JP5187151B2 - 線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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C :0.02〜0.07%、
Si:0.1〜1.3%、
P :≦0.05%、
S :≦0.05%、
Al:0.002〜0.1%、
N :0.001〜0.008%
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織が無加工のフェライト相が面積率で90%以上であり、Si量とフェライト相の平均結晶粒径〔μm〕に関する下記(1)、(2)、(3)式を同時に満足していることを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
734×d-0.5+81×Si0.5≧142・・・(1)式
327×d-0.5+58×Si0.5≦126・・・(2)式
−361×d-0.5+100×Si−131×Si0.5≦−80・・・(3)式
ここで、Si:元素添加物〔質量%〕、d:フェライト相の平均結晶粒径〔μm〕を意味する。
Mn:0.1〜0.5%、
Cu:0.01〜0.3%、
Ni:0.01〜0.3%、
Cr:0.01〜0.3%、
Mo:0.001〜0.1%、
Nb:0.001〜0.01%
V :0.001〜0.02%、
Ti:0.001〜0.02%、
B :0.0001〜0.003%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有し、かつ、下記炭素当量Ceqが0.25質量%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+V)/10+(Mo+Nb)/5+Ti/20+B/3
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、B:元素添加物〔質量%〕を意味する。
Ca:0.0003〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.005%、
REM:0.0003〜0.005%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
夫々A×d-0.5+B・・・(a)
と表される。傾きと切片をまとめたものを表2および表3に示す。
切片Bは、横軸をSi0.5とし、YP@RT、YP@400℃は直線回帰、T100Jは2次の多項式回帰をした。その結果を図2に示す。
このとき、YP@RT、YP@400℃=C×Si0.5+D・・・(b)、
T100J=E×Si+F×Si0.5+G・・・(c)
と表される。
YP@RT、YP@400℃=A×d-0.5+C×Si0.5+D・・・(d)
T100J=A×d-0.5+E×Si+F×Si0.5+G・・・(e)
上記式の各係数を表4に示す。
734×d-0.5+81×Si0.5+93≧235より
734×d-0.5+81×Si0.5≧142・・・(1)式
したがって、室温での降伏強度(YP@RT)を235MPa以上とするためには、上記(1)式を満足することが必要である。
YP@400℃≦180MPaなので、
327×d-0.5+58×Si0.5+54≦180より
327×d-0.5+58×Si0.5≦126・・・(2)式
したがって、400℃での降伏強度(YP@400℃)を180MPa以下とするためには、上記(2)式を満足することが必要である。
T100J≦0℃なので
−361×d-0.5+100×Si−131×Si0.5+80≦0より
−361×d-0.5+100×Si−131×Si0.5≦−80・・・(3)式
したがって、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上とするためには、上記(3)式を満足することが必要である。
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、室温での降伏強度を235MPa以上とするためには0.02%以上必要である。しかし、0.07%超では、例えばパーライトなどの第二相分率が増加することにより、400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であるため、0.07%を上限としたが、好ましくは0.03〜0.06%である。
Siは、本発明において最も重要な元素であり、鋼の強度と靭性を向上させる元素である。その効果を得るためには、0.1%以上の添加が必要である。しかし、1.3%を超えて過剰に添加すると400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であることと、逆に靭性が劣化するため1.3%を上限とした。好ましくは1.0%以下である。
Pは、不純物元素であり、固溶強化による高温での降伏強度の上昇や靭性の劣化を招くため、極力低減する必要がある。しかし、0.05%以下ではそれらの悪影響が許容できるため、0.05%を上限とする。Sも不純物元素であり、鋼の靭性や延性を劣化させるため、極力低減した方が望ましいが、0.05%以下ではそれらの悪影響が許容できるため、0.05%を上限とする。
Alは、本発明において重要な元素である。主に脱酸を目的として添加する。そのためには0.002%以上必要である。ただし、0.1%を超えると、アルミナ系の粗大酸化物やそのクラスターが生成し、靭性が損なわれるため、0.1%が上限である。好ましくはAl:0.01〜0.07%である。
Nは、微量では鋼片の加熱時に微細な窒化物を形成して加熱オーステナイト粒を微細化して靭性向上に寄与する。そのためには0.001%以上必要である。一方で、0.008%超では、窒化物の粗大化による靭性が劣化しやすいことと、固溶N量が増大して固溶強化により400℃での降伏強度を180MPa以下とすることが困難であるため、0.008%を上限とするが、好ましくは0.001〜0.005%である。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+V)/10+(Mo+Nb)/5+Ti/20+B/3
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、B:元素添加物量〔質量%〕を意味する。
まず、上記した適切な化学成分組成に調整した溶鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造等の通常公知の鋳造方法で鋼素材とする。
Claims (7)
- 質量%で、
C :0.02〜0.07%、
Si:0.1〜1.3%、
P :≦0.05%、
S :≦0.05%、
Al:0.002〜0.1%、
N :0.001〜0.008%
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織が無加工のフェライト相が面積率で90%以上であり、Si量とフェライト相の平均結晶粒径〔μm〕に関する下記(1)、(2)、(3)式を同時に満足していることを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
734×d-0.5+81×Si0.5≧142・・・(1)式
327×d-0.5+58×Si0.5≦126・・・(2)式
−361×d-0.5+100×Si−131×Si0.5≦−80・・・(3)式
ここで、Si:元素添加物〔質量%〕、d:フェライト相の平均結晶粒径〔μm〕を意味する。 - 質量%で、
Mn:0.1〜0.5%、
Cu:0.01〜0.3%、
Ni:0.01〜0.3%、
Cr:0.01〜0.3%、
Mo:0.001〜0.1%、
Nb:0.001〜0.01%
V :0.001〜0.02%、
Ti:0.001〜0.02%、
B :0.0001〜0.003%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有し、かつ、下記炭素当量Ceqが0.25質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+V)/10+(Mo+Nb)/5+Ti/20+B/3
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、B:元素添加物〔質量%〕を意味する。 - 質量%で、
Ca:0.0003〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.005%、
REM:0.0003〜0.005%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする請求項1または2に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。 - 室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化学成分を有する鋼片を、1000〜1300℃に加熱し、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域で累積圧下率30%以上の圧延を行って製品板厚とした後、750℃以上から板厚平均で1〜50℃/sの冷却速度で400℃〜650℃の温度まで加速冷却を行い、室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上の厚鋼板とすることを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化学成分を有する鋼片を、1000〜1300℃に加熱し、Ar3変態点以上のオーステナイト単相域で累積圧下率30%以上の圧延を行って製品板厚とした後、放冷による冷却を行い、室温での降伏強度が235MPa以上、400℃での降伏強度が180MPa以下、0℃でのシャルピー平均吸収エネルギーが100J以上の厚鋼板とすることを特徴とする線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
- 前記冷却を終了した後、400〜650℃の温度で焼戻しすることを特徴とする請求項5または6に記載の線状加熱による曲げ加工性に優れた厚鋼板の製造方法。
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