JP5181717B2 - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(i)水素または酸素を触媒に接触させるためのガス拡散性。
(ii)触媒層とガス拡散層との間で電子の伝達を行うための導電性。
(iii)電極反応で発生する水および水素または酸素に含まれる水蒸気の凝縮による細孔の閉塞(フラッディング)を抑え、ガス拡散性を保つための撥水性(排水性)。
(iv)長期間にわたって電極反応を行うための耐久性。
前記(i)〜(iv)の性能が改善された電極を有する膜電極接合体としては、下記のものが提案されている。
(1)触媒層とガス拡散層との間に、カーボン繊維とイオン交換樹脂とを含むカーボン層(中間層)を有する膜電極接合体(特許文献1)。
(a)前記中間層は、前記触媒層に含まれる白金と前記中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜15原子%の白金を含む。
(b)前記中間層に含まれる白金の90原子%以上が、前記触媒層と前記中間層との界面から前記中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
前記カーボン繊維は、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーであることが好ましい。
前記中間層の厚さは、2〜40μmであることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法によれば、広範囲な電流密度で高い出力電圧を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造できる。
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す概略断面図である。膜電極接合体10は、触媒層22、中間層24およびガス拡散層26を順に有するカソード20と、触媒層32、中間層34およびガス拡散層36を順に有するアノード30と、カソード20の触媒層22とアノード30の触媒層32との間に配置される高分子電解質膜40とを備える。
触媒層22および触媒層32(以下、まとめて触媒層とも記す。)は、触媒およびイオン交換樹脂を含む層である。ここで、触媒層22と触媒層32は、同じであっても異なっていてもよく、触媒層を構成する成分も同じであっても異なっていてもよい。
カーボン担体の比表面積は、200m2/g以上が好ましい。カーボン担体の比表面積は、BET比表面積装置によりカーボン表面への窒素吸着により測定する。
白金または白金合金の担持率は、担持触媒(100質量%)のうち、10〜70質量%が好ましい。
CF2=CF(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO2F ・・・(2)。
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
CF2=CFO(CF2)qSO2F ・・・(2−1)、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO2F ・・・(2−2)、
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)sSO2F ・・・(2−3)。
ただし、q、r、sは1〜8の整数であり、tは1〜3の整数である。
触媒層の厚さは、触媒層中のガス拡散を容易にし、固体高分子形燃料電池の特性を向上させる点から、20μm以下が好ましく、1〜15μmがより好ましい。触媒層の厚さは、触媒層の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)等によって観察することにより測定する。
中間層24および中間層34(以下、まとめて中間層とも記す。)は、カーボン繊維とイオン交換樹脂とを含む層である。ここで、中間層24と中間層34は、同じであっても異なっていてもよく、中間層を構成する成分も同じであっても異なっていてもよい。
また、カーボン繊維は、互いに絡み合って空隙を形成しやすく、該空隙がガスチャンネルとして機能する。カソード20の触媒層22では水(水蒸気)が生成し、該水は触媒層22と隣接して配置されるガス拡散層26を通って系外に排出される。触媒層22とガス拡散層26との間に、カーボン繊維を主体とする中間層24を有することにより、水が毛細管現象によって触媒層22から中間層24へと速やかに移動し、燃料電池の運転時のフラッディングの問題が解消される。カーボン繊維のかわりにカーボン粒子を用いても、適切な空隙構造が得られないため、上述のような効果は得られない。
(a)中間層に含まれる白金の割合が、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜20原子%である。
(b)中間層に含まれる白金の90原子%以上が、触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。
中間層に含まれる白金の割合は、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、5〜15原子%が好ましい。
ガス拡散層26およびガス拡散層36(以下、まとめてガス拡散層とも記す。)としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等のガス拡散性基材が挙げられる。
ガス拡散層の表面は、膜電極接合体の導電性の点から、撥水性のフッ素樹脂および導電性カーボンを含む分散液よって撥水処理されていることがより好ましい。
ガス拡散層の撥水処理された表面が、触媒層または中間層に接する。
ガス拡散層の厚さは、50〜400μmが好ましい。
高分子電解質膜40としては、イオン交換樹脂の膜が挙げられる。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましく、共重合体(H)が特に好ましい。
膜電極接合体10の製造方法としては、下記方法(I)〜(III)が挙げられ、触媒層と中間層との間で良好な導電パスが形成される点から、下記方法(I)または(II)が好ましい。なお、下記の製造方法の説明においては、触媒層に含まれるイオン交換樹脂と中間層に含まれるイオン交換樹脂を区別して説明するため、前者を第1のイオン交換樹脂、後者を第2のイオン交換樹脂という。
方法(I)は、下記工程(I−1)〜(I−4)を有する方法である。
(I−1)基材フィルムの表面に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含む分散液(以下、中間層形成用塗工液と記す。)を塗工し、乾燥して中間層を形成する工程。
(I−2)中間層の表面に、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含む塗工液(触媒層形成用塗工液と記す。)を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、中間層/触媒層で構成される第1の積層体を得る工程。
(I−3)触媒層と高分子電解質膜とが接するように、2つの第1の積層体と高分子電解質膜とを接合することにより、中間層/触媒層/高分子電解質膜/触媒層/中間層で構成される第2の積層体を得る工程。
(I−4)中間層の表面から基材フィルムを剥離した後、2つのガス拡散基材と第2の積層体を接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルム等が挙げられる。
溶媒としては、水とアルコール類(エタノール等。)との混合溶媒が好ましい。
中間層形成用塗工液の固形分濃度は、5〜30質量%が好ましい。
乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
触媒層形成用塗工液は、触媒を溶媒に分散させ、第1のイオン交換樹脂を溶媒に溶解または分散させることにより調製される。
溶媒としては、水とアルコール類(エタノール等。)との混合溶媒が好ましい。
水とアルコール類との比(水/アルコール類)は、前記条件(a)〜(b)を満足しやすい点から、70/30〜30/70(質量比)が好ましい。水の割合が多すぎると、触媒層の成分が中間層の空隙に入り込みにくくなる。アルコール類の割合が多すぎると、触媒層の成分が中間層の空隙に多く入り込んでしまう。
触媒層形成用塗工液の固形分濃度は、5〜15質量%が好ましい。
乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
接合方法としては、ホットプレス法、ホットロールプレス法、超音波融着法等が挙げられ、面内の均一性の点から、ホットプレス法が好ましい。
プレス機内のプレス板の温度は、100〜150℃が好ましい。
プレス圧力は、0.5〜2.0MPaが好ましい。
なお、2つの第1の積層体は、(I−1)〜(I−2)の工程を経ていれば、同じものであっても異なるものであってもよい。
接合方法としては、ホットプレス法、ホットロールプレス法、超音波融着法等が挙げられ、面内の均一性の点から、ホットプレス法が好ましい。
プレス機内のプレス板の温度は、100〜150℃が好ましい。
プレス圧力は、0.5〜2.0MPaが好ましい。
方法(II)は、下記工程(II−1)〜(II−3)を有する方法である。
(II−1)ガス拡散性基材の表面に、中間層形成用塗工液を塗工し、乾燥して中間層を形成することにより、ガス拡散層/中間層で構成される積層体を得る工程。
(II−2)中間層の表面に、触媒層形成用塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、ガス拡散層/中間層/触媒層で構成される電極を得る工程。
(II−3)触媒層と高分子電解質膜とが接するように、2つの電極と高分子電解質膜とを接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
なお、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、ガス拡散性基材の表面に触媒層形成用塗工液を塗布し、乾燥して触媒層を形成することにより中間層を有さない電極を得た後、該電極を、前記中間層を有する電極の一方と置き換えて高分子電解質膜と接合すればよい。
方法(III)は、下記工程(III−1)〜(III−3)を有する方法である。
(III−1)ガス拡散性基材の表面に、中間層形成用塗工液を塗工し、乾燥して中間層を形成することにより、ガス拡散層/中間層で構成される積層体を得る工程。
(III−2)高分子電解質膜の両面に、触媒層形成用塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、膜触媒層接合体を得る工程。
(III−3)中間層と触媒層とが接するように、2つの積層体と膜触媒層接合体とを接合することにより、膜電極接合体を得る工程。
なお、カソードおよびアノードの一方が中間層を有し、他方が中間層を有さない場合、前記積層体の一方を、ガス拡散性基材のみに置き換えて高分子電解質膜と接合すればよい。
本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、たとえば、膜電極接合体と、該膜電極接合体を挟んで対向して配置された一対のセパレータとからなるセルを、膜電極接合体とセパレータとが交互に配置されるようにスタックしたものである。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂とを混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
例1、5、6は実施例であり、例2〜4、7は比較例である。
工程(I−1):
テトラフルオロエチレンに基づく単位と、下式(11)で表される繰り返し単位とからなる共重合体(H1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させ、固形分濃度10質量%のイオン交換樹脂液(A)を調製した。
中間層(P)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、中間層(P)の固形分の量を算出したところ、1.1mg/cm2であり、中間層(P)の厚さは約12μmであり、密度は1.1mg/cm3であった。
カーボン担体(比表面積:800m2/g)に白金・コバルト合金(白金/コバルト=46/5(質量比))が触媒全質量の51質量%含まれるように担持された触媒(田中貴金属社製)の10.0gを蒸留水の89.4gに加え、よく撹拌した。これにエタノールの0.6gを添加し、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の49.0gを加え、さらにホモジナイザーを用いて混合、粉砕し、触媒層形成用塗工液(A1)を得た。触媒層形成用塗工液(A1)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、50/50(質量比)であった。
触媒層(A1)の形成前後の積層体の質量を測定することにより、第1の積層体(C1)に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.2mg/cm2であった。
高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜(旭硝子社製、商品名:フレミオン、厚さ:30μm、イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を用意した。
ガス拡散基材として、厚さ350μmのカーボンクロスを用意した。
中間層(P)の表面から基材フィルムを剥離した後、2つのガス拡散基材の間に第2の積層体(D1)を挟んで、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、常圧にて、水素(利用率70%)/空気(利用率40%)を供給し、セル温度80℃において電流密度0.2A/cm2および1.5A/cm2における運転初期のセル電圧を測定した。なお、アノード側には露点80℃の水素を供給し、カソード側には露点80℃の空気を供給した。結果を表1に示す。
アノード側のガス拡散層を剥離した後、膜電極接合体をエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームにより切削して断面を露出させた。
EPMA(Electron Prove Micro Analysis)により、膜触媒層接合体の断面の白金の線分析を行った。
同時に、断面をSEM(反射電子)で観察して、該断面の厚さ方向における中間層の位置を正確に特定した。
該分析により、触媒層に含まれる白金と中間層に含まれる白金との合量に対する、中間層に含まれる白金の割合(R1)と、中間層に含まれる白金に対する、触媒層と中間層との界面から中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する白金の割合(R2)を求めた。結果を表1に示す。また、EPMAによる膜電極接合体の断面の白金の線分析のチャートを図2に示す。
工程(I−1):
例1の工程(I−1)と同様に行った。中間層(P)の密度は1.1g/cm3であった。
蒸留水の量を44.7g、エタノールの量を45.3gに変更し、遊星ボールミルを用いて混合、粉砕した以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、触媒層形成用塗工液(A3)を得た。触媒層形成用塗工液(A3)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、70/30(質量比)であった。
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C2)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cm2である、中間層(P)/触媒層(A3)/高分子電解質膜/触媒層(A3)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D2)を得た。
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D2)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
工程(I−1):
例1の工程(I−1)と同様に行った。中間層(P)の密度は1.1g/cm3であった。
遊星ボールミルを用いて混合、粉砕した以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、触媒層形成用塗工液(A2)を得た。触媒層形成用塗工液(A2)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、50/50(質量比)であった。
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C3)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cm2である、中間層(P)/触媒層(A2)/高分子電解質膜/触媒層(A2)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D3)を得た。
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D3)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
ポリプロピレン製の基材フィルムの表面に触媒層形成用塗工液(A1)をバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層(A1)を形成した。
触媒層(A1)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層(A1)に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.2mg/cm2であった。
中間層(P)の形成前後の基材フィルムの質量を測定することにより、中間層(P)の固形分の量を算出したところ、1.1mg/cm2であり、中間層(P)の厚さは約12μmであり、密度は1.1mg/cm3であった。
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C4)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cm2である、中間層(P)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)/中間層(P)で構成される第2の積層体(D4)を得た。
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D4)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
工程(I−1)〜(I−2):
例1の工程(I−1)〜(I−2)と同様に行った。
触媒層(A1)と高分子電解質膜とが接するように、第1の積層体(C1)と例4の触媒層(A1)との間に高分子電解質膜と配置し、ホットプレス法により接合することにより、電極面積が25cm2である、中間層(P)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)で構成される第2の積層体(D5)を得た。
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D5)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。なお、中間層(P)が存在しない側の電極をアノードとした。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
工程(I−1):
カップ積層型カーボンナノチューブ(GSIクレオス社製、商品名:カルベール AR50−HT、繊維径:約90nm、繊維長:20〜100μm)の10.0gにエタノールの31.5g、蒸留水の58.5gを加え、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の30.0gを加え、よく撹拌し、さらにホモジナイザーを用いて混合、粉砕し、中間層形成用塗工液(B2)を得た。
中間層(P)の代わりに中間層(Q)を用いた以外は、例1の工程(I−2)と同様にして、中間層(Q)/触媒層(A1)で構成される第1の積層体(C5)を得た。第1の積層体(C5)の断面を電子顕微鏡で観察すると、触媒層(A1)の成分の一部が中間層(Q)の空隙に入り込んでいた。
第1の積層体(C1)の代わりに第1の積層体(C5)を用いた以外は、例1の工程(I−3)と同様にして、電極面積が25cm2である、中間層(Q)/触媒層(A1)/高分子電解質膜/触媒層(A1)/中間層(Q)で構成される第2の積層体(D6)を得た。
第2の積層体(D1)の代わりに第2の積層体(D6)を用いた以外は、例1の工程(I−4)と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。また、EPMAによる膜電極接合体の断面の白金の線分析のチャートを図3に示す。
特開2008−016431号公報の実施例の例6におけるカソード触媒層用塗工液(b2)を、下記触媒層形成用塗工液(A4)に変更した以外は、特開2008−016431号公報の実施例の例6と同様にして、膜電極接合体を得た。
例1と同様にして、セル電圧を測定した。結果を表1に示す。
また、例1と同様にして、R1およびR2を求めた。結果を表1に示す。
カーボン担体(比表面積250m2/g)に白金・コバルト合金(白金/コバルト=36/4(質量比))を40質量%担持した触媒の25gを蒸留水138gに加え、遊星ボールミルを用いて粉砕し、さらにエタノールの187gを加え、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(A)の150gを加え、よく撹拌し、触媒層形成用塗工液(A4)を得た。触媒層形成用塗工液(A4)中の水とエタノールとの比(水/エタノール)は、30/70(質量比)であった。
20 カソード
22 触媒層
24 中間層
26 ガス拡散層
30 アノード
32 触媒層
34 中間層
36 ガス拡散層
40 高分子電解質膜
Claims (5)
- 触媒層およびガス拡散層を有するカソードと、
触媒層およびガス拡散層を有するアノードと、
前記カソードの触媒層と前記アノードの触媒層との間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、
前記カソードおよび前記アノードの少なくとも一方は、前記触媒層が白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含み、前記触媒層と前記ガス拡散層との間に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含み、かつ下記条件(a)〜(b)を満足する中間層を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
(a)前記中間層は、前記触媒層に含まれる白金と前記中間層に含まれる白金との合量100原子%に対して、3〜15原子%の白金を含む。
(b)前記中間層に含まれる白金の90原子%以上が、前記触媒層と前記中間層との界面から前記中間層の厚さの1/2までの領域内に存在する。 - 前記白金を含む触媒が、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記カーボン繊維が、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーである、請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記中間層の厚さが、2〜40μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
基材の表面に、カーボン繊維と第2のイオン交換樹脂とを含む分散液を塗工し、乾燥して中間層を形成する工程と、
該中間層の表面に、白金を含む触媒と第1のイオン交換樹脂とを含む塗工液を塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、中間層と触媒層とから構成される第1の積層体を得る工程と、
該触媒層と高分子電解質膜とが接するように、第1の積層体と高分子電解質膜とを接合する工程と
を有する、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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