JP2009196400A - ウインドウガラス加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウインドウガラス加熱装置1を、透明性を有し車両のウインドウガラスのほぼ全面に添付された発熱膜21を有する第1の発熱手段20と、透明性を有しウインドウガラスの一部の領域に添付された発熱膜31を有するとともに、少なくとも一部が第1の発熱手段と重ねて配置される第2の発熱手段30と、外気温、車室内温度、車室内に設けられた操作部からの操作入力の少なくとも1つを含む発熱要求を検出する発熱要求検出手段と、発熱要求に応じて第1の発熱手段の発熱量及び第2の発熱手段の発熱量を制御する発熱制御手段60とを備える構成とする。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、ウインドウの氷結あるいは結露状態を除去するため、車両のウインドウの透視状態に応じて、ガラスに温風を吹き付けるエアコンディショナ、及び、ガラスヒータを有するガラス昇温手段を制御することが記載されている。
また、特許文献2には、車両のリアウインドウガラスにデフォッガ(防曇装置)としてガラス熱線を形成するとともに、電源からガラス熱線への電力供給経路を切り換えることによって単純な回路によりバッテリ負荷を軽減することが記載されている。
また、特許文献3には、フロントウインドウへのワイパの凍結固着を防止するため、ワイパ休止領域における合わせガラスの中間部に抵抗加熱線を設けることが記載されている。
また、特許文献4には、建築用の窓ガラスにおいて、その表面に発熱塗料、カーボン平板発熱体、抵抗金属体、シリコンシート状発熱体等を設けてガラスを加熱することが記載されている。
例えば降雪時において、フロントウインドウ左右のAピラー周辺部には、ワイパによって掻き集められた氷雪が塊となって成長し、視界を妨げる場合があり、これを溶融するには通常のデフロスタ等と比較して大きな熱量が必要となる。
しかし、エアコンディショナからの温風を吹き付ける場合、温風を整流すればある程度は局部を加熱することは可能であるが、吹出口の配置に制約があるため局部的な加熱が可能な部位も限られる。また、大きな熱量が必要な場合、車室内の温度も上昇し、ドライバが火照りを感じる場合がある。
一方、加熱抵抗線等の熱線は、非透明であることからフロントウインドウの視界内等には配置することができない。特に、大きな熱量を得ようとした場合、抵抗線を太くしたり、あるいは密に配置する必要があり、視界に与える影響が大きい。
本発明の課題は、ガラスの部位に応じた適切な発熱量が得られ良好な視界を確保できるウインドウガラス加熱装置を提供することである。
請求項1の発明は、透明又は半透明であって車両のウインドウガラスのほぼ全面に添付された発熱膜を有する第1の発熱手段と、透明又は半透明であって前記ウインドウガラスの一部の領域に添付された発熱膜を有するとともに、少なくとも一部が前記第1の発熱手段と重ねて配置される第2の発熱手段と、外気又は内気の状態、車室内に設けられた操作部からの操作入力の少なくとも1つを含む発熱要求を検出する発熱要求検出手段と、前記発熱要求に応じて前記第1の発熱手段の発熱量及び前記第2の発熱手段の発熱量を制御する発熱制御手段とを備えるウインドウガラス加熱装置である。
ここで、外気(車外の空気)又は内気(車内の空気)の状態とは、例えば、外気温、車室内気温、車内外の温度差、外気又は内気の湿度等を含む。
請求項3の発明は、前記第2の発熱手段は、前記第1の発熱手段よりも車外側に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウインドウガラス加熱装置である。
請求項4の発明は、前記第2の発熱手段は、前記ウインドウガラス上におけるワイパの待機位置近傍の領域、前記ワイパの前記待機位置と反対側に位置するもう一方の払拭端近傍の領域、車外状況撮像手段に対向する領域の少なくとも1つに設けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のウインドウガラス加熱装置である。
請求項5の発明は、前記ウインドウガラスは外側ガラスと内側ガラスとを重ねて構成された合わせガラスであって、前記第1の発熱手段は前記内側ガラスの車外側の面部に添付され、前記第2の発熱手段は前記外側ガラスの車内側の面部に添付され、前記第1の発熱手段と前記第2の発熱手段との間に、非導電性の透明膜が配置されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のウインドウガラス加熱装置である。
(1)ウインドウガラスのほぼ全面に設けられた第1の発熱手段、及び、一部に設けられ第1の発熱手段と重ねて配置された第2の発熱手段を設け、各発熱手段の発熱量を発熱要求に応じて制御することによって、以下のような効果を得ることができる。
a)第2の発熱手段が設けられた領域では第1及び第2の発熱手段をともに発熱させて大きな発熱量を得ることができるので、氷塊等の溶解を効果的に行うことができる。
b)第2の発熱手段が設けられた領域における発熱要求が比較的小さい場合には、第2の発熱手段のみを発熱させて凍結等を防止することができる。
c)第1の発熱手段のみを発熱させてウインドウガラス全面を均等に加熱し、デフロスタ効果を発揮することもできる。
(2)第2の発熱手段を車外側に配置することによって、局部的な加熱が有効なウインドウガラスの車外側に付着する氷塊等の溶解効果を高めるとともに、第1の発熱手段を車内側に配置することによって、ほぼ全面の加熱が有効なデフォッガ効果を高めることができる。
(3)第2の発熱手段をワイパの待機位置近傍の領域に設けることによって、ワイパの凍結固着を防止できる。
(4)第2の発熱手段をワイパの待機位置と反対側に位置するもう一方の払拭端近傍の領域に設けることによって、ワイパによる雪の掻き貯まりが氷塊として成長することを防止できる。
(5)第2の発熱手段を車外状況撮像手段に対向する領域に設けることによって、ガラスの曇りや凍結等によって撮像が妨げられ、撮像結果の認識性能が悪化すること等を防止できる。
(6)第1の発熱手段を合わせガラスの内側ガラスの車外側の面部に添付し、第2の発熱手段を外側ガラスの車内側の面部に添付することによって、各発熱手段を内側ガラス及び外側ガラスによって保護することができ、耐久性を向上できる。また、第1及び第2の発熱手段の間に非導電性の透明膜を配置することによって、各発熱手段の発熱膜を相互に絶縁することができる。
本実施例のウインドウガラス加熱装置は、例えばプラグイン機能を有する電気−内燃機関ハイブリッド自動車である乗用車のフロントウインドウに設けられるものである。
図1は、実施例のウインドウガラス加熱装置の構成を示すブロック図である。
ウインドウガラス加熱装置1は、ウインドウガラス10を加熱する内側ヒータ20及び外側ヒータ30、各ヒータに電力を供給するリレー40、50、各リレーを制御するコントロールユニット60等で構成されている。
また、ウインドウガラス加熱装置1には、走行用バッテリ70、充電口80、電装品用バッテリ90等が接続されている。
ウインドウガラス10は、上端部が図示しないルーフ前端部と隣接し、下端部が図示しないカウルトップ部と隣接して配置される。また、ウインドウガラス10の左右側端部は、図示しないAピラーの前縁部と隣接して配置される。
また、ウインドウガラス10には、図示しないワイパ装置が設けられる。ワイパ装置は、不使用時にはウインドウガラス10の下端部近傍と当接して待機し、使用時にはここからAピラー近傍まで揺動するワイパブレードを備えている。
図3は、ウインドウガラス10の部分断面図であって、内側ヒータ20及び外側ヒータ30がともに設けられる部位の断面を示す図である。
ウインドウガラス10は、内側ガラス11、外側ガラス12、中間膜13を備えている。
内側ガラス11及び外側ガラス12は、重ね合わせて接合されることによって1枚の合わせガラスを構成するものである。内側ガラス11は車内側、外側ガラス12は車外側に配置される。
中間膜13は、内側ガラス11及び外側ガラス12の間に設けられる透明性及び導電性を有する膜であって、例えば樹脂系の材料によってフィルム状に形成される。
内側ヒータ20は、発熱膜21、電極22、23等を備えて構成されている。
発熱膜21は、内側ガラス11の車外側の面部に蒸着により形成された例えば酸化錫をベースとする薄膜である。発熱膜21は、透明又は半透明であるとともに導電性を有し、通電されることによって発熱する。発熱膜21は、内側ガラス11の周縁部を除くほぼ全面にわたって設けられた横長の矩形状に形成されている。
電極22、23は、発熱膜21に電流を流すものであって、導電膜21の左右両端部に設けられている。電極22は、リレー40に接続され、電極23は、ボディアース(グラウンド接地)されている。
外側ヒータ30は、発熱膜31、電極32,33等を備えて構成されている。
発熱膜31は、外側ガラス12の車内側の面部に蒸着により形成されている。発熱膜31は、上述した内側ヒータ20の発熱膜21と同様に、例えば酸化錫をベースとする薄膜であって、透明又は半透明であるとともに導電性を有し、通電されることによって発熱する。発熱膜31は、発熱膜21の下端部及び左右両端部に相当する領域に設けられ、図1等に示すように、上側が開いたほぼコの字状に形成されている。ここで、発熱膜31の下端部は、ワイパの停止時にワイパブレードが当接している領域であるワイパ待機位置(格納位置)及びその近傍の領域に配置されている。また、発熱膜31の左右両端部は、Aピラーの近傍に配置されている。
電極32、33は、発熱膜31に電流を流すものであって、導電膜31の左右両端部における上端部にそれぞれ設けられている。電極32は、リレー50に接続され、電極33は、ボディアースされている。
リレー50は、走行用バッテリ70及び電装品用バッテリ90から外側ヒータ30への電力供給をオンオフするものである。
コントロールユニット60は、本発明にいう発熱要求検出手段として機能し、さらに、リレー40,50と協働して発熱制御手段として機能する。
ワイパスイッチは、図示しないワイパスイッチのオンオフに関する情報である。
イグニッションスイッチ情報は、図示しないイグニッションスイッチの操作状態に関する情報である。イグニッションスイッチは、オフ、アクセサリ、オン、スタートの4つの操作状態を有する。アクセサリは、車両の停車時等に所定の電装品にのみ電力を供給するものである。オンは車両の走行時等に用いられ、実質的に全ての電装品に電力を供給するものである。スタートは、エンジンを始動する際にスタータモータに通電するものである。
なお、上述した各スイッチは、例えば車室内のインストルメントパネルに設けられ、運転者等のユーザによって操作される。
バッテリモニタ情報は、走行用バッテリ70の充電状態(SOC)に関する情報である。
充電情報は、充電口80からの充電の有無に関する情報である。
さらに、コントロールユニット60は、盗難防止情報を出力する機能を備えている。これについては後に詳しく説明する。
また、走行用バッテリ70は、交直変換器71及び直流電圧変換器72等を備えている。
充電口80は、外部からの充電(プラグイン充電)が行われている際に、充電に関する情報をコントロールユニット60に提供する機能を備えている。
図4は、ウインドウガラス加熱装置の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:イニシャライズ>
コントロールユニット60は、ウインドウガラス加熱装置1の各機能を初期化してステップS02に進む。リレー40、50はオフとされる。
コントロールユニット60は、デフォッガスイッチがオンの場合は、ウインドウガラス10の全面を加熱する発熱要求があるものとしてステップS03に進み、オフの場合は発熱要求がないものとしてステップS04に進む。
<ステップS03:内側ヒータ通電>
コントロールユニット60は、リレー40をオンして内側ヒータ20に通電し、ウインドウガラス10の全面を加熱する。
その後、ステップS04に進む。
コントロールユニット60は、ワイパデアイサスイッチがオンの場合は、ウインドウガラス10の少なくともワイパ待機位置近傍を加熱する発熱要求があるものとしてステップS05に進み、オフの場合は発熱要求がないものとしてステップS06に進む。
<ステップS05:外側ヒータ通電>
コントロールユニット60は、リレー50をオンして外側ヒータ30に通電し、ウインドウガラス10のワイパ待機位置近傍及びAピラー近傍の領域を加熱する。
その後、ステップS06に進む。
ECU60は、ワイパスイッチがオンでありかつ外気温が2℃未満である場合には、降雪状態である可能性が高く、Aピラー近傍及びワイパ待機位置近傍を加熱する発熱要求があるものとしてステップS07に進み、その他の場合にはステップS08に進む。
<ステップS07:内側ヒータ及び外側ヒータ通電>
コントロールユニット60は、リレー40,50をオンして内側ヒータ20及び外側ヒータ30に通電し、ウインドウガラス10の全面を加熱するとともに、ウインドウガラス10のワイパ待機位置近傍及びAピラー近傍の領域の加熱量を大きくする。
その後、ステップS08に進む。
コントロールユニット60は、オンとなっているリレーの通電時間を管理する所定のタイマ処理を行う。
このタイマ処理は、リレーがオンとなった後、所定の時間経過後にオフとする通電時間管理、及び、リレーを間歇的にオンオフして断続通電しつつオン時間とオフ時間の比率であるデューティ比を制御して各ヒータの発熱量を調整する発熱量制御を含む。
発熱量制御においては、例えば、外気温が低く、また、内外温度差が大きいほど各ヒータの発熱量が大きくなるように制御する。
その後、ステップS02に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
図5は、これらの機能を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS11:イグニッションスイッチオフ判断>
コントロールユニット60は、イグニッションスイッチがオフである場合はステップS15に進み、その他の場合はステップS12に進む。
<ステップS12:イグニッションスイッチアクセサリ判断>
コントロールユニット60は、イグニッションスイッチがアクセサリである場合はステップS17に進み、その他の場合はステップS13に進む。
<ステップS13:イグニッションスイッチスタート判断>
コントロールユニット60は、イグニッションスイッチがスタートである場合は、スタータモータへの電力供給を優先するため、各ヒータへの通電を行わず、ステップS11に戻り以降の処理を繰り返す。
<ステップS14:故障判定処理>
コントロールユニット60は、各ヒータへの通電量をモニタすることによって、ガラス加熱装置からの漏電の有無等を判断する所定の故障判定処理を行なう。
その後、ステップS11に戻り以降の処理を繰り返す。
コントロールユニット60は、充電口80を用いたプラグイン充電が行われている場合はステップS16に進み、プラグイン充電をしていない場合はステップS11に戻り以降の処理を繰り返す。
<ステップS16:盗難防止処理>
コントロールユニット60は、リレー40を制御して内側ヒータ20の電極22,23間に間歇的に微弱な電位差を与えるとともに、そのときの電流量をモニタする。ここで、仮にウインドウガラス10が破損して発熱膜21が損傷し、導通が確保されなくなった場合には、電位差付与時に電流が流れないことから検出することができる。すなわち、内側ヒータ20の発熱膜21は、ウインドウガラス10の破損を検出するセンサとして機能する。このようなウインドウガラス10の破損を検出した場合には、他の車載ユニットと協働して所定の盗難防止処理を行う。盗難防止処理は、灯火類の点滅、ホーンの吹鳴、エンジンの始動禁止、車外システムへの警告情報送信等が含まれる。
その後、ステップS17に進む。
コントロールユニット60は、デフォッガスイッチ、ワイパデアイサスイッチ等のガラス発熱要求に関するスイッチが操作された場合はステップS18に進み、その他の場合はステップS11に戻り以降の処理を繰り返す。
<ステップS18:発熱処理>
コントロールユニット60は、ステップS17においてオンが検出されたスイッチの操作に応じて、上述した図4の場合と同様に各ヒータの通電を行う。
その後、ステップS11に戻り以降の処理を繰り返す。
(1)ウインドウガラス10のほぼ全面に設けられた内側ヒータ20、及び、Aピラー近傍及びワイパ待機位置近傍に設けられた外側ヒータ30を設け、各ヒータの発熱量を各種スイッチ操作及び外気温に応じて制御することによって、以下のような効果を得ることができる。
a)外気温が2℃以下でありかつワイパオン時に降雪状態とみなし、内側ヒータ20及び外側ヒータ30をともに発熱させることによって、Aピラー近傍及びワイパ待機位置近傍で大きな熱量を発生させ、ワイパによって掻き貯められた氷雪が氷塊として成長することを防止し、さらに溶解することによって、寒冷地運行における良好な視界を確保するとともに、ワイパ装置の機構を過負荷から保護することができる。また、ヒータを2層重ねて用いることによって、車両の電源電圧を高くできない場合であっても高い熱量を得ることができる。
b)外側ヒータ30のみを発熱させることによって、ワイパデアイサとして用いることができ、ワイパブレードのウインドウガラス10への凍結固着を防止できる。この場合、加熱が必要な部分のみを局所的に加熱することができ、ウインドウガラス10全面を加熱する場合に対して消費電力を低減することができる。
c)内側ヒータ20のみを発熱させてウインドウガラス10全面を均等に加熱し、デフロスタとして用いることができ、ウインドウガラス10の曇りを防止できる。
d)上述した各ガラス加熱動作によって、副次的に車室内を暖房する効果も得られる。このとき、エアコンディショナのように温風が直接搭乗者の顔面等に吹き付けられることがないので、搭乗者が火照りを感じにくく、快適性が向上する。
(2)ワイパ待機位置近傍等を局所的に加熱するヒータを車外側に配置することによって、ウインドウガラス10の外側ガラスを重点的に加熱し、デアイサとして用いる場合の氷雪溶解効果を高めるとともに、全面を過熱するヒータを車内側に配置することによって、ウインドウガラス10の内側ガラス11を重点的に加熱し、デフォッガとして用いる場合の防曇効果を高めることができる。
(3)内側ヒータ20及び外側ヒータ30を、合わせガラスであるウインドウガラス10の内側ガラス11と外側ガラス12との間に挟みこんで配置することによって、各ヒータを内側ガラス11及び外側ガラス12によって保護することができ、耐久性を向上できる。また、内側ヒータ20及び外側ヒータ30の間に非導電性の透明膜である中間膜13を配置することによって、各ヒータの発熱膜を相互に絶縁することができる。
(4)車両の駐停車時に内側ヒータ20に微弱電流を流すとともに、電流量をモニタすることによって、ウインドウガラス10が破損した場合に検出することができ、盗難防止に役立てることができる。
(5)プラグイン充電時であっても発熱要求が存在する場合には各ヒータに通電することによって、寒冷時であっても車両のエンジン等の始動前に予めウインドウガラス10の視界を確保し、直ちに運行を開始することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)ガラス加熱装置の構成は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。例えば、発熱膜の成分は実施例のような酸化錫ベースのものに限らず、透明又は半透明であれば他の金属材料や非金属材料を有する発熱膜を用いることもできる。
(2)上述した実施例は、例えばプラグインハイブリッド式の自動車に設けられるものであったが、本発明はこれに限らず、内燃機関のみを走行用動力源とする自動車や、バッテリ式電気自動車、燃料電池車等にも適用することができる。
(3)実施例では、第2の発熱手段は、Aピラー近傍及びワイパ待機位置周辺に設けられるが、これに限らず、比較的大きな発熱量が要求される他の部分に設けてもよい。例えば、運転支援装置に用いられるステレオカメラ等の車外状況撮像手段に対向する領域に設けてもよい。
(4)実施例では、ウインドウガラスは合わせガラスであったが、例えばリアウィンドウ等に用いる場合には、単層ガラスとしてもよい。この場合、各発熱手段は、ワイパによる引っ掻かれ等によるダメージを防止するためには車内側の面部に設けることが好ましいが、例えば保護膜等で対策し、車外側の面部に設けてもよい。この場合、第1、第2の発熱手段でガラスを挟み込む構造、あるいは、第1、第2の発熱手段を双方とも車内側、あるいは、車外側に設ける構成とすることができる。なお、各発熱手段をともに車内側又は車外側に設ける場合には、各発熱手段の発熱膜の間に絶縁性を有する膜を設ける構造とすることができる。
(5)実施例では、発熱手段は例えば2つ設けられているが、これ以外の発熱手段あるいは加熱手段を組み合わせて用いることもできる。例えば、3層以上の発熱膜を設けたり、抵抗発熱線を用いたワイパデアイサやエアコンディショナ、ヒータユニット等からの温風を用いたデフロスタと本発明のウインドウガラス加熱装置とを組み合わせて用いてもよい。一方、本発明のウインドウガラス装置を設けることによって、空調システムのデフロスタ噴出口、ダクト等を廃止すれば、インストルメントパネルの設計や意匠デザインの自由度を向上することができ、また、ダクト内等に埃等が侵入することに起因するエアコンディショナ差動時の異音や悪臭の発生も防止できる。
11 内側ガラス 12 外側ガラス
13 中間膜 20 内側ヒータ
21 発熱膜 22,23 電極
30 外側ヒータ 31 発熱膜
32,33 電極 40 リレー
50 リレー 60 コントロールユニット
70 走行用バッテリ 71 交直変換器
72 直流電圧変換 80 充電口
90 電装品用バッテリ
Claims (5)
- 透明又は半透明であって車両のウインドウガラスのほぼ全面に添付された発熱膜を有する第1の発熱手段と、
透明又は半透明であって前記ウインドウガラスの一部の領域に添付された発熱膜を有するとともに、少なくとも一部が前記第1の発熱手段と重ねて配置される第2の発熱手段と、
外気又は内気の状態、車室内に設けられた操作部からの操作入力の少なくとも1つを含む発熱要求を検出する発熱要求検出手段と、
前記発熱要求に応じて前記第1の発熱手段の発熱量及び前記第2の発熱手段の発熱量を制御する発熱制御手段と
を備えるウインドウガラス加熱装置。 - 前記発熱制御手段は、前記第2の発熱手段を発熱させる場合には、前記第1の発熱手段も発熱させること
を特徴とする請求項1に記載のウインドウガラス加熱装置。 - 前記第2の発熱手段は、前記第1の発熱手段よりも車外側に配置されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウインドウガラス加熱装置。 - 前記第2の発熱手段は、前記ウインドウガラス上におけるワイパの待機位置近傍の領域、前記ワイパの前記待機位置と反対側に位置するもう一方の払拭端近傍の領域、車外状況撮像手段に対向する領域の少なくとも1つに設けられること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のウインドウガラス加熱装置。 - 前記ウインドウガラスは外側ガラスと内側ガラスとを重ねて構成された合わせガラスであって、
前記第1の発熱手段は前記内側ガラスの車外側の面部に添付され、
前記第2の発熱手段は前記外側ガラスの車内側の面部に添付され、
前記第1の発熱手段と前記第2の発熱手段との間に、非導電性の透明膜が配置されること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のウインドウガラス加熱装置。
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