JP2009185380A - 線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線状加熱による曲げ加工作業効率向上のために、加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件で、曲げ変形量が大きい厚鋼板及びその製造方法の提供。
【解決手段】厚鋼板は、質量%で、C:0.01〜0.08%、P:≦0.05%、S:≦0.05%、Al:0.002〜0.1%、N:0.001〜0.008%を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織が無加工のフェライト相が面積率で90%以上、そのフェライト相の平均結晶粒径が15〜45μmであり、またフェライト粒内に円相当径0.5μm以下のセメンタイト粒子が個数密度で100000個/mm以上存在しており、さらに室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、造船、建築、橋梁、海洋構造物などの溶接鋼構造物分野のうち、特に造船分野で多く用いられる鋼板の線状加熱による変形・成形作業、すなわちガスバーナーにより鋼板の表面または裏面を線状加熱し、引き続き該加熱部を水冷して鋼板を曲げ変形させる鋼板の熱加工作業において、変形量が大きく、作業効率を向上させることが可能な厚鋼板及びその製造方法に関する。
造船分野における船殻などの船舶構造体は、航海中の水流抵抗を少なくするために外面が連続した滑らかな曲率面とする必要があり、主に厚さ10〜30mmの厚鋼板を予め所定形状に曲げ加工した後、鋼板の端面同士を溶接して連続した滑らかな曲率面を有する溶接構造体としている。
このような鋼板の曲げ加工は、船舶構造体の部位によって複雑かつ微妙な曲率に加工する必要があるため、単純かつ画一的なプレス加工だけでは対処できない。したがって、通常はプレス粗加工を行った後、線状加熱による曲げ加工、すなわちガスバーナーなどを用いて鋼板を線状に局所加熱し、加熱直後に水冷を行う方法を用いている。
この線状加熱による曲げ加工によって所定形状にするためには、一般的に長時間を要することから、造船工程のボトルネックの一つであり、コスト増加の要因になっている。このため、作業効率向上に寄与するような鋼板が望まれている。
線状加熱による鋼板の熱変形は、加熱部が熱膨張後、冷却により収縮する際に、その周囲の非加熱領域からの拘束により鋼板の加熱部が降伏し、塑性変形する現象であるため、鋼板の降伏強度が関係する。そのため降伏強度を制御して線状加熱による変形量を高めることを狙った鋼板が種々提案されている。これらの技術は、高温での降伏強度を高くした鋼板に関する技術、高温での降伏強度を低くした鋼板に関する技術、室温での降伏強度を低くした鋼板に関する技術に大別される。
高温での降伏強度を高くした鋼板に関する技術は、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載された技術は、Nb、Moなどを複合添加し、適切な熱間圧延条件を行うことにより、線状加熱作業の熱履歴中にNb、Mo含有炭窒化物を析出させることによって、高温での降伏強度を高くした鋼板に関するものである。
高温での降伏強度を低くした鋼板に関する技術は、特許文献2に記載された技術がある。特許文献2に記載された技術は、ミクロ組織中に加工あるいは変態歪により転位が導入されたフェライト相を20〜95%含有し、500℃での降伏応力を室温での降伏応力の0.75倍以下、600℃での降伏応力を室温の降伏応力の0.5倍以下とした、高温での降伏強度を低くした鋼板に関するものである。なお、転位が導入されたフェライト相とするために、鋼板製造プロセスとして、二相域圧延または二相域からの加速冷却が必要である。
室温での降伏強度を低くした鋼板に関する技術は、特許文献3に記載された技術がある。特許文献3に記載された技術は、フェライト分率が20%以上の鋼板を、時効が生じない温度において圧下率0.1%以上0.5%以下で圧下矯正させることによって、室温の降伏強度を低くした鋼板に関するものである。
特開平7−138715号公報 特開2007−56348号公報 特開2006−205181号公報
一般に鋼板の線状加熱による曲げ加工において、線状加熱部の最高到達温度が高くなるほど変形量が大きくなる傾向にある。これは、線状加熱部の最高到達温度が高くなることにより、熱膨張および収縮する領域が広くなるからである。しかし、線状加熱部の最高到達温度を高くするためには、加熱時間を長くするつまり加熱速度を遅くしなければならず、線状加熱部の最高到達温度が高い条件では、曲げ加工を行う際の作業効率は低下することとなる。したがって、加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、つまり線状加熱部の最高到達温度が低い条件で、曲げ変形量が大きい鋼板が必要である。このような条件では、特許文献2または特許文献3に記載のように鋼板の降伏強度を低くすることが線状加熱による曲げ変形量を大きくすることに有利となってくる。これは、低温加熱の場合、降伏応力が低い鋼板の方が、加熱部が熱膨張した際、非加熱部からの拘束により容易に降伏することにより逆変形量が小さくなることに起因している。その後の冷却の熱収縮による変形量は降伏強度にほとんど依存しないため、逆変形量が小さい降伏強度が低い鋼板の方が、最終的な変形量は大きくなる。逆に、降伏応力が高い鋼板では、加熱部が降伏し難く、変形に要する応力が高まるため、熱膨張による逆変形量が大きくなることによって、最終的な変形量は小さくなってしまう。
したがって、特許文献1に記載された技術は、鋼板の高温での降伏強度を高くする技術であるので、線状加熱部の最高到達温度が低い条件で、曲げ変形量が大きい鋼板としては不適である。
また、特許文献2に記載された技術は、500℃、600℃での降伏強度を低くするには有益な技術であるが、転位が導入されたフェライト相を活用していることから、500℃より低温側かつ加熱時間が短くなるような線状加熱条件では転位の回復は起こり難く、転位強化が残存するため、高温での降伏強度を十分に低くする技術とは言えない。さらに、転位が導入されたフェライト相では、転位が導入されていないフェライト相との界面が脆性破壊の起点となり易く、靭性が低下する要因となる。それに加え、二相域圧延によって転位が導入されたフェライト相とした場合、集合組織の発達によってセパレーションが発生し易くなるため、シャルピー破面遷移温度は低下することができてもシャルピー平均吸収エネルギーを上昇させることは困難である。また、鋼板の異方性も大きくなることにより、曲げ変形量にも異方性が出てしまい、線状加熱により滑らかな曲率面となるよう加工することが困難となる。
また、特許文献3に記載された技術は、圧下矯正により導入された可動転位によって、室温での降伏応力を低下することができるが、低温域に加熱されると固溶炭素の転位への固着や転位上への炭化物の析出などによる、いわゆる時効硬化によって、低温の降伏強度を十分に低くする技術とは言えない。
本発明は、上記のような事情を考慮してなされたものであり、その課題は、線状加熱による曲げ加工作業効率向上のために、加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、つまり線状加熱部の最高到達温度が低い条件において、曲げ変形量が大きい主に厚さ10〜30mmの厚鋼板とするために、低温での降伏強度を低くした厚鋼板及びその製造方法、さらに造船用鋼としての降伏強度、靭性を十分に兼ね備えた線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、その手段とするところは、以下のとおりである。
(1)質量%で、
C :0.01〜0.08%、
P :≦0.05%、
S :≦0.05%、
Al:0.002〜0.1%、
N :0.001〜0.008%
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織が無加工のフェライト相が面積率で90%以上、そのフェライト相の平均結晶粒径が15〜45μmであり、またフェライト粒内に円相当径0.5μm以下のセメンタイト粒子が個数密度で100000個/mm以上存在しており、さらに室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上であることを特徴とした線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
(2)さらに、質量%で、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:0.05〜0.5%、
Cu:0.05〜0.5%、
Ni:0.05〜0.3%、
Cr:0.05〜0.3%、
Mo:0.005〜0.1%、
Nb:0.005〜0.01%、
V :0.005〜0.02%、
Ti:0.005〜0.02%、
B :0.0005〜0.003%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有し、かつ、Ceqが0.20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
但し、Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%)
(3)さらに、質量%で、
Ca:0.0003〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.005%、
REM:0.0003〜0.005%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化学成分を有する鋼片を、1000〜1300℃に加熱し、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域で累積圧下率30%以上の圧延を行って製品板厚とした後、750℃以上から板厚平均で5〜50℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで加速冷却を行うことを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
(5)前記加速冷却を終了した後、300℃以上400℃未満で焼戻しすることを特徴とする前記(4)に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
なお、本発明における無加工のフェライト相とは、Ar3変態点以下の二相域圧延による圧延加工を施されていないフェライト相を指す。
また、室温とは、JIS Z 2241の「金属材料引張試験方法」に定められている試験温度範囲である10〜35℃の温度範囲とする。
本発明によれば、主として造船用鋼板としての降伏強度、靭性を十分に兼ね備えた、かつ線状加熱時の加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、つまり最高到達温度が低い条件において、曲げ変形量を大きくすることができるので、線状加熱による曲げ加工作業効率を飛躍的に向上させることができ、造船の工期短縮、コスト低減、またエネルギー消費低減に伴う環境負荷低減などによってもたらされる産業上の貢献は極めて大きい。
以下、本発明の実施形態について説明する。
一般に船舶用溶接構造体の製造に用いられる厚鋼板(以下単に鋼板と称することがある)の線状加熱による曲げ加工は、前記の様に、ガスバーナーなどの加熱源を用いて鋼板の表面または裏面上の所定領域を線状に局部加熱し、該加熱領域が熱膨張後、冷却により収縮する際に、その周囲の非加熱領域からの拘束により鋼板は塑性変形することによって、目的とする加工形状に鋼板を加工することができる。
このように線状加熱による曲げ加工は、鋼板の塑性変形を利用することから、鋼板の降伏強度が変形量に大きな影響を及ぼす。特に線状加熱による曲げ加工作業の効率化のために、線状加熱時の加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、具体的には最高到達温度が400〜600℃と低温の条件においては、曲げ変形量は400℃での降伏強度と良好な相関関係があり、400℃での降伏強度が低くなるとともに、曲げ変形量が増大することを知見した。
この線状加熱時の最高到達温度を400〜600℃とした理由は、400℃未満では熱膨張、収縮量が少なく曲げ変形量が不足するので、所定の形状にするまでの線状加熱の回数が増加することにより加工時間を要するため、加熱速度が速くてもかえって作業効率は低下してしまうからである。また600℃超では逆に加熱速度が遅くなることが、加工時間の増加につながり作業効率が低下してしまうことからである。
次に鋼板の室温及び400℃での降伏強度、並びに、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーを限定した理由を説明する。
室温での降伏強度の下限を235MPaとした理由は、座屈、塑性変形、疲労破壊などを防止するために最低限必要な造船構造用鋼としての降伏強度が235MPaであるからである。しかし、355MPa超では、次に述べる400℃での降伏強度を低下させることが容易ではないため、上限は355MPaとするのが好ましい。
線状加熱作業を効率的に行うためには、前記の様に、最高到達温度が400〜600℃と低温の条件で行うことが必要となってくる。このような条件下で曲げ変形量を大きくするためには、400℃での降伏強度を180MPa以下にする必要があり、これを上限とした。また、400℃での降伏強度は低いほど、曲げ変形量は増大するが、80MPa未満では、室温の降伏強度を確保することが容易ではないため、下限は80MPaとするのが好ましい。
また、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上とした理由は、100J未満では脆性破壊の危険性が高まることから、これを阻止して安全性を高めた厚鋼板とするために100Jを下限とした。
以下に本発明におけるミクロ組織の限定理由を述べる。
ミクロ組織を無加工のフェライト相とした理由は、鋼板の組織の中で最も軟らかいことを利用して前記400℃での降伏強度を低下させるためである。また、二相域圧延などによってフェライト相を加工し、転位を導入すれば、400℃での転位回復は起こり難いため、転位強化が残存し、400℃での降伏強度を180MPa以下、好ましくは160MPa以下にすることが困難であることから、無加工のフェライト相とした。さらに加工したフェライト相は鋼板の異方性やシャルピー平均吸収エネルギー低下の原因になり、それを避けるためにも無加工のフェライト相とした。
また、フェライト相の面積率を90%以上としたのは、90%未満となるとフェライト相以外のパーライト、ベイナイト、マルテンサイトなどの硬い低温変態組織が10%を超え、400℃での降伏強度を180MPa以下にすることが困難となるからである。フェライト相の面積率は93〜97%とすることが好ましい。
さらに、フェライト相の平均結晶粒径を15〜45μmとした理由は、15μm未満では細粒強化により400℃での降伏強度を180MPa以下にすることが困難であり、45μm超では靭性が劣化しシャルピー平均吸収エネルギーを100J以上にすることが困難であるからである。なお、15μm未満の細粒になると、Cは容易に粒界まで拡散することができるので、下記で説明するようなフェライト粒内にセメンタイト粒子を析出させることが困難となることも15μmを下限にした理由の一つである。好ましくはフェライト相の平均結晶粒径を20〜40μmである。
次に、フェライト粒内に円相当径0.5μm以下のセメンタイト粒子が個数密度で100000個/mm以上存在していることが、本発明において重要な要件の一つであり、この理由を以下に説明する。
本発明では、400℃での降伏強度を180MPa以下、好ましくは160MPa以下とするために、フェライト相以外のパーライト、ベイナイト、マルテンサイトなどの硬い低温変態組織での強化、またはC以外の合金元素の添加を極力低減しているので合金元素による固溶強化や析出強化を用いることはできない。そのため、室温での降伏強度を235MPa以上にすることが極めて困難となってくる。そこで、多数ある鋼の析出物の中でも熱的に不安定な析出物であるセメンタイト粒子を室温での降伏強度の増加に利用した。セメンタイトは室温では比較的安定で強化に寄与するが、400℃以上では短時間でも容易に凝集、粗大化することによって、強化にはほとんど寄与しなくなる。つまり、セメンタイト粒子を適切に制御すれば、室温での降伏強度は、細粒強化と粒子分散強化が重畳し、強化への寄与が極めて大きくなる一方で、400℃での降伏強度には粒子分散強化の寄与をほとんどなくし、結晶粒径のみを強化の支配因子とすることが可能である。
このような粒内への微細セメンタイト粒子による分散強化は、フェライト分率が多いとき、そのフェライトの結晶粒径が比較的大きいとき、さらに冷却速度が大きいときに顕著となる。これは、合金元素の添加により焼入れ性が高まりフェライト分率が少なく第二相分率が多くなるような場合は、フェライト中の固溶C量が減少することにより、所定のセメンタイト析出量を確保することが困難であることと、結晶粒径が極端に細かくなると、Cが粒界まで容易に拡散することにより、粒内にセメンタイトを分散させることが困難であることと、さらに冷却速度が小さくなると、上記と同様にCが粒界まで容易に拡散することにより、粒内へセメンタイトを分散させることが困難であることに加え、セメンタイトが凝集、粗大化し、粒子分散強化に寄与できるようなサイズ、個数密度に制御することが困難であるからである。
ここで、セメンタイト粒子の円相当径を0.5μm以下、個数密度を100000個/mm以上とした理由は、0.5μm超、100000個/mm未満では、粒子分散強化が寄与しなくなり室温での降伏強度を235MPa以上にすることが困難であるからである。セメンタイト粒子の円相当径の下限と個数密度の上限は、セメンタイト粒子分散強化による靭性低下を許容できるレベルとして、円相当径の下限は20nm、個数密度の上限は10000000個/mmとすることが好ましい。
以下、各元素の量を限定した理由について説明する。なお、以下の「%」は、特段の説明がない場合は「質量%」を意味するものとする。
Cは、本発明において最も重要な元素である。セメンタイト粒子の析出量を確保し、室温での降伏強度を235MPa以上とするためには0.01%以上必要である。しかし、0.08%超では、例えばパーライトなどの第二相分率が増加することにより、400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であるため、0.08%を上限としたが、好ましくは0.02〜0.05%である。
Pは、不純物元素であり、固溶強化による高温での降伏強度の上昇や靭性の劣化を招くため、極力低減する必要がある。しかし、0.05%以下ではそれらの悪影響が許容できるため、0.05%を上限とする。Sも不純物元素であり、鋼の靭性や延性を劣化させるため、極力低減した方が望ましいが、0.05%以下ではそれらの悪影響が許容できるため、0.05%を上限とする。
Alは、本発明において重要な元素である。主に脱酸を目的として添加する。そのためには0.002%以上必要である。ただし、0.1%を超えると、アルミナ系の粗大酸化物やそのクラスターが生成し、靭性が損なわれるため、0.1%が上限である。好ましくはAl:0.01〜0.07%である。
Nは、微量では鋼片の加熱時に微細な窒化物を形成して加熱オーステナイト粒を微細化して靭性向上に寄与する。そのためには0.001%以上必要である。一方で、0.008%超では、窒化物の粗大化による靭性が劣化しやすいことと、固溶N量が増大して固溶強化により400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であるため、0.008%を上限とするが、好ましくは0.001〜0.005%である。なお、0.05%未満のSi及びMn、0.05%未満のCu、Ni及びCr、0.005%未満のMo、Nb、V及びTi、0.0005%未満のB、0.0003%未満のCa、Mg及びREMは、原料や耐火物等から不可避的不純物として混入することがあるが、これらの不可避不純物を無くすには精錬工程でコストがかかり過ぎることとなり、現実的でない。そして、これらの範囲内であれば、何ら悪影響を及ぼさないため、本発明では不可避不純物として許容できる。
以上が、本発明鋼板の基本成分であり、本発明の目的とする線状加熱による曲げ加工性や造船用鋼としての強度、靭性に優れた鋼板とすることができる。さらに、強度、靭性の調整の目的でSi、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、Bの1種以上を含有させることができる。しかし、これらの選択元素は、微量添加でも鋼の焼入れ性を高めて結晶粒微細化による強度、靭性向上や、固溶強化、析出強化などに寄与するが、いずれも過剰に含有すると、400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難となるので、それぞれ上限を設ける必要がある。この上限をSi、Mnは夫々0.5%、Cu、Ni、Crは夫々0.3%、Moは0.1%、Nbは0.01%、V、Tiは夫々0.02%、Bは0.003%とした。しかし好ましくは、Si、Mnは夫々0.3%以下、Cu、Ni、Crは夫々0.1%以下、Moは0.05%以下、Nbは0.005%以下、Vは0.01%以下、Tiは0.01%以下、Bは0.001%以下である。0.05%以上のSi、Mn、Cu、NiまたはCr、0.005%以上のMo、Nb、VまたはTi、若しくは0.0005%以上のBは、結晶粒微細化による強度、靭性向上や、固溶強化、析出強化などに寄与するため、この値を下限とした。
また、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、Bを複数種含有させる場合には、下記式で求められるCeqを0.2以下とする必要がある。これは、Ceqが0.2%を超える過剰に含有させると、400℃での降伏強度を180MPa以下にすることが困難であるからである。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%)
さらに、上記した含有元素のほかに、本発明においては、鋼板の延性向上やHAZ靭性向上の目的で、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0003〜0.005%の少なくとも一種以上を化学成分として含有してもよい。これらを含有させることにより、延性やHAZ靭性が向上する。Ca、Mg及びREMは夫々0.003%未満では鋼板の延性向上やHAZ靭性向上の効果が得られず、一方、夫々0.005%を超えて含有させても効果が飽和するので、夫々0.0003〜0.005%とした。
以下、本発明の製造方法を限定した理由について説明する。まず、上記した適切な化学成分組成に調整した溶鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造等の通常公知の鋳造方法で鋼素材とする。
次に、鋼素材を1000℃〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト単相化する。これは1000℃未満ではオーステナイト単相化が不十分であり、1300℃超では加熱γ粒径が極端に粗大化して圧延後に微細な組織を得ることが困難となり靭性が低下するからである。
引き続き行う圧延の過程が本発明の最も重要な部分である。すなわち、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域で累積圧下率30%以上の圧延を行うことが必要である。
まず、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域での圧延とした理由は、Ar3変態点未満の二相域圧延によってフェライト相へ転位が導入されると、転位強化が残存するため、400℃での降伏強度を180MPaとすることが困難となるからである。また転位が導入されたフェライト相と転位が導入されていないフェライト相との界面が脆性破壊の起点となり易く、靭性が低下する要因となることからも二相域圧延は避ける必要がある。さらに、二相域圧延を行った場合、集合組織の発達によってセパレーションが発生し易くなるため、シャルピー平均吸収エネルギーを100J以上確保することが困難となる。また、鋼板の異方性が大きくなることにより、線状加熱による曲げ加工性にも異方性が出てしまい、滑らかな曲率面となるよう加工することが困難となる。
次に、圧延の累積圧下率を30%以上とする理由は、30%未満では再結晶によるオーステナイトの細粒化が不十分であり、その後の加速冷却により結晶粒径を所定の範囲に制御することが困難となるからである。好ましくは圧延の累積圧下率を50%以上である。
上記の圧延後、750℃以上から、板厚平均で5〜50℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで加速冷却を行う必要がある。
冷却開始温度を750℃以上とした理由は、750℃未満では冷却前にフェライトが変態、成長し、平均結晶粒径を45μm以下にすることが困難であることと、フェライト中の固溶Cが減少しセメンタイト析出量の確保が困難であることと、さらにセメンタイトが析出、凝集、粗大化して室温での降伏強度を確保することが困難であるからである。
加速冷却時の冷却速度を板厚平均で5〜50℃/s以上とした理由は、上記と同様の理由で5℃/s未満ではフェライトの平均結晶粒径を45μm以下にすることが困難であることと、Cが粒界まで容易に拡散できることにより粒内にセメンタイトを分散させることが困難であることと、さらにセメンタイトが析出、凝集、粗大化して室温での降伏強度の確保が困難になるからである。また、50℃/sを超えると、フェライトの結晶粒径が15μm未満の細粒となってしまい、細粒強化により400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であることから、50℃/sを上限とした。好ましくは加速冷却時の冷却速度は板厚平均で10〜40℃/sである。
400℃未満の温度まで加速冷却する理由は、400℃以上では、セメンタイトが析出、凝集、粗大化して室温での降伏強度の確保が困難になるからであるが、300℃以下の温度まで加速冷却することが好ましい。
加速冷却後、強度と靭性を調整する目的で必要に応じ300以上400℃未満の温度で焼き戻しすることが可能である。その効果を得るためには300℃以上にする必要があり、400℃以上ではセメンタイトが凝集、粗大化して室温での降伏強度の確保が困難となるので、400℃未満、好ましくは350℃以下とする必要がある。
以上のように本実施形態によれば、線状加熱による曲げ加工作業効率向上のために、加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、つまり線状加熱部の最高到達温度が低い条件において、曲げ変形量が大きい鋼板、さらに造船用鋼としての降伏強度、靭性を十分に兼ね備えた鋼板を製造することができる。
製鋼工程において溶鋼の化学成分調整を行った後、連続鋳造によって鋳片を製造した。表1に化学成分を示す。表中、鋼種A〜Pは本発明の化学成分要件を満足するものであり、鋼種Q〜Xは本発明の化学成分要件を満足しないものである。なお、本発明の化学成分要件を満足する鋼種A〜Pは、Si≦0.02%、Mn≦0.03%、Cu≦0.03%、Ni≦0.03%、Cr≦0.04%、Mo≦0.004%、Nb≦0.002%、V≦0.002%、Ti≦0.002%、B≦0.0002%、Ca≦0.0002%、Mg≦0.0002%、REM≦0.0001%の範囲のいずれか1種以上の元素を不可避不純物として含有していたので、その不純物量を表1に示している。また、表中のAr3変態点(℃)は、これら鋳片より採取したフォーマスタ試験片を用いて、1200℃のオーステナイト化処理をした後、0.5℃/sで冷却する熱履歴を与えたときの熱膨張曲線によって求めた値である。表1の鋳片を用いて板厚10〜30mmの厚鋼板を製造した。表2に各厚鋼板の製造方法を示す。
Figure 2009185380
Figure 2009185380
表3に各鋼板のミクロ組織面積率(%)、及びフェライト相の平均結晶粒径(μm)、フェライト粒内のセメンタイト粒子の円相当径(μm)と個数密度(個/mm)を示す。それぞれの測定値は、中心偏析を外した板厚中心位置のものであり、各鋼板の代表値とした。ミクロ組織面積率は、100倍、または500倍の光学顕微鏡写真を用いて画像解析により測定した。このとき、圧延方向に伸ばされた圧延方向の板厚方向の長さの比(アスペクト比)が1.5以上のフェライトを加工フェライト、アスペクト比が1.5未満のフェライトを無加工フェライトと定義し、また第二相はフェライト以外のパーライト、ベイナイト、マルテンサイトを指す。フェライト相の平均結晶粒径は、ミクロ組織面積率を測定した光学顕微鏡写真を用いて、JIS G 0552の「鋼のフェライト結晶粒度試験方法」に準拠し、測定した。フェライト粒内のセメンタイト粒子の円相当径と個数密度は、10000倍〜50000倍の走査型電子顕微鏡写真を用いて画像解析により測定した。
Figure 2009185380
表4に各厚鋼板の機械的性質を示す。それぞれの測定値は、板厚中心部から採取した試験片を用いて試験したときのものであり、各鋼板の代表値とした。室温、及び400℃での降伏強度は、直径10mmの丸棒引張試験片を用いて、室温での引張試験は、JIS Z 2241の「金属材料引張試験方法」に準拠し、400℃での引張試験は、JIS G 0567の「鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法」に準拠し、各2本を試験測定し、その平均値を記載した。0℃のシャルピー平均吸収エネルギーは、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を用いて、JIS Z 2242の「金属材料衝撃試験方法」に準拠し、0℃で各3本を試験測定し、その平均値を記載した。更に、各鋼板の線状加熱後の変形特性を評価した結果を示す。この際の試験体は、元の板厚×500mm幅×500mm長さのサイズとした。板幅中央を長さ方向にガスバーナーにて線状加熱し、引き続きガスバーナー後方に配置した水冷トーチを用いて水冷した。この作業を鋼板同一の位置で3回繰り返し、鋼板の跳ね上がり量を測定した。線状加熱条件は、Oガスの圧力を5kg/cm、流量を50l/min、Cガスの圧力を0.5kg/cm、流量を20l/minとし、ガスバーナーと鋼板の距離を14cmとし、水量6l/minの冷却トーチはガスバーナー後方の90mm離れた位置に配置した。ガスバーナーと水冷トーチは、速度制御できるテーブルにセットし、予備試験において、鋼鈑表下1mmの位置で熱電対により温度測定し、狙いの温度となるようなテーブル速度条件を決めた。鋼鈑表下1mmの温度は、400、500、600℃とし、そのときのテーブル速度は、それぞれ640、480、280cm/minである。測定した跳ね上がり量とテーブル速度から、跳ね上がり量1mmを得るための加熱時間を求めることによって作業効率の評価とした。なお、このときの値は、単に線状加熱しているときの時間であり、段取り時間や跳ね上がり量の測定時間は考慮していない。
また、跳ね上がり量(mm)は、試験体を平坦な台の上に置き、試験体の片側端面を治具で固定し、その反対側端面の両端と中央部の計3箇所を、テーパーゲージを用いて測定し、その平均値を記載した。
Figure 2009185380
鋼番1〜16は本発明の厚鋼板である。化学成分、製造方法ともに本発明要件を満足しているため、機械的性質、ミクロ組織も本発明要件を満足していた。したがって、線状加熱後の曲げ変形特性は、比較例に比べ、跳ね上がり量は大きく、さらに跳ね上がり量1mmを得るための加熱時間は短くなり、極めて効率的であった。
これに対し、鋼番17〜33は比較例となる厚鋼板である。このうち、鋼番17〜24は、化学成分は本発明要件を満足しているが、製造方法及びミクロ組織が本発明要件を満足していない比較例である。また、鋼番25〜30は、製造方法が本発明要件を満足しているが、化学成分及びミクロ組織が本発明要件を満足していない比較例である。そして、鋼番31〜33は、化学成分、ミクロ組織、製造方法とも本発明要件を満足していない比較例である。
以下に比較例となる厚鋼板が本発明鋼板より劣ることについての理由を説明する。
鋼番17は、製造方法において、圧延後水冷を行わずに空冷している、すなわち冷却速度が本発明の下限を下回っている。そのため、フェライトの平均結晶粒径が本発明の上限を上回っていることから、シャルピー平均吸収エネルギーも本発明の下限を下回っている。また、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回ったことから、室温での降伏強度が本発明の下限を下回っている。400℃での降伏強度は本発明要件を満足しているため、線状加熱後の変形特性は優れているものの、造船用鋼としての降伏強度、靭性を兼ね備えていない。
鋼番18は、製造方法において、二相域圧延を行っている、また冷却開始温度も本発明の下限を下回っている。そのため、無加工フェライト面積率が本発明の下限を下回り、加工フェライト面積率が増加していることから、400℃での降伏強度が本発明の上限を上回り、シャルピー平均吸収エネルギーが本発明の下限を下回っている。よって、線状加熱後の変形特性が本発明鋼より劣っているとともに、造船用鋼として必要な靭性を有していない。
鋼番19は、製造方法において、焼戻し温度が本発明の上限を上回っている。そのため、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回ったことから、室温での降伏強度が本発明の下限を下回っている。400℃での降伏強度は本発明要件を満足しているため、線状加熱後の変形特性は優れているものの、造船用鋼として必要な降伏強度を有していない。
鋼番20は、製造方法において、冷却開始温度が本発明の下限を下回っている。そのため、フェライトの平均結晶粒径が本発明の上限を上回り、また、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回ったことから、室温での降伏強度が本発明の下限を下回り、シャルピー平均吸収エネルギーが本発明の下限を下回っている。400℃での降伏強度は本発明要件を満足しているため、線状加熱後の変形特性は優れているものの、造船用鋼としての降伏強度、靭性を兼ね備えていない。
鋼番21は、製造方法において、冷却速度が本発明の上限を上回っている。そのため、フェライトの平均結晶粒径が本発明の下限を下回ったことから、400℃での降伏強度が本発明の上限を上回っている。よって、線状加熱後の変形特性が本発明鋼より劣っている。
鋼番22は、製造方法において、冷却終了温度が本発明の上限を上回っている。そのため、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回ったことから、室温での降伏応力が本発明の下限を下回っている。400℃での降伏強度は本発明要件を満足しているため、線状加熱後の変形特性は優れているものの、造船用鋼として必要な降伏強度を有していない。
鋼番23は、製造方法において、二相域圧延を行っている、また冷却開始温度も本発明の下限を下回っている。そのため、無加工フェライト面積率が本発明の下限を下回り、加工フェライト面積率が増加していることから、400℃での降伏強度が本発明の上限を上回り、シャルピー平均吸収エネルギーが本発明の下限を下回っている。よって、線状加熱後の変形特性が本発明鋼より劣っているとともに、造船用鋼として必要な靭性を有していない。
鋼番24は、製造方法において、冷却速度が本発明の下限を下回っている。そのため、フェライトの平均結晶粒径が本発明の上限を上回っていることから、シャルピー平均吸収エネルギーも本発明の下限を下回っている。また、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回ったことから、室温での降伏強度が本発明の下限を下回っている。400℃での降伏強度は本発明要件を満足しているため、線状加熱後の変形特性は優れているものの、造船用鋼としての降伏強度、靭性を兼ね備えていない。
次に、化学成分において、鋼番25は、Mn、Cu、Ni、Nb、鋼番26は、Mn、Mo、V、鋼番27は、C、Mn、Cr、鋼番28はSiが本発明の上限を上回っている。また、鋼番29、30は各々の化学成分は本発明範囲内であるが、(1)式の値が本発明の上限を上回っている。このように、焼入れ性の高い化学成分となっているため、本発明要件を満足する製造方法においても、フェライト面積率が本発明の下限を下回り、さらにフェライトの平均結晶粒径が本発明の下限を下回っていることから、400℃での降伏強度が本発明の上限を大きく上回っている。そのため、線状加熱後の変形特性や効率が劣化している。
次に、鋼番31は、製造方法において、焼戻し温度が本発明の上限を上回っているため、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回っていることからセメンタイトの粒子分散強化は寄与していないが、室温での降伏強度は十分高い。これは、化学成分において、鋼番25と同様にMn、Cu、Ni、Nbが本発明の上限を上回っており、焼入れ性が高い化学成分となっているため、フェライト面積率が本発明の下限を下回り、さらにフェライトの平均結晶粒径が本発明の下限を下回っていることが原因である。よって、400℃での降伏応力が本発明の上限を大きく上回っているため、線状加熱後の変形特性や効率が劣化している。
鋼番32は、製造方法において、圧延後水冷を行わずに空冷している、すなわち冷却速度が本発明の下限を下回っているため、セメンタイト粒子の円相当径が本発明の上限を上回り、個数密度が本発明の下限を下回っていることからセメンタイトの粒子分散強化は寄与していないが、室温での降伏強度は十分高い。これは、鋼番31と同様の理由で、化学成分において、Mn、Ni、Nbが本発明の上限を上回っており、焼入れ性が高い化学成分となっているため、フェライト面積率が本発明の下限を下回っていることが原因である。よって、400℃での降伏応力が本発明の上限を上回っているため、線状加熱後の変形特性や効率が劣化している。
鋼番33は、製造方法において、二相域圧延を行っている、また冷却開始温度も本発明の下限を下回っている。そのため、無加工フェライト面積率が本発明の下限を下回り、加工フェライト面積率が増加している。それに加え、化学成分において、C、Mnが本発明の上限を上回っており、焼入れ性が高い化学成分となっているため、室温、及び400℃での降伏応力が本発明の上限を大きく上回り、さらに0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが本発明の下限を下回っている。よって、造船用鋼としての靭性を有していないばかりか、線状加熱後の変形特性や効率も本発明鋼に比べ著しく劣っている。
以上の実施例から、本発明を適用することにより、線状加熱による曲げ加工作業効率向上のために、加熱速度を上げて加熱時間を短くした条件、つまり線状加熱部の最高到達温度が低い条件において、曲げ変形量が大きい鋼板とするために、低温での降伏強度を低くした鋼板及びその製造方法、さらに造船用鋼としての降伏強度、靭性を十分に兼ね備えた鋼板及びその製造方法を提供できることが確認された。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.01〜0.08%、
    P :≦0.05%、
    S :≦0.05%、
    Al:0.002〜0.1%、
    N :0.001〜0.008%
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織が無加工のフェライト相が面積率で90%以上、そのフェライト相の平均結晶粒径が15〜45μmであり、またフェライト粒内に円相当径0.5μm以下のセメンタイト粒子が個数密度で100000個/mm以上存在しており、さらに室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上であることを特徴とした線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
  2. さらに、質量%で、
    Si:0.05〜0.5%、
    Mn: 0.05〜0.5%、
    Cu:0.05〜0.5%、
    Ni:0.05〜0.3%、
    Cr:0.05〜0.3%、
    Mo:0.005〜0.1%、
    Nb:0.005〜0.01%、
    V :0.005〜0.02%、
    Ti:0.005〜0.02%
    B :0.0005〜0.003%
    の少なくとも1種以上を化学成分として含有し、かつ、Ceqが0.20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
    但し、Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%)
  3. さらに、質量%で、
    Ca:0.0003〜0.005%、
    Mg:0.0003〜0.005%、
    REM:0.0003〜0.005%
    の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化学成分を有する鋼片を、1000〜1300℃に加熱し、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域で累積圧下率30%以上の圧延を行って製品板厚とした後、750℃以上から板厚平均で5〜50℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで加速冷却を行うことを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
  5. 前記加速冷却を終了した後、300℃以上400℃未満で焼戻しすることを特徴とする請求項4に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
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