JP2009193906A - 電池用電極板の耐熱層の塗布重量測定方法、製造方法および製造装置 - Google Patents

電池用電極板の耐熱層の塗布重量測定方法、製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非水電解液用電極板に塗布される耐熱層の厚みを精度良く測定する方法、その方法を利用した生産性の高い非水電解液用電極板製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】非水電解液用電極板の耐熱層11、活物質層12、集電体13を構成する成分の蛍光X線15を利用して耐熱層厚みを測定し、さらに耐熱層塗布工程で蛍光X線測定装置を利用して耐熱層厚みをインライン測定することにより、データをフィードバックして生産効率を向上させることができ、かつ、インライン測定を実現するためには、耐熱層11、活物質層12、集電体13を構成する元素の中から原子番号がスカンジウムより大きい元素の蛍光X線を利用することで、生産性の高い非水電解液用電極板製造方法及び製造装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属箔やパンチングメタルなどの集電体の表面にペースト状活物質を塗布して活物質層を形成し、所定の厚みに圧延し、さらに活物質層の表面に無機フィラーとバインダーから成る耐熱層を塗布して形成する電池用電極板の耐熱層の塗布重量測定方法、製造方法および製造装置に関する。
携帯電話やノート型パソコンなどのモバイル機器を駆動する電源としては、急速充電が可能でエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池に代表される非水電解液(有機溶媒系電解液)二次電池が主流になっている。
非水電解液二次電池は、一般に正極、負極及びセパレーターを具備している。
正極はアルミ箔などの集電体上に充放電反応をする活物質層が形成される。負極は銅箔などの集電体上に充放電反応をする活物質層が形成される。セパレーターはポリエチレン等の樹脂製の微多孔性薄膜シート等であり、正極と負極の間に配置されて正極と負極を電気的に絶縁しつつ電解液を保持する。
近年、非水電解液二次電池の異常過熱が社会問題になっている。この異常過熱は、次のようなメカニズムで発生していることが考えられている。まず、セパレーターが過熱により溶融もしくは収縮する事などに起因して、電池の内部短絡が発生する。さらに、内部短絡の反応熱でセパレーターの溶解もしくは収縮が瞬時に進行して短絡部が拡大し、より多大な反応熱が発生し、異常過熱が急激に促進されてゆく。
このような異常過熱を防止する目的で、活物質塗布済集電体の表面に無機フィラーとバインダーから成る耐熱層を塗布乾燥して形成することが提案されている(例えば特許文献1参照)。さらに、圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布乾燥して形成することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、活物質塗布済み集電体の活物質塗布量や圧延済活物質塗布集電体の厚みを管理する手段として、接触式の厚み計を用いることが知られている(例えば特許文献3参照)。
活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に形成された無機フィラーとバインダーからなる耐熱層の厚みが不均一であると、電池の充放電特性や耐熱層の耐熱性が低下する。従って、前記耐熱層の厚みは均一であることが好ましい。
特許第3371301号公報 特開2006−120604号公報 特開2000−208134号公報
しかしながら、従来の方法、つまり、接触式厚み計で活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に塗布した無機フィラーとバインダーからなる耐熱層厚みを測定する方法、一定面積のサンプルを切り出した後で天秤を用いて単位面積あたりの耐熱層塗布重量を測定して耐熱層密度で除して耐熱層厚みを演算する方法などでは、耐熱層厚みの測定精度及び生産性が低いという課題が出てきた。
耐熱層厚みの測定精度を低下させる要因は3つ挙げられる。
(1)活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布する工程で、活物質層の厚みが塗布加熱乾燥する前よりも塗布加熱乾燥した後で1〜20μm厚くなる。
(2)耐熱層の厚みが活物質層の厚みよりも非常に薄いために測定誤差が大きくなる。
(3)耐熱層が多孔質であるため、耐熱層の表面が非常に粗い。
また、生産性を低下させる要因は2つ挙げられる。
(1)耐熱層の厚みを耐熱層塗布完了後に測定用サンプルを取り出す必要がある。
(2)測定サンプルを取り出すために、耐熱層塗布機を停止させなければならない。
活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に塗布した耐熱層、活物質層、もしくは、集電体を構成する元素から得られる蛍光X線データを測定して耐熱層塗布重量を推定する測定方法によって前記課題を解決することが出来る。
第1の発明は活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に塗布した無機フィラーの構成元素から得られる蛍光X線吸収データを測定して、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に塗布した無機フィラーとバインダーからなる耐熱層の単位面積あたりの塗布重量を測定し、前記耐熱層の厚みを算出する。この方法では耐熱層の厚みが増加するほど、得られる蛍光X線の強度が強くなる。
接触式厚み計を用いる測定法では、耐熱層厚みの測定精度を低下させる要因が3つ挙げられるが、第1の発明は、これら3つを解決することが出来る。
(1)活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布する工程で、活物質層の厚みが塗布加熱乾燥する前よりも塗布加熱乾燥した後で1〜20μm厚くなるが、耐熱層から発生した蛍光X線は活物質層を通過しないため蛍光X線の測定データに悪影響を与えない。
(2)耐熱層厚みが活物質層厚みよりも非常に薄いが、活物質層を蛍光X線は通過しないために蛍光X線は活物質層の影響を受けない。従って、耐熱層厚みと活物質層厚みの差は蛍光X線の測定精度に悪影響を与えない。
(3)耐熱層が多孔質であるため耐熱層の表面が非常に粗いが、蛍光X線を測定する際にサンプルを回転させることによって表面粗さの影響を小さくしている。従って、耐熱層の表面粗さは耐熱層厚みの測定精度に悪影響を与えない。
また、接触式厚み計を用いる測定法では、生産性を低下させる要因が2つ挙げられる。
(1)耐熱層の厚みを耐熱層塗布完了後に測定用サンプルを取り出す必要がある。
(2)測定するサンプルを取り出すために、耐熱層塗布機を停止させなければならない。
第1の発明は、耐熱層を構成する元素の原子番号がスカンジウムより大きい場合には、
これら2つを解決することが出来る。
なぜならば、蛍光X線を発生させる耐熱層を構成する元素の原子番号がスカンジウムより大きい場合には、蛍光X線を常圧で測定することが可能であり耐熱層塗工機に蛍光X線装置を設置してインライン測定が可能になる。そのため、測定するサンプルを取り出す必要はないし、耐熱層塗布機を停止させる必要もないからである。
なお本発明における前記インライン測定とは前記耐熱層塗布機で、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布しながら、つまり耐熱層塗布機を停止させることなく連続的に耐熱層厚みを測定することである。
他方、耐熱層を構成する元素の原子番号がスカンジウム以下の場合には、耐熱層を構成する元素から得られる蛍光X線を真空中で測定しなければならないからである。なぜならば、前記蛍光X線は、空気中の分子に吸収散乱されるために定量に必要な測定感度が得られないからである。
第2の発明は、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の活物質層の構成元素又は集電体の構成元素から得られる蛍光X線で活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に塗布した無機フィラーとバインダーからなる耐熱層の単位面積あたりの塗布重量を測定し、前記耐熱層の厚みを算出する。前記耐熱層厚み測定方法では耐熱層の厚みが増加するほど、得られる蛍光X線の強度が弱くなる。
接触式厚み計を用いる測定法では、耐熱層厚みの測定精度を低下させる要因が3つ挙げられるが、第2の発明も、接触式厚み計の測定精度が悪くなる3つの要因を解決することが出来る。
(1)物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布する工程で、活物質層の厚みが塗布加熱乾燥する前よりも塗布加熱乾燥した後で1〜20μm厚くなるが、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層を塗布していないが同様の乾燥工程を経て活物質層が1〜20μm厚くなった標準サンプル(ブランクサンプル)を作成して検量線に用いれば蛍光X線の測定データから得られる耐熱層厚みの測定結果に悪影響を与えない。
(2)耐熱層厚みが活物質層厚みよりも非常に薄いが、耐熱層厚みを定量するために充分な検量線及び蛍光X線の測定感度が得られたため、耐熱層厚みと活物質層厚みの差は蛍光X線の測定精度に悪影響を与えない。
(3)耐熱層が多孔質であるため耐熱層の表面が非常に粗いが、蛍光X線を測定する際にサンプルを回転させることによって表面粗さの影響を小さくしている。従って、耐熱層の表面粗さは耐熱層厚みの測定精度に悪影響を与えない。また、第2の発明も、接触式厚み計を用いる測定法で生産性を低下させている2つの要因を解決できる。
第2の発明は、測定対象の活物質層または集電体の蛍光X線を発生する元素の原子番号がスカンジウムより大きい場合には、これら2つを解決することが出来る。なぜならば、蛍光X線を発生させる活物質層または集電体を構成する元素の原子番号がスカンジウムより大きい場合には、蛍光X線を常圧で測定することが可能であるため、耐熱層塗工機に蛍光X線装置を設置してインライン測定が可能になるからである。他方、耐熱層を構成する元素の原子番号がスカンジウム以下の場合には、耐熱層を構成する元素から得られる蛍光
X線を真空中で測定しなければならないからである。
なぜならば、前記蛍光X線は、空気中の分子に吸収散乱されるために定量に必要な測定感度が得られないからである。
第3の発明は、帯状の集電体を所定速度で連続的に移送しながら前記集電体の表面にペースト状活物質を活物質塗布機により活物質層を塗布乾燥し、前記活物質塗布集電体をロールプレス機で所定の厚みに圧延し、前記圧延済活物質塗布集電体を所定速度で連続的に移送しながら前記圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーから成る耐熱層を塗布する電池用電極板の製造方法において、前記耐熱層塗布工程中にて、前記耐熱層の構成元素、前記活物質層の構成元素または前記集電体構成元素の少なくとも一つの構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線データを用いて単位面積あたりの耐熱層塗布重量を測定し、測定された耐熱塗布重量データと予め定めた耐熱層塗布重量の基準データとを比較演算して、その誤差を算出したのちに、前記耐熱層塗布重量データと基準データとの誤差が設定範囲内になるように耐熱層塗布機の塗布用ロールまたは塗布用ポンプの制御にフィードバックすることを特徴とする電池用電極板の製造方法である。
活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の集電体に塗布される耐熱層を構成する無機フィラーとしては、アルミナ、マグネシア、シリカ、チタニア、ジルコニアなどが挙げられる。
無機フィラーを構成する元素がスカンジウムより原子番号が大きいチタニア、ジルコニアなどの場合は、無機フィラーから発生する蛍光X線を空気中で測定可能である。
従って、耐熱層の構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線データを用いて、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の集電体に無機フィラーからなる耐熱層のインライン測定が可能になる。
無機フィラーを構成する元素がチタンより原子番号が小さいアルミナ、マグネシア、シリカなどの場合は、発生する蛍光X線が空気中に存在するアルゴンなどのガス分子に吸収されるために蛍光X線の測定を真空中で行う必要がある。
この場合は、活物質層の構成元素又は集電体の構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線データを用いて、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の集電体に無機フィラーとバインダーからなる耐熱層のインライン測定が可能になる。
また、この製造方法では、耐熱層の構成元素、活物質層の構成元素、又は集電体の構成元素から得られる蛍光X線の強度に基づき連続的に単位面積あたりの重量を測定できる。それに加えて、耐熱層の単位面積あたりの重量データと基準データとの誤差が設定範囲内になるように耐熱層塗布機の塗布用ロールまたは塗布用ポンプにフィードバック制御するので、耐熱層の単位面積あたりの塗布重量を、一定速度で移送される帯状の活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体の長手方向に対して一定になるよう自動制御することができる。
第4の発明は、帯状の活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体を所定速度で連続的に移送する移送手段と、前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体にペースト状無機フィラーを塗布する耐熱層塗布ロールまたは塗布用ポンプからなる耐熱層塗布機と、前記耐熱層塗布機を通過したあとの前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体表面の前記ペースト状無機フィラーを乾燥し、耐熱層とする乾燥炉と、前記耐熱層が塗布された前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体前記耐熱層の構成元素、前記活物質層の構成元素または前記集電体構成元素の少なくとも
一つの構成元素の蛍光X線を用いた蛍光エックス線データから単位面積あたりの耐熱層塗布重量を測定する耐熱層塗布重量測定装置と、前記耐熱層塗布重量測定装置による耐熱層塗布重量データと、予め定めた前記耐熱層塗布重量の基準データとを比較演算して、その誤差を算出したのちに、前記耐熱層塗布重量データと基準データとの誤差が設定範囲内になるように前記耐熱層塗布ロールまたは塗布用ポンプの回転数または塗布重量を制御するロール間隔を、それぞれフィードバック制御するコントローラとを備えて構成されていることを特徴とする電池用電極板の製造装置である。
この電池用電極板の製造装置では、第1ないし第3の発明に係る電池用電極板の製造方法のいずれを忠実に具現化して、製造方法の効果を確実に得ることができる。
本発明によると、電池用電極板の耐熱層厚みを高精度で測定し塗布することが可能になる。このため、非水電解液二次電池の性能と安全を両立させることが出来る。また、従来の耐熱層厚み測定方法よりも生産性を向上させることができる。
本発明では、活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体に塗布乾燥した無機フィラーとバインダーからなる耐熱層の厚みを蛍光X線吸収データを用いて測定することにより厚み測定精度の向上と生産性の向上を達成することができる。本発明の電池用電極板は、正極板と負極板の2種類があり、いずれも集電体、活物質層、耐熱層から構成される。
<正極板の構成>
正極板の集電体としては、通常、金属箔であるアルミニウム箔、アルミニウム合金が好ましく使われる。前記集電体の厚みは5〜50μmが好ましい。
正極活物質層は、正極活物質、バインダー及び導電剤、また必要に応じてその他の成分から構成される。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2に代表されるLi−Co系複合酸化物、LiFePO4に代表されるLi−Fe系複合酸化物、LiMn27に代表されるLi−Mn系複合酸化物もしくはLiNiO2に代表されるLi−Ni系複合酸化物等のリチウム酸化物、またはTiS2,MnO2,MoO3もしくはV25等のカルコゲン化合物を例示することが出来る。これらの正極活物質は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせても良い。正極活物質は、これらの活物質を活物質層中へ均一に分散させるために、1〜100μmの範囲の粒径を有し、かつ平均粒径が3〜30μmであることが好ましい。
活物質塗布用ペースト中の正極活物質の配合割合は、溶媒を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に、高い電池容量の実現とサイクル特性のバランスを取るために90〜98.5重量%とすることが好ましく、96〜98.5重量%とすることが特に好ましい。
バインダーとしては、例えば、合成ラテックス樹脂、より具体的には、スチレンブタジエンラテックス、ニトリルブタジエンゴムラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスなどを使用することが出来る。
その他にも、熱可塑性樹脂、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等を使用するこ
とが出来る。この際、反応性の官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーをバインダー中に混入させることも可能である。その他にもアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種樹脂の混合物を使用することも出来る。
フッ素系樹脂は好ましく用いられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。正極活物質塗布用ペースト中のバインダー配合比率は、固形分基準で通常は0.5〜10重量%、好ましくは、0.9〜4重量%である。
導電材としては、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラック等の炭素質材料が好ましく用いられる。
耐熱層は無機フィラーとバインダーから構成される。無機フィラーは電解液が浸透する必要があるため多孔質無機酸化物であれば何でも良い。例えば、マグネシア、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、及び酸化チタン等から選ばれる少なくとも1つの無機フィラーを選択すればよい。無機フィラーの粒子径は、塗工する厚みに依存し、塗工方法にもよるが、平均粒子径としては1〜50μm程度がよく、耐熱層が多孔質性を有していないと電解液が浸透しにくくなるため、5〜40μm程度が好ましい。
バインダーとしては、例えば、合成ラテックス樹脂、より具体的には、スチレンブタジエンラテックス、ニトリルブタジエンゴムラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスなどを使用することが出来る。その他にも、熱可塑性樹脂、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等を使用することが出来る。この際、反応性の官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーをバインダー中に混入させることも可能である。
その他にもアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種樹脂の混合物を使用することも出来る。フッ素系樹脂は好ましく用いられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。また、合成ラテックス樹脂もバインダーとして好ましく用いられ、その中でもアクリロニトリルブタジエンゴムラテックスが特に好ましい。
正極活物質層の上に耐熱層を塗布するため正極活物質層を溶解し難い溶剤に無機フィラーとバインダーを溶解させることが好ましい。
<負極板の構成>
負極板の集電体としては通常、金属箔である銅箔、銅合金が好ましく用いられる。前記集電体の厚みは5〜30μmが好ましい。負極活物質層は、負極活物質及びバインダー、増粘剤、又は導電剤、また必要に応じてその他の成分から構成される。
負極活物質としては、金属リチウムまたはリチウム合金等のようなリチウム含有金属、シリコン化合物、錫化合物の他、好ましくは天然黒鉛、球状あるいは繊維状の人造黒鉛、コークス等の易黒鉛化性炭素、フェノール樹脂焼成体等の難黒鉛化性炭素、などが用いられる。
ここで、人造黒鉛は、例えば、易黒鉛化炭素を2800℃以上の高温で熱処理して製造
することができる。この場合の原料となる易黒鉛化炭素には、コークス、ピッチ類を400℃前後で加熱する過程で得られる光学異方性(メソカーボンマイクロビーズ:MCMB)等がある。これらの負極活物質は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせても良い。負極活物質は、これらの活物質を活物質層中へ均一に分散させるために、1〜100μmの範囲の粒径を有し、かつ平均粒径が3〜30μmであることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、合成ラテックス樹脂、より具体的には、スチレンブタジエンラテックス、ニトリルブタジエンゴムラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスなどを使用することが出来る。その他にも、熱可塑性樹脂、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等を使用することが出来る。
この際、反応性の官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーをバインダー中に混入させることも可能である。その他にもアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種樹脂の混合物を使用することも出来る。フッ素系樹脂は好ましく用いられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。また、合成ラテックス樹脂もバインダーとして好ましく用いられ、その中でもスチレンブタジエンラテックスが特に好ましい。
溶媒を水または水と有機溶剤との水溶液にした場合、負極活物質塗布用ペーストが塗工に適した粘度を有する目的で、増粘剤を用いることが好ましい。
増粘剤としては、例えば、セルロースエーテル系の樹脂や、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の合成高分子を用いることが出来る。これらの中でも、セルロースエーテル系の樹脂は、人体に毒性を示すことがなく、生体系に対しても無害であるという利点があることから、これを用いるのが好ましい。さらに、溶媒として水を選択した場合に、疎水性である炭素と水を繋ぐ材料であるため、親水性物質と疎水性物質の両方の性質を持つ界面活性剤としての機能を有することからもセルロースエーテル系の樹脂が好ましい。
セルロースエーテル系の樹脂は、セルロースが有する水酸基の一部をエーテル化したものである。セルロース単位には3つの水酸基が存在する。例えば、セルロースエーテルの全てのセルロース単位において、水酸基の1つがエーテル化されている場合は、エーテル化度が1.0となる。
つまり、エーテル化度は、セルロースに含まれる水酸基がどれだけエーテル化されているかを示す指標である。なかでも、負極活物質塗布用ペーストを集電体に塗布するときに、良好な流動性が得られるという理由から、エーテル化度が1.0未満のものを用いることが好ましい。また、セルロースエーテル系の樹脂は、水などに溶解させるために還元して陰イオンにするが、組み合わせる陽イオンの種類によって様々なものを用いることができる。例えば、セルロースエーテル系の樹脂のナトリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩のいずれか1つ以上を用いれば良い。
セルロースエーテルとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリエチルセルロース、シアノエチルセルロース等のグループから選ばれる1種以上を用いることが出来る。
特に、溶媒である水との親和性が高く、かつ負極活物質との親和性も良好であることから、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を選択することが好ましい。
導電材としては、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラック等の炭素質材料が好ましく用いられる。
耐熱層は無機フィラーとバインダーから構成される。無機フィラーは電解液が浸透する必要があるため多孔質無機酸化物であれば何でも良い。例えば、マグネシア、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、及び酸化チタン等から選ばれる少なくとも1つの無機フィラーを選択すればよい。無機フィラーの粒子径は、塗工する厚みに依存し、塗工方法にもよるが、平均粒子径としては1〜50μm程度がよく、耐熱層が多孔質性を有していないと電解液が浸透しにくくなるため、5〜40μm程度が好ましい。
バインダーとしては、例えば、合成ラテックス樹脂、より具体的には、スチレンブタジエンラテックス、ニトリルブタジエンゴムラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスなどを使用することが出来る。その他にも、熱可塑性樹脂、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等を使用することが出来る。
この際、反応性の官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーをバインダー中に混入させることも可能である。その他にもアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種樹脂の混合物を使用することも出来る。
フッ素系樹脂は好ましく用いられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。また、合成ラテックス樹脂もバインダーとして好ましく用いられ、その中でもアクリロニトリルブタジエンゴムラテックスが特に好ましい。
負極活物質層の上に耐熱層を塗布するため負極活物質層を溶解し難い溶剤に無機フィラーとバインダーを溶解させることが好ましい。
<正極板及び負極板の形成方法>
正極または負極活物質塗布用ペーストを調整する溶媒しては、水、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、或いは、これらの混合物のような水溶液又は有機溶剤を用いる。正極または負極活物質、及びバインダー、及びまたは導電剤、また、必要に応じてその他の成分を適切な前記溶媒中に入れて、プラネタリーミキサー、ホモジナイザイー、ボールミル、サンドミル、またはロールミル等の分散機により混合分散して、正極または負極活物質塗布用ペーストを調整する。
正極活物質塗布用ペースト中の溶媒は、通常は正極活物質塗布用ペースト重量全体の40〜85重量%、好ましくは50〜80重量%さらに好ましくは60〜80重量%である。負極活物質塗布用ペースト中の溶媒は、通常は負極活物質塗布用ペースト重量全体の30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。正極または負極活物質塗布済集電体は、集電体に正極または負極活物質塗布用ペーストを塗布して形成する。
正極または負極活物質塗布用ペーストの塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スロットダイコート、スライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等のように、厚い活物質層を形成できる方法が望ましい。ただし、薄い活物質層が要求
されている場合には、グラビアダイレクトコートやグラビアリバースコート等で塗布しても良い。乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、中赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波、或いは、それらを組み合わせて利用できる。
乾燥工程において集電体をサポート又はプレスする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によってによって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線または放射線を照射することにより、バインダーを架橋させて活物質層を得ることも出来る。活物質層は、塗布、乾燥を2回以上繰り返して所定の厚みに形成しても良い。
更に、得られた正極及び負極活物質層塗布済集電体をプレス加工することにより、活物質層の密度、集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。プレス加工する温度は、室温で行っても良いし、バインダーのガラス転移点よりも低い温度まで加温して行っても良い。通常、プレス加工は、室温(15〜35℃を目安)で行うのが好ましい。
ロールプレスは、帯状の活物質塗布済集電体を連続的にプレス加工できるので好ましい。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスいずれを行っても良い。ロールプレスのライン速度は、通常、5〜75m/minとする。
ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を4.9〜9807N/cm(0.5kgf/〜1tf/cm)とする。また、シートプレスを行う場合には、プレス圧力は、通常、4903〜73550N/cm2(500〜7500kgf/m2)、好ましくは29420〜49033N/cm2(3000〜5000kgf/cm2)の範囲に調整する。プレス圧力が低く過ぎると、活物質層の均質性が得られにくく、高過ぎると集電体及び活物質層を破損してしまう場合がある。活物質層は、一回のプレスで所定の厚みにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレス加工しても良い。
正極及び負極活物質層の塗布量は通常、20〜350g/m2とし、その厚みは、乾燥、プレス後に通常10〜200μm、好ましくは50〜190μmの範囲にする。
<耐熱層の形成方法>
耐熱層塗布用ペーストを調整する溶媒しては、水、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、或いは、これらの混合物のような水溶液又は有機溶剤を用いる。耐熱層塗布用ペーストが正極及び負極活物質層を容易に溶解しない溶媒が好ましい。
無機フィラー、バインダー、前記の適当な溶媒、また、必要に応じてその他の成分を適切な溶剤中に入れて、プラネタリーミキサー、ホモジナイザイー、ボールミル、サンドミル、またはロールミル等の分散機により混合分散して、耐熱層塗布用ペーストを調整する。
耐熱層塗布方法は、グラビアダイレクト、グラビアリバース、ロールコート、マイヤーバーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート、ディップコート、ノズル塗工、ディスペンサー、ダイヘッド等の一般的な塗工方法が使用可能である。
活物質層塗布済集電体または圧延済活物質層塗布済集電体の、いずれに耐熱層を塗工しても良いが、プレス(圧延)前の活物質塗布済集電体は活物質層表面の凹凸が大きいため
耐熱層塗布精度が悪くなるため、圧延済活物質層塗布済集電体の活物質層表面上に耐熱層を塗布するのが望ましい。また、耐熱層塗布後の厚み精度を向上させるため、耐熱層塗布後に、さらにプレス加工しても良い。
<耐熱層厚みの測定>
耐熱層塗布済圧延済活物質塗布集電体を蛍光X線が測定し易い面積(例えば、直径4cmの円形)に切り出して、シート状の測定サンプルとする。前記測定サンプルをシート状サンプルで蛍光X線を測定する円形または四角形の孔が空いたホルダーに固定する。
サンプルを取り付けたホルダーを蛍光X線測定装置の中へ入れる。蛍光X線装置内を常圧または真空で励起用X線をサンプルに照射して、得られる蛍光X線を検出器で測定する(常圧は1.013hPa程度であり測定している環境の大気圧と、ほぼ等しい。真空は100Pa以下が好ましく30Pa以下が特に好ましい)。
励起X線を発生させるターゲットは、パラジウム、ロジウム、タングステン等が適しているが、パラジウムが好ましい。
印加電圧は、10〜60kVが適しており、好ましくは40kVである。印加電流は、0.2〜30mAが適しており、好ましくは0.5〜2.0mAである。スリットは、スタンダード、ファイン、ウルトラのいずれでも良好な結果が得られるが、充分な測定感度を得るためにスタンダード(Std.)が好ましい。
分光結晶は、測定する蛍光X線の波長に適したものを選ぶと良い。原子番号がチタン以上の元素にはLiF結晶、シリコン、アルミ、カルシウムなどの元素にはPET結晶(Pentaerythritol)、マグネシウムなどにはTAP結晶(Thallium
Acid Phthate)などが好ましい。検出器は、高エネルギーの蛍光X線に対応したSC(シンチレーションカウンター)、低エネルギーの蛍光X線に対応したF−PC(ガスフロー・プロポーショナルカウンター)などが適しており、測定する蛍光X線に合わせて各々を選択すれば良い。例えば、原子番号がチタンより大きな元素にはSCを、チタンより小さい元素にはF−PCを検出器として選択するのが好ましい。
蛍光X線は発生する元素に固有なスペクトルで観測され、発生する過程によってKα線、Kβ線、Lα線、Lβ線等に分類される。本発明に用いる蛍光X線は、これらのどれを選択しても良いが、高感度を得られるためKα線が好ましい。
原子番号がスカンジウム以下である元素の蛍光X線を測定する場合は、真空中で測定する必要がある。原子番号がスカンジウム以下である元素元素の蛍光X線を測定する場合に、常圧では空気中に存在する分子に蛍光X線が、ほぼ全て吸収散乱されるため、蛍光X線を測定することが出来ないからである。
また、原子番号がスカンジウムより大きい元素の蛍光X線を測定する場合は、常圧でも空気中に存在する分子に蛍光X線が全て吸収散乱されないために、常圧での蛍光X線測定を実現可能である。
測定する温度は、常温または常温より高い温度が好ましく、常温より高い温度が特に好ましい(常温は、15〜35℃であり、常温より高い温度は35〜50℃である)。
測定時の圧力や温度が変化すると測定に用いるX線に影響を与えるので、蛍光X線装置内及び検出器の温度を常温より高い一定温度に管理することが好ましい。
さて、得られた蛍光X線データで耐熱層の厚みを求める方法は検量線法とFP法が知ら
れているが、どちらでも本発明の目的を達成できる。耐熱層厚みが既知である数種類の標準サンプルを作成して、耐熱層厚みと蛍光X線強度との相関から検量線を作成出来てFP法よりも高精度な分析結果が得られるため、検量線法が好ましい。測定サンプルの異方性を取り除くため、測定中はサンプルを回転させることが好ましい。
次に、耐熱層、活物質層、集電体を各々構成する元素から得られる蛍光X線を用いた厚み測定について図1を参照しながら説明する。
(1)耐熱層を構成する元素から得られる蛍光X線を利用する。
励起X線14が耐熱層11に当たると耐熱層11を構成する元素から蛍光X線15が発生する。耐熱層厚みが未知のサンプルから得られた蛍光X線15の強度データを予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。前記検量線は、耐熱層厚みを横軸、耐熱層11から発生する蛍光X線15を縦軸にプロットすると、右上がりになる。すなわち、耐熱層厚みが大きくなるほど、観測される蛍光X線15の強度も強くなる。例えば、集電体13が銅箔、活物質層12がカーボン、耐熱層11がアルミナから構成される負極板サンプルの測定を説明する。励起X線14が耐熱層11に当たると耐熱層11を構成するアルミニウムから蛍光X線15が発生する。これを検出器で測定し、予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。このように、この方法は、活物質層12や集電体13から発生する蛍光X線が耐熱層11から発生する蛍光X線を妨害しない系の耐熱層厚みを求めることに適用する事が好ましい。
(2)活物質層を構成する元素から得られる蛍光X線を利用する。
励起X線14が活物質層12に当たると活物質層12を構成する元素から蛍光X線15が発生する。耐熱層厚みが未知のサンプルから得られた蛍光X線15の強度データを予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。前記検量線は、耐熱層厚みを横軸、活物質層12から発生する蛍光X線15を縦軸にプロットすると、右下がりになる。すなわち、耐熱層厚みが大きくなるほど、観測される蛍光X線15の強度が弱くなる。
例えば、集電体13がアルミ箔、活物質層12がコバルト酸リチウム、耐熱層11がアルミナから構成される正極板サンプルの測定を説明する。励起X線14が活物質層12に当たると活物質層12を構成するコバルトから蛍光X線15が発生する。これを検出器で測定し、予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。このように、この方法は、耐熱層11や集電体13から発生する蛍光X線が活物質層12から発生する蛍光X線15を妨害しない系の耐熱層厚みを求めることに適用する事が好ましい。
(3)集電体を構成する元素から得られる蛍光X線を利用する。
励起X線14が集電体13に当たると集電体13を構成する元素から蛍光X線15が発生する。耐熱層厚みが未知のサンプルから得られた蛍光X線15の強度データを予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。
前記検量線は、耐熱層厚みを横軸、集電体13から発生する蛍光X線15を縦軸にプロットすると、右下がりになる。すなわち、耐熱層厚みが大きくなるほど、観測される蛍光X線15の強度が弱くなる。
例えば、集電体13が銅箔、活物質層12がカーボン、耐熱層11がアルミナから構成される負極板サンプルの測定を説明する。励起X線14が集電体13に当たると集電体13を構成する銅から蛍光X線15が発生する。これを検出器で測定し、予め求めていた検量線に当てはめると耐熱層厚みを求めることが出来る。このように、この方法は、耐熱層11や活物質層12から発生する蛍光X線が集電体13から発生する蛍光X線15を妨害
しない系の耐熱層厚みを求めることに適用する事が好ましい。
<インライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用グラビアコーター>
図2はインライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用グラビアコーターを示す概略構成図である。図2を参照しながらインライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用グラビアコーターを説明する。
図2は第3の発明を実現することが可能である、第4の発明に記載した製造装置の例である。例えば、集電体に活物質層を塗工された後に所定の厚みに圧延され、コイル状に巻かれた圧延済活物質層塗布済集電体22は、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23を巻き取る張力によって耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21として一定速度で移送されながら一面に耐熱層が形成されて、最終的に耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23としてコイル状に巻き取られる。
この一面のみに耐熱層が形成された耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23は、コーターから外されてから圧延済活物質層塗布済集電体22が設置されていたコーターの巻き出し部に取り付けられて、上述と同様にして多面にも耐熱層が形成されて、帯状電極板とされる。前記耐熱層塗布乾燥を完了すると、活物質層厚みが応力緩和で1〜20μmほど厚くなる。従って、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体の厚みを管理する目的で、前記耐熱層塗布乾燥後に電極板を圧延して所定の厚みに加工しても良い。さらに、この帯状電極板は、所定寸法に裁断されることにより、所望の電池用電極板となる。
圧延済活物質層塗布済集電体22から送り出された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21は、ニップロール26でガイドロール39にニップされたあと、圧銅27まで到達する。一方、インキパン37の中に充填されている耐熱層塗布用ペースト38は、コーターのウェブラインに連動して駆動するファニッシャーロール24に転写され、さらに版銅25に転写され、ドクターブレード28で余分な耐熱層塗布用ペースト38が版銅25から取り除かれた後で、圧銅27まで移送されてきた前記耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21に転写される。
これにより、前記耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21の表面上には耐熱層が形成される。一面に耐熱層が形成された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21は、ガイドロール29に案内されて耐熱層乾燥機30内に導入されて乾燥され、耐熱層塗布用ペースト38が加熱され蒸発することにより、耐熱層が確実に耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21の表面上に固定される。
耐熱層乾燥機30を出た耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21は、ガイドロール31に案内されて蛍光X測定装置35に導かれ、前記蛍光X線測定装置35で耐熱層厚みを測定されたのち、ニップ42でガイドロール32にニップされた後、ガイドロール33,34に案内されて耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23に巻き取られる。
蛍光X測定装置35は、耐熱層が塗布形成された圧延済活物質層塗布済集電体21中の耐熱層、活物質層または集電体でスカンジウムより原子番号が大きな元素の蛍光X線を少なくとも1つ以上測定する。この蛍光X線測定は、連続生産しながらインライン測定が可能である。蛍光X線測定装置35は耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21移送経路に対して固定されていても良いし、移送方法に対して垂直方向(耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21の駆動側と操作側を結ぶ方向)往復運動して、耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21の幅方向全体を測定しても良い。
蛍光X線測定装置35で測定されたデータは、コントローラ36に入力されて、このコ
ントローラ36に内蔵された演算処理部で演算処理されて耐熱層が塗布形成された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体21の表面上の耐熱層厚みに換算される。さらに、演算処理部では、算出した耐熱層厚みデータと予め定められた耐熱層厚みの基準データとを比較演算して、その誤差が算出される。前記誤差は表示装置40に表示され、コーターのオペレーターが常時監視することが可能である。さらに、前記誤差が管理限界を超えると警報装置41が音や光による警報を発する。前記誤差を監視していたオペレーターの判断またはコントローラ36の演算部による判断(自動制御)で、塗工停止させることが出来る。
表示装置40は前記誤差を表示できる機器ならば何でもよく、CRTモニター、液晶モニターなどが挙げられる。警報装置41は、音を出すものとしては、サイレン、音楽を発するスピーカーなどが挙げられる。
これら蛍光X線装置による効果を確認するため、従来の生産方法、すなわち蛍光X線測定装置35によるインライン測定なしで所定の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23を生産した後で耐熱層厚みをアウトライン測定する方法、と本発明である蛍光X線測定装置35でインライン測定しフィードバックする方法とを比較した。各々の方法で、2000m/巻の圧延済活物質層塗布済集電体22の10巻を耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23に耐熱層塗布乾燥した所、従来の方法では耐熱層厚みのバラツキが18.7%であったのに対して、本発明での耐熱層厚みのバラツキは9.6%であった。また、サンプリングによる破壊検査をする必要がなくなったため、検査による非作業時間がゼロになり、生産性が向上することが確認できた。
<インライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用ダイコーター>
図3はインライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用ダイコーターを示す概略構成図である。図3を参照しながらインライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用ダイコーターを説明する。
図3は第3の発明を実現することが可能である、第4の発明に記載した製造装置の例である。例えば、集電体に活物質層を塗工された後に所定の厚みに圧延され、コイル状に巻かれた圧延済活物質層塗布済集電体52は、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体53を巻き取る張力によって耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51として一定速度で移送されながら一面に耐熱層が形成されて、最終的に耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体53としてコイル状に巻き取られる。
この一面のみに耐熱層が形成された耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体53は、コーターから外されてから圧延済活物質層塗布済集電体52が設置されていたコーターの巻き出し部に取り付けられて、上述と同様にして多面にも耐熱層が形成されて、帯状電極板とされる。前記耐熱層塗布乾燥を完了すると、活物質層厚みが応力緩和で1〜20μmほど厚くなる。
従って、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体の厚みを管理する目的で、前記耐熱層塗布乾燥後に電極板を圧延して所定の厚みに加工しても良い。さらに、この帯状電極板は、所定寸法に裁断されることにより、所望の電池用電極板となる。
圧延済活物質層塗布済集電体52から送り出された圧延済活物質層塗布済集電体51は、ガイドロール58,59に案内されながら移送されて、一定の張力と精密な塗工精度を担保するために設けられたニップロール60でバックアップロール61にニップされながら耐熱層塗布用スロットダイ54の近傍に到達する。
耐熱層塗布用ペーストのタンク57内には耐熱層塗布用ペースト71が充填されており、耐熱層塗布用ペースト71は耐熱層塗布用定量ポンプ56の駆動によって耐熱層塗布用スロットダイ54に一定量ずつ供給される。耐熱層塗布用定量ポンプ56は、一定流量で耐熱層塗布用ペースト71を供給できれば何でも良く、モーノポンプ、ダイヤフラムポンプ、ギアポンプなどが適しているが、モーノポンプが好ましい。耐熱層塗布用スロットダイ54に一定量ずつ供給された耐熱層塗布用ペースト71はバックアップロール61上で耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51に転写される。これにより、前記耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51の表面上には耐熱層が形成される。
一面に耐熱層が形成された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51は、ガイドロール62に案内されて耐熱層乾燥機63内に導入されて乾燥され、耐熱層塗布用ペースト71が加熱され蒸発することにより、耐熱層が確実に耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51の表面上に固定される。
耐熱層乾燥機63を出た耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51は、ガイドロール64に案内された後、ニップロール72でガイドロール65にニップされたあと、蛍光X測定装置55に導かれ、前記蛍光X線測定装置55で耐熱層厚みを測定されたのち、ガイドロール66,67に案内されて耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体53に巻き取られる。
蛍光X測定装置55は、耐熱層が塗布形成された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51中の耐熱層、活物質層または集電体でスカンジウムより原子番号が大きな元素の蛍光X線を少なくとも1つ以上測定する。この蛍光X線測定は、連続生産しながらインライン測定が可能である。
蛍光X線測定装置55は耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51移送経路に対して固定されていても良いし、移送方法に対して垂直方向(耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51の駆動側と操作側を結ぶ方向)往復運動して、耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51の幅方向全体を測定しても良い。
蛍光X線測定装置55で測定されたデータは、コントローラ68に入力されて、このコントローラ68に内蔵された演算処理部で演算処理されて耐熱層が塗布形成された耐熱層加工中の圧延済活物質層塗布済集電体51の表面上の耐熱層厚みに換算される。
さらに、演算処理部では、算出した耐熱層厚みデータと予め定められた耐熱層厚みの基準データとを比較演算して、その誤差が算出される。前記誤差は表示装置69に表示され、コーターのオペレーターが常時監視することが可能である。
さらに、前記誤差が管理限界を超えると警報装置70が音や光による警報を発する。前記誤差を監視していたオペレーターの判断またはコントローラ68の演算部による判断(自動制御)で、塗工停止させることが出来る。
表示装置69は前記誤差を表示できる機器ならば何でもよく、CRTモニター、液晶モニターなどが上げられる。警報装置70は、音を出すものとしては、サイレン、音楽を発するスピーカー、などが挙げられ、また、光を出すものとしては、パトライトなどが挙げられる。
さらに、コントローラー68の演算部で算出された耐熱層厚みデータと予め定められた耐熱層厚みの基準データを比較演算して得られた誤差を耐熱層塗布用定量ポンプ56にフィードバックすることにより、耐熱層厚みの厚みバラツキを小さくすることが可能である
これら蛍光X線装置による効果を確認するため、従来の生産方法、すなわち蛍光X線測定装置55によるインライン測定なしで所定の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体53を生産した後で耐熱層厚みをアウトライン測定する方法、と本発明である蛍光X線測定装置35でインライン測定しフィードバックする方法とを比較した。
各々の方法で、2000m/巻の圧延済活物質層塗布済集電体22の10巻を耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体23に耐熱層塗布乾燥した所、従来の方法では耐熱層厚みのバラツキが18.7%であったのに対して、本発明での耐熱層厚みのバラツキは7.2%であった。また、サンプリングによる破壊検査をする必要がなくなったため、検査による非作業時間がゼロになり、生産性が向上することが確認できた。
以下、本発明の詳細を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
正極活物質として100重量部のコバルト酸リチウム(松下電池工業株式会社製)と、4重量部のPVDF(株式会社クレハ製 KF#1300)と、3重量部のアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製 デンカブラック粉状)と適量のN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製)とを、特殊機化工業株式会社3軸遊星方式の分散・混合・混練機T・Kハイビスディスパーミックス3D−5型にて混合し、正極活物質塗布用ペーストを作製した。
得られた正極活物質塗布用ペーストを正極集電体である昭和電工株式会社製アルミニウム箔A1085H−H18材(厚さ15μm)にダイコーターで塗布し、100℃で乾燥した。前記アルミニウム箔の両面に塗布し、厚さ400μmである正極活物質層塗布済集電体を得た。得られた正極活物質層塗布済集電体を200μmに圧延して正極圧延済活物質層塗布済集電体を得た。
無機フィラーとして100重量部の平均粒子径20μmのチタニア、バインダーとしてアクリロニトリルブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン株式会社製 BM810−B)を3重量部加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製)を用い、エムテクニック株式会社製クレアミックスを分散機械として用いて固形分比50重量%の耐熱層塗布用ペーストを得た。
耐熱層塗布用ペーストを前記正極圧延済活物質層塗布済集電体にグラビアリバース方式で、グラビア版は斜線版である、セル幅が120線/インチ、セルの深度が65μmを用いて塗布し、100℃の温度で乾燥し、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmになる5種類の正極圧延済活物質層塗布済集電体の表面上に耐熱層が形成された正極板を作成した。
また、耐熱層塗布用ペーストを塗布しないで、同様の100℃の乾燥工程を得た耐熱層を持たない正極圧延済活物質層塗布済集電体をブランクとして作成した(ブランクのサンプルを耐熱層厚みが0μmとして扱った)。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。前記円形の測定サンプルを蛍光X線測定面が下向きになるように、蛍光X線のシートサンプル測定用ホルダーに取り付けた。
株式会社リガク製のRigaku ZSX miniIIに測定サンプルの取り付けられたホルダーをセットして耐熱層を構成するチタンの蛍光X線(Kα線)を測定した。
測定条件は、以下の通りである。ターゲットはパラジウム、フィラメントの印加電圧は40kV,印加電流1.20mA、スリットはスタンダード、分光結晶はLiF(フッ化リチウム)、検出器はSC(シンチレーションカウンター)、測定雰囲気は、常圧、36.6℃、測定径は直径30mm、サンプルをスピンさせながら測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で圧延済正極活物質層塗布済集電体を作成した。無機フィラーとして平均粒径20μmのアルミナを用いること以外は、実施例1と同様の方法で耐熱層塗布用ペーストを作成した。実施例1と同様の方法で前記耐熱層塗布用ペーストを前記圧延済正極活物質層塗布済集電体の表面上に塗工して耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済正極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。前記円形の測定サンプルを蛍光X線測定面が下向きになるように、蛍光X線のシートサンプル測定用ホルダーに取り付けた。株式会社リガク製のRigaku ZSX miniIIに測定サンプルの取り付けられたホルダーをセットして耐熱層を構成するアルミニウムの蛍光X線(Kα線)を測定した。
測定条件は、以下の通りである。ターゲットはパラジウム、フィラメントの印加電圧は40kV、印加電流1.20mA、スリットはスタンダード、分光結晶はPET(Pentaerythritol)、検出器はE−PC(ガスフロー・プロポーショナルカウンター)、測定雰囲気は、真空(4.7Pa)、36.6℃、測定径は直径30mm、サンプルをスピンさせながら測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例3)
負極活物質として100重量部のカーボン(日立化成工業株式会社製MAGD)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC 第一工業製薬株式会社製セロゲン4H)1重量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムラテックス(SBR 日本ゼオン株式会社性BM−400B)を特殊機化工業株式会社3軸遊星方式の分散・混合・混練機T・Kハイビスディスパーミックス3D−5型に入れて、イオン交換水を加えて混練し、負極活物質塗布用ペーストを作製した。
得られた負極活物質塗布用ペーストを負極集電体である銅箔(古河電気工業株式会社製NC−WS)(厚さ10μm)にダイコーターで塗布し、100℃で乾燥した。前記銅箔の両面に塗布し、厚さ200μmである負極活物質層塗布済集電体を得た。得られた負極活物質層塗布済集電体を150μmに圧延して負極圧延済活物質層塗布済集電体を得た。
無機フィラーとして100重量部の平均粒子径20μmのチタニア、バインダーとしてアクリロニトリルブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン株式会社製 BM810−B)を3重量部加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製)を用い、エムテクニック株式会社製クレアミックスを分散機械として用いて固形分比50重量%の耐熱層塗布用ペーストを得た。
耐熱層塗布用ペーストを前記負極圧延済活物質層塗布済集電体にグラビアリバース方式で、グラビア版は斜線版である、セル幅が120線/インチ、セルの深度が65μmを用いて塗布し、100℃の温度で乾燥し、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmになる5種類の負極圧延済活物質層塗布済集電体の表面上に耐熱層が形成された負極板を作成した。また、耐熱層塗布用ペーストを塗布しないで、同様の100℃の乾燥工程を得た耐熱層を持たない負極圧延済活物質層塗布済集電体をブランクとして作成した(ブランクのサンプルを耐熱層厚みが0μmとして扱った)。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。前記円形の測定サンプルを蛍光X線測定面が下向きになるように、蛍光X線のシートサンプル測定用ホルダーに取り付けた。
株式会社リガク製のRigaku ZSX miniIIに測定サンプルの取り付けられたホルダーをセットして耐熱層を構成するチタンの蛍光X線(Kα線)を測定した。
測定条件は、以下の通りである。ターゲットはパラジウム、フィラメントの印加電圧は40kV,印加電流1.20mA、スリットはスタンダード、分光結晶はLiF(フッ化リチウム)、検出器はSC(シンチレーションカウンター)、測定雰囲気は、常圧、36.6℃、測定径は直径30mm、サンプルをスピンさせながら測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例4)
実施例3と同様の方法で圧延済負極活物質層塗布済集電体を作成した。無機フィラーとして平均粒径20μmのアルミナを用いること以外は、実施例3と同様の方法で耐熱層塗布用ペーストを作成した。実施例3と同様の方法で前記耐熱層塗布用ペーストを前記圧延済負極活物質層塗布済集電体の表面上に塗工して耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済負極活物質塗布済集電体を作成した。
実施例2と同様の方法で耐熱層を構成するアルミニウムから得られる蛍光X線(Kα線)を測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済正極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。活物質層を構成するコバルトから得られる蛍光X線を測定するという条件以外は実施例1と同様の方法で蛍光X線(Kα線)を測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例6)
実施例2と同様の方法で耐熱層厚みが0,6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済正極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。活物質層を構成するコバルトから得られる蛍光X線を測定するという条件以外は実施例2と同様の方法で蛍光X線(Kα線)を測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、1
0、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例7)
実施例1と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済正極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。集電体を構成するアルミニウムから得られる蛍光X線を測定するという条件以外は実施例2と同様の方法で蛍光X線(Kα線)を測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例8)
実施例2と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済正極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。集電体を構成するアルミニウムから得られる蛍光X線を測定するという条件以外は実施例2と同様の方法で蛍光X線(Kα線)を測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例9)
実施例3と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済負極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。前記円形の測定サンプルを蛍光X線測定面が下向きになるように、蛍光X線のシートサンプル測定用ホルダーに取り付けた。
株式会社リガク製のRigaku ZSX miniIIに測定サンプルの取り付けられたホルダーをセットして耐熱層を構成する銅の蛍光X線(Kα線)を測定した。測定条件は、以下の通りである。ターゲットはパラジウム、フィラメントの印加電圧は40kV,印加電流1.20mA、スリットはスタンダード、分光結晶はLiF(フッ化リチウム)、検出器はSC(シンチレーションカウンター)、測定雰囲気は、常圧、36.6℃、測定径は直径30mm、サンプルをスピンさせながら測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(実施例10)
実施例4と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済負極活物質塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。前記円形の測定サンプルを蛍光X線測定面が下向きになるように、蛍光X線のシートサンプル測定用ホルダーに取り付けた。
株式会社リガク製のRigaku ZSX miniIIに測定サンプルの取り付けられたホルダーをセットして耐熱層を構成する銅の蛍光X線(Kα線)を測定した。
測定条件は、以下の通りである。ターゲットはパラジウム、フィラメントの印加電圧は40kV,印加電流1.20mA、スリットはスタンダード、分光結晶はLiF(フッ化リチウム)、検出器はSC(シンチレーションカウンター)、測定雰囲気は、常圧、36.6℃、測定径は直径30mm、サンプルをスピンさせながら測定した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
打ち抜きサンプルの重量から求めた耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得
られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
一方、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々のサンプルについて、中心から100点のサンプル厚みを接触式厚み計(ユニオンツール株式会社製 ミクロファイン)で測定した。耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプル厚みから耐熱層厚みが0μmのサンプル厚み引いて、6、8、10、12、14μmの耐熱層厚みを測定した。
耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(比較例2)
実施例2と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
一方、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々のサンプルについて、中心から100点のサンプル厚みを接触式厚み計(ユニオンツール株式会社製 ミクロファイン)で測定した。耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプル厚みから耐熱層厚みが0μmのサンプル厚み引いて、6、8、10、12、14μmの耐熱層厚みを測定した。
耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(比較例3)
実施例3と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、1
0、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
一方、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々のサンプルについて、中心から100点のサンプル厚みを接触式厚み計(ユニオンツール株式会社製 ミクロファイン)で測定した。耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプル厚みから耐熱層厚みが0μmのサンプル厚み引いて、6、8、10、12、14μmの耐熱層厚みを測定した。
耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
(比較例4)
実施例4と同様の方法で耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmになる6種類の耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体を作成した。
耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々の重量を測定して、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの重量データから耐熱層が0μmのサンプルの重量データを引いて、耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプルの耐熱層の重量データを得た。耐熱層の重量データ、サンプル面積(直径40mmの円の面積)、耐熱層の密度から、耐熱層厚みを算出した。
一方、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から直径40mmの円形に打ち抜き測定サンプルを作成した。各々のサンプルについて、中心から100点のサンプル厚みを接触式厚み計(ユニオンツール株式会社製 ミクロファイン)で測定した。耐熱層厚みが6、8、10、12、14μmのサンプル厚みから耐熱層厚みが0μmのサンプル厚み引いて、6、8、10、12、14μmの耐熱層厚みを測定した。
耐熱層厚みを横軸、得られた蛍光X線データを縦軸にしたグラフに、耐熱層厚みが0、6、8、10、12、14μmのサンプル各々から得られたデータをプロットして検量線を作成して、その検量線の相関係数を算出した。
様々な方法で耐熱層厚みを測定することが可能であるが、耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法が信頼性の高い方法であるが、この方法の生産性は非常に低い。
なぜならば、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体を一定面積に切り出して重量を測定した後で、耐熱層のみを削り取って圧延済活物質層塗布済集電体の重量を測定しなければならないからである。粗雑な方法で耐熱層を削り取ろうとすれば、活物質層も削ってしまうからである。
従って、耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法の信頼性のみに着目して、耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法で得られた耐熱層厚みデータと、実施例及び比較例で得られた蛍光X線や接触式厚み計で測定した耐熱層厚みデータの相関係数で実施例及び比較例用いた耐熱層厚みデータ測定法を評価した。
評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2009193906
Figure 2009193906
表1より、実施例1〜4は、耐熱層を構成する元素から得られる蛍光X線を利用している。このため、耐熱層が厚くなる(耐熱層を構成する元素が増えるほど)、蛍光X線の強度は強くなる。従って、相関係数は正の数である。
また、実施例5〜10は、活物質層または集電体を構成する元素から得られる蛍光X線を利用している。このため、耐熱層が厚くなる(耐熱層を構成する元素が増えるほど)、蛍光X線の強度は弱くなる。従って、相関係数は負の数である。
さらに、表2に示した比較例1〜4は、耐熱層厚みを接触式厚み計で測定した値を利用している。従って、相関係数は正の数である。
蛍光X線を利用した実施例1〜10の相関係数は絶対値が、比較例1〜4の相関係数の絶対値よりも1に近い。このため蛍光X線を利用した耐熱層厚み測定法は従来の接触式厚み計を用いた方法よりも耐熱層厚み測定精度が高いことが確認できた。
上述のように、耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法は信頼性が高い反面で生産性は低い。しかしながら、第1及び2の発明は、実施例1〜10の相関係数から分かるように耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法と同様の信頼性を有しており、耐熱層のみを削り取るという作業が不要なため生産性が高い。よって、耐熱層の単位面積あたりの重量を測定し、耐熱層の密度データから耐熱層厚みを算出する方法よりも第1及び2の発明の方が優れていると言える。
蛍光X線を利用した実施例1〜10では、原子番号がスカンジウム以下である元素(原子番号がチタンより小さい元素)から得られる蛍光X線を利用した実施例2、4、7、8では常圧での蛍光X線測定が不可能であり真空中でしか蛍光X線を測定できないために、実施例2、4、7、8は第3の発明に係るインライン測定は不可能である。しかしながら、第1及び2の発明に係る蛍光X線を利用した耐熱層厚み測定は可能であり、第1及び2
の発明に係る蛍光X線を利用した耐熱層厚み測定を利用することにより高い測定精度と生産性を実現できる。
一方、原子番号がスカンジウムより大きい元素(原子番号がチタン以上の元素)から得られる蛍光X線を利用した実施例1、3、5、6、9、10では常圧での蛍光X線測定が可能であり、第1及び2の発明だけではなく、第3の発明に係る耐熱層厚みのインライン測定が可能である。
従って、耐熱層塗布済圧延済活物質層塗布済集電体からサンプルを取り出すことなく、耐熱層厚みのモニタリングが可能になり、安定した耐熱層厚み品質の確保とさらに高い生産性の向上が実現できる。
本発明にかかる非水電解液二次電池電極板の活物質層表面に塗布された耐熱層の厚み測定法、この測定方法を用いた非水電解液二次電池電極板の製造方法及び製造装置は、優れた安全性を持つ非水電解液二次電池電極板を高い生産性で製造可能にする。
本発明の形態を示す蛍光X線測定模式図 インライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用グラビアコーターの概略構成図 インライン蛍光X線モニター付の耐熱層塗工用ダイコーターの概略構成図
符号の説明
11 耐熱層
12 活物質層
13 集電体
14 励起X線
15 蛍光X線

Claims (4)

  1. 集電体の両面または一方の面に活物質層が形成され、さらに前記活物質層表面上に多孔質膜からなる耐熱層が形成されている電極板に対して、前記耐熱層の構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線吸収データを測定して、単位面積あたりの耐熱層塗布重量を推定する電池用電極板の測定方法。
  2. 集電体の両面または一方の面に活物質層が形成され、さらに前記活物質層表面上に多孔質膜からなる耐熱層が形成されている電極板に対して、前記活物質層の構成元素又は集電体の構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線吸収データを測定して、単位面積あたりの耐熱層塗布重量を推定する電池用電極板の測定方法。
  3. 帯状の集電体を所定速度で連続的に移送しながら前記集電体の表面にペースト状活物質を活物質塗布機により活物質層を塗布乾燥し、前記活物質塗布集電体をロールプレス機で所定の厚みに圧延し、前記圧延済活物質塗布集電体を所定速度で連続的に移送しながら前記圧延済活物質塗布集電体の表面に無機フィラーとバインダーから成る耐熱層を塗布する電池用電極板の製造方法において、前記耐熱層塗布工程中にて、前記耐熱層の構成元素、前記活物質層の構成元素または前記集電体構成元素の少なくとも一つの構成元素の蛍光X線を用いた蛍光X線データを用いて単位面積あたりの耐熱層塗布重量を測定し、測定された耐熱塗布重量データと予め定めた耐熱層塗布重量の基準データとを比較演算して、その誤差を算出したのちに、前記耐熱層塗布重量データと基準データとの誤差が設定範囲内になるように耐熱層塗布機の塗布用ロールまたは塗布用ポンプの制御にフィードバックすることを特徴とする電池用電極板の製造方法。
  4. 帯状の活物質塗布済集電体または圧延済活物質塗布集電体を所定速度で連続的に移送する移送手段と、前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体にペースト状無機フィラーを塗布する耐熱層塗布ロールまたは塗布用ポンプからなる耐熱層塗布機と、前記耐熱層塗布機を通過したあとの前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体表面の前記ペースト状無機フィラーを乾燥し、耐熱層とする乾燥炉と、前記耐熱層が塗布された前記活物質塗布済集電体または前記圧延済活物質塗布集電体前記耐熱層の構成元素、前記活物質層の構成元素または前記集電体構成元素の少なくとも一つの構成元素の蛍光X線を用いた蛍光エックス線データから単位面積あたりの耐熱層塗布重量を測定する耐熱層塗布重量測定装置と、前記耐熱層塗布重量測定装置による耐熱層塗布重量データと、予め定めた前記耐熱層塗布重量の基準データとを比較演算して、その誤差を算出したのちに、前記耐熱層塗布重量データと基準データとの誤差が設定範囲内になるように前記耐熱層塗布ロールまたは塗布用ポンプの回転数または塗布重量を制御するロール間隔を、それぞれフィードバック制御するコントローラとを備えて構成されていることを特徴とする電池用電極板の製造装置。
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