JP2014194882A - リチウムイオン電池の製造装置および製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池の電極材料の塗工膜厚の均一性を向上させる。
【解決手段】正極シートと負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体を備えるリチウムイオン電池の製造装置であり、ヘッドであるダイコーター3と支え台であるローラー部材8との間に隙間を形成する隙間形成部を有している。さらに、上記隙間形成部は回転ローラー9であり、回転ローラー9は、ダイコーター3よりローラー部材8に向かって突出し、かつバネ部材17によってローラー部材8に対して押し付けられるように支持されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン電池の製造装置および製造方法に関するものである。
リチウムイオン電池は、正極シートと負極シートがセパレータを介して交互に積層された積層体が電解液とともに外装体内に封入された二次電池である。外装体には、円筒型もしくは角型の缶やAl(アルミニウム)などを基体としたラミネートフィルムなどが用いられる。リチウムイオン電池の製造方法や外観は、外装体の構造や種類によって大きく異なるが、いずれの外装体が用いられる場合であっても、電池を動作させるための基本的な構成要素は共通である。
すなわち、正極シートは、電極箔の片面または両面に電極材料(正極活物質)からなる電極層が設けられた基本構造を有し、負極シートは、電極箔の片面または両面に電極材料(負極活物質)からなる電極層が設けられた基本構造を有する。正極シート上の電極層と負極シート上の電極層との間には、両電極層が短絡することを防ぐためにセパレータ層が設けられる。リチウムイオン電池は、正極シート、セパレータ、負極シートからなる積層体を形成し、その積層体を、リチウムイオンを含む電解液とともに外装体内に封入して製造される。
このようなリチウムイオン電池の製造方法に関し、その電極の製造について、正極を例に説明すると以下のようになる。
まず、正極活物質の粉末原料、導電材粉末、バインダー溶液および有機溶剤などを混練してスラリー状のペースト(電極材)を生成し、このペーストをダイコーターなどの塗工手段を用いて集電用アルミ電極箔上に薄く、均一に塗布する。その後、塗布したペーストを乾燥させて電極膜(上記電極層に相当)を形成する。次に、電極膜を所定の厚さに調整するためのカレンダー処理(ロールで潰して延伸させる処理)または電極膜を所定の形状に加工するためのスリット加工などを経て、リチウムイオン電池用の電極を形成する。
特開2005−270704号公報
上記したように、リチウムイオン電池の製造工程では、ペースト状の電極材料の製造、電極箔への電極材料の塗布および乾燥を含む一連の工程を経て、またはこれらの工程を組み合わせて電極層が形成された電極シートを形成する必要がある。
上記一連の工程のうち、塗布工程においては、ダイコーターやブレードコーターなどを用いて電極材料の塗工を行うが、その際、電極材料の膜厚(塗工膜厚)を均一にするために電極箔とコーターヘッドとの間に膜厚に応じた隙間を形成する必要がある。
そして、この隙間が均一に形成されていないと、塗工時の電極材料の膜厚も均一には形成できない。
しかしながら、コーターヘッドはリチウムイオン電池の製造装置の架台に保持されており、上記隙間の精度は、上記コーターヘッドそのものの製造精度と、搬送ローラーおよびステージ(電極箔を支える支え台)の塗工面の精度により決まるものである。したがって、上記隙間の精度を高めるのは困難であり、塗工膜厚の精度を向上させることも困難なことが課題である。
なお、上記特許文献1(特開2005−270704号公報)には、スリットダイから塗液を吐出させる構造が開示されているが、この構造においても、スリットダイとバックアップロール(支え台)との隙間の大きさの制御は困難である。
本発明の目的は、塗工膜厚の均一性を向上させることができるリチウムイオン電池の製造装置、およびリチウムイオン電池の製造方法を提供することにある。
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態であるリチウムイオン電池の製造装置は、正極シートと負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体を備えるリチウムイオン電池の製造装置であり、電極箔を搬送する搬送機構と、水と溶剤およびバインダーを含む電極材料を電極箔の上に塗布するヘッドと、ヘッドと所望の隙間を形成して配置され、かつ電極箔を支える支え台と、ヘッドと支え台との間に上記隙間を形成するように設けられた隙間形成部とを備える塗布部と、電極材料を乾燥させて電極層を形成する乾燥部と、を有している。さらに、上記隙間形成部は、ヘッドより支え台に向かって突出し、かつ支え台に対して押し付けられるように支持されているものである。
また、一実施の形態であるリチウムイオン電池の製造方法は、正極シートと負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体を備えるリチウムイオン電池の製造方法であり、電極材料を支え台によって支えられた電極箔の上にヘッドから塗布する塗布工程と、電極材料を乾燥させて電極層を形成する乾燥工程と、を有している。さらに、塗布工程において、ヘッドより支え台に向かって突出し、かつ支え台に対して押し付けられるように支持された隙間形成部により、ヘッドと支え台との間に所望の隙間を形成した状態で電極箔に電極材料を塗布するものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、塗工膜厚の均一性を向上させて電極の品質を高めることができるリチウムイオン電池の製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、塗工膜厚の均一性を向上させて電極の品質を高めることができるリチウムイオン電池の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造装置を構成する電極製造装置の構造の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法によって製造されるリチウムイオン電池の構造の一例を示す断面図である。 図1に示す電極製造装置の塗布部におけるヘッドと支え台の関係の一例を示す概念図である。 図1に示す電極製造装置の塗布部におけるヘッドの支持機構の一例を示す平面図である。 図4に示すヘッドの支持機構を備えた電極製造装置の主要部の構造の一例を示す正面図である。 図5に示す電極製造装置の主要部の構造の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態の電極製造装置における第1変形例の主要部の構造を示す正面図である。 本発明の実施の形態の電極製造装置における第2変形例の主要部の構造を示す側面図である。
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではない。さらに、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態)
本実施の形態に係る製造方法または製造装置によって製造されるリチウムイオン電池は、正極シートと負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体が電解液とともに外装体(例えば、円筒型の容器)内に封入された二次電池である。なお、正極シートには、正極用の電極層が形成され、一方、負極シートには、負極用の電極層が形成されている。
以下の説明では、正極シートおよび負極シートを総括して「電極シート」と呼ぶ。また、電極層を形成するために電極箔の表面に塗布されるペースト状の材料を「電極材料」と呼び、セパレータ層を形成するために基材または電極層の上に塗布されるペースト状の材料を「セパレータ材料」と呼ぶ。さらに、電極材料とセパレータ材料を総括して「ペースト」と呼ぶ。本願でいう電極材料およびセパレータ材料は、バインダー溶液および有機溶剤などの液体を含み、流動性を有する液状の物質である。また、以下の説明で「電極箔の表面」という場合は、電極箔の表側の面および裏側の面を含めた全面ではなく、表側の面のみを指すものとする。
なお、リチウムイオン電池の正極または負極を構成する電極層を形成するために用いる電極材料は、例えば、活物質粉末、導電材粉末、およびこれらの粉末を結着するためのバインダー材等を、有機溶剤に分散させた高粘度スラリー状の液体である。上記有機溶剤は、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)などである。
次に、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造装置およびリチウムイオン電池の製造方法について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1は実施の形態のリチウムイオン電池の製造装置を構成する片面塗布型の電極製造装置の構造の一例を示す概略図、図2は実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法によって製造されるリチウムイオン電池の構造の一例を示す断面図である。
また、図3は図1に示す電極製造装置の塗布部におけるヘッドと支え台の関係の一例を示す概念図、図4は図1に示す電極製造装置の塗布部におけるヘッドの支持機構の一例を示す平面図である。さらに、図5は図4に示すヘッドの支持機構を備えた電極製造装置の主要部の構造の一例を示す正面図、図6は図5に示す電極製造装置の主要部の構造の一例を示す側面図である。
まず、図1に示す片面塗布型の上記電極製造装置について説明する。上記電極製造装置は、電極箔(集電箔ともいう)1を搬送する複数のローラー(搬送機構)5と、電極材料を電極箔1の上に塗布する塗工部(塗布部)2と、上記電極材料を乾燥させて上記電極層を形成する乾燥室(乾燥部)6とを有している。
なお、上記電極材料は、水と相溶な溶剤および水に難溶なバインダーを含むものである。そこで、巻き出し機である集電用電極箔ロール4から送り出された電極箔1は、塗工部2で上記電極材料が塗布され、その後、乾燥室6に搬送されて乾燥が行われ、これにより、電極箔1上に上記電極層が形成される。その後、巻き取り機である電極箔ロール7に巻き取られる。なお、電極箔ロール7に巻き取られた電極箔1は、次工程に搬送される。
また、電極箔1の搬送は、電極箔1の搬送系として設けられ、かつ電極箔1の片側の面を支持する複数のローラー5によって行われ、それぞれのローラー5の回転によって所定の方向に送られる。
ここで、電極製造装置の塗工部2では、ヘッドであるダイコーター(電極コーター、コーターヘッド等とも言う)3から上記電極材料が吐出され、これにより、電極箔1上に上記電極材料が塗布される。
その際、図3に示すように、ダイコーター3とローラー部材(支え台)8との隙間Lは、電極箔1上でその幅方向に対して均一な塗工膜厚を形成するためには、ダイコーター3の幅方向M(図4参照)に対してどの位置に対しても一定の距離とならなければならない。つまり、図3に示すダイコーター3とローラー部材8との隙間Lを、図4に示すダイコーター3の幅方向Mに対してどの位置に対しても一定の距離にすることで、電極箔1上に形成される電極材料の塗工膜厚をいずれの位置においても均一な膜厚にすることができる。
また、電極箔1は、塗工面8aを有した支え台(ローラー部材8)によって支えられた状態で上記電極材料が塗布される。すなわち、図3に示すように、ダイコーター3は、その先端部が隙間Lを介して支え台(ローラー部材8)の塗工面8aと対向するように配置されており、この状態で上記電極材料が塗布される。
そこで、本実施の形態の上記電極製造装置では、ダイコーター3とローラー部材8との間に、上記隙間Lが、ダイコーター3の幅方向Mに対して均一に形成されるように、塗工部2に隙間形成部が設けられている。
つまり、塗工部2は、上記電極材料を電極箔1の上に塗布するダイコーター(ヘッド)3と、ダイコーター3と所望の隙間(図3参照)Lを形成して配置され、かつ電極箔1を支えるローラー部材(支え台)8とを備えている。さらに、塗工部2は、ヘッド(ダイコーター3)と支え台(ローラー部材8)との間に所望の隙間を形成するように設けられた上記隙間形成部を備えている。
なお、隙間Lは、例えば、10〜200μm程度のものであるが、これらの数値に限定されるものではない。
本実施の形態の上記電極製造装置の隙間形成部は、図4〜図6に示すように、ダイコーター3の電極箔1の搬送方向S(図1参照)に交差する方向(図4に示す幅方向M)の両側に、回転自在に設けられた回転ローラー9である。つまり、回転ローラー9は、ダイコーター3の幅方向Mに対して左右両側に設けられており、さらにダイコーター3より支え台(ローラー部材8)に向かって僅かに突出し、かつ支え台(ローラー部材8)に対して押し付けられるように支持されている(図5参照)。
なお、回転ローラー9は、弾性部材によって支え台(ローラー部材8)に対して押し付けられている。本実施の形態の上記電極製造装置では、上記弾性部材は、図5に示すバネ部材17であり、2つのバネ部材17によって、2つの回転ローラー9は、支え台(ローラー部材8)に対して常時押し付けられている。バネ部材17は、例えば、コイルバネ等であるが、板状のバネ等であってもよい。さらに、弾性部材は、バネ部材以外のゴム等の高分子材料を用いた部材であってもよい。
また、本実施の形態の上記電極製造装置では、ダイコーター3と対向して配置された支え台は、電極箔1の搬送方向に沿って回転自在に設けられた、図5および図6に示すローラー部材8である。ローラー部材8は、円筒形に形成され、その円筒状の面が塗工面8aである。すなわち、塗工部2における電極材料の塗布工程で電極箔1を支えるものであり、電極箔1が弛まないように電極箔1にテンションを付与し、かつ電極箔1の搬送方向Sと同方向に回転することで、電極箔1の搬送を案内している。
なお、ローラー部材8は、例えば、ステンレス鋼等から形成されている。
そして、ダイコーター3の両側に設けられた回転ローラー9が、常時、このローラー部材8に押し付けられており、これにより、ダイコーター3とローラー部材8との間には、常時図3に示すような隙間Lが形成される構造となっている。
ここで、図4〜図6に示す本実施の形態の上記電極製造装置の詳細構造について説明する。
まず、ヘッドであるダイコーター3は、その背面側に配置された第1プレート18にネジ24によって固定されており、さらに第1プレート18は、その左右両側に配置された側部プレート26にネジ25によって固定されている。
その際、図5に示すように、第1プレート18の左右両側の側面から突出する突起部18aが各側部プレート26の長孔26aに係合している。
さらに、左右2つの側部プレート26のそれぞれの内側には、回転ローラー9が回転自在に取り付けられている。この時、回転ローラー9は、それぞれダイコーター3の左右両側に配置され、かつダイコーター3の先端部から所望量突出するように側部プレート26に取り付けられている。
この時の回転ローラー9のダイコーター3の先端部からの突出量が、上記電極製造装置におけるダイコーター3とローラー部材8との隙間L(図3参照)に相当する。
これにより、ダイコーター3と第1プレート18と側部プレート26と回転ローラー9とからなる構造体が、一体となってヘッド機構部を形成している。
また、上記ヘッド機構部は、2つのバネ部材17を介して天井プレート23に支持されている。すなわち、2つのバネ部材17によって、第1プレート18およびこれに取り付けられた側部プレート26を介して2つの回転ローラー9にバネ作用が働いており、2つの回転ローラー9のそれぞれが、支え台であるローラー部材8に押し付けられている。
また、図6に示すように、天井プレート23は、上記ヘッド機構部の背面側に配置された第2プレート19に連結されている。さらに、第2プレート19は第1プレート18とベアリング21を介して連結されている。したがって、第1プレート18に固定されたダイコーター3も、第1プレート18がバネ部材17によって支持されていることと合わせて、第1プレート18の面方向に対して僅かには回転可能なように支持されている。
また、第2プレート19は、図6に示すように、その背面側において、リニアガイド22を介して第3プレート20に支持されている。なお、リニアガイド22は、第2プレート19を上記電極製造装置の昇降方向に可動自在にするものであり、したがって、第1プレート18に固定されたダイコーター3も上記昇降方向に可動自在に設けられている。
また、第3プレート20は、その背面側においてL型プレート27に固定されており、さらに、このL型プレート27は、リニアガイド28を介してヘッド側プレート29に固定されている。リニアガイド28は、L型プレート27を前後方向(図1に示す電極箔1の搬送方向Sに沿った方向)に動かすことが可能なガイドであり、したがって、上記ヘッド機構部のダイコーター3も上記前後方向に動くことが可能となっている。
そして、ヘッド側プレート29は、プレート支持部30を介して上記電極製造装置の架台(ベース)31に固定されている。
一方、支え台側においては、支え台であるローラー部材8は、架台31に固定されたベース側プレート32に、図1に示す電極箔1をその搬送方向Sに沿って送り出すように回転自在に支持されている。
そして、ダイコーター3の両側に配置された回転ローラー9が、支え台であるローラー部材8にバネ部材17によって押し付けられているため、ダイコーター3とローラー部材8との間には、常時図3に示すような隙間Lが形成される構造となっている。
すなわち、常にローラー部材8の塗工面8aに押し付けられた回転ローラー9が、塗工面8a上を走行することで、塗工面8aの凹凸や塗工面8aの傾きにダイコーター3が追従するため、ダイコーター3と塗工面8aとの距離を常に一定に保つことができる。これにより、ダイコーター3は常に塗工面8aと一定の隙間Lを維持した状態で塗工を行うことができる。
また、ダイコーター3は、上記ヘッド機構部の構造により、ベアリング21やリニアガイド22,28を介して固定されているため、傾きや昇降方向に対して自由に可動することができる。さらに、ダイコーター3を備えたヘッド機構部がバネ部材17によって支持され、かつベアリング21やリニアガイド22,28を介して固定されていることと合わせると、ダイコーター3は、ローラー部材8の塗工面8aの形状に沿って追従して動くことができる。
その結果、ダイコーター3と塗工面8aとの距離を常に一定に保つことができる。
さらに、本実施の形態の上記電極製造装置では、上記ヘッド機構部側と支え台側とでは、それぞれ独立したプレートによって支持されているため、隙間Lの大きさを調整することが可能になっている。
また、回転ローラー9の直径は、ローラー部材8の直径より小さく形成されている。これにより、塗工面8aの細かな凹凸や変形等にも回転ローラー9が接触することができるため、ダイコーター3と塗工面8aとの距離を高精度に一定に保つことができる。
次に、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造方法を、図1、図3〜図6を用いて説明する。まず、リチウムイオン電池の正極または負極を構成する電極層の形成材料である電極材料を用意する。かかる電極材料は高粘度スラリー状の液体であり、図1に示される塗工部2に設置された塗布機構(本実施の形態ではダイコーター3)によって、集電用電極箔ロール4から供給される電極箔1の表面上に薄く、かつ均一に塗布される。すなわち、塗工部2において塗布工程が行われる。
ここで、本実施の形態の塗布工程の詳細を説明する。
上述のように、本実施の形態の上記電極製造装置における隙間形成部は、ダイコーター3の、電極箔1の搬送方向Sと交差する方向(図4に示す幅方向M)の両側に設けられた回転ローラー9である。つまり、ダイコーター3の幅方向Mの左右両側に回転ローラー9が配置されている。
一方、塗布時、電極箔1を支える支え台は、電極箔1の搬送方向Sに沿って電極箔1を送り出すように回転自在に設けられたローラー部材8である。
これにより、上記塗布工程では、ダイコーター3よりローラー部材8に向かって僅かに突出し、かつローラー部材8に対して押し付けられるように支持された回転ローラー9をローラー部材8の塗工面8aに走行させ、この状態で電極材料の塗布を行う。この時、回転ローラー9によって、ダイコーター3とローラー部材8との間に、常に図3に示すような所望の隙間Lが形成され、この隙間Lが形成された状態で、ローラー部材8によって支えられた電極箔1の上にダイコーター3から上記電極材料を塗布する。
なお、回転ローラー9のローラー部材8への押し付けは、弾性部材であるバネ部材17によって常時行われている。つまり、回転ローラー9がバネ部材17によって常時ローラー部材8に押し付けられることで、ダイコーター3とローラー部材8との間に、常に図3に示すような所望の隙間Lを形成することができる。
これにより、電極箔1上に形成される電極材料の塗工膜厚を、精度を向上させて、均一に、かつ一定の厚さで形成することができる。
また、回転ローラー9の直径は、ローラー部材8の直径より遥かに小さく形成されており、この小さい直径の回転ローラー9をローラー部材8に対して押し付けて走行させる。これにより、ローラー部材8の塗工面8aの細かな凹凸や変形等に対しても回転ローラー9が接触することができ、その結果、ダイコーター3と塗工面8aとの距離を高精度に一定に保つことができる。
なお、本実施の形態において用いられる電極材料は、少なくとも、正または負極活物質粉末を含み、場合によっては導電材粉末の固形成分を含む。ここで、電極材料は、乾燥後において粉末成分間または粉末成分と電極箔間を結着するためのバインダーであって、水に難溶なバインダーと、固化材とを含む。さらに、電極材料は、上記成分をスラリー状の高粘度液体ペーストとして調整するための溶剤であり、水と相溶な溶剤をさらに含む。
つまり、電極材料は、正または負極活物質粉末、水に難溶なバインダー、固化材および水と相溶な溶剤を含み、場合によっては導電材粉末の固形成分を含んでいる。ただし、バインダーと固化材とが兼用であることがより好ましい。具体的には、電極材料は、正または負極活物質粉末、固化材として使用可能なバインダーおよび溶剤を少なくとも含んでいることが好ましい。
次に、電極材料が塗布された電極箔1の裏面に接しながら、電極箔1を一定速度で搬送する搬送機構(本実施の形態ではローラー5による搬送系)を用いて、電極箔1を乾燥室6に搬入し、乾燥室6において、乾燥工程を行う。具体的には、熱風乾燥などの周知の手法で電極材料中の液体成分を加熱蒸発させて電極材料を乾燥させ、これにより、電極層を形成する。
その後、乾燥工程を経た電極箔1が巻き取られた電極箔ロール7は、次工程に供給される。ただし、電極箔1の裏面にも電極層を形成する場合には、上記のような工程を電極箔1の裏面に対しても行い、両面に電極層が形成された電極シートを製造してから、次の工程に進む。
また、上記のように、正極用の電極箔(例えばAl(アルミニウム))の表面に正極用の電極層(例えばアセチレンブラックなどの導電材層)を形成することで正極シートを形成する。さらに、上述した工程により、負極用の電極箔(例えばCu(銅))の表面に負極用の電極層(例えばアセチレンブラックなどの導電材層)を形成することで負極シートを形成する。
その後、セパレータ層を介して正極シートと負極シートを重ね合わせて積層体を形成する。セパレータ層は、公知のフィルム状セパレータを用いて形成することもできるが、後述する方法によって正極シートまたは負極シートの電極層の上にセパレータ層を一体的に形成することもできる。
次に、本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法によって製造されるリチウムイオン電池の一例を図2に示す。図示されているリチウムイオン電池では、正極シート10、負極シート11およびセパレータ層としてのセパレータ12からなる積層体が円筒型の容器13内に組み込まれている。より具体的には、上記積層体が所定の長さに切断され、巻回されて、容器13内に組み込まれている。
したがって、容器13内では、正極用の電極層が形成された正極シート10、セパレータ層としてのセパレータ12、負極用の電極層が形成された負極シート11が繰り返し交互に積層されている。換言すれば、隣り合う正極シート10と負極シート11との間にセパレータ層が介在している。
容器13内には、上記積層体とともに電解液が充填されている。容器13の一端は正極端子15により封止され、他端は負極端子16により封止されている。正極シート10は、金属膜からなる正極リード14を介してガス排出構造を有する正極端子15に電気的に接続されており、負極シート11は、金属膜からなる負極リード(図示せず)を介して負極端子16に電気的に接続されている。
以下では、本実施の形態におけるリチウムイオン電池を構成する各材料、およびリチウムイオン電池を製造する際に用いる各材料について詳しく説明する。
本実施の形態で用いるリチウムイオン電池の正極活物質には、コバルト酸リチウムまたはマンガン(Mn)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。また、正極活物質には、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)を含む複合酸化物、またはオリビン型リン酸鉄に代表されるオリビン型化合物などを使用することができる。ただし、正極活物質に用いる材料は、これらに限定されるわけではない。
マンガン(Mn)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、これを含む電極シートを形成することで、安全性の高い電池を構成することができる。また正極活物質には、マンガン(Mn)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物のみを用いてもよいが、他の正極活物質を併用してもよい。このような他の正極活物質としては、例えば、Li1+x MO2(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mg、Zr、Tiなど)で表わされるオリビン型化合物などが挙げられる。
また、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO2 またはLiNi1-x Cox-y Aly2(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などを用いることができる。また、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物には、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3 Ni1/3 Co1/32 、LiMn5/12Ni5/12Co1/62 、LiNi3/5 Mn1/5 Co1/52 など)などを用いることができる。
本実施の形態で用いる負極活物質は、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛または膨張黒鉛などの黒鉛材料を用いることができる。また、負極活物質には、ピッチを焼成して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料を用いることもできる。また、負極活物質には、フルフリルアルコール樹脂(PFA)、ポリパラフェニレン(PPP)またはフェノール樹脂などを低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料を用いてもよい。また、炭素材料の他に、リチウム(Li)またはリチウム含有化合物なども負極活物質として用いることができる。
リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金、Si(ケイ素)、または、Sn(錫)などとリチウム(Li)との合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。さらにSn酸化物またはSi酸化物などの酸化物系材料も用いることも可能である。
本実施の形態で用いる導電材は、正極合剤層に含有させる電子伝導助剤として用いるもので、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、またはカーボンナノチューブなどの炭素材料が好ましい。上記の炭素材料の中でも、添加量と導電性の効果、および正極合剤層含有組成物(後述する)の製造性の点から、アセチレンブラックを用いることが特に好ましい。かかる導電材は負極合剤層の材料として用いることも可能であり、好ましい場合もある。なお、ここでいう正極または負極の合剤層とは、上記した電極材料、またはこれを固化、乾燥させた電極層のことである。
本実施の形態では、固化材を兼ねるバインダー成分を含むバインダーを用いることもできる。具体的には、バインダーは、上記の活物質および電子伝導助剤を結着するためのバインダー成分を含有していることが好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリビニリデンフルオライド系ポリマー(主成分モノマーであるビニリデンフルオライドを80質量%以上含有する含フッ素モノマー群の重合体)、またはゴム系ポリマーなどが好適に用いられる。上記ポリマーは、2種以上を併用してもよい。また、本実施の形態で用いられるバインダーは、溶媒に溶解した溶液の形態で供されるものが好ましい。
上記ポリビニリデンフルオライド系ポリマーを合成するための含フッ素モノマー群としては、ビニリデンフルオライド、またはビニリデンフルオライドと他のモノマーとの混合物で、ビニリデンフルオライドを80質量%以上含有するモノマー混合物等が挙げられる。他のモノマーとしては、例えば、ビニルフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフルオロアルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記のゴム系ポリマーとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム、およびフッ素ゴムなどが挙げられる。
正極および負極の各合剤層中におけるバインダーの含有量は、乾燥後の電極材料を基準として0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。
また、電極箔1に電極材料を塗布する塗布機構(ダイコーター3、塗工手段)には、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどを用いることもできる。
また、電極箔1はシート状の箔に限定されない。電極箔1の材料には、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼、もしくはチタン(Ti)などの純金属または合金性導電材料を用いることができる。また、電極箔1の形状は網状や板状であってもよい。また、電極箔1は、パンチドメタルやフォームメタルであってもよい。電極箔1の厚みとしては、例えば、5〜30μm、より好ましくは8〜16μmが選択される。また、電極箔1の一方の面に形成される電極層の厚みは、乾燥後の厚みで、例えば、10〜300μm、より好ましくは30〜150μmを選択できる。
また、本実施の形態において用いられる溶剤は、水に溶解する性質を有する。このような溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、もしくはγ−ブチロラクトンなどに代表される非プロトン性極性溶剤、またはこれらの混合液を選択できる。
次に、図1に示す乾燥室6で行われる乾燥工程について説明する。
上記乾燥工程には、温風乾燥を用いることが考えられるが、これに限定されるものではない。乾燥手段としては、赤外線、遠赤外線その他の電磁波を照射する加熱方式であってもよい。また、高周波電場による誘電加熱方式、または磁束の変化を利用する誘導加熱方式を用いることも可能である。さらにはヒーターを組み込んだ加熱ロールまたはホットプレートなどを利用する接触加熱方式を用いてもよく、上記した乾燥手段のいくつかを組み合わせた加熱方式も用いることもできる。
以下、本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法を構成する各工程についてより具体的に説明する。
正極活物質には、リチウム遷移金属複合酸化物としてのニッケルコバルトマンガン酸リチウムを選択することができる。上記リチウム遷移金属複合酸化物と、導電材の黒鉛粉末と、導電材のアセチレンブラックと、固化材を兼ねるバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、重量比で85:8:2:5となる割合で混合する。さらに溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を逐次添加する。
次に、これらの混合成分を、プラネタリーミキサーで混練して正極用の電極材料を調整する。この電極材料はスラリー状の液体であり、電極材料中には固化材としてのバインダー成分がNMP中に溶解している。回転粘度計で測定した電極材料の粘度は約10Pa・Sとなる。
このようにして混練した電極材料を厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体、電極箔1)上に厚さ100μmとなるようアプリケーターで塗布する。以上の工程が、電極箔1の表面に、水と相溶な溶剤および水に難溶なバインダーを含む電極材料を塗布する塗布工程である。
次に、電極材料が塗布されたアルミニウム箔を、温風乾燥炉内で120℃の温度で10分間乾燥させ、電極材料中の水および微量に残留したNMPを蒸発除去することで、アルミニウム箔(電極箔1)上に正極用の電極層が形成された正極シートを形成する。以上の工程が、電極材料を乾燥させる乾燥工程である。
本実施の形態によれば、回転ローラー9が、ダイコーター3よりローラー部材8に向かって突出し、かつローラー部材8に対して押し付けられるように支持されていることで、回転ローラー9を常にローラー部材8の塗工面8aに接触させて走行させることができる。
これにより、回転ローラー9が塗工面8aの凹凸や傾き、または変形等に追従することができる。さらに、回転ローラー9と係合するダイコーター3もローラー部材8の塗工面8aの凹凸や傾きに追従させることができる。したがって、ダイコーター3とローラー部材8の塗工面8aとの間に形成される隙間Lを、塗工面8aのいずれの位置においても同じ距離(一定)にすることができ、上記隙間Lの均一性を高めることができる。
その結果、塗工膜厚の均一性および精度を高めることができ、リチウムイオン電池の電極の品質を高めることができる。
なお、本実施の形態では、電極箔1を支える支え台がローラー部材8である。したがって、支え台がステージのように固定された塗工面を備えている場合と異なり、回転する塗工面8aであるため、ダイコーター3との隙間にバラツキが生じやすく、隙間量の精度出しが困難である。
このような状況であっても本実施の形態の上記電極製造装置では、回転するローラー部材8の塗工面8aに回転ローラー9を常に接触させることができるため、ダイコーター3をローラー部材8に対して追従させることができる。その結果、ダイコーター3とローラー部材8との間の隙間Lを均一に形成することができる。
言い換えると、電極箔1を支える支え台の塗工面8aの形状が常に一定で無くても、ダイコーター3は支え台の塗工面8aと一定の隙間(距離)を保つことができ、塗工面8aのどの箇所においても均一な厚さの塗工膜を形成することができる。
これにより、塗工面8aの高精度化を緩和することができ、ダイコーター3を決められた位置で固定する部品もしくはセンサ等の高価な部品も不要になるため、安価なリチウムイオン電池の製造装置と製造方法を実現することができる。
また、本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法は、電極材料の塗布において、電気制御によって塗工膜の膜厚を均一に形成するのではなく、電気制御無しでヘッドと支え台との隙間の制御を行って塗工膜の膜厚を均一に形成することができるものである。
したがって、センサ等を用いた隙間制御が不要になるため、電極箔1の高速搬送の塗工処理においても、ダイコーター3をリニアに支え台の塗工面8aに追従させることができる。
これにより、経済的負担を軽減しつつ電極の品質を高めることができるリチウムイオン電池の製造装置と製造方法を実現することができる。
次に、図2に示すセパレータ12の製造方法について説明する。
セパレータ12の製造方法は、正極シートおよび負極シートを形成する工程と実質的に同一の工程を有する。具体的には、基材(箔)上にペースト状のセパレータ材料を塗布した後、乾燥・固化させることで、セパレータを形成することができる。
具体的なセパレータ製造工程では、例えば、図1に示される製造装置と同様の製造装置に、集電用電極箔ロール4に替えて基材ロールをセットする。その後、電極層の形成工程と同様に、搬送機構によって搬送される基材の表面に、塗工部においてペースト状のセパレータ材料を塗布する。
次いで、セパレータ材料が塗布された基材を乾燥室6に搬入し、セパレータ材料を乾燥・固化させる。以上の工程により、基材上にセパレータ層が形成されたセパレータを製造することができる。
セパレータ層の形成材料であるセパレータ材料には、シリカ(酸化シリコン)、アルミナ(酸化アルミニウム)またはポリエチレン等と、上述したバインダーと、溶剤(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP))とを混ぜた混合ペーストを用いることができる。
上記のようにして製造されたセパレータ(セパレータ層)12は、例えば多孔性ポリプロピレン膜などからなり、完成したリチウムイオン電池内において、正極シートと負極シートとの間に介在し、隣り合う電極の両極活物質同士の接触を防止することができる。さらに、セパレータ層内の空孔内に電解液を保持し、電極間のイオン伝導の通路を形成することができる。
(第1変形例)
図7は実施の形態の電極製造装置における第1変形例の主要部の構造を示す正面図である。
本第1変形例は、ローラー部材8等の電極箔1を支える支え台(ステージでもよい)の塗工面8aが、水平方向に対して明らかに傾斜している場合である。
塗工面8aが水平方向に対して傾斜している場合であっても、回転ローラー9が支え台に押し付けられて常に塗工面8aに接触している状態を保つことができれば、ダイコーター3と塗工面8aの間に一定の距離の隙間を形成することができる。
そこで、本第1変形例においても、回転ローラー9が、第1プレート18と側部プレート26を介してバネ部材17によりローラー部材8の塗工面8aに押し付けられているため、回転ローラー9は常に支え台に接触している状態で走行可能になっている。
したがって、塗工面8aが水平方向に対して傾斜していても、ダイコーター3と塗工面8aの間に一定の距離の隙間を形成することができる。
すなわち、ダイコーター3とローラー部材8の塗工面8aとの間に形成される隙間の均一性を高めることができる。
これにより、本第1変形例においても、電極箔1上に形成される塗工膜厚の均一性を高めることができ、リチウムイオン電池の電極の品質を高めることができる。
(第2変形例)
図8は実施の形態の電極製造装置における第2変形例の主要部の構造を示す側面図である。
本第2変形例は、電極箔1を支える支え台が筒状のローラー部材8であり、その塗工面8aに直交する方向の断面形状が真円ではなく、歪な円(楕円等も含む)を形成する場合である。すなわち、支え台(ステージでもよい)の塗工面8aが、電極箔1の搬送方向Sに対して傾きや凹凸を有した面の場合である。
上記場合であっても、回転ローラー9が支え台に押し付けられて常に塗工面8aに接触している状態を保つことができれば、回転ローラー9が塗工面8aの形に応じて追従するため、ダイコーター3と塗工面8aの間に一定の距離の隙間を形成することができる。
そこで、本第2変形例においても、回転ローラー9が、第1プレート18と側部プレート26を介してバネ部材17によりローラー部材8の塗工面8aに押し付けられていることにより、回転ローラー9は常に支え台に接触している状態で走行可能になっている。
したがって、塗工面8aが、電極箔1の搬送方向Sに対して傾きや凹凸を有した面の場合であっても、ダイコーター3と塗工面8aの間に一定の距離の隙間を形成することができる。
すなわち、ダイコーター3とローラー部材8の塗工面8aとの間に形成される隙間の均一性を高めることができる。
これにより、本第2変形例においても、上記第1変形例と同様に、電極箔1上に形成される塗工膜厚の均一性を高めることができ、リチウムイオン電池の電極の品質を高めることができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態では、ヘッドと支え台の間に隙間を形成する隙間形成部が回転ローラー9の場合を説明したが、上記隙間形成部は、回転ローラー9に限らずブロック材(例えば、ブレードコーターのブレード等)等を用いてもよい。
上記隙間形成部として、ブレード等のブロック材を用いる場合、その表面にコーティングを施すことにより、支え台の塗工面8aとブロック材の摩擦を軽減してブロック材を滑り易くすることができる。
さらに、上記隙間形成部としてブロック材を用いる場合には、上記支え台としては、ステージを用いることになる。
すなわち、上記実施の形態では、電極箔1を支える支え台が筒状のローラー部材8の場合を説明したが、上記支え台は、上面に塗工面8aを備えたステージであってもよい。
1 電極箔
2 塗工部(塗布部)
3 ダイコーター(ヘッド)
4 集電用電極箔ロール
5 ローラー(搬送機構)
6 乾燥室(乾燥部)
7 電極箔ロール
8 ローラー部材(支え台)
8a 塗工面
9 回転ローラー(隙間形成部)
10 正極シート
11 負極シート
12 セパレータ
13 容器
14 正極リード
15 正極端子
16 負極端子
17 バネ部材(弾性部材)
18 第1プレート
18a 突起部
19 第2プレート
20 第3プレート
21 ベアリング
22 リニアガイド
23 天井プレート
24,25 ネジ
26 側部プレート
26a 長孔
27 L型プレート
28 リニアガイド
29 ヘッド側プレート
30 プレート支持部
31 架台
32 ベース側プレート

Claims (10)

  1. 正極用の電極層が形成された正極シートと、負極用の電極層が形成された負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体を備えるリチウムイオン電池の製造装置であって、
    電極箔を搬送する搬送機構と、
    水と相溶な溶剤および水に難溶なバインダーを含む電極材料を前記電極箔の上に塗布するヘッドと、前記ヘッドと所望の隙間を形成して配置され、かつ前記電極箔を支える支え台と、前記ヘッドと前記支え台との間に前記隙間を形成するように設けられた隙間形成部とを備える塗布部と、
    前記電極材料を乾燥させて前記電極層を形成する乾燥部と、
    を有し、
    前記隙間形成部は、前記ヘッドより前記支え台に向かって突出し、かつ前記支え台に対して押し付けられるように支持されている、リチウムイオン電池の製造装置。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記隙間形成部は、前記ヘッドの前記電極箔の搬送方向に交差する方向の両側に設けられた回転ローラーである、リチウムイオン電池の製造装置。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記回転ローラーは、弾性部材によって前記支え台に対して押し付けられている、リチウムイオン電池の製造装置。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記支え台は、前記電極箔の搬送方向に沿って回転自在に設けられたローラー部材である、リチウムイオン電池の製造装置。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記回転ローラーの直径は、前記ローラー部材の直径より小さい、リチウムイオン電池の製造装置。
  6. 正極用の電極層が形成された正極シートと、負極用の電極層が形成された負極シートとがセパレータ層を介して交互に積層された積層体を備えるリチウムイオン電池の製造方法であって、
    水と相溶な溶剤および水に難溶なバインダーを含む電極材料を、支え台によって支えられた電極箔の上にヘッドから塗布する塗布工程と、
    前記電極材料を乾燥させて前記電極層を形成する乾燥工程と、
    を有し、
    前記塗布工程において、前記ヘッドより前記支え台に向かって突出し、かつ前記支え台に対して押し付けられるように支持された隙間形成部により、前記ヘッドと前記支え台との間に所望の隙間を形成した状態で前記電極箔に前記電極材料を塗布する、リチウムイオン電池の製造方法。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記隙間形成部は、前記ヘッドの前記電極箔の搬送方向に交差する方向の両側に設けられた回転ローラーであり、前記回転ローラーによって前記ヘッドと前記支え台との間に所望の前記隙間を形成する、リチウムイオン電池の製造方法。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    弾性部材によって前記支え台に対して前記回転ローラーを押し付ける、リチウムイオン電池の製造方法。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記支え台は、前記電極箔の搬送方向に沿って回転自在に設けられたローラー部材であり、前記ローラー部材によって前記電極箔を支える、リチウムイオン電池の製造方法。
  10. 請求項9に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記ローラー部材の直径より小さい直径の前記回転ローラーを、前記ローラー部材に対して押し付ける、リチウムイオン電池の製造方法。
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