JP2015146272A - 非水電解液二次電池用の負極の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用の負極の製造方法 Download PDF

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Toshihiko Mihashi
利彦 三橋
章浩 落合
Akihiro Ochiai
章浩 落合
藤田 秀明
Hideaki Fujita
秀明 藤田
井上 薫
Kaoru Inoue
薫 井上
橋本 達也
Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
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Abstract

【課題】負極活物質層の剥離や崩落が生じ難い(高耐久な)負極を製造すること。【解決手段】ここで開示される負極の製造方法は、(1)比表面積S1が3〜20m2/gの負極活物質を含む下層形成用スラリー12と、比表面積S2が2〜6m2/gの負極活物質を含む上層形成用スラリー14とを調製すること、ここで、上記S1および上記S2は上記S1に対する上記S2の比(S2/S1)が0.1〜0.9を満たすよう決定する;(2)下層形成用スラリー12を負極集電体1上に塗工し、上記塗工したスラリーの上に重ねて上層形成用スラリー14を塗工して、100〜150℃で同時に乾燥することにより、下層と上層からなる負極活物質層を形成すること、ここで、上記スラリーの塗工は上記負極活物質層の全体厚みTAに対する下層の厚みT2の比(T2/TA)が0.02〜0.3となるように行う;を包含する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液を備える二次電池(非水電解液二次電池)に関する。詳しくは、該電池用の負極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、車両搭載用の高出力電源やいわゆるポータブル電源等として好ましく利用されている。
この種の電池の負極は、典型的には負極集電体上に負極活物質層を備える。このような負極は、例えば負極活物質をバインダ(結着剤)等とともに適当な溶媒中で混練してなるスラリー(ペーストやインクを包含する。以下同様。)を負極集電体の表面に塗工し、乾燥することによって作製し得る。これに関連する先行技術文献として、特許文献1、2が挙げられる。例えば特許文献2には、バインダの濃度が異なる2種類のスラリーを調製し、負極集電体上にバインダ濃度の高いほうのスラリーから順に2段階で塗工することで、負極集電体と負極活物質層の密着性が増し、良好なサイクル特性を実現できる旨が記載されている。
特開2007−273183号公報 特開平10−270013号公報
ところで近年、負極の製造工程では生産性の向上が求められている。かかる生産性向上は、例えばスラリーの乾燥温度を現行(典型的には50〜80℃)より高めに設定して(例えば100℃以上に引き上げて)、乾燥工程を短縮することによって実現し得る。しかしながら、乾燥温度を高くしてスラリーを急激に乾燥させると、負極活物質よりも粒子径が小さくかつ比重の軽いバインダは、溶媒の蒸発に伴って負極活物質層の表面近傍に移動し、かかる部位に偏在(マイグレーション)するという問題がある。
図5(b)は、上記特許文献2に開示される製造方法に倣い、バインダ濃度の異なる2種類のスラリーを負極集電体上に塗工した後、100℃で乾燥することにより形成した負極活物質層の断面を、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線マイクロアナライザ)で分析した画像である。ここでは、バインダ(スチレンブタジエンゴム)の構造の一部が臭素で染色され、色濃く表示されている。このように、負極活物質層6bの表層にバインダが偏在する(片寄っている)場合、負極集電体1bの近傍ではバインダが不足して、負極集電体1bと負極活物質層6bとの密着性(接合強度)が低下することがある。また、例えば充放電を繰り返すことで負極集電体1bと負極活物質層6bとの間で剥離が生じて、容量維持性(サイクル特性)が低下することがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乾燥を100℃以上の高温で行う場合であっても、負極活物質層の剥離や崩落が生じ難い(高耐久な)負極の製造方法を提供することにある。関連する他の目的は、かかる負極を用いてなる非水電解液二次電池を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者らは様々な角度から鋭意検討を重ねた。その結果、これを解決し得る手段を見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明により、非水電解液二次電池用の負極の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程(1),(2)を包含する。
(1)BET法に基づく比表面積S1が3〜20m/gの高BET負極活物質とバインダとを溶媒中で混練してなる下層形成用スラリー、および、BET法に基づく比表面積S2が2〜6m/gの低BET負極活物質とバインダとを溶媒中で混練してなる上層形成用スラリー、を調製すること。ここで、上記S1および上記S2は、上記S1に対する上記S2の比(S2/S1)が0.1〜0.9を満たすよう決定する。
(2)上記下層形成用スラリーを負極集電体上に塗工し、該下層形成用スラリーの上に上記上層形成用スラリーを塗工して、上記下層形成用スラリーおよび上記上層形成用スラリーを100〜150℃で同時に乾燥することにより、下層と上層からなる負極活物質層を形成すること。ここで、上記下層形成用スラリーと上記上層形成用スラリーの塗工は、上記負極活物質層の全体厚みTAに対する上記下層の厚みT2の比(T2/TA)が0.02〜0.3となるよう行う。
バインダの吸着性が高い高BET負極活物質を含んだ下層形成用スラリーを塗工し、該下層形成用スラリーが乾燥する前に上層形成用スラリーを重ねて塗工し、同時に乾燥させることで、上層側に含まれるバインダを下層側ヘと好適に移動させることができる。これにより、負極活物質層の表面にバインダが偏在することを防止して、負極集電体の近傍に保持することができる。したがって、負極活物質層内にバインダが均質に含まれ、負極活物質層の剥離や崩落が生じ難い(剥離強度の高い)負極を作製することができる。その結果、該負極を用いた電池では、高い耐久性(例えばサイクル特性)を実現することができる。さらに、かかる製造方法では、100℃以上の高温乾燥を採用できるため、従来に比べて乾燥時間を低減(例えば半減)することができ、生産性を向上することができる。
なお、本明細書において「比表面積」とは、吸着質として窒素(N)ガスを用いたガス吸着法(定容量式吸着法)によって測定されたガス吸着量を、BET法(例えば、BET1点法)で解析した値(m/g)をいう。
一実施形態に係るスラリーの塗工方法を示す模式図である。 一実施形態に係る負極の断面構造を模式的に示す図である。 負極活物質のBET比表面積の比(S2/S1)とサイクル特性との関係を示すグラフである。 下層厚みT2の割合(T2/TA)と、サイクル特性との関係を示すグラフである。 負極の断面のEPMAに基づくマッピング画像であり、(a)は実施例に係るバインダ濃度の分布を表す画像であり、(b)は特許文献2(比較例)に係るバインダ濃度の分布を表す画像である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される非水電解液二次電池用負極の製造方法は、以下の2つの工程:(1)スラリーの調製;(2)負極活物質層の形成;を包含する。また、(2)は、(2−1)スラリーの塗工と(2−2)乾燥の2つの工程に大別される。以下、各工程を順に説明する。
(1)スラリーの調製では、先ず、BET比表面積の異なる2種類の負極活物質を準備する。2種類の負極活物質のうち、相対的に比表面積が大きい高BET負極活物質は、BET比表面積S1が3〜20m/g(例えば5〜10m/g)である。また、相対的に比表面積が小さい低BET負極活物質は、BET比表面積S2が2〜6m/g(例えば2〜4m/g)である。一般に比表面積が大きい材料ほどバインダを吸着し易い性質を有するため、ここで開示される製造方法はかかる性質を利用して負極活物質層中のバインダ濃度の分布を制御する。なお、上記S1および上記S2は、上記S1に対する上記S2の比(S2/S1)が0.1〜0.9(好ましくは0.1〜0.6)を満たすよう決定される。上記比(S2/S1)の下限値は、負極活物質の生産容易性(量産性)や取扱性を考慮して0.1以上としている。また、本発明者の検討によれば、上記比(S2/S1)が0.9よりも大きい場合、バインダが高BET負極活物質に吸着されすぎて、負極活物質層自体の形状維持性が低下することがある。このため、上記比(S2/S1)の上限値を0.9以下としている。
負極活物質の材料としては、上記BET比表面積を満たすものであれば、特に限定されない。例えば、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を好適に用いることができ、なかでも黒鉛(例えば天然黒鉛)を好ましく採用し得る。また、2種類の負極活物質は同種の材料であってもよく、異種の材料であってもよい。
次に、準備した2種類の負極活物質を用いて、負極活物質の異なる2種類の負極活物質層形成用スラリー(すなわち、下層形成用スラリーと上層形成用スラリー)を調製する。
スラリーの調製は、それぞれの負極活物質をバインダとともに溶媒中で混練することによって行う。バインダとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を好ましく用いることができる。なお、上層形成用スラリーに含ませるバインダと下層形成用スラリーに含ませるバインダは、同種の材料であってもよいし、異種の材料であってもよい。好適な一態様では、2種類のスラリーで同種のバインダを用いる。これにより、後述の乾燥工程において、上層側に含まれるバインダをより好適に下層側ヘと移動させることができる。溶媒としては、水系溶媒(例えばイオン交換水)あるいは有機溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP))のいずれも使用可能である。なかでも、環境負荷の軽減や廃棄物の減量等の観点から水系溶媒を好ましく用いることができる。なお、上層形成用スラリーに含ませる溶媒と下層形成用スラリーに含ませる溶媒とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。好適な他の一態様では、2種類のスラリーで同じ溶媒を用いる。これにより、後述の乾燥工程において平均的に乾燥を行うことができる。
混練には、例えば、ボールミル、ロールミル、ニーダ等の従来公知の種々の攪拌・混合装置を適宜用いることができる。混練時間は、負極活物質とバインダとが溶媒中に均等に分散するまでの時間とすればよい。装置構成や混練条件によっても異なり得るが、混練時間は通常10分〜3時間(例えば10分〜30分)とするとよい。また、スラリーの固形分濃度は、通常50〜75質量%(例えば55〜65質量%)に調製するとよい。
スラリーの固形分全体に占める負極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90〜99.5質量%(例えば95〜99質量%)とすることが好ましい。また、スラリーの固形分全体に占めるバインダの割合は、凡そ0.1〜10質量%とすることが適当であり、通常は1〜5質量%(例えば1〜3質量%)とすることが好ましい。なお、上層形成用スラリー中の固形分比率と下層形成用スラリー中の固形分比率とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、ここで調製するスラリーには、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上記以外の成分を含ませることもできる。そのような任意の成分としては、分散剤、増粘剤、導電材等が例示される。分散剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等のセルロース系材料を好ましく採用し得る。
(2)負極活物質層の形成では、上記調製した下層形成用スラリーおよび上層形成用スラリーを負極集電体上に重ねて塗工して、同時に乾燥することで、下層と上層からなる2層構造の負極活物質層を形成する。
(2−1)先ず、スラリーの塗工では、高BET負極活物質を含む下層形成用スラリーを負極集電体の表面に塗工する。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好ましく採用し得る。そして、上記塗工した下層形成用スラリーが乾燥する前に(上記溶媒の少なくとも一部が残っている状態で)、該下層形成用スラリーの上に低BET負極活物質を含む上層形成用スラリーを重ねて塗工する。
塗工には、例えば、ダイコーター、スリットコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の従来公知の塗工装置を用いることができる。なかでも図1に示すような塗工方法、すなわち2つのダイヘットを備えるダイコーターを用いた同時2層塗工法を好適に採用することができる。この方法を用いれば、塗工をより簡易なプロセスで実施することができる。図1では、矢印で示す塗工方向に対して、2つのダイヘットが並んで設けられている。一方のダイヘットは下層形成用スラリー12の入ったタンク(図示せず)に、もう一方のダイヘットは上層形成用スラリー14の入ったタンク(図示せず)につながっている。そして、2つのダイヘットまたは負極集電体1を、塗工方向に対して水平に定速移動させることにより、2種類のスラリーを連続的に塗工することができる。かかる塗工方法によれば、下層形成用スラリー12が乾燥する前に(ほぼ同時に)上層形成用スラリー14を安定的に塗工することができる。
スラリーの塗工量(単位面積当たりの塗工量)は、乾燥後の負極活物質層の全体厚みTAに対する乾燥後の下層の厚みT2の比(T2/TA)が0.02〜0.3となるように、適宜調整すればよい。上記比(T2/TA)の下限値は、負極活物質層の形成容易性を考慮して、0.02以上としている。また、本発明者の検討によれば、上記比(T2/TA)の値が0.3よりも大きい場合、下層中でバインダの偏在が生じて集電体近傍のバインダが不足し、密着性不良を生じることがある。このため、上記比の上限値を0.3としている。
(2−2)次に、乾燥では、上記塗工した下層形成用スラリーおよび上層形成用スラリーを、100〜150℃(典型的には100〜140℃、例えば120〜140℃)の高温で同時に短時間のうちに乾燥させ、上記スラリーに含まれる溶媒を揮発させる。高温で同時に乾燥させることにより、負極活物質層全体に対流を生じさせ、上層側に含まれるバインダを下層側ヘと好適に移動させることができる。なお、微視的には塗工の時点で界面近傍の上層に含まれるバインダも下層へ移動するが、高温で強乾燥すると再度上層への移動が生じ、移動量はほぼ均衡状態となる。その結果、負極活物質層の剥離や崩落が生じ難い負極が得られる。また、従来に比べて乾燥温度を高めに設定することで、沸点の比較的高い溶媒(例えば水)を使用した場合であっても乾燥を短時間で完了させることができ、生産効率を高めることもできる。乾燥手段としては、加熱制御機能を備えるものであればよく、例えば熱風乾燥装置や真空乾燥装置等を用いることができる。
なお、スラリーの乾燥後には、必要に応じて適当なプレス処理(例えばロールプレス処理)を施すことによって、負極活物質層(上層および/または下層)の厚みや密度を調整することもできる。
このような方法によって、図2に模式的に示すような負極10を作製することができる。図2に示す負極10は、負極集電体1上に、高BET負極活物質2aを含む下層2と、低BET負極活物質4aを含む上層4とが、この順に積層されてなる2層構造の負極活物質層6を備えている。図2に模式的に示すように、例えば上層と下層とで同種の負極活物質を用いる場合は、典型的には高BET負極活物質2aの平均粒子径に比べて低BET負極活物質4aの平均粒子径の方が大きくなる。また、負極活物質層の全体厚みTAに対する下層2の厚みT2の比(T2/TA)は、0.02〜0.3である。
また、ここで開示される技術によれば、上記作製された負極と、正極と、非水電解液とを電池ケース内に収容してなる非水電解液二次電池が提供される。電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材料からなるものが好適に用いられる。
正極は、典型的には、正極集電体と該正極集電体上に形成された正極活物質層とを備える。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材が好適に用いられる。正極活物質層は少なくとも正極活物質を含み、必要に応じて他の任意成分を含み得る。正極活物質としては、層状系、スピネル系のリチウム遷移金属複合酸化物材料(例えば、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等)やオリビン系材料(例えばLiFePO)が好適に用いられる。正極活物質層に含まれ得る任意成分としては、バインダや導電材が挙げられる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)が好適に用いられる。また、導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料が好適に用いられる。
非水電解液は、典型的には非水溶媒と支持塩とを含有する。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適に用いられる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好ましい。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を好適に用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩が好ましい。
ここで開示される非水電解液二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、負極の耐久性(例えば負極活物質層の剥離強度)が従来品に比べて向上していることを特徴とする。例えば、充放電を繰り返しても容量低下の少ないものであり得る。したがって、かかる特徴を活かして、例えば車両の動力源(駆動電源)として好適に用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<負極の作製>
実施例1では、先ず、負極活物質としての天然黒鉛(BET比表面積:5m/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、98:1:1の質量比率で秤量し、イオン交換水と混合して、下層形成用スラリーを調製した。また、負極活物質としての天然黒鉛(BET比表面積:4m/g)を用いたこと以外は上記と同様に、上層形成用スラリーを調製した。次に、図1に示す塗工方法によって、長尺状の銅箔(負極集電体、厚み:10μm)の表面に下層形成用スラリーを塗工して、該塗工した下層形成用スラリーが乾燥する前に重ねて上層形成用スラリーを塗工して100℃で乾燥することにより、2層構造の負極活物質層を形成した。負極集電体のもう一方の表面にも同様に負極活物質層を形成した。これをロール圧延した後、所定の大きさにスリット加工することで、負極集電体(幅:80.9mm)の両面に2層構造の負極活物質層(幅:60.9mm、下層の厚み:10μm、上層の厚み:40μm)をそれぞれ備えたシート状の負極(実施例1)を作製した。
実施例2〜5および比較例2,3では、スラリーの調製時に負極活物質として表1に示すBET比表面積の天然黒鉛を用いたこと以外は上記実施例1と同様に、シート状の負極(実施例2〜5および比較例2,3)を作製した。
実施例6〜8および比較例4,5では、スラリーの目付量を調整することで表1に示す厚みの下層と上層を形成したこと以外は上記実施例1と同様に、シート状の負極(実施例6〜8および比較例4,5)を作製した。
比較例1では、実施例1の下層形成用スラリーのみを負極集電体の表面に塗工して、単層構造の負極活物質層(厚み:50μm)を形成したこと以外は上記実施例1と同様に、シート状の負極(比較例1)を作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
次に、正極活物質としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、91:6:3の質量比率で秤量し、N−メチルピロリドン(NMP)と混合して、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔(正極集電体、厚み:20μm)の表面に30mg/cmの目付け量で塗工し、乾燥することにより、正極活物質層を作製した。これをロール圧延した後、所定の大きさにスリット加工することで、正極集電体(幅:77.0mm)の両面に正極活物質層(幅:57.0mm)を備えたシート状の正極を得た。
次に、上記作製した正極と負極を、セパレータシート(ここでは、ポリエチレン製の幅63.0mmのものを用いた。)を介して重ね合わせて捲回し、捲回電極体を作製した。この電極体をアルミニウム製の角型の電池ケース(縦:75mm、幅:120mm、厚さ:15mm、ケース厚さ:1mm)に収容し、非水電解液を注液した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:5:2の体積比率で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。上記電池ケースの開口部を封止して、角形のリチウムイオン二次電池(理論容量:4.5Ah)を構築した。
Figure 2015146272
<初期容量の確認>
25℃の環境下において、構築した電池を1C(4.5A)の定電流で4.2VまでCC充電した後、5分休止し、次いで1C(4.5A)の定電流で2.5Vまで放電した後、5分休止した。そして、1Cの定電流で4.2VまでCC充電した後、電流値が0.01C(0.045A)となるまでCV充電し、次いで1Cの定電流で3.0VまでCC放電した後、電流値が0.01C(0.045A)となるまでCV放電した。このときのCCCV放電容量を、初期容量とした。
<サイクル特性>
25℃の環境下において、上記初期容量確認後の電池をSOC0%の状態まで放電した。そして、CCCV充電(4.2V、レート1C、0.01Cカット)後に10分間休止し、次いでCCCV放電(3.0V、レート1C,0.01Cカット)後に10分間休止する操作を1サイクルとして、これを1000サイクル繰り返した。サイクル試験後、上記と同様に電池容量を測定した。そして、以下の式:容量維持率(%)=(1000サイクル後の電池容量/初期容量)×100;を算出した。結果を表1に示す。また、実施例1〜5および比較例1〜3に係る比表面積の比(S2/S1)とサイクル特性との関係を、図3に示す。また、実施例1,6〜8および比較例4,5に係る下層厚みT2の割合(T2/TA)とサイクル特性との関係を、図4に示す。
図3に示すように、比表面積の比(S2/S1)を0.1〜0.9とした実施例1〜5では、相対的にサイクル特性が高かった。この理由として、下層にバインダが多く吸着することで、負極集電体との密着性が向上したことが考えられる。なかでも、比表面積の比(S2/S1)を0.1〜0.6とした場合に、一層高いサイクル特性を実現することができた。一方、比較例1〜3では相対的にサイクル特性が低かった。この理由として、比較例1,2では、バインタの吸着効果が発生しなかったために高温乾燥する工程で負極活物質層の表層にバインダが偏在したことが考えられる。また、比較例3では、上層側に高BET材料が含まれるために、さらに負極活物質層の表層にバインダが偏在しやすくなり、剥離が促進されたことが考えられる。
図4に示すように、下層厚みT2の割合(T2/TA)を0.02〜0.3とした実施例1および6〜8では、相対的にサイクル特性が高かった。この理由として、下層の集電体付近にバインダが好適に保持されたことが考えられる。一方、比較例4、5では相対的にサイクル特性が低かった。この理由として、下層の厚みが厚すぎる場合に下層中でバインダの偏在が発生して、集電体付近にバインダが保持されなかったことが考えられる。
<負極活物質層断面のEPMA観察>
負極活物質層内のバインダ濃度の分布を確認するため、EPMAを用いて実施例1の負極活物質層断面を観察した。具体的には、負極を包埋研磨して負極活物質層の断面出しを行った後、バインダ(SBR)を臭素で染色し、EPMAで観察および解析を行った。結果を、図5(a)に示す。図5(a)に示すように、ここで開示される技術によれば負極活物質層6内のバインダ濃度の分布を均質なものとし得、負極集電体1付近にバインダを好適に保持することができるとわかった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1、1b 負極集電体
2 下層
2a 高BET負極活物質
4 上層
4a 低BET負極活物質
6、6b 負極活物質層
10 負極
12 下層形成用スラリー
14 上層形成用スラリー

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池用の負極を製造する方法であって、
    BET法に基づく比表面積S1が3〜20m/gの高BET負極活物質とバインダとを溶媒中で混練してなる下層形成用スラリー、および、BET法に基づく比表面積S2が2〜6m/gの低BET負極活物質とバインダとを溶媒中で混練してなる上層形成用スラリー、を調製すること、ここで、前記S1および前記S2は、前記S1に対する前記S2の比(S2/S1)が0.1〜0.9を満たすよう決定する;および、
    負極集電体上に前記下層形成用スラリーを塗工し、該下層形成用スラリーの上に前記上層形成用スラリーを塗工して、前記下層形成用スラリーおよび前記下層形成用スラリーを100〜150℃で同時に乾燥することにより、下層と上層からなる負極活物質層を形成すること、ここで、前記下層形成用スラリーと前記上層形成用スラリーの塗工は、前記負極活物質層の全体厚みTAに対する前記下層の厚みT2の比(T2/TA)が0.02〜0.3となるよう行う;
    を包含する、負極の製造方法。
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