長の1/4以上となるまで、三次元結晶体を成長させることが好ましい。光散乱をより効果的に生ぜしめるには、この高さを該波長の1/2以上とすることがより好ましく、該波長と同程度以上とすることが更に好ましい。
この図2(c)に示す状態で三次元結晶体の成長を止める場合、光散乱が効果的に生じるようにするためには、基板下面を基準とした三次元結晶体の高さが、発光層で発せられる光の波長の1/4以上となるまで、三次元結晶体を成長させることが好ましい。光散乱をより効果的に生ぜしめるには、この高さを該波長の1/2以上とすることがより好ましく、該波長と同程度以上とすることが更に好ましい。
発光層で発せられる光の波長とは、GaN系結晶中での波長である。一方、「発光素子の発光波長」という場合には、通常は、空気中における波長を指すので、例えば、発光波長(空気中)を400nmとした場合、GaN系結晶の屈折率をGaNの屈折率である約2.5として計算すると、その光の窒化物半導体層中での波長は約160nm(=400nm÷約2.5)となる。このような波長の光に対しては、上記ドット状結晶の高さを、この波長約160nmの1/4程度以上、即ち、40nm以上とすることによって、散乱現象を効果的に発生させることができる。そして、より好ましい高さは80nm以上、更に好ましい高さは160nm以上となる。
三次元結晶体の高さは、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて観察することにより測定可能である。所定の成長条件を用いて、成長時間を変えながら三次元結晶体を成長させた試料を作製し、その高さを測定すれば、当該成長条件での成長速度を求めることができる。このようにして求めた成長速度から、ドット状結晶を所望の高さに成長するのに必要な時間を決定することができる。
GaN系発光素子の発光波長は、通常の製品では360nm〜550nm程度であるから、それぞれの波長に応じて最適なドット状結晶体の高さを選択すればよい。
ここで説明している三次元結晶体の寸法は、凹凸構造体の他の態様における対応部分の寸法として参照してよい。
GaN系発光素子の発光波長は、通常の製品では360nm〜550nm程度であるから、それぞれの波長に応じて最適なドット状結晶体の高さを選択すればよい。
ここで説明している三次元結晶体の寸法は、凹凸構造体の他の態様における対応部分の寸法として参照してよい。
ドット状結晶が積層体最上面上を密に埋めた状態(図2(c)の3b)が形成された後も、三次元結晶体の成長を続けた場合について説明する。
サーファクタント処理された最上面が三次元結晶体で埋め尽くされると、二次元的な成長(平坦膜が生じる成長モード)を阻害していた要因が実質的になくなるので、成長条件を適当に設定することで、表面が平坦化する方向に成長させることができる。
図2(c)の状態の後に、表面が平坦化するような成長モードで成長を継続すると、それまで3次元的に成長していた結晶の側壁(例えば、斜めファセット)から横方向成長が発生して、三次元結晶体の表面の陥凹部が埋め込まれてゆき、図2(d)に示すように、平坦面のところどころに窪み状の凹部(ピット)が分散したように見える形態3cとなる。
あるいは、図2(c)の状態の後に3次元成長が促進される成長条件を適用した場合には、各三次元結晶体が上方へ成長しながらも結晶体下部では一体化してゆき、図2(e)に示すように、表面の凹凸状態を維持したままで、厚さ(高さ)方向に成長した態様3dとなる。
これら図2(d)、(e)の状態で三次元結晶体の成長を止める場合、これらのGaN系結晶の界面で光散乱が効果的に生じるようにするためには、上記陥凹部の深さが、発光層で発せられる光の波長の1/4以上であるときに三次元結晶体の成長を止めるようにする。光散乱をより効果的に生ぜしめるには、この深さを該波長の1/2以上とすることがより好ましく、該波長と同程度以上とすることが更に好ましい。
サーファクタント処理された最上面が三次元結晶体で埋め尽くされると、二次元的な成長(平坦膜が生じる成長モード)を阻害していた要因が実質的になくなるので、成長条件を適当に設定することで、表面が平坦化する方向に成長させることができる。
図2(c)の状態の後に、表面が平坦化するような成長モードで成長を継続すると、それまで3次元的に成長していた結晶の側壁(例えば、斜めファセット)から横方向成長が発生して、三次元結晶体の表面の陥凹部が埋め込まれてゆき、図2(d)に示すように、平坦面のところどころに窪み状の凹部(ピット)が分散したように見える形態3cとなる。
あるいは、図2(c)の状態の後に3次元成長が促進される成長条件を適用した場合には、各三次元結晶体が上方へ成長しながらも結晶体下部では一体化してゆき、図2(e)に示すように、表面の凹凸状態を維持したままで、厚さ(高さ)方向に成長した態様3dとなる。
これら図2(d)、(e)の状態で三次元結晶体の成長を止める場合、これらのGaN系結晶の界面で光散乱が効果的に生じるようにするためには、上記陥凹部の深さが、発光層で発せられる光の波長の1/4以上であるときに三次元結晶体の成長を止めるようにする。光散乱をより効果的に生ぜしめるには、この深さを該波長の1/2以上とすることがより好ましく、該波長と同程度以上とすることが更に好ましい。
(B−4)
GaN系半導体を気相成長させる際の転位密度低減手法の1つである選択成長法(Epitaxial Lateral Overgrowth、ELO法)を基板下面に適用し、SiO2等からなるマスクを基板下面に形成し、GaN系結晶の選択成長を行うことによって、その成長プロセスの途上において、GaN系結晶を自発的に突起状に成長させることができる。選択成長法自体は、特開平10−270365号公報を参照してよい。
この選択成長の初期段階では、図3(a)に示すように、基板1の下面1bのうち、マスクで覆われていない部分から成長した結晶3eは、平坦な層として互いに合体する前の状態では凹凸状態となっている。特に、GaN系結晶をファセット成長させることによって、図3(a)に示すように、台形や、鋭利に突起した形状へと結晶成長させることができる。
マスクは後で除いてもよいし、残してもよい。SiO2マスクは屈折率が低いので、除いた方が好ましい。残す場合は、厚さを100nm以下とすることが望ましい。
GaN系半導体を気相成長させる際の転位密度低減手法の1つである選択成長法(Epitaxial Lateral Overgrowth、ELO法)を基板下面に適用し、SiO2等からなるマスクを基板下面に形成し、GaN系結晶の選択成長を行うことによって、その成長プロセスの途上において、GaN系結晶を自発的に突起状に成長させることができる。選択成長法自体は、特開平10−270365号公報を参照してよい。
この選択成長の初期段階では、図3(a)に示すように、基板1の下面1bのうち、マスクで覆われていない部分から成長した結晶3eは、平坦な層として互いに合体する前の状態では凹凸状態となっている。特に、GaN系結晶をファセット成長させることによって、図3(a)に示すように、台形や、鋭利に突起した形状へと結晶成長させることができる。
マスクは後で除いてもよいし、残してもよい。SiO2マスクは屈折率が低いので、除いた方が好ましい。残す場合は、厚さを100nm以下とすることが望ましい。
(B−5)
GaN系半導体を気相成長させる際の手法の1つであるファセットLEPS法を基板下面に適用し、基板下面に凹凸加工を施しGaN系結晶をファセット成長させることによって、GaN系結晶を自発的に突起状に成長させることができる。
LEPS法(Lateral Epitaxy on a Patterned Substrate)とは、基板の主面に凹凸加工を施し、その凹凸上にGaN系結晶を成長させる方法である。LEPS法の中でも、ファセットLEPS法は、基板の主面に形成した凹凸の凹部底面と凸部上面とのそれぞれに、基板の主面に対して傾斜したファセットを側壁面として有する独立した結晶体を発生させた後、これら結晶体を成長させて互いに合体させ、表面が平坦なGaN系結晶層へと成長させるという方法である。ファセットLEPS法自体は、特開2002−164296号公報や、特開2002−280611を参照してよい。
このファセットLEPS法による結晶成長の初期段階では、図3(b)に示すように、基板1の下面に加工した凹凸によって区画された凸部上面、凹部底面から、それぞれに結晶3fがファセット成長し、台形や、鋭利に突起した形状となっている。
GaN系半導体を気相成長させる際の手法の1つであるファセットLEPS法を基板下面に適用し、基板下面に凹凸加工を施しGaN系結晶をファセット成長させることによって、GaN系結晶を自発的に突起状に成長させることができる。
LEPS法(Lateral Epitaxy on a Patterned Substrate)とは、基板の主面に凹凸加工を施し、その凹凸上にGaN系結晶を成長させる方法である。LEPS法の中でも、ファセットLEPS法は、基板の主面に形成した凹凸の凹部底面と凸部上面とのそれぞれに、基板の主面に対して傾斜したファセットを側壁面として有する独立した結晶体を発生させた後、これら結晶体を成長させて互いに合体させ、表面が平坦なGaN系結晶層へと成長させるという方法である。ファセットLEPS法自体は、特開2002−164296号公報や、特開2002−280611を参照してよい。
このファセットLEPS法による結晶成長の初期段階では、図3(b)に示すように、基板1の下面に加工した凹凸によって区画された凸部上面、凹部底面から、それぞれに結晶3fがファセット成長し、台形や、鋭利に突起した形状となっている。
ファセットLEPS法のために基板に加工する凹凸のパターンを、稜線状の突起と溝とが交互に並んだストライプ状の配置パターンとする場合、その凸部、凹部の幅は、0.5μm〜20μm、好ましくは1μm〜10μmである。また、凹部の深さは、0.1μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜1μmである。
この基板下面の凹凸も、光の拡散に寄与する。
この基板下面の凹凸も、光の拡散に寄与する。
(C)樹脂材料からなる凹凸構造体を形成する方法
樹脂材料によって凹凸構造体を形成する場合には、プレス加工や、注型して硬化させる方法、射出成形など、種々の樹脂成形法によって、基板の下面に凹凸構造体を形成することができる。
基板の下面と樹脂との接着性を向上させるための表面処理は、適宜行ってよい。
樹脂材料によって凹凸構造体を形成する場合には、プレス加工や、注型して硬化させる方法、射出成形など、種々の樹脂成形法によって、基板の下面に凹凸構造体を形成することができる。
基板の下面と樹脂との接着性を向上させるための表面処理は、適宜行ってよい。
樹脂材料からなる凹凸構造体の、より具体的な形成手順の一例を次に示す。
厚さ400μm程度以上の基板上に、GaN系結晶を成長させ、GaN系LEDの素子構造となる積層体を形成し、電極を形成する。
最後の素子分離を容易に行えるようにすることを目的として基板の下面を研磨する。
表面にSiO2被膜が形成され不活性化された酸化チタンの粒子をポリカーボネート樹脂中に分散させ、この材料を用いて基板の下面にベース層を形成する。次に、この基板を、凹凸形状を設けたスタンプ型を有する金型にセットして、前記ポリカーボネート樹脂が軟化する温度に加熱した状態でプレスしベース層にスタンプを施す。このようにして、ベース層の表面にスタンプ型の凹凸形状を転写することによって凹凸構造体を得、最後に素子分離を行なう。好ましい凹凸構造体の形状としては、例えば、先端が丸まった円筒状の凸部が、最密状に配列した形状が挙げられる。
厚さ400μm程度以上の基板上に、GaN系結晶を成長させ、GaN系LEDの素子構造となる積層体を形成し、電極を形成する。
最後の素子分離を容易に行えるようにすることを目的として基板の下面を研磨する。
表面にSiO2被膜が形成され不活性化された酸化チタンの粒子をポリカーボネート樹脂中に分散させ、この材料を用いて基板の下面にベース層を形成する。次に、この基板を、凹凸形状を設けたスタンプ型を有する金型にセットして、前記ポリカーボネート樹脂が軟化する温度に加熱した状態でプレスしベース層にスタンプを施す。このようにして、ベース層の表面にスタンプ型の凹凸形状を転写することによって凹凸構造体を得、最後に素子分離を行なう。好ましい凹凸構造体の形状としては、例えば、先端が丸まった円筒状の凸部が、最密状に配列した形状が挙げられる。
以上(A)〜(C)が、凹凸構造体の主な形成方法であるが、凹凸構造体は、これら各種の形成方法により形成される構造体を組み合わせたものとすることもできる。
例えば、基板の下面の表面上に、アディティブまたはサブトラクティブな方法で無機材料からなる凹凸状の構造体を形成した後、更に、その構造の表面に、同種または他の無機材料からなる、より小規模な凹凸を有する構造体をアディティブに形成した凹凸構造体である。
あるいは、無機材料からなる凹凸状の構造体を先に形成し、その後、屈折率の異なる樹脂材料でこれを埋め込んだ、表面側が樹脂材料からなる凹凸構造体である。
後者の態様では、樹脂材料の屈折率を無機材料の屈折率よりも小さくすることが好ましい。
例えば、基板の下面の表面上に、アディティブまたはサブトラクティブな方法で無機材料からなる凹凸状の構造体を形成した後、更に、その構造の表面に、同種または他の無機材料からなる、より小規模な凹凸を有する構造体をアディティブに形成した凹凸構造体である。
あるいは、無機材料からなる凹凸状の構造体を先に形成し、その後、屈折率の異なる樹脂材料でこれを埋め込んだ、表面側が樹脂材料からなる凹凸構造体である。
後者の態様では、樹脂材料の屈折率を無機材料の屈折率よりも小さくすることが好ましい。
また、図4(a)、(b)に例示するように、基板1の下面に上記の凹凸構造体3を形成した後、その表面を、該凹凸構造体3よりも屈折率の小さい光透過性の材料からなる低屈折率層4で覆う態様としても好ましい。
この低屈折率層は、下地となる凹凸構造体を膜状に覆うように形成することができ、その場合、低屈折率層の表面は、該凹凸構造体の表面形状を反映した凹凸状を呈すことになる。また、低屈折率層をそのような膜状に形成しつつ、その表面に、光を散乱し得る、より小規模な凹凸構造を設けることもできる。また、この低屈折率層は、下地となる凹凸構造体の凹凸の規模よりも厚さを大きく形成してもよく、その場合、その表面は平坦としてもよいし、あるいは、下地である凹凸構造体の表面の凹凸とは無関係な凹凸構造としてもよい。
なお、この態様では、低屈折率層の屈折率を基板の屈折率と同等以下としてもよい。その場合は、凹凸構造体を、基板の下面を完全に覆うように形成し、低屈折率層と基板の下面とができるだけ接触しないように構成することが好ましい。
この低屈折率層は、下地となる凹凸構造体を膜状に覆うように形成することができ、その場合、低屈折率層の表面は、該凹凸構造体の表面形状を反映した凹凸状を呈すことになる。また、低屈折率層をそのような膜状に形成しつつ、その表面に、光を散乱し得る、より小規模な凹凸構造を設けることもできる。また、この低屈折率層は、下地となる凹凸構造体の凹凸の規模よりも厚さを大きく形成してもよく、その場合、その表面は平坦としてもよいし、あるいは、下地である凹凸構造体の表面の凹凸とは無関係な凹凸構造としてもよい。
なお、この態様では、低屈折率層の屈折率を基板の屈折率と同等以下としてもよい。その場合は、凹凸構造体を、基板の下面を完全に覆うように形成し、低屈折率層と基板の下面とができるだけ接触しないように構成することが好ましい。
上記の方法において、各工程の順序は適宜変更できるが、前工程で形成した構造が後工程で劣化しないように、次の点を注意すべきである。
(a)凹凸構造体の形成に要する温度が、電極の耐熱温度よりも高い場合には、凹凸構造体の形成後に電極を形成する。例えば、GaN系結晶の成長温度は1000℃に達するが、電極材料の耐熱温度は550℃〜900℃程度である。
(b)電極のアニールに要する温度が、凹凸構造体の耐熱温度よりも高い場合には、電極のアニール後に凹凸構造体を形成する。
(c)基板の片面のみにGaN系結晶層を成長した基板を研磨すると、反りが生じ、この反りは基板が薄くなるにつれて大きくなる。フォトリソグラフィ技法を用いる工程は、基板の反りが大きいと、露光時に焦点が合わなくなる等の問題が生じる。よって、フォトリソグラフィ技法を用いる工程を研磨後に行う場合には、そのような問題が生じる程に基板が反らないよう、研磨後のウエハの厚を決定する。
(d)ウエハ厚に応じて、最適な素子分離方法を選択する。
(e)凹凸構造体を形成するために基板の下面に凹凸を形成する場合、LED素子構造の形成(積層体の形成)は、基板の下面への凹凸加工の前に行うことが好ましい。基板の下面が凹凸状であると、MOVPE法等でGaN系半導体結晶を成長する場合に、基板加熱の均一性が低下し、基板上に成長する結晶層の特性の面内均一性が低下する傾向がある。
(f)チップサイズや素子分離の方法に応じて、基板の研磨工程は省略できる。例えば、1μm角のチップであれば、ウエハ厚が400μm程度あっても、基板の研磨を行うことなく、素子分離することができる。
(a)凹凸構造体の形成に要する温度が、電極の耐熱温度よりも高い場合には、凹凸構造体の形成後に電極を形成する。例えば、GaN系結晶の成長温度は1000℃に達するが、電極材料の耐熱温度は550℃〜900℃程度である。
(b)電極のアニールに要する温度が、凹凸構造体の耐熱温度よりも高い場合には、電極のアニール後に凹凸構造体を形成する。
(c)基板の片面のみにGaN系結晶層を成長した基板を研磨すると、反りが生じ、この反りは基板が薄くなるにつれて大きくなる。フォトリソグラフィ技法を用いる工程は、基板の反りが大きいと、露光時に焦点が合わなくなる等の問題が生じる。よって、フォトリソグラフィ技法を用いる工程を研磨後に行う場合には、そのような問題が生じる程に基板が反らないよう、研磨後のウエハの厚を決定する。
(d)ウエハ厚に応じて、最適な素子分離方法を選択する。
(e)凹凸構造体を形成するために基板の下面に凹凸を形成する場合、LED素子構造の形成(積層体の形成)は、基板の下面への凹凸加工の前に行うことが好ましい。基板の下面が凹凸状であると、MOVPE法等でGaN系半導体結晶を成長する場合に、基板加熱の均一性が低下し、基板上に成長する結晶層の特性の面内均一性が低下する傾向がある。
(f)チップサイズや素子分離の方法に応じて、基板の研磨工程は省略できる。例えば、1μm角のチップであれば、ウエハ厚が400μm程度あっても、基板の研磨を行うことなく、素子分離することができる。
上記凹凸構造体に加えて、基板の上面(積層体との界面)にも光を散乱し得る凹凸を形成すると、LED構造をなすGaN系半導体層と基板との界面での反射による光閉じ込めが緩和され、またファセットLEPS法の適用によって積層体の転位密度を低減させることも可能となるので好ましい。
実施例1
本実施例では、GaN系LEDを近紫外光を発し得るものとし、基板の裏面に、GaN系結晶を自発的に凹凸構造体となるように成長させた。
(ウエハ上への近紫外LED構造の形成)
直径2インチ、厚さ約300μmのC面サファイア基板上に、通常のMOVPE法を用いて、n型コンタクト層兼クラッド層(材料SiドープGaN、Si濃度5×1018cm−3、層厚2μm)と、発光層(膜厚8nmのGaN障壁層と、膜厚2nmのInGaN井戸層とを、各10層交互に積層した多重量子井戸(MQW)構造)と、p型クラッド層(材料MgドープAlGaN、Mg濃度5×1019cm−3、膜厚30nm)と、p型コンタクト層(材料MgドープGaN、Mg濃度1×1020cm−3、膜厚200nm)とを順次成長させ、発光波長405nmの近紫外LED構造が形成されたウエハを得た。
本実施例では、GaN系LEDを近紫外光を発し得るものとし、基板の裏面に、GaN系結晶を自発的に凹凸構造体となるように成長させた。
(ウエハ上への近紫外LED構造の形成)
直径2インチ、厚さ約300μmのC面サファイア基板上に、通常のMOVPE法を用いて、n型コンタクト層兼クラッド層(材料SiドープGaN、Si濃度5×1018cm−3、層厚2μm)と、発光層(膜厚8nmのGaN障壁層と、膜厚2nmのInGaN井戸層とを、各10層交互に積層した多重量子井戸(MQW)構造)と、p型クラッド層(材料MgドープAlGaN、Mg濃度5×1019cm−3、膜厚30nm)と、p型コンタクト層(材料MgドープGaN、Mg濃度1×1020cm−3、膜厚200nm)とを順次成長させ、発光波長405nmの近紫外LED構造が形成されたウエハを得た。
(凹凸構造体の形成)
ウエハを裏返してMOVPE装置に再び装着し、基板温度を400℃としてトリメチルガリウム(TMG)、アンモニアを供給し、GaN低温バッファ層を成長させた。
次に、基板温度を800℃に昇温し、TMGとアンモニアを供給して膜厚500nmのGaN層を成長させた。基板温度を維持したまま、水素雰囲気下で、サーファクタントとして、ガス状にしたテトラエチルシランを成長炉内に供給し、前記GaN層表面(下面)に接触させた。
テトラエチルシランの供給を停止した後、TMG、TMA、アンモニアを供給し、サーファクタントを作用させたGaN層基板の下面に、Al0.5Ga0.5Nを、ドット状に成長させた。このときの成長時間は、ドットの高さが200nmとなるように決定した。これによって、サファイア基板の下面に、GaN層とドット状のAl0.5Ga0.5Nとからなる凹凸構造体を得た。
ウエハを裏返してMOVPE装置に再び装着し、基板温度を400℃としてトリメチルガリウム(TMG)、アンモニアを供給し、GaN低温バッファ層を成長させた。
次に、基板温度を800℃に昇温し、TMGとアンモニアを供給して膜厚500nmのGaN層を成長させた。基板温度を維持したまま、水素雰囲気下で、サーファクタントとして、ガス状にしたテトラエチルシランを成長炉内に供給し、前記GaN層表面(下面)に接触させた。
テトラエチルシランの供給を停止した後、TMG、TMA、アンモニアを供給し、サーファクタントを作用させたGaN層基板の下面に、Al0.5Ga0.5Nを、ドット状に成長させた。このときの成長時間は、ドットの高さが200nmとなるように決定した。これによって、サファイア基板の下面に、GaN層とドット状のAl0.5Ga0.5Nとからなる凹凸構造体を得た。
(素子化)
ウエハをMOVPE装置から取出し、Ni(下層)/Au(表層)からなるp側電極を、チップ化後のp型コンタクト層の上面をほぼ全面的に覆う大きさに形成した。
また、ウエハの、GaN系結晶の積層体を形成した側から、p型コンタクト層、p型クラッド層、発光層の一部を反応性イオンエッチングにて除去し、n型クラッド層兼コンタクト層が露出された凹部を形成した後、この露出されたn型クラッド層兼コンタクト層の表面に、Ti(下層)/Al(表層)からなるn側電極を形成した。
その後、各電極のオーミック接触を促進させるために、500℃にて5分間保持する熱処理を行った。
熱処理後、ダイシングでハーフカットした後、ブレーキングによって素子分離を行い、1mm角のLEDチップを得た。
ウエハをMOVPE装置から取出し、Ni(下層)/Au(表層)からなるp側電極を、チップ化後のp型コンタクト層の上面をほぼ全面的に覆う大きさに形成した。
また、ウエハの、GaN系結晶の積層体を形成した側から、p型コンタクト層、p型クラッド層、発光層の一部を反応性イオンエッチングにて除去し、n型クラッド層兼コンタクト層が露出された凹部を形成した後、この露出されたn型クラッド層兼コンタクト層の表面に、Ti(下層)/Al(表層)からなるn側電極を形成した。
その後、各電極のオーミック接触を促進させるために、500℃にて5分間保持する熱処理を行った。
熱処理後、ダイシングでハーフカットした後、ブレーキングによって素子分離を行い、1mm角のLEDチップを得た。
比較例1
上記実施例1において、サファイア基板の下面上にドット状のアンドープAl0.5Ga0.5Nを成長をさせなかったこと以外は、上記実施例1と同様の工程にてLEDチップ(従来のLED)を作製した。
上記実施例1において、サファイア基板の下面上にドット状のアンドープAl0.5Ga0.5Nを成長をさせなかったこと以外は、上記実施例1と同様の工程にてLEDチップ(従来のLED)を作製した。
(評価)
実施例1、比較例1において作製したLEDチップを、リード電極パターンが形成されたセラミックパッケージ上に、p側電極およびn側電極が下側となるようにフリップチップボンディングし、それぞれのLEDの素子特性を評価した。
その結果、実施例品と比較例品は、順方向電圧(20mA通電時)はほぼ同じ(約3.3V)であったが、積分球を用いて測定した出力(20mA通電時)は、実施例品の方が比較例品よりも約10%増加していた。
実施例1、比較例1において作製したLEDチップを、リード電極パターンが形成されたセラミックパッケージ上に、p側電極およびn側電極が下側となるようにフリップチップボンディングし、それぞれのLEDの素子特性を評価した。
その結果、実施例品と比較例品は、順方向電圧(20mA通電時)はほぼ同じ(約3.3V)であったが、積分球を用いて測定した出力(20mA通電時)は、実施例品の方が比較例品よりも約10%増加していた。
実施例2
本実施例では、実施例1と同様に形成した凹凸構造体の上に、それよりも屈折率の低い被覆層を形成した。
上記実施例1において、サファイア基板の下面に、GaN層とドット状のAl0.5Ga0.5Nとからなる凹凸構造体を形成した後、更に、プラズマCVD法によって、該ドット状のAl0.5Ga0.5Nを覆うように、厚さ500nmのSiO2層(屈折率1.4)を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にLEDを形成した。
成長後の表面をSEMで観察すると、SiO2層の表面は、ドット状のAl0.5Ga0.5Nの形状を反映して、凹凸状を呈していた。
このLEDの素子特性を実施例1、比較例1と同様に評価したところ、順方向電圧(20mA通電時)は比較例品とほぼ同じであったが、積分球を用いて測定した出力(20mA通電時)は、比較例品よりも約15%増加していた。
本実施例では、実施例1と同様に形成した凹凸構造体の上に、それよりも屈折率の低い被覆層を形成した。
上記実施例1において、サファイア基板の下面に、GaN層とドット状のAl0.5Ga0.5Nとからなる凹凸構造体を形成した後、更に、プラズマCVD法によって、該ドット状のAl0.5Ga0.5Nを覆うように、厚さ500nmのSiO2層(屈折率1.4)を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にLEDを形成した。
成長後の表面をSEMで観察すると、SiO2層の表面は、ドット状のAl0.5Ga0.5Nの形状を反映して、凹凸状を呈していた。
このLEDの素子特性を実施例1、比較例1と同様に評価したところ、順方向電圧(20mA通電時)は比較例品とほぼ同じであったが、積分球を用いて測定した出力(20mA通電時)は、比較例品よりも約15%増加していた。
上記のように、本発明によるフリップチップ型のGaN系発光素子は、本発明独自の凹凸構造体を基板の裏面に有しているので、従来品にくらべて、基板裏面からモールド樹脂などの周囲媒体中へ光が出る際の反射によるロスが低減され、光取り出し効率がより向上している。
これによって、従来よりも、さらに高輝度のGaN系発光ダイオードを提供できるようになった。
これによって、従来よりも、さらに高輝度のGaN系発光ダイオードを提供できるようになった。
1 基板
2 積層体
3 凹凸構造体
P1 n電極
P2 p電極
2 積層体
3 凹凸構造体
P1 n電極
P2 p電極
Claims (11)
- GaN系半導体からなる発光層を含んだ積層体がGaN基板の上面に形成され、該GaN基板の下面側から光を取り出すようにフリップチップ実装可能な構成とされた、フリップチップ型のGaN系半導体発光素子の製造方法であって、
該GaN基板の下面に、該GaN基板の材料の屈折率と同等以上の屈折率を有する光透過性のGaN系半導体材料からなり光を散乱させ得る凹凸構造体を形成する工程を有することを特徴とする、GaN系半導体発光素子の製造方法。 - 前記凹凸構造体を形成する工程が、前記凹凸構造体をサブトラクティブに形成する工程である、請求項1に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸構造体をサブトラクティブに形成する工程において、凹凸構造体へと加工する層の表面に凹凸加工を施すことを特徴とする、請求項2に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工が、粗研磨またはエッチングである、請求項3に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工により、凹凸の山と谷の高低差を、0.01μm〜50μmとすることを特徴とする、請求項3または4に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工により、凸部および凹部のうちの、一方または両方の大きさを不均一とすることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工により、凸部および凹部のうちの、一方または両方の大きさを均一とすることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工により、凹凸面を見たときの、凸部および凹部のうちの、一方または両方の配置パターンを不規則的なパターンとすることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 前記凹凸加工により、凹凸面を見たときの、凸部および凹部のうちの、一方または両方の配置パターンを規則的なパターンとすることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- さらに、上記凹凸構造体を覆って、該凹凸構造体の材料よりも小さい屈折率を有する光透過性の材料からなる低屈折率層を形成する工程を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法により得られるGaN系半導体発光素子。
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