JP2009195864A - 酸素分離膜エレメントならびに該エレメントのシール方法及びシール材 - Google Patents

酸素分離膜エレメントならびに該エレメントのシール方法及びシール材 Download PDF

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Abstract

【課題】使用高温域で溶融・流出することなく十分なシール性を実現するシール材及びシール方法と、該シール材で接合部分がシールされているペロブスカイト型酸化物から成る酸素分離膜を備えた酸素分離膜エレメントを提供すること。
【解決手段】多孔質基材14上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜15を備える酸素分離膜エレメント10であって、その酸素分離膜15には、少なくとも一つのセラミックス製接続部材12,16が接合されており、酸素分離膜15と接続部材12,16との接合部分には、該接合部分におけるガス流通を遮断するシール部20a,20bが、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出しているガラスによって形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は酸素分離膜エレメントに関する。詳しくは、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト型酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備えた酸素分離膜エレメントにおける接合部分の気密性を保持するシール部(接合部分)と、該シール部を形成するシール方法ならびにシール材に関する。
酸素イオン(典型的にはO2−;酸化物イオンとも呼ばれる。)伝導性を有する酸素イオン伝導体として、いわゆるペロブスカイト型構造の酸化物セラミックスやパイロクロア型構造の酸化物セラミックスが知られている。特に、酸素イオン伝導体であることに加え、電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン−電子混合伝導体(以下、単に「混合伝導体」という。)であるペロブスカイト型酸化物から成る緻密なセラミック材、典型的には膜状に形成されたセラミック材は、その両面を短絡させるための外部電極や外部回路を用いることなく一方の面から他方の面に連続して酸素イオンを透過させることができる。このため、一方の面に供給された酸素含有ガス(空気等)から酸素を他方の面に選択的に透過させる酸素分離材として、特に使用温度が800〜1000℃というような高温域で好適に利用することができる。
例えば、ペロブスカイト型酸化物等の混合伝導体から構成される酸素分離膜を多孔質基材上に備えた酸素分離材(酸素分離膜エレメント)は、深冷分離法やPSA(Pressure Swing Adsorption)法に代わる有効な酸素精製手段として好適に使用することができる。
或いはまた、かかる構成の酸素分離膜エレメントは、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
この種の従来技術として、特許文献1〜4には、混合伝導体である幾つかのペロブスカイト型酸化物が記載されている。また、特許文献5〜9には、ペロブスカイト型酸化物から構成された酸素分離膜を備える酸素分離材(膜エレメント)の好例が開示されている。また、特許文献10〜11には、円筒状の酸素分離材(エレメント)と当該酸素分離材を備える装置(モジュール)が記載されている。
ところで、上記円筒形状或いはその他の形状の酸素分離材(膜エレメント)を基本構成要素として酸素分離装置(モジュール)を構築する場合、種々の部材が相互に接合される結果、酸素分離材は気密性を保持するシール部(接合部分)を伴う形態で構築される。
従来、使用温度が800〜1000℃となるような高温域で使用する酸素分離装置(モジュール)においては、かかるシール部のシール性(気密性)を確保するべく、シール部(接合部分)を構成するシール材としてガラス材料や金属材料が検討されている。例えば、特許文献12〜13には、従来のシール材料の例が記載されている。
特開2000−251534号公報 特開2000−251535号公報 特表2000−511507号公報 特開2001−93325号公報 国際公開第WO2003/040058号パンフレット 特開2006−82040号公報 特開2007−51032号公報 特開2007−51034号公報 特開2007−51035号公報 特開平11−70314号公報 特開2002−292234号公報 特開2002−83517号公報 特開2002−349714号公報
上記特許文献に記載される従来のシール材は、上記高温域において溶融状態となり得る材料(例えば特許文献13参照)であり、当該高温域(例えば800〜1000℃)で使用する場合に溶融して所定の接合部位から流出する虞がある。そこで、溶融シール材が流出しないように構造上の対策(例えば溶融したシール材を囲い込むバリア構造の追加、或いはシール材の流出を防止する荷重をかける構造)を施す必要があった。また、溶融状態でシールされる場合、接着強度が得られ難い、あるいは加圧雰囲気で使用し難い、等の問題もある。
また、比較的熱膨張し易いペロブスカイト型酸化物(例えば熱膨張係数が10〜15×10−6−1)に対し、熱膨張し難い従来のガラス材料(例えば熱膨張係数が1〜5×10−6−1である一般的なホウケイ酸ガラス)をシール材として適用した場合、低温固化の際の熱膨張差によって当該シール材が破損する虞がある。さらに、熱膨張差の大きい従来のシール材を採用して得られた酸素分離材を上記高温域で繰り返し使用する場合、使用前の昇温時ならびに使用後の降温時においてシール部のシール性が徐々に低下する虞もあり、耐久性の観点から改善する余地がある。
本発明は、高温域で使用する酸素分離膜エレメント(ひいては酸素分離モジュール)に使用されている従来のシール材(特にガラスから成るシール材)の上記問題点に鑑み創出されたものであり、上記ペロブスカイト型酸化物から成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントのシール部(接合部分)を構成するシール材であって使用高温域で流出することなく十分なシール性を実現し得るシール材を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなシール材で酸素分離膜エレメントのシール部(接合部分)を形成するシール方法(換言すれば接合方法)、ならびにそのようなシール材でシール部(接合部分)が形成された酸素分離膜エレメントの提供を他の目的とする。
本発明によって多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントが提供される。ここで開示される酸素分離膜エレメントでは、上記酸素分離膜に少なくとも一つのセラミックス製接続部材が接合されている。そして、上記酸素分離膜と接続部材との接合部分には、該接合部分におけるガス流通を遮断する(即ち該接合部分における気密性を保持する)シール部が、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出しているガラスによって形成されていることを特徴とする。
上記構成の酸素分離膜エレメントでは、酸素分離膜と当該酸素分離膜に接合されるセラミックス製接続部材との接合部分が、ガラスマトリックス中にリューサイト(KAlSi)結晶が析出しているガラス(以下「リューサイト含有ガラス」と略称する。)によってシールされている。かかるリューサイト含有ガラスは、リューサイト結晶を含有する(例えばガラスマトリックス中にリューサイトの微細結晶が分散状態で析出される)ことによって、機械的強度の向上と共に、大きい熱膨張率(即ち高い熱膨張係数)が実現され、酸素分離膜を構成するペロブスカイト構造の酸化物セラミックスの熱膨張率(熱膨張係数)と近似させることができる。また、リューサイト結晶が析出しているガラスは800℃以上の温度域、例えば800〜900℃、より好ましくは800〜1000℃の温度域で流動し難い。即ち使用時に接合部位からの流出の虞がない。
そのため、ここで開示される上記構成の酸素分離膜エレメントは、典型的には800〜1000℃の範囲内であるような高温域で繰り返し使用しても(換言すれば常温からの昇温と使用後の降温とを繰り返しても)、上記酸素分離膜と接続部材との接合部分(シール部)からのガスのリークを防止し、長期にわたって高い気密性を保持することができる。従って、本発明によると、耐熱性及び耐久性に優れる酸素分離膜エレメントが提供される。
ここで開示される酸素分離膜エレメントとして好ましい一態様では、上記酸素分離膜および接続部材は、いずれも一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスにより構成される。特に好ましくは、上記シール部を構成するガラスの熱膨張係数が10〜14×10−6−1(典型的には室温(25℃)〜450℃の間の平均値)である。
かかる構成の酸素分離膜エレメントでは、接合対象の上記酸素分離膜および接続部材の熱膨張係数と、それらの間の接合部分に存在するシール部の熱膨張係数とが、特によく近似する。従って、本態様の酸素分離膜エレメントは、高温域での繰り返し使用に適し、長期にわたって気密性を保持し得る高い耐久性を実現する。
また、本発明は他の側面として上記課題を解決するシール方法を提供する。即ち、ここで開示されるシール方法は、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントのシール方法である。
この方法は、上記酸素分離膜と接合する対象のセラミックス製接続部材を用意することと、酸化物換算の質量比で以下の組成:
SiO 40〜75質量%;
Al 5〜20質量%;
NaO 5〜20質量%;
O 5〜20質量%;
MgO 0〜3質量%;
CaO 0〜3質量%;
SrO 0〜3質量%;
から実質的に構成されるガラスシール材であってガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出していることを特徴とするガラスシール材を、上記セラミックス製接続部材と上記酸素分離膜とを接続した部分に塗布することと、前記塗布されたガラスシール材を該ガラスシール材が上記塗布した部分から流出しない温度域(例えば800℃以上1200℃未満、典型的には900℃以上1200℃未満、好ましくは1000℃以上、例えば1000〜1100℃)で焼成することによって、上記セラミックス製接続部材と酸素分離膜との上記接続部分に、該ガラスシール材から成るガス流通を遮断するシール部を形成することとを包含する。
典型的には、上記ガラスシール材は、上記ガラス成分を主成分として含むペースト(シール形成用ガラスペースト)状に調製されて使用される。
上記構成のシール方法では、酸素分離膜とセラミックス製接続部材との接続部分(即ち所定の接合する部位)に、上記組成のガラスシール材を塗布し(典型的にはペースト状に調製されたガラスシール材を塗布する。)、上記所定の温度域(即ち、ガラスシール材を完全に溶融させることなく焼成可能な温度域)で焼成する。このことによって、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出して成るシール部(例えば、ガラスマトリックス中にリューサイトの微細結晶が分散状態で析出したリューサイト含有ガラスから成るシール部)を上記接続部分に形成する。
本構成のシール方法によると、機械的強度の向上と共に高い熱膨張係数のシール部を形成することができる。即ち、酸素分離膜を構成するペロブスカイト構造の酸化物セラミックスの熱膨張率(熱膨張係数)と近似させることができる。また、形成したリューサイト含有ガラスから成るシール部は、上記焼成温度以下の温度域(例えば800〜900℃、より好ましくは800〜1000℃の温度域)で流動の虞がない。
従って、本構成のシール方法によると、典型的には800〜1000℃の範囲内で繰り返し使用しても(換言すれば常温からの昇温と使用後の降温とを繰り返しても)、上記酸素分離膜と接続部材とが接合された部分(即ち本発明に係るシール部)からのガスのリークがなく長期にわたって高い気密性を保持し得る耐熱性及び耐久性に優れる酸素分離膜エレメントを提供することができる。また、ガラスシール材を完全に溶融させることなく両部材を接合するため、従来の溶融シール材ではシールすることが困難であった特殊な構造、あるいは荷重がかけられない構造の接合部分にも適用してシール部を形成することができる。
本発明のシール方法の好ましい一態様では、上記酸素分離膜および接続部材は、いずれも一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスにより構成される。そして、上記ガラスシール材は、上記シール部を構成するガラスの熱膨張係数が10〜14×10−6−1(典型的には室温(25℃)〜450℃の間の平均値)となるように調製されていることを特徴とする。
このように接合する対象の部材(組成)を選択し、さらに上記熱膨張係数となるように調製したガラスシール材を使用することによって、接合部分(シール部)の耐熱性及び耐久性が特に優れるペロブスカイト構造の酸素分離膜を備えた酸素分離膜エレメントを提供することができる。
また、本発明は他の側面として上記課題を解決するシール材を提供する。即ち、ここで開示されるシール材は、多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントをシールするためのガラスシール材である。このシール材は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
SiO 40〜75質量%;
Al 5〜20質量%;
NaO 5〜20質量%;
O 5〜20質量%;
MgO 0〜3質量%;
CaO 0〜3質量%;
SrO 0〜3質量%;
から実質的に構成されるガラスシール材であり、そしてガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出していることを特徴とする。
好適な一態様では、上記ガラス成分を主成分として含むペースト状のガラスシール材(即ち、シール形成用ガラスペースト)として提供される。
かかる構成のガラスシール材を使用することによって、上述したような耐熱性及び耐久性に優れるシール部(接合部分)を伴う酸素分離膜エレメントを提供することができる。
好ましい一態様では、熱膨張係数が10〜14×10−6−1(典型的には室温(25℃)〜450℃の間の平均値)となるように調製されている。
かかる熱膨張係数はペロブスカイト構造の酸化物セラミックスの熱膨張係数と近似する。これにより、接合部分(シール部)の耐熱性及び耐久性が特に優れるペロブスカイト構造の酸素分離膜を備えた酸素分離膜エレメントを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、リューサイト含有ガラスの調製方法)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、原料粉末の混合方法やセラミックスの成形方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本明細書中で「膜」とは、特定の厚みに限定されず、酸素分離膜エレメントにおいて「酸素イオン伝導体(好ましくは混合伝導体)」として機能する膜状若しくは層状の部分をいう。例えば、所定の多孔質基材上に形成された平均厚み5mm未満(典型的には1mm未満、例えば10〜500μm程度)の膜状酸素分離層はここでいう酸素分離膜の形状の一典型例である。
また、酸素分離膜エレメントの形状(外径)は特に限定されない。例えば、ペロブスカイト構造の酸化物セラミックス(酸素イオン伝導体)から成る酸素分離膜として厚さ1mm未満の酸素分離膜(例えば厚さ100μm未満の薄膜)を備える板状(平面状、曲面状等を包含する。)、管状(両端が開口した開管状、一端が開口し他端が閉じている閉管状等を包含する。)、その他層状に形成されたものが挙げられる。酸素分離膜が形成されている多孔質基材や該基材と接合される接続部材の形状やサイズに応じて酸素分離膜エレメントの外径やサイズも適宜決定され得る。
本発明の酸素分離膜エレメントは、接合部分(シール部)が上記リューサイト含有ガラスにより構成されていることで特徴づけられるものであり、その他の構成部分、例えば多孔質基材やペロブスカイト構造の酸素分離膜の形状や組成は、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
酸素分離膜の支持体である多孔質基材は、従来のこの種の膜エレメントで採用されている種々の性状のセラミック多孔質体が使用できる。膜エレメントの使用温度域(通常500℃以上、典型的には800℃以上、例えば800〜900℃、好ましくは800〜1000℃)において安定な耐熱性を有する材質からなるものが好ましく用いられる。例えば、ペロブスカイト構造の酸素分離膜と同様の組成を有するセラミック多孔体、あるいはマグネシア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等を主体とするセラミック多孔体を用いることができる。或いは、金属材料を主体とする金属質多孔体を用いてもよい。特に限定しないが、使用する多孔質基材の水銀圧入法に基づく平均細孔径は0.1μm〜20μm程度が適当であり、水銀圧入法に基づく気孔率は5〜60%程度が適当である。
酸素分離膜を構成する酸化物セラミックスは、酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造をとるものであればよく、特定の構成元素のものに限られない。酸素イオン伝導性と電子伝導性の両方を有する混合伝導体が、外部電極や外部回路を用いることなく酸素分離膜の一方の側(酸素供給側)から他方の側(酸素透過側)へ連続的に酸素イオン(酸化物イオン)を透過させることができるため、好ましい。
この種の酸化物セラミックスとして、典型的には、一般式:Ln1−xAeMOで表される組成の複合酸化物が挙げられる。ここで式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種(典型的にはLa)であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。例えば、好適な混合伝導体として、式:(La1−xSr)(Ti1−yFe)O(但し0<x<1、0<y<1)で示される複合酸化物(以下「LSTF酸化物」ともいう。)が挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7等が挙げられる。
なお、上記一般式において酸素原子数は3であるように表示されているが、実際には酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)であり得る。ただし、この酸素原子数はペロブスカイト構造の一部を置換する原子(例えば式中のAeやMの一部)の種類および置換割合その他の条件により変動するため、正確に表示することは困難である。そこで、本明細書中においてペロブスカイト型材料を示す一般式では酸素原子の数を便宜的に3として表示するが、ここで教示する発明の技術的範囲を限定することを意図したものではない。したがって、この酸素原子の数を例えば3−δと表示することもできる。ここでδは典型的には1を超えない正の数(0<δ<1)である。
酸素分離膜エレメントの酸素分離膜との接合対象であるセラミックス製接続部材の形状(外径)は特に限定されない。上記多孔質基材及び該基材上に形成される酸素分離膜の形状に応じて接続部材も板状、管状その他の形状であり得る。
また、セラミックス製接続部材は種々の材質(例えば上記多孔質基材と同じ材質の接続部材)から形成され得るが、上記酸素分離膜と同様の材質(即ちペロブスカイト型酸化物)であることが好ましい。酸素分離膜と当該接続部材とを共にペロブスカイト型酸化物(典型的には同じ組成の酸化物)とすることによって、これら部材とさらには後述するガラスシール材の熱膨張係数を近似させることができる。この結果、製造時や使用時の昇温(加熱)及び/又は降温(冷却)に伴う熱膨張の差によって接合部分にクラックが生じるのをより確実に防止することができる。
セラミックス製多孔質基材及びセラミックス製接続部材は、例えば以下のようにして製造することができる。
即ち、製造しようとするセラミックスを構成する原子を含む化合物の粉末(原料粉末)を成形し、酸化性雰囲気(例えば大気中)または不活性ガス雰囲気で焼成して所望する形状のセラミックス(多孔質基材、接続部材)を得ることができる。原料粉末としては、セラミックスを構成する金属原子を含む酸化物あるいは加熱により酸化物となり得る化合物(当該金属原子の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、オキシハロゲン化物等)の一種以上を含有するものを用いることができる。原料粉末は、セラミックスを構成する金属原子のうち二種以上の金属原子を含む化合物(複合金属酸化物、複合金属炭酸塩等)を含有してもよい。
適切な焼成温度は、セラミックスの組成等によっても異なるが、典型的には1000〜1800℃(好ましくは1200〜1600℃)である。また、焼成工程は、一回以上の仮焼工程と、その後に行われる本焼成工程とを包含することができる。この場合、本焼成工程は上記のような焼成温度で行い、仮焼工程は本焼成工程よりも低い焼成温度(例えば800〜1500℃)で行うことが好ましい。
例えば、原料粉末を仮焼し、湿式ボールミル等を用いて当該仮焼原料を粉砕することにより、仮焼粉末(本焼成用原料粉末)を得ることができる。さらに原料粉末(又は仮焼粉末)に、水、有機バインダー等の成形助剤、および分散剤を添加・混合してスラリーを調製し、スプレードライヤー等の造粒機を用いて所望する粒径(例えば平均粒径が10〜100μm)に造粒することができる。
なお、原料粉末や仮焼物を粉砕して得られた仮焼粉末(本焼成用原料粉末)の成形には、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出成形等の従来公知の成形法を採用することができる。また、かかる成形のために従来公知のバインダー、分散剤等を使用することができる。
多孔質基材の表面にペロブスカイト構造の酸素分離膜を形成する手法は特に限定されず、従来公知の種々の手法を採用することができる。例えば、ペロブスカイト型酸化物を構成する所定の組成の複合酸化物から成るセラミックス粉末(例えば上述したLSTF酸化物粉末)を適当なバインダー、分散剤、可塑剤、溶媒等と混合してスラリーを調製し、一般的なディップコーティング等の手法によって該スラリーを多孔質基材表面に付与(塗布)することができる。これで得られた多孔質基材上の塗布物(皮膜)を適当な温度(典型的には60〜100℃)で乾燥させ、次いで、上記のような温度域で焼成することによって、多孔質基材(支持体)の表面にペロブスカイト構造の酸化物セラミックス(例えばLSTF酸化物)から成る酸素分離膜を形成することができる。
なお、上述したようなセラミックス成形技法自体は従来と同様で良く、本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
次に、本発明に係るガラスシール材について詳細に説明する。本発明に係るシール部を形成するシール材は、ガラスマトリックス中にリューサイト(KAlSi或いは4SiO・Al・KO)結晶が析出し得る組成のガラス組成物を主体とするシール材料である。従って、必須構成成分としてSiO、Al、KOを含む酸化物ガラスが好ましい。これら必須成分の他、目的に応じて種々の成分(典型的には種々の酸化物成分)を含むことができる。
また、リューサイト結晶の析出量は、ガラス組成物中の上記必須構成成分の含有率(組成率)によって適宜調整することができる。
酸素分離膜エレメントを比較的高温域、例えば800〜900℃、好ましくは800〜1000℃(例えば900〜1000℃)で使用する場合、当該高温域で溶融し難い組成のガラスが好ましい。この場合、ガラスの融点(軟化点)を上昇させる成分の添加又は増加により、所望する高融点(高軟化点)を実現することができる。
特に限定されないが、比較的高温域で使用される酸素分離膜エレメントの接合部分をシールする用途のガラスシール材(ガラス組成物)としては、ガラス成分全体(リューサイト結晶部分を含む)の質量比で、SiO:40〜75質量%、Al:5〜20質量%、NaO:5〜20質量%、KO:5〜20質量%、MgO:0〜3質量%、CaO:0〜3質量%、及びSrO:0〜3質量%であるものが好ましい。
SiOはリューサイト結晶を構成する成分であり、シール部のガラス層(ガラスマトリックス)の骨格を構成する主成分である。SiO含有率が高すぎると融点(軟化点)が高くなりすぎてしまい好ましくない。一方、SiO含有率が低すぎると、リューサイト結晶析出量が少なくなるため好ましくない。また、耐水性や耐化学性が低下する。SiO含有率がガラス組成物全体の40〜75質量%であることが好ましく、50〜70%程度であることが特に好ましい。
Alはリューサイト結晶を構成する成分であり、ガラスの流動性を制御して付着安定性に関与する成分である。Al含有率が低すぎると付着安定性が低下して均一な厚みのガラス層(ガラスマトリックス)の形成を損なう虞があるとともにリューサイト結晶析出量が少なくなるため好ましくない。一方、Al含有率が高すぎると、シール部の耐化学性を低下させる虞がある。Al含有率がガラス組成物全体の5〜25質量%であることが好ましく、10〜20%程度であることが特に好ましい。
Oはリューサイト結晶を構成する成分であり、他のアルカリ金属酸化物(典型的にはNaO)とともに熱膨張率(熱膨張係数)を高める成分である。KO含有率が低すぎるとリューサイト結晶析出量が少なくなるため好ましくない。また、KO含有率およびNaO含有率が低すぎると熱膨張率(熱膨張係数)を高める効果がない。一方、KO含有率およびNaO含有率が高すぎると熱膨張率(熱膨張係数)が過剰に高くなるため好ましくない。KO含有率がガラス組成物全体の5〜20質量%であることが好ましく、10〜15%程度であることが特に好ましい。また、他のアルカリ金属酸化物(典型的にはNaO)の含有率がガラス組成物全体の5〜20質量%であることが好ましく、10〜15%程度であることが特に好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO及びSrOは、熱膨張係数の調整を行うことができる任意添加成分である。また、CaOはガラス層(ガラスフラックス)の硬度を上げて耐摩耗性を向上させ得る成分であり、MgOはガラス溶融時の粘度調整を行うことができる成分でもある。また、これらの成分を入れることによりガラスマトリックスが多成分系で構成されるため、耐化学性が向上し得る。これら酸化物のガラス組成物全体における含有率は、それぞれ、ゼロ(無添加)か或いは3質量%以下が好ましい。例えば、MgO、CaO及びSrOの合計量がガラス組成物全体の3質量%以下であることが好ましい。
また、上述した酸化物成分以外の、本発明の実施において本質的ではない成分(例えばB、ZnO、LiO、Bi、SnO、SnO、CuO、CuO、TiO、ZrO、La)を種々の目的に応じて添加することができる。
好ましくは、シール部を構成するガラスの熱膨張係数が10〜14×10−6−1となるように、上述の各成分を調合してガラス組成物(シール材)を調製する。かかる熱膨張係数が概ね11〜13×10−6−1となるように調製することが特に好ましい。
リューサイト含有ガラス(即ち本発明に係るガラス組成物たるガラスシール材)の製造方法に関して特に制限はなく、従来のリューサイト含有ガラスを製造するのと同様の方法が用いられる。典型的には、当該組成物を構成する各種酸化物成分を得るための化合物(例えば各成分を含有する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、又は各種の鉱物原料)及び必要に応じてそれ以外の添加物を所定の配合比で乾式又は湿式のボールミル等の混合機に投入し、数〜数十時間混合する。
得られた混和物(粉末)は、乾燥後、耐火性の坩堝に入れ、適当な高温(典型的には1000℃〜1500℃)条件下で加熱・溶融させる。
次いで得られたガラスを粉砕し、結晶化熱処理を行う。例えば、ガラス粉末を室温から約100℃まで約1〜5℃/分の昇温速度で加熱し、800〜1000℃の温度域で30分〜60分程度保持することにより、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶を析出させることができる。
こうして得られたリューサイト含有ガラスは、種々の方法で所望する形態に成形することができる。例えば、ボールミルで粉砕したり、適宜篩いがけすることによって、所望する平均粒径(例えば0.1μm〜10μm)の粉末状ガラス組成物(即ち、本発明に係るガラスシール材)を得ることができる。
上記のように結晶化熱処理を施して得られた粉末状態のガラスシール材は、従来の種々の用途のガラス組成物と同様、典型的にはペースト化してセラミックス製接続部材と酸素分離膜との接続部分に塗布することができる。例えば、得られたガラス粉末に適当なバインダーや溶媒を混合してペーストを調製することができる。なお、ペーストに用いられるバインダー、溶媒及び他の成分(例えば分散剤)は、特に限定されるものではなく、ペースト製造において従来公知のものから適宜選択して用いることができる。
例えば、バインダーの好適例としてセルロース又はその誘導体が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの塩が挙げられる。バインダーは、ペースト全体の5〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
また、ペースト中に含まれ得る溶媒としては、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、又は他の有機溶剤が挙げられる。好適例としてエチレングリコール及びジエチレングリコール誘導体、トルエン、キシレン、ターピネオール等の高沸点有機溶媒又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。ペーストにおける溶媒の含有率は、特に限定されないが、ペースト全体の1〜40質量%程度が好ましい。
ここで開示されるガラスシール材は、従来のこの種のシール材と同様に用いることができる。具体的には、接合対象である酸素分離膜(及び多孔質基材)と接続部材の被接合部分を相互に接触・接続し、当該接続した部分にペースト状に調製されたガラスシール材を塗布する。そして、ガラスシール材から成る塗布物を適当な温度(典型的には60〜100℃)で乾燥させ、次いで、適当な温度域、好ましくは酸素分離膜エレメントの使用温度域(例えば800〜900℃、或いはそれよりも高い温度域、典型的には800℃〜1000℃)よりも高い温度域であってガラスが流出しない温度域(例えば使用温度域が概ね800℃までの場合は800℃以上1200℃未満、使用温度域が概ね900℃までの場合900℃以上1200℃未満、好ましくは1000℃以上、例えば1000℃以上1200℃未満、典型的には1000℃〜1100℃)で焼成することによって、酸素分離膜(及び多孔質基材)と接続部材との接続部分にシール部が形成され、同時にガスリークが無い接合部分が形成される。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<LSTF酸化物から成る酸素分離膜の作製>
LSTF(La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7)粉末(平均粒径:約50μm)に一般的なバインダー(ここではメチルセルロースを使用した。)及び水を添加して混練した。次いで、この混練物を用いて押出成形を行い、外径約20mm×内径約12mm×全長約1000mmの円筒形状の成形体を得た。そして、この成形体を大気中において1400〜1500℃(ここでは最高焼成温度:約1400℃)で焼成した。焼成後、焼成物の表面を研磨し、所望の外形寸法(外径20mm×内径12mm×全長1000mm)のLSTF製多孔質基材14(図1)を作製した。
一方、本実施例に係るLSTF酸化物である平均粒径が約1μmのLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末に、適当量の一般的なバインダーと水をそれぞれ添加し、混合して成膜用スラリーを調製した。
次いで、上記得られた円筒形状LSTF成形体を上記スラリー中に浸漬し、ディップコーティングを行った。こうしてスラリーがコーティングされた成形体は、80℃で乾燥後、大気中において1000〜1600℃の温度域(ここでは最高焼成温度:約1400℃)まで昇温し、最高焼成温度で3時間保持して成形体を焼成した。これにより、円筒形状多孔質基材14の表面に、ペロブスカイト型酸化物である本実施例に係るLSTF酸化物から成る酸素分離膜15(図1)が形成された。
<接続部材の作製>
上記平均粒径が約1μmのLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末に、一般的なバインダー(ここではポリビニルアルコールを使用した。)及び水を添加して混練した。次いで、市販のスプレードライヤーを用いて造粒し、平均粒径が約60μmの原料粉末を得た。次に、得られた原料粉末を100MPaの圧力条件でプレス成形し、外径約35mm×厚さ約20mmの円板形状の成形体を得た。さらにCIP成形により当該成形体に150MPaの加圧を行った。
こうして得られた成形体を、大気中において先ず200〜500℃の温度域(ここでは約500℃)まで昇温し、10時間保持した。これにより有機物を分解除去した。その後、大気中において1300〜1600℃の温度域(ここでは最高焼成温度:約1400℃)まで昇温し、そして、最高焼成温度で3時間保持して焼成し、上記酸素分離膜15と同じ組成のペロブスカイト型酸化物から成る焼成体を得た。
次に、この円板形状焼成体を機械研磨し、図1中に符号12で示す外径20mm×厚さ5mmの円板状接続部材(以下「キャップ部材12」という。)と、図1中に符号16で示す外径27mm×内径20mm×厚さ15mmの円板形状接続部材であって内側に多孔質基材14を嵌合する貫通穴17が形成された接続部材(以下「リング部材16」という。)とを作製した。
<ペースト状ガラスシール材の作製>
表1に示す質量比で、平均粒径が約1〜10μmであるSiO粉末、Al粉末、NaO粉末、KO粉末、MgO粉末及びCaO粉末を混合し、計6種類(サンプル1〜6)の原料粉末を調製した。
次いで、原料粉末を1000〜1600℃の温度域(ここでは1550℃)で溶融してガラスを形成した。その後、ガラスを粉砕し、800〜1000℃の温度域(ここでは850℃)で30分〜60分間の結晶化熱処理を行った。これにより、ガラスマトリックス中に分散するようにリューサイトの結晶が析出した。
上記のようにして得られたリューサイト含有ガラスを粉砕し、分級を行って、表1に示す質量比に対応して計6種類(サンプル1〜6)の平均粒径約2μmのリューサイト含有ガラス粉末(ガラスシール材)を得た。
次いで、ガラス粉末40質量部に、一般的なバインダー(ここではエチルセルロースを使用した。)3質量部と、溶剤(ここではターピネオールを使用した。)47質量部とを混合し、表1のサンプル1〜6に対応する計6種類のペースト状ガラスシール材を作製した。
<接合処理>
上記6種類のペーストをシール材として用いて接合処理を行った。具体的には、図1及び図2に示すように、円筒形状多孔質基材14の一方の端面14bをリング部材16の嵌合穴17に差し込み、他方の端面14aにはキャップ部材12を配置した。而して、多孔質基材14表面の酸素分離膜15とキャップ部材12との接触部分(接続部分)20a、および酸素分離膜15とリング部材16との接触部分(接続部分)20bに、それぞれ、上記ペーストを塗布した。
次いで、80℃で乾燥後、大気中で1000〜1100℃の温度域(ここでは1050℃)で1時間焼成した。結果、何れのサンプルのペーストを用いた場合もガラスシール材の流出を生じることなく焼成が完了し、シール部20a,20bが形成されて両部材が接合された。これにより、多孔質基材14及び酸素分離膜15の両端に接続部材(キャップ部材12及びリング部材16)が接合された計6種類(サンプル1〜6)の膜エレメント10が構築された。なお、表1には、各サンプルのペーストを使用して得られるシール部(ガラス)の熱膨張係数(但し室温(25℃)から450℃の間の熱膨張の平均値)を示している。また、酸素分離膜15と各接続部材12,16を構成する上記LSTF酸化物セラミックスの同条件での熱膨張係数は11.5×10−6−1であった。
詳しいデータは示していないが、平均粒径1μmの市販のホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス)を用いて同条件でペースト化したものを使用して上記と同様に接合処理を行ったところ、焼成時において接合部位からの流出およびクラックの発生が著しいことが確認された。また、市販される銀ペースト(導体ペースト)では流出と飛散によって接合ができなかった。
上記得られた計6種類の膜エレメント10の接合部分(シール部20b)の表面を電子顕微鏡(SEM)によって観察した。その結果、シール部(リューサイト含有ガラス)の熱膨張係数が10〜14×10−6−1であるサンプル1〜4については、緻密でクラックの無いシール部表面(図3参照)が観察された。他方、熱膨張係数が10×10−6−1よりも小さいサンプル5および熱膨張係数が14×10−6−1よりも大きいサンプル6については、シール部表面にクラックが観察された(サンプル6についての図4参照)。
<ガスリーク試験>
次に、上記構築した計6種類(サンプル1〜6)の膜エレメントについて、接合部分(シール部)からのガスリークの有無を確認するリーク試験を行った。具体的には、リング部材16底面の嵌合穴17開口部から膜エレメント10の中空部13に空気を0.2MPa加圧した条件で供給し、その状態で膜エレメント10を水中に沈め、水中でバブル発生の有無を目視で調べた。結果を表1の該当欄に示す。
表1に示すように、シール部(リューサイト含有ガラス)の熱膨張係数が10〜14×10−6−1であるサンプル1〜4については、ガス(空気)のリークは全く観察されなかった。他方、熱膨張係数が10×10−6−1よりも小さいサンプル5および熱膨張係数が14×10−6−1よりも大きいサンプル6では、シール部表面からのバブル発生、即ちガス(空気)のリークが認められた。
上述のように、本発明によると、酸素分離膜とジョイント管等の接続部材とを、ガスリークを生じさせることのない十分な気密性を確保しつつ接合する(即ちシール部を形成する)ことができる。このため、用途に応じた種々の形態で酸素分離膜(及び多孔質基材)と各種の接続部材とが接合して成る酸素分離膜エレメント、延いては該膜エレメントを構成要素として構築される酸素分離モジュールを提供することができる。
本発明によって提供される酸素分離膜エレメントは、例えば800〜1000℃というような高温域での使用に好ましく、GTL或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
一実施例に係る酸素分離膜エレメントの構成部材を模式的に示す分解斜視図である。 一実施例に係る酸素分離膜エレメントの構成を模式的に示す斜視図である。 クラックの認められないシール部表面を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。 シール部表面に発生したクラックを示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
符号の説明
10 酸素分離膜エレメント
12 キャップ部材(接続部材)
14 多孔質基材(支持体)
15 酸素分離膜
16 リング部材(接続部材)

Claims (6)

  1. 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントであって、
    前記酸素分離膜には、少なくとも一つのセラミックス製接続部材が接合されており、
    前記酸素分離膜と前記接続部材との接合部分には、該接合部分におけるガス流通を遮断するシール部が、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出しているガラスによって形成されている、酸素分離膜エレメント。
  2. 前記酸素分離膜および接続部材は、いずれも一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスにより構成されており、
    前記シール部を構成するガラスの熱膨張係数が10〜14×10−6−1である、請求項1に記載の酸素分離膜エレメント。
  3. 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントのシール方法であって、
    前記酸素分離膜と接合する対象のセラミックス製接続部材を用意すること、
    酸化物換算の質量比で以下の組成:
    SiO 40〜75質量%;
    Al 5〜20質量%;
    NaO 5〜20質量%;
    O 5〜20質量%;
    MgO 0〜3質量%;
    CaO 0〜3質量%;
    SrO 0〜3質量%;
    から実質的に構成されるガラスシール材であってガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出していることを特徴とするガラスシール材を、前記セラミックス製接続部材と前記酸素分離膜とを接続した部分に塗布すること、ならびに、
    前記塗布されたガラスシール材を、該ガラスシール材が前記塗布した部分から流出しない温度域で焼成することによって、前記セラミックス製接続部材と前記酸素分離膜との前記接続部分に、該ガラスシール材から成るガス流通を遮断するシール部を形成すること、
    を包含する、酸素分離膜エレメントのシール方法。
  4. 前記酸素分離膜および接続部材は、いずれも一般式:Ln1−xAeMO(但し、式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。)で表される組成のペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスにより構成されており、
    前記ガラスシール材は、前記シール部を構成するガラスの熱膨張係数が10〜14×10−6−1となるように調製されている、請求項3に記載のシール方法。
  5. 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントをシールするためのガラスシール材であって、
    酸化物換算の質量比で以下の組成:
    SiO 40〜75質量%;
    Al 5〜20質量%;
    NaO 5〜20質量%;
    O 5〜20質量%;
    MgO 0〜3質量%;
    CaO 0〜3質量%;
    SrO 0〜3質量%;
    から実質的に構成されるガラスシール材であって、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出していることを特徴とするガラスシール材。
  6. 熱膨張係数が10〜14×10−6−1となるように調製されている、請求項5に記載のガラスシール材。
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