JP2009200314A - 非晶質薄膜の結晶化方法及び装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

非晶質薄膜の結晶化方法及び装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非晶質薄膜の表面の酸化を抑制しつつ、短時間で、結晶粒径の大きな多結晶薄膜を得ることができる非晶質薄膜の結晶化方法及びその装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【解決手段】絶縁基板10の表面10a上に、所定膜厚の非晶質薄膜20を形成し、該非晶質薄膜20に熱源30からの熱照射31により、前記非晶質薄膜20を結晶化させて多結晶薄膜21とする方法において、前記熱源30からの熱照射31を、大気圧雰囲気で、基板の裏面10bから基板10内を熱透過させて行うことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコン等のアモルファス薄膜を結晶化する方法及び装置に関し、特に、絶縁基板の表面上に形成した所定膜厚の非晶質薄膜を、所定の方法を用いて結晶化させて多結晶薄膜とする技術に関するものである。
現在、液晶駆動用薄膜トランジスタ(TFT)、太陽電池素子等の大面積電子デバイス用多結晶シリコン半導体薄膜及び透明導電薄膜のガラス基板上への形成技術に関して、各社精力的に技術開発が進められている。その中でも、絶縁基板上の多結晶薄膜製造技術は、デバイス性能を決定するために重要な技術である。
そして、この多結晶薄膜は、通常、ガラス基板等の絶縁基板上に、プラズマCVD法などにより非晶質薄膜を形成した後、この非晶質薄膜に対して、レーザ(例えば、パルス発振のエキシマレーザ)を照射して、前記非晶質薄膜を融解させた後、速やかに結晶化させる方法によって、主に警醒されている。
しかし、レーザーを用いた非晶質薄膜の結晶化方法は、チャンバー全体を減圧雰囲気に真空引きする必要があり、大掛かりで高価な装置を用いなければならず、製品(トランジスタ)の製造コストが高騰するという問題があった。さらに、レーザーの照射エネルギーを均一に制御することは困難であるため、再結晶化した前記多結晶薄膜の粒子径にバラツキが生じるという問題もあった。
そのため、上記問題を解決すべく、本発明者らは、特許文献1に開示しているように、大気中において、細管に導入したプラズマ生成ガスを前記細管の先端から噴出させ、前記細管の先端にマイクロマイクロプラズマジェットを生成し、前記マイクロマイクロプラズマジェットを非晶質薄膜に照射して前記非晶質薄膜を溶融・再結晶化させる非晶質薄膜の結晶化方法を発明した。この方法によれば、非晶質薄膜を簡単な装置で短時間に溶融・再結晶化させることができるため、多結晶薄膜を形成した製品を低コストで提供することが可能となった。また、プラズマ生成ガスの導入流量や、高周波電力等を制御して、前記非晶質薄膜に照射するマイクロプラズマジェットの温度やエネルギーを調整することができるため、前記多結晶薄膜の粒子径の均一化についても効果を奏する。
しかしながら、特許文献1の非晶質薄膜の結晶化方法は、上記効果を有するものの、前記非晶質薄膜が再結晶化する速度の高速化、及び、前記多結晶薄膜の結晶粒径の大型化がさらに望まれていた。また、従来の非晶質薄膜の結晶方法では、前記非晶質薄膜の表面に酸化物(SiOやSiO2等)として存在していた酸素が、前記非晶質薄膜が溶融した際、内部へ拡散する恐れがあり、デバイス性能を向上させるためには、この非晶質薄膜表面の酸化を抑制する必要があった。
また、特許文献1の非晶質薄膜の結晶化方法は、非晶質薄膜を上向きにして基板を載置する構成を採用しているため、チャンバー表面や、チャンバー内に浮遊するごみ等の異物が、前記非晶質薄膜上に付着しやすいという問題もあった。
特開2006−60130号公報
本発明の目的は、非晶質薄膜の表面を清浄な状態に保持しながら、短時間で、結晶粒径の大きな多結晶薄膜を得ることができる非晶質薄膜の結晶化方法及びその装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)絶縁基板の表面上に、所定膜厚の非晶質薄膜を形成し、該非晶質薄膜に熱源からの熱を照射することにより、前記非晶質薄膜を結晶化させて多結晶薄膜とする方法において、
前記基板が熱透過性材料からなり、前記熱源からの熱照射は、所定の雰囲気下で、前記基板の裏面から基板内を熱透過させることによって行うことを特徴とする非晶質薄膜の結晶化方法。
(2)前記熱源からの熱照射は、前記基板の両面のうち、少なくとも非晶質薄膜を形成した表面側を減圧雰囲気にして行う上記(1)記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
(3)前記熱源からの熱照射は、前記基板の表面側を減圧雰囲気、前記基板の裏面側を大気圧雰囲気で行う上記(1)記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
(4)前記熱源からの熱照射は、マイクロプラズマジェットの照射である上記(1)、(2)又は(3)記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
(5)前記減圧雰囲気は、1.0×10−8〜1.0×104Paである上記(2)、(3)又は(4)記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
(6)前記非晶質薄膜の結晶化は、前記熱照射した位置にて、100msec以下の短時間の熱照射で行われる上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項記載の方法で多結晶薄膜を形成した後、該多結晶シリコン薄膜の所定位置にソース領域及びドレイン領域を形成し、さらに、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
(8)所定膜厚の非晶質薄膜を形成した絶縁基板を、前記非晶質薄膜が下向きになるように載置するためのステージと、絶縁体又は金属からなるマイクロプラズマジェットを照射するためのトーチと、該トーチにプラズマ生成ガスを導入するプラズマ生成ガス供給手段と、前記トーチ内に誘導電場を発生させるためのコイルと、該コイルに高周波電力を供給するための高周波電源とを具え、前記ステージの載置面に、前記基板の非晶質薄膜側である表面を減圧雰囲気にするため、複数個の排気孔を設け、前記マイクロプラズマジェットからの熱照射は、所定の雰囲気かで、前記基板の裏面から基板内を熱透過させることによって、前記非晶質薄膜を結晶化させて多結晶薄膜にすることを特徴とする非晶質薄膜の結晶化装置。
(9)前記排気孔は、その直径が1〜10000μmで、かつその配設間隔が1〜10000μmである上記(8)記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
(10)前記マイクロプラズマジェットは、前記ステージに対して相対移動させて、前記非晶質薄膜全体を結晶化する上記(8)又は(9)記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
(11)前記相対移動は、前記ステージを移動させることにより行い、前記ステージの移動速度は、5〜200mm/秒である上記(10)記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
(12)前記非晶質薄膜の結晶化は、前記熱照射した位置にて、100msec以下の短時間の熱照射で行われる上記(8)〜(11)のいずれか1項記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
この発明によれば、熱源からの熱照射を、所定の雰囲気下で、基板の裏面から基板内を熱透過させることにより、非晶質薄膜の表面を清浄な状態に保持しながら、短時間で、結晶粒径の大きな多結晶薄膜を得ることができる非晶質薄膜の結晶化方法及びその装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法を提供することが可能となった。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に従う非晶質薄膜の結晶化装置の一部について模式的に示した断面図である。
本発明による非晶質薄膜の結晶化装置1は、図1に示すように、絶縁基板10を載置するためのステージ40と、マイクロプラズマジェット31を照射するための絶縁体又は金属からなるトーチ32と、該トーチ32にプラズマ生成ガスを導入するプラズマ生成ガス供給手段50と、前記トーチ32内に誘導電場を発生させるためのコイル60と、該コイル60に高周波電力を供給するための高周波電源61とを具える。
以下に、本発明の非晶質薄膜の結晶化装置1についての詳細を述べる。
本発明の非晶質薄膜の結晶化装置1は、前記絶縁基板10を載置するためのステージ40を具え、図2に示すように、その載置面40aに、前記基板10の非晶質薄膜20側である表面20aを減圧雰囲気にするための複数個の排気孔41を設け、前記マイクロプラズマジェット31の照射は、所定の雰囲気下、例えば大気圧雰囲気下であっても、前記基板10の裏面10bから基板10内を熱透過させることによって、前記非晶質薄膜20を結晶化させて多結晶薄膜21にすることを特徴とする。
前記熱照射を基板10内を熱透過させることで、前記基板10が熱を蓄積し、さらに、前記非晶質薄膜20の表面20aを減圧雰囲気とすることで、減圧した表面20aの部分の熱が逃げにくくなる結果、断熱効果による前記非晶質薄膜20の結晶化が促進し、その結晶を核として横方向(図2中の両矢印Xの方向)に結晶が成長するため、結晶の大粒径化が望めるからである。また、前記基板10の裏面10bを大気と接する上面とし、前記非晶質薄膜20の裏面20bがステージ40と接するように載置しているため、前記非晶質薄膜20の表面20aに対する異物付着抑制効果を奏し、加えて、減圧により、前記非晶質薄膜20の表面20a近傍の酸素を減少させることができるため、酸化抑制効果を奏することができるからである。
また、前記排気孔41は、図2に示すように、その直径Aが1〜10000μmで、かつその配設間隔Bが1〜10000μmであることが好ましい。これは、排気孔のサイズおよび間隔の選択によって、熱蓄積(断熱)効果を制御できるからである。なお、前記排気孔41の直径A及び配設Bは非常に小さな値となるが、図1では、説明をしやすくするため、便宜上、前記直径A及び配設B間隔を大きく示している。
さらに、前記ステージ40の形状は、前記基板10を載置することができれば、特に限定されるものではないが、安定して前記基板10を載置でき、かつ前記減圧を実現できるよう、例えば、平板状や円盤状であることが好ましい。また、前記ステージ40の材質についても特に限定はされないが、例えば、セラミックス又は石英等を用いることができる。さらにまた、非晶質薄膜20の表面20aを減圧雰囲気するための具体的な手段としては、特に限定はしないが、例えば、各種減圧ポンプを用いることができる。可動ステージ前面に渡って減圧環境にすることでサンプルの固定および断熱効果を促進できる2つの役割を有する。
本発明の非晶質薄膜の結晶化装置1は、前記マイクロプラズマジェット31を照射するために用いられ、絶縁体又は金属からなるトーチ32を具える。前記トーチ32の形状としては、マイクロプラズマジェット31を効果的に放出することができる形状であれば特に限定はしないが、例えば、図1に示すような円筒形状とすることができる。前記トーチ32の形状を円筒形状とした場合、その内径は0.5〜50mmの範囲であり、長さは5〜30mmの範囲とすることがプラズマ照射領域の温度を精密に制御できる点で好ましい。また、前記トーチ32のマイクロプラズマジェット31の照射側に設けられた噴出口33は、図6に示すように、高温プラズマをマイクロプラズマジェット31として照射できるように、先端部33aに向かって内径が小さくなる形状を有しており、この先端部33aの内径は100〜1000μmの範囲であることが好ましい。
また、前記マイクロプラズマジェット31とは、高温(6000〜15000℃程度)で、電子密度が1.0×1012〜1017個/cm3程度のプラズマのことであり、このマイクロプラズマジェットを用いて前記非晶質皮膜20へ熱照射を行えば、大気中であっても、拡散することなくエネルギーを伝えることができるため、有効な前記非晶質薄膜20への熱照射31が可能となり、真空装置等の複雑な装置を必要とすることなく、前記非晶質薄膜20結晶化が可能となる。
さらに、前記トーチ32は、図1に示すように、プラズマ生成ガスを導入するための、プラズマ生成ガス供給手段50と接続されている。このプラズマ生成ガス供給手段50は、プラズマ生成ガスを必要に応じて供給するためのガス供給源51と、前記トーチ32へ流入するプラズマ生成ガスの圧力を調整するためのガス流量調節器52と、プラズマ生成ガスの通り道であるガス管53とを具えている。
また、本発明の非晶質薄膜の結晶化装置1は、図1に示すように、前記トーチ32の周りを囲むように配設され、このコイル60に高周波電流を流すことにより前記トーチ32内に誘導電場を発生させるための本発明のコイル60を具える。前記トーチ32内にプラズマ生成ガスが充填した状態で、誘導電場が発生すれば、前記プラズマ生成ガスは電離して高温(6000〜15000℃程度)のプラズマとなる。
さらに、本発明の非晶質薄膜の結晶化装置1は、図1に示すように、前記コイル60に高周波電力(13〜100MHz程度)を供給するための高周波電源61を具える。さらにまた、図6に示すように、前記コイル60と、前記高周波電源61との間には、前記高周波電源61への反射波が最小となるように調整するためのマッチング回路62を具えることが好ましい。
なお、前記マイクロプラズマジェット31は、前記ステージ40に対して相対移動させて、前記非晶質薄膜20全体を結晶化すること、つまり、前記トーチ32及び前記ステージ40のうちの少なくとも一方が、移動させることにより、前記マイクロプラズマジェット31を前記非晶質薄膜20の全体に照射することが好ましい。前記マイクロプラズマジェット31が相対的に移動すれば、前記基板10を一度ステージ40に載置すれば、その後に何度も前記基板10を移動させる必要がないからである。
また、前記マイクロプラズマジェット31の相対移動は、装置の構造上、前記ステージ40を移動させることが好ましく、前記非晶質薄膜20が溶融するまでの時間を考慮すると、その移動速度を5〜200mm/秒の範囲にすることがより好適である。
なお、本発明に用いる絶縁基板10は、特に限定はされないが、裏面10b側から前記マイクロプラズマジェット31が照射された際、良好な熱蓄積効果を有することができるよう、Si、セラミックス又は石英等の材料からなり、その膜厚は100〜10000μm程度であることが好ましい。また、前記絶縁基板10の上に形成される非晶質薄膜20については、用いられる用途等によって任意の材料を選択することができ、例えば、非晶質シリコン、シリコンゲルマニウム又は非晶質酸化物薄膜(SnO、ZnO、ZnO:Al、ZnOGa)等からなる非晶質薄膜であり、その膜厚は0.01〜2μm程度であることが好ましい。
次に、本発明による非晶質薄膜の結晶化方法について説明する。本発明による非晶質薄膜の結晶化方法は、図2に示すように、絶縁基板10の表面10a上に、所定膜厚の非晶質薄膜20を形成し、該非晶質薄膜20に熱源30からの熱照射31により、前記非晶質薄膜20を結晶化させて多結晶薄膜21とする方法である。
そして、本発明による非晶質薄膜の結晶化方法は、前記熱源30からの熱照射31を、大気圧雰囲気で、基板の裏面10bから基板10内を熱透過させて行うことを特徴とする。図1に示すように、前記非晶質薄膜表面20aが大気とはほとんど接触しない構造となっているため、前記非晶質薄膜表面20aの酸化を有効に抑制することができ、さらに、基板10内を熱透過させるため、前記基板10が熱を蓄積し、前記非晶質薄膜20の横方向(図1中の両矢印Xの方向)の結晶成長を促進させることができる結果、従来の非晶質薄膜20の結晶化方法に比べて、短時間で、結晶粒径の大きな多結晶薄膜21を得ることができるからである。
また、本発明による非晶質薄膜の結晶化方法によれば、前記被晶質薄膜20の結晶化を短時間、具体的には、前記熱照射した位置にて、100msec以下で行うことができる。なお、前記結晶化の時間は、前記非晶質薄膜20の任意の1箇所で、前記熱照射31を開始してから、前記非晶質薄膜20が溶融し、多結晶として結晶化するまでの時間を示している。
ここで、図3(a)及び(b)は、石英基板10の表面上に、膜厚0.1μmの非晶質薄膜20を形成したサンプルについて、図5に示すように、大気中で非晶質シリコン薄膜20を上向きにした状態で、サンプルの表面20aに対して、熱源30からの熱照射31(マイクロプラズマジェットの照射)を行った後、所定時間(0分、1分、6分、11分、36分)のArプラズマ処理を行い、熱照射前のサンプルの非晶質シリコン薄膜20及び熱照射後の多結晶シリコン薄膜21の表面をX線光電子分光法(XPS)を用いて分析を行った結果を示したものであって、図3(a)が熱照射前、図3(b)が熱照射後の場合である。
また、図4(a)及び(b)は、シリコン基板10の表面10a上に、膜厚0.1μmの非晶質薄膜20を形成したサンプルについて、図2に示すように、大気中で、前記基板10の裏面10b側から熱源30からの熱照射31(マイクロプラズマジェットの照射)を行った後、所定時間(0分、1分、6分、11分)のArプラズマ処理を行い、熱照射前のサンプルの非晶質シリコン薄膜20及び熱照射後の多結晶シリコン薄膜21の表面をX線光電子分光法(XPS)を用いて分析を行った結果を示したものであって、図4(a)が熱照射前、図4(b)が熱照射後の場合である。
図2及び図3からわかるように、非晶質シリコン薄膜20の表面20aに対して熱照射を行った場合のサンプル(図3(b))は、熱照射前(図3(a))にはあったSiのピークが見られず、酸素がシリコン薄膜21中へと拡散した結果SiOとなっていることがわかる。一方、基板10裏面10b側から熱照射を行った場合のサンプル(図4(b))は、熱照射の前(図4(a))と同じく、Siのピークがみられ、酸素のシリコン薄膜21中への拡散が有効に抑制できていることがわかる。なお、図3(a)及び(b)については、SiOのピークをわかりやすくするため、95〜110eVの範囲のみを拡大して示している。
また、前記熱源30からの熱照射は、図2に示すように、前記基板10の両面10a、10bのうち、少なくとも非晶質薄膜20を形成した表面10a側を減圧雰囲気にして行うことが好ましい。減圧雰囲気にすることで、サンプル表面での熱が逃げにくくなるため(断熱効果)、結晶化を促進することができるからである。加えて、前記非晶質薄膜20の表面20a近傍の酸素を減少させることができるため、より高い酸化抑制効果を有することができるからである。
さらに、前記熱源30からの熱照射31は、前記基板10の表面10a側が減圧雰囲気、前記基板10の裏面10b側が大気圧雰囲気で行うことが製造コストの点で好ましい。前記基板10の表面10a側を減圧雰囲気にすることで、前記非晶質薄膜20の結晶化を促進することができる効果に加え、従来の方法では、大気圧中で熱源を用いた前記非晶質薄膜20の結晶化を行った場合、前記非晶質薄膜20の表面20aが酸化し、結晶化の工程中に非晶質薄膜20全体へと酸素が拡散する問題があったが、本発明では、大気中で行う場合でも有効に前記非晶質薄膜20の表面20a酸化や、異物等の付着を抑制し、結晶化工程中の酸素の拡散を防止することができる結果、本発明の効果が顕著に発揮されるためである。
ここで、図6は、図2に示すように、絶縁基板10の表面10a上に、膜厚0.1μmの非晶質薄膜20を形成したサンプルを、非晶質シリコン薄膜20を下向きにして孔41の空いたテーブル上に載置し、前記孔41から減圧をした状態で(1.0×10Pa)、大気中において前記基板10の裏面10b側から熱源30(マイクロプラズマジェット)による熱照射を施し、非晶質薄膜20の結晶化を行った後、外観の状態を観察した写真である。図5からもわかるように、減圧を行った部分を中心に多結晶シリコン薄膜21となっており、減圧によって、前記非晶質薄膜20の結晶化が促進されていることがわかる。
なお、前記減圧雰囲気は、1.0×10−8〜1.0×104Paの範囲であることが好ましい。減圧雰囲気が、1.0×104Pa超えでは、減圧が十分でないため、蓄熱効果を発揮することができず、1.0×10−8Pa未満では、圧力が低すぎるため真空排気に時間を要し、且つ基板保持に対する圧力差が大きいため孔の大きさによっては、基板のプラズマからの熱による歪が大きくなるためである。
なお、本発明による方法を用いて多結晶薄膜21を前記基板10上に形成した後、該多結晶シリコン膜21の所定位置にソース領域及びドレイン領域(図示せず)を形成し、さらに、ゲート酸化膜及びゲート電極(図示せず)を形成することにより、電界移動度:100〜150cm2/Vs、閾値電圧:2〜3Vの性能を有する薄膜トランジスタを作製することができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、本発明に従う非晶質薄膜の結晶化装置を用いて半導体材料を試作し、その性能を評価した。
(実施例1)
実施例1は、図1及び図2に示すように、直径が3、4、5又は10mmΦの大きさの異なる排気孔41を、10mmの間隔で配設した、Siからなるステージ40と、該ステージ40の下部に位置し、前記ステージ40の排気孔41から空気を吸引することで減圧を行う減圧ポンプ(図示せず)と、石英からなる内径が20mmΦ、長さ10mmのトーチ32と、アルゴンガスを充填したガス供給源51、ガス流量調節器52及びガス管53を有するプラズマ生成ガス供給手段50と、前記トーチ32の周りを囲むコイル60と、該コイル60に接続された27MHzの周波数の高周波電源61とを具えた非晶質シリコン薄膜の結晶化装置1を用い、前記ステージ40上に膜厚0.1μmの非晶質シリコン薄膜20をその表面10a上に形成した石英基板10を載置し、前記Si基板10の裏面側10bにおいては大気圧雰囲気で、前記非晶質シリコン薄膜20の表面20a側が10−2Paとなるように減圧ポンプで減圧した状態で、前記ステージ40を5mm/秒で移動させながら、前記トーチ32から前記基板10の裏面10bに対してマイクロプラズマジェット(温度:1300℃、電子密度:1012〜1017個/cm3)を照射することにより、前記非晶質シリコン薄膜20が結晶化したサンプルとなる半導体材料を作製した。
(実施例2)
実施例2は、前記減圧ポンプにより、前記非晶質シリコン薄膜20の表面20a側を減圧せずにマイクロプラズマジェット31を照射したこと以外は、実施例1と同様の工程によりサンプルとなる半導体材料を作製した。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同様の非晶質薄膜の結晶化装置を用いて、図4に示すように、前記非晶質シリコン薄膜20を上にして、ステージ40上に載置し、前記シリコン薄膜の表面20a側からマイクロプラズマジェット31を照射したこと以外は、実施例1と同様の工程によりサンプルとなる半導体材料を作製した。
(比較例2)
比較例2は、従来のエキシマレーザーを用いた非晶質薄膜の結晶化方法により、前記非晶質シリコン薄膜20を結晶化し、サンプルとなる半導体材料を得た。
上記実施例及び比較例で作製した各半導体材料について評価を行った。評価方法を以下に示す。
(評価方法)
(1)結晶粒径
上記実施例及び比較例で作製したサンプルの、多結晶シリコン薄膜21の表面を、透過電子顕微鏡を用いて観察し、任意の視野範囲(100nm×100nm)あたりに存在する最大の結晶サイズを測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:100nm以上
○:10nm以上、100nm未満
×:10nm未満
(2)結晶化速度
上記実施例及び比較例で作製したサンプルについて、前記非晶質シリコン薄膜20の任意の一部分(20mm×20mm)に対して、前記マイクロプラズマジェット31の照射を100msec行った。その後、照射した部分を切断、イオンミリングによる加工後透過電子顕微鏡(TEM)により観察した。さらに結晶化シリコン膜をラマン散乱により評価し、以下の基準に従って評価した。なお、水素の放出を評価基準の中に含めたのは、結晶化まで至ってないものの、結晶化がある程度の効果が発揮されていると認識できるためである。
◎:結晶化が確認
○:領域では非晶質のままであるが、非晶質膜中の水素の放出が起こる
×:非晶質のままであり、非晶質膜中の水素の放出もない
(3)酸素の拡散の有無
上記実施例及び比較例で作製したサンプルの熱プラズマ照射後の多結晶シリコン薄膜21の表面について、X線光電子分光法を用いて分析し、Arスパッタ時間を変化させてシリコン膜を表面から除去し、そこでSi、SiOのピーク強度を評価することで、酸化層の膜深さ方向の解析を行った。以下の基準に従って評価した。
○:回折線にSiのピークがある
×:回折線にSiのピークがない
上記の評価(1)〜(3)の結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例1及び2のサンプルは、比較例1及び2のサンプルと比較して、結晶粒径が大きく、結晶化の速度も速いことがわかった。また、前記非晶質シリコン薄膜20の表面20a側を減圧した実施例1は、減圧を行わなかった実施例2に比べて、さらに効果が高くなっていることがわかった。
本発明によれば、非晶質薄膜の表面の酸化を抑制しつつ、短時間で、結晶粒径の大きな多結晶薄膜を得ることができる非晶質薄膜の結晶化方法及びその装置、並びに薄膜トランジスタの製造方法を提供することが可能となる。
本発明に従う非晶質薄膜の結晶化装置の一部について模式的に示した断面図である。 本発明に従う非晶質薄膜の結晶化装置の一部について模式的に示した断面図である。 サンプルに従来の方法により熱プラズマ照射を行ったサンプルを、所定時間(0分、1分、6分、11分、36分)のArプラズマでスパッタを行って膜の深さ方向の組成、主に酸化層の形成の影響をX線光電子分光(XPS)で評価した結果であり、 (a)が熱照射前の非晶質シリコン薄膜、(b)が熱照射後の多結晶シリコン薄膜の回折線を示す。 サンプルに本発明の方法により熱照射を行ったサンプルを、所定時間(0分、1分、6分、11分)のArプラズマ照射を施した後、シリコン薄膜の表面についてX線光電子分光法(XPS)を用いて分析した結果であり、 (a)が熱照射前の非晶質シリコン薄膜、(b)が熱照射後の多結晶シリコン薄膜の回折線を示す。 従来のマイクロプラズマジェットを用いた非晶質薄膜の結晶化装置の一部について模式的に示した断面図である。 結晶化を行った後の非晶質薄膜について外観の状態を示した写真である。
符号の説明
1 非晶質薄膜の結晶化装置
10 基板、Si基板
20 非晶質薄膜、非晶質シリコン薄膜
21 多結晶薄膜、多結晶シリコン薄膜
30 熱源
31 熱照射、マイクロプラズマジェット
32 トーチ
33 先端部
40 ステージ
41 排出孔
50 プラズマ生成ガス供給手段
51 ガス供給源
52 ガス流量調整器
53 ガス管
60 コイル
61 高周波電源
62 マッチング回路

Claims (12)

  1. 絶縁基板の表面上に、所定膜厚の非晶質薄膜を形成し、該非晶質薄膜に熱源からの熱を照射することにより、前記非晶質薄膜を結晶化させて多結晶薄膜とする方法において、
    前記基板が熱透過性材料からなり、前記熱源からの熱照射は、所定の雰囲気下で、前記基板の裏面から基板内を熱透過させることによって行うことを特徴とする非晶質薄膜の結晶化方法。
  2. 前記熱源からの熱照射は、前記基板の両面のうち、少なくとも非晶質薄膜を形成した表面側を減圧雰囲気にして行う請求項1記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
  3. 前記熱源からの熱照射は、前記基板の表面側を減圧雰囲気、前記基板の裏面側を大気圧雰囲気で行う請求項1記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
  4. 前記熱源からの熱照射は、マイクロプラズマジェットの照射である請求項1、2又は3記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
  5. 前記減圧雰囲気は、1.0×10−8〜1.0×104Paである請求項2、3又は4記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
  6. 前記非晶質薄膜の結晶化は、前記熱照射した位置にて、100msec以下の短時間の熱照射で行われる請求項1〜4のいずれか1項記載の非晶質薄膜の結晶化方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の方法で多結晶薄膜を形成した後、該多結晶薄膜の所定位置にソース領域及びドレイン領域を形成し、さらに、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成する薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 所定膜厚の非晶質薄膜を形成した絶縁基板を、前記非晶質薄膜が下向きになるように載置するためのステージと、絶縁体又は金属からなるマイクロプラズマジェットを照射するためのトーチと、該トーチにプラズマ生成ガスを導入するプラズマ生成ガス供給手段と、前記トーチ内に誘導電場を発生させるためのコイルと、該コイルに高周波電力を供給するための高周波電源とを具え、
    前記ステージの載置面に、前記基板の非晶質薄膜側である表面を減圧雰囲気にするため、複数個の排気孔を設け、前記マイクロプラズマジェットからの熱照射は、所定の雰囲気かで、前記基板の裏面から基板内を熱透過させることによって、前記非晶質薄膜を結晶化させて多結晶薄膜にすることを特徴とする非晶質薄膜の結晶化装置。
  9. 前記排気孔は、その直径が1〜10000μmで、かつその配設間隔が1〜10000μmである請求項8記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
  10. 前記マイクロプラズマジェットは、前記ステージに対して相対移動させて、前記非晶質薄膜全体を結晶化する請求項8又は9記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
  11. 前記相対移動は、前記ステージを移動させることにより行い、前記ステージの移動速度は、5〜200mm/秒である請求項10記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
  12. 前記非晶質薄膜の結晶化は、前記熱照射した位置にて、100msec以下の短時間の熱照射で行われる請求項8〜11のいずれか1項記載の非晶質薄膜の結晶化装置。
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