JP2009195122A - リンゴ果汁含有アルコール飲料 - Google Patents

リンゴ果汁含有アルコール飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2009195122A
JP2009195122A JP2008038084A JP2008038084A JP2009195122A JP 2009195122 A JP2009195122 A JP 2009195122A JP 2008038084 A JP2008038084 A JP 2008038084A JP 2008038084 A JP2008038084 A JP 2008038084A JP 2009195122 A JP2009195122 A JP 2009195122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
fruit juice
apple
alcoholic beverage
taste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008038084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5475242B2 (ja
Inventor
Hideki Matsubayashi
秀貴 松林
Seiko Mamiya
誠子 間宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2008038084A priority Critical patent/JP5475242B2/ja
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to CN2009801051031A priority patent/CN101952410B/zh
Priority to TW098105288A priority patent/TW201009070A/zh
Priority to PCT/JP2009/052842 priority patent/WO2009104660A1/ja
Priority to RU2010138544/10A priority patent/RU2484128C2/ru
Priority to AU2009216261A priority patent/AU2009216261B2/en
Priority to MX2010009068A priority patent/MX2010009068A/es
Priority to KR1020107017185A priority patent/KR101601991B1/ko
Priority to EP09712658.5A priority patent/EP2248885A4/en
Priority to CA2714022A priority patent/CA2714022C/en
Priority to US12/866,168 priority patent/US20110008516A1/en
Publication of JP2009195122A publication Critical patent/JP2009195122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5475242B2 publication Critical patent/JP5475242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】アルコールの刺激を低減させた高濃度アルコール飲料、特にリンゴ風味のアルコール飲料において、熟れたリンゴに特有の甘い香り(熟れた蜜様の味わい)を増強させたこれまでにない優れた果実感と風味とを有する飲料を提供すること。
【解決手段】9v/v%以上のアルコールと、5.0mg/100ml以上のクロロゲン酸類と、リンゴ果汁とを含有するアルコール飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、リンゴ風味の高濃度アルコール飲料に関し、詳細には、リンゴ果汁と9v/v%以上のアルコールとを含有するアルコール飲料に特定量のクロロゲン酸類を含有させることにより、高濃度のアルコールに起因するアルコール特有の刺激(刺激臭を含む)を低減させ、かつ、熟れたリンゴのような甘い熟れた味が増強された新しい風味を有するリンゴ風味の高濃度アルコール飲料に関する。
アルコール飲料は、嗜好性飲料として、また薬用酒として広く飲用されている。また、アルコールは殺菌や抗菌効果があるため、保存性を高める目的で飲食品に添加されることもある。しかしながら、アルコール飲料又はアルコール含有飲料(以下、併せて「アルコール飲料」という)は、アルコール特有の強い刺激(本明細書中、「アルコール刺激」と表記することもある)を有するものが多く、この刺激のためにアルコール飲料を好まない人も存在する。
これまで、このようなアルコール刺激を低減又は消去するために、種々の試みが行われている。例えば、ウイスキーは、10〜100年程度の長期にわたって熟成させることにより、まろやかで飲みやすくなることが知られている。そして、このようなウイスキーの熟成によって得られた知見に基づいて、熟成に用いられる樽材の溶媒抽出物であるポリフェノール、特にリオニレシノール、シナップアルデヒド、コニフェリルアルデヒドをアルコール飲料に添加して、アルコール飲料の摂取で過度に生成される口腔内の過酸化水素等の過酸化物を消去し、それによりアルコール由来の刺激を抑制することが提案されている(特許文献1)。
また、アルコール特有の刺激を低減する方法として、アルコール飲料にシュクラロースを添加することにより、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感を抑える方法(特許文献2)、内分岐環状構造部分と外分岐環状構造部分とを有する重合度が50以上であるグルカンをアルコール含有飲食品に含有させることによって、アルコール臭やその刺激を緩和してマイルドにする方法(特許文献3)、アミノ酸であるベタインを添加することにより、アルコール含有飲食品の刺激臭を改善する方法(特許文献4)、パラディチョムパプリカの果実を添加することにより、アルコール飲料の有する不快臭を消失し、後味と呈味を改善する方法(特許文献5)等が提案されている。
さらに、果汁を含有するアルコール飲料においては、果汁含有アルコール飲料中の全糖質に占める果糖の割合を65w/w%以上、好ましくは75w/w%以上とすることにより、果糖の甘味の発現とアルコールの不快な味の発現とが重なってアルコールの刺激感がマスキングされ、口当たりがよく、マイルドな味わいとすることができることが報告されている(特許文献6)。
さらにまた、果実酒製造の際に使用される蒸留酒は、アルコール刺激臭によって果実の香味を損なうという欠点があったが、これを解決するために、ワインにアルコールを添加、混合して得られるアルコール濃度20%以上の果実酒製造用ワインが提案されている(特許文献7)。
一方、クロロゲン酸類は、コーヒー生豆、南天の葉、リンゴ未熟果等に多量に含まれることが知られている。一般に、クロロゲン酸類は、苦味や収斂性をともなう特有の味を有することから、飲食品、特に飲料に配合した場合、苦味や渋味の原因となることがあり、なかには金属のような収斂味のある後味となることもあることから、嗜好飲料であるアルコール飲料、特に高濃度のアルコール飲料に配合する試みはなされてこなかった。
特開2006−271273号公報 特開平8−224075号公報 特開2003−289824号公報 特開2003−204779号公報 特開平10−313849号公報 特開2005−192473号公報 特開2003−210154号公報
本発明者らは、高濃度のアルコール飲料におけるアルコール特有の刺激を低減させる方法を鋭意検討した結果、アルコール飲料に高濃度の果汁を配合することで、アルコール特有の刺激を低減できることを見出している。
本発明は、アルコールの刺激を低減させた高濃度アルコール飲料、特にリンゴ風味のアルコール飲料において、熟れたリンゴに特有の甘い味わい(熟れた蜜様の味わい)を増強させたこれまでにない優れた果実感と風味とを有する飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的に関して鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、苦味や渋味の原因となる成分で、リンゴ未熟果などに多く含まれることが知られているクロロゲン酸類を、リンゴ風味の高濃度アルコール飲料に特定量含有させることで、熟れたリンゴのような蜜様の味わいを付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の内容は以下の通りである。
1. 9v/v%以上のアルコールと、5.0mg/100ml以上のクロロゲン酸類と、リンゴ果汁とを含有するアルコール飲料。
2. クロロゲン酸類が、果汁抽出物又は濃縮物として添加されたものである、上記1に記載のアルコール飲料。
3. リンゴ果汁の配合量が、果汁率換算で100%以上である、上記1又は2に記載のアルコール飲料。
4. リンゴ果汁の配合量が、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上である、上記1〜3のいずれかに記載のアルコール飲料。
5. 上記1〜4のいずれかに記載のアルコール飲料を、希釈液で希釈して得られる希釈型アルコール飲料。
本発明により、アルコール特有の刺激がなく、かつ、熟れたリンゴのような蜜様の味わいを有する、新しい風味の高濃度アルコール飲料が得られる。
本発明は、高濃度のアルコールを含有する飲料(本明細書中、「高アルコール飲料」とも表記する)におけるクロロゲン酸類の含有量を特定の範囲とすることによって、熟れたリンゴのような蜜様の味わいを付与することを特徴とするものである。したがって本発明は、リンゴ風味の高アルコール飲料に特に好適に適用されるものである。すなわち、本発明は、特定量のクロロゲン酸類を含有するリンゴ風味の高アルコール飲料に関するものである。
本発明でいう「高濃度のアルコール」とは、アルコールの刺激が顕著に感じられる濃度のアルコールをいい、具体的には、9v/v%以上、好ましくは12v/v%以上、より好ましくは16v/v%以上のアルコールをいう。本発明のアルコール飲料は、高濃度のアルコール特有の刺激(刺激臭)を低減するものであるが、アルコールの配合量の上限としては、30v/v%未満、特に24v/v%以下が好ましい。
本発明において使用できるアルコール含有飲料は、飲用可能なアルコールを含むものであれば特に限定されず、例えば、醸造アルコール、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ニュースピリッツ等のスピリッツ、および原料用アルコールなど)、リキュール類、ウイスキー類(例えばウイスキー、ブランデーなど)又は焼酎(甲類、乙類)等、更には清酒、ワイン、ビール等の醸造酒が挙げられる。これらのアルコール含有飲料を、1種又は2種以上を組合せて用いることもできる。アルコール含有飲料の種類は、所望の香味に合わせて、適宜選択すればよいが、本発明のリンゴ風味の高アルコール飲料では、リンゴ果汁の香りや、本発明により付与される熟れたリンゴの蜜様の味わいなどの風味を引き立てることができるという観点から、スピリッツやラム等を用いることが好ましい。
本発明の高アルコール飲料は、特定量のクロロゲン酸類を含有する。飲料中のクロロゲン酸類の含有量は、5.0mg/100ml以上、好ましくは5.5mg/100ml以上である。クロロゲン酸類の含有量が、5.0mg/100ml未満であると、本発明の特徴である熟れたリンゴの蜜様の味わいを十分に付与することができない。クロロゲン酸類の含有量の上限は、所望する風味、嗜好等により適宜設定すればよいが、クロロゲン酸類は苦味や渋味の原因として知られている成分であるから、その含有量が高くなり過ぎると、アルコール飲料の呈味を損なうこともあるので、通常、クロロゲン酸類の含有量は、100mg/100ml以下、好ましくは50mg/100ml以下程度である。
クロロゲン酸類は、一般に、熱に不安定で容易に分解することが知られているが、本発明のアルコール飲料は高濃度のアルコールを含有することから加熱殺菌の必要がないので、加熱によりクロロゲン酸が分解するという問題が生じにくい。また、本発明の高アルコール飲料は高い保存安定性を有し、風味の変化等の品質劣化が起りにくい。すなわち、本発明の高アルコール飲料は長期間に渡って熟れたリンゴの蜜様の味わいや独特の風味を味わうことができる。
本発明のクロロゲン酸類としては、これを含有する天然物、特に植物から抽出したもの又はその精製品を用いてもよいし、化学合成により工業的に製造したものを用いてもよいが、中でも植物から抽出したものが特に好ましい。クロロゲン酸類を含有する植物としては、例えば、コーヒー生豆、南天の葉、リンゴ等が挙げられる。本発明の植物から抽出したクロロゲン酸類としては、これら植物体から抽出した精製品や、植物体からの抽出物そのもの(例えば、果汁)を用いることができる。本発明では、リンゴ風味の高アルコール飲料に添加するという観点から、リンゴからの抽出物を用いることが好ましい。リンゴ抽出物としては、リンゴ果汁(特に、クロロゲン酸濃度が高められた濃縮果汁)やクロロゲン酸を高濃度に含有する市販のリンゴ抽出物(例えば、ニッカウヰスキー(株)「アップルフェノン」)等を用いることができる。
本発明におけるクロロゲン酸類としては、具体的には、3−カフェイルキナ酸、4−カフェイルキナ酸、5−カフェイルキナ酸、3,4−ジカフェイルキナ酸、3,5−ジカフェイルキナ酸、4,5−ジカフェイルキナ酸、3−フェルリルキナ酸、4−フェルリルキナ酸、5−フェルリルキナ酸及び3−フェルリル−4−カフェイルキナ酸等が含まれる。また、クロロゲン酸類は、塩にすることにより水溶性を向上させることができる。本発明では、これらの食品中に使用可能な塩であれば、いずれも用いることができる。このような塩形成用の塩基物質としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が用いられるが、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。本発明の高アルコール飲料に塩形態のクロロゲン酸類を含有させる場合には、塩形態のクロロゲン酸類を飲料に添加してもよいし、クロロゲン酸類と塩形成用成分とを別々に飲料に添加してもよい。
本明細書における「リンゴ風味の飲料」とは、リンゴ果汁と、場合によりリンゴ香料が配合された、リンゴの風味を味わうことができる飲料をいう。リンゴの風味を味わうことができるのであれば、果汁や香料の配合量は問わないが、果汁率換算で80%以上、好ましくは100%以上となる果汁を配合すると、高アルコール飲料におけるアルコールの刺激を低減又は消去できる。特に、リンゴ果汁の含有量(場合により、リンゴ及びその他の果汁の合計量)が、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上であると、飲料のアルコール刺激をほぼ消去することができる。ここで、「アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上」とは、アルコール1v/v%あたりに換算される果汁率の割合が11.5倍以上であること、すなわち、本発明のアルコール飲料中の(A)アルコール濃度(度数(v/v%))と(B)果汁率(%)を指標として、B/A≧11.5であることを意味する。
一般的に、「果汁率」とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度をいい、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される各果実に特有の糖用屈折指示度の基準(°Bx)に基づいて換算できる。JAS規格によればリンゴの基準Bxは10°であり、したがって例えばBx70°のリンゴ果汁は、7倍濃縮のリンゴ果汁である。通常果汁量は重量%(すなわち飲料100gあたりの果汁量(g)(w/w))で表されることが多いが、本発明のように飲料がアルコール飲料である場合、アルコールの濃度によって飲料の比重(g/ml)が変動するので、実際には同じ量の果汁を使用している場合であってもアルコール度数により果汁量(重量%)の値が異なる結果となる。例えば、濃縮リンゴ果汁(Bx70=7倍濃縮)10gを用いた場合、Alc9°の100ml飲料(比重0.9967)では70.2重量%、Alc24°の100ml飲料(比重0.9787)では71.5重量%となる。
そのため本発明では、アルコール飲料中の「果汁率」を計算するに当たり、飲料中のアルコール濃度に影響されないように、アルコール飲料100ml中の濃縮果汁配合量(g)を用いて下記換算式にて算出することとする。また濃縮倍率を算出する際はJAS規格に準ずる。
果汁率(%)=[(濃縮果汁配合量(g)X 濃縮倍率)/100ml]X 100
なお、本発明でいう「果汁率」は、飲料中のアミノ態窒素を指標として表すこともできる。すなわち、ストレート果汁に含まれるアミノ態窒素量を100%としたときの相対濃度として表すこともできる。濃縮果汁を還元して100%果汁(ストレート果汁)とした場合、そのアミノ態窒素量(mg/100ml)(バンスライク法)は、リンゴ(混濁)9mg、(透明)7mgであった。したがって、例えば、リンゴ透明果汁とアルコールとを原料とする本発明のアルコール飲料について、アミノ態窒素を分析(バンスライク法)し、15mg/100mlであった場合には、果汁率は約200%である。なお、アミノ態窒素量は、通常、飲料100g当たりの量(mg/100g)で表されることが多いが、飲料中のアルコール濃度に影響されないように、100mlのアルコール飲料中のアミノ態窒素の量(mg/100ml)を用いることとする。
本発明のアルコール飲料には、リンゴ果汁が配合されるが、必要に応じ、リンゴの風味を有する範囲内でその他の果汁を配合してもよく、クロロゲン酸類を多く含む果汁等を配合することもできる。このように複数種類の果汁を用いる場合も、その合計の果汁率が80%以上、好ましくは100%以上となるようにすることで、上記の作用を得ることができる。
本発明のアルコール飲料においては、クロロゲン酸類、アルコール及び果汁の他にも、上記の性質を損なわない限り、通常アルコール含有飲料に配合するような、糖類、酸類、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、甘味料、酸味料、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができるが、上記のとおり、本発明のアルコール飲料は、今までにない熟れたリンゴの蜜様の味わいを楽しむことができるものであるから、甘味料・糖類等を加えずに天然果実由来の甘さ、美味しさを味わうのも態様の一つである。
本発明のアルコール飲料のpHは特に制限されないが、果汁を高濃度で含有するという観点、すなわち果実系飲料としての嗜好性を保つ観点からは酸性であることが好ましく、具体的には、pH2.0〜5.0が好ましく、pH3.0〜4.5がより好ましい。
本発明のアルコール飲料は、そのまま飲用してもよいし、希釈して飲用する希釈型アルコール飲料用のアルコールベースとして利用してもよい。また、そのままの形態で、アイスクリームやヨーグルト等のフルーツソースとして、また、パンやキャンディー等に添加するための素材(フルーツベース)としても利用可能である。いずれの形態においても、アルコール特有のピリピリとする刺激がほぼ消去され、熟れたリンゴの蜜様の味わいを味わうことができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
参考例1
リンゴ透明濃縮果汁(Bx70°;7倍濃縮)、59v/v%アルコール(スピリッツ)を用い、果汁率50、80、100%の果汁含有アルコール飲料(アルコール濃度:9v/v%)を製造した。得られた果汁含有アルコールについて、アルコールのピリピリ感(口中でピリピリと感じるアルコール特有の刺激)をパネラー4名で4点法(4点:ピリピリ感を感じない、3点:ピリピリ感をほとんど感じない、2点:ピリピリ感を若干感じる、1点:ピリピリ感を感じる)により評価し、その平均を求めた。
その結果、果汁率50%:1.25点、果汁率80%:3.0点、果汁率100%:3.0点であり、果汁率80%以上となるような高濃度の果汁を配合することにより、アルコールのピリピリ感を低減できることが確認された。
実施例1
表1に示す配合量の各成分及び水を用いて、Brix:22.7°、酸度:0.565g/100mlの4種類のリンゴ果汁含有アルコール飲料を製造した。得られた各飲料のアルコールによるピリピリ感について、◎:ピリピリ感を感じない、○:ピリピリ感をほとんど感じない、△:ピリピリ感を若干感じる、×:ピリピリ感を感じる、の4段階で評価した。また、熟れたリンゴのような蜜様の味わいについて、比較例を基準として、×:比較例より蜜様の味わいを感じない、△:比較例と同程度、○:比較例より蜜様の味わいをやや感じる、◎:比較例より蜜様の味わいを大きく感じる、の4段階で評価した。また、リンゴ果汁含有アルコール飲料のアミノ態窒素量を、バンスライク法(バンスライクに亜硝酸ナトリウム、酢酸、及び試料溶液を加え、発生する窒素ガス量からアミノ態窒素量を算出する方法)により測定した。さらに、クロロゲン酸類の含有量を、アルコール飲料に過塩素酸と水を加えてろ過した試料を用い、高速液体クロマトグラフ法にて分析した。
結果を表1に示す。比較例及び本発明品1の果汁率(B)は100%であり、アルコール(A)に対する比率(B/A)は11.1、本発明品2及び3の果汁率は210%であり、アルコールに対する比率は23.3であった。アルコールのピリピリ感は、比較例及び本発明品でごく僅かに感じられたが、本発明品2及び3はピリピリ感では感じられなかった。熟れたリンゴのような蜜様の味わいは、比較例(総クロロゲン酸量2.7mg/100ml)の場合はほとんど感じられなかったが、比較例にクロロゲン酸を添加した試料(本発明品1;総クロロゲン酸量5.7mg/100ml)では顕著に感じられた。また、リンゴ果汁由来のクロロゲン酸を5.7mg/100ml含有する試料(本発明品2)では、本発明品1と同程度の蜜様の味わいが感じられ、さらに、本発明品2にクロロゲン酸を添加した試料(本発明品3;総クロロゲン量14.0mg/100ml)では、より一層、蜜様の味わいが感じられた。
この結果から、リンゴ風味の高アルコール飲料において、総クロロゲン酸量が5.0mg/100ml以上であると、熟れたリンゴのような蜜様の味わいが、クロロゲン酸濃度に応じて感じられること、果汁(B)のアルコール(A)に対する割合(B/A)が11.5を上回るとピリピリ感が感じられなくなることが示された。
Figure 2009195122
実施例2
表2に示す配合量で、リンゴ果汁濃縮果汁と、アルコールとを混合し、加水して全量を1000mlにした。これを密封容器(ガラス瓶)に充填して常温で1日保存(貯蔵)し、アルコール濃度9〜30v/v%、果汁率約230、310、430、520%の果汁含有アルコール飲料を製造した。
このアルコール飲料におけるアミノ態窒素量及びクロロゲン酸量を、実施例1と同様に求めた。また、このアルコール飲料を飲用して官能評価を行った。評価項目は、1)アルコールのピリピリ感、2)熟れたリンゴのような蜜様の味わい、について官能評価した。評価点は、実施例1における比較例(果汁率100%)を基準に、×:基準よりピリピリ感を感じる(又は蜜様の味わいを感じない)、△:基準と同程度、○:基準よりもピリピリ感を感じない(又は蜜様の味わいをやや感じる)、◎:基準よりも極めてピリピリ感を感じない(又は蜜様の味わいを大きく感じる)、で評価した。
結果を、表2に示す(官能評価の結果は、上段がピリピリ感、下段が蜜様の味わいを示す)。いずれのリンゴ果汁含有アルコール飲料もクロロゲン酸が5.0mg/100ml以上であり、9v/v%以上の高濃度のアルコールを含有する飲料であっても良好な蜜様の味わいを有していた。アルコールのピリピリ感は、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上(B/A≧11.5)の果汁を含有する飲料でほぼ消去でき、特に、果汁率換算で300%以上であり、かつアルコールに対して19.0倍以上(B/A≧19.0)であると、ピリピリ感は感じられず、クロロゲン酸による蜜様の味わいが一層増強された新しい風味を有する高アルコール飲料となった。
Figure 2009195122
実施例3
表3に示す配合で原材料を混合し、果汁率約420%、アルコール度数16v/v%のリンゴ果汁含有アルコール飲料を製造した。このアルコール飲料中のクロロゲン酸量は、29.4mg/100mlであった。この高濃度のクロロゲン酸を含有するアルコール飲料を23℃で7ヶ月間保存したが、保存中の風味の変化は確認されず、クロロゲン酸による蜜様の味わいを維持していた。
Figure 2009195122
実施例4
実施例3で製造したリンゴ果汁含有アルコール飲料を水又は炭酸水で容量比で4倍に希釈し、希釈型のアルコール飲料を得た。水で希釈した飲料も炭酸水で希釈した飲料も、それぞれ、希釈前と同様に、アルコールのピリピリ感がなく、また、熟れたリンゴのような蜜様の味わいとまろやかな厚みのある風味とを有していた。

Claims (5)

  1. 9v/v%以上のアルコールと、5.0mg/100ml以上のクロロゲン酸類と、リンゴ果汁とを含有するアルコール飲料。
  2. クロロゲン酸類が、果汁抽出物又は濃縮物として添加されたものである、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. リンゴ果汁の配合量が、果汁率換算で100%以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
  4. リンゴ果汁の配合量が、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上である、請求項1〜3のいずれかの項に記載のアルコール飲料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアルコール飲料を、希釈液で希釈して得られる希釈型アルコール飲料。
JP2008038084A 2008-02-19 2008-02-19 リンゴ果汁含有アルコール飲料 Active JP5475242B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038084A JP5475242B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リンゴ果汁含有アルコール飲料
EP09712658.5A EP2248885A4 (en) 2008-02-19 2009-02-19 Alcoholic drink containing fruit juice
PCT/JP2009/052842 WO2009104660A1 (ja) 2008-02-19 2009-02-19 果汁含有アルコール飲料
RU2010138544/10A RU2484128C2 (ru) 2008-02-19 2009-02-19 Алкогольный напиток, содержащий фруктовый сок
AU2009216261A AU2009216261B2 (en) 2008-02-19 2009-02-19 Fruit juice - containing alcoholic beverage
MX2010009068A MX2010009068A (es) 2008-02-19 2009-02-19 Bebida alcoholica que contiene jugos de frutas.
CN2009801051031A CN101952410B (zh) 2008-02-19 2009-02-19 含果汁酒精饮料
TW098105288A TW201009070A (en) 2008-02-19 2009-02-19 Alcoholic drink containing fruit juice
CA2714022A CA2714022C (en) 2008-02-19 2009-02-19 Fruit juice-containing alcoholic beverage
US12/866,168 US20110008516A1 (en) 2008-02-19 2009-02-19 Fruit juice-containing alcoholic beverage
KR1020107017185A KR101601991B1 (ko) 2008-02-19 2009-02-19 과즙 함유 알코올 음료

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038084A JP5475242B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リンゴ果汁含有アルコール飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009195122A true JP2009195122A (ja) 2009-09-03
JP5475242B2 JP5475242B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=41139369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008038084A Active JP5475242B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リンゴ果汁含有アルコール飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5475242B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012057084A1 (ja) * 2010-10-25 2012-05-03 キリン協和フーズ株式会社 風味改良剤
KR20140024904A (ko) 2011-04-25 2014-03-03 산토리 홀딩스 가부시키가이샤 과즙 함유 저장 원주를 함유하는 알코올 음료
JP2016154488A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 リンゴの蜜様香気を表現する香料組成物および香気付与方法
KR20210000620A (ko) 2019-06-25 2021-01-05 이상호 믹스펍 제조방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55141188A (en) * 1979-04-21 1980-11-04 Suntory Ltd Ratafia and its concentrated raw material
JPH0823939A (ja) * 1994-07-14 1996-01-30 Sanei Gen F F I Inc 飲料の香味劣化防止剤および飲料の香味劣化防止方法
JP2002017317A (ja) * 2000-07-06 2002-01-22 Suntory Ltd 果汁含有飲料の製造方法
WO2002022148A1 (fr) * 2000-09-12 2002-03-21 The Nikka Whisky Distilling Co., Ltd. Polyphenol de la pomme sauvage et procede de production correspondant
JP2005192473A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Takara Shuzo Co Ltd 果汁含有アルコール飲料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55141188A (en) * 1979-04-21 1980-11-04 Suntory Ltd Ratafia and its concentrated raw material
JPH0823939A (ja) * 1994-07-14 1996-01-30 Sanei Gen F F I Inc 飲料の香味劣化防止剤および飲料の香味劣化防止方法
JP2002017317A (ja) * 2000-07-06 2002-01-22 Suntory Ltd 果汁含有飲料の製造方法
WO2002022148A1 (fr) * 2000-09-12 2002-03-21 The Nikka Whisky Distilling Co., Ltd. Polyphenol de la pomme sauvage et procede de production correspondant
JP2005192473A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Takara Shuzo Co Ltd 果汁含有アルコール飲料

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013021646; 毎日新聞 中部朝刊 , 19960305, 8頁 *

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012057084A1 (ja) * 2010-10-25 2012-05-03 キリン協和フーズ株式会社 風味改良剤
JPWO2012057084A1 (ja) * 2010-10-25 2014-05-12 キリン協和フーズ株式会社 風味改良剤
JP2016093182A (ja) * 2010-10-25 2016-05-26 Mcフードスペシャリティーズ株式会社 風味改良剤
JP2018019726A (ja) * 2010-10-25 2018-02-08 Mcフードスペシャリティーズ株式会社 風味改良剤
JP2018019727A (ja) * 2010-10-25 2018-02-08 Mcフードスペシャリティーズ株式会社 風味改良剤
JP2018019728A (ja) * 2010-10-25 2018-02-08 Mcフードスペシャリティーズ株式会社 風味改良剤
KR20140024904A (ko) 2011-04-25 2014-03-03 산토리 홀딩스 가부시키가이샤 과즙 함유 저장 원주를 함유하는 알코올 음료
JP2016154488A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 リンゴの蜜様香気を表現する香料組成物および香気付与方法
KR20210000620A (ko) 2019-06-25 2021-01-05 이상호 믹스펍 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5475242B2 (ja) 2014-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101601991B1 (ko) 과즙 함유 알코올 음료
JP5306205B2 (ja) 果汁含有アルコール飲料ベース及びこれを希釈して得られる飲料
JP2005204585A (ja) ポリフェノール含有アルコール飲料
JP5547908B2 (ja) バーニング感抑制剤及びバーニング感抑制方法
JP6602529B2 (ja) 容器詰めカクテルテイスト飲料
JP2017176108A (ja) 容器詰めアルコール飲料
JP5475242B2 (ja) リンゴ果汁含有アルコール飲料
JP2010119348A (ja) 飲料およびその製造方法
JP6855167B2 (ja) 柑橘の果皮感が増強されたアルコール飲料およびその製造方法
JP2020099288A (ja) アルコールテイスト飲料
JP2009195123A (ja) グレープフルーツ果汁含有アルコール飲料
JP2009195125A (ja) ぶどう果汁含有アルコール飲料
JP7441025B2 (ja) 柑橘果実様飲料
JP6674739B2 (ja) アルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料ベースのアルコールの刺激味を抑制しつつドリンカビリティを向上させる方法
JP7356262B2 (ja) アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法
KR20220070460A (ko) 용기에 담긴 알코올 음료
KR20200137011A (ko) 고알코올 음료, 고알코올 음료의 제조 방법 및 고알코올 음료의 향미 향상 방법
JP2006174754A (ja) 酢酸含有アルコール飲料
JP6760712B2 (ja) アルコール飲料の風味改良剤
JP6972480B1 (ja) アルコール飲料のエタノール感抑制剤
JP7267700B2 (ja) アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味改善方法
JP7002365B2 (ja) 梅アルコール飲料、梅アルコール飲料ベース、梅アルコール飲料の製造方法、及び、梅アルコール飲料の香味向上方法
JP2023094284A (ja) アルコール飲料
JP2023094896A (ja) アルコール飲料
JP2017099371A (ja) 容器入り炭酸アルコール飲料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5475242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250