JP2009199915A - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲な電流密度で高い出力電圧を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】白金を含む触媒とイオン交換樹脂とを含む触媒層およびガス拡散層を有するカソード20およびアノード30と、触媒層22と触媒層32との間に配置される高分子電解質膜40とを備える膜電極接合体10において、カソード20およびアノード30が触媒層とガス拡散層との間に、カーボン繊維とイオン交換樹脂とを含み、かつ下記条件(a)〜(b)を満足する中間層26、36を有する。(a)中間層は、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して3〜20原子%の白金を含む。(b)中間層に含まれる白金の90原子%以上が触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法に関する。
水素および酸素を用いる燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水のみであることから、環境への悪影響がほとんどない発電システムとして注目されている。燃料電池のうち、2つの電極(アノードおよびカソード)の間に、プロトン伝導性のイオン交換樹脂からなる高分子電解質膜を配置した膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く(たとえば、50〜120℃であり)、出力密度が高く、かつ小型化できるため、自動車用電源等として有望視されている。
前記電極は、触媒およびイオン交換樹脂を含む触媒層と、ガス拡散層とを有しており、該電極には、下記性能が要求される。
(i)水素または酸素を触媒に接触させるためのガス拡散性。
(ii)触媒層とガス拡散層との間で電子の伝達を行うための導電性。
(iii)電極反応で発生する水および水素または酸素に含まれる水蒸気の凝縮による細孔の閉塞(フラッディング)を抑え、ガス拡散性を保つための撥水性(排水性)。
(iv)長期間にわたって電極反応を行うための耐久性。
しかし、従来の電極は、前記(i)〜(iv)の性能を充分に満足するものではない。そのため、従来の固体高分子形燃料電池は、発電性能(出力電圧等。)が不充分である。
前記(i)〜(iv)の性能が改善された電極を有する膜電極接合体としては、下記のものが提案されている。
(1)触媒層とガス拡散層との間に、カーボン繊維とイオン交換樹脂とを含むカーボン層(中間層)を有する膜電極接合体(特許文献1)。
しかし、(1)の膜電極接合体は、低電流密度における出力電圧は充分であるが、高電流密度における出力電圧がいまだ不充分である。
特開2008−016431号公報
本発明は、広範囲な電流密度で高い出力電圧を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法を提供する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、触媒層およびガス拡散層を有するカソードと、触媒層およびガス拡散層を有するアノードと、前記カソードの触媒層と前記アノードの触媒層との間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、前記カソードおよび前記アノードの少なくとも一方は、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含み、前記触媒層と前記ガス拡散層との間に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含み、かつ下記条件(a)〜(b)を満足する中間層を有することを特徴とする。
(a)前記中間層は、前記触媒層に含まれる白金と前記中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜20原子%の白金を含む。
(b)前記中間層に含まれる白金の90原子%以上が、前記触媒層と前記中間層との界面から前記中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
前記白金を含む触媒は、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒であることが好ましい。
前記カーボン繊維は、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーであることが好ましい。
前記中間層の厚さは、2〜40μmであることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、前記固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、基材の表面に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含む分散液を塗工し、乾燥して中間層を形成する工程と、該中間層の表面に、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含む塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、中間層と触媒層とから構成される第1の積層体を得る工程と、該触媒層と高分子電解質膜とが接するように、第1の積層体と高分子電解質膜とを接合する工程とを有することを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、広範囲な電流密度で高い出力電圧を有する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法によれば、広範囲な電流密度で高い出力電圧を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造できる。
本明細書においては、式(2)で表される化合物を化合物(2)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
<膜電極接合体>
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す概略断面図である。膜電極接合体10は、触媒層22、中間層24およびガス拡散層26を順に有するカソード20と、触媒層32、中間層34およびガス拡散層36を順に有するアノード30と、カソード20の触媒層22とアノード30の触媒層32との間に配置される高分子電解質膜40とを備える。
(触媒層)
触媒層22および触媒層32(以下、まとめて触媒層とも記す。)は、触媒およびイオン交換樹脂を含む層である。ここで、触媒層22と触媒層32は、同じであっても異なっていてもよく、触媒層を構成する成分も同じであっても異なっていてもよい。
触媒は、白金を含む触媒である。触媒としては、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒が好ましい。
カーボン担体としては、活性炭、カーボンブラック等が挙げられる。
カーボン担体の比表面積は、200m/g以上が好ましい。カーボン担体の比表面積は、BET比表面積装置によりカーボン表面への窒素吸着により測定する。
白金または白金合金の担持率は、担持触媒(100質量%)のうち、10〜70質量%が好ましい。
触媒層に含まれるイオン交換樹脂のイオン交換容量は、導電性およびガス透過性の点から、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂が特に好ましい。
触媒層に含まれるイオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましく、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく単位と、スルホン酸基を有する繰り返し単位とを有する共重合体(以下、共重合体(H)と記す。)が特に好ましい。スルホン酸基を有する繰り返し単位としては、下式(1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2009199915
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
共重合体(H)は、TFEおよび−SOF基を有する単量体の混合物を重合して共重合体(H’)を得た後、共重合体(H’)中の−SOF基をスルホン酸基に変換することにより得られる。−SOF基のスルホン酸基への変換は、加水分解および酸型化処理により行われる。
−SOF基を有する単量体としては、化合物(2)が好ましい。
CF=CF(OCFCFX)−O−(CF−SOF ・・・(2)。
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
化合物(2)としては、化合物(2−1)〜(2−3)が好ましい。
CF=CFO(CFSOF ・・・(2−1)、
CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOF ・・・(2−2)、
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSOF ・・・(2−3)。
ただし、q、r、sは1〜8の整数であり、tは1〜3の整数である。
触媒層中の触媒とイオン交換樹脂との比(触媒/イオン交換樹脂)は、電極の導電性および撥水性の点から、4/6〜9.5/0.5(質量比)が好ましく、6/4〜8/2が特に好ましい。触媒が担持触媒の場合の触媒の質量には、担体の質量も含まれる。
触媒層の厚さは、触媒層中のガス拡散を容易にし、固体高分子形燃料電池の特性を向上させる点から、20μm以下が好ましく、1〜15μmがより好ましい。触媒層の厚さは、触媒層の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)等によって観察することにより測定する。
(中間層)
中間層24および中間層34(以下、まとめて中間層とも記す。)は、カーボン繊維とイオン交換樹脂とを含む層である。ここで、中間層24と中間層34は、同じであっても異なっていてもよく、中間層を構成する成分も同じであっても異なっていてもよい。
カーボン繊維としては、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。繊維径が1nm以上であれば、製造コストが抑えられ、また、分散液を調製する際に繊維構造が破壊されにくい。繊維径が1000nm以下であれば、最適な空隙構造を有する中間層を形成できる。繊維長が1000μm以下であれば、塗工液における分散性が良好となる。繊維径は、10〜200nmが特に好ましく、繊維長は、5〜30μmが特に好ましい。
カーボンナノファイバーの繊維径および繊維長は、光学顕微鏡、SEM、TEM(透過型電子顕微鏡)等による観察により測定する。カーボンナノファイバーの繊維径および繊維長は、それぞれ、カーボンナノファイバーの平均繊維径よび平均繊維長を示す。
カーボンナノファイバーとしては、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等。)等が挙げられ、微細でかつ電子伝導性を有するカーボンナノファイバーが特に好ましい。
カーボン繊維は、中間層と触媒層との界面において、触媒層に含まれる触媒に絡まることにより、該触媒同士の点接触による導電パスに加えて、新たな導電パスが発現するため、触媒層の電子伝導性が向上する。
また、カーボン繊維は、互いに絡み合って空隙を形成しやすく、該空隙がガスチャンネルとして機能する。カソード20の触媒層22では水(水蒸気)が生成し、該水は触媒層22と隣接して配置されるガス拡散層26を通って系外に排出される。触媒層22とガス拡散層26との間に、カーボン繊維を主体とする中間層24を有することにより、水が毛細管現象によって触媒層22から中間層24へと速やかに移動し、燃料電池の運転時のフラッディングの問題が解消される。カーボン繊維のかわりにカーボン粒子を用いても、適切な空隙構造が得られないため、上述のような効果は得られない。
中間層に含まれるイオン交換樹脂は、触媒層に含まれるイオン交換樹脂と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。カーボン繊維を分散させやすい点、およびガス拡散層と触媒層との界面の密着性が高まる点から、触媒層に含まれるイオン交換樹脂と同じものが好ましい。
中間層中のカーボン繊維とイオン交換樹脂との比(カーボン繊維/イオン交換樹脂)は、1/0.1〜1/1.5(質量比)が好ましい。カーボン繊維の1に対してイオン交換樹脂の割合が0.1以上であれば、塗工液中におけるカーボン繊維の分散性が良好となり、中間層を塗工により形成した際に、中間層と基材との密着性がよく、剥離しにくくなり、取り扱い性がよい。カーボン繊維の1に対してイオン交換樹脂の割合が1.5以下であれば、中間層の空隙率が大きくなり、充分なガス拡散性、排水性が発現される。
中間層中のカーボンナノファイバーとイオン交換樹脂との比の好ましい範囲は、カーボンナノファイバーの繊維径によって異なる。カーボンナノファイバーとイオン交換樹脂とが一体となって中間層を形成するため、両者の比とカーボンナノファイバーの繊維径の両方で空隙構造がコントロールされる。すなわち、最適な空隙構造を得るためには、カーボンナノファイバーの繊維径によって両者の比が変わってくる。カーボンナノファイバー/イオン交換樹脂は、カーボンナノファイバーの繊維径が1〜100nmの場合、1/0.2〜1/0.6(質量比)がより好ましく、カーボンナノファイバーの繊維径が100nm超1000nm以下の場合、1/0.5〜1/1.3(質量比)がより好ましい。
中間層としては、空隙率が高く、かつ触媒層の成分(触媒およびイオン交換樹脂)が中間層の空隙の一部に入り込んでいるものが好ましい。中間層に触媒層の成分を入り込ませる方法としては、中間層を形成した後、中間層の表面に触媒層の成分を含む塗工液を塗工する等の方法が挙げられる。
中間層24および中間層34の少なくとも一方は、下記条件(a)〜(b)を満足する必要があり、中間層24および中間層34の両方が、下記条件(a)〜(b)を満足することが好ましい。
(a)中間層に含まれる白金の割合が、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜20原子%である。
(b)中間層に含まれる白金の90原子%以上が、触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
中間層に含まれる白金の割合が3原子%以上であれば、触媒層で生成する水の生成量と中間層で生成する水の生成量とが触媒層と中間層との界面付近で連続的に変化し、触媒層から中間層への水の移行がスムーズに行われ、特に高電流密度において発電性能が向上する。中間層に含まれる白金の割合が20原子%以下であれば、触媒と高分子電解質膜40との平均距離が大きくなりすぎないため、発電性能の低下が抑えられる。
中間層に含まれる白金の割合は、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、5〜15原子%が好ましい。
中間層に含まれる白金の90原子%以上が、触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在すれば、触媒と高分子電解質膜40との平均距離が大きくなりすぎないため、発電性能の低下が抑えられる。
中間層の厚さは、2〜40μmが好ましい。中間層の厚さが2μm以上であれば、充分な撥水性を発現できる。中間層の厚さが20μm以下であれば、ガス拡散層と触媒層との接触抵抗を低く抑えることができ、また、膜電極接合体の厚さを薄くでき、燃料電池(スタック)の構造を設計しやすい。中間層の厚さは、中間層の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
中間層の密度は、カーボンナノファイバーの繊維径が1〜100nmの場合、1.0〜1.4g/cmが好ましく、1.1〜1.3g/cmがより好ましい。中間層の密度は、カーボンナノファイバーの繊維径が100nm超1000nm以下の場合、0.8〜1.4g/cmが好ましく、1.0〜1.2g/cmがより好ましい。中間層の密度は、中間層が水を含まない乾燥状態で測定した密度である。
中間層の空隙率は、30〜65%が好ましく、35〜55%がより好ましい。中間層の空隙率は、カーボンナノファイバーの繊維径が1〜100nmの場合、40〜50%がより好ましい。中間層の空隙率が30%以上であれば、ガス拡散性、排水性が良好となる。中間層の空隙率が65%以下であれば、中間層が脆くなりにくい。
(ガス拡散層)
ガス拡散層26およびガス拡散層36(以下、まとめてガス拡散層とも記す。)としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等のガス拡散性基材が挙げられる。
ガス拡散層の表面は、撥水性のフッ素樹脂を含む溶液または分散液によって撥水処理されていることが好ましい。撥水処理することにより、カソード20の触媒層22で発生する水がガス拡散層26の細孔を塞ぎにくくなり、ガス拡散性の低下が抑えられる。
ガス拡散層の表面は、膜電極接合体の導電性の点から、撥水性のフッ素樹脂および導電性カーボンを含む分散液よって撥水処理されていることがより好ましい。
撥水性のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。)等が挙げられる。導電性カーボンとしては、カーボンブラック等が挙げられる。
ガス拡散層の撥水処理された表面が、触媒層または中間層に接する。
ガス拡散層の厚さは、50〜400μmが好ましい。
(高分子電解質膜)
高分子電解質膜40としては、イオン交換樹脂の膜が挙げられる。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましく、共重合体(H)が特に好ましい。
高分子電解質膜40は、補強材を含んでいてもよい。補強材としては、多孔体、繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強材の材料としては、PTFE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
高分子電解質膜40の厚さは、20〜80μmが好ましい。高分子電解質膜40の厚さは、高分子電解質膜40の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
以上説明した膜電極接合体10にあっては、中間層24および中間層34の少なくとも一方が前記条件(a)〜(b)を満足するため、触媒層の成分が中間層の空隙の一部に入り込み、触媒層から中間層への水の移行がスムーズに行われ、かつ触媒層の成分が中間層の空隙の一部に入り込んでいるにもかかわらず、発電性能の低下が最小限に抑えられている。その結果、高電流密度における出力電圧が充分に高くなる。
なお、本発明の膜電極接合体は、図示例のものに限定はされない。たとえば、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない膜電極接合体であってもよい。カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、カソードが中間層を有することが好ましい。
<膜電極接合体の製造方法>
膜電極接合体10の製造方法としては、下記方法(I)〜(III)が挙げられ、触媒層と中間層との間で良好な導電パスが形成される点から、下記方法(I)または(II)が好ましい。なお、下記の製造方法の説明においては、触媒層に含まれるイオン交換樹脂と中間層に含まれるイオン交換樹脂を区別して説明するため、前者を第1のイオン交換樹脂、後者を第2のイオン交換樹脂という。
(方法(I))
方法(I)は、下記工程(I−1)〜(I−4)を有する方法である。
(I−1)基材フィルムの表面に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含む分散液(以下、中間層形成用塗工液と記す。)を塗工し、乾燥して中間層を形成する工程。
(I−2)中間層の表面に、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含む塗工液(触媒層形成用塗工液と記す。)を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、中間層/触媒層で構成される第1の積層体を得る工程。
(I−3)触媒層と高分子電解質膜とが接するように、2つの第1の積層体と高分子電解質膜とを接合することにより、中間層/触媒層/高分子電解質膜/触媒層/中間層で構成される第2の積層体を得る工程。
(I−4)中間層の表面から基材フィルムを剥離した後、2つのガス拡散基材と第2の積層体を接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
工程(I−1):
基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルム等が挙げられる。
中間層形成用塗工液は、カーボン繊維を溶媒に分散させ、第2のイオン交換樹脂を溶媒に溶解または分散させることにより調製される。
溶媒としては、水とアルコール類(エタノール等。)との混合溶媒が好ましい。
中間層形成用塗工液の固形分濃度は、5〜30質量%が好ましい。
塗工方法としては、公知の方法を用いればよい。
乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
工程(I−2):
触媒層形成用塗工液は、触媒を溶媒に分散させ、第1のイオン交換樹脂を溶媒に溶解または分散させることにより調製される。
溶媒としては、水とアルコール類(エタノール等。)との混合溶媒が好ましい。
水とアルコール類との比(水/アルコール類)は、前記条件(a)〜(b)を満足しやすい点から、70/30〜30/70(質量比)が好ましい。水の割合が多すぎると、触媒層の成分が中間層の空隙に入り込みにくくなる。アルコール類の割合が多すぎると、触媒層の成分が中間層の空隙に多く入り込んでしまう。
触媒層形成用塗工液の固形分濃度は、5〜15質量%が好ましい。
塗工方法としては、公知の方法を用いればよい。
乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
工程(I−3):
接合方法としては、ホットプレス法、ホットロールプレス法、超音波融着法等が挙げられ、面内の均一性の点から、ホットプレス法が好ましい。
プレス機内のプレス板の温度は、100〜150℃が好ましい。
プレス圧力は、0.5〜2.0MPaが好ましい。
なお、2つの第1の積層体は、(I−1)〜(I−2)の工程を経ていれば、同じものであっても異なるものであってもよい。
工程(I−4):
接合方法としては、ホットプレス法、ホットロールプレス法、超音波融着法等が挙げられ、面内の均一性の点から、ホットプレス法が好ましい。
プレス機内のプレス板の温度は、100〜150℃が好ましい。
プレス圧力は、0.5〜2.0MPaが好ましい。
なお、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、中間層を有さない電極の触媒層を、基材フィルムの表面に触媒層形成用塗工液を塗布し、乾燥して形成した後、該触媒層を、前記第1の積層体の一方と置き換えて高分子電解質膜と接合すればよい。
(方法(II))
方法(II)は、下記工程(II−1)〜(II−3)を有する方法である。
(II−1)ガス拡散性基材の表面に、中間層形成用塗工液を塗工し、乾燥して中間層を形成することにより、ガス拡散層/中間層で構成される積層体を得る工程。
(II−2)中間層の表面に、触媒層形成用塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、ガス拡散層/中間層/触媒層で構成される電極を得る工程。
(II−3)触媒層と高分子電解質膜とが接するように、2つの電極と高分子電解質膜とを接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
工程(II−1)〜(II−3)は、工程(I−1)〜(I−3)と同様に行えばよい。
なお、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、ガス拡散性基材の表面に触媒層形成用塗工液を塗布し、乾燥して触媒層を形成することにより中間層を有さない電極を得た後、該電極を、前記中間層を有する電極の一方と置き換えて高分子電解質膜と接合すればよい。
(方法(III))
方法(III)は、下記工程(III−1)〜(III−3)を有する方法である。
(III−1)ガス拡散性基材の表面に、中間層形成用塗工液を塗工し、乾燥して中間層を形成することにより、ガス拡散層/中間層で構成される積層体を得る工程。
(III−2)高分子電解質膜の両面に、触媒層形成用塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、膜触媒層接合体を得る工程。
(III−3)中間層と触媒層とが接するように、2つの積層体と膜触媒層接合体とを接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
工程(III−1)〜(III−3)は、工程(I−1)〜(I−3)と同様に行えばよい。
なお、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、前記積層体の一方を、ガス拡散性基材のみに置き換えて高分子電解質膜と接合すればよい。
<固体高分子形燃料電池>
本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、たとえば、膜電極接合体と、該膜電極接合体を挟んで対向して配置された一対のセパレータとからなるセルを、膜電極接合体とセパレータとが交互に配置されるようにスタックしたものである。
セパレータは、両面にガスの流路となる複数の溝が形成されたものである。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂とを混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、本発明の膜電極接合体を適用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
例1、5、6は実施例であり、例2〜4、7は比較例である。
〔例1〕
工程(I−1):
テトラフルオロエチレンに基づく単位と、下式(11)で表される繰り返し単位とからなる共重合体(H1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させ、固形分濃度10質量%のイオン交換樹脂液(A)を調製した。
Figure 2009199915
気相成長炭素繊維(昭和電工社製、商品名:VGCF−H、繊維径:約150nm、繊維長:10〜20μm)の10.0gに蒸留水90.0gを加え、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の100.0gを加え、よく撹拌し、さらにホモジナイザーを用いて混合、粉砕し、中間層形成用塗工液(B1)を得た。
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に中間層形成用塗工液(B1)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて中間層(P)を形成させた。
中間層(P)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、中間層(P)の固形分の量を算出したところ、1.1mg/cmであり、中間層(P)の厚さは約12μmであり、密度は1.1mg/cmであった。
工程(I−2):
カーボン担体(比表面積:800m/g)に白金・コバルト合金(白金/コバルト=46/5(質量比))が触媒全質量の51質量%含まれるように担持された触媒(田中貴金属社製)の10.0gを蒸留水の89.4gに加え、よく撹拌した。これにエタノールの0.6gを添加し、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の49.0gを加え、さらにホモジナイザーを用いて混合、粉砕し、触媒層形成用塗工液(A1)を得た。触媒層形成用塗工液(A1)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、50/50(質量比)であった。
中間層(P)の表面に触媒層形成用塗工液(A1)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層(A1)を形成し、中間層(P)/触媒層(A1)で構成される第1の積層体(C1)を得た。第1の積層体(C1)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A1)の成分の一部が中間層(P)の空隙に入り込んでいた。
触媒層(A1)の形成前後の積層体の質量を測定することにより、第1の積層体(C1)に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.2mg/cmであった。
工程(I−3):
高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜(旭硝子社製、商品名:フレミオン、厚さ:30μm、イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を用意した。
触媒層(A1)と高分子電解質膜とが接するように、2つの第1の積層体(C1)の間に高分子電解質膜と配置し、ホットプレス法により接合することにより、電極面積が25cmである、中間層(P)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D1)を得た。
工程(I−4):
ガス拡散基材として、厚さ350μmのカーボンクロスを用意した。
中間層(P)の表面から基材フィルムを剥離した後、2つのガス拡散基材の間に第2の積層体(D1)を挟んで、膜電極接合体を得た。
(セル電圧)
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、常圧にて、水素(利用率70%)/空気(利用率40%)を供給し、セル温度80℃において電流密度0.2A/cmおよび1.5A/cmにおける運転初期のセル電圧を測定した。なお、アノード側には露点80℃の水素を供給し、カソード側には露点80℃の空気を供給した。結果を表1に示す。
(白金の割合)
アノード側のガス拡散層を剥離した後、膜電極接合体をエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームにより切削して断面を露出させた。
EPMA(Electron Prove Micro Analysis)により、膜触媒層接合体の断面の白金の線分析を行った。
同時に、断面をSEM(反射電子)で観察して、該断面の厚さ方向における中間層の位置を正確に特定した。
該分析によって、触媒層中の白金がどのくらいまで中間層に入り込んでいるかを求めることができる。また、断面において存在する全白金原子の量と、中間層の中に入り込んでいる白金原子の量との比も求めることができる。
該分析により、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量に対する、中間層に含まれる白金の割合(R1)と、中間層に含まれる白金に対する、触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する白金の割合(R2)を求めた。結果を表1に示す。また、EPMAによる膜電極接合体の断面の白金の線分析のチャートを図2に示す。
〔例2〕
工程(I−1):
例1の工程(I−1)と同様に行った。中間層(P)の密度は1.1g/cmであった。
工程(I−2):
蒸留水の量を44.7g、エタノールの量を45.3gに変更し、遊星ボールミルを用いて混合、粉砕した以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、触媒層形成用塗工液(A3)を得た。触媒層形成用塗工液(A3)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、70/30(質量比)であった。
触媒層形成用塗工液(A1)の代わりに触媒層形成用塗工液(A3)を用いた以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、中間層(P)/触媒層(A3)で構成される第1の積層体(C2)を得た。第1の積層体(C2)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A3)の成分の一部が中間層(P)の空隙に入り込んでいた。
工程(I−3):
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C2)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cmである、中間層(P)/触媒層(A3)/高分子電解質膜/触媒層(A3)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D2)を得た。
工程(I−4):
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D2)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
〔例3〕
工程(I−1):
例1の工程(I−1)と同様に行った。中間層(P)の密度は1.1g/cmであった。
工程(I−2):
遊星ボールミルを用いて混合、粉砕した以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、触媒層形成用塗工液(A2)を得た。触媒層形成用塗工液(A2)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、50/50(質量比)であった。
触媒層形成用塗工液(A1)の代わりに触媒層形成用塗工液(A2)を用いた以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、中間層(P)/触媒層(A2)で構成される第1の積層体(C3)を得た。第1の積層体(C3)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A2)の成分の一部が中間層(P)の空隙に入り込んでいた。
工程(I−3):
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C3)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cmである、中間層(P)/触媒層(A2)/高分子電解質膜/触媒層(A2)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D3)を得た。
工程(I−4):
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D3)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
〔例4〕
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に触媒層形成用塗工液(A1)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層(A1)を形成した。
触媒層(A1)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層(A1)に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.2mg/cmであった。
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に中間層形成用塗工液(B1)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて中間層(P)を形成した。
中間層(P)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、中間層(P)の固形分の量を算出したところ、1.1mg/cmであり、中間層(P)の厚さは約12μmであり、密度は1.1mg/cmであった。
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に形成された触媒層(A1)を、ホットプレス法により、中間層(P)の表面に転写し、中間層(P)/触媒層(A1)で構成される第1の積層体(C4)を得た。第1の積層体(C4)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A1)の成分は、中間層(P)の空隙にまったく入り込んでいなかった。
工程(I−3):
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C4)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cmである、中間層(P)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D4)を得た。
工程(I−4):
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D4)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
〔例5〕
工程(I−1)〜(I−2):
例1の工程(I−1)〜(I−2)と同様に行った。
工程(I−3):
触媒層(A1)と高分子電解質膜とが接するように、第1の積層体(C1)と例4の触媒層(A1)との間に高分子電解質膜と配置し、ホットプレス法により接合することにより、電極面積が25cmである、中間層(P)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)で構成される第2の積層体(D5)を得た。
工程(I−4):
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D5)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。なお、中間層(P)が存在しない側の電極をアノードとした。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
〔例6〕
工程(I−1):
カップ積層型カーボンナノチューブ(GSIクレオス社製、商品名:カルベール AR50−HT、繊維径:約90nm、繊維長:20〜100μm)の10.0gにエタノールの31.5g、蒸留水の58.5gを加え、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の30.0gを加え、よく撹拌し、さらにホモジナイザーを用いて混合、粉砕し、中間層形成用塗工液(B2)を得た。
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に中間層形成用塗工液(B2)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて中間層(Q)を形成させた。中間層(Q)の密度は1.0g/cmであった。
工程(I−2):
中間層(P)の代わりに中間層(Q)を用いた以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、中間層(Q)/触媒層(A1)で構成される第1の積層体(C5)を得た。第1の積層体(C5)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A1)の成分の一部が中間層(Q)の空隙に入り込んでいた。
工程(I−3):
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C5)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cmである、中間層(Q)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)/中間層(Q)で構成される第2の積層体(D6)を得た。
工程(I−4):
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D6)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。また、EPMAによる膜電極接合体の断面の白金の線分析のチャートを図3に示す。
〔例7〕
特開2008−016431号公報の実施例の例6におけるカソード触媒層用塗工液(b2)を、下記触媒層形成用塗工液(A4)に変更した以外は、特開2008−016431号公報の実施例の例6と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
触媒層形成用塗工液(A4):
カーボン担体(比表面積250m/g)に白金・コバルト合金(白金/コバルト=36/4(質量比))を40質量%担持した触媒の25gを蒸留水138gに加え、遊星ボールミルを用いて粉砕し、さらにエタノールの187gを加え、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の150gを加え、よく撹拌し、触媒層形成用塗工液(A4)を得た。触媒層形成用塗工液(A4)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、30/70(質量比)であった。
Figure 2009199915
例1、5、6の膜電極接合体を用いると、低電流密度領域、高電流密度領域のいずれにおいても高い出力電圧が得られていることがわかる。
本発明によれば、低電流密度領域、高出力密度領域のいずれにおいても、高い出力電圧が得られる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供できるため、燃料電池を定置用、自動車用等の種種の電源の用途において用いるにあたり、きわめて有用である。
本発明の膜電極接合体の一例を示す断面図である。 EPMAにより例1の膜電極接合体の断面の白金の線分析を行った際に得られたチャートである。 EPMAにより例6の膜電極接合体の断面の白金の線分析を行った際に得られたチャートである。
符号の説明
10 膜電極接合体
20 カソード
22 触媒層
24 中間層
26 ガス拡散層
30 アノード
32 触媒層
34 中間層
36 ガス拡散層
40 高分子電解質膜

Claims (5)

  1. 触媒層およびガス拡散層を有するカソードと、
    触媒層およびガス拡散層を有するアノードと、
    前記カソードの触媒層と前記アノードの触媒層との間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、
    前記カソードおよび前記アノードの少なくとも一方は、前記触媒層が白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含み、前記触媒層と前記ガス拡散層との間に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含み、かつ下記条件(a)〜(b)を満足する中間層を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
    (a)前記中間層は、前記触媒層に含まれる白金と前記中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜40原子%の白金を含む。
    (b)前記中間層に含まれる白金の90原子%以上が、前記触媒層と前記中間層との界面から前記中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
  2. 前記白金を含む触媒が、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  3. 前記カーボン繊維が、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーである、請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  4. 前記中間層の厚さが、2〜40μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    基材の表面に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含む分散液を塗工し、乾燥して中間層を形成する工程と、
    該中間層の表面に、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含む塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、中間層と触媒層とから構成される第1の積層体を得る工程と、
    該触媒層と高分子電解質膜とが接するように、第1の積層体と高分子電解質膜とを接合する工程と
    を有する、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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